JP3570911B2 - 情報隠蔽用ラベル付き複写記入シート - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、他人に知られたくない隠蔽すべき情報（以下単に隠蔽情報という）をラベルで隠蔽した状態で伝達するための情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートに関し、例えば、申込書を自宅に持ち帰って隠蔽情報を含む必要事項を記入し、少なくとも隠蔽情報をラベルで被覆隠蔽したうえ、この記入済みの申込書を、申込先に郵送等により送付あるいは持参して申込手続を行うのに適したものであり、より具体的には、控えシートを有してなり、この控えシートに記入することにより、ラベルの下面側に位置する各種申込書等の複写記入シートに複写記入することのできる情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、種々の情報隠蔽用ラベル付きシートが存在するが、これら従来例におけるラベルは、隠蔽情報を隠蔽するためにシートの所定位置に剥離可能に貼着するとともに、必要に応じて剥離して隠蔽情報を視認可能とするように構成されているに過ぎず、記入作業との関連は何ら考慮されていない。また、記入時に控えをとることができないので、隠蔽情報の内容を確認あるいは管理するために、記入者が控えを手許におきたい場合には、記入者自身で控えを作成しなければならなかった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、シートに隠蔽情報を複写記入したうえ、この隠蔽情報を被覆隠蔽した状態で伝達できるとともに、控えをとることができる情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートを提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートは、透視不能な隠蔽用のラベル基材の上面側に控えシートを分離可能に設け、この控えシートの上面には隠蔽すべき情報を記入する隠蔽情報記入部を設け、前記ラベル基材の下面側には透視可能なシートを剥離可能に接合し、この透視可能なシートの下面側には粘着剤を設けるとともに一端側を除いて剥離紙で被覆してなる情報隠蔽用ラベルを、前記剥離紙で被覆されていない露出した粘着剤で、上面に隠蔽情報複写記入部を設けた複写記入シートの所定位置に前記隠蔽情報複写記入部を被覆するよう貼着するとともに、前記控えシートの隠蔽情報記入部への記入で前記隠蔽情報複写記入部へ複写記入するように、前記複写記入シートの隠蔽情報複写記入部とこれに対向する前記剥離紙の下面とに、相対的に複写構造を設けてなることを特徴とする。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を口座振替申込書として使用する情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートに適用した場合の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図１〜図５は第１の実施形態を示し、図１は情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートの平面図、図２はそのＡ−Ａ線断面図、図３は所定事項を記入した状態の平面図、図４はそのＢ−Ｂ線断面図、図５はラベル基材を剥離して隠蔽情報を視認可能にした状態の平面図である。また、図６は第２の実施形態を示す断面図である。
【０００６】
まず、第１の実施形態を説明すると、図１及び図２に示すように、情報隠蔽用ラベル付き複写記入シート３０は、情報隠蔽用のラベル１を備え、このラベル１は、透視不能な材質からなるラベル基材２の上面側に、これとほぼ同一大の控えシート３を、一端側に線状に塗布した糊４で綴じ合わせて、分離可能に設けている。前記控えシート３の上面には、「△△カード口座振替申込（控）」という標題５の下に、口座振替を行う銀行支店名記入欄６、口座番号記入欄７、口座名義人記入欄８、口座名義人電話番号記入欄９、取引暗証番号記入欄１０、銀行届出印捺印欄１１が設けられている。これら各欄６〜１１が隠蔽情報記入部２４ａを構成する。
【０００７】
