JP3163902B2 - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

Info

Publication number
JP3163902B2
JP3163902B2 JP13452894A JP13452894A JP3163902B2 JP 3163902 B2 JP3163902 B2 JP 3163902B2 JP 13452894 A JP13452894 A JP 13452894A JP 13452894 A JP13452894 A JP 13452894A JP 3163902 B2 JP3163902 B2 JP 3163902B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
back plate
airway
pole piece
speaker device
magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13452894A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH089493A (ja
Inventor
有二 荻原
正彦 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP13452894A priority Critical patent/JP3163902B2/ja
Publication of JPH089493A publication Critical patent/JPH089493A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3163902B2 publication Critical patent/JP3163902B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Audible-Bandwidth Dynamoelectric Transducers Other Than Pickups (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気信号を音響に変換
するスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気回路を有し、この磁気回路に
電気信号を供給されて振動板の振動を発生させることに
よって、該電気信号を音響に変換するスピーカ装置が提
案されている。
【0003】このようなスピーカ装置は、図18に示す
ように、バックプレート102の前面側にポールピース
103及びマグネット101が配設されて構成された磁
気回路を有している。上記バックプレート102は、鉄
の如き高透磁率材料によって、略々円盤状に形成され、
中央部分に透孔113を有している。上記マグネット1
01は、リング状に形成され、上記バックプレート10
2の前面部の周囲側部分に固着されている。上記ポール
ピース103は、上記バックプレート102と同様の材
料によって、中央部分に中空部115を有する略々円筒
形状に形成されている。このポールピース103は、上
記バックプレート102の前面部の中央部分に固着さ
れ、上記中空部115と該バックプレート102の透孔
113とを連続させている。
【0004】上記マグネット101の前面部には、高透
磁率材料よりなるリング状のトッププレート104が固
着されている。そして、このトッププレート104の内
周部と上記ポールピース103の前端側部分の外周部と
は、磁気ギャップ部111を形成している。
【0005】上記トッププレート104の前面部には、
フレーム110が、ネジ116により取り付けられてい
る。このフレーム110は、略々中空のコニカル(円
錐)形状を有して形成され、中央部分の後面部を上記ト
ッププレート104に固着され、周縁部分を前方側に向
けて延在させている。このフレーム110は、中央部分
が透孔となされている。
【0006】上記フレーム110の周縁部分には、コニ
カル形状の振動板106の外周部分が、可撓性材料より
なる円環状のエッジ108を介して接合されている。こ
の振動板106の中央側部分には、後方側に向けて、ボ
イスコイル105が取り付けられている。このボイスコ
イル105は、後端側部分を、上記磁気ギャップ部11
1内に進入させている。このボイスコイル105の上記
振動板106への接合部の近傍となる前端側部分は、可
撓性材料よりなる円環状のダンパ109を介して、上記
フレーム110の後方側部分に接合されている。
【0007】また、上記ボイスコイル105の前端部
は、ドーム形状のセンターキャップ107により閉蓋さ
