JP3651859B2 - 往復葉書 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、秘密にすべき情報上に貼付してその情報を一時的に隠蔽するための情報隠蔽用ラベルを利用した往復葉書に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の往復葉書において、往信時又は返信時の少なくとも一方のときに、情報を隠蔽して送付するものが知られている。
図6は、従来のこの種の往復葉書の第1の例を示す平面図である。この往復葉書は、例えば金融機関が顧客に対して契約内容を確認する場合に用いられるものである。
図6の往復葉書10において、往信葉書部11と返信葉書部12とは、裁断可能なミシン目15によって連接されている。また、返信葉書部12には、裁断かつ折り返し可能なミシン目16によって隠蔽片13が連接されている。
往信葉書部11上には、剥離可能、剥離後の再粘着可能、かつ再粘着後の再剥離可能なシール14が貼付されている。シール14の裏面側には、シール14との密着面がシリコン加工等された剥離紙(図示せず)が設けられており、この剥離紙が往信葉書部11上に接着されている。
【0003】
また、返信葉書部12上の所定領域には、契約内容を印字するための印字領域12aが設けられている。さらに、隠蔽片13の図中表面側には、被着体と密着させて加圧することにより、被着体と剥離可能に粘着される粘着剤(図示せず)が設けられている。
先ず、金融機関は、往信葉書部11に顧客の宛名を、返信葉書部12の印字領域12aに契約内容を、それぞれ印字する。そして、隠蔽片13をミシン目16から折り返し、図中、返信葉書部12の上面に重ね、圧着する。これにより、隠蔽片13が返信葉書部12上に密着し、返信葉書部12に印字された契約内容が隠蔽される。この状態で、往復葉書10が顧客に送付される。
【0004】
顧客は、この往復葉書10を受け取ると、隠蔽片13を返信葉書部12上から剥離する。そして、印字された契約内容を確認する。契約内容を訂正等する必要がある場合には、ここに記入する。次に、顧客は、ミシン目15及び16からそれぞれ往信葉書部11及び隠蔽片13を分離する。そして、往信葉書部11上に貼付されているシール14を剥離し、そのシール14を契約内容を印字した印字領域12a上に再度貼付する。これにより、契約内容が再度隠蔽される。そして、顧客は、この返信葉書部12を金融機関に返送する。
返信葉書部12を受け取った金融機関は、シール14を再剥離し、契約内容に訂正等があるかどうかを確認する。
【0005】
図7は、従来のこの種の往復葉書の第2の例を示す平面図である。この往復葉書は、例えば顧客がクレジット会社に対して口座振替手続きの申し込みをする場合に用いられるものである。
図7の往復葉書20において、往信葉書部21と返信葉書部22とは裁断可能なミシン目23によって連接されている。往信葉書部21上には、剥離可能、剥離後の再粘着可能、かつ再粘着後の再剥離可能なシール24が貼付されている。また、第1の例と同様に、シール24の裏面側には剥離紙(図示せず)が設けられており、この剥離紙が往信葉書部21上に接着されている。
【0006】
また、返信葉書部22上の所定領域には、顧客が口座振替手続きの申し込みをする場合の指定口座番号等を記入するための記入領域22aが設けられている。先ず、クレジット会社は、往信葉書部21に顧客の宛名等を印字し、往復葉書20を顧客に送付する。
顧客は、これを受け取ると、返信葉書部22の記入領域22aに指定口座番号等を記入する。そして、シール24を往信葉書部21から剥離し、記入領域22a上に貼付する。これにより、記入した指定口座番号等が隠蔽される。そして、ミシン目23を裁断し、返信葉書部22をクレジット会社に返送する。
クレジット会社は、これを受け取ると、シール24を返信葉書部22から剥離して、記入領域22aに記入された指定口座番号等を見る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の従来の往復葉書において、第1の例では、往復葉書10の基材として、3つ(往信葉書部11、返信葉書部12及び隠蔽片13)を連接しなければならず、通常の往復葉書と比較して、材料コストが高くなるという問題があった。さらに、隠蔽片13(又は返信葉書部12)上の略全面には、粘着剤を設けなければならず、これによってもコストが高くなるという問題があった。さらに、一般の往復葉書と比較して、製造日数がかかるという問題があった。