ラベル基材２の下面側には、これとほぼ同一大で透視可能な樹脂製の透明シート１２を接着力の強い粘着剤１３で剥離困難に貼着している。前記透明シート１２の下面には、疑似接着層２６を介して同じく樹脂製の透明シート２７を剥離可能に疑似的に貼着し、これによって前記透明シート２７は、前記ラベル基材２の下面側に剥離可能に接合しているものである。また、前記透明シート２７の下面には、透明で接着力の強い粘着剤１４を塗布し、この粘着剤１４塗布面を控えシート３綴じ合わせ側の端部を除いて剥離紙１５で被覆している。そして、この剥離紙１５で被覆されずに露出する粘着剤１４により、ラベル１を複写記入シートである口座振替申込書２０の所定位置に捲り上げ可能に貼着している。
【０００８】
上述の疑似的に貼着した透明シート１２，２７としては、相互間の接着性が低い材質を採用すると好適であり、例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレン、ポリプロピレンとポリエチレン、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートとポリプロピレン等、オレフィン系樹脂とエステル系樹脂等との組み合わせが好適である。
【０００９】
また、疑似接着層２６は、相互に接着性が低い透明シート１２，２７の間に、一方の透明シートと接着性を有する樹脂を溶融状態で塗布して、溶融樹脂と接着性の低い他の透明シートとの間に剥離可能な疑似的接着状態を形成すればよい。具体的には、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの組み合わせからなる透明シート１２，２７の場合には、これら透明シート１２，２７の間に、一方のシートと同一材質の樹脂、例えばポリエチレンをエクストルージョンコートして、各透明シート１２，２７を積層することにより形成することができる。
【００１０】
口座振替申込書２０は、図１及び図２に示すように、天地方向の幅がラベル基材２及び各シート３，１２，２６と同一であり、控えシート３に設けた各記入欄６，７，８，９，１０，１１に対応する隠蔽情報複写記入部２４ｂを、上面の中央から左側部分に設ける（図５参照）とともに、上面の右側部分には、申込年月日と、申込者の住所、氏名と、カードを利用して決済を行う会員制クラブの会員番号とを記入する申込者記入部２１を設けている。
【００１１】
そして、隠蔽情報複写記入部２４ｂ上には公知の呈色剤層２９を設ける一方、剥離紙１５の下面側には、前記呈色剤層２９に対向するように公知の発色剤層２８を設けている。これら両層２８，２９でノーカーボン方式の複写構造を構成するものである。
【００１２】
続いて、上述した情報隠蔽用ラベル付き複写記入シート３０の使用方法を説明する。図１及び図２状態において、控えシート３の隠蔽情報記入部２４ａである各記入欄６，７，８，９，１０に所定情報２５を記入し、銀行届出印捺印欄１１に捺印すると、発色剤層２８と呈色剤層２９の作用により、図５に示すように、隠蔽情報記入部２４ａと同一事項が口座申込書２０の隠蔽情報複写記入部２４ｂに複写情報２２として複写記入される。そして、図３に示すように、申込者記入部２１に所定の申込者情報２３を記入すると、口座振替申込書２０に対する所定の記入が終了する。
【００１３】
次に、申込者は、控えシート３をラベル基材２から分離して自己の控えとして保管する一方、剥離紙１５を剥離して粘着剤１４をすべて露出し、透明シート２７の下面を全面的に口座振替申込書２０に接着する。これによって、複写情報２２は透視不能なラベル基材２によって外部から視認不能に被覆隠蔽された状態となる。
【００１４】
申込者は、この状態の口座振替申込書２０を封筒に入れて口座振替を希望する銀行に郵送したり、あるいは直接銀行の窓口に持参して申し込むものである。この申込に際する銀行内の手続において、最終的な処理部門に至るまでは、隠蔽情報である複写情報２２は視認不能状態を維持する。そして、ラベル基材２を捲り上げると、各透明シート１２，２７が疑似接着層２６から剥離し、ラベル基材２は透明シート１２とともに、透明シート２７を口座振替申込書２０側に残した状態で剥離される。したがって、図５に示すように、複写情報２２は透明シート２７を透して視認可能となる。
【００１５】