れている。このセンターキャップ107は、上記振動板
106の中央部分の一部をなしている。
【0008】このようなスピーカ装置においては、上記
ボイスコイル105に上記電気信号が供給され、このボ
イスコイル105は、上記磁気ギャップ部111内の磁
束によって、前後方向の駆動力を発生する。この駆動力
は、上記振動板106を前後方向に振動させ、音響を発
生させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なスピーカ装置においては、上記ボイスコイル105が
上記電気信号を供給されることによって発生するジュー
ル熱が、このボイスコイル105及びこのボイスコイル
105の周囲の部材を加熱し、これら部材の熔融、炭化
による破損を招来する虞れがある。
【0010】上記ボイスコイル105が上記磁気ギャッ
プ部111を経て進入される該磁気ギャップ部111の
後方側に形成されている空隙部114は、上記ポールピ
ース103、上記バックプレート102及び上記マグネ
ット101により閉塞された空間であり、該ボイスコイ
ル105が発生する熱が蓄えられ易い。
【0011】特に、400W及至600W程度の高出力
の信号を、例えば2時間以上といった長時間に亘って連
続して入力したような場合には、図14中にAで示すよ
うに、上記ボイスコイル105の温度は、240゜C及
至340゜Cという高温に達する。
【0012】このような、上記ボイスコイル105が発
する熱による破損を防止するには、スピーカ装置を構成
する各部材を耐熱温度限界の高い材料により形成するこ
とが考えられる。
【0013】しかしながら、種々の特性を満足しつつ、
かつ、充分な耐熱性を有する材料を選定することは困難
であり、また、スピーカ装置に入力される電気信号の出
力が今後さらに高出力化することが予想されることから
も、材料の選定には限界がある。
【0014】また、いわゆるヒートシンク状の部材を上
記磁気回路に取り付けたり、アルミニウムリングを上記
ボイスコイル105の近傍に取り付けることによって、
該ボイスコイル105が発生する熱を外方側に放出させ
ることが考えられる。
【0015】しかし、上記ヒートシンクや上記アルミニ
ウムリングによっては、充分な熱放出は行えず、上記電
気信号の高出力化には対応できない。
【0016】そして、外方側の空気を上記ボイスコイル
105に直接吹きかけることによって、このボイスコイ
ル105を冷却することが考えられる。
【0017】しかし、外気を上記ボイスコイル105に
直接吹きかけることは、上記磁気回路の内部に外気を送
り込む装置を必要とするので、装置構成を複雑化するの
みならず、空気の流入による異音を発生させる虞れがあ
り、スピーカ装置の構成として妥当ではない。
【0018】なお、上記磁気ギャップ部111の一部の
幅を広げて通風部とし、この通風部に外気を通して上記
ボイスコイル105を冷却するようにしたスピーカ装置
が提案されている。
【0019】しかし、上記磁気ギャップ部111の幅が
全周に亘って一定の幅になっていないと、この磁気ギャ
ップ部111内の磁束総量の低下による出力低下や、該
磁気ギャップ部111内の磁束密度が一定でなくなるこ
とによる歪みが生ずる虞れがある。また、上記通風部の
断面積は、上記磁気ギャップ部111が磁気ギャップと
して機能するようにするためには、一定の面積以下とす
る必要があるので、上記ボイスコイル105の充分な冷
却を図れない虞れがあるとともに、上記振動板106を
含む振動系のコンプライアンス調整による音質調整が行
えなくなる虞れがある。
【0020】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであって、構成を複雑化することなく、ボ
イスコイルの温度上昇を充分に抑えることができるスピ
ーカ装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し上記
目的を達成するため、本発明に係るスピーカ装置は、バ
ックプレート部とこのバックプレート部の前面側に配設
されたリング状のマグネット、リング状のポールピース
部及びリング状のトッププレート部とを有し該ポールピ
ース部の外周部と該トッププレート部の内周部との間に
磁気ギャップ部を形成している磁気回路と、この磁気回
路の前方側に配設され該磁気ギャップ部内に進入された
ボイスコイルが背面部に取り付けられた振動板と、この
振動板の背面側となる該ポールピース部の中央部分の中
空部を該磁気ギャップ部の後方側にこの磁気ギャップ部
に連続して形成された空隙部に連通させる第1の気道
と、該空隙部を該バックプレート部の後方側の外方に連
通させる第2の気道とを備えているものである。
【0022】また、本発明は、上記スピーカ装置におい
