JP3647103B2 - 動電型スピーカ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高耐入力の動電型スピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高耐入力の動電型スピーカでは、ボイスコイルを冷却する手段として空冷効果を利用したものがある。具体的には、実開昭62-89899号公報に構成されている。
【0003】
図7はこの従来技術を示している。
1は下ヨーク、1aは下ヨーク1の上面に設けられた溝、2は下ヨーク1と一体のセンターポール、4は下ヨーク1の上面に取り付けられた環状マグネット、5は環状マグネット4の上面に取り付けられた上ヨーク、6はセンターポール2の外周部と上ヨーク5の内周部とで構成される磁気ギャップ中に挿入されたボイスコイル、7はボイスコイル6を巻き付け固定するためのボイスコイルボビン、8は上ヨーク5に固着したフレーム、9は内周部をボイスコイルボビン7に固着し、外周部をフレーム8に固着したダンパー、10はボイスコイルボビン7の先端部に固着された振動板、11は内周部を振動板10に固着し、外周部をフレーム8に固着したエッジ、12はフレーム8の外周部に固着されたガスケット、13は防塵キャップ、14は防塵キャップ13の裏側と、センターポール2と、ボイスコイルボビン7の内周部とで構成される空室である。
【0004】
上記構成において、ボイスコイル6に電気信号が加えられると、ボイスコイル6に発生した駆動力はボイスコイルボビン7に伝わり、防塵キャップ13と振動板10を振動させる。その際、溝3を通して外部の空気が出入りし、その空気が磁気ギャップを通り抜けるときにボイスコイル6が冷却される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の動電型スピーカでは、空室14で発生する空気は、全て磁気ギャップを通って流出、流入して、細隙である磁気キャップの音響インピーダンスは大きなものとなり、その空気流は振動系の動きを非直線性のものにし、スピーカの再生音圧に大量の歪を発生させる原因となる。
【0006】
また、磁気ギャップを通り抜けた空気流の一部は、下ヨーク1に設けられた溝13を通して外部に排除されるため、発生した空気流はボイスコイルボビン7の内側のみ通過し、ボイスコイル6の線輪部の冷却に寄与せず、冷却効果が低下する原因となる。
【0007】
本発明はより効果的な冷却によりボイスコイルの温度上昇を抑え、かつ振動系の歪の発生を抑え、高耐入力で大音量の再生が可能な動電型スピーカを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の動電型スピーカは、センターポールと、磁気ギャップと、この磁気ギャップ中に挿入されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを巻き付けたボビン先端部に固着した振動板と、前記振動板の上面に固着した防塵キャップとによって構成される空室とを備え、前記センターポールに外部と前記空室とを連通する貫通孔を穿設し、下ヨークとの間に隙間を形成する板を設け、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の一部を、前記貫通孔と、前記下ヨークと前記板との間に形成された隙間を介して外部に排除し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の残りを、前記磁気ギャップを通し、前記ボイスコイルの外周部を通過させて、フレームの開口から外部に排除することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の動電型スピーカは、請求項1において、管を介して容器を空室に連通させ、空室から外部へ排除される空気の一部を、前記管と前記容器により構成される共鳴器で吸収することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の動電型スピーカは、センターポールと、磁気ギャップと、この磁気ギャップ中に挿入されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを巻き付けたボビン先端部に固着した振動板と、前記振動板の上面に固着した防塵キャップとによって構成される空室とを備え、前記センターポールに外部と前記空室とを連通する貫通孔を穿設し、下ヨークに対向して配設され下ヨークとの間に隙間を形成する容器を設け、前記空室と前記容器を連通する管を設け、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の一部を、前記貫通孔と、下ヨークと前記容器との間に形成された隙間を介して外部に排除し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の一部を、前記磁気ギャップを通過させて外部に排除し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の残りを、前記管と前記容器により構成される共鳴器で吸収することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の動電型スピーカは、請求項2,請求項3において、管の外壁とセンターポールに設けられた貫通孔との間に形成された隙間を介して空室から外部へ排除される空気の一部を外部に排除することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の動電型スピーカは、請求項4において、管とセンターポールに設けられた貫通孔とのうちの少なくとも一方が、その出入口にむかって拡大させてなる構造を持つことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の動電型スピーカは、センターポールと、磁気ギャップと、この磁気ギャップ中に挿入されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを巻き付けたボビン先端部に固着した振動板と、前記振動板の上面に固着した防塵キャップとによって構成される空室とを備え、前記センターポールに外部と前記空室とを連通する貫通孔を穿設し、下ヨークに対向して配設され下ヨークとの間に隙間を形成する容器を設けるとともに、前記容器には、前記貫通孔と対向する位置に開口を穿設し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の一部を、前記貫通孔と、下ヨークと前記容器との間に形成された隙間を介して外部に排除し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の一部を、前記磁気ギャップを通過させて外部に排除し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の残りを、前記容器により構成される共鳴器で吸収することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の動電型スピーカは、センターポールと、磁気ギャップと、前記磁気ギャップ中に挿入されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを巻き付けたボビン先端部に固着した振動板と、前記振動板の上面に固着した第1の防塵キャップによって構成される第1の空室とを備え、前記センターポールに外部と前記空室とを連通する貫通孔を穿設し、下ヨークとの間に隙間を形成する板を設け、第1の防塵キャップの上面に間隔をもって前記振動板に外周部分が固着されて第1の防塵キャップとの間に第2の空室を形成する第2の防塵キャップを設け、第1防塵キャップに取り付けられ第1の空室と第2の空室を連通する管を設け、駆動に伴って第1の空室から外部へ排除される空気の一部を、前記貫通孔と、下ヨークと前記板との間に形成された隙間を介して外部に排除し、駆動に伴って第1の空室から外部へ排除される空気の一部を、前記磁気ギャップを通過させて外部に排除し、駆動に伴って第1の空室から外部へ排除される空気の残りを、第2の空室と前記管とで構成される共鳴器で吸収することを特徴とする。
【0015】
請求項1記載の動電型スピーカは、請求項7において、第1の空室と第2の空室を連通する開口を第1の防塵キャップに穿設して、管をなくしたことを特徴とする。
【0016】
したがって、本発明では、防塵キャップ背面の空気の一部を、センターポールとプレートで構成される磁気ギャップを通過させ、他の残りの空気は磁気ギャップを通過させることなく外に排除する、あるいは、管と容器とで構成される共鳴器によって吸収することにより、防塵キャップの背面の空気圧の上昇を防いで、振動系の動きを歪ませることなく、かつ、ボイスコイルボビンの内周部やボイスコイル線輪部の近傍を通過する空気流により、スピーカに大入力を加えたときの、ボイスコイルの発熱を空気流により冷却する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
なお、従来例を示す図7と同様の作用をなすものには同一の符号を付けて説明する。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
図1は〔第1の実施の形態〕の動電型スピーカを示し、次の点が図7に示した従来の動電型スピーカと異なっている。
【0019】
この〔第1の実施の形態〕の動電型スピーカでは、センターポール2の中央に貫通孔3が穿設されている。また、下ヨーク1の下面にスペーサ16を介して下ヨーク1とは隙間を開けて板15が取り付けられている。
【0020】
下ヨーク1、センターポール2、環状マグネット4、上ヨーク5、ボイスコイル6、ボイスコイルボビン7、フレーム8、ダンパー9、振動板10、エッジ11、ガスケット12、防塵キャップ13、空室14との相互の関係は図7で説明した従来例と同様である。
【0021】
前記構成においてその動作を説明する。
ボイスコイル6に電気信号を加えると、ボイスコイル6に発生した駆動力はボイスコイルボビン7に伝達され、ボイスコイルボビン7の先端部に取り付けられた振動板10を上下に振動させる。振動板10の上に防塵キャップ13が取り付けられているので、同時に防塵キャップ13も上下に振動する。
【0022】