次に、第２の実施形態を図６に基づいて説明する。本実施形態の情報隠蔽用ラベル付き複写記入シート６０は、情報隠蔽用のラベル３１を備え、このラベル３１は、透視不能な材質からなるラベル基材３２の上面側に、これとほぼ同一大の控えシート３３を、一端側に線状に塗布した糊３４で綴じ合わせて、分離可能に設けるとともに、該ラベル基材３２は切り用ミシン目５１を介して口座振替申込書５０と連接している。図示してはいないが、前記控えシート３３の上面には、第１の実施形態と同じく、「△△カード口座振替申込（控）」という標題の下に、銀行支店名記入欄、口座番号記入欄、口座名義人記入欄、口座名義人電話番号記入欄、取引暗証番号記入欄、銀行届出印捺印欄からなる隠蔽情報記入部が設けられている。
【００１６】
ラベル基材３２の下面側には、これとほぼ同一大で透視可能な樹脂製の透明シート３５を接着力の強い粘着剤３６で剥離困難に貼着している。前記透明シート３５の下面には、疑似接着層３７を介して同じく樹脂製の透明シート３８を剥離可能に貼着し、これによって前記透明シート３８は、前記ラベル基材３２の下面側に剥離可能に接合しているものである。また、前記透明シート３８の下面には、透明で接着力の強い粘着剤３９を塗布し、この粘着剤３９塗布面を切り用ミシン目５１側の端部を除いて剥離紙４０で被覆している。そして、被覆されずに露出した粘着剤３９により、ラベル３１を口座振替申込書５０の所定位置に捲り上げ可能に接着しているものである。
【００１７】
上述の疑似的に接着した透明シート３５，３８としては、第１の実施形態で説明した相互間の接着性が低い材質を採用すると好適であり、また、疑似接着層３７も、第１の実施形態で説明したように形成すればよい。
【００１８】
また、剥離紙４０における控えシート３３に設けた隠蔽情報記入部に対応する部分の下面側には、複写構造としてカーボン複写剤層４２を設けている。なお、口座振替申込書５０は、ラベル基材３２と切り用ミシン目５１を介して連接されている以外の構成は、第１の実施形態における口座振替申込書２０と同一構成であり、図示していないが、隠蔽情報複写記入部及び申込者記入部を有している。
【００１９】
本実施形態においては、第１の実施形態と同様に、控えシート３３の隠蔽情報記入部である各記入欄（図示せず）に所定情報を記入し、届出印捺印欄（図示せず）に捺印すると（図３参照）、カーボン複写剤層４２よりなる複写構造により同一事項が口座振替申込書５０の対応する隠蔽情報複写記入部（図示せず）に複写情報として複写記入される（図５参照）。そして、申込者記入部に所定の申込者情報を記入して（図３参照）、口座振替申込書５０に対する所定の記入が終了する。
【００２０】
次に、申込者は、控えシート３３をラベル基材３２から分離して自己の控えとして保管する一方、剥離紙４０を剥離して粘着剤３９をすべて露出し、透明シート３８の下面を全面的に口座振替申込書５０に接着する。これによって、複写情報はラベル基材３２によって外部から視認不能に被覆隠蔽された状態となる。
【００２１】
申込者は、この状態の口座振替申込書５０を封筒に入れて口座振替を希望する銀行に郵送したり、あるいは直接銀行の窓口に持参して申し込むものである。この申込に際する銀行内の手続において、最終的な処理部門に至るまでは、隠蔽情報である複写情報は視認不能状態を維持する。そして、ラベル基材３２を捲り上げ、切り用ミシン目５１を破断すると、各透明シート３５，３８が疑似接着層３７から剥離し、ラベル基材３２は透明シート３５とともに、透明シート３８を口座振替申込書５０側に残した状態で剥離される。したがって、複写情報は透明シート３８を透して視認可能となる。
【００２２】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、たとえば、透視可能なシート２７，３８をラベル基材２，３２の下面側に剥離可能に接合する構成としては、透視可能なシート１２，３５に疑似接着剤層２６，３７を介して接着するほか、接着力の弱い再剥離性の弱粘着剤で直接的に剥離可能に貼着してもよい。この接着力の弱い再剥離性の弱粘着剤としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体等を主剤とし、ロジン誘導体、テルピン樹脂等の粘着付与剤及び充てん剤、老化防止剤等を添加してなるものを挙げることができる。
【００２３】
また、口座振替申込書２０，５０を葉書として形成することも可能である。さらに、ラベル基材２，３２の材質が透視不能性において劣っている場合や、透視不能性をより確実に確保したい場合には、ラベル基材２，３２面にベタ印刷等を施したり、アルミ箔膜を積層することもできる。またさらに、本発明を口座振替申込書２０，５０以外の複写記入シートに適用することも可能である。