て、上記第1の気道は、ポールピース部の後端側に形成
された溝部とバックプレート部の前面部とにより構成さ
れ、上記第2の気道は、上記バックプレート部に形成さ
れた透孔により構成されていることとしたものである。
【0023】そして、本発明は、上記スピーカ装置にお
いて、上記第1の気道は、バックプレート部の前面部の
中央部に形成された凹部より該バックプレート部の外周
側に向けて形成された溝部とポールピース部の後端部と
により構成され、上記第2の気道は、上記バックプレー
ト部に形成された透孔により構成されていることとした
ものである。
【0024】さらに、本発明は、上記スピーカ装置にお
いて、上記第1の気道は、上記ポールピース部の側壁部
に形成された第1の透孔により構成され、上記第2の気
道は、上記ポールピース部の後端部に形成された溝部と
バックプレート部の中央部分に形成された第2の透孔と
により構成され、該ポールピース部の中央部分の中空部
内には、上記第1の透孔と上記溝部とを隔てる隔壁部が
配設されていることとしたものである。
【0025】そして、本発明は、上記スピーカ装置にお
いて、上記マグネットは、バックプレート部の前面部の
中央部分に取り付けられ、上記ポールピース部は、上記
マグネットの前面部に取り付けられ、上記バックプレー
ト部は、周縁部分に上記マグネットの周囲を囲む周壁部
を有し、上記トッププレート部は、上記バックプレート
部の周壁部の前端部に取り付けられ、上記第1の気道
は、上記バックプレート部の前面部の中央部に形成され
た凹部より該バックプレート部の外周側に向けて形成さ
れた溝部と上記マグネットの後端部とにより構成され、
上記第2の気道は、上記バックプレート部に形成された
透孔により構成されていることとしたものである。
【0026】
【作用】本発明に係るスピーカ装置においては、振動板
は、振動することによって、磁気ギャップ部の後方側に
この磁気ギャップ部に連続して形成された空隙部内の気
圧を、この振動板の背面側となるポールピース部の中央
部分の中空部を該空隙部に連通させる第1の気道を介し
て変動させ、該空隙部内の空気を、該空隙部を該バック
プレート部の後方側の外方に連通させる第2の気道を介
して、入出させる。
【0027】また、上記スピーカ装置において、上記第
1の気道は、ポールピース部の後端側に形成された溝部
とバックプレート部の前面部とにより構成され、上記第
2の気道は、上記バックプレート部に形成された透孔に
より構成されていることとした場合には、該ポールピー
ス及び該バックプレートを追加工することにより構成す
ることができる。
【0028】そして、上記スピーカ装置において、上記
第1の気道は、バックプレート部の前面部の中央部に形
成された凹部より該バックプレート部の外周側に向けて
形成された溝部とポールピース部の後端部とにより構成
され、上記第2の気道は、上記バックプレート部に形成
された透孔により構成されていることとした場合には、
該バックプレート部のみを追加工することにより構成す
ることができる。
【0029】さらに、上記スピーカ装置において、上記
第1の気道は、上記ポールピース部の側壁部に形成され
た第1の透孔により構成され、上記第2の気道は、上記
ポールピース部の後端部に形成された溝部とバックプレ
ート部の中央部分に形成された第2の透孔とにより構成
され、該ポールピース部の中央部分の中空部内には、上
記第1の透孔と上記溝部とを隔てる隔壁部が配設されて
いることとした場合には、該ポールピース及び該バック
プレートを追加工することにより構成することができ
る。
【0030】そして、上記スピーカ装置において、上記
マグネットは、バックプレート部の前面部の中央部分に
取り付けられ、上記ポールピース部は、上記マグネット
の前面部に取り付けられ、上記バックプレート部は、周
縁部分に上記マグネットの周囲を囲む周壁部を有し、上
記トッププレート部は、上記バックプレート部の周壁部
の前端部に取り付けられ、上記第1の気道は、上記バッ
クプレート部の前面部の中央部に形成された凹部より該
バックプレート部の外周側に向けて形成された溝部と上
記マグネットの後端部とにより構成され、上記第2の気
道は、上記バックプレート部に形成された透孔により構
成されていることとした場合には、いわゆる内磁型の磁
気回路が構成され、また、該バックプレート部のみを追
加工することによって構成することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照
しながら説明する。本発明に係るスピーカ装置は、磁気
回路を有し、この磁気回路に電気信号を供給されて振動
板の振動を発生させることにより、該電気信号を音響に
変換する装置である。
【0032】上記磁気回路は、図1及至図12に示すよ
