JP3688141B2 - 情報隠蔽用複写ラベル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、他人に知られたくない隠蔽すべき情報(以下単に隠蔽情報という)を隠蔽するためのラベルに関し、例えば、各種申込書を自宅に持ち帰って隠蔽情報を含む必要事項を記入し、少なくとも隠蔽情報をラベルで被覆隠蔽したうえ、この記入済みの申込書を、申込先に郵送等により送付あるいは持参して申込手続を行うのに適したものであり、より具体的には、控えシートを有してなり、この控えシートに記入することにより、ラベルの下面側に位置する各種申込書等のシートやカードに複写記入することのできる情報隠蔽用複写ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、種々の情報隠蔽用ラベルが存在するが、これらのラベルは、隠蔽情報を隠蔽するためにシートやカードの所定位置に剥離可能に貼着するとともに、必要に応じて剥離して隠蔽情報を視認可能とするように構成されているに過ぎず、記入作業との関連は何ら考慮されていない。また、隠蔽情報の内容を確認するために、申込者が控えを手許におきたい場合には、シートやカードに控えがあればそれを利用することができるが、ない場合には申込者が別途控えを作成しなければならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、シートやカードに複写記入したうえ、複写記入した隠蔽情報を被覆隠蔽できるとともに、控えを取ることができる情報隠蔽用複写ラベルを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載した情報隠蔽用複写ラベルは、透視不能な隠蔽用のラベル基材の上面側に控えシートを、前記ラベル基材に対して分離可能に設け、この控えシートの上面には隠蔽すべき情報を記入する隠蔽情報記入部を設け、前記ラベル基材の下面側には透視可能なシートを剥離可能に接合し、この透視可能なシートの下面側には粘着剤を設けるとともに剥離紙で被覆し、この剥離紙の下面側における前記隠蔽情報記入部に対応する部分に有色複写転移剤を設けてなるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を口座振替申込書に記入する隠蔽情報を被覆隠蔽するための複写ラベルに適用した場合の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図1〜図6は第1の実施形態を示し、図1は情報隠蔽用複写ラベルの平面図、図2はそのA−A線断面図、図3は口座振替申込書にセットした状態の断面図、図4はセットした後に所定事項を記入した状態の平面図、図5は口座振替申込書に接着して複写記入した隠蔽情報を被覆隠蔽した状態の断面図、図6はラベル基材を剥離して隠蔽情報を視認可能にした状態の平面図である。また、図7は情報隠蔽用複写ラベルを口座振替申込書と一体に設けた第2の実施形態を示す断面図である。
【0006】
まず、第1の実施形態を説明すると、図1及び図2に示すように、情報隠蔽用の複写ラベル1は、透視不能な材質からなるラベル基材2の上面側に、これとほぼ同一大の控えシート3を、一端側に線状に塗布した糊4で綴じ合わせて、分離可能に設けている。前記控えシート3の上面には、「△△カード口座振替申込(控)」という標題5の下に、口座振替を行う銀行支店名記入欄6、口座番号記入欄7、口座名義人記入欄8、口座名義人電話番号記入欄9、取引暗証番号記入欄10、銀行届出印捺印欄11が設けられている。これら各欄6〜11が隠蔽情報記入部24aを構成する。
【0007】
ラベル基材2の下面側には、これとほぼ同一大で透視可能な、例えばポリエチレンからなる透明シート12を接着力の弱い再剥離性の弱粘着剤13で貼着することで剥離可能に接合している。この弱粘着剤13としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体等を主剤とし、ロジン誘導体、テルピン樹脂等の粘着付与剤及び充てん剤、老化防止剤等を添加してなるものを挙げることができる。
【0008】
この透明シート12の下面側には、弱粘着剤13と比較して接着力が強固な透明な粘着剤14を塗布し、この粘着剤14塗布面を剥離紙15で被覆している。この剥離紙15は、透明シート12よりも一回り大きいもので、剥離紙15の控えシート3の綴じ合わせ端側には、スリット16を設けて第1剥離部15aを形成している。
【0009】
そして、この剥離紙15における控えシート3に設けた各記入欄6,7,8,9,10,11に対応する部分の下面側には、カーボン複写剤よりなる有色複写転移剤17を設けている。
【0010】
