JP3646370B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力用半導体素子として用いられる半導体装置、すなわち縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)およびIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor )に関し、その用途としては、例えば電力用半導体素子を組み込んだMOSIC等がある。
【0002】
【従来の技術】
縦型パワーMOSFETは、周波数特性が優れ、スイッチング速度が速く、かつ低電力で駆動できる等多くの特長を有することから、近年多くの産業分野で使用されている。従来の縦型パワーMOSFETとして、例えば特開昭61-199666 号公報に開示や特開昭62-12167号公報や国際公開WO93/03502号公報に開示されているように、素子表面に溝を形成し、その溝の側面にチャネル部を形成した構造が知られている。
【0003】
上記特開昭61-199666 号公報の縦型パワーMOSFETは、初期溝の形成に、物理的にイオンを衝突させるドライエッチングであるRIE(Reactive Ion Etching)を用いている。RIEにおいては電離したガスをある一定方向に加速させるため、非常に優れた異方性を有し、サイドエッチが起こりにくいという特徴がある。しかしながら、RIEにおいては、物理的に電離されたガスを半導体装置に衝突させるため、エッチングされた面に格子欠陥が必然的に発生し、移動度が下がり結果としてオン抵抗が増加してしまうという問題がある。
【0004】
また、格子欠陥が発生しにくい縦型パワーMOSFETとして、例えば国際公開WO93/03502号や特開昭62-12167号に開示されたようにウエットエッチングを用いて初期溝を形成し、その初期溝をLOCOS酸化(選択酸化)させ、そのLOCOS酸化膜を除去することでU溝を形成する縦型パワーMOSFETがある。これらの形状は、トレンチ形状に対してバスタブ形状といわれる。しかしながら、上記WO93/03502号公報や特開昭62-12167号公報に開示された縦型パワーMOSFETは、ウエットエッチングを用いているため、液ムラによりウエハ面内で均一に安定した深さの溝を形成することができず、初期溝表面の形状が不均一となって、初期溝の表面に格子欠陥が残ってしまう。これにより、その後のLOCOS酸化によっても格子欠陥が残ってしまい、チャネル表面となる領域の移動度が下がってしまい、結果としてオン抵抗が上昇するという問題があった。
【0005】
また、ゲート絶縁膜形成時においてU溝表面、特にU溝の側面と底面との境界部分に応力がかかり、これによりチャネル領域となるU溝表面に欠陥が生じてしまい、オン抵抗が上昇してしまうという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本願出願人は先に上記初期溝を形成するに当たって、ガスの浸食のみで半導体基板を削るケミカルドライエッチングを採用し、初期溝の格子欠陥をなくすことで、その後のLOCOS酸化によっても格子欠陥をなくし、結果としてオン抵抗を飛躍的に減少させることができる半導体装置を、特願平6−60693号として提案している。
【0007】
そこで本発明の目的は、初期溝の形成にケミカルドライエッチングを採用する半導体装置において、更にU溝の側面と底面との境界部分に応力がかかることから生じるU溝表面の格子欠陥を防止でき、オン抵抗を低減できる半導体装置を得ることである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記構成の請求項記載の発明によれば、半導体基板の表面の所定領域をケミカルドライエッチング法により除去するため、溝部は、欠陥が少ない平坦な平面を有する。そして、この溝部の平面をチャネル領域として使用するため、キャリアの表面散乱が抑制されてチャネル移動度を更に向上できるため、低いオン抵抗を得ることができる。
【0022】
そして、溝部の深さを入口幅の1/2以下とするため、ゲート絶縁膜形成時に溝部の側面と底面との合流点において応力がかかりにくくなる。これにより応力による溝部の結晶欠陥の発生を防止でき、チャネル移動度を向上でき、オン抵抗を下げることができる。
上記構成の請求項記載の発明によれば、半導体基板の表面の所定領域をケミカルドライエッチング法により除去するため、溝部は、欠陥が少なく、所定領域において凹凸の高低差が4nm以内の平坦な平面を有する。そして、この溝部の平面をチャネル領域として使用するため、キャリアの表面散乱が抑制されてチャネル移動度を更に向上できるため、低いオン抵抗を得ることができる。
【0023】
そして、溝部の深さを入口幅の1/2以下とするため、ゲート絶縁膜形成時に溝部の側面と底面との合流点において応力がかかりにくくなる。これにより応力による溝部の結晶欠陥の発生を防止でき、チャネル移動度を向上でき、オン抵抗を下げることができる。
【0024】
上記構成の請求項記載の発明によれば、溝部における底面を主表面から0.5μm以上、5μm以下の深さとすることで、更に低いオン抵抗を得ることができる。
上記構成の請求項記載の発明によれば、半導体基板の表面の所定領域をケミカルドライエッチング法により除去するため、溝部は、欠陥が少なく、所定領域において凹凸の高低差が4nm以内の平坦な平面を有する。そして、この溝部の平面をチャネル領域として使用するため、キャリアの表面散乱が抑制されてチャネル移動度を更に向上できるため、低いオン抵抗を得ることができる。
【0025】
そして、側面が半導体基板の主表面に対して傾斜した平面を有し、入口と底面とを連続的に結んでいるため、側面と底面と角度も緩やかになる。よって、ゲート絶縁膜形成時に、溝部の側面と底面との合流点において応力がかかりにくくなる。これにより応力による溝部の結晶欠陥の発生を防止でき、チャネル移動度を向上でき、オン抵抗を下げることができる。
【0026】
上記構成の請求項記載の発明によれば、溝部における側面を主表面に対する角度が略55°±15°とすることで、チャネル領域の面方位を{111}、もしくは{111}面に近い面とすることができる。従って、更に低いオン抵抗を得ることができる。