うに、バックプレート部となるバックプレート2と、こ
のバックプレート2の前面側に配設されたリング状のマ
グネット1、ポールピース部となるリング状のポールピ
ース3及びトッププレート部となるリング状のトッププ
レート4とを有し、該ポールピース3の外周部と該トッ
ププレート4の内周部との間に磁気ギャップ部11を形
成しているものである。
【0033】上記バックプレート2は、鉄の如き高透磁
率材料によって、略々円盤状に形成されている。上記マ
グネット1は、いわゆるフェライトマグネットやネオジ
ウムマグネットであって、リング状に形成され、上記バ
ックプレート2の前面部の周囲側部分に固着されてい
る。上記ポールピース3は、上記バックプレート2と同
様の材料によって、中央部分に中空部15を有する略々
円筒形状に形成されている。このポールピース3は、上
記バックプレート2の前面部の中央部分に、すなわち、
上記マグネット1の内方側に位置して、固着されてい
る。この磁気回路は、いわゆる外磁型の磁気回路であ
る。
【0034】上記マグネット1の前面部には、高透磁率
材料よりなるリング状のトッププレート4が固着されて
いる。そして、このトッププレート4の内周部18と上
記ポールピース3の前端側部分の外周19部とは、互い
に対向して、上記磁気ギャップ部11を形成している。
【0035】上記トッププレート4の前面部には、フレ
ーム10が、ネジ16により取り付けられている。この
フレーム10は、略々中空のコニカル(円錐)形状を有
して形成され、中央部分の後面部を上記トッププレート
4に固着され、周縁部分を前方側に向けて延在させてい
る。このフレーム10は、中央部分が透孔となされてい
る。
【0036】上記フレーム10の周縁部分には、コニカ
ル形状の振動板6の外周部分が、可撓性材料よりなる円
環状のエッジ8を介して接合されている。この振動板6
は、上記フレーム10に覆われるようにして、上記磁気
回路の前方側に位置して配設されている。
【0037】上記振動板6の中央側部分の背面部には、
後方側に向けて、ボイスコイル5が取り付けられてい
る。このボイスコイル5は、後端側部分を、上記磁気ギ
ャップ部11内に進入させている。このボイスコイル5
の上記振動板6への接合部の近傍となる前端側部分は、
可撓性材料よりなる円環状のダンパ9を介して、上記フ
レーム10の後方側部分に接合されている。
【0038】また、上記ボイスコイル5の前端部は、ド
ーム形状のセンターキャップ7により閉蓋されている。
このセンターキャップ7は、上記振動板6の中央部分の
一部をなしている。
【0039】上述の磁気回路においては、上記ボイスコ
イル5に上記電気信号が供給され、このボイスコイル5
は、上記磁気ギャップ部11内の磁束によって、前後方
向の駆動力を発生する。この駆動力は、上記振動板6を
前後方向に振動させ、音響を発生させる。
【0040】そして、このスピーカ装置は、上記磁気回
路部内に、第1及び第2の気道を有している。
【0041】上記第1の気道は、上記振動板6の背面側
となる上記ポールピース3の中央部分の中空部15を、
上記磁気ギャップ部11の後方側にこの磁気ギャップ部
11に連続して形成された空隙部14に連通させるもの
である。上記空隙部14は、前方側が上記磁気ギャップ
部11に連続されているので、該前方側より、上記ボイ
スコイル5が進入される。この空隙部14は、上記ポー
ルピース3の外周面部、上記マグネット1の内周面部及
び上記バックプレート2の前面部により囲まれて形成さ
れた空間である。
【0042】上記第2の気道は、上記空隙部14を上記
バックプレート2の後方側の外方に連通させるものであ
る。
【0043】上記第1の気道は、図1及至図12に示す
ように、上記ポールピース3の後端側に形成された溝部
12と、上記バックプレート2の前面部とにより構成さ
れている。また、上記第2の気道は、上記バックプレー
ト2に形成された複数の透孔13により構成されてい
る。これら透孔13は、上記バックプレート2の中央部
部分を囲む円周上に配列されて形成され、上記空隙部1
4の後方側に位置している。
【0044】このスピーカ装置において、上記振動板6
が上記電気信号の入力により振動すると、上記ポールピ
ース3の中空部15内の気圧が周期的に変動し、この気
圧変動が、上記第1の気道である溝部12を介して、上
記空隙部14内に伝達される。すると、上記空隙部14
内の気圧が変動し、この空隙部14内の空気は、上記第
2の気道である各透孔13を介して、上記バックプレー
ト2の後方側の外方に対して出入する。したがって、こ
のスピーカ装置においては、上記空隙部14内の空気の
外方側への出入により、上記ボイスコイル5が冷却され
る。
【0045】このスピーカ装置における上記ボイスコイ
ル5の温度上昇の様子を、図13に示すように、一定出
