JP3650591B2 - 光結合モジュールの光軸修正方法 - Google Patents

光結合モジュールの光軸修正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、入力側と出力側の少なくとも2つのコリメータを筒状体に固定したコリメータ間の光軸を調整できる光結合モジュールの光軸調整に関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくとも2つのコリメータと、その光軸を合わせた状態で固定される筒状体112とを具えた光結合モジュールとして、例えば図7に示すような構造の光結合モジュール100があり、このモジュールの断面を概略的に示してある。このモジュール100は、2つの光入力側のコリメータ102および104からモジュール100内に入力される光をそれぞれ、プリズム106および光結合器108を介して、光出力側のコリメータ110に結合させるものである。
【0003】
このようなモジュール100の製造に際しては、光入力側のコリメータ102および104と光出力側のコリメータ110との光損失が最小限になるように光軸を合わせる(調芯とも称する。)必要がある。一方側のコリメータを筒状体112に固定した後、もう一方側のコリメータを、光損失が最小限となる最適調芯位置に調整する。
【0004】
この後、コリメータ102、104または110と筒状体112との接合部をレーザ溶接、例えばYAGレーザを用いて溶接固定する。コリメータ102、104および110は、それぞれ、筒状体112に形成された円筒空洞118、120および122内に挿入して固定する。コリメータ102、104および110の外壁と円筒状空洞118、120および122の周縁とが円形に線接触して、接合部を構成している。よって接合部は円形であり、この円の円周上にレーザを12〜15箇所、互いに等間隔となるように照射する。
【0005】
この照射は、例えば、まず円周上の3点の互いに等間隔な位置に同時に行われ、その後円周上で位置をずらしてさらに3点同時に照射を行う。その後は、位置をずらしながらさらに2回あるいは3回、3点での照射を行うことにより、最終的に接合部の円周の12〜15箇所で溶接固定することができる。これにより、コリメータが筒状体に固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようなレーザによる溶接固定では、レーザの照射位置のずれやレーザパワーのばらつき、溶接部分の状態の違い等によって、レーザの照射部分に生じる収縮が照射位置によって異なる。このため、コリメータ102、104および110の角度が接合時に調整した最適調芯位置よりもずれてしまうことが多い。よって、筒状体112に固定した後の光入力側のコリメータ102および104と光出力側のコリメータ110との間では、光軸がずれて光損失が増加してしまうという問題があった。
【0007】
このため、光軸合わせを行った少なくとも2つの光学部品の筒状体への溶接固定時に発生する光軸ずれが生じない光結合モジュール、及び光軸を修正する方法の出現が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明の第1の態様は、(a)第1コリメータ(14,16)を収容する第1の円筒空洞(26,28)と、第2コリメータ(18)を収容する第2の円筒空洞(30)とを備えた筒状体(12)を用意し、(b)前記第2の円筒空洞(30)内に前記第2コリメータ(18)を装入した状態で前記筒状体(12)と前記第2コリメータ(18)を溶接により固定し、(c)前記第1の円筒空洞(26,28)内に前記第1コリメータ(14,16)の一部を装入し、前記第1コリメータ(14、16)と前記第2コリメータ(18)の光軸合わせを行って前記筒状体(12)と前記第1コリメータ(14,16)をレーザ照射により溶接して固定し、(d)次いで、前記第1コリメータ(14,16)に外力を加えて前記第1コリメータ(14,16)と前記第2コリメータ(18)の両者間の光損失を測定してその光損失が最小値となるヒット箇所(70)で前記光軸合わせの際の光損失に対する増加分を調べて、該増加分が第1の値の場合には第1の照射エネルギー、該増加分が前記第1の値より大きい場合には前記第1の照射エネルギーより大きな第2の照射エネルギー、該増加分が前記第1の値より小さい場合には前記第1の照射エネルギーより小さな第3の照射エネルギーとした大きさの照射エネルギーを決定した後に、前記筒状体(12)と前記第1コリメータ(14,16)の接合部のうち前記第1コリメータ(14,16)を挟んで前記ヒット箇所(70)とは反対側の箇所(80)に、決定された前記照射エネルギーを有するレーザを照射してレーザ溶接することにより前記第1コリメータ(14,16)の光軸ずれを修正することを特徴とする光結合モジュールの光軸修正方法である。