【００２４】
【発明の効果】
以上説明したところで明らかなように、本発明の情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートによれば、控えシートに隠蔽情報記入部を設け、この下位に対応位置する複写記入シートの隠蔽情報複写記入部と剥離紙の下面に、相対的に複写構造を設けることで、各種複写記入シートに情報を複写記入できるとともに、複写記入した情報を被覆隠蔽した状態にして、確実に伝達することができ、また、記入内容を控えとして保管することができるとともに管理も容易であるなどという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートの平面図。
【図２】図１のＡ−Ａ線断面図。
【図３】控えシートに所定事項を記入した状態の平面図。
【図４】図３のＢ−Ｂ線断面図。
【図５】ラベル基材を口座振替申込書から剥離して隠蔽情報を視認可能にした状態の平面図。
【図６】第２の実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
１，３１ ラベル
２，３２ ラベル基材
３，３３ 控えシート
４，３４ 糊
６ 銀行支店名記入欄
７ 口座番号記入欄
８ 口座名義人記入欄
９ 口座名義人電話番号記入欄
１０ 取引暗証番号記入欄
１１ 銀行届出印鑑捺印欄
１２，２７，３５，３８ 透明シート
１３，１４，３６，３９ 粘着剤
１５，４０ 剥離紙
２０，５０ 口座振替申込書
２２ 複写情報
２４ａ 隠蔽情報記入部
２４ｂ 隠蔽情報複写記入部
２６，３７ 疑似接着層
２８ 発色剤層
２９ 呈色剤層
３０，６０ 情報隠蔽用ラベル付き複写記入シート
４２ カーボン複写剤層
【発明の属する技術分野】
本発明は、他人に知られたくない隠蔽すべき情報（以下単に隠蔽情報という）をラベルで隠蔽した状態で伝達するための情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートに関し、例えば、申込書を自宅に持ち帰って隠蔽情報を含む必要事項を記入し、少なくとも隠蔽情報をラベルで被覆隠蔽したうえ、この記入済みの申込書を、申込先に郵送等により送付あるいは持参して申込手続を行うのに適したものであり、より具体的には、控えシートを有してなり、この控えシートに記入することにより、ラベルの下面側に位置する各種申込書等の複写記入シートに複写記入することのできる情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、種々の情報隠蔽用ラベル付きシートが存在するが、これら従来例におけるラベルは、隠蔽情報を隠蔽するためにシートの所定位置に剥離可能に貼着するとともに、必要に応じて剥離して隠蔽情報を視認可能とするように構成されているに過ぎず、記入作業との関連は何ら考慮されていない。また、記入時に控えをとることができないので、隠蔽情報の内容を確認あるいは管理するために、記入者が控えを手許におきたい場合には、記入者自身で控えを作成しなければならなかった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、シートに隠蔽情報を複写記入したうえ、この隠蔽情報を被覆隠蔽した状態で伝達できるとともに、控えをとることができる情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートを提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートは、透視不能な隠蔽用のラベル基材の上面側に控えシートを分離可能に設け、この控えシートの上面には隠蔽すべき情報を記入する隠蔽情報記入部を設け、前記ラベル基材の下面側には透視可能なシートを剥離可能に接合し、この透視可能なシートの下面側には粘着剤を設けるとともに一端側を除いて剥離紙で被覆してなる情報隠蔽用ラベルを、前記剥離紙で被覆されていない露出した粘着剤で、上面に隠蔽情報複写記入部を設けた複写記入シートの所定位置に前記隠蔽情報複写記入部を被覆するよう貼着するとともに、前記控えシートの隠蔽情報記入部への記入で前記隠蔽情報複写記入部へ複写記入するように、前記複写記入シートの隠蔽情報複写記入部とこれに対向する前記剥離紙の下面とに、相対的に複写構造を設けてなることを特徴とする。