JP3649331B2 - 光硬化性組成物、その硬化物、及び光硬化性樹脂の製造方法 - Google Patents

光硬化性組成物、その硬化物、及び光硬化性樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性組成物、光硬化性樹脂の製造方法、及び架橋成形品に関する。更に具体的には、本発明は、光開始剤を使用することなく、UV光から可視光の光源での架橋硬化しうる塗料、印刷インキ、成形品等の用途に有用な光硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリロイル基を含有する単量体、オリゴマー、及びポリマーは、UV光の照射により良好に架橋反応されるため汎用されている。この硬化システムにおいては通常光照射によりフリーラジカルを生成し得る光重合開始剤が用いられており、かかる光重合開始剤が前記アクリロイル基のラジカル重合を誘発させ硬化物を形成する。故に、ラジカル硬化性の塗料、印刷インキ、成形品等の用途においては、アクリロイル基を含有する単量体、オリゴマー、及びポリマーと、光重合開始剤とが必須の成分となる。
【0003】
しかし乍ら、前記ラジカル架橋システムでは、光重合開始剤の未反応成分や分解物が塗膜に残存するため種々の問題を引き起こしていた。具体的には、塗膜表面に前記未反応成分や分解物がマイグレーションし、成形品を積層した場合に該成形品と接する相手を汚染したり、食品パッケージ分野においては前記未反応成分や分解物は、除去すべき不純物となっていた。
【0004】
更に、前記未反応成分や分解物、例えば、α−開裂性化合物のフリーラジカル開裂によって形成されるベンゾフェノンや、ベンズアルデヒドなどの揮発性分解物は、硬化物たる製品の品質に悪影響となる臭気の問題を生じていた。
【0005】
更に、光重合開始剤によってもたらされる深刻なる問題は、成形品の黄変の問題である。この問題はアミノ基含有共開始剤によって引き起こされる。更に、係る開始剤を用いた場合、光重合開始剤自体が強光吸収性であるため、厚膜塗膜用途において硬化が不充分となってしまうという問題を有していた。
【0006】
このような諸問題のため、アクリロイル基を含有する単量体やポリマーの硬化システムにおいては、光重合開始剤を使用することなく硬化しうるシステムが切望されていた。
【0007】
このような問題を解決するため、光重合開始剤なしで架橋しうるアクリロイル基含有オリゴマー組成物が知られており、例えば、米国特許公報第6,025,410号には、アクリレート化合物と、アセトアセテートとをマイケル付加反応させて得られる液状オリゴマー組成物が開示されている。そして、該液状オリゴマーは光重合開始剤なしであってもUV照射により容易に硬化することを特徴としている。
【0008】
しかし乍ら、かかる液状オリゴマー組成物は、前記米国特許公報第6,025,410号の第12欄、第39行及び第40行に記載されている通り、柔らかくかつ粘着性を有するものであり、タックフリー性に劣るものであった。このような特性は接着剤等の特定の用途においては望ましいものの、塗料や成形品用途においては望ましくない。更に、該液状オリゴマー組成物の数ヶ月に亘る貯蔵安定性に劣るという問題もあった。
【0009】
【特許文献1】
米国特許公報第6,025,410号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決しようとする課題は、光重合開始剤フリーの光硬化性組成物においてその硬化物のタックフリー性と硬度を飛躍的に改善することにある。更に、貯蔵安定性に優れた光重合開始剤フリーの光硬化性組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、光照射によってフリーラジカルを生成し得る、2つのカルボニル基に挟まれた4級炭素原子を有するβ−ケトエステル基又はβ−ジケトン基を含有するアクリロイル基含有樹脂を含有しており、かつ、組成物全体として60℃で5日間加熱し続けた場合の粘度変化が25%以内である光硬化性組成物が、硬度に優れるタックフリーの形成品が得られ、かつ、組成物の貯蔵安定性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、アクリロイル基とβ−ケトエステル基又はβ−ジケトン基から選択される化学構造部分を含有する樹脂を含有する光硬化性組成物であって、
前記β−ケトエステル基又はβ−ジケトン基が、光照射により1つ又は2つのフリーラジカルを生成し得る4級炭素原子を有しており、かつ、
前記組成物において60℃で5日間保持した場合の粘度上昇が25%以下である
ことを特徴とする光硬化性組成物に関する。
【0014】
更に本発明は、前記組成物を光照射して得られるものであることを特徴とする硬化物に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の光硬化性組成物に用いられる樹脂は、アクリロイル基と、β−ジケトン基又はβ−ケトエステル基とをその化学構造中に有するものである。ここで、β−ジケトン基又はβ−ケトエステル基は、更にその骨格中、2つのカルボニル基に挟まれた炭素原子が4級炭素原子であり、かかる4級炭素原子が光照射により1つ又は2つのラジカルを生成する。
【0016】
この4級炭素原子は、2つのカルボニル基で置換される他に、2つの置換基を有している。このような4級炭素原子を有するβ−ジケトン基又はβ−ケトエステル基は、具体的には、β−ジケトン基又はβ−ケトエステル基のメチレン炭素原子における2つの水素原子が他の置換基で置換した構造を有している。
【0017】
ここで、β−ジケトン基又はβ−ケトエステル基中の置換基としては、