【0008】
また、第1及び第2の例において、往信葉書部11,21上にシール14,24を設ける際に、シール14,24の裏面側には剥離紙を設け、その剥離紙を往信葉書部11,21に接着するという方法を採らなければならず、この場合でもコストが高くなるという問題があった。さらに、シール14,24を設ける往信葉書部11,21上の領域には、情報を表示することができず、その領域が無駄になるという問題があった。
【0009】
本発明の課題は、コストを高くすることなく、往復葉書の往信時及び返信時の双方において情報を隠蔽することができるようにし、さらには、シールを設けた領域においてもその下側の情報が見えるようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、請求項1の発明は、往信葉書部と返信葉書部とが連接された葉書基材と、前記葉書基材の前記往信葉書部の所定領域に設けられ、外部から隠蔽すべき第1隠蔽情報が記録される第1隠蔽情報記録領域と、前記葉書基材の前記返信葉書部の所定領域に設けられ、外部から隠蔽すべき第2隠蔽情報が記録される第2隠蔽情報記録予定領域と、隠蔽性のある第1ラベル部、透明又は半透明の第2及び第3ラベル部が上からこの順に積層され、前記第1隠蔽情報記録領域に記録された前記第1隠蔽情報を隠蔽可能に覆うように貼付されており、前記第3ラベル部を前記往信葉書部に残して前記第1ラベル部及び前記第2ラベル部からなる第2情報隠蔽用ラベルを剥離することにより前記第1隠蔽情報を見ることができ、前記第2隠蔽情報記録予定領域に前記第2情報隠蔽用ラベルを貼付することにより前記第2隠蔽情報を隠蔽でき、前記第2情報隠蔽用ラベルの前記第1ラベル部を剥離することにより前記第2隠蔽情報を見ることができる情報隠蔽用ラベルと、を備える往復葉書である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明による往復葉書の一実施形態を示す平面図である。また、図2は、図1のA−A断面を詳細に示す断面図である。
往復葉書30は、裁断可能なミシン目33によって連接された往信葉書部31と返信葉書部32とから構成されている。往信葉書部31上には、往復葉書30の差出人が外部から秘密にすべき情報を記録する記録領域31a(図2)が設けられており、その上面を覆うようにラベル34が貼付されている。
また、返信葉書部32には、返信葉書部32の差出人が外部から秘密にすべき情報を記録する記録領域32aが設けられている。
【0016】
図2において、ラベル34は、ラベル部34a,34c及び34eと、それらのそれぞれ下面に設けられた接着層34b,34d及び34fとを積層したものである。
ラベル部34aは、ラベル34の最上面に配置されたものであり、下地の隠蔽性を有する不透明体から形成されている。ラベル部34aの表面上には、ラベル34の取り扱い上の注意等の情報が印刷されていても良い。
【0017】
ラベル部34aの下面には接着層34bが設けられており、その下側に配置されたラベル部34cと剥離可能に接着されている。接着層34bは、透明若しくは半透明又は不透明のいずれであっても良い。
ラベル部34cは、透明又は半透明であり、その下地の透過性を有する。
【0018】
ラベル部34cの下面には接着層34dが設けられており、その下側に配置されたラベル部34eと剥離可能に接着されている。この接着層34dは、透明又は半透明であり、その下地の透過性を有する。
ラベル部34eは、透明又は半透明であり、その下地の透過性を有する。ラベル部34eの下面には接着層34fが設けられており、往信葉書部31の記録領域31a上に接着されている。接着層34fは、透明又は半透明であり、その下地の透過性を有する。
【0019】
次に、接着層34b,34d及び34fの接着強度について説明する。
