JPH08293600A - 縦型mosfetの製造方法 - Google Patents

縦型mosfetの製造方法

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JPH08293600A
JPH08293600A JP10126695A JP10126695A JPH08293600A JP H08293600 A JPH08293600 A JP H08293600A JP 10126695 A JP10126695 A JP 10126695A JP 10126695 A JP10126695 A JP 10126695A JP H08293600 A JPH08293600 A JP H08293600A
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oxide film
groove
layer
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width
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JP10126695A
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English (en)
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Shigeki Takahashi
茂樹 高橋
Takeshi Yamamoto
剛 山本
Mitsuhiro Kataoka
光浩 片岡
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Denso Corp
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低オン抵抗とドレイン・ソース間の低リーク
電流を両立させて高品質な縦型MOSFETの製造方法
を提供する。 【構成】 半導体基板1の主表面側に半導体層を形成
し、その表面に窒化シリコン膜により開口幅Wmを有す
格子状のマスクパターンを形成し、所定領域をエッチン
グするとともに、この所定領域をLOCOS酸化する事
により所定のU溝50を形成する。このときのU溝50
の底面の平坦部の長さWfは、開口幅Wmにより規定さ
れるため、U溝50の形状をエッチングにおけるマスク
パターンの幅により設定することができ、高品質な縦型
MOSFETを製造することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置に関し、特に
電力用半導体素子として用いられる縦型MOSFET(M
etal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)
に関するものであり、その用途としては、例えば電力用
半導体素子を組み込んだMOSIC等がある。
【0002】
【従来の技術】縦型パワーMOSFETは、周波数特性
が優れ、スイッチング速度が速く、かつ低電力で駆動で
きる等多くの特長を有することから、近年多くの産業分
野で使用されている。たとえば、日経マグロウヒル社発
行“日経エレクトロニクス”の1986年5月19日
号,pp.165-188には、パワーMOSFETの開発の焦点
が低耐圧品および高耐圧品に移行している旨記載されて
いる。さらに、この文献には、耐圧100V以下のパワ
ーMOSFETチップのオン抵抗は、10mΩレベルま
で低くなってきていることが記載されており、この理由
として、パワーMOSFETの製造にLSIの微細加工
を利用したり、そのセルの形状を工夫したりすることに
より、面積当たりのチャネル幅が大きくとれるようにな
ったことにある旨述べられている。また、この文献には
主流であるDMOS型(二重拡散型)セルを使用した縦
型パワーMOSFETを中心にのべられている。その理
由は、DMOS型はチャネル部分にシリコンウエハの平
坦な主表面をそのまま使用することを特長とするプレー
ナプロセスにより作製されるため、歩留まりが良くコス
トが安いという製造上の利点があるからである。
【0003】一方、縦型パワーMOSFETの普及に伴
って低損失化、低コスト化がさらに求められているが、
微細加工やセルの形状の工夫によるオン抵抗低減は限界
にきている。たとえば、特開昭63−266882号公
報によると、DMOS型においては微細加工によりユニ
ットセルの寸法を小さくしてもオン抵抗がそれ以上減少
しない極小点があり、その主原因がオン抵抗の成分を成
すJFET抵抗の増加であることが分かっている。図3
6(a)は、プレーナプロセスによって製造されるDM
OSFETのオン抵抗の配分を模式的に表した図であ
る。オン抵抗はr chとracc とrJFET(JFET抵抗)
とrdrift との合計で表される。DMOS型において、
特開平2−86136号公報に示されているように、現
在の微細加工技術の下ではオン抵抗が極小点をとるユニ
ットセルの寸法は15μm付近である。
【0004】この限界を突破するために種々の構造が提
案されている。それらに共通した特徴は素子表面に溝を
形成し、その溝の側面にチャネル部を形成した構造であ
り、この構造により前述のJFET抵抗を大幅に減少さ
せることができる。さらに、この溝の側面にチャネル部
を形成した構造においては、ユニットセル寸法を小さく
してもJFET抵抗の増大は無視することができるた
め、特開昭63−266882号公報に記載されたよう
なユニットセル寸法の縮小に対してオン抵抗が極小点を
とるという限界が無く、15μmを切って微細加工の限