1)電子吸引基、
2)炭素原子数1〜8のアルキル基、及び
3)β位又はγ位に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、
から成る群から選択される。但し、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には当該アルキル基2)は、メチル基又はエチル基である。
【0018】
ここで、β位とは、前記4級炭素原子(この4級炭素原子の位置はα位となる。)に隣接する炭素原子の位置をいい、γ位とはβ位に隣接する炭素原子の位置をいう。
【0019】
本発明においては、4級炭素原子を有するβ−ジケトン基又はβ−ケトエステル基を有することから優れた自己光硬化性を発現する。即ち、該4級炭素原子を有するβ−ジケトン基部分又はβ−ケトエステル基部分は光照射により極めて容易に1つ又は2つのフリーラジカルを生成する。
【0020】
ここで、4級炭素原子に置換する電気吸引基1)としては、ケトン基、エステル基、エーテル基、カルボニル基、シアノ基、スルホン酸基、スルホニル基、ホスフェート基が挙げられる。
【0021】
更に、β−ジケトン基は例えば以下の構造のものが挙げられる。
【0022】
【化3】
Figure 0003649331
【0023】
一方、β−ケトエステル基は例えば以下の構造のものが挙げられる。
【0024】
【化4】
Figure 0003649331
【0025】
これらの中でも特にβ−ジケトン基がUV光のみならず、可視光(凡そ400nm以上)に対しても感度に優れ、容易にラジカルを生成し得る点から好ましい。従って、かかるβ−ジケトン基を含有する樹脂は、光重合開始剤を使用することなく可視光で硬化させることができる。
【0026】
このような顕著な特性の為、β−ジケトン基を有する樹脂は厚膜用塗料に好ましく用いることができる。即ち、一般に、樹脂自体がラジカル生成を阻害要因となる為UV照射は厚膜塗膜用には適さない。そのため、UV照射により厚膜塗膜を形成しても完全な硬化を行うことができない、という問題があった。これに対し、可視光は厚膜塗膜であっても透過性に優れるため厚膜塗膜用の光源として有用である。従って、可視光に対して優れた感度を発現する点において前記β−ジケトン基を有する樹脂は極めて有用である。このような厚膜塗料用途において好ましい厚膜は500〜5000μmである。
【0027】
しかしながら、上記可視光硬化システムでは酸素存在下では酸素による重合阻害が生じる為、酸素遮断下で硬化反応を行う必要がある。
【0028】
また、アクリロイル基の導入が容易であり、また、優れた光重合開始能を有する構造を容易に合成できる点から、前記化学構造部分のうち、A-1、A-2、A-3、A-4、A-5、A-8、A-9、A-10、B-1、B−2、B-3、B-4、B-5、B-8、B-9およびB-10のようなエステル基で置換されたエチル基を有する化合物が好ましい。更に、光照射による硬化性に優れると共に硬化塗膜の硬度が一層向上する点からエステル基で置換されたエチル基を2つ有する化学構造部分であることが好ましい。
【0029】
本発明の光硬化性組成物に含まれる樹脂は前記β−ジケトン基又はβ−ケトエステル基をその化学構造内に有するものである。また、当該樹脂の全体の化学構造は、以下の詳述する原料成分の化学構造によって定まるものである。
【0030】
また、本発明の光硬化性組成物は、前記した通り、60℃で5日間保持した場合の粘度上昇が25%以下である。かかる特性を組成物に付与するためには該組成物に含まれる樹脂も同様に60℃で5日間保持した場合の粘度上昇が25%以下であることが好ましい。
【0031】
このような粘度上昇範囲は、例えば、β−ジケトン基あるいはβ−ケトエステル基を有する化合物と、置換基を形成する成分とのマイケル付加反応を充分に行うことによって達成することができる。具体的には、該マイケル付加反応を高温条件で、かつ、充分に反応時間を長く確保することによって粘度変化の少ない樹脂を得ることができる。
【0032】
以上、詳述したβ−ジケトン基又はβ−ケトエステル基を形成する方法は、標準的な既知の合成方法、例えばマイケル付加反応やアルキレーションによって形成することができる。
【0033】
例えば、A−1又はB−1で表される構造は、β-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物と、アクリロイル基とのマイケル付加反応によって合成することができる(Bergmann, Ginsburg, Pappo,「Org. React. 10」, p. 179-560 (1959)参照)。
【0034】
A−2又はB−2で表される構造は、β-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物とハロゲン化アルキルとの反応によって合成することができる(Yoshimura, Saito, Tamura, Tanikaga, Kaj,「Bull Chem. Soc. Jpn. 52」 p.1716. (1979)、「Modern Synthetic Reactions」第二版p. 492 570, p586 595、 又は Fedorynski, Wojciechowski, Matacz, Makosza,「 J. Org. Chem. 43, 4682. (1978)」に記載の方法)。
【0035】
A−3又はB−3で表される構造は、先ず、β-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物とターシャリーブチルアクリレートとのマイケル付加反応を行い、次いで、得られた生成物を酸触媒下に加水分解する。更に、得られた生成物をアクリロイル基と反応させることにより、目的とする構造部分を形成することができる。