この防塵キャップ13の振動により、空室14の空気の一部は矢印aのようにボイスコイルボビン7の内周部と、センターポール2の外周部の間に構成される隙間を通り、ボイスコイル6の外周部を通過して、ダンパー9を通してフレーム8の開口8aから外部に排除される。かつ、空室14の空気の残りは矢印bで示すように、貫通孔3から下ヨーク1と板15との間の隙間を通って外に排除される。
【0023】
上記動作によって、矢印aの空気流はボイスコイル6の近傍を急速に流れて空冷効果によりボイスコイル6の発熱を抑えることができる。
また、ボイスコイルボビン7の内周部とセンターポール2との間に構成される隙間の幅は、磁気ギャップの磁束密度を高くするためにかなり狭く設計されており、矢印aの空気流に対する音響インピーダンスが高くなり、矢印aの空気流が流れにくくなることによって、空室14の内部は空気圧が高まるが、矢印bの空気流によって空室14の空気の残りを外に排除できる。
【0024】
したがって、防塵キャップ13と振動板10の動きが非線形となって、歪が発生するまでには空室14の空気圧が高まることがなく、歪の発生を抑制できる。なお、貫通孔3と空室14の容積とでヘルムホルツの共鳴器が構成されて、その共振周波数においてスピーカの再生音圧に乱れが発生する原因となるので、前記共振周波数をスピーカの再生帯域外に設定する必要がある。
【0025】
しかし、この貫通孔3の大きさは自由に変更することができない。そこでこの実施の形態では、下ヨーク1と下ヨーク1の下に設けられた板15との隙間をスペーサ16によって調節して矢印bの空気流の量を調整し、センターポール2の中央部に設けられた貫通孔3の大きさを変更する必要がないので、スピーカの再生音圧が乱れない。
【0026】
〔第2の実施の形態〕
図2は〔第2の実施の形態〕を示す。
この実施の形態では、図1に示した〔第1の実施の形態〕の構成に管17と容器18および吸音材19を付加したものである。この他は〔第1の実施の形態〕と同様である。
【0027】
管17は、一端が空室14で開口し、他端は板15を貫通して開口している。管17の中間部は貫通孔3を貫通している。容器18は板15の下面に連接され管17の前記他端の開口に連通している。この容器18の内部に吸音材19が入れられている。
【0028】
上記構成において動作を説明する。ボイスコイル6に電気信号を加えることにより防塵キャップ13と振動板10が上下に振動し、空室14の空気は、〔第1の実施の形態〕と同じように矢印a,bのように流れて外に排除される。
【0029】
さらに、この実施の形態では、空室14の空気の一部は矢印cで示すように、管17を通り容器18に入れられた吸音材19に吸収される。
したがって、矢印aの空気流がボイスコイル6の近傍を急速に流れるため、空冷効果によりボイスコイル6の発熱を抑えることができる。また、ボイスコイルボビン7の内周部とセンターポール2との間に構成される隙間の幅が狭くなることにより、矢印aの空気流に対する音響インピーダンスが高くなり、矢印aの空気流が流れにくくなり、空室14の内部の空気圧が高まるが、矢印bに示す空気流で空室14の空気の一部を外に排除するので、空室14内の空気圧の高まりを少なくして、防塵キャップ13と振動板10の動きに歪が生じることを抑制することができる。
【0030】
さらに、この実施の形態では、〔第1の実施の形態〕にはない次のような効果が得られる。
空室14の容積と貫通孔3とによってヘルムホルツの共鳴器が構成され、矢印bの空気流に対して、その共振周波数f1の付近での音響インピーダンスが高くなって、矢印bの空気流が流れにくくなり、空室14の空気圧が上記の共振周波数f1の付近で高まるが、管17と容器18によって起こる共鳴現象の共振周波数f2を、前記の共振周波数f1に一致させることで、空室14内の空気圧を矢印cの空気流により吸音材19に吸収するので、前記共振周波数f1の付近での空室14の空気圧の高まりによる防塵キャップ13と振動板10の動きに歪が発生することを抑制することができ、かつ、空室14の容積と、センターポールの中央部に設けられた貫通孔3とによって起こる共振周波数でのスピーカの再生音圧の乱れを排除することができる。
【0031】
〔第3の実施の形態〕
図3は〔第3の実施の形態〕を示し、〔第2の実施の形態〕とは次の点だけが異なっている。
【0032】
〔第2の実施の形態〕では下ヨーク1の下に隙間を開けて板15が取り付けたが、この〔第3の実施の形態〕では板15を省略して、管17の太さを大きくし、貫通孔3の太さを小さくしている。
【0033】
これによって、管17とセンターポールに設けられた貫通孔3と管17の外周部とで構成される隙間の断面積を小さくしても、〔第2の実施の形態〕と同等の効果が期待できる。かつ、板15を省略できることから製造行程を減らすと同時に材料費を抑えることができる。
【0034】
〔第4の実施の形態〕
図4は〔第4の実施の形態〕を示し、〔第3の実施の形態〕とは次の点だけが異なっている。
【0035】
この実施の形態では、貫通孔3と管17は入口と出口の断面積をその外部に向かって徐々に広げられており、管17の入口と出口での空気流の乱れによる、振動系の歪の発生と、風切り音の発生を低減することができる。
【0036】