上記構成の請求項記載の発明によれば、半導体基板の表面の所定領域をケミカルドライエッチング法により除去するため、溝部は、欠陥が少なく、所定領域において凹凸の高低差が4nm以内の平坦な平面を有する。そして、この溝部の平面をチャネル領域として使用するため、キャリアの表面散乱が抑制されてチャネル移動度を更に向上できるため、低いオン抵抗を得ることができる。
【0027】
そして、側面と底面との間に形成された滑らかな曲面からなり、側面と底面との間に働く応力を緩和する底部曲面を備えているため、ゲート絶縁膜形成時に、溝部の側面と底面との合流点において応力がかかりにくくなる。これにより応力による溝部の結晶欠陥の発生を防止でき、チャネル移動度を向上でき、オン抵抗を下げることができる。
【0028】
上位構成の請求項記載の発明によれば、初期溝をLOCOS酸化するため、所望の大きさの溝部を形成させることができる。
上記構成の請求項記載の発明によれば、ベース層を酸化膜と自己整合的に主表面側から第2導電型の不純物を拡散させて形成し、またソース層を、酸化膜と自己整合的に主表面側からベース層内に第1導電型の不純物を拡散させることで形成する。このように自己整合的に二重拡散を行うため、位置合わせのための余分な寸法を用意する必要がないため、ユニットセルの寸法を小さくできる。この結果、オン抵抗を小さくすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態を説明する。
図1(a)は本発明の第1の実施の形態による四角形ユニットセルからなる縦型パワーMOSFETの平面図であり、同図(b)は同図(a)におけるA−A断面図である。図2〜図22は同じく縦型パワーMOSFETの製造における各段階での説明図である。また、図4はp型ベース層の中央部形成のためにボロンイオン注入をしたウエハの断面図、図5はLOCOS酸化のために窒化シリコン膜をユニットセル寸法aの間隔でパターニングしたウエハの断面図、図8はLOCOS酸化膜が形成されたウエハの断面図、図9はLOCOS酸化膜をマスクとしてp型ベース層形成のためにボロンイオン注入をしたウエハの断面図、図10は熱拡散によりp型ベース層を形成したウエハの断面図、図11はLOCOS酸化膜をマスクとしてn+ 型ソース層形成のためにリンイオン注入をしたウエハの断面図、図12は熱拡散によりn+ 型ソース層を形成したウエハの断面図、図18はLOCOS酸化膜を除去した後に熱酸化によりゲート酸化膜を形成したウエハの断面図、図19はゲート酸化膜の上にゲート電極が形成されたウエハの断面図、図21はp+ 型ベースコンタクト層形成のためにボロンイオン注入をしたウエハの断面図、図22は熱拡散によりp+ 型ベースコンタクト層を形成したウエハの断面図、そして、図1(b)が層間絶縁膜,ソース電極およびドレイン電極を形成したウエハの完成断面図である。
【0030】
この実施の形態の縦型パワーMOSFETは、その要部、即ちユニットセル部分を図1に示すような構造として、このユニットセル15がピッチ幅(ユニットセル寸法)aで平面上縦横に規則正しく多数配置された構造となっている。
図1において、ウエハ21は不純物濃度が2×1019cm-3程度で厚さ100〜400μmのn+ 型シリコンからなる半導体基板1上に不純物密度が1016cm-3程度の厚さ7μm前後のn- 型エピタキシャル層2が構成されたものであり、このウエハ21の主表面にユニットセル15が構成される。ウエハ21の主表面に16μm程度のユニットセル寸法aでU溝50を形成するために、厚さ1μm程度のLOCOS酸化膜を形成し、この酸化膜をマスクとしてボロン(B)とリン(P)とを自己整合的な二重拡散により接合深さが1μm程度のp型ベース層16と、接合深さが0.5μm程度のn+ 型ソース層4とが形成されており、それによりU溝50の側壁部51に0.5μm程度のチャネル5が設定される。なお、p型ベース層16の接合深さはU溝50底辺のエッジ部12でブレークダウンによる破壊が生じない深さに設定されている。また、p型ベース層16の中央部の接合深さが周囲よりも深くなるように、あらかじめp型ベース層16の中央部にボロンが拡散されており、ドレイン・ソース間に高電圧が印加されたときに、p型ベース層16の底面の中央部でブレークダウンが起こるように設定されている。即ち、U溝50はp型ベース層16よりも浅くなるように設定されている。また、二重拡散後にこの拡散マスク及びU溝50形成用として使用したLOCOS酸化膜は除去されて、U溝50の内壁には厚さが60nm程度のゲート酸化膜8が形成され、さらに、その上に厚さが400nm程度のポリシリコンからなるゲート電極9、厚さが1μm程度のBPSGからなる層間絶縁膜18が形成されている。さらに、p型ベース層16の中央部表面に接合深さが0.5μm程度のp+ 型ベースコンタクト層17が形成され、層間絶縁膜18の上に形成されたソース電極19とn+ 型ソース層4およびp+ 型ベースコンタクト層17がコンタクト穴を介してオーミック接触している。また、半導体基板1の裏面にオーミック接触するようにドレイン電極20が形成されている。
【0031】
次に本実施の形態の製造方法を述べる。
まず、図2,図3に示されるように、n+ 型シリコンからなる面方位が(100)である半導体基板1の主表面にn- 型のエピタキシャル層2を成長させたウエハ21(半導体基板1とエピタキシャル層2とで半導体基板に相当)を用意する。この半導体基板1はその不純物濃度が2×1019cm-3程度になっている。また、エピタキシャル層2はその厚さが7μm程度で、その不純物濃度は1016cm-3程度となっている。次に、図4に示される様に、このウエハ21の主表面を熱酸化して厚さ50nm程度のフィールド酸化膜60を形成し、その後レジスト膜61を堆積して公知のフォトリソ工程にてセル形成予定位置の中央部に開口するパターンにレジスト膜61をパターニングする。そして、このレジスト膜61をマスクとしてボロン(B+ )をイオン注入する。
【0032】
レジスト剥離後、熱拡散により図5に示すように接合深さが1μm程度のp型拡散層62を形成する。このp型拡散層62は最終的には後述するp型ベース層16の一部となり、ドレイン・ソース間に高電圧が印加されたとき、p型拡散層62の底辺部分で安定にブレークダウンを起こさせることにより、耐サージ性を向上させる目的を果たす。
【0033】
