JP4740907B2 - 光学部品の光軸調整方法および光軸調整装置、ならびに光学部品の製造方法 - Google Patents

光学部品の光軸調整方法および光軸調整装置、ならびに光学部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光通信に使用される半導体レーザモジュールなどの光学部品の光軸調整方法および光軸調整装置ならびに光学部品の製造方法に関し、特に、光学部品を製造する際に、ケースに収容された発光素子およびレンズの光軸に対してケースに固定する光ファイバの光軸を合致させるよう調整する光学部品の光軸調整方法および光軸調整装置ならびに光学部品の製造方法に関する。
一般に、光通信に使用される半導体レーザモジュールなどの光学部品は、例えば、LD(Laser Diode)チップを基板上に搭載したチップキャリア、レンズ、光アイソレータ、光ファイバ、光出力モニタ用の受光素子およびLDチップの温度を制御するペルチェ素子などを含んで構成されている。この光学部品は、例えば、素材を結晶成長させて素子化するLDチップ製造ステップおよび各構成要素を組み立てるモジュール組立ステップを経て製造されている。
このモジュール組立ステップにおいては、ケースに収容されたLDチップおよびレンズの光軸に対してケースに固定する光ファイバの光軸が合致するよう調整するいわゆる調芯が行われ、この調芯後に各構成要素が溶接などの固定手段により固定するいわゆる固定打ちにより組み立てられている。この調芯は、例えば、光ファイバのフェルールを所定の位置で仮配置した後、実際にモジュールに通電しLDチップから出力された光を光パワーメータなどで受光し、受光した光の強度が最も強くなるよう、光ファイバの光軸位置を微調整し、微調整後の位置で固定打ちすることにより行われている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、調芯後の固定打ちによって光ファイバの光軸位置が僅かにずれてしまうことがあるため、固定打ちがなされた後に、光ファイバの光軸位置がケースに収容された発光素子およびレンズの光軸に対して合致しているか否かの検査が行われている。この検査は、調芯と同様にモジュールに通電しLDチップから出力された光を光パワーメータなどで受光し、受光した光の強度を測定することにより行われている。この検査の結果、光ファイバの光軸位置が許容範囲内になかった場合には、光ファイバの光軸位置をケースに収容された発光素子およびレンズの光軸と合致させる調整が必要となる。
従来、この種の光学部品の光軸調整方法として、例えば、モジュールを組み立てる作業者が光パワーメータなどで受光した光の強度が表示されているモニタを見ながら固定打ちされた光ファイバ側の構成要素の一部に荷重を加え、その光の強度が変化する状況に応じ、その光の強度が最も強くなる構成要素の位置を測定していた。この測定により把握された構成要素のθ方向における位置と、作業者が経験により得たZ軸方向の位置に基づいて、構成要素の調整すべき位置にYAGレーザビームを照射するといういわゆる補正打ちを行って、光ファイバの光軸位置を微調整する方法が知られている。
「アンリツテクニカル No.77 Apr.1999、p40〜p45」アンリツ株式会社
しかしながら、上述のような従来のYAGレーザビームを照射して光ファイバの光軸位置を微調整する方法においては、照射する位置によって、光ファイバの光軸位置が変化するので、照射する位置の決定に際し、作業者の経験と熟練した技術が必要となり、作業効率の向上や生産量の拡大を図ることが困難という問題があった。
また、従来のYAGレーザビームを照射して光ファイバの光軸位置を微調整する方法においては、1回の調整で光ファイバの光軸位置を合致させることは困難である場合が多く、何回も同様の調整作業を繰り返さなければならないという問題があった。
本発明は、前述のような従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、光学部品の光軸を調整する際に、調整すべき位置の決定および調整を自動的に実行することができる光学部品の光軸調整方法および光軸調整装置、該光軸調整方法で調整された光学部品、ならびに光学部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る光学部品の光軸調整方法は、上記目的達成のため、(1)少なくとも内部に発光素子を収容するケースと、先端部に接続部材を有する光ファイバと、前記接続部材を前記ケースに固定するための固定部材とを有する光学部品の光軸を調整する光軸調整方法において、前記発光素子からの出射光の前記光ファイバへの結合の度合を測定する合致度合測定ステップと、前記合致度合測定ステップにより測定された前記合致度合、および前記光軸の調整を実施するため予め設定された調整実施位置と前記合致度合との関係を示す調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出する調整実施位置算出ステップと、前記調整実施位置算出ステップにより算出された前記調整実施位置に基づいて前記光軸の調整をレーザ光を照射する調整照射により実施する調整実施ステップと、前記調整実施位置算出ステップにより算出された前記調整実施位置と、該調整実施位置に基づいて実行された前記調整実施ステップの後に前記合致度合測定ステップにより測定された前記合致度合との双方に基づいて前記調整実施位置データを更新する調整実施位置データ更新ステップとを含み、前記調整実施位置算出ステップが、前記調整実施位置データ更新ステップにより更新された前記調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出することを特徴とする。
この構成により、合致度合測定ステップにおいて、発光素子からの出射光の前記光ファイバへの結合の度合である合致度合が測定され、その合致度合に基づいて調整実施位置算出ステップにおいて、調整実施位置が算出され、この調整実施位置に基づいて調整実施ステップにおいて光学部品の調整実施が実行される。この調整実施位置算出ステップにおいては、合致度合と調整実施位置とに関する予め設定された調整実施位置データ、例えば、マップ形式のデータに基づいて調整実施位置が算出されるので、従来のように、光学部品毎に作業者が経験と感覚により調整実施位置を決定するような手動での光軸の調整がなくなり、調整実施が自動化される。
また、調整実施位置データ更新ステップにおいて、調整実施が実行される毎に、調整実施位置および合致度合に基づいて調整実施位置データが更新される。その結果、予め設定された調整実施位置データが、稼動中の半導体レーザモジュールなどの光学部品の光軸調整の最新のデータに基づいて随時置き換えられる。ここでいう許容範囲とは、半導体レーザモジュールなどの光学部品の波長などの仕様、その他の条件により異なるが、光学部品として使用されるレーザ光などの媒体の光軸のずれが許容されうる範囲をいう。このようなずれの度合を受光器などにより測定する場合には、測定された光強度の許容範囲をいう。
上記(1)に記載の光学部品の光軸調整方法において、(2)前記調整実施位置データ更新ステップが、初回の前記調整実施位置算出ステップにより算出された初回の前記調整実施位置と、該初回の調整実施位置に基づいて実行された初回の前記調整実施ステップの後に前記合致度合測定ステップにおいて測定された前記合致度合との双方に基づいて調整実施位置データを更新するよう構成してもよい。
この構成により、調整実施位置データ更新ステップにおいて、光学部品の光軸調整における初回の調整実施位置と、この初回の調整実施位置に基づいて実行された初回の調整実施ステップの後に合致度合測定ステップにおいて測定された初回の合致度合との双方に基づいて調整実施位置データが更新される。その結果、やや調整の精度が低下する2回目以降の調整後のデータが調整実施位置データの更新のためのデータから除外される。
上記(1)または(2)のいずれかに記載の光学部品の光軸調整方法において、(3)前記合致度合測定ステップにおいて測定された前記合致度合が、直前に実行された前記合致度合測定ステップにおいて測定された直前合致度合よりも悪いとき、光学部品の光軸の調整を停止するよう構成してもよい。
この構成により、合致度合が、直前に実行された合致度合測定ステップにおいて測定された直前合致度合よりも低いとき、例えば、初回の調整実施ステップにおいて、光学部品の調整実施がなされたことにより、合致度合が悪化したときは、光学部品自体に何らかの異常があるので、光軸の自動調整に適さない。このような光学部品に対して光軸の調整を続行しても調整効率が低下してしまうので、光軸の調整を停止することにより、光軸の自動調整を強制的に終了させる。
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光学部品の光軸調整方法において、(4)前記調整実施位置算出ステップにおいて算出した調整実施位置を補正する調整実施位置補正ステップを含み、前記調整実施位置補正ステップが、前記接続部材を前記固定部材に固定するよう前記固定部材の外周側面部に固定照射されたレーザ光の照射位置と、前記調整実施位置との間の間隔の大きさに応じて、前記調整実施位置を補正するステップからなり、前記調整実施ステップが、前記調整実施位置補正ステップにより補正された調整実施位置に対してレーザ光を調整照射するよう構成してもよい。
この構成により、固定照射位置と、新たに調整照射しようとする調整実施位置との間の間隔の大きさに応じて調整実施位置が補正されると、固定照射がなされた固定照射位置による光軸調整に対する悪影響が回避される。例えば、固定照射がなされた固定照射位置の近傍に新たな調整実施位置が算出されたとき、この算出された調整実施位置にレーザ光を調整照射しても、既に固定照射された部分が近傍に存在していると、レーザ光の調整照射による所期の効果が得られにくくなり、光軸の調整の精度が低下してしまうという悪影響がある。そのため、その効果の低下する分だけ調整実施位置を補正することにより、より適切な調整実施位置が算出される。
上記(4)に記載の光学部品の光軸調整方法において、(5)前記調整実施位置補正ステップが、前記調整実施位置算出ステップで算出された前記調整実施位置が、前記固定照射位置および既に前記調整照射がなされた既調整実施位置重なったとき、前記固定照射位置および既に前記調整照射がなされた既調整実施位置の近傍を新たな調整実施位置として補正するよう構成してもよい。
この構成により、調整実施位置算出ステップで算出された新たに調整実施しようとする調整実施位置と、固定照射位置および既に調整照射がなされた既調整実施位置との重複が回避される。この重複が回避されると、同一位置に重ねてレーザ光が照射されることはない。既にレーザ光が照射されると、この照射部分は、厚みが薄くなり、ピンホールが形成されることがあり、このような照射部分にレーザ光が照射されると、レーザ光の熱エネルギが光ファイバのコア部分に到達し易くなりコアを損傷するおそれがある。調整実施位置の補正がなされると、このような弊害が回避される。
上記(4)または(5)に記載の光学部品の光軸調整方法において、(6)前記調整実施位置算出ステップで算出された前記調整実施位置が、直前の前記調整実施ステップで前記調整照射がなされた既調整実施位置に対して、前記固定部材の軸線方向と直交する方向で、略対向する位置であったときに、光軸の調整を停止するよう構成してもよい。