【0036】
A−4又はB−4で表される構造は、第一段としてβ-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物とビニルケトンとのマイケル付加反応を行った後、第二段としてアクリロイル基とマイケル付加反応させること、或いは、前記第一段と前記第二段とを逆にして反応を行うことにより形成することができる。
【0037】
A−5又はB−5で表される構造は、第一段としてβ-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物とアクリロニトリルとマイケル付加反応させ、次いで第二段としてアクリロイル基と反応させる方法、或いは、前記第一段と前記第二段とを逆にして反応を行うことにより形成することができる。
【0038】
A−6又はB−6で表される構造は、β-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物とビニルスルフォンとマイケル付加反応させることにより形成することができる(Truce, W. E., Wellisch, E.「 J. Amer. Chem. Soc. 74, 2881. (1952)」参照)。
【0039】
A−7又はB−7で表される構造は、β-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物とビニルホスフォネートとマイケル付加反応させることにより形成することができる。
【0040】
A−8又はB−8で表される構造は、β-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物とアクリロイル基とのマイケル付加反応を行い、次いでジハロゲン化アルキルと反応させることにより形成することができる。
【0041】
A−9で表される構造は、脂肪族系σ−オキソ−アルキルエーテルとアセチルクロライドとを、トリフェニルメチル塩のナトリウムアミドのような強塩基の存在下に反応させる方法(Hegodus, L. S.; Williams, R. E.; McGuire, M. A.; Hagashi, T. 「J. Am. Chem. Soc. 102; 4973 (1980)」、 H. O.; Auerbach, R. A.; Gall, M.; Peet, N. P.;「 J. Org. Chem. 38; 514 (1973)」、又は Seebach, D.; Walter, T.; Protschuk, G.; Beck, A. K.; Hoestra, M. S.「 Helv. Chim. Acta 64; 716 (1981)」に記載の方法)、或いは、σ−オキソ−エーテルのシリルエノールと酢酸無水物とを、ボロントリフロライドの存在下に反応させ( Hauser, C. R.; Swamer, F. W.; Adams, J. T.「 Org Chem. React. 8, 59, p. 98 (1954)」に記載の方法)、次いで、得られたβ−ジカルボニル中間体とアクリロイル基とを塩基触媒下にマイケル付加反応させる方法によって形成することができる。
【0042】
B−9で表される構造は、リチウム−イソプロピルシクロヘキシルアミドのような強塩基の存在下に、1−アルキルオキシ−ブタン酸エステルと酢酸無水物との反応をリチウムイソプロピルシクロヘキシルアミドのような強塩基の存在下、−78℃で行い(Rathke, M.W.; Deitch, J.「 Tetrahedron Lett. 2953 (1971)」、Logue, M.W. 「J. Org. Chem. 39; 3455 (1974)」、Conffigual, R.; Moreau, J. 「J. Organomet. Chem. 127; C65 (1977)」、Ohta, S; Shimabayashi, A.; Hayakawa, S.; Sumino, M.; Okamoto, M. 「Synthesis 45 (1985)」、又は Hayden, W.; Pucher, R; Griengl, H.「 Monatshefte Chem. 118; 415 (1987)に記載の方法)、次いで塩基触媒下にマイケル付加反応によりアクリロイル基を付加させることにより形成できる。
【0043】
B−10で表される構造は、1−トリメチルシリルオキシブタン酸エステルと酢酸無水物とをリチウムイソプロピルシクロヘキシルアミドの存在下に反応させ、次いでアクリロイル基とマイケル付加反応させ、その後、シリルエーテル部分を加水分解することによって形成できる。
【0044】
B−11で表される構造は、β−ケトエステル化合物と過剰量のアルキルハロゲン化物とを塩基又は表面変性アルミナ触媒の存在下に反応させること (Johnson, A. W., Markham, E., Price, P.「 Org. Synth. CV5; p. 785」、 及びRanu, B., Bhar, Sanjay「J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1; p. 365. (1992)」に記載の方法)によって形成することができる。
このようにして得られる上記各構造部位のなかでも特に貯蔵安定性に優れると共に、硬化物の硬度も顕著なものとなる点からA−1又はB−1で表される構造部位を有する樹脂が好ましい。
【0045】
そして、このA−1又はB−1で表される構造部位を有する樹脂を製造するための具体的な方法としては下記の製造方法がとりわけ工業的生産性の点、また、そのまま製造物を本発明の組成物として用いることができる点から好ましい。