次に、図5に示すように、ウエハ21の主表面に窒化シリコン膜63を約200nm堆積し、この窒化シリコン膜63を図6に示すように<011>方向に垂直及び平行になるようにパターニングして、ピッチ幅(ユニットセル15の寸法)aで開口する格子状の開口パターンを形成する。なお、この開口パターンは上述のp型拡散層62がそのピッチ間隔の中央部に位置するようにマスク合わせしている。
【0034】
次に、窒化シリコン膜63をマスクとしてフィールド酸化膜60をエッチングし、ひきつづき図7に示すように、四フッ化炭素と酸素ガスを含む放電室702でプラズマを発生させて、化学的な活性種を作り、この活性種を反応室703へ輸送し、反応室703でn- 型エピタキシャル層2を等方的にケミカルドライエッチングして溝64を形成する。
【0035】
次に、図8に示すように、窒化シリコン膜63をマスクとして溝64の部分を熱酸化する。これはLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法として良く知られた酸化方法であり、この酸化によりLOCOS酸化膜65が形成され、同時にLOCOS酸化膜65によって喰われたn- 型エピタキシャル層2の表面にU溝50が形成され、かつU溝50の形状が確定する。
【0036】
この時、U溝50の側面のチャネル形成部の面方位が(111)面もしくは(111)面に近い面となるようにケミカルドライエッチングの条件とLOCOS酸化の条件を選ぶ。
このようにしてLOCOS酸化により形成されたU溝50の内壁表面は平坦で欠陥が少なく、その表面は図2に示されるウエハ21の初期の主表面と同程度に表面状態が良い。
【0037】
次に、図9に示すように、LOCOS酸化膜65をマスクとして、薄いフィールド酸化膜60を透過させてp型ベース層16を形成するためのボロンをイオン注入する。このとき、LOCOS酸化膜65とフィールド酸化膜60の境界部分が自己整合位置になり、イオン注入される領域が正確に規定される。
次に、図10に示すように、接合深さ1μm程度まで熱拡散する。この熱拡散により、図5に示す工程において前もって形成したp型拡散層62と、図9に示す工程において注入されたボロンの拡散層が一体になり、一つのp型ベース層16(ベース層に相当)を形成する。また、p型ベース層16の領域の両端面はU溝50の側壁の位置で自己整合的に規定される。
【0038】
次に、図11に示すように、格子状のパターンでウエハ21表面に形成されているLOCOS酸化膜65により囲まれたp型ベース層16表面中央部に残されたパターンでパターニングされたレジスト膜66とLOCOS酸化膜65を共にマスクとして、薄いフィールド酸化膜60を透過させてn+ 型ソース層4を形成するためのリン(又はひ素)をイオン注入する。この場合も図9に示す工程においてボロンをイオン注入した場合と同様に、LOCOS酸化膜65とフィールド酸化膜60の境界部分が自己整合位置になり、イオン注入される領域が正確に規定される。
【0039】
次に、図12に示すように、接合深さ0.5μm熱拡散し、n+ 型ソース層4を形成し、同時にチャネル5(チャネル領域に相当)も設定する。この熱拡散において、n+ 型ソース層4の領域のU溝50に接した端面は、U溝50の側壁の位置で自己整合的に規定される。
以上、図9〜図12の工程によりp型ベース層16の接合深さとその形状が確定する。このp型ベース層16の形状において重要なことは、p型ベース層16の側面の位置がU溝50の側面により規定され、自己整合されて熱拡散するため、U溝50に対してp型ベース層16の形状は完全に左右対称になる。
【0040】
次に、図13に示すように、LOCOS酸化膜65を弗酸を含む水溶液700中で、フッ化アンモニウムによりPHが5程度に調整された状態で、シリコンの表面を水素で終端させながら酸化膜を除去してU溝50の内壁51を露出させる。
この後、水溶液中から取りだし、清浄な空気中で乾燥させる。
【0041】
次に、図15に示すように、チャネルが形成される予定のp型ベース層16のU溝の側面5に(111)面が形成されるまで酸化膜を形成する。この熱酸化工程により、チャネルが形成される予定面の原子オーダーでの平坦度が高くなる。この熱酸化工程は、図14に示すように、酸素雰囲気に保たれ、約1000℃に保持されている酸化炉601にウエハ21を固定したウエハボート603を徐々に挿入することにより行う。このようにすると、酸化の初期は比較的低い温度で行われるため、p型ベース領域16、n+ 型ソース領域4の不純物が、酸化工程中にウエハ外部に飛散することを抑えられる。この酸化膜をパッド酸化膜600という。次に、図16に示すように、このパッド酸化膜600を除去する。この酸化膜600の除去も選択酸化膜の除去と同様に弗酸を含む水溶液中で、フッ化アンモニウムによりPHが5程度に調整された状態で、露出されたシリコンの表面を水素で終端させながら行う。このような方法で形成されたU溝50の内壁51は、平坦度が高く、また欠陥も少ない良好なシリコン表面である。
【0042】
つづいて図18に示すように、U溝50の側面及び底面に熱酸化により厚さ50nm程度のゲート酸化膜8を形成する。この酸化工程は前述したのと同様に、酸素雰囲気に保たれ、約1000℃に保持されている酸化炉601にウエハ21を徐々に挿入する。このようにすると、酸化の初期は比較的低い温度で行われるため、p型ベース領域16、n+ 型ソース領域4の不純物が、酸化工程中にウエハ外部に飛散することを抑えられる。ゲート酸化膜8の膜質や、厚さの均一性、チャネル5の界面の界面準位密度,キャリア移動度は従来のDMOSと同程度に良好である。
【0043】
次に、図19に示すように、ウエハ21の主表面に厚さ400nm程度のポリシリコン膜を堆積し、隣接した二つのU溝50の上端の距離bよりも2βだけ短い距離Dだけ離間するようにパターニングしてゲート電極9を形成する。次にゲート電極9の端部においてゲート酸化膜8が厚くなるよう酸化する。この時図20に示すようにゲート酸化膜が、ゲート端部で厚くなる部分の長さをxとすると、β>xとなるようにβを設定する。
以上、図9〜図19に示す工程は本実施の形態において最も重要な製造工程の部分であり、LOCOS酸化膜65を自己整合的な二重拡散のマスクとして使用し、p型ベース層16,n+ 型ソース層4及びチャネル5を形成し、次にLOCOS酸化膜65を除去した後、ゲート酸化膜8,ゲート電極9を形成する。