なお、貫通孔3または管17の一方の入口と出口の断面積を、その外部に向かって徐々に広げるだけでも、振動系の歪の発生と風切り音の発生の改善が確認できた。
【0037】
〔第5の実施の形態〕
図5は〔第5の実施の形態〕を示し、〔第3の実施の形態〕とは次の点だけが異なっている。
【0038】
この実施の形態では管17を設けずに、容器18と容器18の開口18aの大きさを調整することによりヘルムホルツの共鳴器を構成して、同等の効果を期待できる。管17が省略されることにより、製造面においても有効であり、かつ管17の入り口付近の空気流の乱れによる振動系の歪の発生と、風切り音の発生を憂慮する必要がなくなる。
【0039】
〔第6の実施の形態〕
図6は〔第6の実施の形態〕を示し、上記の各実施の形態と同様のものには同一の符号が付けられている。
【0040】
20は防塵キャップ13の上面に固着したキャップ、21は防塵キャップ13とキャップ20との間に構成される空室、22は防塵キャップ13に固着された管で、一端は空室14で開口し他端は空室21で開口している。23は空室21に入れられた吸音材である。
【0041】
上記構成においてその動作を説明する。
ボイスコイル6に電気信号を加えることにより、防塵キャップ13と振動板10とキャップ20および管22とが、一体になって上下に振動する。防塵キャップ13の振動により、空室14の空気は、一部は矢印gで示すようにボイスコイルボビン7の内周部とセンターポール2の外周部との間に構成される隙間を通り、ボイスコイル6の外周部を通ってダンパー9より外に排除され、かつ、一部は矢印hに示すように貫通孔3と、下ヨーク1と下ヨーク1の下に設けられた板15との間の隙間を通って外に排除され、かつ、残りは矢印iで示すように管22を通り空室21に入れられた吸音材23に吸収される。
【0042】
したがって、矢印gの空気流はボイスコイル6の近傍を急速に流れるため、空冷効果によりボイスコイル6の発熱を抑えることができる。また、ボイスコイルボビン7の内周部とセンターポール2とに間に構成される隙間の幅が、急激に狭くなり、矢印gの空気流に対する音響インピーダンスが高くなることによって、矢印gの空気流が流れにくくなり、空室14内の空気圧が高まるが、矢印hの空気流により、空室14内の空気圧の高まりを外に排除するので、空室14内の空気圧の高まりによって防塵キャップ13と振動板10の動きに歪が生じることを抑制することができ、〔第1の実施の形態〕と同様の効果が得られる。
【0043】
また、空室14の容積と、センターポールの中央部に設けられた貫通孔3とによって構成されるヘルムホルツの共鳴器の共振により、矢印hの空気流に対して、共振周波数付近における音響インピーダンスが高くなり、前記共振周波数付近での空室14内の空気圧が高まるのを、管22と空室21とによって起こる共鳴現象の共振周波数を前記共振周波数に一致させて、矢印iの空気流により空室21内の吸音材23に吸収し、前記共振周波数付近での防塵キャップ13と振動板10の動きの歪を排除することができ、かつ、スピーカの再生音圧の乱れを取り除くことができる。
【0044】
さらに、この実施の形態では、〔第2の実施の形態〕のように下ヨーク1の下部に容器18がないので、実際にキャビネットに入れて使用する際に、キャビネットの内容積の寸法に制約を与えることがない。
【0045】
この実施の形態では、管22が防塵キャップ13に取り付けられて空室21とで共鳴器を構成していたが、防塵キャップ13に空室14と空室21を連通する開口を穿設して管22を無くしても、同様にして特性の改善が期待できる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、防塵キャップと、センターポールと、磁気ギャップに挿入されたボイスコイルボビンとで構成される空室の空気を、一部は磁気ギャップを通して外に排除し、かつ、一部は磁気ギャップを通過させることなく外に排除するか、または、管と容器とで構成される共鳴器を用いて吸収することにより、ボイスコイルさらにはボイスコイルボビンの近傍に空気を流し、ボイスコイルの発熱を効果的に抑制し、ボイスコイルの温度上昇に伴う電気抵抗の上昇と焼損とを防止するものである。
【0047】
さらに、空気の外部へ排除量と、管と容器とで構成される共鳴器による空気の吸収量を制御することにより、防塵キャップ裏の空室の空気圧の変化により振動板と防塵キャップの動きを歪ませることがなく、高耐入力で大音量でも音質劣化が少ないので、実用上きわめて有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の動電型スピーカの断面図である。
【図2】第2の実施の形態の動電型スピーカの断面図である。
【図3】第3の実施の形態の動電型スピーカの断面図である。
【図4】第4の実施の形態の動電型スピーカの断面図である。
【図5】第5の実施の形態の動電型スピーカの断面図である。
【図6】第6の実施の形態の動電型スピーカの断面図である。
【図7】従来の動電型スピーカの構造断面図である。
【符号の説明】
1 下ヨーク
2 センターポール
3 センターポールの中央部に設けられた貫通孔
4 環状マグネット
6 ボイスコイル
9 ダンパー