具体的には、β−ケトエステル化合物又はβ−ジケトン化合物と多官能アクリル酸エステルとを触媒の存在下であって、かつ、
a)反応温度を60〜140℃
b)前記β−ケトエステル化合物又はβ−ジケトン化合物中のβ−ジカルボニル基に対する前記エステル中のアクリロイル基の比(アクリロイル基:β−ジカルボニル基)=2.5:1 〜 20:1
となる条件下に反応させる方法が最も好ましい。
【0046】
尚、この際、反応は充分に進行させ実質的な粘度変化が認められないようになるまで行うことが好ましい。このようにして製造された樹脂は、5日間60℃で熱された際に粘度上昇が25%以下のものとなる。
【0047】
ここで用いる多官能アクリル酸エステルは、例えば、1−及び2−エタンジオール・ジアクリレート、1−及び3−プロパンジオール・ジアクリレート、1−及び4−ブタンジオール・ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール・ジアクリレート、ジプロピレングリコール・ジアクリレート、ネオペンチルグリコール・ジアクリレート、ネオペンチルグリコール・ジアクリレート、エトキシレート化ネオペンチルグリコール・ジアクリレート、トリプロピレングリコール・ジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル・ジアクリレート、エトキシレート化ビスフェノールA・ジグリシジルエーテル・ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパン・トリアクリレート、エトキシレート化トリメチロールプロパン・トリアクリレート、プロポキシレート化トリメチロールプロパン・トリアクリレート、プロポキシレート化グリセロール・トリアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトール・トリアクリレート、エトキシレート化ペンタエリスリトール・トリアクリレート、ペンタエリスリトール・テトラアクリレート、エトキシレート化ペンタエリスリトール・テトラアクリレート、ジトリメチロールプロパン テトラアクリレート、ジペンタエリスリトール・ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール・ヘキサアクリレート、及びエポキシ樹脂とアクリル酸とを反応させて得られるエポキシアクリレートや、ポリエステルポリオールとアクリル酸、更にアルキルアクリレート単量体を反応させて得られるポリエステルアクリレート等のアクリロイル基含有オリゴマー又はポリマーが挙げられる。
【0048】
これらのなかでも特にトリプロピレングリコール・ジアクリレート、トリメチロールプロパン・トリアクリレート、及びビスフェノールAジグリシジルエーテル・ジアクリレートから成る群から選択される二官能性又は三官能性のアクリレートが好ましい。
【0049】
更に、これらのなかでも可視光硬化システム用途の場合は、トリプロピレングリコール・ジアクリレートおよびトリメチロールプロパン・トリアクリレートが特に好ましい。
【0050】
一方、本発明で用いるβ−ジケトン化合物又はβ−ケトエステル化合物は、
ペンタン−2,4−ジオン、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、1−メトキシ−2,4−ペンタンジオン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、4,6−ジオキソヘプタン酸メチル、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、4,6−ジオキソヘプタン酸メチル、5,7−ジオキソオクタン酸メチル、ベンゾイル酢酸メチル、ベンゾイル酢酸エチル、ベンゾイル酢酸ブチル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸ブチル、ブチリル酢酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸tert-ブチル、アセト酢酸(2−メトキシエチル)エステル、アセト酢酸(2−エチルヘキシル)エステル、アセト酢酸ラウリルエステル、2−アセトアセトキシエチルアクリレート、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセト酢酸ベンジルエステル、1,4−ブタンジオール・ジアセトアセテート、1,6−ヘキサンジオール・ジアセトアセテート、ネオペンチルグリコール・ジアセトアセテート、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール・ジアセトアセテート、シクロヘキサンジメタノール・ジアセトアセテート、エトキシレート化ビスフェノールA・ジアセトアセテート、トリメチロールプロパン トリアセトアセテート、グリセロール・トリアセトアセテート、ペンタエリスリトール・トリアセトアセテート、ペンタエリスリトールテトラアセトアセテート、ジトリメチロールプロパン・テトラアセトアセテート、アセト酢酸エステル基含有オリゴマー、アセト酢酸エチルと水酸基含有オリゴマー又はポリマーとのエステル交換反応物、および2−アセトアセトキシエチルメタクレートの重合によって得られるアセト酢酸エステル基含有オリゴマー又はポリマーが挙げられる。
【0051】