【0044】
次に、図21に示すように、パターニングされたレジスト膜68をマスクとして酸化膜67を透過してp+ 型ベースコンタクト層17を形成するためのボロンをイオン注入する。
次に、図22に示すように、接合深さ0.5μm程度熱拡散し、p+ 型ベースコンタクト層17を形成する。
【0045】
そして、図1(b)に示すように、ウエハ21の主表面にBPSGからなる層間絶縁膜18を形成し、その一部にコンタクト穴開けを行いp+ 型ベースコンタクト層17とn+ 型ソース層4を露出させる。さらに、アルミニウム膜からなるソース電極19を形成し、前記コンタクト穴を介してp+ 型ベースコンタクト層17とn+ 型ソース層4とにオーミック接触させる。さらに、アルミニウム膜保護用としてプラズマCVD法等により窒化シリコン等よりなるパッシベーション膜(図示略)を形成し、また、ウエハ21の裏面にはTi/Ni/Auの3層膜からなるドレイン電極20を形成し、n+ 型半導体基板1にオーミック接触をとる。
【0046】
図23は、図1に示された構造においてU溝50の底面の深さDを0〜1.2μmの間で変化させた場合の、オン抵抗RSPとドレイン・ソース間のブレークダウン電圧BVDSの変化を示した図である。ここで、D=0の構造はプレーナ型DMOSFETに相当する。図よりD=1.0μmの場合、オン抵抗RSPは47mΩ・mm2 となり、D=0のプレーナ型に対して41%オン抵抗は減少されていることがわかる。
【0047】
また、ドレイン・ソース間のブレークダウン電圧BVDSはD≦1.0μmの時は52V一定となっているが、D>1.0μmでは徐々にBVDSは低下しておりD=1.2μmにおいては50Vになっていることがわかる。これにより、素子全体のブレークダウンを起こりにくくするため、p型ベース層16の接合深さよりもU溝50の深さを浅くすることが好ましい。
【0048】
上記のように構成された本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、選択酸化に先立ち低濃度の半導体層の表面の所定領域をケミカルドライエッチング法により除去する。ケミカルドライエッチング法はドライエッチング法の一種でありプロセスの制御性が高く、ウエハ面内で均一なエッチングがおこなえ、再現性も高い。またケミカルドライエッチング法はドライエッチングプロセスのなかでは比較的被エッチング面に与えるダメージが小さい。そして、このケミカルドライエッチングの後に溝64表面を酸化する。また、溝64表面をケミカルドライエッチング法を用いることにより、欠陥の少ない表面を有する溝64が形成され、その表面を酸化させるため、酸化が開始される時から均一に酸化され、結果として得られるU溝50の表面も欠陥の少ない表面を得ることができる。そして、このU溝50の表面をチャネル領域として使用するため、低いオン抵抗を得ることができる。また、チャネル領域用の溝としてのU溝50を形成するために、ケミカルドライエッチングと酸化という2段階の工程を踏んでいるため、所望の幅のU溝50を得たい場合は、酸化させる幅を制御すれば良いので、溝形状も正確に制御することができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、ケミカルドライエッチング工程は等方性であるので、溝64に角がなくなり、このため酸化により形成されるU溝50にも角がなくなる。このためゲート・ドレイン間耐圧及びゲート・ソース間耐圧が向上する。また溝部の結晶欠陥が少なくなることからも、ゲート電極とベース層との間の絶縁破壊を防止でき、ゲート電極とベース層との間の耐圧が向上できる。
【0050】
また、溝64のn- 型エピタキシャル層2表面付近の角度が90度に近くなり、選択酸化後に形成されるU溝50の側面の傾斜角を急角度にすることができセルサイズを縮小して低オン電圧を得ることもできる。
また、本実施の形態によれば、ケミカルドライエッチング工程において、半導体基板1もしくはn- 型エピタキシャル層2の上方に実質的に陰極降下のため、電離されたガスが、n- 型エピタキシャル層2表面に欠陥を与えてしまうほどの速度で衝突することがない。このため、形成される溝64の表面を欠陥の非常に少ない表面とすることができる。
【0051】
図24はU溝を有する構造(U溝の深さ0.9μm)において、LOCOS酸化膜が内部応力であるストレスSにどのように影響を及ぼしているかを調べた図である。図中白丸はLOCOS酸化膜のないもの、黒丸はLOCOS酸化膜を形成したもののストレスを調べたものである。LOCOS酸化膜を形成した構造においては、応力差(引張応力と圧縮応力との差)が±150MPaもあることがわかる。しかしながら、これらの内部応力は製造工程の途中でLOCOS酸化膜を除去することで緩和させることができる。
【0052】
また、図25はLOCOS酸化膜を除去してゲート酸化膜を形成した際の内部応力(ストレスS)を調べた図である。(a)はU溝の深さを0.9μm、U溝を形成する領域の距離、即ち入口幅bを2μmとした場合であり、また(b)は同じく入口幅bを4μmとした場合であり、(c)は入口幅bを5μmとした場合である。なお入口幅bとは、図26(a)に示すように側面51の対向した2つの平面のうちの一方の平面の接線L1と主表面の接線L3とが交差する点から、他方の平面の接線L2と前記主表面の接線とが交差する点までの距離bのことをいう。ここで、図26は説明の簡単化のためにゲート酸化膜の記載は省略してあるが、実際にはU溝の表面には図18のようにゲート酸化膜が形成されている。そして、入口幅b,深さD,側面の平面はそれぞれゲート酸化膜が形成された後の寸法を示すものである。図25において、内部応力はLOCOS酸化膜形成時の1/4〜1/7に減少しており、入口幅bを大きくするに従って内部応力は緩和されていることがわかる。図25(a),(b),(c)より、U溝の深さDを0.9μmとした場合、入口幅bを5μm、4μm、2μmと縮小していった場合、内部応力差はそれぞれ40MPa、50MPa、70MPaと増加している。形成するゲート酸化膜の膜厚にもよるが、さらに入口幅bを縮小していった場合は、内部応力差は急激に増加していくことが予想される。内部応力差が70MPaを越えると側面511と底面との境界(図26の512付近)で歪みが生じ、この部分で格子欠陥が生じる可能性があるため、それを防止するため、U溝の深さDに対し、入口幅bは2倍以上とすることが好ましい。即ち、U溝を形成する場合、その深さDは入口幅bの1/2以下とすることが好ましい。
