JP3648961B2 - 自動車のライセンスプレート取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車、とりわけ、バックドアにスペアタイヤを装着するようにしたバックドア型車のライセンスプレート取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
バックドアにスペアタイヤを装着するようにしたバックドア型車では、車体後部のライセンスプレートを該バックドアのスペアタイヤの側方位置に取付けたり、あるいはリヤバンパーに取付けるようにしている(実開昭62−56492号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ライセンスプレートをバックドアのスペアタイヤ側方位置に取付けたものでは、後方からの視認方向によってはライセンスプレートがスペアタイヤの陰に隠れて視認できなくなる場合があり、また、後者のリヤバンパーにライセンスプレートを取付けたものでは、ライセンスプレートがリヤバンパーよりも下方に突出して路面干渉するおそれがある。
【0004】
そこで、本発明は車両後方からの視認性が良好で、かつ、ライセンスプレートの路面干渉による損傷の問題を払拭することができるバックドアタイプの自動車のライセンスプレート取付構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、バックドアにライセンスプレート取付ブラケットを上下方向に回動自在に取付け、該ライセンスプレート取付ブラケットにバックドアに装着したスペアタイヤを覆うスペアタイヤカバーと、その外側面に配置したライセンスプレートとを共締め固定したことを特徴としている。
【0006】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載のライセンスプレート取付ブラケットの回動支点を、スペアタイヤの上方で、かつ、スペアタイヤカバーの内側に設定したことを特徴としている。
【0007】
請求項3の発明にあっては、請求項1,2に記載のバックドアのライセンスプレート取付ブラケットを取付けた部分の内側をドアトリムで隠蔽したことを特徴としている。
【0008】
請求項4の発明にあっては、請求項1〜3に記載のスペアタイヤカバーの下端部を、バックドアの下端部で該下端部の内側にロック解除手段を持つロック機構により固定したことを特徴としている。
【0009】
請求項5の発明にあっては、請求項1〜4に記載のスペアタイヤカバーのライセンスプレート配置部には、ライセンスプレートを受容する凹部を形成したことを特徴としている。
【0010】
請求項6の発明にあっては、請求項5に記載のライセンスプレートを受容する凹部の上縁には、車両後方へ張り出す庇部を突設したことを特徴としている。
【0011】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ライセンスプレートは上下方向に回動自在なライセンスプレート取付ブラケットに、スペアタイヤカバーと共締め固定して該スペアタイヤカバーの外側面に配設してあるから、車両後方から死角位置となることがなく良好な視認性が得られる。
【0012】
また、このようにライセンスプレートをスペアタイヤカバーの外側面に配設してあるから、該ライセンスプレートの配設地上高が高く、路面干渉による損傷や、スプラッシュによる汚損等の問題を払拭することができる。
【0013】
一方、スペアタイヤカバーはライセンスプレート取付ブラケットによって上下方向に開閉自在であるから、スペアタイヤの脱着作業時の該スペアタイヤカバーの取扱いが容易となり、スペアタイヤの脱着作業性を向上することができると共に、スペアタイヤカバーの付け忘れを未然に防止することもできる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、ライセンスプレート取付ブラケットの回動支点を、スペアタイヤの上方で、かつ、スペアタイヤカバーの内側に設定することによって、該ライセンスプレート取付ブラケットの全体をスペアタイヤカバーの内側に収めることができて見栄えを向上することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1,2の発明の効果に加えて、バックドアのライセンスプレート取付ブラケットを取付けた部分の内側をドアトリムで隠蔽してあるので車室側からの見栄えを向上することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の発明の効果に加えて、スペアタイヤカバーのロック機構は、バックドアの下端部の内側にロック解除手段を備えているため、バックドアを開扉しなければロック機構のロックを解除してスペアタイヤを開くことができず、従って、ライセンスプレートはもとより、スペアタイヤカバー、スペアタイヤの防盗性を高めることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、ライセンスプレートはスペアタイヤカバーの凹部に収容配置してあるから、ライセンスプレートのスペアタイヤカバー外側面からの浮上がり感がなく見栄えを向上することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の発明の効果に加えて、ライセンスプレートを受容する凹部の上縁には車両後方へ張り出す庇部を設けてあるから、この庇部によってスペアタイヤカバーの上方から流れ落ちる雨水等がライセンスプレートにかかることがなく、ライセンスプレートが水垢等で汚損するのを回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0020】
図1,2において、1はバックドアを示し、その略中央部分にはスペアタイヤS・Tを収容する凹部2を形成してあると共に、該凹部2の中央位置には複数本のボルト4を突設した取付座3を固着してあり、該取付座3にスペアタイヤS・Tをナット5により締結固定できるようにしてある。
【0021】
6はライセンスプレート取付ブラケットを示し、アーム部7とアーム部7の下端にライセンスプレート11と略同じ大きさに形成した方形の取付面8とで後面逆T字状に形成してある。
【0022】
アーム部7はバックドア1の凹部2内に収容固定したスペアタイヤS・Tの上方を跨いで該スペアタイヤS・Tの後面に配置し得るように上端部をU字状に曲折成形してあり、その端末部にヒンジピン10を介して固定ブラケット9を連結してある。
【0023】
このライセンスプレート取付ブラケット6は、前記バックドア1の凹部2の上縁部中央位置に固定ブラケット9をボルト12とナット13とによってしっかりと締結固定し、回動支点であるヒンジピン10がスペアタイヤS・Tの上方で、かつ、後述するスペアタイヤカバーの内側となるようにして上下方向に回動自在に取付けてある。
【0024】
このバックドア1の固定ブラケット9をボルト12、ナット13により固定した部分の内側は、該バックドア1の車室側の側面に装着したドアトリム13で隠蔽してある。
【0025】
15は前記バックドア1の凹部2内に収容固定したスペアタイヤS・Tを覆うスペアタイヤカバーを示し、該スペアタイヤカバー15はその略中央部の外側面にライセンスプレート11を配置して、該ライセンスプレート11と一体的に前記ライセンスプレート取付ブラケット6の取付面8に、かしめピンおよびボルト・ナット等の固着手段16によって固着してある。
【0026】
本実施形態ではスペアタイヤカバー15のライセンスプレート11を配置する部分は、該ライセンスプレート11よりも若干大きな面積で、かつ、該ライセンスプレート11の厚み幅寸法と同等もしくは若干深い方形の凹部17を形成して、該凹部17内にライセンスプレート11を収容するようにしてある。
【0027】
また、前記凹部17の上縁には、車両後方へ張り出す庇部18を膨出成形してある。
【0028】
スペアタイヤカバー15の下端中央部は、バックドア1の下端のヘミング部にロック機構19により固定するようにしてる。
【0029】
ロック機構19として、本実施形態では最も簡易な手段としてボルト19aとナット19bとを用いており、例えばスペアタイヤカバー15の下端側からバックドア1の下端のヘミング部に挿し通したボルト19aに、該ヘミング部の内側でロック解除手段としてのナット19bを螺合して固定するようにしている。
【0030】
図1中、20はバックドアガラス、21はリヤバンパー、22はスペアタイヤカバー15のサポートロッドで、該サポートロッド22はスペアタイヤカバー15を上方へ開いた時に、その一側中間部に一端を係着し、他端をバックドア1の凹部2の一側開口縁部に設けた係止孔23に挿入、係合して、該スペアタイヤカバー15を所定開度に支持する。
【0031】
以上の実施形態の構造によれば、ライセンスプレート11は上下方向に回動自在なライセンスプレート取付ブラケット6に、スペアタイヤカバー15と共締め固定して該スペアタイヤカバー15の外側面中央部に配設してあるから、車両後方から死角位置となることがなく良好な視認性が得られる。
