JP3789776B2 - 光学ヘッドにおけるレーザードライバー放熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザーを駆動するレーザードライバーの放熱を行う光学ヘッドにおけるレーザードライバー放熱装置に関し、特に、半導体レーザーが組み込まれるハウジングが合成樹脂により構成される光学ヘッドに好適なレーザードライバー放熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスク等の信号記録媒体に対して光学的に信号の読み取り、あるいは書き込みを行う光学ヘッド装置は、通常、光源となる半導体レーザー及び受光素子である光検出器が組み込まれるハウジングに、対物レンズを駆動させるアクチュエータを設置して構成される。前記ハウジングは、半導体レーザーから出射されるレーザービームを対物レンズに導く光学系及び信号記録媒体により反射されて対物レンズに戻されるレーザービームを光検出器に導く光学系が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体レーザーを駆動する集積回路のレーザードライバーは、信号劣化や雑音の影響を抑えるために半導体レーザーに近接して配置するべくハウジングに設置され、例えばフレキシブル基板により半導体レーザーに接続される。
【0004】
レーザードライバーは、従来、設置位置の確保の点からハウジングの上面や底面に設置されていたが、レーザードライバーが発熱されると、その熱がハウジング内に設置される光学素子に悪影響を与え、光学特性を悪化や信頼性の劣化を招く問題があった。
【0005】
また、コストダウンが図られた光学ヘッドにおいては、合成樹脂によって構成されるハウジングを採用することが多いので、放熱板を使用してレーザードライバーの放熱を行うが、この放熱板をハウジングの上面や底面に取り付けた場合に放熱板の外気に触れる範囲が狭く十分な放熱効果を得るのが困難であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体レーザーが組み込まれるハウジングの底面にこの底面の投影面から外れる投影外領域を設けるべく放熱板を設置し、該投影外領域にレーザードライバーを設置する。これにより放熱板による放熱効果を高めると共に、レーザードライバーにより発生される熱がハウジングに伝達されるのを抑制する。
【0007】
【実施例】
図1は本発明に係る光学ヘッドにおけるレーザードライバー放熱装置の展開状態を示す展開斜視図であり、図2は図1のレーザードライバー放熱装置の組立完成状態を示す斜視図である。
【0008】
1は対物レンズ2を駆動させるアクチュエータ3が設置されるプラスチック製のハウジング、4はレーザーホルダー5に保持されてハウジング1に組み込まれるレーザーダイオード、6はレーザーダイオード4を駆動するレーザードライバー、7は該レーザードライバー6がハンダ付けにより取り付けられるプリント基板、8はレーザードライバー6が設置される金属製のメイン放熱板、9はレーザードライバー6が設置されるプリント基板7をメイン放熱板8に固定すると共に、レーザードライバー6とメイン放熱板8との熱結合経路を構成する金属製のサブ放熱部材、10は光学ヘッドのスレッド送りをガイドするガイドシャフト11a,11bの一方のガイドシャフト11aの軸受け部を有する金属製の軸受け部材である。
【0009】
このように構成される光学ヘッドにおけるレーザードライバー放熱装置の主要部分の構成を詳細に説明する。
【0010】
レーザーホルダー5は前方の円筒部がハウジング1に形成された孔12に挿入され、このようにしてハウジング1に組み込まれたレーザーホルダー5の中空孔にレーザーダイオード4を挿入する。
【0011】
そして、レーザーダイオード4の位置決めを行った後、押圧板13によりレーザーダイオード4の後面を押圧した状態で押圧板13をハウジング1にネジ止めしてレーザーダイオード4及びレーザーホルダー5をハウジング1に固定する。
【0012】
メイン放熱板8には軸受け部材10がかしめられて接合され、このメイン放熱板8にはレーザードライバー6が取り付けられるプリント基板7がサブ放熱部材9と共にネジ止め固定される。
【0013】
ここで、サブ放熱部材9はレーザードライバー6の上面に密着されて設置され、サブ放熱部材9のネジ止め部分はメイン放熱板8に直接接触されるので、レーザードライバー6とメイン放熱板8とは熱的に結合される。
【0014】
メイン放熱板8は、ハウジング1に一体的に形成される複数のボス14(一部見えず)がメイン放熱板8に形成された孔15に挿入されて融着されることによりハウジング1の底面に固定される。この場合、メイン放熱板8にはハウジング1の底面の投影領域8aから外れる投影外領域8bが設けられ、レーザードライバー6が設置される位置はこの投影外領域8bとなる。
【0015】
また、メイン放熱板8がハウジング1に固定される際には、シリコンゲルをシート状に形成した熱伝達部材16をレーザーホルダー5の矩形状の縁部5aの底面に敷設し、メイン放熱板8がハウジング1に固定された状態において、前記レーザーホルダー5と前記メイン放熱板8との間に熱伝達部材16が介在され、レーザーホルダー5がメイン放熱板8に熱接合される。
【0016】
ところで、メイン放熱板8の投影外領域8bは一方のガイドシャフト11aが敷設される位置に対応して配置され、この投影外領域8bにはガイドシャフト11aが挿通される軸受け部材10が接合され、軸受け部材10に伝達された熱は前記ガイドシャフト11aに伝達される。
【0017】
したがって、レーザードライバー6により発生された熱は、サブ放熱部材9を介してメイン放熱板8に伝達され、更に、軸受け部材10を介してガイドシャフト11aに伝達され、これらの経路で熱伝導されて放熱される。
【0018】
一方、レーザーダイオード4により発生された熱は、レーザーホルダー5及び熱伝達部材16を介してメイン放熱板8に伝達され、更に、軸受け部材10を介してガイドシャフト11aに伝達され、これらの経路で熱伝導されて放熱される。
【0019】
この場合、メイン放熱板8の投影外領域8bにレーザードライバー6が設置されており、レーザードライバー6からの熱がハウジング1に伝達され難いと共に、メイン放熱板8における放熱効果が高められている。
【0020】
したがって、レーザーダイオード4及びレーザードライバー6の発熱に対する十分な放熱効果が得られ、ハウジング1がプラスチック材料により構成される光学ヘッドに使用することが可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明に依れば、放熱板における放熱効果を高めることが出来ると共に、レーザードライバーからの熱をハウジングに伝達され難くしてハウジングが熱せられることに起因する悪影響を回避することが出来る。
【0022】
特に、一方のガイドシャフトの位置に対応させて位置設定した放熱板における投影外領域に軸受け部材を接合するようにしているので、前記放熱板から前記一方のガイドシャフトに通じる熱伝達経路長を短く効率的に構成でき、レーザードライバーの発熱に対する放熱効果を高めるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学ヘッドにおけるレーザードライバー放熱装置の展開状態を示す展開斜視図である。
【図2】図1の光学ヘッド装置におけるレーザードライバー放熱装置の組立完成状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
4 レーザーダイオード
5 レーザーホルダー
6 レーザードライバー
8 メイン放熱板
8a 投影領域
8b 投影外領域
9 サブ放熱部材
10 軸受け部材
11a,11b ガイドシャフト
16 熱伝達部材
Claims (3)
- 光学ヘッドの光源となる半導体レーザーを駆動するレーザードライバーの放熱を行う光学ヘッドにおけるレーザードライバー放熱装置であって、前記半導体レーザーが組み込まれるハウジングの底面にこの底面の投影領域から外れる投影外領域を設けるべく放熱板を設置し、該投影外領域に前記レーザードライバーを設置したことを特徴とする光学ヘッドにおけるレーザードライバー放熱装置。
- 光学ヘッドのスレッド送りをガイドする互いに平行に配置されるガイドシャフトの一方のガイドシャフトの位置に対応させて前記放熱板の投影外領域を設定し、この投影外領域に前記一方のガイドシャフトの軸受け部を有する軸受け部材を接合し、この軸受け部材を介して前記放熱板の熱を前記一方のガイドシャフトに伝達させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の光学ヘッドにおけるレーザードライバー放熱装置。
- 前記レーザードライバーはプリント基板に取り付けられて前記放熱板に設置され、レーザードライバーの上面にはサブ放熱部材が密着されて設置され、該サブ放熱部材を前記放熱板に接触させて固定することによりレーザードライバーと前記放熱板とを熱結合させると共に、レーザードライバーを前記放熱板上に固定することを特徴とする請求項1記載の光学ヘッドにおけるレーザードライバー放熱装置。
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