力のピンクノイズを上記ボイスコイル5に連続的に供給
することにより測定した。上記ピンクノイズは、周波数
が高くなるに従ってオクターブ当たり6dBで下降する
ホワイトノイズのことであって、ピンクノイズジェネレ
ータ26により発生される。このピンクノイズは、通過
帯域が50Hz及至500Hzのバンドパスフィルタ
(帯域通過フィルタ)27を経て、上記磁気回路のボイ
スコイル5に供給される。一方、上記ボイスコイル5の
直流抵抗の値よりこのボイスコイル5の温度を検出する
検出装置28が、該ボイスコイル5に接続される。
【0046】なお、上述のような測定方法は、米国の音
響技術協会(AUDIO ENGINEERING S
OCIETY,INC.)の推奨基準(AES Rec
comended Practice)に従ったもので
ある。
【0047】このような測定方法によって、図14にお
いてBで示すように、上記ボイスコイル5の温度上昇の
様子が測定された。すなわち、400Wの入力を2時間
以上継続した場合において、上記ボイスコイル5の温度
は、170゜C程度であり、600Wの入力でも、24
0゜C及至270゜C程度と、図14中にAで示す従来
のスピーカ装置のボイスコイルに比較して、30%程度
の温度低下が図られている。
【0048】なお、上記ボイスコイル5の接着には、耐
熱限界が220゜C程度の接着剤が使用されることが多
いので、本発明により、スピーカ装置の高耐入力化が実
現できる。
【0049】そして、本発明に係るスピーカ装置におい
て、上記第1の気道は、図15に示すように、上記バッ
クプレート2の前面部の中央部に形成された凹部より該
バックプレート2の外周側に向けて形成された溝部20
と上記ポールピース3の後端部とにより構成されること
としてもよい。この例において、上記第2の気道は、上
記バックプレート2に形成された上記複数の透孔13に
より構成されている。
【0050】このような構成の磁気回路を有するスピー
カ装置においても、上記空隙部14内の空気が、上記各
透孔13を介して外方側に対して出入され、上記ボイス
コイル5の冷却が図られる。
【0051】また、本発明に係るスピーカ装置におい
て、上記第1の気道は、図16に示すように、上記ポー
ルピース3の側壁部に形成された第1の透孔22により
構成されることとしてもよい。そして、この例では、上
記第2の気道は、上記ポールピース3の後端部に形成さ
れた溝部23と上記バックプレート2の中央部分に形成
された第2の透孔21とにより構成されている。さら
に、上記ポールピース3の中央部分の中空部15内に
は、上記第1の透孔22と上記溝部23とを隔てる隔壁
部24が配設されている。
【0052】このような構成の磁気回路を有するスピー
カ装置においても、上記空隙部14内の空気が、上記溝
部23及び上記透孔21を介して外方側に対して出入さ
れ、上記ボイスコイル5の冷却が図られる。
【0053】そして、本発明に係るスピーカ装置は、図
17に示すように、いわゆる内磁型の磁気回路を有して
構成されたものとしてもよい。
【0054】この磁気回路においては、上記マグネット
1は、上記バックプレート2の前面部の中央部分に取り
付けられている。このマグネット1は、いわゆるフェラ
イトマグネットやネオジウムマグネットであって、中空
部14を有する円筒状に形成されている。上記ポールピ
ース3は、薄いリング状に形成され、上記マグネット1
の前面部に取り付けられている。
【0055】上記バックプレート2は、周縁部分に、上
記マグネット1の周囲を囲む周壁部であるヨーク部を有
している。上記トッププレート4は、上記バックプレー
ト2のヨーク部の前端部に取り付けられている。
【0056】この磁気回路において、上記磁気ギャップ
部11は、上記ポールピース3の外周面部と上記トップ
プレート4の内周面部とにより形成されている。そし
て、この磁気ギャップ部11に連続してこの磁気ギャッ
プ部11の後方側に形成された空隙部は、上記トッププ
レート4の背面部、上記マグネット1の外周面部、上記
バックプレート2のヨーク部の内周面部25及びこのバ
ックプレート2の前面部とにより囲まれた空間として形
成されている。
【0057】上記トッププレート4の前面部には、上記
振動板6を支持した上記フレーム10が取り付けられて
いる。
【0058】そして、上記第1の気道は、上記バックプ
レート2の前面部の中央部に形成された凹部より該バッ
クプレート2の外周側に向けて形成された溝部20と、
上記マグネット1の後端部とにより構成されている。ま
た、上記第2の気道は、上記バックプレート2に形成さ
れた複数の透孔13により構成されている。これら透孔
13は、上記バックプレート2の中央部部分を囲む円周
上に配列されて形成され、上記空隙部の後方側に位置し