【0053】
以上のように本発明の各実施の形態においては、U溝の底面を入口幅bの1/2以下とするため、ゲート酸化膜の形成時にU溝の側面と底面との合流点において応力がかかりにくくなった。従って応力による結晶欠陥の発生を防止でき、チャネル移動度を向上できるため、低オン抵抗を得ることができる。
また、本実施の形態においては、図26(b)に示すように側面51がウエハの主表面に対してθだけ傾斜した平面511を有し、入口と底面とを連続的に結んでいるため、側面と底面と角度も緩やかになる。よって、ゲート絶縁膜形成時に、U溝50の側面と底面との合流点において応力がかかりにくくなる。これにより応力によるU溝50の結晶欠陥の発生を防止でき、チャネル移動度を向上でき、オン抵抗を下げることができる。ここで、θは0度よりも大きく90度よりも小さいものである。
【0054】
そして、側面と底面との間に形成された滑らかな曲面からなって、側面と底面との間に働く応力を緩和する底部曲面512を備えているため、ゲート絶縁膜形成時に、U溝50の側面と底面との合流点において応力がかかりにくくなる。これにより応力によるU溝50の結晶欠陥の発生を防止でき、チャネル移動度を向上でき、オン抵抗を下げることができる。なお、U溝50の入口部分に入口曲面513を備えていることが好ましい。
【0055】
本実施の形態では図2、図3に示されているようにウエハ21として(100)面のシリコンを用いた。図27は入口部分の幅(入口幅bに相当)を4μm、深さDを0.9μmのU溝を形成するべく、1μmのLOCOS酸化膜を形成した段階(図8に相当)の断面図である。この図においてU溝50の側面はウエハ表面に対して55°の傾斜角が付いている。ここで傾斜角とは、側面に平坦な面がある場合はその面の角度をいい、側面に平坦な面がなく変曲点を有する滑らかな曲面で構成されている場合は、その曲面の変曲点での接線の傾きを言うものとする。本発明においては、この傾斜角が55°±15°の間であることにより、チャネルの移動度をさらに向上させることができ、これによりオン抵抗を下げることができる。
【0056】
この55°の角度を持つU溝50の側面の面方位を、電子線による格子像観察で調べた。この結果、この面はシリコン(111)面であることが分かった。更に、側面はSiO2 /Si界面におけて平坦な平面を有しており、平面の表面粗度、即ち局部的(所定領域)に見た凹凸の高低差dは、TEM観察により4nm以内(±2nm以内)であることが分かった(図28)。ここで(111)面はフォノン散乱が小さく非常に移動度の高い面であるため、オン抵抗は非常に小さくなる。また、表面粗度が4nm以内と小さいため、キャリアの表面散乱も少なくなり移動度が低下することがない。これによってもオン抵抗は小さくなる。なお、本実施例でいう所定領域は、数十nm平方の範囲をいうものとし、図28では30〜40nm平方で観察した場合を示している。
【0057】
このように、ケミカルドライエッチングにより、チャネル領域となる領域において凹凸の高低差dが4nm以内の平面を備えたため、チャネル領域での平坦度が良くなり、チャネル移動度を向上でき、低オン抵抗を得ることができる。
さらに半導体基板の面方位を{100}面としたため、低オン抵抗を得ることができた。そして、半導体基板、ベース層及びソース層をシリコンで構成し、更にU溝の側面におけるチャネル領域の面方位を{111}面もしくは{111}面に近い面とした。シリコンにおける{111}面は移動度が高いため、さらに低オン抵抗を得ることができた。
【0058】
また、ベース層を酸化膜と自己整合的に主表面側から第2導電型の不純物を拡散させて形成し、またソース層を、酸化膜と自己整合的に主表面側からベース層内に第1導電型の不純物を拡散させることで形成した。このように自己整合的に二重拡散を行うため、位置合わせのための余分な寸法を用意する必要がないため、ユニットセルの寸法を小さくでき、低面積化が可能となった。この結果、オン抵抗を小さくすることができた。
【0059】
また、U溝50の側面が平面を有しているため、側面形成されるチャネル領域の移動度を向上できる。また、側面は底面と底部曲面により滑らかに結ばれているため、U溝50の側面と底面との合流点において応力がかかりにくくなる。これにより応力によるU溝50の結晶欠陥の発生を防止でき、更にチャネル移動度を向上でき、オン抵抗を下げることができる。
【0060】
さらに、U溝50の側面の平面うちの一方の平面の接線と主表面の接線とが交差する点から、他方の平面の接線主表面の接線とが交差する点までの距離である入口幅bが、底面の深さDの2倍以上であるため、製造時にU溝50の側面と底面との合流点において応力がかかりにくくなる。これにより応力によるU溝50の結晶欠陥の発生を防止でき、チャネル移動度を向上でき、オン抵抗を下げることができる。
(第2の実施の形態)
以下に本発明の第2の実施の形態を示す。
【0061】
図29は、第2の実施の形態の半導体装置の断面図である。第1の実施の形態と異なるのは、ユニットセルが16μm×16μmの正方形ということである。またU溝の深さDは0.9μm、入口幅bは4μm、チャネル領域となる側面の面方位は(111)面である。図30は図29に示したユニットセルを集積させたチップ(半導体装置)の平面図である。この図でチップ寸法は2.5mm×2.5mm、集積度は13,135セル、有効セル面積SA は3.36mm2 である。
【0062】
図31は図30に示した半導体装置の電流−電圧特性を示す図である。ゲート・ソース間電圧(VGS)=16Vの時、115mVと5.17Aという動作点を用い、(VDS/ID )×SA の式に代入することにより、オン抵抗rSPは75mΩ・mm2 と計算された。そしてVGS=10Vにおいては、適当な動作点を用いることにより、オン抵抗rSPは85mΩ・mm2 と計算された。また、しきい値電圧はドレイン電流が1mAにおいて1.2Vであった。図32はドレインのブレークダウン特性を調べた図であり、図よりドレイン・ソース間のブレークダウン電圧は50Vと測定された。
【0063】