この構成により、調整実施位置算出ステップで算出された調整実施位置が、直前の調整実施ステップで調整照射がなされた既調整実施位置に対して、例えば、円筒状の固定部材料の軸方向に直交する平面内で180度±60度の範囲内であったとき、すなわち、初回の調整実施ステップにおいて調整実施が実行され、その実行により所期の光学部品の調整効果が得られず、合致度合が悪化したようなとき、光学部品自体に何らかの異常があるので、光軸の自動調整に適さない。このような光学部品に対して光軸の調整を続行しても調整効率が低下してしまうので、光軸の調整を停止することにより、光軸の自動調整を強制的に終了させる。
本発明に係る光学部品の光軸調整装置においては、上記目的を達成するため、(7)少なくとも内部に発光素子を収容するケースと、先端部に接続部材を有する光ファイバと、前記接続部材を前記ケースに固定するための固定部材とを有する光学部品の光軸を調整する光軸調整装置において、前記発光素子からの出射光の前記光ファイバへの結合の度合を測定する合致度合測定手段と、前記合致度合測定手段により測定された前記合致度合、および前記光軸の調整を実施するため予め設定された調整実施位置と前記合致度合との関係を示す調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出する調整実施位置算出手段と、前記調整実施位置算出手段により算出された前記調整実施位置に基づいて前記光軸の調整をレーザ光を照射する調整照射により実施する調整実施手段と、前記調整実施位置算出手段により算出された前記調整実施位置と、該調整実施位置に基づいて実行された前記調整実施の後に前記合致度合測定手段により測定された前記合致度合との双方に基づいて前記調整実施位置データを更新する調整実施位置データ更新手段とを含み、前記調整実施位置算出手段が、前記調整実施位置データ更新手段により更新された前記調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出することを特徴とする。
この構成により、合致度合測定手段により、発光素子からの出射光の前記光ファイバへの結合の度合である合致度合が測定され、その合致度合に基づいて調整実施位置算出手段により、調整実施位置が算出され、この調整実施位置に基づいて調整実施手段により光学部品の調整実施が実行される。この調整実施位置算出手段により、合致度合と調整実施位置とに関する予め設定された調整実施位置データ、例えば、マップ形式のデータに基づいて調整実施位置が算出されるので、従来のように、光学部品毎に作業者が経験と感覚により調整実施位置を決定するような手動での光軸の調整がなくなり、調整実施が自動化される。
また、調整実施位置データ更新手段により、調整実施が実行される毎に、調整実施位置および合致度合に基づいて調整実施位置データが更新される。その結果、予め設定された調整実施位置データが、稼動中の半導体レーザモジュールなどの光学部品の光軸調整の最新のデータに基づいて随時置き換えられる。
上記(7)に記載の光学部品の光軸調整装置において、(8)前記調整実施位置データ更新手段が、前記調整実施位置算出手段により算出された初回の前記調整実施位置と、該初回の調整実施位置に基づいて実行された初回の前記調整実施の後に前記合致度合測定手段により測定された前記合致度合との双方に基づいて調整実施位置データを更新するよう構成してもよい。
この構成により、調整実施位置データ更新手段により、光学部品の光軸調整における初回の調整実施位置と、この初回の調整実施位置に基づいて実行された初回の調整実施の後に合致度合測定手段により測定された初回の合致度合との双方に基づいて調整実施位置データが更新される。その結果、やや調整の精度が低下する2回目以降の調整後のデータが調整実施位置データの更新のためのデータから除外される。
上記(8)のいずれかに記載の光学部品の光軸調整装置において、(9)前記合致度合測定手段により測定された前記合致度合が、前記合致度合測定手段により直前に測定された直前合致度合よりも悪いとき、光学部品の光軸の調整を停止するよう構成してもよい。
この構成により、合致度合が、直前に実行された合致度合測定手段により測定された直前合致度合よりも低いとき、例えば、初回の調整実施手段により、光学部品の調整実施がなされたことにより、合致度合が悪化したときは、光学部品自体に何らかの異常があるので、光軸の自動調整に適さない。このような光学部品に対して光軸の調整を続行しても調整効率が低下してしまうので、光軸の調整を停止することにより、光軸の自動調整を強制的に終了させる。
上記(7)(9)のいずれかに記載の光学部品の光軸調整装置において、(10)前記調整実施位置算出手段において算出した調整実施位置を補正する調整実施位置補正手段を含み、前記調整実施位置補正手段が、前記接続部材を前記固定部材に固定するよう前記固定部材の外周側面部に固定照射されたレーザ光の照射位置と、前記調整実施位置との間の間隔の大きさに応じて、前記調整実施位置を補正する手段からなり、前記調整実施手段が、前記調整実施位置補正手段により補正された調整実施位置に対してレーザ光を調整照射するよう構成してもよい。
この構成により、固定照射位置と、新たに調整照射しようとする調整実施位置との間の間隔の大きさに応じて調整実施位置が補正されると、固定照射がなされた固定照射位置による光軸調整に対する悪影響が回避される。例えば、固定照射がなされた固定照射位置の近傍に新たな調整実施位置が算出されたとき、この算出された調整実施位置にレーザ光を調整照射しても、既に固定照射された部分が近傍に存在していると、レーザ光の調整照射による所期の効果が得られにくくなり、光軸の調整の精度が低下してしまうという悪影響がある。そのため、その効果の低下する分だけ調整実施位置を補正することにより、より適切な調整実施位置が算出される。
上記(10)に記載の光学部品の光軸調整装置において、(11)前記調整実施位置補正手段が、前記調整実施位置算出手段により算出された前記調整実施位置が、前記固定照射位置および既に前記調整照射がなされた既調整実施位置の少なくともいずれか一方と重なったとき、前記固定照射位置および既に前記調整照射がなされた既調整実施位置の近傍を新たな調整実施位置として補正するよう構成してもよい。
この構成により、調整実施位置算出手段により算出された新たに調整実施しようとする調整実施位置と、固定照射位置および既に調整照射がなされた既調整実施位置との重複が回避される。この重複が回避されると、同一位置に重ねてレーザ光が照射されることはない。既にレーザ光が照射されると、この照射部分は、厚みが薄くなり、ピンホールが形成されることがあり、このような照射部分にレーザ光が照射されると、レーザ光の熱エネルギが光ファイバのコア部分に到達し易くなりコアを損傷するおそれが発生する。調整実施位置の補正がなされると、このような弊害が回避される。
上記(10)または(11)に記載の光学部品の光軸調整装置において、(12)前記調整実施位置算出手段により算出された前記調整実施位置が、直前の前記調整実施手段により前記調整照射がなされた既調整実施位置に対して、前記固定部材の軸線方向と直交する方向で、略対向する位置であったときに、光軸の調整を停止するよう構成してもよい。
この構成により、調整実施位置算出手段により算出された調整実施位置が、直前の調整実施ステップで調整照射がなされた既調整実施位置に対して、例えば、円筒状の固定部材料の軸方向に直交する平面内で180度±60度の範囲内であったとき、すなわち、初回の調整実施ステップにおいて調整実施が実行され、その実行により所期の光学部品の調整効果が得られず、合致度合が悪化したようなとき、光学部品自体に何らかの異常があるので、光軸の自動調整に適さない。このような光学部品に対して光軸の調整を続行しても調整効率が低下してしまうので、光軸の調整を停止することにより、光軸の自動調整を強制的に終了させる。
本発明に係る光学部品の製造方法は、上記目的を達成するため、(13)少なくとも内部に発光素子を収容するケースと、先端部に接続部材を有する光ファイバと、前記接続部材を前記ケースに固定するための固定部材とを有し、前記ケース内部の発光素子からの出射光を前記光ファイバから出力する光学部品の製造方法であって、前記ケースに、内部に前記接続部材が挿入された前記固定部材を載置する載置工程と、前記発光素子から光を出射させた状態で、前記発光素子からの出射光の焦点と前記光ファイバの先端とがX軸、Y軸、Z軸方向で各々合致するよう、前記固定部材、および前記固定部材の内部に挿入された前記接続部材の位置を微動させて光軸調整を行う微動工程と、前記発光素子からの出射光の焦点が前記光ファイバの光軸とX軸、Y軸、Z軸方向で各々合致して調整された状態で、前記固定部材を前記ケースに固定する第1の固定工程と、前記第1の固定工程で前記ケースに固定された前記固定部材と前記固定部材に挿入されている前記接続部材とを固定する第2の固定工程と、前記ケースと前記固定部材と前記接続部材とが固定された状態で、前記発光素子からの出射光と前記光ファイバの光軸との合致度合を前記光ファイバから出力された光の光強度を測定して求める合致度合測定工程と、前記合致度合測定工程で測定した合致度合に基づいて、当該合致度合の向上のための、前記固定部材に補正打ちすべき箇所である調整実施位置を、前記補正打ち後の前記光強度と当該補正打ちを行う直前の状態における前記光強度の差分値と光軸方向における基準位置から補正打ちを行った調整実施位置までの距離とに関する、予め設定された調整実施位置データに基づいて算出する調整実施位置算出工程と、前記算出された調整実施位置に基づいて前記光学部品の光軸の調整をレーザ光を照射する調整照射により前記固定部材の補正打ちすべき箇所に補正打ちする調整実施工程と、前記調整実施位置算出工程で算出された前記調整実施位置と、該調整実施位置に基づいて実行された前記調整実施の後に前記合致度合測定工程で測定された前記合致度合との双方に基づいて前記調整実施位置データを更新する調整実施位置データ更新工程とを備え、前記調整実施位置算出工程は、前記調整実施位置データ更新工程により更新された前記調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出し、前記発光素子からの出射光と前記光ファイバの光軸との前記合致度合が、予め設定された所望の範囲内で合致するまで前記調整実施位置算出工程および前記調整実施工程とを繰り返し実施することを特徴とする。
この構成により、載置工程において、少なくとも内部に発光素子を収容するケースに、内部に前記接続部材が挿入された固定部材が載置される。また、微動工程において発光素子から光を出射させた状態で、この発光素子からの出射光の焦点と光ファイバの先端とがX軸、Y軸、Z軸方向で各々合致するよう、固定部材およびこの固定部材の内部に挿入された接続部材の位置を微動して光軸調整が実行される。また、第1の固定工程において、発光素子からの出射光の焦点が光ファイバの光軸とX軸、Y軸、Z軸方向で各々合致して調整された状態で、固定部材がケースに固定される。
また、第2の固定工程において、第1の固定工程でケースに固定された固定部材とこの固定部材に挿入されている接続部材とが固定される。また、合致度合測定工程において、ケースと固定部材と接続部材とが固定された状態で、発光素子からの出射光と光ファイバの光軸との合致度合が、光ファイバから出力された光の光強度を測定することにより求められる。