続いて、上述した複写ラベル1の使用方法を説明するが、まず、使用対象となる口座振替申込書20を説明する。図4に示すように、口座振替申込書20は、天地方向の幅がラベル基材2、控えシート3及び透明シート12と略同一であり、控えシート3に設けた各記入欄6,7,8,9,10,11に対応する複写記入欄(図示せず)を、上面の中央から左側部分に設けるとともに、上面の右側部分には、申込年月日と、申込者の住所、氏名と、カードを利用して決済を行う会員制クラブの会員番号とを記入する申込者記入部21を設けている。
【0011】
複写ラベル1は、図3に示すように、剥離紙15の第1剥離部15aを剥離し、露出した粘着剤14によって、左端同士を一致させた状態で口座振替申込書20の上面に捲り上げ可能に接着する。この所定位置へ接着すると、控えシート3に設けた各記入欄6,7,8,9,10,11の直下には、隠蔽情報複写記入部24b(図6参照)が対応位置するものである。
【0012】
この図3状態において、控えシート3の各記入欄6,7,8,9,10に所定情報25を記入し、銀行届出印捺印欄11に捺印すると(図4参照)、有色複写転移剤17により同一事項が口座申込書20の隠蔽情報複写記入部24bに複写情報22として複写記入される(図6参照)。そして、申込者記入部21に所定の申込者情報23を記入する(図5,図6参照)と、口座振替申込書20に対する所定の記入が終了する。
【0013】
次に、申込者は、控えシート3をラベル基材2から分離して自己の控えとして保管する一方、剥離紙15を剥離して粘着剤14をすべて露出し、透明シート12の下面を全面的に口座振替申込書20に接着する。これによって、図5に示すように、複写情報22は透視不能なラベル基材2によって外部から視認不能に被覆隠蔽された状態となる。
【0014】
申込者は、この状態の口座振替申込書20を封筒に入れて口座振替を希望する銀行に郵送したり、あるいは直接銀行の窓口に持参して申し込むものである。この申込に際する銀行内の手続において、最終的な処理部門に至るまでは、隠蔽情報である複写情報22は視認不能状態を維持する。そして、複写情報22の確認時にラベル基材2を捲り上げると、弱粘着剤13の粘着力は粘着剤14よりは弱く、ラベル基材2と透明シート12とを剥離可能に接合しているので、ラベル基材2は透明シート12を口座振替申込書20側に残した状態で剥離される。したがって、図6状態となって、複写情報22は透明シート12を透して視認可能となる。
【0015】
次に、第2の実施形態を図7に基づいて説明する。本実施形態の複写ラベル31は、透視不能な材質からなるラベル基材32の上面側に、これとほぼ同一大の控えシート33を、一端側に線状に塗布した糊34で綴じ合わせて、分離可能に設けるとともに、該ラベル基材32は切り用ミシン目51を介して口座振替申込書50と連接している。図示してはいないが、前記控えシート3の上面には、第1の実施形態と同じく、「△△カード口座振替申込(控)」という標題の下に、銀行支店名記入欄、口座番号記入欄、口座名義人記入欄、口座名義人電話番号記入欄、取引暗証番号記入欄、銀行届出印捺印欄からなる隠蔽情報記入部が設けられている。
【0016】
ラベル基材32の下面側には、これとほぼ同一大で透視可能な樹脂製の透明シート35を接着力の強い粘着剤36で剥離困難に貼着している。前記透明シート35の下面には、疑似接着層37を介して同じく樹脂製の透明シート38を剥離可能に疑似的に貼着し、これによって、前記透明シート38はラベル基材32の下面側に剥離可能に接合することになる。そして、前記透明シート38の下面には、透明で接着力の強い粘着剤39を塗布し、この粘着剤39塗布面を切り用ミシン目51側の端部を除いて剥離紙40で被覆している。この剥離紙40は、当初は第1の実施形態における剥離紙15と同様に、スリット(図示せず)を介して第1剥離部(図示せず)を設けているが、図示状態は、この第1剥離部を剥離して、露出した粘着剤39により、複写ラベル31を口座振替申込書50の所定位置に捲り上げ可能に接着した状態を示している。
【0017】
上述の疑似的に貼着した透明シート35,38としては、相互間の接着性が低い材質を採用すると好適であり、例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレン、ポリプロピレンとポリエチレン、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートとポリプロピレン等、オレフィン系樹脂とエステル系樹脂等との組み合わせが好適である。
【0018】
また、疑似接着層37は、相互に接着性が低い透明シート35,38の間に、一方の透明シートと接着性を有する樹脂を溶融状態で塗布して、溶融樹脂と接着性の低い他の透明シートとの間に剥離可能な疑似的接着状態を形成すればよい。具体的には、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの組み合わせからなる透明シート35,38の場合には、これら透明シート35,38の間に、一方のシートと同一材質の樹脂、例えばポリエチレンをエクストルージョンコートして、各透明シート35,38を積層することにより形成することができる。