これらのなかでも、ベンゾイル酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、フェニル−1,3−ブタンジオン、ペンタン−2,4−ジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、不飽和ポリエステルジオールとアセト酢酸エチルとのエステル交換反応によって製造された高分子ジアセトアセテートが、マイケル付加反応が容易である点から好ましい。
また、最終的に得られる樹脂の光感度に優れる点からは、これらの中でも芳香環を有していないものが特に好ましい。
【0052】
一方、これらの中でもβ−ジケトン化合物に属するものは、前記した通り、可視光硬化システムへの適用が可能であることからとりわけ好ましい。
【0053】
上記製造方法に用いることのできる触媒は、以下のものが挙げられる。
1)アンモニウムフロライド類、例えばベンジルトリメチルアンモニウムフロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムフロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムフロライド、テトラメチルアンモニウムフロライド、テトラエチルアンモニウムフロライド、テトラブチルアンモニウムフロライド等が挙げられる。
【0054】
2)有機アンモニウムヒドロキサイド及びアンモニウムメトキサイドから選ばれる化合物、例えば、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキサイド(トライトンB)、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリブチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリメチルアンモニウムメトキサイド、およびベンジルトリメチルアンモニウムエトキサイド等が挙げられる。
【0055】
3)>pK11の有機アミン類、例えばピペリジン、1,4−ジヒドロキシピリミジン、2−フェニルベンジイミダゾール、2−ヒドロキシピリジン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセンおよびテトラメチルグアニジンが挙げられる。
【0056】
4)無機塩類、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、およびナトリウムアミド等が挙げられる。
5)アルキル金属類、アルカリ金属アルコラート又はフェノラート類、例えばナトリウムメチラート、カリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムエチラート、マグネシウムエトキシド、ナトリウム−tert−ブチラート、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウムフェノラート、およびカリウムフェノラート等が挙げられる。
【0057】
6)三級有機ホスフィン、例えば、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリビニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−ターシャリーブチルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリス(2,4,4−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ−n−ドデシルホスフィン、トリベンジルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンが挙げられる。
【0058】
また前記各種の触媒はそれぞれ単独で使用してもよいし、複数種併用してもよい。
【0059】
これらの触媒の中でも特に触媒活性に優れる点からは、テトラブチルアンモニウムフロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムフロライド、ベンジルトリメチルアンモニウム水酸化物、テトラブチルアンモニウム水酸化物、水酸化カリウム、テトラメチルグアニジン、ジアザビシクロウンデセン、ナトリウムtert−ブチラート、およびトリ−n−オクチルホスフィンが好ましい。
【0060】
また、前記触媒のうち6)三級有機ホスフィンを用いた場合、得られる樹脂の硬化物が極めて優れた耐水性を発現するという顕著な効果を奏する。また、該硬化物は黄変も回避できるという実用面で有用な特性を発現するものである。
本発明の製造方法は前記触媒の存在下、高温条件の下にβ-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物と多官能アクリル酸エステルを反応させることを特徴としている。ここで、β-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物は、それらの混合物として用いてもよい。
【0061】
触媒の使用量は、特に制限はないものの、通常、原料成分の総質量を基準として0.3〜5.0質量%である0.3〜5.0質量%の範囲内である。特に反応性や反応の制御の容易さといった観点から0.7〜2.5質量%の範囲であることが好ましい。
反応温度は、60℃〜140℃の範囲である。本発明ではこのような温度範囲を選択することによってタックフリー、高硬度の硬化物となる樹脂を製造することができる。
【0062】
β-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物と多官能アクリル酸エステルとの反応は開放系で外気に晒された状態で行うことができる。