ている。
【0059】このような構成の磁気回路を有するスピー
カ装置においても、上記空隙部内の空気が、上記各透孔
13を介して外方側に対して出入され、上記ボイスコイ
ル5の冷却が図られる。
【0060】
【発明の効果】上述のように、本発明に係るスピーカ装
置においては、振動板は、振動することによって、磁気
ギャップ部の後方側にこの磁気ギャップ部に連続して形
成された空隙部内の気圧を、この振動板の背面側となる
ポールピース部の中央部分の中空部を該空隙部に連通さ
せる第1の気道を介して変動させ、該空隙部内の空気
を、該空隙部を該バックプレート部の後方側の外方に連
通させる第2の気道を介して、入出させる。
【0061】したがって、このスピーカ装置において
は、上記磁気ギャップ部内に進入されたボイスコイルに
接触した上記空隙部内の空気が上記第2の気道を介して
外方に放出されるとともに、外気が上記空隙部内に流入
されて該ボイスコイルに接触するので、該ボイスコイル
の冷却が図られる。特に、50Hz及至500Hz程度
の低帯域用のスピーカ装置として構成した場合には、上
記振動板の振幅が大きいため、冷却の効果が大きい。
【0062】上記ボイスコイルが冷却されることによ
り、高耐入力化が実現でき、また、このボイスコイルの
直流抵抗の変動が抑えられることによって変換効率の低
下が抑制される。
【0063】また、このスピーカ装置は、上記第1の気
道がポールピース部の後端側に形成された溝部とバック
プレート部の前面部とにより構成され、上記第2の気道
が上記バックプレート部に形成された透孔により構成さ
れていることとした場合には、該ポールピース及び該バ
ックプレートを追加工することにより構成することがで
きる。
【0064】そして、上記スピーカ装置は、上記第1の
気道がバックプレート部の前面部の中央部に形成された
凹部より該バックプレート部の外周側に向けて形成され
た溝部とポールピース部の後端部とにより構成され、上
記第2の気道が上記バックプレート部に形成された透孔
により構成されていることとした場合には、該バックプ
レート部のみを追加工することにより構成することがで
きる。
【0065】さらに、上記スピーカ装置は、上記第1の
気道が上記ポールピース部の側壁部に形成された第1の
透孔により構成され、上記第2の気道が上記ポールピー
ス部の後端部に形成された溝部とバックプレート部の中
央部分に形成された第2の透孔とにより構成され、該ポ
ールピース部の中央部分の中空部内には上記第1の透孔
と上記溝部とを隔てる隔壁部が配設されていることとし
た場合には、該ポールピース及び該バックプレートを追
加工することにより構成することができる。
【0066】そして、上記スピーカ装置は、上記マグネ
ットがバックプレート部の前面部の中央部分に取り付け
られ、上記ポールピース部が上記マグネットの前面部に
取り付けられ、上記バックプレート部が周縁部分に上記
マグネットの周囲を囲む周壁部を有し、上記トッププレ
ート部が上記バックプレート部の周壁部の前端部に取り
付けられ、上記第1の気道が上記バックプレート部の前
面部の中央部に形成された凹部より該バックプレート部
の外周側に向けて形成された溝部と上記マグネットの後
端部とにより構成され、上記第2の気道が上記バックプ
レート部に形成された透孔により構成されていることと
した場合には、いわゆる内磁型の磁気回路が構成され、
また、該バックプレート部のみを追加工することによっ
て構成することができる。
【0067】すなわち、本発明は、構成を複雑化するこ
となく、ボイスコイルの温度上昇を充分に抑えることが
できるスピーカ装置を提供することができるものであ
る。
【0068】また、本発明に係るスピーカ装置において
は、上記磁気ギャップの幅が全周に亘って一定であり、
この磁気ギャップ部内の磁束がこの磁気ギャップ部の全
周に亘って一定の磁束密度となされるので、磁束総量の
低下による出力低下や、磁束密度の不均一化による歪み
の発生の虞れがない。
【0069】さらに、このスピーカ装置においては、上
記各気道の断面積を適宜設定することにより、上記振動
板を含む振動系のコンプライアンスを調整することによ
る音質調整が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピーカ装置の構成を示す縦断面
図である。
【図2】上記スピーカ装置の磁気回路の構成を示す分解
斜視図である。
【図3】上記スピーカ装置の磁気回路を構成するポール
ピースの形状を示す正面図である。
【図4】上記ポールピースの形状を示す縦断面図であ
る。
【図5】上記ポールピースの形状を示す背面図である。
【図6】上記スピーカ装置の磁気回路を構成するトップ
プレートの形状を示す正面図である。