界まで小さくすることができる。図36(b)は溝を形
成したDMOSFETのオン抵抗の配分を模式的に表し
た図である。
【0005】このように、溝の側面にチャネル部を形成
する構造の従来の製造方法として例えば特開昭61−1
99666号公報に開示されたようにRIEで溝を形成
し、その溝の側面にチャネル部を形成した、いわゆるト
レンチ構造のものがある。ここで、RIEはプロセスの
制御性の優れた物理的なエッチングである。すなわちR
IEは、ガス雰囲気中に置かれた半導体装置の上下に電
極を配置して前記電極間に高周波電力を印加すると、ガ
スが電子とイオンとに電離する。この電極間で電子とイ
オンの移動度の大きな違いによって半導体装置上部に陰
極降下が生じる。そしてこの陰極降下によって電界を生
じさせ、この電界によって前記イオン半導体装置方向に
加速させ、被エッチング面に物理的に衝突させてそのエ
ネルギーで半導体装置をエッチングするものである。そ
して、RIEは電離したガスを加速させるため、前記半
導体装置上に絶対値にして10V〜500V程度の陰極
降下が発生するように前記電極間に高周波電力が印加さ
れる。RIEにおいては電離したガスをある一定方向に
加速させるため、非常に優れた異方性を有しサイドエッ
チが起こりにくいという特徴がある。しかしながら、R
IEにおいては、物理的に電離されたガスを半導体装置
に衝突させるため、エッチングされた面に格子欠陥が必
然的に発生し、移動度が下がり結果としてオン抵抗が増
加してしまうという問題がある。
【0006】ここで格子欠陥が発生しにくい半導体装置
として、例えば国際公開WO93/03502号や特開昭62−1
2167号に開示されたようにウエットエッチングを用
いて製造した半導体装置がある。これらの形状は、トレ
ンチ形状に対してバスタブ形状といわれる。図37はWO
93/03502号に開示されたMOSFET(半導体装置)の
断面図であり、図38〜図49は同公報におけるMOS
FETの製造工程を示す断面図である。
【0007】以下にその製造工程を簡単に説明する。ま
ず、図38に示されるように、n+ 型シリコンからなる
半導体基板1の主表面にn- 型のエピタキシャル層2を
成長させたウエハ21を用意する。この半導体基板1は
その不純物濃度が1020cm-3程度になっている。ま
た、エピタキシャル層2はその厚さが7μm程度で、そ
の不純物濃度は1016cm-3程度となっている。このウ
エハ21の主表面を熱酸化して厚さ60nm程度のフィ
ールド酸化膜60を形成し、その後レジスト膜61を堆
積して公知のフォトリソ工程にてセル形成予定位置の中
央部に開口するパターンにレジスト膜61をパターニン
グする。そして、このレジスト膜61をマスクとしてボ
ロン(B+ )をイオン注入する。
【0008】レジスト剥離後、熱拡散により図39に示
すように接合深さが3μm程度のp型拡散層62を形成
する。このp型拡散層62は最終的には後述するp型ベ
ース層16の一部となり、ドレイン・ソース間に高電圧
が印加されたとき、p型拡散層62の底辺部分で安定に
ブレークダウンを起こさせることにより、耐サージ性を
向上させる目的を果たす。
【0009】次に、図39に示すように、ウエハ21の
主表面に窒化シリコン膜63を約200nm堆積し、こ
の窒化シリコン膜63をパターニングして、ピッチ幅
(ユニットセル15の寸法)aで開口する格子状の開口
パターンを形成する。なお、この開口パターンは上述の
p型拡散層62がそのピッチ間隔の中央部に位置するよ
うにマスク合わせしている。
【0010】次に、図40に示すように、窒化シリコン
膜63をマスクとしてフィールド酸化膜60をエッチン
グし、ひきつづきn- 型エピタキシャル層2を深さ1.
5μm程度ウエットエッチングして溝64を形成する。
次に、図41に示すように、窒化シリコン膜63をマス
クとして溝64の部分を熱酸化する。これはLOCOS
(Local Oxidation of Silicon)法として良く知られた酸
化方法であり、この酸化により選択酸化膜すなわちLO
COS酸化膜65が形成され、同時にLOCOS酸化膜
65によって喰われたn- 型エピタキシャル層2の表面
にバスタブ形状の溝(以下、U溝50という)が形成さ
れ、かつ溝50の形状が確定する。
【0011】次に、図42に示すように、LOCOS酸
化膜65をマスクとして、薄いフィールド酸化膜60を
透過させてp型ベース層16を形成するためのボロンを
イオン注入する。このとき、LOCOS酸化膜65とフ
ィールド酸化膜60の境界部分が自己整合位置になり、
イオン注入される領域が正確に規定される。次に、図4
3に示すように、接合深さ3μm程度まで熱拡散する。
この熱拡散により、図39に示す工程において前もって
形成したp型拡散層62と、図42に示す工程において
注入されたボロンの拡散層が一体になり、一つのp型ベ
ース層16を形成する。また、p型ベース層16の領域
の両端面はU溝50の側壁の位置で自己整合的に規定さ
れる。
【0012】次に、図44に示すように、格子状のパタ
ーンでウエハ21表面に形成されているLOCOS酸化
膜65により囲まれたp型ベース層16表面中央部に残
されたパターンでパターニングされたレジスト膜66と
LOCOS酸化膜65をともにマスクとして、薄いフィ
ールド酸化膜60を透過させてn+ 型ソース層4を形成
するためのリンをイオン注入する。この場合も図42に
示す工程においてボロンをイオン注入した場合と同様
に、LOCOS酸化膜65とフィールド酸化膜60の境
界部分が自己整合位置になり、イオン注入される領域が
正確に規定される。
【0013】次に、図45に示すように、接合深さ0.