【0019】
そして、剥離紙40における控えシート33に設けた各記入欄に対応する部分の下面側には、カーボン複写剤よりなる有色複写転移剤42を設けている。なお、口座振替申込書50は、ラベル基材32と切り用ミシン目51を介して連接されている以外の構成は、第1の実施形態における口座振替申込書20と同一構成であり、図示していないが、隠蔽情報複写記入部及び申込者記入部を有している。
【0020】
本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、控えシート33の各記入欄(図示せず)に所定情報を記入し、届出印捺印欄(図示せず)に捺印すると(図4参照)、有色複写転移剤42により隠蔽情報記入部と同一の事項が口座振替申込書50の対応する隠蔽情報複写記入部(図示せず)に複写情報として複写記入される(図6参照)。そして、申込者記入部に所定の申込者情報を記入して(図5,図6参照)、口座振替申込書50に対する所定の記入が終了する。
【0021】
次に、申込者は、控えシート33をラベル基材32から分離して自己の控えとして保管する一方、剥離紙40を剥離して粘着剤39をすべて露出し、透明シート38の下面を全面的に口座振替申込書50に接着する。これによって、複写情報はラベル基材32によって外部から視認不能に被覆隠蔽された状態となる。
【0022】
申込者は、この状態の口座振替申込書50を封筒に入れて口座振替を希望する銀行に郵送したり、あるいは直接銀行の窓口に持参して申し込むものである。この申込に際する銀行内の手続において、最終的な処理部門に至るまでは、隠蔽情報である複写情報は視認不能状態を維持する。そして、ラベル基材32を捲り上げ、切り用ミシン目51を破断すると、各透明シート35,38が疑似接着層37から剥離し、ラベル基材32は透明シート35とともに、透明シート38を口座振替申込書50側に残した状態で剥離される。したがって、複写情報は透明シート38を透して視認可能となる。
【0023】
なお、本発明は上述した各実施形態に限らず、例えば、ラベル基材2,32と口座振替申込書20,50とを別体として構成するか、連接して構成するかという点と、透明シート12,35,38が1枚であるか、2枚であるかという点は、何ら関連性がなく、如何なる組み合わせとしても差し支えない。また、口座振替申込書20,50を葉書として形成することも可能である。さらに、ラベル基材2,32の材質が透視不能性において劣っている場合や、透視不能性をより確実に確保したい場合には、ラベル基材2,32面にベタ印刷等を施したり、アルミ箔膜を積層することもできる。またさらに、本発明を口座振替申込書20,50以外の書類に適用することも可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したところで明らかなように、本発明によれば、各種書類に情報を複写記入できるとともに、複写記入した情報を被覆隠蔽した状態にできるので、隠蔽情報を伝達する場合に好適であり、また、記入内容を控えとして保管でき、管理も容易であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 情報隠蔽用複写ラベルの平面図。
【図2】 図1のA−A線断面図。
【図3】 口座振替申込書に複写ラベルをセットした状態の断面図。
【図4】 口座振替申込書にセットして控えシートに所定事項を記入した状態の平面図。
【図5】 情報隠蔽用複写ラベルを口座振替申込書に接着して隠蔽情報を被覆隠蔽した状態の断面図。
【図6】 ラベル基材を口座振替申込書から剥離して隠蔽情報を視認可能にした状態の平面図。
【図7】 第2の実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
1,31 情報隠蔽用複写ラベル
2,32 ラベル基材
3,33 控えシート
4,34 糊
6 銀行支店名記入欄
7 口座番号記入欄
8 口座名義人記入欄
9 口座名義人電話番号記入欄
10 取引暗証番号記入欄
11 銀行届出印鑑捺印欄
12,35,38 透明シート
13 弱粘着剤
14,36,39 粘着剤
15,40 剥離紙
15a 第1剥離部
16 スリット
17,42 有色複写転移剤
20,50 口座振替申込書
22 複写情報
24a 隠蔽情報記入部
24b 隠蔽情報複写記入部
Claims (1)
- 透視不能な隠蔽用のラベル基材の上面側に控えシートを、前記ラベル基材に対して分離可能に設け、この控えシートの上面には隠蔽すべき情報を記入する隠蔽情報記入部を設け、前記ラベル基材の下面側には透視可能なシートを剥離可能に接合し、この透視可能なシートの下面側には粘着剤を設けるとともに剥離紙で被覆し、この剥離紙の下面側における前記隠蔽情報記入部に対応する部分に有色複写転移剤を設けてなることを特徴とする情報隠蔽用複写ラベル。
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