また、極めて反応性の高い多官能アクリル酸エステルを用いる場合には、重合禁止剤を用いてアクリロイル基の重合を抑制することができる。この場合、重合禁止剤の使用量は0.01〜0.5質量%の範囲内で選択される。
ここで、望ましい重合禁止剤は例えば、4−メトキシフェノールおよびヒドロキノンが挙げられる。
【0063】
反応時間は触媒活性や反応温度により適正な時間が設定される。具体的には、反応生成物の粘度上昇が実質的に認められなくなる時間まで行うことが望ましい。それ故、前記反応温度はこのような粘度上昇が実質的に認められなくなるまで保持することが望ましい。
このようにして60℃で5日間保持した場合の粘度上昇が25%以下である樹脂を製造することができる。
【0064】
更に、β−ケトエステル化合物又はβ−ジケトン化合物と多官能アクリル酸エステルとの反応は、一段で行ってもよいし、また、二段で行ってもよい。二段で行う場合には、先ずβ−ケトエステル化合物又はβ−ジケトン化合物と多官能アクリル酸エステルとを反応させて一置換体を形成し、次いで、この一置換体を所定量の多官能アクリル酸エステルと反応させて二置換体を形成する方法が挙げられる。
β−ケトエステル化合物中のβ−ケトエステル基又はβ−ジケトン化合物中のβ−ジケトン基の総量に対する多官能アクリル酸エステル中のアクリロイル基のモル比、即ち[アクリロイル基]:[β−ケトエステル基又はβ−ジケトン基]=2.5:1〜20:1なる範囲である。かかる範囲は前記2段で行う場合はその合計である。また、一般にβ−ケトエステル化合物又はβ−ジケトン化合物の官能基数が高いときは、得られる樹脂の相溶性や塗料としての流動性の点から多官能アクリル酸エステルの過剰量を高くする必要がある。アクリロイル基の量が前記[アクリロイル基]:[β−ケトエステル基又はβ−ジケトン基]=2.5:1よりも低いときは、反応生成物のゲル化を生じるおそれがある。特に3官能以上の多官能アクリル酸エステルとβ−ケトエステル化合物との反応において顕著である。
一方、アクリロイル基の量が前記[アクリロイル基]:[β−ケトエステル基又はβ−ジケトン基]=20:1よりも高いときは、生成する樹脂の硬化物においてタックフリー性や成形品硬度に劣ったものとなる。
【0065】
上記製造方法によって得られた樹脂は、液状で1000〜100,000mPa(25℃)の粘度を有し、無色乃至は僅かに黄色みを帯びている。また、その平均分子量は、500〜20,000である。
【0066】
本発明による光硬化性樹脂の製造方法を更に具体的に説明すれば、先ず、β-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物に触媒を混合し、撹拌する。ここで強塩基触媒を用いた場合には僅かな発熱や着色が認められる。これはβ-ケトエステル化合物またはβ-ケトン化合物に触媒が直接作用してエノール化やカルボアニオンを形成するためである。次いで、この混合物を多官能アクリル酸エステルに滴下する。この際の温度条件は60℃〜140℃である。この滴下の速度は系内の温度が前記温度範囲内に収まり、発熱により温度制御不能にならないように制御される。
【0067】
反応中は常時攪拌され、系内の粘度上昇が実質的に認められなくなるまで反応を行う。粘度上昇が実質的に認められなくなった時点での樹脂乃至該樹脂を含む組成物は前記「60℃で5日間保持した場合の粘度上昇が25%以下」なる要件を具備するものとなる。
【0068】
このような製造方法によりマイケル付加反応をより完全に行うことができる結果、ほぼ完全にβ-ケトエステル基またはβ-ケトン基の二置換体を得ることができる。
【0069】
精製工程は種々の方法をとり得る。例えば反応粗生成物を酸性イオン交換体に通して塩基触媒を除去する方法、酸で中和させた後、沈殿させ、次いで濾過により除去する方法などが挙げられる。アニオン交換体とカチオン交換体との組み合わせは、塩を形成する触媒の除去には好ましい。
【0070】
このようにして、β-ケトエステル化合物又はβ-ケトン化合物をほぼ完全に反応させることができることから、仮に有害な低分子化合物を原料に用いても反応後、得られる光硬化性樹脂は無害なものとなる。このようにして製造された樹脂乃至樹脂組成物はより高温環境下に保管しても増粘が認められないという特質を有する。これに対して、従来のβ−ケトエステル化合物又はβ−ジケトン化合物と多官能アクリル酸エステルとの反応を室温で行う方法や温度制御を行わないで反応を行う方法では、長期保存下で著しい粘度上昇を来す。
【0071】
本発明の光硬化性組成物は、前記樹脂の複数種の組成物であってもよいし、また、重合性単量体や他の重合性樹脂を含んでいてもよい。
重合性単量体は、例えばジプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールブロパントリアクリレートおよびペンタエリスリトール・テトラアクリレートが挙げられる。
他の重合性樹脂は、例えばアクリル化エポキシ樹脂、アクリル化ウレタン樹脂又はアクリル化ポリエステルが挙げられる。
【0072】
本発明の光硬化性組成物の硬化物はタックフリーかつ高硬度な性能を有するため、塗料、印刷インキ、および成形品用途に有用である。
塗料用途の場合、更にカーボンブラック、チタンホワイト、フタロシアニン、アゾ染料、キナクリドンなどの顔料又は染料のような着色剤や、Si微細粒子、マイカ、炭酸カルシウムのような無機のフィラーの適量を併用できる。
本発明の光硬化性組成物は、前記した通り優れた自己硬化性を有しているが、更に硬化性を高めるべく重合開始剤や光重合増感剤を併用してもよい。
【0073】