また、調整実施位置算出工程において、合致度合測定工程で測定した合致度合に基づいて、この合致度合の向上のための、固定部材に補正打ちすべき箇所である調整実施位置が算出され、調整実施工程において、算出された調整実施位置に基づいて、固定部材の補正打ちすべき箇所に補正打ちが実施される。
また、調整実施位置算出工程においては、補正打ち後の光強度と、この補正打ちを行う直前の状態における光強度の差分値と光軸方向における基準位置から補正打ちを行った調整実施位置までの距離とに関する、予め設定された調整実施位置データに基づいて調整実施位置が算出され、発光素子からの出射光と光ファイバの光軸との合致度合が、予め設定された所望の範囲内で合致するまで調整実施位置算出工程および調整実施工程とが繰り返し実施される。
その結果、光学部品毎に作業者が経験と感覚により調整実施位置を決定するような手動での光軸の調整がなくなり、調整実施が自動化され、光学部品の生産効率が高まる。
また、調整実施位置データ更新工程で調整実施が実行される毎に、調整実施位置および合致度合に基づいて調整実施位置データが更新される。その結果、予め設定された調整実施位置データが、稼動中の半導体レーザモジュールなどの光学部品の光軸調整の最新のデータに基づいて随時置き換えられる。
上記(13)に記載の光学部品の製造方法において、(14)前記調整実施位置算出工程は、初回の補正打ち後の前記光強度と前記第2の固定工程後の前記光強度の差分値と光軸方向における基準位置からの初回の補正打ちを行った調整実施位置までの距離とに関する、予め設定された調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出するよう構成してもよい。
この構成により、やや調整の精度が低下する2回目以降の調整後のデータが調整実施位置データから除外される。
請求項1に係る光学部品の光軸調整方法によれば、適格な調整実施位置を決定することができるので、調整実施位置の決定およびこの調整実施位置の決定に基づく調整実施を自動的に実行することができる。その結果、光学部品の調整実施による光軸の調整回数が少なく、光学部品の生産効率が高まり生産コストが低減されるとともに、長期信頼性のある光学部品が得られる。
また、予め設定された調整実施位置データが、稼動中の半導体レーザモジュールの光軸調整の最新のデータに基づいて置き換えられるので、より正確な光軸の調整が行われ、光軸の調整の繰り返し回数が減少する。その結果、光学部品の生産効率が高まり生産コストが低減されるとともに、長期信頼性のある光学部品が得られる。
請求項2に係る光学部品の光軸調整方法によれば、やや光軸調整の精度が低下する2回目以降の調整後のデータが除外されるので、2回目以降の調整後のデータに影響を受けることがなく、より的確な最新のデータから作成される分布図に基づいて調整実施位置データが更新される。その結果、精度の高い効率的な光軸の調整が行われ、光軸の調整の繰り返し回数が著しく減少する。
請求項3に係る光学部品の光軸調整方法によれば、合致度合測定ステップにおいて測定された合致度合が悪化したとき、光軸の調整が停止されるので、何らかの異常がある光学部品に対する無駄な光軸の自動調整を終了することができる。その結果、調整効率の低下を防止することができる。
請求項4に係る光学部品の光軸調整方法によれば、新たに算出された調整実施位置が的確に補正されるので、精度の高い光軸の調整を効率よく実行することができる。
請求項5に係る光学部品の光軸調整方法によれば、既にレーザ光が照射された位置と、同一位置に重ねてレーザ光が照射されることはないので、光ファイバの損傷が防止されるとともに、既にレーザ光が照射された位置の近傍に調整実施のレーザ光が照射されるので、光軸調整の効果が得られ、光ファイバの光軸の合致度合を高めることができる。
請求項6に係る光学部品の光軸調整方法によれば、光軸の調整が停止されるので、何らかの異常がある光学部品に対する無駄な光軸の自動調整を終了することができる。その結果、調整効率の低下を防止することができる。
請求項7に係る光学部品の光軸調整装置によれば、適格な調整実施位置を決定することができるので、光学部品の調整実施による光軸の調整回数が少なく、調整実施位置の決定およびこの調整実施位置の決定に基づく調整実施を自動的に実行することができる。その結果、光学部品の生産効率が高まり生産コストが低減されるとともに、長期信頼性のある光学部品が得られる。
また、予め設定された調整実施位置データが、稼動中の半導体レーザモジュールの光軸調整の最新のデータに基づいて置き換えられるので、より正確な光軸の調整が行われ、光軸の調整の繰り返し回数が減少する。その結果、光学部品の生産効率が高まり生産コストが低減されるとともに、長期信頼性のある光学部品が得られる。また、この光学部品の光軸調整装置によれば、装置を稼動するにあたり、必要とされる調整実施位置データは、最少2点のみで可能であり、正確な関係式を得るための多大なデータ取得実験が不要となり、装置の早期稼動が実現できる。
請求項8に係る光学部品の光軸調整装置によれば、やや光軸調整の精度が低下する2回目以降の調整後のデータが除外されるので、2回目以降の調整後のデータに影響を受けることがなく、より的確な最新のデータから作成される分布図に基づいて調整実施位置データが更新される。その結果、精度の高い効率的な光軸の調整が行われ、光軸の調整の繰り返し回数が著しく減少する。
請求項9に係る光学部品の光軸調整装置によれば、合致度合測定ステップにおいて測定された合致度合が悪化したとき、光軸の調整が停止されるので、何らかの異常がある光学部品に対する無駄な光軸の自動調整を終了することができる。その結果、調整効率の低下を防止することができる。
請求項10に係る光学部品の光軸調整装置によれば、新たに算出された調整実施位置が的確に補正されるので、精度の高い光軸の調整を効率よく実行することができる。
請求項11に係る光学部品の光軸調整装置によれば、既にレーザ光が照射された位置と、同一位置に重ねてレーザ光が照射されることはないので、光ファイバの損傷が防止されるとともに、既にレーザ光が照射された位置の近傍に調整実施のレーザ光が照射されるので、光軸調整の効果が得られ、光ファイバの光軸の合致度合を高めることができる。
請求項12に係る光学部品の光軸調整装置によれば、光軸の調整が停止されるので、何らかの異常がある光学部品に対する無駄な光軸の自動調整を終了することができる。その結果、調整効率の低下を防止することができる。
請求項13に係る光学部品の製造方法によれば、光学部品毎に作業者が経験と感覚により調整実施位置を決定するような手動での光軸の調整がなくなり、調整実施が自動化され、光学部品の生産効率が高まり、低コストで品質に優れた光学部品が得られる。
請求項14に係る光学部品の製造方法によれば、やや調整の精度が低下する2回目以降の調整後のデータが調整実施位置データから除外された精度の高い調整実施位置データに基づくため、より生産効率が高まり、より品質に優れた光学部品が得られる。
以下、本発明に係る光学部品の光軸調整方法および光学部品の光軸調整装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明に係る光学部品の光軸調整方法は、本発明に係る光学部品の光軸調整装置により実施することができ、光学部品の光軸調整装置の説明を通じてその光学部品の光軸調整方法の詳細をも明らかにすることとする。合致度合測定ステップは、合致度合測定手段により好適に行うことができ、調整実施位置算出ステップは、調整実施位置算出手段により好適に行うことができ、調整実施ステップは、調整実施手段により好適に行うことができ、調整実施位置データ更新ステップは、調整実施位置データ更新手段により好適に行うことができ、調整実施位置補正ステップは、調整実施位置補正手段により好適に行うことができる。
図1に示すように、光学部品の光軸調整装置10は、筐体12と、YAGレーザ溶接部14と、パッケージ保持機構部16と、駆動制御部18と、ペルチェ素子コントローラ20と、LD電源22と、受光器26と、コントローラ30とを含んで構成されている。
筐体12は、上部支持板12aと、底部支持板12bと、上部支持板12aおよび底部支持板12bを支持する支柱12c、12dおよび図示しない他の支柱により構成されている。筐体12には、YAGレーザ溶接部14と、パッケージ保持機構部16と、駆動制御部18と、ペルチェ素子コントローラ20と、LD電源22と、受光器26と、コントローラ30が収容されている。
YAGレーザ溶接部14は、溶接制御ユニット14aと、ユニットマウント14bと、ユニットプレート14cと、レーザ照射ユニット14d、14e、14fと、照射ヘッド14g、14h、14iとにより構成されている。
レーザ照射ユニット14d、14e、14fは、それぞれの先端部に照射ヘッド14g、14h、14iが設けられ、ユニットプレート14cおよびユニットマウント14bを介して上部支持板12aに取り付けられている。この照射ヘッド14g、14h、14iは、パッケージ保持機構部16に保持された半導体レーザモジュール15の光軸を中心とする円周上に等間隔になるよう配置されており、半導体レーザモジュール15の接合箇所に均等にYAGレーザビーム14rが照射されるようになっている。
溶接制御ユニット14aは、筐体12の上部支持板12aに取り付けられており、コントローラ30の指令に基づいて照射ヘッド14g、14h、14iから半導体レーザモジュール15の接合箇所に同時に照射するYAGレーザビーム14rの照射量および照射タイミングを制御するようになっている。
図2(a)、(b)に示すように、半導体レーザモジュール15は、ケースとしてのパッケージ41と、ペルチェ素子42と、基板43と、発光素子としての半導体レーザチップ44と、フォトダイオード45と、レンズ46と、光アイソレータ47と、ホルダ48と、サーミスタ49と、光ファイバ51と、フェルール52と、スリーブ53と、リード54、55とを含んで構成されている。
パッケージ41は、パッケージ本体41aと、パッケージ本体41aを基板などの外部機器に固定するための固定ブラケット41b、41cと、パッケージ内の各構成要素保護するパッケージキャップ41dと、パッケージ本体41aの側面部でスリーブ53とフェルール52との接合部分を保護するスリーブキャップ41eとにより構成されている。
パッケージ本体41aには、その内部底面に、サーミスタ49により基板43の温度を検知し半導体レーザチップ44を一定の温度、例えば、25℃に保つためのペルチェ素子42が固定されており、このペルチェ素子42の上部には基板43が取り付けられている。この基板43には、半導体レーザチップキャリア44aを介して半導体レーザチップ44が設けられ、フォトダイオードキャリア45aを介してフォトダイオード45が設けられている。このフォトダイオード45は、半導体レーザチップ44の後端部から出射されるレーザビーム44dを受光することにより、半導体レーザチップ44の出力を監視するモニタとして機能するようになっている。
図2(a)、(b)に示すように、レンズ46および光アイソレータ47は、ホルダ48を介して基板に固定されている。レンズ46は、半導体レーザチップ44から出射されるレーザビーム44bを光ファイバ51の端部で集束させて光ファイバ51に入光させるようになっている。光アイソレータ47は、半導体レーザチップ44から出射されるレーザビーム44bのみを通過させ、光ファイバ51側から来る反射光などを吸収するようになっている。
半導体レーザチップ44から出射されるレーザビーム44bを効率よく光ファイバ51に入光させるため、半導体レーザチップ44の光軸と、レンズ46の光軸と、光ファイバ51の光軸とが光軸方向で合致するようこれらの光学部品が配設されている。
具体的には、図5に示すように、半導体レーザチップ44から出射されるレーザ光がレンズ46を透過し集束して焦点44cで結像するようになっており、この焦点44cと光ファイバ51の光ファイバコア51aの光軸とがX軸、Y軸およびZ軸で合致するよう配設されている。
図3および図4に示すように、パッケージ本体41aには、光出射窓部41fが貫通して形成されており、この光出射窓部41f内を半導体レーザチップ44から出射されるレーザビーム44b光が通過するようになっている。この光出射窓部41fには、図示しないガラスが挿入されており、パッケージ本体41aの機密性が確保されている。また、この光出射窓部41fの外側には、スリーブ53が固定されている。このスリーブ53には、貫通孔53gが形成されており、この貫通孔53gには、光ファイバ51の端部に形成されているフェルール52が挿入されるようになっている。
また、このスリーブ53の下部にYAGレーザビーム14rが照射され、スリーブ53がパッケージ本体41aに、例えば、貫通溶接され固定されている。
また、スリーブ53の外周側面にYAGレーザビーム14rが照射されることによりスリーブ53とフェルール52とが貫通溶接または隅肉溶接され、スリーブ53とフェルール52とが固定されている。
パッケージ保持機構部16は、θ軸ステージ16aと、ステージプレート16bと、Y軸ステージ16cと、X軸ステージ16dと、Z軸ステージ16eと、ジンバル16fと、クランププレート16gと、フェルールクランプ16hと、パッケージ固定治具16iとにより構成されている。
θ軸ステージ16aは、筐体12の底部支持板12bに回転可能に取り付けられており、このθ軸ステージ16aの上部にはステージプレート16bが固定され、θ軸ステージ16aの回転とともにステージプレート16bも回転するようになっている。
ステージプレート16bには、Y軸方向に移動可能なY軸ステージ16cが取り付けられている。また、このY軸ステージ16cには、X軸方向に移動可能なX軸ステージ16dが取り付けられており、X軸ステージ16dには、ジンバル16fが取り付けられている。このジンバル16fは、その上部で半導体レーザモジュール15を水平に保持するよう水平保持機構で構成されている。
Z軸ステージ16eは、筐体12の支柱12dに取り付けられており、ステージプレート16b、Y軸ステージ16cおよびX軸ステージ16dをZ軸方向に移動させるようになっている。
また、Z軸ステージ16eの上部には、クランププレート16gが固定されており、このクランププレート16gの下部にはフェルールクランプ16hおよび図示しないスリーブクランプが固定されている。
フェルールクランプ16hは、その先端部で、ジンバル16fに保持された半導体レーザモジュール15の上部のフェルール52を保持するようになっている。
駆動制御部18は、例えば、制御回路などの電子回路によって構成されており、コントローラ30の指令に基づいて、θ軸ステージ16aの回転、Y軸ステージ16cのY軸方向の移動、X軸ステージ16dのX軸方向の移動およびZ軸ステージ16eのZ軸方向の移動の各動作を制御するようになっている。
ペルチェ素子コントローラ20は、温度制御回路によって構成されており、ジンバル16fに保持された半導体レーザモジュール15内のペルチェ素子に接続され、サーミスタ49が検知した温度情報に基づいて、半導体レーザモジュール15が最適な温度、例えば、約25℃で一定になるよう制御するようになっている。
LD電源22は、例えば、電源制御回路によって構成されており、半導体レーザモジュール15のペルチェ素子42、半導体レーザチップ44およびフォトダイオード45などを駆動するための電源をそれぞれペルチェ素子42、半導体レーザチップ44およびフォトダイオード45に供給するようになっている。
受光器26は、例えば、フォトダイオードを含んで構成されており、光ファイバ51内を透過したレーザ光の強度をフォトダイオードで受光し測定するようになっている。受光器26においては、受ける光の量に比例して電流を発生するようになっており、強い光を受けると電流量は増加し、弱い光を受けると電流量が減少するので、この電流量を測定することにより、レーザ光の光強度が検出されるようになっている。
コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)、処理プログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、書換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、A/D変換器やバッファ等を含む入力インターフェース回路および駆動回路等を含む出力インターフェース回路を含んで構成されている。このコントローラ30は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータにより構成してもよい。
また、このコントローラ30は、例えば、ROMなどの記憶媒体に格納された合致度合測定プログラム32、調整実施位置算出プログラム34、調整実施プログラム36、調整実施位置データ更新プログラム38、調整実施位置補正プログラム40を含んで構成されている。
合致度合測定プログラム32は、前述のCPU、ROMなどを含んで構成されており、受光器26から出力される信号に基づいて、受光器26が受光するレーザビーム44b光の光強度(mW)を測定するようになっている。
図5(a)に示すように、LD電源22(図1参照)により通電された半導体レーザチップ44から出射したレーザビーム44bは、レンズ46で屈折し光アイソレータ47内を透過し、光ファイバ51の光ファイバコア51aの端部で光軸上の焦点44cに集束し、光ファイバ51内を通過し、受光器26の受光面に到達するようになっている。
図5(b)に示すように、X軸およびY軸(図1参照)で形成されるXY平面におけるレーザビーム44bの焦点位置が光ファイバ51の光ファイバコア51aの光軸に対してずれた位置になると、そのずれの大きさに応じて受光器26が受けるレーザビーム44bの光強度(mW)が変化することが分かる。レンズ46で屈折したレーザビーム44bの焦点44cのX軸、Y軸およびZ軸における各位置と、光ファイバ51の光ファイバコア51aのX軸、Y軸およびZ軸における光軸の先端部の位置とが合致したとき、光強度が最も大きくなる。
図5(b)に示す曲線の山の部分が、光強度が最も大きい部分で、焦点位置が±0であり、焦点44cの位置と光ファイバコア51aの光軸とがその軸線方向で合致している状態を表しており、本実施の形態においては、例えば、Pfで表される。
本実施の形態における光強度(mW)は、本発明に係る光学部品の光軸調整方法および光学部品の光軸調整装置における合致度合を構成している。この光強度が大きいほど、光ファイバコア51aの光軸の先端部の位置が、焦点44cにX軸、Y軸およびZ軸における各位置で合致している度合が大きく、つまり、合致している度合がよく、光強度が小さいほど、光ファイバコア51aの光軸の先端部の位置が、焦点44cにX軸、Y軸およびZ軸における各位置で合致している度合が小さい、つまり、合致している度合が悪いことを表している。したがって、光強度の大きさを測定することにより、光ファイバコア51aの光軸の先端部の位置が、焦点44cにX軸、Y軸およびZ軸における各位置で合致しているか否かの合致度合を測定することができる。
調整実施位置算出プログラム34は、前述のCPU、ROMなどなどを含んで構成されており、合致度合測定プログラム32により測定された光強度に基づいて半導体レーザモジュール15のスリーブ53およびフェルール52で光軸の調整を実施させるよう、スリーブ53の調整実施位置を算出するようになっている。X軸およびY軸において、図11(a)に示すように、スリーブ53内に固定された光ファイバ51の光ファイバコア51aの光軸の中心をPとし、中心Pからスリーブ53の△印で表す外周側面の任意の点Pまでの半径をrとし、中心Pと近傍の固定打ち点P53dとを通る線をL53dとし、中心Pと外周側面の点Pとを通る線をLθとし、線L53dと線をLθとのなす角をθとすると、XY平面における調整実施位置は、半径rおよび角度θとで表される。また、この半径rおよび角度θの代わりに、X軸およびY軸で形成されるXY平面上の所定の基準位置からの距離からなるXY位置で表してもよい。
また、この調整実施位置は、Z軸方向においては、図10(a)に示すように、スリーブ53の上端面をZとし、この下方向にL〜Lのように基準位置Zからの距離で表される。この調整実施位置は、YAGレーザビーム14rが照射されるスリーブ53の外周側面における光軸位置調整用の照射位置を表している。
調整実施位置算出プログラム34においては、半径rおよび角度θで表されるXY平面上の調整実施位置と、Z軸上の調整実施位置の双方が算出される。この調整実施位置の算出においては、XY平面上の調整実施位置の算出およびZ軸上の調整実施位置の算出のステップの前後は問われず、いずれの算出を先に実行してもよい。
図8(a)〜(c)に示すように、XY平面上の調整実施位置の算出においては、LD電源22(図1参照)により通電された半導体レーザチップ44からレーザビーム44bを出射させるとともに、スリーブ53の外周側面から放射内方に向かって押圧ステー56により順次角度ωを変えて押圧し、フェルール52の上部の外周側面に荷重を加える。
図9(a)に示すように、受光器26が測定したレーザビーム44bの光強度が最も大きくなる角度θが調整実施位置として算出される。すなわち、スリーブ53が貫通溶接される前に、レンズ46で屈折したレーザビーム44bの焦点44cの位置に、光ファイバ51の光ファイバコア51aの光軸が合致するよう調芯され、光ファイバコア51aの光軸が焦点44cに合致した最も光強度が大きいPfを基準として、光強度が最もPfに近い値になるピークの角度θを検出する。この荷重を加える位置は、多いほど位置精度が高まるが、作業位置は、合致度合測定プログラム32と調整実施位置算出プログラム34とにより定められる。
図9(a)における、Pfは固定打ち後の測定光強度、Pfは初回調整実施後の測定光強度、PfはX回目の調整実施後の測定光強度を示している。
合致度合測定プログラム32は、光強度Pfと現状態の光強度(PfまたはPfまたはPf)とを測定するとともに、その差分値ΔPfdataを求め、この差分値ΔPfdataが許容範囲内にあるか否かを判定する。また現状態が初回調整実施後の場合には、差分値のPf−PfをΔPfrenewとして記憶手段に調整実施位置と関連づけて記憶させる。
調整実施位置算出プログラム34は、合致度合測定プログラム32で測定した前述の差分値ΔPfdataおよび後述する調整実施位置データに基づいて光軸の調整を実施するための調整実施位置を定める。
ここで、図9(b)に示す調整実施位置データについて説明する。
この調整実施位置データは、”調整実施位置の基準位置Zからの距離L”と”Pf−Pfで定まるΔPfrenew”とを関連づけたものであり、Pfを測定する度に随時蓄積される。この調整実施位置データは、コントローラ30のROMなどの記憶手段に記憶され、必要の都度、調整実施位置算出プログラム34により読み出されて使用するようになっている。