図33は図29に示した16μm×16μm角のユニットセルの、VGS=16V,VDS=0.6Vの条件における電界分布を示した図である。図においてチャネル長は0.5μm、各等電位線の間隔は0.05Vである。計算の結果、ドレイン電流ID =4.5×10-5A/μm、ブレークダウン電圧BVDS=52Vと見積もられた。この内、ブレークダウン電圧BVDS=52Vは実測値の50Vと非常に近い値である。そして、ドレイン電流ID =4.5×10-5A/μmから、オン抵抗rSPは66mΩ・mm2 と計算され、その配分はrch=23mΩ・mm2 、racc =13mΩ・mm2 、rdrift =30mΩ・mm2 となる。
【0064】
図34は、ゲート電圧VGSを変化させた場合の、ドレイン電流の実測値ID 、チャネルにおける電圧降下Vch、チャネル移動度の実効値μeff の変化をそれぞれ示したものである。ドレイン電流ID のグラフより、しきい値電圧VTH=2.3Vと読むことができる。
ここで、チャネルにおける電圧降下Vchは図35に示すように定義され、数式1のように計算される。
【0065】
【数1】
ch=VDS−ID ・(racc +rdrift +rsub
ここで、rsub は基板における抵抗であり、本実施の形態の場合、rsub =10mΩ・mm2 とした。
そしてチャネル移動度μeff は数式2のように計算される。
【0066】
【数2】
μeff =(L/W)・(tox/εox)・ID /{Vch・(VGS−VTH)}
ここでL,Wはそれぞれチャネル長及びチャネル幅であり、tox,εoxはそれぞれ酸化膜の厚さ及び誘電率である。
図35に示すように、300cm2 /V・sを越えるチャネル移動度が得られたことがわかる。
【0067】
以上説明した第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、U溝50の側面と底面との境界部分に応力がかかることから生じるU溝表面の格子欠陥を防止でき、オン抵抗を低減できる。
ここで、特開平61-199666 号公報に示されたような、初期溝の形成に、物理的なイオンを衝突させるドライエッチングであるRIEを用いた縦型パワーMOSFETや、特開昭62-12167号公報や国際公開WO93/03502号公報に示されたような、初期溝の形成に、ウエットエッチングを用いた縦型パワーMOSFETにおいては、最終的にできあがるU溝の表面にかなり凹凸が残っているため、オン抵抗は増加してしまうが、ゲート酸化膜形成時にその凹凸が内部応力を吸収して、U溝の側面と底面との境界部分に印加される内部応力を緩和する。しかしながら、特願平6-60693 号として提案したような、ケミカルドライエッチングで初期溝を形成してLOCOS酸化し、その後LOCOS酸化膜を除去することでU溝を形成するものにおいては、U溝の表面に凹凸が少ないためオン抵抗は減少できるが、ゲート酸化膜形成時には内部応力が吸収されにくく、U溝の側面と底面との境界部分に内部応力が印加されてしまう。本願出願は、このようなトレードオフの関係を同時に満足するために成されたものである。
【0068】
なお、上記第1及び第2の実施の形態においては上記した効果の他にも以下のようなメリットがある。
即ち、酸化工程の後に酸化膜を除去してチャネル領域を露出させる工程を、水溶液中でn- 型エピタキシャル層2の表面のダングリングボンドを水素で終端させながら行う。反応活性の高いダングリングボンドが汚染物質と反応する前に水素と反応して安定状態となり、汚染物質とn- 型エピタキシャル層2との反応を防ぐことができる。その後酸素中に暴露するとさらに安定な酸化膜が形成されU溝50表面を保護するため、その後のチャネル領域の汚染を避けることができるため、高いチャネル移動度が得られ、低オン電圧を得ることができる。
【0069】
また、酸化膜を除去する間は酸化膜の表面に光を照射しないようにすることにより、酸化膜を通してチャネル領域となる半導体層に光が照射されないようにすることが好ましい。これにより、チャネル領域付近のn+ 型ソース層4とp型ベース層16との電位がほぼ等しくなり、局所的にエッチングが進行するのが防止できて、均一なエッチングを行うことができる。この結果、平坦なチャネル領域が得られ、更に高い移動度を得ることができる。
【0070】
そして、選択酸化膜を除去して得られたU溝50の側面の面方位を{111}面としている。側面のシリコン原子は水素1個で終端されるようになり、原子的に平坦な側面が得られため、高いチャネル移動度を得ることができる。
また、酸化膜を除去する工程をPHを4以下の水溶液中で行うため、U溝50の側面のシリコン原子は水素原子1個で終端される率がさらに高まり、原子的に平坦な{111}面が得られ、高いチャネル移動度を得ることができる。
【0071】
なお、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、具体的な数値を用いて本発明を説明したが、本発明は上記数値に限られたものではない。第1の実施の形態においては16μm角のユニットセルを製造するために上記値を示したが、例えば、12μm角のユニットセルにおいては、LOCOS酸化膜の厚さを0.7μm程度、p型ベース層16の接合深さDを0.9μm程度、n+ 型ソース層4の接合深さDを0.4μm程度に設定するというようにユニットセル寸法に従って各膜厚、各接合深さDを適宜変更すれば良い。
【0072】
また、半導体基板、ベース層及びソース層をシリコンで構成し、更にU溝の側面におけるチャネル領域の面方位を{110}面もしくは{100}面とすれば、シリコンにおける{110}面、{100}面は移動度が比較的高いため、さらに低オン抵抗を得ることができる。
また、U溝における底面を主表面から0.5μm以上、5μm以下の深さDとすることが好ましく、この範囲では更に低オン抵抗を得ることができるが、本発明においてはこの値に限定されるものではない。同様にU溝における入口幅bを0.5μm以上とすること、またU溝における側面を主表面に対して略55°とすることが好ましく、この範囲、数値で更に低いオン抵抗が望めるが、本発明においてはこの値に限定されるものではない。また初期溝をLOCOS酸化するため、所望の大きさのU溝50を形成させることができる。しかしながら、初期溝形成は、LOCOS酸化以外の他の酸化でも良い。
【0073】