【図7】上記トッププレートの形状を示す縦断面図であ
る。
【図8】上記スピーカ装置の磁気回路を構成するマグネ
ットの形状を示す正面図である。
【図9】上記マグネットの形状を示す縦断面図である。
【図10】上記スピーカ装置の磁気回路を構成するバッ
クプレートの形状を示す正面図である。
【図11】上記バックプレートの形状を示す縦断面図で
ある。
【図12】上記バックプレートの形状を示す背面図であ
る。
【図13】スピーカ装置のボイスコイルの温度を測定す
る装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明に係るスピーカ装置及び従来のスピー
カ装置におけるボイスコイルの温度上昇を示すグラフで
ある。
【図15】本発明に係るスピーカ装置の構成の他の例で
あって、気道をバックプレートに形成したものを示す縦
断面図である。
【図16】本発明に係るスピーカ装置の構成の他の例で
あって、気道をポールピースの側面部に形成したものを
示す縦断面図である。
【図17】本発明に係るスピーカ装置の構成の他の例で
あって、磁気回路をいわゆる内磁型としたものを示す縦
断面図である。
【図18】従来のスピーカ装置の構成を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 マグネット 2 バックプレート 3 ポールピース 4 トッププレート 5 ボイスコイル 6 振動板 7 センターキャップ 11 磁気ギャップ 12 溝部 13 透孔 14 空隙部 20 溝部 21 第2の透孔 22 第1の透孔 23 溝部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 9/02 102 H04R 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バックプレート部と、このバックプレー
    ト部の前面側に配設されたリング状のマグネット、リン
    グ状のポールピース部及びリング状のトッププレート部
    とを有し、該ポールピース部の外周部と該トッププレー
    ト部の内周部との間に磁気ギャップ部を形成している磁
    気回路と、 上記磁気回路の前方側に配設され、上記磁気ギャップ部
    内に進入されたボイスコイルが背面部に取り付けられた
    振動板と、 上記振動板の背面側となる上記ポールピース部の中央部
    分の中空部を上記磁気ギャップ部の後方側にこの磁気ギ
    ャップ部に連続して形成された空隙部に連通させる第1
    の気道と、 上記空隙部を上記バックプレート部の後方側の外方に連
    通させる第2の気道とを備えているスピーカ装置。
  2. 【請求項2】 第1の気道は、ポールピース部の後端側
    に形成された溝部とバックプレート部の前面部とにより
    構成され、 第2の気道は、上記バックプレート部に形成された透孔
    により構成されている請求項1記載のスピーカ装置。
  3. 【請求項3】 第1の気道は、バックプレート部の前面
    部の中央部に形成された凹部より該バックプレート部の
    外周側に向けて形成された溝部とポールピース部の後端
    部とにより構成され、 第2の気道は、上記バックプレート部に形成された透孔
    により構成されている請求項1記載のスピーカ装置。
  4. 【請求項4】 第1の気道は、ポールピース部の側壁部
    に形成された第1の透孔により構成され、 第2の気道は、上記ポールピース部の後端部に形成され
    た溝部とバックプレート部の中央部分に形成された第2
    の透孔とにより構成され、 上記ポールピース部の中央部分の中空部内には、上記第
    1の透孔と上記溝部とを隔てる隔壁部が配設されている
    請求項1記載のスピーカ装置。
  5. 【請求項5】 マグネットは、バックプレート部の前面
    部の中央部分に取り付けられ、 ポールピース部は、上記マグネットの前面部に取り付け
    られ、 上記バックプレート部は、周縁部分に上記マグネットの
    周囲を囲む周壁部を有し、 トッププレート部は、上記バックプレート部の周壁部の
    前端部に取り付けられ、 第1の気道は、上記バックプレート部の前面部の中央部
    に形成された凹部より該バックプレート部の外周側に向
    けて形成された溝部と上記マグネットの後端部とにより
    構成され、 第2の気道は、上記バックプレート部に形成された透孔
    により構成されている請求項1記載のスピーカ装置。