先ず、ラベル34が往信葉書部31上に接着された場合において、(1)接着層34bがラベル部34cと接着する接着強度、(2)接着層34dがラベル部34eと接着する接着強度、及び(3)接着層34fが往信葉書部31と接着する接着強度は、
(2)<(1),(3)
の関係を満たすように設定されている。
また、(1)、及び(4)接着層34dが返信葉書部32上に接着されたときの接着強度は、
(1)<(4)
の関係を満たすように設定されている。
以上の接着層34b,34d及び34fの接着力は、アクリル系樹脂やポリ塩化ビニル酢酸ビニル等の接着主剤の選択や、粘着主剤に添加されるシリカ、でんぷん、樹脂ビーズ等の粘着主剤に対する添加量をコントロールすることで、調整することができる。また、ラベル部34c,34eの表面(図2中、上面)に、離型処理を施すことで、接着力の調整が容易になる。
【0020】
次に、往復葉書30の使用方法について説明する。
最初は、ラベル34は、往復葉書30には貼付されていない。往復葉書30の差出人は、受取人の宛名を往信葉書部31上に印字するとともに、往復葉書30の受取人に対して伝達すべき情報であって外部から秘密にすべき情報を往信葉書部31の記録領域31a上に印字する。そして、記録領域31a上を覆うようにラベル34を貼付する(図2)。ラベル34は一般には極めて弱い力で剥離可能に剥離紙等に貼付されており、この剥離紙等からラベル34を剥離して、往信葉書部31に貼付する。
これにより、記録領域31a上に印字された情報は、外部から隠蔽される。そして、差出人は、この往復葉書30を受取人に送付する。
【0021】
受取人は、この往復葉書30を受け取ると、ラベル34を剥離して、記入領域31a上に印字された情報を見る。ラベル34を剥離しようとすると、上述した(2)<(1),(3)の関係から、このときに最も弱い接着力で接着されている接着層34dとラベル部34eとの間が分離される(図3)。これにより、ラベル34のうちラベル部34a〜接着層34d(以下、「ラベル34’」という。)が一体となって分離され、往信葉書部31上にはラベル部34e及び接着層34fが残ることとなる。ラベル部34e及び接着層34fは双方とも透明又は半透明であり、その下地の透過性を有するので、ラベル部34e上から、記録領域31aに印字された情報を見ることができる。
【0022】
次に、受取人は、返信葉書部32の記録領域32aに、返信葉書部32の受取人に対して伝達すべき情報であって外部から秘密にすべき情報を記入する。そして、その後に、往信葉書部31から分離したラベル34’を、この記録領域32a上に貼付する(図4)。
これにより、記録領域32a上に記入された情報が外部から隠蔽される。そして、返信葉書部32の差出人は、ミシン目33を裁断することにより往信葉書部31を分離して、返信葉書部32をその受取人に送付する。
【0023】
受取人は、この返信葉書部32を受け取ると、ラベル34’を剥離して、記録領域32a上に記入された情報を見る。ラベル34’を剥離しようとすると、上述した(1)<(4)の関係から、接着層34bとラベル部34cとの間が分離される(図5)。これにより、ラベル34’のうちラベル部34a及び接着層34bが一体となって分離され、返信葉書部32上にはラベル部34c及び接着層34dが残ることとなる。ラベル部34c及び接着層34dは双方とも透明又は半透明であり、その下地の透過性を有するので、ラベル部34c上から、記録領域32aに記入された情報を見ることができる。
【0024】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、均等の範囲内で例えば以下のような変形が可能である。
(1)実施形態では、ラベル34のラベル部34a,34c及び34eは、略同一の大きさに形成したが、各ラベル部の大きさ(表面積)が、ラベル部34a>ラベル部34c>ラベル部34eの関係となるように形成すれば、ラベル34及び34’の剥離時に、常にラベル部34aの外縁部を摘んで剥離することができるようになる。一方、ラベル部34a<ラベル部34c<ラベル部34eの関係となるように形成すれば、剥離すべきラベル部を明確にすることができる。