本発明の光硬化性組成物を塗料にした場合、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニリデン塩化物、アルミニウム、鋼、木材等各種の基材に塗布することができ、空気存在下UV照射、或いは可視光の照射により硬化させることができる。また、前記基材に塗布する方法としては、ロールコーターあるいはナイフコーター等の従来のコーティング方法、オフセット印刷方法のような従来の印刷方法、グラビア印刷方法あるいはシルクスクリーン印刷方法などが挙げられる。このようにして形成される塗膜の幕厚は0.1〜5000μmである。
【0074】
UV光の照射は高圧水銀ランプや、非電極型マイクロ波長励起型ランプが好ましく、とくにHランプとして知られる非電極型マイクロ波長励起型ランプが好ましい。これらのランプは、225nm〜325nmの紫外線を照射することができる。
【0075】
一方、前記した通りβ−ジケトン化合物を原料として用いる場合は、可視光、例えば日光により本発明の組成物を硬化させることができる。故に、この場合、500〜5,000μmの厚膜にも対応することができる。
【0076】
但し、可視光を用いるばあい、空気存在下では酸素による重合阻害が認められるため、塗膜を窒素又は二酸化炭素のような不活性ガス雰囲気で硬化反応させるか、あるいは、ポリエチレン・フィルムのような薄い透明フィルムでカバーした上から可視光を照射することが好ましい。また、本発明の光硬化性組成物は、ガラスを接着させる場合の接着剤としても極めて有用であり、酸素の影響を受けることなく可視光で硬化させることができる。
【0077】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
【0078】
一般的な製造方法(実施例1〜10)
表1及び表2に従って、アクリル酸エステルを開放系で反応容器に仕込み、所定の設定温度まで加熱した。その後、β-ケトエステル化合物、及びβ-ケトン化合物の混合物から成る組成物、および触媒を、該温度を保持でしながら加え。反応混合物は所定の温度に保持しながら撹拌した。また、時々、サンプルを抽出し粘性を測定した。反応液の粘性増加が実質的に認められなくなった時点を反応の終点とした。反応終了後、加熱を止め、反応生成物を室温に冷却した
【0079】
【表1】
Figure 0003649331
【0080】
【0081】
【表2】
Figure 0003649331
【0082】
表中の略号は以下の通りである。
TMPTA=トリメチロールプロパントリアクリレート、
(Bu)4NF=テトラブチルアンモニウムフロライド、
(Bu)4NOH=テトラブチルアンモニウム水酸化物、
TOP=トリ-−n−オクチルホスフィン、
DBU=ジアザビシクロウンデセン、
TMG=テトラメチルグアニジン、
KOTBU=カリウムtert−ブチレート
1ポリエステルアクリレート=無水フタル酸、トリメチロールプロパン、プロピレングリコールおよびアクリル酸から製造されたもの、
2エポキシアクリレート=ビスフェノールA ジグリシジルエーテルおよびアクリル酸から製造されたもの。
【0083】
比較例1 (低温条件下での製造)
トリメチロールプロパントリアクリレートの59.2g、ジアザビシクロウンデセンの0.40gを混合し、次いで15分かけてアセト酢酸エチルエステル13.0gを継続的乃至断続的に攪拌しながら滴下した。その後、その室温で1時間間、反応を行った。わずかに発熱反応が認められた。薄帯黄色の液状反応生成物7040 mPa(25℃)が得られた。
【0084】
比較例2 (無触媒、長反応時間、高温条件下での製造)
トリメチロールプロパン トリアクリレートの60.0g、アセト酢酸エチルエステル7.0gおよびアセチルアセトンの6.0gを混合した。また、4−メトキシフェノールの0.05gを重合禁止剤として加えた。
その後、開放系にて130℃で4時間、反応を行った。反応終了後、冷却し、僅かに粘着性の帯黄色の液体(25℃で400 mPa)が得られた。
【0085】
(貯蔵安定性の比較)
実施例1で得られた組成物と、比較例1(米国特許公報第6025410の方法により製造したもの)で得られた組成物との貯蔵安定性の比較を下記表に示す。
【0086】
【表3】
Figure 0003649331
【0087】
実施例1の上昇率は10%であった一方で、比較例1の上昇率は205%であった。
【0088】
(硬化塗膜の特性)
実施例1〜10で得られた組成物をUV照射して硬化させた塗膜の特性を下記表に示す。
尚、UVで硬化させた後の塗膜強度を鉛筆硬度試験により評価した。メチルエチルケトンを用いて耐溶剤性の評価も行った。
【0089】
【表4】
Figure 0003649331
【0090】
1F 300Hランプ (total UV A, B, C)によるUV照射量。EIT社のラジオメーターにて測定した。
2硬化塗膜の耐溶剤性試験。ウッドパルプ布にメチルエチルケトンを染みこませて繰り返し硬化塗膜表面をラビングし、目視にて塗膜表面に傷みが生じない回数を測定した。
3Lead pencil hardness after鉛筆硬度試験。塗膜表面において目視にて最初に傷みが生じたものを評価した。
(硬化塗膜の比較)
本発明の特徴である硬化塗膜の硬度及びタックフリー性は、反応条件を適正に設定することにより発現させることができる。即ち、β-ケトエステル化合物及びβ-ケトン化合物との反応を、適宜触媒の存在下に高温条件下に反応させ、かつ、反応系において実質的に粘度上昇が認められなくなるまで、反応させることにより、前記特性を具備した樹脂を含む光硬化性組成物が得られる。
【0091】
本発明の組成物は空気存在下でも何等問題なくUV硬化させることができる。しかしながら空気存在下では所謂酸素阻害の僅かな影響を受けることもある。
【0092】