10 振動板
13,20 防塵キャップ
14,21 空室〔第1,第2の空室〕
15 板
16 スペーサ
17,22 管
18 容器
19,23 吸音材
Claims (8)
- センターポールと、磁気ギャップと、この磁気ギャップ中に挿入されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを巻き付けたボビン先端部に固着した振動板と、前記振動板の上面に固着した防塵キャップとによって構成される空室とを備え、
前記センターポールに外部と前記空室とを連通する貫通孔を穿設し、
下ヨークとの間に隙間を形成する板を設け、
駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の一部を、前記貫通孔と、前記下ヨークと前記板との間に形成された隙間を介して外部に排除し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の残りを、前記磁気ギャップを通し、前記ボイスコイルの外周部を通過させて、フレームの開口から外部に排除する動電型スピーカ。 - 管を介して容器を空室に連通させ、空室から外部へ排除される空気の一部を、前記管と前記容器により構成される共鳴器で吸収してなる請求項1記載の動電型スピーカ。
- センターポールと、磁気ギャップと、この磁気ギャップ中に挿入されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを巻き付けたボビン先端部に固着した振動板と、前記振動板の上面に固着した防塵キャップとによって構成される空室とを備え、前記センターポールに外部と前記空室とを連通する貫通孔を穿設し、下ヨークに対向して配設され下ヨークとの間に隙間を形成する容器を設け、前記空室と前記容器を連通する管を設け、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の一部を、前記貫通孔と、下ヨークと前記容器との間に形成された隙間を介して外部に排除し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の一部を、前記磁気ギャップを通過させて外部に排除し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の残りを、前記管と前記容器により構成される共鳴器で吸収する動電型スピーカ。
- 管の外壁とセンターポールに設けられた貫通孔との間に形成された隙間を介して空室から外部へ排除される空気の一部を外部に排出する請求項2,請求項3記載の動電型スピーカ。
- 管とセンターポールに設けられた貫通孔とのうちの少なくとも一方が、その出入口にむかって拡大させてなる構造を持つ請求項4記載の動電型スピーカ。
- センターポールと、磁気ギャップと、この磁気ギャップ中に挿入されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを巻き付けたボビン先端部に固着した振動板と、前記振動板の上面に固着した防塵キャップとによって構成される空室とを備え、前記センターポールに外部と前記空室とを連通する貫通孔を穿設し、下ヨークに対向して配設され下ヨークとの間に隙間を形成する容器を設けるとともに、前記容器には、前記貫通孔と対向する位置に開口を穿設し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の一部を、前記貫通孔と、下ヨークと前記容器との間に形成された隙間を介して外部に排除し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の一部を、前記磁気ギャップを通過させて外部に排除し、駆動に伴って前記空室から外部へ排除される空気の残りを、前記容器により構成される共鳴器で吸収する動電型スピーカ。
- センターポールと、磁気ギャップと、前記磁気ギャップ中に挿入されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを巻き付けたボビン先端部に固着した振動板と、前記振動板の上面に固着した第1の防塵キャップによって構成される第1の空室とを備え、前記センターポールに外部と前記空室とを連通する貫通孔を穿設し、下ヨークとの間に隙間を形成する板を設け、第1の防塵キャップの上面に間隔をもって前記振動板に外周部分が固着されて第1の防塵キャップとの間に第2の空室を形成する第2の防塵キャップを設け、第1防塵キャップに取り付けられ第1の空室と第2の空室を連通する管を設け、駆動に伴って第1の空室から外部へ排除される空気の一部を、前記貫通孔と、下ヨークと前記板との間に形成された隙間を介して外部に排除し、駆動に伴って第1の空室から外部へ排除される空気の一部を、前記磁気ギャップを通過させて外部に排除し、駆動に伴って第1の空室から外部へ排除される空気の残りを、第2の空室と前記管とで構成される共鳴器で吸収する動電型スピーカ。
- 第1の空室と第2の空室を連通する開口を第1の防塵キャップに穿設して、管をなくした請求項7記載の動電型スピーカ。
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