【0009】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記反対側の箇所(80)は、前記第1コリメータ(14,16)の直径方向に前記ヒット箇所(70)とは180度反対側に存在することを特徴とする光結合モジュールの光軸修正方法である。
【0010】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記筒状体(12)のうち前記第1コリメータ(14,16)との接合部分はリング(38)の一面側の球面形状であり、さらに、前記第1コリメータ(14,16)のうち前記筒状体(12)との接合部分は前記球面形状に対して線接触するフランジ(42)であることを特徴とする光結合モジュールの光軸修正方法である。
【0011】
本発明の第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様において、前記光軸ずれの修正を複数回行なうことを特徴とする光結合モジュールの光軸調整方法である。
【0012】
本発明の第5の態様は、第1〜第4のいずれかの態様において、前記レーザ溶接は、YAGレーザ又はエキシマレーザであることを特徴とする光結合モジュールの光軸調整方法である。
【0013】
本発明の第6の態様は、第1〜第5のいずれかの態様において、前記第1コリメータ(14,16)と前記第1の円筒空洞(26,28)は少なくとも1つ設けられ、さらに、前記筒状体(12)は前記第1コリメータ(14,16)と前記第2コリメータ(18)の間の光軸上に光結合素子(34)と入力光の光路を変更するプリズム(32)とを収容する空洞部(35)を有することを特徴とする光結合モジュールの光軸調整方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照してこの発明の実施の形態につき説明する。なお、各図は発明を理解できる程度に各構成成分の形状、大きさおよび配置関係を概略的に示してあるに過ぎず、したがってこの発明を図示例に限定するものではない。また、図において、図を分かり易くするために断面を示すハッチング(斜線)は一部分を除き省略してある。この実施の形態では、光入力側のコリメータおよび光出力側のコリメータを備えた光結合モジュールの例と、その光軸修正方法につき、より詳しく説明する。図1はこの実施形態の光結合モジュールの概略的な構成の断面図である。
【0021】
以下において、入力側のコリメータが2セットの場合を述べるが、2セットに限定されず、3セット或いは4セットでも、筒状体内にコリメータ数に対応する個数のプリズムを収容できれば、実施できることは言うまでもない。
【0022】
光結合モジュール10は、中間の円筒空洞に光結合素子34と出力コリメータ18の光軸から変位した入力コリメータ16の入力光の光軸を変更するプリズム32を収容している筒状体12と、この筒状体12に固定された入力コリメータ14、16および出力コリメータ18とを備えている。光結合素子は、例えば偏光分離素子等である。また、プリズムは、異方性結晶のプリズムである。入力コリメータ14には第1入力ファイバ20が連結しており、出力コリメータ16には第2入力ファイバ22が連結しており、出力コリメータ18には出力ファイバ24が連結されている。
【0023】
筒状体12の入力側12aに形成された第1円筒空洞26には、入力側の第1入力ファイバ20および第2入力ファイバ22からそれぞれ筒状体12内に入力する光を、このプリズム32および光結合素子34を用いて合成した後、合成した光を出力ファイバ24に結合させる作用が行われる。
【0024】
この光モジュール10の組立ては、まず、筒状体12の出力側12bの円筒空洞30に出力コリメータ18を挿入した後、レーザ溶接、例えばYAG溶接により固定する。次に、筒状体12の入力側12aに形成された第1および第2円筒空洞26および28に、入力コリメータ14および出力コリメータ16を、出力コリメータ18に光軸を合わせながら、それぞれ挿入した後固定する。
【0025】
この実施の形態では、筒状体12の入力側12aの第1円筒空洞26と入力コリメータ14との接合部は、以下に説明するような構造である。なお、第2円筒空洞28と出力コリメータ16との接合部も同様の構造である。
図2は、コリメータと筒状体との接続部の構造の拡大図であり、また、図3は、接続部の接続前の状態を示した図である。
【0026】
図2に示すように、コリメータ14は、シリンダ44と、その先端に設けられたコリメータレンズ48と、他端に接続された光ファイバ20とから構成される。そして、第1円筒空洞26の端面26aに、リング38の下面38bを溶接させる。このリング38の反対側の面38aは所定の半径を有する球面を形成する。
【0027】
他方、入力コリメータ14のシリンダ44の中間には、先端40が平面であるフランジ42が設けられ、前記リングの球面38aと線接触する。そして、リング38の球面38aと入力コリメータ14のフランジ42の先端40とは、レーザ溶接により固定される。また、出力コリメータ16も入力コリメータ14と同様に筒状体12の円筒空洞28の端部にリング38を介して溶接されて固定されている。
【0028】
次に、コリメータの筒状体への接続は、次のようにして行う。図3に示す構成例では、入力コリメータ14は、円筒状シリンダ44と、このシリンダ44内に具えられた空洞部46と、空洞部46に接続された第1入力ファイバ20と、第1入力ファイバ20の反対側に固定されたレンズ48とを具えている。更に、シリンダの中間にフランジ42を備える。
【0029】
リング38の球面38aは上記フランジ42の平面状である先端40と当接し、球面と線接触するので、コリメータのx軸(光軸)方向の向きを容易に調整できる。このため、上記コリメータ間の光軸を合わせた状態で、これらのコリメータをそれぞれ筒状体に接合させた後に、この接合部を溶接して光結合モジュールの光学部品間の光軸ずれを修正する。具体的には、溶接後に、コリメータ間の光損失をモニタしながら、レーザ溶接を行うことが望ましい。
【0030】
上記において、入力コリメータ14の筒状体12への接続は、まず、入力コリメータ14を保持している図示しない治具を用いて、入力コリメータ14を、レンズ48側が、第1円筒空洞26の端部26aに対向するように調節する。その後、第1円筒状空洞部の端部26aを含む面におけるx軸およびy軸方向の筒状体12の位置、x軸方向の筒状体12の角度およびy軸方向の筒状体12の角度を、それぞれ筒状体12を保持している図示しない治具を用いて、出力コリメータ18に入力する光の損失が最小となるように調整する。すなわち、入力コリメータ14と、出力コリメータ18との光軸合わせを行う。
【0031】
次に、リング38を、その球面38aが入力コリメータ14と対向するようにして、第1円筒空洞26の端面26aにセットする。このリング38の構造を図4に示す。図4(A)は、リング38の断面図であり、図4(B)は、リングを上から見た平面図である。
【0032】
図4(A)に示す、球面38aは、球50を、その中心52を通る軸54に対して垂直な2つの面56および58で切断して得られる。この球50の大きさは、フランジ42の先端40が球面38aと常に接触するように、フランジ42の先端40の面積の大きさに応じて適宜設定する。
【0033】
図5は、円筒空洞26にリング38を介してコリメータ14が接合した際におけるリング、フランジの先端およびコリメータのシリンダのそれぞれの位置関係、およびレーザヘッドの配置位置を概略的に示した構成図であり、筒状体の入力側から見た平面図であり、その一部に図2に示すZ−Z面での断面矢視図も示す。
【0034】
図4(B)に示す、リング38の内側の円38cは、入力コリメータ14または出力コリメータ16のシリンダ44の外周円45よりも大きく、フランジ42の先端40で形成される円41よりも小さくなるようにする。そして、リング38の球面38aと入力コリメータ14のフランジ42の先端面40とを接触させた状態で、リング38と円筒空洞26の端部26aとの接合部分を溶接し固定し、その後、球面38aと先端40との接触部を溶接し固定する。
【0035】
この例では、一度にリング38の外側の3ヶ所(p、q、r)に対して等間隔にレーザを照射し、点溶接を行なう。筒状体12の周囲に、レーザヘッド60を3台120°間隔で配置して、3方向から同時に照射を行う。これにより、照射の衝撃による接合部の位置ずれは最小限に抑えることができる。この照射を4〜5回、照射箇所をずらしながら行うことによって、接合部に12〜15ヶ所の溶接固定部分を形成することができる。レーザ溶接は、YAGレーザ又はエキシマレーザが溶接部の面積が小さい。従って凝固収縮量が小なく溶接後の変形が少ない点で望ましい。
【0036】
その後、第1円筒空洞26に入力コリメータ14の光軸合わせを行った状態のまま挿入して、リング38の球面38aと入力コリメータ14のフランジ42の先端40とを接合させる。その後、この球面38とフランジ先端40との円形の接合部41に対して、12〜15ヶ所、等間隔にレーザを照射して溶接を行う。この溶接も、一度に3ヶ所(例えばx、y、z)に等間隔にレーザを照射する処理を、照射位置をずらしながら4〜5回行う。YAGレーザの場合には、照射エネルギーを、例えば6.4Jとする。
【0037】
また、出力コリメータ16も入力コリメータ14と同様にしてリング38を介して筒状体12の第2円筒空洞28に溶接固定する。
【0038】
しかしながら、溶接ビームの照射位置やパワー、溶接箇所の状態によって照射による収縮の度合いが、この12〜15ヶ所の溶接固定部分の中でも違ってくる。よって、入力コリメータ14および出力コリメータ16は光軸合わせを行った時点よりも傾いて固定されることがある。これにより、入力コリメータ14および出力コリメータ18間、ならびに入力コリメータ16および出力コリメータ18間の光の結合損失値は最大15dB程度増加してしまうことがある。
【0039】
このような場合には、再度コリメータの光軸ずれを修正する方法を図6に示す。まず、光入力側および光出力側のコリメータ間の光損失をモニタしながら、一方のコリメータの接合部周囲の任意の複数箇所に対して外力を順次に加えることにより、光損失の低減が最大になるヒット箇所を探し出す。光損失は、例えばJIS C5901に規定する光伝送用受動部品試験方法により行う。
【0040】
この例では、入力コリメータ14または出力コリメータ16のシリンダ周囲の任意の箇所に対して、例えば金属の棒を押しつけることによって外力を加える。このように外力を加えながら、入力コリメータ14と16、及び出力コリメータ18との間の光損失をモニタして、外力を加えたときに光損失が一番低減するヒット箇所70を探し出す。
【0041】
次に、光損失が一番低減するヒット箇所70とコリメータを挟んで180度反対側の箇所80に、レーザを照射する。すなわち、溶接された接合部が円形の場合には、ヒット箇所と直径方向に180度反対の側の箇所にレーザを再照射することにより、接合部での光軸ずれの再調整を行う。
【0042】
レーザを照射した箇所80は、溶解して再び固化する際に収縮する。よって、この収縮の力を利用して、入力コリメータ14の溶接固定に起因する傾きを修正する。なお、コリメータの光軸ずれの修正を行う場合に、レーザの照射位置を接合部の決定された照射位置の周辺で微妙に変化させて、照射実験を行ったところ、レーザの照射エネルギーが同じであれば、フランジに対して照射を行ったときに、最も修正能力が高くなることが確認された。
【0043】
また、実験により、光軸合わせを行った時点の光損失値に対する溶接後の光損失値の増加分によって、YAGレーザの照射エネルギーを変えて、光軸ずれの修正にかかる照射をより効率的に行うことを見出した。この光損失値の増加分に対する照射エネルギーの最適値を下記表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0003650591
【0045】
表1によれば、光損失値の増加分が0.1dB以下のときは照射エネルギーを2.0Jとするのがよく、増加分が0.1〜0.3dBのときは照射エネルギーを4.2Jとする。同様に、光損失値の増加分が0.3〜0.5dBのときは照射エネルギーを5.1Jとし、0.5〜1.0dBのときは5.7Jとし、1.0〜2.0dBのときは6.4Jとし、2.0〜3.0dBのときは7.0Jとし、および増加分が3.0dB以上のときは照射エネルギーを7.5Jとするのが修正に効果的である。
【0046】
この修正は、光損失の値が、溶接固定前に光軸合わせを行った時点と比較して、±0.01dB程度になるまで、外力を加えて光損失が低減するヒット箇所を探しだし、この後そのヒット箇所とはコリメータを挟んで反対側の箇所に対してYAGレーザを照射するという修正工程を数回繰り返して行う。
【0047】
この結果、表2に示すように、入力コリメータ14および出力コリメータ18間の光損失に関しては、光軸合わせ時に0.22dBで、溶接固定により0.30dBとなった光損失値を、上述した修正によって0.23dBにまで低減することができる。また、入力コリメータ16および出力コリメータ18間の光損失に関しては、光軸合わせ時に0.30dBで、溶接固定により4.1dBとなってしまった光損失値を、修正によって0.29dBにすることができる。
【0048】
【表2】
Figure 0003650591
【0049】
レーザを照射した金属製の筒状体の箇所は溶けた後、冷えて再び固まるときに収縮する。この収縮によってレーザ照射箇所を含む光学部品全体が照射箇所の方向に引っ張られる。すなわち、照射箇所とは反対側の接合部の箇所に外力が加えられたと同様の状態となる。この照射箇所とは反対側の接合部の箇所は、コリメータ等の光学部品間の光損失をモニタしながら探しだされた、光損失の低減が最大となるヒット箇所であるため、光損失の低減を図ることができる。よって、光学部品の溶接後に生じる光学部品間の光軸ずれを、接合時の状態とほぼ同じ状態にまで修正することができる。
【0050】
また、光軸ずれを修正するためのレーザの照射を一度行った時点で、コリメータ間の光損失がまだ大きい場合には、再度、光損失の低減が最大となるヒット箇所を探し、このヒット箇所とは光学部品を挟んで反対側の接合部の箇所にYAGレーザ等のレーザを照射するという一連の動作を、所望の光損失の値が得られるまで繰り返して行えばよい。
【0051】
また、このような光軸調整方法は、一般にコリメータを備えた光モジュールに適用できることは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】
上述した説明から明らかなように、この発明の光結合モジュールは、中間の空洞部の光軸上に光結合素子と入力光の光路を変更するプリズムとを収容し、入力側に1以上の入力コリメータを収容し、出力側に単数の出力コリメータを収容している。そして、前記1以上の入力コリメータの光軸が、製作後において光軸調整手段により調整できる構造であるので、光結合モジュールとして利用価値が高い。
【0053】
また、本発明の光軸修正方法によれば、溶接固定後に、コリメータを含む光学部品間の光損失をモニタしながら、一方のコリメータの接合部周囲の任意の複数箇所に対して外力を順次に加えることにより、光損失の低減が最大となるヒット箇所を探しだし、このヒット箇所とは光学部品を挟んで反対側の接合部の箇所にレーザを照射することによって容易に光軸ずれを容易に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る光結合モジュールの概略的な構成図である。
【図2】図1に示すコリメータの要部拡大図である。
【図3】筒状体にコリメータを挿入する前の時点における各構成成分の概略図である。
【図4】(A)は、リングの断面図であり、(B)は、リングを上から見た平面図である。
【図5】リング、フランジの先端およびコリメータのシリンダの位置関係およびレーザヘッドの配置位置を示す概略図である。
【図6】光損失が低減する箇所およびYAGレーザの照射箇所の一例を示す図である。
【図7】従来の光モジュールの構成図である。
【符号の説明】
10,100:光結合モジュール
12,112:筒状体
14、16:入力コリメータ
18:出力コリメータ
20:第1入力ファイバ
22:第2入力ファイバ
24:出力ファイバ
26:第1円筒空洞
26a:筒状体の端部
28:第2円筒空洞
30:第3円筒空洞
32,106:プリズム
34,108:光結合器
38:リング
38a:リング球面
38b:リング球面と反対側の面
38c:リング内面
40:先端
41:先端で形成される円(球面とフランジ先端との接合部)
42:フランジ
44:シリンダ
45:シリンダ外周
46:空洞部
48:レンズ
60:YAGレーザヘッド
70:光損失が最低のヒット箇所
80:反対側の箇所
102,104,110:コリメータ
118,120,122:円筒空洞

Claims (6)

  1. (a)第1コリメータを収容する第1の円筒空洞と、第2コリメータを収容する第2の円筒空洞とを備えた筒状体を用意し、
    (b)前記第2の円筒空洞内に前記第2コリメータを装入した状態で前記筒状体と前記第2コリメータを溶接により固定し、
    (c)前記第1の円筒空洞内に前記第1コリメータの一部を装入し、前記第1コリメータと前記第2コリメータの光軸合わせを行って前記筒状体と前記第1コリメータをレーザ照射により溶接して固定し、
    (d)次いで、前記第1コリメータに外力を加えて前記第1コリメータと前記第2コリメータの両者間の光損失を測定してその光損失が最小値となるヒット箇所で前記光軸合わせの際の光損失に対する増加分を調べて、該増加分が第1の値の場合には第1の照射エネルギー、該増加分が前記第1の値より大きい場合には前記第1の照射エネルギーより大きな第2の照射エネルギー、該増加分が前記第1の値より小さい場合には前記第1の照射エネルギーより小さな第3の照射エネルギーとした大きさの照射エネルギーを決定した後に、
    前記筒状体と前記第1コリメータの接合部のうち前記第1コリメータを挟んで前記ヒット箇所とは反対側の箇所に、決定された前記照射エネルギーを有するレーザを照射してレーザ溶接することにより前記第1コリメータの光軸ずれを修正する
    ことを特徴とする光結合モジュールの光軸修正方法。
  2. 前記反対側の箇所は、前記第1コリメータの直径方向に前記ヒット箇所とは180度反対側に存在することを特徴とする請求項1に記載の光結合モジュールの光軸修正方法。
  3. 前記筒状体のうち前記第1コリメータとの接合部分はリングの一面側の球面形状であり、さらに、前記第1コリメータのうち前記筒状体との接合部分は前記球面形状に対して線接触するフランジであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光結合モジュールの光軸修正方法。
  4. 前記光軸ずれの修正を複数回行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光結合モジュールの光軸調整方法。
  5. 前記レーザ溶接は、YAGレーザ又はエキシマレーザであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光結合モジュールの光軸調整方法。
  6. 前記第1コリメータと前記第1の円筒空洞は少なくとも1つ設けられ、さらに、前記筒状体は前記第1コリメータと前記第2コリメータの間の光軸上に光結合素子と入力光の光路を変更するプリズムとを収容する空洞部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光結合モジュールの光軸調整方法。
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