多官能アクリル酸エステルとβ-ジケトン化合物又はβ-ケトエステル化合物との反応は、触媒を使用しない場合は、130℃の温度条件下で行っても、硬度と耐溶剤性に優れた硬化塗膜は得られなかった。また、ジアザビシクロウンデセン(DBU)を触媒として用い、低温で反応させた場合は、耐溶剤性に優れた硬化塗膜は得られるものの、塗膜硬度は柔軟なものであった
これらの評価結果を下記表に示す。
【0093】
【表5】
Figure 0003649331
【0094】
1F 300Hランプ (total UV A, B, C)によるUV照射量。EIT社のラジオメーターにて測定した。
2硬化塗膜の耐溶剤性試験。ウッドパルプ布にメチルエチルケトンを染みこませて繰り返し硬化塗膜表面をラビングし、目視にて塗膜表面に傷みが生じない回数を測定した。
3Lead pencil hardness after鉛筆硬度試験。塗膜表面において目視にて最初に傷みが生じたものを評価した。
【0095】
実施例11(可視光硬化型組成物の製造及び評価)
アセチルアセトン15.0g、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)の85.0gおよびジアザビシクロウンデセン(DBU)の0.70gを混合し、80℃で2時間攪拌下に反応させた。得られた組成物は25℃で粘度29500 mPasであった。
得られた高粘性の組成物を0.3〜0.5cmの厚さでアルミニウム試験片上に塗布した。次いで、塗膜表面及びその端部に薄いポリエチレンフィルムで密閉し、日光(晴天で雲がない状況、3:00pm、51°緯度、9月の気温15℃)に晒した。約10分後、保護フィルムの下のコーティングは暖かくなりはじめ、30分の後、ポリエチレンフィルムを取り除き、耐溶剤性に優れる塗膜がアルミニウム試験片上に成形された。
【0096】
実施例12(可視光硬化型組成物の製造及び評価)
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)594.0gを4−メトキシフェノールの0.05gと混合した後、開放系で40℃に加熱した。次いでアセト酢酸メチルの116.0gを加え、続けてトリオクチルホスフィンの11.0gを加えた。
系内の温度は数分以内に85℃に増加した。適宜冷却又は加熱を繰り返して85℃の温度条件を3時間保持した。
【0097】
反応終了後、室温まで冷却した後、糊状無色の組成物が得られた。得られた組成物は25℃で46Paの粘度、分子量Mwは4500であった。
得られた組成物の100gをポリエチレンバッグへ入れ、空気を除去して真空密閉した。
【0098】
組成物を充填したバッグは、およそ、10cm×10cm×1cmのサイズにして日光(晴天で雲がない状況、3:00pm、51°緯度、9月の気温15℃)に晒した。7分後に、バッグは暖かくなり内容物が硬化し始めた。20分後、バッグの内容物は全て固化した。バッグを除去した後、固形で耐溶剤性に優れた樹脂シートが得られた。
【0099】
実施例13(可視光硬化型組成物の製造及び評価)
実施例2で得られた組成物を、アルミニウム試験片上に厚さ約2〜3mmで塗布した。次いで、酸素を遮断するために塗膜をポリエチレンフィルムによって注意深く覆った。UV光を遮断するためにガラススクリーンを介して日光に晒した。6時間後、硬化塗膜が得られた。
【0100】
【発明の効果】
本発明によれば、光重合開始剤フリーの光硬化性組成物において粘着性を発現させず、かつ、硬度を飛躍的に改善することができる。更に、光硬化性組成物の貯蔵安定性を飛躍的に改善することができる。
したがって、光硬化性組成物は、UV硬化性塗料、印刷インク、シートおよび成型品用途において極めて有用である。

Claims (8)

  1. アクリロイル基とβ−ケトエステル基又はβ−ジケトン基から選択される化学構造部分を含有する樹脂を含有する光硬化性組成物であって、
    前記β−ケトエステル基又はβ−ジケトン基が、光照射により1つ又は2つのフリーラジカルを生成し得る4級炭素原子を有しており、かつ、
    前記組成物において60℃で5日間保持した場合の粘度上昇が25%以下である
    ことを特徴とする光硬化性組成物。
  2. 前記β−ケトエステル基又はβ−ジケトン基に含まれる前記4級炭素原子が、2つの置換基を有しており、当該置換基が
    1)電子吸引基、
    2)炭素原子数1〜8のアルキル基、及び
    3)β位又はγ位に電子吸引基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基、
    から成る群から選択され、かつ、2つの置換基が共に前記アルキル基2)である場合には前記アルキル基2)は、メチル基又はエチル基
    である請求項1記載の光硬化性組成物。
  3. 前記4級炭素原子を含有する前記β−ジケトン基が、下記構造式A−1
    Figure 0003649331
    で表されるものである請求項2記載の組成物。
  4. 前記4級炭素原子を含有する前記β−ケトエステル基が、下記構造式B−1
    Figure 0003649331
    で表されるものである請求項2記載の組成物。
  5. アクリロイル基とβ−ケトエステル基又はβ−ジケトン基から選択される化学構造部分を含有する樹脂が、平均分子量(Mn)500〜20,000のものである請求項1〜4の何れか1つに記載の組成物。
  6. 組成物が更にアクリル系単量体を含有する請求項1記載の組成物。
  7. 組成物が更に顔料を含有する請求項1記載の組成物。
  8. 請求項1〜7の何れか1つに記載の組成物を光照射して得られるものであることを特徴とする硬化物。
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