また製造方法においては、図13で示される、弗酸を含む水溶液中でのLOCOS酸化膜の除去後、本実施の形態では自然酸化によりシリコン表面を自然酸化膜で保護したが、この工程を高温、例えば900℃で行ってもよい。そして、n型ソース層,p型ソース層の形成をLOCOS酸化膜の除去後に、レジストマスクを用いて行っても良い。また、選択酸化膜を除去して得られた溝の側面の面方位が低指数面の{110}面や{100}面となるように、基板の面方位,パターニング形状を選択しても良い。
【0074】
なお、上記実施の形態は本発明を縦型パワーMOSFETに適用した場合についてのみ説明したが、それに限定されるものではなく、このような縦型パワーMOSFETを組み込んだパワーMOSICに適用しても良い。またさらに、本実施の形態においては半導体基板としてn+ 型半導体基板を持ちいた縦型パワーMOSFETについて説明したが、p+ 型半導体基板を用いた絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)のゲート構造にも適用することができる。また、本実施の形態ではnチャネル型についてのみ説明したが、n型とp型の半導体の型を入れ換えたpチャネル型についても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0075】
また、ケミカルドライエッチング工程を、CCl4,Cl2,SF6,CFCl3,CF2Cl2,CF3Cl,CHF3,C2ClF5,F2,NF3,BCl3 の内の何れか一つもしくは複数を含むガス系で行っても良い。これにより効率良くエッチングすることができる。さらに、本実施の形態においては、半導体基板に電圧を印加しないで行ったが、ケミカルドライエッチング工程は、電離されたガス雰囲気中において、半導体層の上方での陰極降下の絶対値が10V未満の状態で行なっても良い。これにより電離されたガスが、半導体層表面に欠陥を与えてしまうほどの速度で衝突することがなくなる。そして、形成される溝64の表面を欠陥の非常に少ない表面とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態による縦型パワーMOSFETの一部を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図2】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図3】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図4】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図5】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図6】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図7】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図8】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図9】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図10】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図11】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図12】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図13】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図14】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図15】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図16】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図17】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図18】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図19】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図20】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図21】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図22】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図23】第1の実施の形態における縦型パワーMOSFETのU溝の深さに対するオン抵抗及びブレークダウン電圧の変化を示す図である。
【図24】第1の実施の形態における縦型パワーMOSFETの内部応力を示す図である。
【図25】(a)〜(c)は、第1の実施の形態における縦型パワー MOSFET の内部応力を示す図である。
【図26】(a)(b)は図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図27】第1の実施の形態における縦型パワーMOSFETの断面図である。
【図28】図27に示した縦型パワーMOSFETのTEM観察図である。
【図29】第2の実施の形態における縦型パワーMOSFETの断面図である。
【図30】第2の実施の形態における縦型パワーMOSFETの平面図である。
【図31】図30に示した縦型パワーMOSFETの電流−電圧特性を示す図である。
【図32】図30に示した縦型パワーMOSFETの電流−電圧特性を示す図である。
【図33】第2の実施の形態における縦型パワーMOSFETの電界分布を示す図である。
【図34】第2の実施の形態における縦型パワーMOSFETのゲート電圧に対するドレイン電流、チャネルでの電圧降下及びチャネル移動度の変化を示す図である。
【図35】縦型パワーMOSFETのオン抵抗の配分を示す図である。