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を口座振替申込書として使用する情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートに適用した場合の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図１〜図５は第１の実施形態を示し、図１は情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートの平面図、図２はそのＡ−Ａ線断面図、図３は所定事項を記入した状態の平面図、図４はそのＢ−Ｂ線断面図、図５はラベル基材を剥離して隠蔽情報を視認可能にした状態の平面図である。また、図６は第２の実施形態を示す断面図である。
【０００６】
まず、第１の実施形態を説明すると、図１及び図２に示すように、情報隠蔽用ラベル付き複写記入シート３０は、情報隠蔽用のラベル１を備え、このラベル１は、透視不能な材質からなるラベル基材２の上面側に、これとほぼ同一大の控えシート３を、一端側に線状に塗布した糊４で綴じ合わせて、分離可能に設けている。前記控えシート３の上面には、「△△カード口座振替申込（控）」という標題５の下に、口座振替を行う銀行支店名記入欄６、口座番号記入欄７、口座名義人記入欄８、口座名義人電話番号記入欄９、取引暗証番号記入欄１０、銀行届出印捺印欄１１が設けられている。これら各欄６〜１１が隠蔽情報記入部２４ａを構成する。
【０００７】
ラベル基材２の下面側には、これとほぼ同一大で透視可能な樹脂製の透明シート１２を接着力の強い粘着剤１３で剥離困難に貼着している。前記透明シート１２の下面には、疑似接着層２６を介して同じく樹脂製の透明シート２７を剥離可能に疑似的に貼着し、これによって前記透明シート２７は、前記ラベル基材２の下面側に剥離可能に接合しているものである。また、前記透明シート２７の下面には、透明で接着力の強い粘着剤１４を塗布し、この粘着剤１４塗布面を控えシート３綴じ合わせ側の端部を除いて剥離紙１５で被覆している。そして、この剥離紙１５で被覆されずに露出する粘着剤１４により、ラベル１を複写記入シートである口座振替申込書２０の所定位置に捲り上げ可能に貼着している。
【０００８】
上述の疑似的に貼着した透明シート１２，２７としては、相互間の接着性が低い材質を採用すると好適であり、例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレン、ポリプロピレンとポリエチレン、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートとポリプロピレン等、オレフィン系樹脂とエステル系樹脂等との組み合わせが好適である。
【０００９】
また、疑似接着層２６は、相互に接着性が低い透明シート１２，２７の間に、一方の透明シートと接着性を有する樹脂を溶融状態で塗布して、溶融樹脂と接着性の低い他の透明シートとの間に剥離可能な疑似的接着状態を形成すればよい。具体的には、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの組み合わせからなる透明シート１２，２７の場合には、これら透明シート１２，２７の間に、一方のシートと同一材質の樹脂、例えばポリエチレンをエクストルージョンコートして、各透明シート１２，２７を積層することにより形成することができる。
【００１０】
口座振替申込書２０は、図１及び図２に示すように、天地方向の幅がラベル基材２及び各シート３，１２，２６と同一であり、控えシート３に設けた各記入欄６，７，８，９，１０，１１に対応する隠蔽情報複写記入部２４ｂを、上面の中央から左側部分に設ける（図５参照）とともに、上面の右側部分には、申込年月日と、申込者の住所、氏名と、カードを利用して決済を行う会員制クラブの会員番号とを記入する申込者記入部２１を設けている。
【００１１】
そして、隠蔽情報複写記入部２４ｂ上には公知の呈色剤層２９を設ける一方、剥離紙１５の下面側には、前記呈色剤層２９に対向するように公知の発色剤層２８を設けている。これら両層２８，２９でノーカーボン方式の複写構造を構成するものである。
【００１２】
続いて、上述した情報隠蔽用ラベル付き複写記入シート３０の使用方法を説明する。図１及び図２状態において、控えシート３の隠蔽情報記入部２４ａである各記入欄６，７，８，９，１０に所定情報２５を記入し、銀行届出印捺印欄１１に捺印すると、発色剤層２８と呈色剤層２９の作用により、図５に示すように、隠蔽情報記入部２４ａと同一事項が口座申込書２０の隠蔽情報複写記入部２４ｂに複写情報２２として複写記入される。そして、図３に示すように、申込者記入部２１に所定の申込者情報２３を記入すると、口座振替申込書２０に対する所定の記入が終了する。
【００１３】
次に、申込者は、控えシート３をラベル基材２から分離して自己の控えとして保管する一方、剥離紙１５を剥離して粘着剤１４をすべて露出し、透明シート２７の下面を全面的に口座振替申込書２０に接着する。これによって、複写情報２２は透視不能なラベル基材２によって外部から視認不能に被覆隠蔽された状態となる。
【００１４】
申込者は、この状態の口座振替申込書２０を封筒に入れて口座振替を希望する銀行に郵送したり、あるいは直接銀行の窓口に持参して申し込むものである。この申込に際する銀行内の手続において、最終的な処理部門に至るまでは、隠蔽情報である複写情報２２は視認不能状態を維持する。そして、ラベル基材２を捲り上げると、各透明シート１２，２７が疑似接着層２６から剥離し、ラベル基材２は透明シート１２とともに、透明シート２７を口座振替申込書２０側に残した状態で剥離される。したがって、図５に示すように、複写情報２２は透明シート２７を透して視認可能となる。
【００１５】
次に、第２の実施形態を図６に基づいて説明する。本実施形態の情報隠蔽用ラベル付き複写記入シート６０は、情報隠蔽用のラベル３１を備え、このラベル３１は、透視不能な材質からなるラベル基材３２の上面側に、これとほぼ同一大の控えシート３３を、一端側に線状に塗布した糊３４で綴じ合わせて、分離可能に設けるとともに、該ラベル基材３２は切り用ミシン目５１を介して口座振替申込書５０と連接している。図示してはいないが、前記控えシート３３の上面には、第１の実施形態と同じく、「△△カード口座振替申込（控）」という標題の下に、銀行支店名記入欄、口座番号記入欄、口座名義人記入欄、口座名義人電話番号記入欄、取引暗証番号記入欄、銀行届出印捺印欄からなる隠蔽情報記入部が設けられている。
【００１６】
ラベル基材３２の下面側には、これとほぼ同一大で透視可能な樹脂製の透明シート３５を接着力の強い粘着剤３６で剥離困難に貼着している。前記透明シート３５の下面には、疑似接着層３７を介して同じく樹脂製の透明シート３８を剥離可能に貼着し、これによって前記透明シート３８は、前記ラベル基材３２の下面側に剥離可能に接合しているものである。また、前記透明シート３８の下面には、透明で接着力の強い粘着剤３９を塗布し、この粘着剤３９塗布面を切り用ミシン目５１側の端部を除いて剥離紙４０で被覆している。そして、被覆されずに露出した粘着剤３９により、ラベル３１を口座振替申込書５０の所定位置に捲り上げ可能に接着しているものである。
【００１７】
上述の疑似的に接着した透明シート３５，３８としては、第１の実施形態で説明した相互間の接着性が低い材質を採用すると好適であり、また、疑似接着層３７も、第１の実施形態で説明したように形成すればよい。
【００１８】
また、剥離紙４０における控えシート３３に設けた隠蔽情報記入部に対応する部分の下面側には、複写構造としてカーボン複写剤層４２を設けている。なお、口座振替申込書５０は、ラベル基材３２と切り用ミシン目５１を介して連接されている以外の構成は、第１の実施形態における口座振替申込書２０と同一構成であり、図示していないが、隠蔽情報複写記入部及び申込者記入部を有している。
【００１９】
本実施形態においては、第１の実施形態と同様に、控えシート３３の隠蔽情報記入部である各記入欄（図示せず）に所定情報を記入し、届出印捺印欄（図示せず）に捺印すると（図３参照）、カーボン複写剤層４２よりなる複写構造により同一事項が口座振替申込書５０の対応する隠蔽情報複写記入部（図示せず）に複写情報として複写記入される（図５参照）。そして、申込者記入部に所定の申込者情報を記入して（図３参照）、口座振替申込書５０に対する所定の記入が終了する。
【００２０】
次に、申込者は、控えシート３３をラベル基材３２から分離して自己の控えとして保管する一方、剥離紙４０を剥離して粘着剤３９をすべて露出し、透明シート３８の下面を全面的に口座振替申込書５０に接着する。これによって、複写情報はラベル基材３２によって外部から視認不能に被覆隠蔽された状態となる。
【００２１】
申込者は、この状態の口座振替申込書５０を封筒に入れて口座振替を希望する銀行に郵送したり、あるいは直接銀行の窓口に持参して申し込むものである。この申込に際する銀行内の手続において、最終的な処理部門に至るまでは、隠蔽情報である複写情報は視認不能状態を維持する。そして、ラベル基材３２を捲り上げ、切り用ミシン目５１を破断すると、各透明シート３５，３８が疑似接着層３７から剥離し、ラベル基材３２は透明シート３５とともに、透明シート３８を口座振替申込書５０側に残した状態で剥離される。したがって、複写情報は透明シート３８を透して視認可能となる。
【００２２】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、たとえば、透視可能なシート２７，３８をラベル基材２，３２の下面側に剥離可能に接合する構成としては、透視可能なシート１２，３５に疑似接着剤層２６，３７を介して接着するほか、接着力の弱い再剥離性の弱粘着剤で直接的に剥離可能に貼着してもよい。この接着力の弱い再剥離性の弱粘着剤としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体等を主剤とし、ロジン誘導体、テルピン樹脂等の粘着付与剤及び充てん剤、老化防止剤等を添加してなるものを挙げることができる。
【００２３】
また、口座振替申込書２０，５０を葉書として形成することも可能である。さらに、ラベル基材２，３２の材質が透視不能性において劣っている場合や、透視不能性をより確実に確保したい場合には、ラベル基材２，３２面にベタ印刷等を施したり、アルミ箔膜を積層することもできる。またさらに、本発明を口座振替申込書２０，５０以外の複写記入シートに適用することも可能である。
【００２４】
【発明の効果】
以上説明したところで明らかなように、本発明の情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートによれば、控えシートに隠蔽情報記入部を設け、この下位に対応位置する複写記入シートの隠蔽情報複写記入部と剥離紙の下面に、相対的に複写構造を設けることで、各種複写記入シートに情報を複写記入できるとともに、複写記入した情報を被覆隠蔽した状態にして、確実に伝達することができ、また、記入内容を控えとして保管することができるとともに管理も容易であるなどという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】情報隠蔽用ラベル付き複写記入シートの平面図。
【図２】図１のＡ−Ａ線断面図。
【図３】控えシートに所定事項を記入した状態の平面図。
【図４】図３のＢ−Ｂ線断面図。
【図５】ラベル基材を口座振替申込書から剥離して隠蔽情報を視認可能にした状態の平面図。
【図６】第２の実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
１，３１ ラベル
２，３２ ラベル基材
３，３３ 控えシート
４，３４ 糊
６ 銀行支店名記入欄
７ 口座番号記入欄
８ 口座名義人記入欄
９ 口座名義人電話番号記入欄
１０ 取引暗証番号記入欄
１１ 銀行届出印鑑捺印欄
１２，２７，３５，３８ 透明シート
１３，１４，３６，３９ 粘着剤
１５，４０ 剥離紙
２０，５０ 口座振替申込書
２２ 複写情報
２４ａ 隠蔽情報記入部
２４ｂ 隠蔽情報複写記入部
２６，３７ 疑似接着層
２８ 発色剤層
２９ 呈色剤層
３０，６０ 情報隠蔽用ラベル付き複写記入シート
４２ カーボン複写剤層
Claims (1)
- 透視不能な隠蔽用のラベル基材の上面側に控えシートを分離可能に設け、この控えシートの上面には隠蔽すべき情報を記入する隠蔽情報記入部を設け、前記ラベル基材の下面側には透視可能なシートを剥離可能に接合し、この透視可能なシートの下面側には粘着剤を設けるとともに一端側を除いて剥離紙で被覆してなる情報隠蔽用ラベルを、前記剥離紙で被覆されていない露出した粘着剤で、上面に隠蔽情報複写記入部を設けた複写記入シートの所定位置に前記隠蔽情報複写記入部を被覆するよう貼着するとともに、前記控えシートの隠蔽情報記入部への記入で前記隠蔽情報複写記入部へ複写記入するように、前記複写記入シートの隠蔽情報複写記入部とこれに対向する前記剥離紙の下面とに、相対的に複写構造を設けてなることを特徴とする情報隠蔽用ラベル付き複写記入シート。
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