【0032】
また、このようにライセンスプレート11をスペアタイヤカバー15の外側面中央部に配設してあるから、該ライセンスプレート11の配設地上高が高く、路面干渉による損傷や、スプラッシュによる汚損等の問題を払拭することができる。
【0033】
一方、スペアタイヤカバー15はライセンスプレート取付ブラケット6によって上下方向に開閉自在であるから、スペアタイヤS・Tの脱着作業時にはサポートロッド22によって開保持させておくこともできて該スペアタイヤカバー15の取扱いが容易となり、スペアタイヤS・Tの脱着作業性を向上することができると共に、スペアタイヤカバー15の付け忘れを未然に防止することができる。
【0034】
ここで、特に本実施形態では前記ライセンスプレート取付ブラケット6は、その回動支点であるヒンジピン10の配置位置を、スペアタイヤS・Tの上方で、かつ、スペアタイヤカバー15の内側に設定して、該ライセンスプレート取付ブラケット6の全体がスペアタイヤカバー15の内側に収まるようにしてあるから見栄えを向上することができる。
【0035】
また、ライセンスプレート取付ブラケット6の固定ブラケット9を固定したバックドア1の内側は、ドアトリム14を装着して固定ブラケット9の固定部分を隠蔽してあるため、車室側からの見栄えを向上することもできる。
【0036】
一方、スペアタイヤカバー15はその下端のロック機構19のロック解除手段としてのナット19bをバックドア1の下端部のヘミング部内側で緩めて外さなければ開けることができないようにしてあるから、このナット19bを操作するためにはバックドア1を開扉しなければならず、従って、ライセンスプレート11はもとより、スペアタイヤカバー15およびスペアタイヤS・Tの防盗性を高めることができる。
【0037】
また、該スペアタイヤカバー15のライセンスプレート配設位置には凹部17を形成して、該凹部17内にライセンスプレート11をきっちりと収容配設できるようにしてあるから、ライセンスプレート11のスペアタイヤカバー15の外側面からの浮上がり感がなく見栄えを向上することができ、しかも、該凹部17の上縁には車両後方へ張り出す庇部18を設けてあるから、該庇部18によりスペアタイヤカバー15の上方から流れ落ちる雨水等がライセンスプレート11にかかることがなく、ライセンスプレート11が水垢等で汚損するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図。
【図2】同実施形態の分解斜視図。
【符号の説明】
1 バックドア
6 ライセンスプレート取付ブラケット
10 回動支点
11 ライセンスプレート
14 ドアトリム
15 スペアタイヤカバー
17 凹部
18 庇部
19 ロック機構
19b ロック解除手段
S・T スペアタイヤ
Claims (6)
- バックドアにライセンスプレート取付ブラケットを上下方向に回動自在に取付け、該ライセンスプレート取付ブラケットにバックドアに装着したスペアタイヤを覆うスペアタイヤカバーと、その外側面に配置したライセンスプレートとを共締め固定したことを特徴とする自動車のライセンスプレート取付構造。
- ライセンスプレート取付ブラケットの回動支点を、スペアタイヤの上方で、かつ、スペアタイヤカバーの内側に設定したことを特徴とする請求項1に記載の自動車のライセンスプレート取付構造。
- バックドアのライセンスプレート取付ブラケットを取付けた部分の内側をドアトリムで隠蔽したことを特徴とする請求項1,2に記載の自動車のライセンスプレート取付構造。
- スペアタイヤカバーの下端部を、バックドアの下端部で該下端部の内側にロック解除手段を持つロック機構により固定したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の自動車のライセンスプレート取付構造。
- スペアタイヤカバーのライセンスプレート配置部には、ライセンスプレートを受容する凹部を形成したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の自動車のライセンスプレート取付構造。
- ライセンスプレートを受容する凹部の上縁には、車両後方へ張り出す庇部を突設したことを特徴とする請求項5に記載の自動車のライセンスプレート取付構造。
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