【0025】
(2)接着層34fは、製造過程上必要な(図示しない)剥離紙から剥がした後に、往復葉書30の往信葉書部31に接着させる必要があり、また、接着層34dは、ラベル部34eから剥がした後に、往復葉書30の返信葉書部32に接着させる必要がある。一方、接着層34bは、往復葉書30の返信葉書部32の記録領域32aを読み取るために剥がすことができれば良く、再接着の必要性がないだけではなく、剥がされたラベル部34aの接着層34bの表面が粘着性を有すると、剥がされたラベル部34aを取り扱いにくい。
そこで、接着層34bを、一般的な接着層に代えて、接着しているが剥離後には表面接着性のない擬似接着層を用いることができる。擬似接着層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムに、融点以上に加熱したポリエチレン等の樹脂を、エクストルージョンコート法により塗布し、常温まで冷却させる方法があげられる。これにより、フィルムと樹脂との界面は接着しているが、剥離後にはフィルムも樹脂も表面接着性のないものとなり、この構造を接着層34bに使用することができる。フィルム又は樹脂として透明なものを使用すれば、ラベル部34cとして使用することができ、また、フィルム又は樹脂の隠蔽性を高めるために顔料を添加すれば、ラベル部34aとして使用することができる。
(3)また、本発明は、口座自動振替依頼書、ローン申込書、金融機関での顧客の契約内容等の変更通知書、保険会社での控除証明書、その他各種申込書、応募用紙等に広く適用することができる。
(4)さらに、ラベル34は、往復葉書30に用いることのみに限られるものではなく、帳票その他の情報記録媒体に広く用いることができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、コストを高くすることなく、往復葉書の往信時及び返信時の双方において情報を隠蔽することができる。また、1回目の剥離と2回目の剥離との双方において往信葉書部及び返信葉書部の剥離された領域の情報を見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による往復葉書の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A断面を詳細に示す断面図である。
【図3】ラベル34を往信葉書部31から剥離するときの様子を示す断面図である。
【図4】ラベル34’を返信葉書部32に貼付したときの様子を示す断面図である。
【図5】ラベル34’を返信葉書部32から剥離するときの様子を示す断面図である。
【図6】従来の往復葉書の第1の例を示す平面図である。
【図7】従来の往復葉書の第2の例を示す平面図である。
【符号の説明】
30 往復葉書
31 往信葉書部
31a 記録領域
32 返信葉書部
32a 記録領域
33 ミシン目
34 ラベル
34a,34c及び34e ラベル部
34b,34d及び34f 接着層
Claims (1)
- 往信葉書部と返信葉書部とが連接された葉書基材と、
前記葉書基材の前記往信葉書部の所定領域に設けられ、外部から隠蔽すべき第1隠蔽情報が記録される第1隠蔽情報記録領域と、
前記葉書基材の前記返信葉書部の所定領域に設けられ、外部から隠蔽すべき第2隠蔽情報が記録される第2隠蔽情報記録予定領域と、
隠蔽性のある第1ラベル部、透明又は半透明の第2及び第3ラベル部が上からこの順に積層され、前記第1隠蔽情報記録領域に記録された前記第1隠蔽情報を隠蔽可能に覆うように貼付されており、前記第3ラベル部を前記往信葉書部に残して前記第1ラベル部及び前記第2ラベル部からなる第2情報隠蔽用ラベルを剥離することにより前記第1隠蔽情報を見ることができ、前記第2隠蔽情報記録予定領域に前記第2情報隠蔽用ラベルを貼付することにより前記第2隠蔽情報を隠蔽でき、前記第2情報隠蔽用ラベルの前記第1ラベル部を剥離することにより前記第2隠蔽情報を見ることができる情報隠蔽用ラベルと、
を備える往復葉書。
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