JP13452894A 1994-06-16 1994-06-16 スピーカ装置 Expired - Fee Related JP3163902B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13452894A JP3163902B2 (ja) 1994-06-16 1994-06-16 スピーカ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13452894A JP3163902B2 (ja) 1994-06-16 1994-06-16 スピーカ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH089493A JPH089493A (ja) 1996-01-12
JP3163902B2 true JP3163902B2 (ja) 2001-05-08

Family

ID=15130431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13452894A Expired - Fee Related JP3163902B2 (ja) 1994-06-16 1994-06-16 スピーカ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3163902B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6330340B1 (en) * 1995-12-29 2001-12-11 Jl Audio, Inc. Loudspeaker with a diaphragm having integral vent bores
JP2002262387A (ja) * 2001-02-28 2002-09-13 Pioneer Electronic Corp スピーカ及びスピーカ装置
ITFO20050001U1 (it) * 2005-01-12 2005-04-13 Dario Cinanni Altoparlante con sistema di ricircolo per aumentare la potenza in uscita
JP2006217452A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd スピーカ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH089493A (ja) 1996-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20030081808A1 (en) Loudspeaker having cooling system
JP2002335597A (ja) 複合スピーカー
WO1990013214A1 (en) Self-cooled loudspeaker
US20130108099A1 (en) Loudspeaker having improved cooling system integrally formed on speaker frame
EP0891117B1 (en) Loudspeaker and sound reproduction system employing such a loudspeaker
JP3163902B2 (ja) スピーカ装置
US20060078151A1 (en) Loudspeaker having cooling system
JP3045032B2 (ja) ヘッドホン
JP3167226B2 (ja) スピーカ
JP2002152885A (ja) スピーカ装置
JPH10257589A (ja) 振動板及びこの振動板を備えるマイクロホン装置
JP3647103B2 (ja) 動電型スピーカ
JPS63279700A (ja) 複合型スピ−カ
JPS6251900A (ja) スピ−カ
JP2880719B2 (ja) 電気―振動変換器
JP3237380B2 (ja) スピーカ装置
JP2002142293A (ja) スピーカ装置
KR20200070056A (ko) 차량용 스피커 유닛
KR101650664B1 (ko) 진동 감소 수단을 구비한 콘형 스피커
JP2003299193A (ja) スピーカおよびそれを用いたスピーカ装置
JPH0632543B2 (ja) スピ−カ装置
JP2000138996A (ja) スピーカ装置
JP2001119788A (ja) スピーカ装置
JP2000069587A (ja) スピーカ
JPH0715259Y2 (ja) スピ−カシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010130

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees