JP3649998B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、光ディスクにレーザを照射して情報の記録再生を行うための光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5、図6に示す如く、光ピックアップ装置は、本体部(1)上に、レーザ発光部(2)、該レーザ発光部(2)からの光を集光させる対物レンズ(3)、その集光した光束がディスク(9)で反射することにより変調された光を検出し電気信号に変換し出力するセンサー(4)を具え、レーザのパワーが略一定となるようコントロールする回路基板(5)を本体部(1)の側面から突出して設けている。
光ピックアップ装置は、ガイド軸(10)(10)上をディスク(9)と平行な面内でディスクの半径方向に移動して、情報の記録又は再生を行う。
【0003】
上記の様に、光ピックアップ装置は、レーザのパワーが略一定となるよう回路基板(5)でコントロールされる。しかし、該回路基板(5)は、周囲の温度が変化することでレーザのパワーに変化(パワードリフト)が生じ、その結果、再生信号の劣化を招来する。
【0004】
熱の発生源として回路基板(5)自身を挙げることができる。回路基板(5)のオートパワーコントロール集積回路(APC IC)が駆動時に発熱するためである。
そこで、回路基板(5)を放熱体(60)で包囲し、回路基板(5)で発生した熱を放熱させている。
【0005】
放熱体(60)は、底壁(61)、側壁(62)及び天井壁(63)にて断面コ字状に形成され、底壁(61)と天井壁(63)との間に絶縁性の放熱シート(7)(7)を介して回路基板(5)を挟み、天井壁(63)に突設した突片(64)を本体部(1)の上面に重ねてビス(81)で固定される。
【0006】
放熱体(60)の底壁(61)及び天井壁(63)と回路基板(5)とは、可及的に接近させることが望ましいが、金属製の放熱体(60)と回路基板(5)の短絡防止及び回路基板(5)の全厚のバラツキを考慮すれば0.5mm以上の隙間が必要となり、回路基板(5)の発熱が放熱体(60)に伝わり難い。そのために回路基板(5)と放熱体(60)の底壁(61)と天井壁(63)との間に絶縁性の放熱シート(7)(7)を介装している。
放熱シート(7)(7)は、放熱体(60)を回路基板(5)に被せる前に、放熱体(60)の底壁(61)と天井壁(63)の内面に貼着される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記放熱体(60)は、突片(64)を介して本体部(1)に熱を伝え、本体部(1)からも放熱させるが、突片(64)と本体部(1)の接触面積が小さいため、本体部(1)は放熱部材として有効に機能していない。
【0008】
前記放熱シート(7)は、一般的にはゲル状のシリコーンシートを用い、該シート(7)は回路基板(5)との滑りが悪いため、放熱体(60)は底壁(61)と天井壁(63)との間の自由端側開口高さを正規寸法よりも少し大きくしておき、放熱体(60)を回路基板(5)に被せる際に、放熱シート(7)と回路基板(5)の接触を防止している。
放熱体(6)を回路基板(5)に被せた後に、放熱体(60)の底壁(61)と天井壁(63)の自由端側を閉じる様に放熱体(6)の曲げを矯正する。
【0009】
ところが、放熱体(60)の弾性により開口部が開く方向に戻ってしまい、その結果、回路基板(5)と放熱シート(7)と密着性が悪くなり放熱効果が下がってしまう。
【0010】
又、本体部(1)自体もレーザ発光部(2)の発熱により温度上昇するため、放熱性を高める必要があるが、本体部(1)自体に放熱対策はなされていない。
本発明は、上記問題を解決できる光ピックアップ装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決する手段】
本発明の光ピックアップ装置は、本体部(1)から突出して回路基板(5)が取り付けられており、該回路基板(5)は、レーザ発光部(2)から発光するレーザパワーが略一定となるように機能し、該回路基板(5)が、底壁(61)、側壁(62)及び天井壁(63)を有し本体部(1)に固定された放熱体(6)で包囲されており、本体部(1)とは一体に取付け片(11)が突設され、該取付け片(11)に放熱体(6)の壁面が密着して固定され、取付け片(11)の輪郭から放熱体(6)が突出することなく被さっている。
【0012】
放熱体(6)は、底壁(61)と天井壁(63)を1面だけの側壁(62)によって繋がれ断面略コ字状と成し、底壁(61)と天井壁(63)の自由端を貫通させたビス(8)を本体部(1)の取付け片(11)に螺合して放熱体(6)を取付け片(11)に固定することができる。
【0013】
本体部(1)に放熱フィン(12)を設けることができる。
【0014】
【作用及び効果】
本体部(1)から突設した取付け片(11)を、該取付け片(11)に密接する放熱体(6)の壁面がはみ出ない大きさにすることにより、放熱体(6)の熱がボディに伝わり易くなり、放熱効果が上がってパワードリフトを小さくできる。
【0015】
更に、放熱体(6)を底壁(61)、側壁(62)及び天井壁(63)からなる断面略コ字状となし、底壁(61)と天井壁(63)の自由端間の開口間隔を正規寸法より大きくすることにより、底壁(61)と天井壁(63)の内面に絶縁性の放熱シート(7)(7)を接着してから、底壁(61)と天井壁(63)で回路基板(5)を挟む様に放熱体(6)を回路基板(5)に被せる際に、滑りの悪い放熱シート(7)(7)と回路基板(5)との接触を防止でき、作業性がよい。
放熱体(6)を回路基板(5)に被せた後、底壁(61)と天井壁(63)の自由端側を貫通してビス(8)を挿通し、該ビス(8)を取付け片(11)に螺合することによって、底壁(61)と天井壁(63)の自由端側が閉じる様に矯正され、且つビスの締め付けにより、底壁(61)と天井壁(63)の自由端の間隔が矯正間隔より開くことはない。
このため、放熱シート(7)(7)が、回路基板(5)と底壁(61)の両者に、又、回路基板(5)と天井壁(63)の両者に夫々密接した状態を保持でき、放熱効果の低下を防止できる。
【0016】
即ち、ビス(8)は、放熱体(6)を取付け片(11)に固定する役割と同時に放熱体(6)の底壁(61)と天井壁(63)の自由端間の開き防止の役割も果たす。
【0017】
本体部(1)に放熱フィン(12)を設けることにより、本体部(1)の放熱効果が高くなる。
【0018】
【実施の形態】
図1乃至図3において、従来例で示した図5、図6と同一の構成部品には同一の符号を付して、説明を省略する。
本発明が従来例と異なるのは、アルミニュームダイキャスト製本体部(1)の側面に回路基板(5)に被さる様に取付け片(11)を一体に突設し、放熱体(6)を該取付け片(11)に密接させて固定した点及び本体部(1)の下面に放熱フィン(12)を突設した点である。
【0019】
放熱体(6)は、従来の放熱体(60)と同様にして、底壁(61)、側壁(62)及び天井壁(63)によって断面略コ字状に形成され、底壁(61)と天井壁(63)の空間高さは、回路基板(5)の全高さよりも1mm程度大きいが、取付け片(11)に固定する前の放熱体(6)は、底壁(61)と天井壁(63)の自由端側がそれよりも少し開いた状態に形成されている。
放熱体(6)には従来の取付け用突片(64)は存在しない。
【0020】
底壁(61)と天井壁(63)は、本体部(1)から臨出した回路基板(5)に該回路基板(5)がはみ出ることなく被さる大きさに形成され、底壁(61)と天井壁(63)の自由端の中央部にビス挿通孔(65)(65)が開設されている。
【0021】
絶縁性の放熱シート(7)(7)は、表面に保護フィルム(図示せず)が被さり厚み0.5mm程度の市販品を、回路基板(5)に完全に被さり且つ放熱体(6)の底壁(61)及び天井壁(63)よりも少し小さい矩形にカットしたものであり、予め保護フィルムを剥がして自身の粘着性により放熱体(6)の底壁(61)と天井壁(63)に貼着されている。
又、放熱シート(7)には、放熱体(6)のビス挿通孔(65)との対応位置に貫通孔(71)(71)が開設されている。
【0022】
前記本体部(1)の取付け片(11)は、放熱体(6)の該天井壁(63)がはみ出さない様に被さる大きさ、即ち、取付け片(11)の輪郭から放熱体(6)が突出しない大きさであり、天井壁(63)のビス挿通孔(65)との対応位置にネジ孔(15)が開設されている。
【0023】
本体部(1)の下面に、多数の放熱フィン(12)が平行に突設されている。
【0024】
然して、本体部(1)から臨出した回路基板(5)に対して、底壁(61)と天井壁(63)で挟む様にして放熱体(6)を被せる。
放熱体(6)は、底壁(61)と天井壁(63)の自由端側の正規寸法よりも開いているため、底壁(61)と天井壁(63)に貼着した滑りの悪い放熱シート(7)が回路基板(5)に当たることを防止でき、作業性が向上する。
【0025】
ビス(8)を放熱体(6)の底壁(61)側から、放熱シート(7)(7)及び天井壁(63)を貫通して取付け片(11)に締め付ける。
ビス(8)の締め付けによって、放熱体(6)の天井壁(63)の上面全面が取付け片(11)の下面に密接する。又、放熱体(6)の底壁(61)と天井壁(63)の自由端側の距離が縮まり、放熱シート(7)が、回路基板(5)と底壁(61)及び天井壁(63)によって挟圧される。
【0026】
上記の如く、本体部(1)から突設した取付け片(11)に、放熱体(6)の天井壁(63)の全面が密接することにより、放熱体(6)の熱が本体部(1)に伝わり易くなり、放熱効果が上がってパワードリフトを小さくできる。
【0027】
又、ビス(8)によって放熱体(6)の底壁(61)と天井壁(63)の自由端間を閉じる方向に矯正するため、放熱シート(7)(7)を介して放熱体(6)の底壁(61)と天井壁(63)は回路基板(5)に夫々密接した状態を保持でき、放熱効果の低下を防止できる。
【0028】
本体部(1)自体の放熱は、放熱フィン(12)によって効果的になされる。
【0029】
図4は、多数の放熱フィン(12)を平行に有する放熱ブロック(13)を本体部(1)にビス(14)止めした他の実施例を示している。
【0030】
尚、実施例では、本体部(1)の上面に連続して取付け片(11)を突設し、放熱体(6)の天井壁(63)を取付け片(11)に密接させたが、本体部(1)の下面側に取付け片を突設し、本体部(1)の底壁(61)を取付け片に密接させることができ、更に、回路基板(5)と放熱体(6)の向きを90゜反転させ、放熱体(6)の側壁(62)を取付け片(11)に密接させることも出来る等、放熱体(6)の少なくとも何れか一つ壁面を取付け片(11)に密接させれば、発明の目的を達することができる。
【0031】
本発明は、上記実施例の構成に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載の範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ピックアップ装置の平面図である。
【図2】図1A−A線に沿う断面図である。
【図3】放熱板を分解した状態の斜面図である。
【図4】ボディに放熱ブロック(13)をネジ止めした光ピックアップ装置の正面図である。
【図5】従来例の平面図である。
【図6】図5B−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
(1) 本体部
(11) 取付け片
(5) 回路基板
(6) 放熱体
(61) 底壁
(62) 側壁
(63) 天井壁
(7) 放熱シート

Claims (3)

  1. 本体部(1)から突出して回路基板(5)が取り付けられており、該回路基板(5)は、レーザ発光部(2)から発光するレーザパワーが略一定となるように機能し、該回路基板(5)が、底壁(61)、側壁(62)及び天井壁(63)を有し本体部(1)に固定された放熱体(6)で包囲されており、本体部(1)とは一体に取付け片(11)が突設され、該取付け片(11)に放熱体(6)の壁面が密着して固定され、取付け片(11)の輪郭から放熱体(6)が突出することなく被さっている光ピックアップ装置。
  2. 放熱体(6)は、底壁(61)と天井壁(63)1面だけの側壁(62)によって繋がれ断面略コ字状に形成され、放熱体(6)の底壁(61)及び天井壁(63)は、絶縁性の放熱シート(7)(7)を介して回路基板(5)を挟んでおり、底壁(61)と天井壁(63)の自由端を貫通させたビス(8)を本体部(1)の取付け片(11)に螺合して放熱体(6)が取付け片(11)に固定され、放熱シート(7)(7)は回路基板(5)と放熱体(6)の両方に密着している請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 本体部(1)には放熱フィン(12)が設けられている請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
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