Claims (8)

  1. 第1導電型の半導体基板の主表面にケミカルドライエッチングにより初期溝を形成する工程と、
    前記初期溝を酸化することにより前記初期溝の表面を酸化する工程と、
    酸化膜を除去し、対向した2つの平面を有する側面、前記平面のうち一方の平面の接線と前記主表面の接線とが交差する点から前記平面のうち他方の平面の接線と前記主表面の接線とが交差する点までの距離で規定される所定の入口幅を有する入口、及び前記入口から前記側面を介して連続的に結ばれ、前記主表面から前記入口幅の1/2以下の深さを有する底面、からなる溝部を形成する工程と、
    前記溝部における前記側面に第2導電型のベース層を形成する工程と、
    前記ベース層内にチャネル領域を形成するべく、前記ベース層内における前記主表面側に、第1導電型のソース層を形成する工程と、
    前記溝部の表面上にゲート絶縁膜を形成し、かかるゲート絶縁膜形成時に、前記側面の前記チャネル領域を含む領域に平面を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    前記半導体基板にドレイン電極を形成する工程と
    を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 第1導電型の半導体基板の主表面にケミカルドライエッチングにより初期溝を形成する工程と、
    前記初期溝を酸化することにより前記初期溝の表面を酸化する工程と、
    酸化膜を除去し、対向した2つの平面を有する側面、前記平面のうち一方の平面の接線と前記主表面の接線とが交差する点から前記平面のうち他方の平面の接線と前記主表面の接線とが交差する点までの距離で規定される所定の入口幅を有する入口、及び前記入口から前記側面を介して連続的に結ばれ、前記主表面から前記入口幅の1/2以下の深さを有する底面、からなる溝部を形成する工程と、
    前記溝部における前記側面に第2導電型のベース層を形成する工程と、
    前記ベース層内にチャネル領域を形成するべく、前記ベース層内における前記主表面側に、第1導電型のソース層を形成する工程と、
    前記溝部の表面上にゲート絶縁膜を形成し、かかるゲート絶縁膜形成時に、前記側面の前記チャネル領域を含む領域に凹凸の高低差が4nm以内の平面を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    前記半導体基板にドレイン電極を形成する工程と
    を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記溝部における前記底面は、前記主表面から0.5μm以上、5μm以下の深さを有することを特徴とする請求項乃至請求項2のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  4. 第1導電型の半導体基板の主表面にケミカルドライエッチングにより初期溝を形成する工程と、
    前記初期溝を酸化することにより前記初期溝の表面を酸化する工程と、
    酸化膜を除去し、所定の入口幅を有する入口、前記主表面から所定深さを有する底面、及び前記半導体基板の前記主表面に対して傾斜した平面を有し前記入口と前記底面とを連続的に結ぶ側面、からなる溝部を形成する工程と、
    前記溝部における前記側面に第2導電型のベース層を形成する工程と、
    前記ベース層内にチャネル領域を形成するべく、前記ベース層内における前記主表面側に、第1導電型のソース層を形成する工程と、
    前記溝部の表面上にゲート絶縁膜を形成し、かかるゲート絶縁膜形成時に、前記側面の前記チャネル領域を含む領域に凹凸の高低差が4nm以内の平面を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    前記半導体基板にドレイン電極を形成する工程と
    を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 前記溝部の前記側面における前記平面は、前記主表面に対する角度が55°±15°の範囲であることを特徴とする請求項乃至請求項4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 第1導電型の半導体基板の主表面にケミカルドライエッチングにより初期溝を形成する工程と、
    前記初期溝を酸化することにより前記初期溝の表面を酸化する工程と、
    酸化膜を除去し、所定の入口幅を有する入口、前記主表面から所定深さを有する底面、前記入口と連続的に結ばれた側面、及び前記側面と前記底面との間に形成された滑らかな曲面からなり前記側面と前記底面との間に働く応力を緩和する底部曲面、からなる溝部を形成する工程と、
    前記溝部における前記側面に第2導電型のベース層を形成する工程と、
    前記ベース層内にチャネル領域を形成するべく、前記ベース層内における前記主表面側に、第1導電型のソース層を形成する工程と、
    前記溝部の表面上にゲート絶縁膜を形成し、かかるゲート絶縁膜形成時に、前記側面の前記チャネル領域を含む領域に凹凸の高低差が4nm以内の平面を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    前記半導体基板にドレイン電極を形成する工程と
    を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記溝部を形成する工程は、前記初期溝をLOCOS酸化し、その後、LOCOS酸化膜を除去することを特徴とする請求項乃至請求項6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記ベース層は、前記酸化膜と自己整合的に前記主表面側から前記第2導電型の不純物を拡散させて形成されたものであり、また前記ソース層は、前記酸化膜と自己整合的に前記主表面側から前記ベース層内に前記第1導電型の不純物を拡散させることで形成されるものであることを特徴とする請求項乃至請求項7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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