以下、合致度合の判定およびZ軸上の調整実施位置の決定の流れを具体的に説明する。
(1)図9(a)に示す調芯後の最大測定光強度Pfと固定打ち後の測定光強度Pfとを測定するとともにその差分値(Pf−Pf)を求め、その差分値(Pf−Pf)が許容範囲内にあるか否かを判定する。
(2)差分値(Pf−Pf)が許容範囲外であった場合、図10(b)に示すように、上述した調整実施位置データに基づいてZ軸上の調整実施位置を定め、後述する調整実施プログラム36において、定められた調整実施位置にYAGレーザビーム14rが照射される調整照射、すなわち、調整打ちが実行される。
(3)調芯後の最大測定光強度Pfと初回調整実施後の測定光強度Pfとを測定するとともに、その差分値(Pf−Pf)を算出し、差分値(Pf−Pf)が許容範囲内にあるか否かを判定する。同時に差分値(Pf−Pf)をΔPfrenewとして、初回調整実施位置と関連づけて記憶手段に記憶させる。
この調整実施位置データは、関係式で表すことができ、例えば、係数をkとすると、z=k×f(ΔPfdata)のように近似式で表すことができる。この場合、係数kは、半導体レーザモジュールの仕様やその他の条件により異なる。この関係式は、ΔPfdataと基準位置Zからの距離との関係を表すものであればよく、一次式だけでなく、二次式や対数など任意の関数で表してもよい。
また、この関係式は、ΔPfdataと基準位置Zからの距離について、光軸調整を実施したデータをプロットしΔPfdataと基準位置Zからの距離の分布図を作成し、この分布図に基づいて予め作成されたものである。
例えば、図10(a)に示すように、スリーブ53の上端面の基準位置Zから下方に距離Lだけ離隔した点をZ、距離Lだけ離隔した点をZ、距離Lだけ離隔した点をZ、距離Lだけ離隔した点をZ、距離Lだけ離隔した点をZとすると、図10(b)示すように、この距離が大きくなるほど、ΔPfdataが大きくなるので、YAGレーザ溶接によるスリーブ53およびフェルール52の調整実施の効果が比例して大きくなることが分かる。調整実施位置算出プログラム34において、この関係式に基づいて調整実施位置が算出されるので、この関係式は、本発明に係る光学部品の光軸調整装置における合致度合と調整実施位置とに関する調整実施位置データを構成している。
また、この合致度合測定プログラム32は、受光器26が受けるレーザビーム44bの光強度が、直前に検出された受光器26が受けるレーザビーム44bの光強度よりも小さいとき、半導体レーザモジュール15の光軸の調整を停止するようコントローラ30に信号を出力するよう構成されている。
また、この合致度合測定プログラム32は、図11(a)に示すように、スリーブ53の外周側面に対してYAGレーザビーム14rが照射された光軸の調整実施位置を仮に53dとし、新たに調整実施しようとする新たな調整実施位置をPとすると、中心Pと溶接部53dとを通る線L53dと、中心Pと点Pとを通る線Lθとのなす角度θが180度±60度の範囲内であったときに、半導体レーザモジュール15の光軸の調整を停止するようコントローラ30に信号を出力するよう構成されている。
調整実施プログラム36は、調整実施位置算出プログラム34により算出された角度θおよびZ軸方向の位置で表される調整実施位置に基づいてコントローラ30の指令により前述のYAGレーザ溶接部14により実行されるようになっている。具体的には、調整実施位置算出プログラム34により算出された調整実施位置、例えば、図10(a)に示すZで表される調整実施位置に、1箇所の照射ヘッド14gから1本のYAGレーザビーム14rが照射され、この調整実施位置Zでスリーブ53とフェルール52とが貫通溶接されることにより実行される。このYAGレーザビーム14rの照射は、スリーブ53とフェルール52とを固定する際に照射された出力と同等またはそれ以下の出力で照射されることが好ましいが、スリーブ53とフェルール52とを固定する際に照射された出力より大きい出力でもよい。この貫通溶接により、フェルール52がスリーブ53の内壁面部に引き寄せられたり、またはスリーブ53およびフェルール52が調整実施位置Zを略中心として収縮して屈曲するので、光ファイバ51の光軸が微動し固定される。例えば、スリーブ53およびフェルール52が調整実施位置Zの上部および下部でYAGレーザビーム14rが照射された方向に突出するよう僅かに湾曲して固定される。また、フェルール52がスリーブ53の内壁面部の方向に微動して固定される。その結果、レンズ46で屈折したレーザビーム44bの焦点44cの位置と、光ファイバ51の光ファイバコア51aの光軸とを合致させることができる。
調整実施位置データ更新プログラム38においては、初回の調整実施位置算出プログラム34により算出された初回の調整実施位置と、この初回の調整実施位置に基づいて実行された初回の調整実施プログラム36の実行の後に合致度合測定プログラム32において測定された合致度合との双方に基づいて調整実施位置データを更新するようになっている。
また、調整実施位置データ更新プログラム38においては、調整実施プログラム36により、調整実施が実行される都度、随時調整実施位置データが更新される。例えば、調整実施位置データが100個であるとき、このデータの内最も古いデータが、最も新しいデータに更新されるようになっている。このような随時更新以外の更新方法であってもよい、例えば、新たなデータが所定数である100個蓄積されたとき、古い調整実施位置データを新たな調整実施位置データに一括で更新してもよい。
なお、本実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置10を最初に稼動した際には、当然のことながら稼動による調整実施位置データは記憶手段に記憶されていない。このような場合には、予備実験などで得られたデータからなる調整実施位置データを予め記憶手段に記憶させておき、光学部品の光軸調整装置10の稼動初期は、予備実験データからなる調整実施位置データを用いて調整実施位置を算出する。そして、光学部品の光軸調整装置10の稼動を続けるに伴って、この調整実施位置データは調整実施位置データ更新プログラム38により更新され、より正確な調整が可能となる。
予め準備する調整実施位置データのデータ数は、最少2点でよい。この2点を用いて調整実施位置データの直線近似を求めることが可能である。なお、この予め準備するデータは、初回の調整実施位置データのみを調整実施位置データとして使用してもよく、やや精度が低下するものの、2回目以降の調整実施位置データも使用するようにしてもよい。
調整実施位置補正プログラム40は、調整実施プログラム36が、スリーブ53の表面部における角度θおよびZ軸方向の位置で表される調整実施位置に1本のYAGレーザビーム14rを照射する調整照射により行われる。スリーブ53の表面部に3本のYAGレーザビーム14rを同時に照射する固定照射により貫通溶接が行われ、フェルール52がスリーブ53に固定される。この固定照射がなされた固定照射位置である溶接部と、調整実施位置算出プログラム34において算出した新たな調整実施位置との間の間隔の大きさに応じて、新たな調整実施位置を補正し、補正した調整実施位置に対して調整照射を実施するよう構成されている。このYAGレーザビーム14rの照射による調整照射は、固定照射と同等またはそれ以下の出力であることが好ましいが、同等以上であってもよい。
図11(a)に示すように、YAGレーザ溶接部14により既に溶接されたスリーブ53の溶接部53dと、溶接部53eとがXY平面で120度離隔している場合、溶接部53dと溶接部53eとの間の位置によって、スリーブ53およびフェルール52の調整実施量が変化する。具体的には、図11(b)に示すように、光ファイバ51の光軸の中心Pと溶接部53dとを結ぶ直線L53dを基準として、この基準からの角度θで表されるスリーブ53の表面部の位置により、スリーブ53およびフェルール52の調整実施量が変化する。角度θが0度〜60度の範囲では、徐々に上方に傾斜した直線グラフで表され、60度〜120度では、徐々に下方に傾斜した直線グラフで表される。
調整実施位置補正プログラム40においては、この直線グラフに基づいて、角度θが0度〜30度の範囲および90度〜120度の範囲において、図10(a)で示される距離L〜Lに対して係数αを乗算することにより、調整実施位置算出プログラム34で検出したZ軸方向の位置を距離L〜Lが大きくなるよう補正する。この係数αは、角度θが60度のときの1.0を最大とする凸特性を持ち、半導体レーザモジュールの仕様や材質その他の条件により異なるが、1<α≦2の範囲で適宜選択され、例えば、1.15〜1.2などからなる。
また、この調整実施位置補正プログラム40においては、調整実施位置算出プログラム34により検出された新たな調整実施位置が、YAGレーザ溶接部14により既に溶接されたスリーブ53の溶接部53dと重なったとき、溶接部53dの近傍を新たな調整実施位置として補正するよう構成されている。溶接部53dの近傍とは、溶接部53dに隣接する位置で溶接部53dの外延と新たに溶接しようとする溶接部の外延が重複しない位置をいい、半導体レーザモジュールの仕様や材質その他の条件により異なるが、例えば、溶接部53dの外延と新たに溶接しようとする溶接部の外延との距離が0.5mm〜数mmの範囲にあることをいう。この溶接部53dの近傍は、溶接部53dを中心として、スリーブ53の円周方向に時計回りまたは反時計回りの近傍のうち、合致度合測定プログラム32により合致度合が大きい方が選択されるようになっている。
以下、パッケージ本体41aにスリーブ53とフェルール52とをYAGレーザ溶接により接合する接合手段について、図3〜図7を参照して説明する。
図3に示すように、まず、半導体レーザモジュール15が光出射窓部41f側が上部になるようパッケージ保持機構部16のジンバル16f上に載置され、パッケージ固定治具16iにより固定保持される。
次いで、図4に示すように、スリーブ53の貫通孔53gに光ファイバ51の端部に設けられたフェルール52を挿入したものが、パッケージ本体41aの光出射窓部41fの上部に載置される。このときフェルール52の先端部がスリーブ53の貫通孔53gの下部に位置している。フェルール52が挿入されたものが光出射窓部41fの上部に載置される際、スリーブ53は下方に押圧され、パッケージ本体41aがスリーブ53と接する上面41gがスリーブ53の底面と平行になった状態でジンバルが固定され、その後、下方への押圧が解除される。
次いで、図5(a)に示すように、合致度合測定プログラム32により実行される前述の光軸合致の手段により、レンズ46で屈折したレーザビーム44bの焦点44cの位置と、光ファイバ51の光ファイバコア51aの光軸とが合致するよう調芯される。
次いで、図6(a)、(b)に示すように、フェルールクランプによりフェルール52が保持され、YAGレーザビーム14rがスリーブ53の下部周側面部の円周上で3等分された位置53a、53b、53cに同時に照射されフェルール52とパッケージ本体41aとが貫通溶接される。続いて、θ軸ステージ16aを僅かに回転させることによりステージプレート16bを介してスリーブ53を回転させ、さらに、位置53a、53b、53cに隣接した3箇所で同時に貫通溶接される。
次いで、図7(a)〜(c)に示すように、YAGレーザビーム14rがスリーブ53の周側面部の円周上で3等分された位置53d、53e、53fに同時に照射され、Z軸ステージ16eが下降することにより、スリーブ53の上部、中央部および下部の3層で合計9箇所においてフェルール52とパッケージ本体41aとが貫通溶接される。この貫通溶接後、フェルール52を保持していたフェルールクランプが開放されパッケージ本体41a、スリーブ53およびフェルール52の接合が完了する。
本実施の形態における合致度合測定プログラム32は、半導体レーザモジュール15のスリーブ53およびフェルール52の光軸の合致度合を受光器26により測定するよう構成されており、本発明に係る光学部品の光軸調整装置における合致度合測定手段を構成している。
また、本実施の形態における調整実施位置算出プログラム34は、合致度合測定プログラム32により測定された光強度など合致度合に基づいて半導体レーザモジュール15のスリーブ53およびフェルール52をYAGレーザ溶接部14により調整実施させる調整実施位置を算出するよう構成されており、本発明に係る光学部品の光軸調整装置における調整実施位置算出手段を構成している。
また、本実施の形態における調整実施プログラム36は、調整実施位置算出プログラム34により算出された調整実施位置に基づいて半導体レーザモジュール15のスリーブ53およびフェルール52をYAGレーザ溶接部14で貫通溶接により調整実施されており、本発明に係る光学部品の光軸調整装置における調整実施手段を構成している。
また、本実施の形態における調整実施位置データ更新プログラム38は、調整実施プログラム36によりスリーブ53およびフェルール52を調整実施させた後に合致度合測定プログラム32により測定された調整後の合致度合と、調整実施位置算出プログラム34により測定された調整後の調整実施位置に基づいて調整実施位置データを更新するよう構成されており、本発明に係る光学部品の光軸調整装置における調整実施位置データ更新手段を構成している。
また、本実施の形態における調整実施位置補正プログラム40は、調整実施位置算出プログラム34により算出されたスリーブ53およびフェルール52を調整実施させる調整実施位置が、調整実施プログラム36において既に溶接された溶接部と重なったとき、調整実施位置を補正するよう構成されており、本発明に係る光学部品の光軸調整装置における調整実施位置補正手段を構成している。
以下、本実施の形態における半導体レーザモジュール15の光軸調整について、図12および図13を参照して説明する。
図12および図3に示すように、組み立てられた半導体レーザモジュール15がパッケージ保持機構部16上に載置され、パッケージ固定治具16iにより保持される(ステップS11)。次いで、図4に示すように、半導体レーザモジュール15のパッケージ本体41aに設けられた光出射窓部41fの上方にスリーブ53の貫通孔53gにフェルール52が挿入された状態のスリーブ53が載置される(ステップS12)。
次いで、図5(a)に示すように、半導体レーザモジュール15にLD電源22から電源が供給され、半導体レーザチップ44からレーザビーム44bが出射され、受光器26によりレーザビーム44bが受光され、その光強度が測定される。測定された光強度に基づいて合致度合測定プログラム32により、レンズ46を透過して集束したレーザビーム44bの焦点44cと、光ファイバ51の光ファイバコア51aの光軸とがX軸、Y軸およびZ軸で各々合致するよう、スリーブ53を微動させる調芯が実行される(ステップS13)。これらの光軸が合致すると、図6(a)、(b)に示すように、YAGレーザ溶接部14によりスリーブ53が半導体レーザモジュール15のパッケージ本体41aに貫通溶接され固定される(ステップS14)。
次いで、図7(a)〜(c)に示すように、YAGレーザ溶接部14によりスリーブ53とフェルール52とが貫通溶接により固定される(ステップS15)。スリーブ53が半導体レーザモジュール15のパッケージ本体41aに貫通溶接され固定されると、光軸自動調整が開始される(ステップS16)。
次いで、図8(a)、(b)に示すように、レーザビーム44bの焦点44cと、光ファイバコア51aの光軸とが合致しているか否かの合致度合が合致度合測定プログラム32により測定される(ステップS17)。これらの光軸が合致していると判断されたときは(ステップS18)、光軸自動調整が終了し(ステップS19)、半導体レーザモジュール15がパッケージ保持機構部16から取り外され光軸の調整は終了する。
ステップS17において、レーザビーム44bの焦点44cと、光ファイバコア51aの光軸とが合致していないと判断されたときは(ステップS18)、(A)に進み、測定した合致度合がその直前に合致度合測定プログラム32により測定された直前合致度合より大きいか否かが判断され(ステップS24)、測定した合致度合が直前合致度合より小さく、合致度合が悪化したと判断された場合は、半導体レーザモジュール15が異常であることが、例えば、光軸調整装置10の図示しない表示部に表示される(ステップS32)。
次いで、半導体レーザモジュール15の光軸自動調整が停止し(ステップS33)、半導体レーザモジュール15がパッケージ保持機構部16から取り外され(ステップS34)、光軸の調整が終了する。
次いで、ステップS24において、測定した合致度合が直前合致度合より大きく、合致度合が悪化していないと判断された場合は、光軸の調整実施回数が所定回数、例えば、4回に到達したか否かが判断され(ステップS25)、4回に到達したと判断された場合は、ステップ32に進む。
4回に到達していないと判断された場合は、調整実施位置算出プログラム34により、予め設定された調整実施位置データまたは調整実施位置データ更新プログラム38により更新された調整実施位置データに基づいて、Z軸方向の調整実施位置が算出される(ステップS26)。
次いで、調整実施位置算出プログラム34により、スリーブ53のXY平面における角度θの位置が算出される(ステップS27)。
次いで、調整実施位置算出プログラム34により算出された角度θ、すなわち、図11(a)に示すように、線L53dと、線Lθとのなす角度θが180度±60度の範囲内にあるか否かが判断され(ステップS27)、角度θが180度±60度の範囲内にあったと判断されたときは、ステップ32に進む。角度θが180度±60度の範囲内にないと判断されたときは、調整実施位置算出プログラム34により算出された角度θ、Z軸方向の調整実施位置およびスリーブ53の半径rに基づいて、スリーブ53のX軸、Y軸およびZ軸における光軸の調整実施位置が決定される。
この光軸の調整実施位置は、適宜調整実施位置補正プログラム40により、最適な位置に補正される。例えば、フェルール52がスリーブ53に固定される固定照射がなされた固定照射位置である溶接部と、調整実施位置算出プログラム34において算出した新たな調整実施位置との間の間隔の大きさに応じて、新たな調整実施位置が補正される。
また、この調整実施位置補正プログラム40においては、調整実施位置算出プログラム34により検出された新たな調整実施位置が、YAGレーザ溶接部14により既に溶接されたスリーブ53の溶接部53dと重なったとき、溶接部53dの近傍が新たな調整実施位置になるよう補正される。このような補正がなされ、最終的にスリーブ53のX軸、Y軸およびZ軸における光軸の調整実施位置が決定される。
次いで、決定された調整実施位置にYAGレーザビーム14rが照射され、光ファイバ51の光軸の調整実施が実行される(ステップS29)。
次いで、実行された調整実施の回数が初回か否かが判断され(ステップS30)、初回でないと判断されたときは、図12および図13の(B)に進みステップS17以降が実行される。他方、初回であると判断されたときは、調整実施位置算出プログラム34により算出されたZ軸方向の調整実施位置と、調整実施プログラム36により実行された後に、合致度合測定プログラム32により測定された合致度合、すなわち、図9(a)に示すフェルール52が固定された後に受光器26で測定された固定後の測定光強度Pfと、この固定後に最初に調整実施され、受光器26で測定された初回調整実施後の測定光強度Pfとの差を表すΔPfrenewに基づいて、予め設定された調整実施位置データまたは更新された調整実施位置データが随時更新される。
次いで、図12および図13の(B)に進み、レーザビーム44bの焦点44cと、光ファイバコア51aの光軸とが合致しているか否かが合致度合測定プログラム32により測定される(ステップS17)。
本実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置10においては、内部にレンズ46を収容するパッケージ41と、先端部にフェルール52を有する光ファイバ51と、フェルール52をパッケージ41に固定するためのスリーブ53とを備えている。さらに、光ファイバ51の光軸が半導体レーザチップ44から出射されレンズ46を透過したレーザ光の焦点44cと合致しているか否かの合致度合を測定する合致度合測定プログラム32と、合致度合測定プログラム32により測定された合致度合に基づいて光ファイバ51の光軸の調整を実施するための調整実施位置を算出する調整実施位置算出プログラム34と、調整実施位置算出プログラム34により算出された調整実施位置に基づいて光ファイバ51の光軸の調整を実施する調整実施プログラム36とを有し、調整実施位置算出プログラム34が、合致度合と調整実施位置とに関する予め設定された調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出するよう構成されている。
この構成により、例えば、マップ形式のデータに基づいて調整実施位置が検出されるので、調整実施による光軸の調整回数が少なく、調整実施させる位置の決定および調整実施を自動的に実行することができ、光学部品の生産効率が高まり生産コストが低減されるとともに、長期信頼性のある光学部品が得られる。
また、本実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置10においては、合致度合測定プログラム32、調整実施位置算出プログラム34および調整実施プログラム36が、光ファイバ51の光軸がレンズ46を透過した光の焦点44cと許容範囲内で合致するまで繰り返し実行され、調整実施位置算出プログラム34により算出された調整実施位置と、この調整実施位置に基づいて実行された調整実施プログラム36の実行後に合致度合測定プログラム32により測定された合致度合との双方に基づいて調整実施位置データを更新する調整実施位置データ更新プログラム38を有するよう構成されている。
この構成により、調整実施位置データ更新プログラム38において、調整実施が実行される毎に、調整実施位置および合致度合に基づいて調整実施位置データが更新される。その結果、予め設定された調整実施位置データが、稼動中の半導体レーザモジュール15の光軸調整の最新のデータ、角度θ及びZ軸方向調整実施位置に基づいて随時置き換えられるので、光学部品の生産効率が高まり生産コストが低減されるとともに、長期信頼性のある光学部品が得られる。
また、本実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置10においては、調整実施位置データ更新プログラム38が、調整実施位置算出プログラム34により算出された初回の調整実施位置と、この初回の調整実施位置に基づいて実行された初回の調整実施の後に合致度合測定プログラム32により測定された合致度合との双方に基づいて調整実施位置データを更新するよう構成されている。
この構成により、調整実施位置データ更新プログラム38により、半導体レーザモジュール15の光軸調整における初回の調整実施位置と、この初回の調整実施位置に基づいて実行された初回の調整実施の後に合致度合測定プログラム32により測定された初回の合致度合との双方に基づいて調整実施位置データが更新される。その結果、やや調整の精度が低下する2回目以降の調整後のデータが調整実施位置データの更新のためのデータから除外され、精度の高い効率的な光軸の調整が行われ、光軸の調整の繰り返し回数が著しく減少する。
また、本実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置10においては、合致度合測定プログラム32により測定された合致度合が、合致度合測定プログラム32により直前に測定された直前合致度合よりも大きいとき、光学部品の光軸の調整を停止するよう構成され、さらに、調整実施位置算出プログラム34により算出された調整実施位置が、既に調整実施プログラム36により調整照射がなされた既調整実施位置に対して、スリーブ53の軸線方向と直交する方向で、略対向する位置であったときに、光軸の調整を停止するよう構成されている。
この構成により、合致度合が、直前に実行された合致度合測定プログラム32により測定された直前合致度合よりも低いとき、例えば、初回の調整実施手段により、光学部品の調整実施がなされたことにより、合致度合が悪化したときは、半導体レーザモジュール15自体に何らかの異常があるので、光軸の自動調整に適さない。このような半導体レーザモジュール15に対して光軸の調整を続行しても調整効率が低下してしまうので、光軸の調整を停止することにより、光軸の自動調整を強制的に終了させることができる。このように合致度合測定プログラム32により測定された合致度合が悪化したとき、光軸の調整が停止されるので、何らかの異常がある半導体レーザモジュール15に対する無駄な光軸の自動調整を終了することができ、調整効率の低下を防止することができる。
本実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置10においては、調整実施プログラム36が、スリーブ53の表面部における調整実施位置にYAGレーザビーム14rを照射する調整照射により行われ、スリーブ53の表面部にYAGレーザビーム14rを照射する固定照射によりフェルール52がスリーブ53に固定され、固定照射がなされた固定照射位置と、調整実施位置算出プログラム34により算出した新たな調整実施位置との間の間隔の大きさに応じて、新たな調整実施位置を補正し、補正した調整実施位置に対して調整照射を実施するようにした調整実施位置補正プログラム40を有するよう構成されている。
この構成により、固定照射がなされた固定照射位置による光軸調整に対する悪影響が回避される。例えば、固定照射がなされた固定照射位置の近傍に新たな調整実施位置が算出されたとき、この算出された調整実施位置にYAGレーザビーム14rを調整照射しても、既に固定照射された部分が近傍に存在していると、YAGレーザビーム14rの調整照射による所期の効果が得られにくくなり、光軸の調整の精度が低下してしまうという悪影響がある。そのため、その効果の低下する分だけ調整実施位置を補正することにより、より適切な調整実施位置が算出され、精度の高い光軸の調整を効率よく実行することができる。
本実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置10においては、調整実施位置補正プログラム40が、調整実施位置算出プログラム34により算出された調整実施位置が、固定照射位置および既に前記調整照射がなされた既調整実施位置の少なくともいずれか一方と重なったとき、固定照射位置および既に前記調整照射がなされた既調整実施位置の少なくともいずれか一方の近傍を新たな調整実施位置として補正するよう構成されている。
この構成により、調整実施位置算出プログラム34により算出された新たに調整実施しようとする調整実施位置と、固定照射位置および既に調整照射がなされた既調整実施位置の少なくともいずれか一方との重複が回避される。この重複が回避されると、同一位置に重ねてYAGレーザビーム14rが照射されることはない。YAGレーザビーム14rが照射されると、この照射部分は、厚みが薄くなり、ピンホールが形成されることがあり、このような照射部分にYAGレーザビーム14rが照射されると、YAGレーザビーム14rの熱エネルギが光ファイバのコア部分に到達し易くなりコアを損傷するおそれがある。調整実施位置の補正がなされると、このような弊害が回避され、既にYAGレーザビーム14rが照射された位置と、同一位置に重ねてYAGレーザビーム14rが照射されることはないので、光ファイバの損傷が防止されるとともに、既にYAGレーザビーム14rが照射された位置の近傍に調整実施のレーザ光が照射されるので、光軸調整の効果が得られ、光ファイバの光軸の合致度合を高めることができる。
本実施の形態に係る半導体レーザモジュール15においては、前述の光軸調整方法および光軸調整装置10により調整されたことを特徴としており、半導体レーザモジュール15の光軸の調整回数が少なくなり、その調整実施箇所が少なくなるので長期信頼性に優れ、また、短時間で効率よく光軸の調整ができるのでコスト低下を図ることができる。
また、以上の説明においては、半導体レーザチップからの出射光と光ファイバとの結合にレンズを用いる構成としたが、レンズ無しの構成(いわゆるバットジョイント)、つまり光強度が最大となるように光ファイバの調芯を行う構成においても、本発明を適用することが可能である。
以上説明したように、本発明に係る光学部品の光軸調整方法は、調整すべき位置の決定および調整を自動的に実行することができ、光学部品の光軸の調整回数が少なくなり、高い生産効率の下で生産することができ、光軸の調整実施箇所が少なくなるので、広く半導体レーザモジュールなどの光学部品の光軸調整方法全般に有用である。
また、本発明に係る光学部品の光軸調整装置は、調整すべき位置の決定および調整を自動的に実行することができ、光学部品の光軸の調整回数が少なくなり、高い生産効率の下で生産することができ、光軸の調整実施箇所が少なくなるので、広く半導体レーザモジュールなどの光学部品の光軸調整装置全般に有用である。
本発明に係る光学部品は、本発明に係る光学部品の光軸調整方法により光軸の調整が行われるので、光軸の調整回数が少なくその調整実施箇所が少なくなり、品質が安定し長期信頼性に優れ、また、自動で短時間で効率よく光軸の調整がされるのでコスト低下を図ることができ、耐久性も優れているので、広く半導体レーザモジュールなどの光学部品全般に有用である。
本発明に係る光学部品の製造方法は、光学部品の光軸の調整すべき位置の決定および調整を自動的に実行することができる工程が含まれており、光学部品の光軸の調整回数が少なくなり、高い生産効率の下で製造することができ、さらに光軸の調整実施箇所が少なくなるので、広く半導体レーザモジュールなどの光学部品の製造方法全般に有用である。
本発明の実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置の構成図である。 本発明の実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置により光軸が調整される半導体レーザモジュールを示し、(a)は、半導体レーザモジュールの上部カバーを外した状態の平面図を示し、(b)は、図2(a)のA−A矢視の断面図を示す。 本発明の実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置に保持された半導体レーザモジュールの側面図を示す。 図3のB矢視で示す部分の断面図を示し、半導体レーザモジュールに載置されたスリーブに光ファイバのフェルールが挿入された状態を示す。 図5(a)は、図3のB矢視で示す部分の断面図であり、半導体レーザモジュールに固定された光ファイバに検光子および受光器が接続された状態を示し、図5(b)は、XY平面におけるレーザビームの焦点位置と受光器により受光したレーザビームの光強度との関係を示すグラフである。 図6(a)は、図3のB矢視で示す部分の断面図であり、スリーブの下部にYAGレーザビームが照射された状態を示し、図6(b)は、図3のB矢視で示す部分の上面図であり、YAGレーザビームにより溶接された部分を示す。 図7(a)は、図3のB矢視で示す部分の断面図であり、スリーブの上部から下部にYAGレーザビームが照射された状態を示し、図7(b)は、図7(a)のC−C断面図であり、YAGレーザビームにより溶接された部分を示し、図7(c)は、図3のB矢視で示す部分の側面図であり、YAGレーザビームにより溶接された部分を示す。 図8(a)は、図3のB矢視で示す部分の断面図であり、YAGレーザビームにより溶接された後に半導体レーザモジュールに固定された光ファイバに検光子および受光器が接続された状態を示し、図8(b)は、半導体レーザモジュールに固定されたスリーブの周側面の角度ωの方向から周側面に荷重を加える位置を示す説明図であり、図8(c)は、半導体レーザモジュールに固定されたスリーブおよび光ファイバの斜視図である。 図9(a)は、半導体レーザモジュールに固定されたスリーブの周側面の角度θと受光器が受光したレーザビームの光強度との関係を示すグラフであり、図9(b)は、半導体レーザモジュールに固定されたスリーブのZ軸の基準位置からの距離と受光器が受光したレーザビームの最大光強度と測定光強度との差の関係を示すグラフである。 図10(a)は、図3のB矢視で示す部分の斜視図であり、YAGレーザビームにより溶接された半導体レーザモジュールの溶接位置を示し、図10(b)は、半導体レーザモジュールに補正用のYAGレーザ溶接を行う上端部からの距離と溶接による調整実施量の大きさとの関係を示すグラフである。 図11(a)は、図3のB矢視で示す部分の上面図であり、YAGレーザビームにより溶接された半導体レーザモジュールの溶接位置を示し、図11(b)は、半導体レーザモジュールに補正用のYAGレーザ溶接を行う溶接位置からのX軸、Y軸平面における角度と、その角度の位置で溶接した場合の調整実施量の大きさとの関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る光学部品の光軸調整装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10 光学部品の光軸調整装置
12 筐体
12a 上部支持板
12b 底部支持板
12c、12d 支柱
14 YAGレーザ溶接部(調整実施手段)
14a 溶接制御ユニット
14b ユニットマウント
14c ユニットプレート
14d、14e、14f レーザ照射ユニット
14g、14h、14i 照射ヘッド
14r YAGレーザビーム
15 半導体レーザモジュール
16 パッケージ保持機構部
16a θ軸ステージ
16b ステージプレート
16c Y軸ステージ
16d X軸ステージ
16e Z軸ステージ
16f ジンバル
16g クランププレート
16h フェルールクランプ
16i パッケージ固定治具
18 駆動制御部
20 ペルチェ素子コントローラ
22 LD電源
26 受光器(合致度合測定手段、調整実施位置算出手段)
30 コントローラ
32 合致度合測定プログラム(合致度合測定手段)
34 調整実施位置算出プログラム(調整実施位置算出手段)
36 調整実施プログラム(調整実施手段)
38 調整実施位置データ更新プログラム(調整実施位置データ更新手段)
40 調整実施位置補正プログラム(調整実施位置補正手段)
41 パッケージ(ケース)
41a パッケージ本体
41b、41c 固定ブラケット
41d パッケージキャップ
41e スリーブキャップ
41f 光出射窓部
41g 上面
42 ペルチェ素子
43 基板
44 半導体レーザチップ(発光素子)
44a 半導体レーザチップキャリア
44b、44d レーザビーム
44c 焦点
45 フォトダイオード
45a フォトダイオードキャリア
46 レンズ
47 光アイソレータ
48 ホルダ
49 サーミスタ
51 光ファイバ
51a 光ファイバコア
52 フェルール
53 スリーブ
53a〜53f 溶接部
53g 貫通孔
54、55 リード
56 押圧ステー
基準位置
〜Z 調整実施位置
〜L スリーブの上端部からの距離

Claims (14)

  1. 少なくとも内部に発光素子を収容するケースと、先端部に接続部材を有する光ファイバと、前記接続部材を前記ケースに固定するための固定部材とを有する光学部品の光軸を調整する光軸調整方法において、
    前記発光素子からの出射光の前記光ファイバへの結合の度合を測定する合致度合測定ステップと、
    前記合致度合測定ステップにより測定された前記合致度合、および前記光軸の調整を実施するため予め設定された調整実施位置と前記合致度合との関係を示す調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出する調整実施位置算出ステップと、
    前記調整実施位置算出ステップにより算出された前記調整実施位置に基づいて前記光軸の調整をレーザ光を照射する調整照射により実施する調整実施ステップと、
    前記調整実施位置算出ステップにより算出された前記調整実施位置と、該調整実施位置に基づいて実行された前記調整実施ステップの後に前記合致度合測定ステップにより測定された前記合致度合との双方に基づいて前記調整実施位置データを更新する調整実施位置データ更新ステップとを含み、
    前記調整実施位置算出ステップが、前記調整実施位置データ更新ステップにより更新された前記調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出することを特徴とする光学部品の光軸調整方法。
  2. 前記調整実施位置データ更新ステップが、初回の前記調整実施位置算出ステップにより算出された初回の前記調整実施位置と、該初回の調整実施位置に基づいて実行された初回の前記調整実施ステップの後に前記合致度合測定ステップにおいて測定された前記合致度合との双方に基づいて調整実施位置データを更新することを特徴とする請求項に記載の光学部品の光軸調整方法。
  3. 前記合致度合測定ステップにおいて測定された前記合致度合が、直前に実行された前記合致度合測定ステップにおいて測定された直前合致度合よりも悪いとき、光学部品の光軸の調整を停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学部品の光軸調整方法。
  4. 前記調整実施位置算出ステップにおいて算出した調整実施位置を補正する調整実施位置補正ステップを含み、
    前記調整実施位置補正ステップが、前記接続部材を前記固定部材に固定するよう前記固定部材の外周側面部に固定照射されたレーザ光の照射位置と、前記調整実施位置との間の間隔の大きさに応じて、前記調整実施位置を補正するステップからなり、
    前記調整実施ステップが、前記調整実施位置補正ステップにより補正された調整実施位置に対してレーザ光を調整照射するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部品の光軸調整方法。
  5. 前記調整実施位置補正ステップが、前記調整実施位置算出ステップで算出された前記調整実施位置が、前記固定照射位置および既に前記調整照射がなされた既調整実施位置の少なくともいずれか一方と重なったとき、前記固定照射位置および既に前記調整照射がなされた既調整実施位置の近傍を新たな調整実施位置として補正することを特徴とする請求項に記載の光学部品の光軸調整方法。
  6. 前記調整実施位置算出ステップで算出された前記調整実施位置が、直前の前記調整実施ステップで前記調整照射がなされた既調整実施位置に対して、前記固定部材の軸線方向と直交する方向で、略対向する位置であったときに、光軸の調整を停止することを特徴とする請求項またはに記載の光学部品の光軸調整方法。
  7. 少なくとも内部に発光素子を収容するケースと、先端部に接続部材を有する光ファイバと、前記接続部材を前記ケースに固定するための固定部材とを有する光学部品の光軸を調整する光軸調整装置において、
    前記発光素子からの出射光の前記光ファイバへの結合の度合を測定する合致度合測定手段と、
    前記合致度合測定手段により測定された前記合致度合、および前記光軸の調整を実施するため予め設定された調整実施位置と前記合致度合との関係を示す調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出する調整実施位置算出手段と、
    前記調整実施位置算出手段により算出された前記調整実施位置に基づいて前記光軸の調整をレーザ光を照射する調整照射により実施する調整実施手段と、
    前記調整実施位置算出手段により算出された前記調整実施位置と、該調整実施位置に基づいて実行された前記調整実施の後に前記合致度合測定手段により測定された前記合致度合との双方に基づいて前記調整実施位置データを更新する調整実施位置データ更新手段とを含み、
    前記調整実施位置算出手段が、前記調整実施位置データ更新手段により更新された前記調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出することを特徴とする光学部品の光軸調整装置。
  8. 前記調整実施位置データ更新手段が、前記調整実施位置算出手段により算出された初回の前記調整実施位置と、該初回の調整実施位置に基づいて実行された初回の前記調整実施の後に前記合致度合測定手段により測定された前記合致度合との双方に基づいて調整実施位置データを更新することを特徴とする請求項に記載の光学部品の光軸調整装置。
  9. 前記合致度合測定手段により測定された前記合致度合が、前記合致度合測定手段により直前に測定された直前合致度合よりも悪いとき、光学部品の光軸の調整を停止することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の光学部品の光軸調整装置。
  10. 前記調整実施位置算出手段において算出した調整実施位置を補正する調整実施位置補正手段を含み、
    前記調整実施位置補正手段が、前記接続部材を前記固定部材に固定するよう前記固定部材の外周側面部に固定照射されたレーザ光の照射位置と、前記調整実施位置との間の間隔の大きさに応じて、前記調整実施位置を補正する手段からなり、
    前記調整実施手段が、前記調整実施位置補正手段により補正された調整実施位置に対してレーザ光を調整照射するようにしたことを特徴とする請求項7〜のいずれか1項に記載の光学部品の光軸調整装置。
  11. 前記調整実施位置補正手段が、前記調整実施位置算出手段により算出された前記調整実施位置が、前記固定照射位置および既に前記調整照射がなされた既調整実施位置の少なくともいずれか一方と重なったとき、前記固定照射位置および既に前記調整照射がなされた既調整実施位置の近傍を新たな調整実施位置として補正することを特徴とする前記請求項10に記載の光学部品の光軸調整装置。
  12. 前記調整実施位置算出手段により算出された前記調整実施位置が、直前の前記調整実施手段により前記調整照射がなされた既調整実施位置に対して、前記固定部材の軸線方向と直交する方向で、略対向する位置であったときに、光軸の調整を停止することを特徴とする請求項10または11に記載の光学部品の光軸調整装置。
  13. 少なくとも内部に発光素子を収容するケースと、先端部に接続部材を有する光ファイバと、前記接続部材を前記ケースに固定するための固定部材とを有し、前記ケース内部の発光素子からの出射光を前記光ファイバから出力する光学部品の製造方法であって、
    前記ケースに、内部に前記接続部材が挿入された前記固定部材を載置する載置工程と、
    前記発光素子から光を出射させた状態で、前記発光素子からの出射光の焦点と前記光ファイバの先端とがX軸、Y軸、Z軸方向で各々合致するよう、前記固定部材、および前記固定部材の内部に挿入された前記接続部材の位置を微動させて光軸調整を行う微動工程と、
    前記発光素子からの出射光の焦点が前記光ファイバの光軸とX軸、Y軸、Z軸方向で各々合致して調整された状態で、前記固定部材を前記ケースに固定する第1の固定工程と、
    前記第1の固定工程で前記ケースに固定された前記固定部材と前記固定部材に挿入されている前記接続部材とを固定する第2の固定工程と、
    前記ケースと前記固定部材と前記接続部材とが固定された状態で、前記発光素子からの出射光と前記光ファイバの光軸との合致度合を前記光ファイバから出力された光の光強度を測定して求める合致度合測定工程と、
    前記合致度合測定工程で測定した合致度合に基づいて、当該合致度合の向上のための、前記固定部材に補正打ちすべき箇所である調整実施位置を、前記補正打ち後の前記光強度と当該補正打ちを行う直前の状態における前記光強度の差分値と光軸方向における基準位置から補正打ちを行った調整実施位置までの距離とに関する、予め設定された調整実施位置データに基づいて算出する調整実施位置算出工程と、
    前記算出された調整実施位置に基づいて前記光学部品の光軸の調整をレーザ光を照射する調整照射により前記固定部材の補正打ちすべき箇所に補正打ちする調整実施工程と、
    前記調整実施位置算出工程で算出された前記調整実施位置と、該調整実施位置に基づいて実行された前記調整実施の後に前記合致度合測定工程で測定された前記合致度合との双方に基づいて前記調整実施位置データを更新する調整実施位置データ更新工程とを備え、
    前記調整実施位置算出工程は、前記調整実施位置データ更新工程により更新された前記調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出し、
    前記発光素子からの出射光と前記光ファイバの光軸との前記合致度合が、予め設定された所望の範囲内で合致するまで前記調整実施位置算出工程および前記調整実施工程とを繰り返し実施することを特徴とする光学部品の製造方法。
  14. 前記調整実施位置算出工程は、初回の補正打ち後の前記光強度と前記第2の固定工程後の前記光強度の差分値と光軸方向における基準位置からの初回の補正打ちを行った調整実施位置までの距離とに関する、予め設定された調整実施位置データに基づいて前記調整実施位置を算出することを特徴とする請求項13に記載の光学部品の製造方法。
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