5〜1μm熱拡散し、n+ 型ソース層4を形成し、同時
にチャネル5も設定する。この熱拡散において、n+
ソース層4の領域のU溝50に接した端面は、U溝50
の側壁の位置で自己整合的に規定される。以上、図42
〜図45の工程によりp型ベース層16の接合深さとそ
の形状が確定する。
【0014】次に、図46に示すように、LOCOS酸
化膜65をウェットエッチングにより除去してU溝50
の内壁51を露出させ、その後熱酸化により厚さ60n
m程度のゲート酸化膜8を形成する。次に、図47に示
すように、ウエハ21の主表面に厚さ400nm程度の
ポリシリコン膜を堆積する。
【0015】次に、図48に示すように、パターニング
されたレジスト膜68をマスクとして酸化膜67を透過
してp+ 型ベースコンタクト層17を形成するためのボ
ロンをイオン注入する。次に、図49に示すように、接
合深さ0.5μm程度熱拡散し、p+ 型ベースコンタク
ト層17を形成する。
【0016】そして、図37(b)に示すように、ウエ
ハ21の主表面にBPSG(BoronPhosphate Silicate
Glass)からなる層間絶縁膜18を形成し、その一部に
コンタクト穴開けを行いp+ 型ベースコンタクト層17
とn+ 型ソース層4を露出させる。さらに、アルミニウ
ム膜からなるソース電極19を形成し、前記コンタクト
穴を介してp+ 型ベースコンタクト層17とn+ 型ソー
ス層4とにオーミック接触させる。さらに、アルミニウ
ム膜保護用としてプラズマCVD法等により窒化シリコ
ン等よりなるパッシベーション膜(図示略)を形成し、
また、ウエハ21の裏面にはTi/Ni/Auの3層膜
からなるドレイン電極20を形成し、n + 型半導体基板
1にオーミック接触をとる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記WO93
/03502号公報や特開昭62−12167号公報等に開示
された半導体装置は、低オン抵抗は得られるが、ドレイ
ン・ソース間のリーク電流が増加し、高い歩留まりが得
られないという問題が生じる。そこで、本発明は上記問
題に鑑みてなされたものであり、その目的は低オン抵抗
とドレイン・ソース間の低リーク電流を両立させた縦型
MOSFETの製造方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に構成された請求項1記載の発明は、半導体基板の一主
面側に該半導体基板よりも低不純物濃度であって第1導
電型の半導体層を形成し、この低濃度の半導体層の表面
を主表面としてその所定領域をエッチングする工程と、
そのエッチングにより生じた面を含む領域を選択酸化す
ることにより、該所定領域の前記半導体層内前記主表面
より所定深さを有する選択酸化膜を形成する選択酸化工
程と、前記選択酸化膜の側面に接する前記半導体表面に
チャネルを形成すべく、前記選択酸化膜と自己整合的に
順次第2導電型と第1導電型の不純物を前記主表面より
二重拡散し、この二重拡散により前記チャネルの長さを
規定すると同時に第2導電型のベース層と第1導電型の
ソース層を形成し、前記半導体層を第1導電型のドレイ
ン層とする不純物導入工程と、この二重拡散の後に前記
選択酸化膜を除去して前記所定深さを有する溝構造を形
成し、前記チャネルとなる部分を含む前記溝の内壁を酸
化してゲート酸化膜とし、このゲート酸化膜上にゲート
電極を形成するゲート形成工程と、前記ソース層及び前
記ベース層に電気的に接触するソース電極と、前記半導
体基板の他主面側に電気的に接触するドレイン電極とを
形成するソース、ドレイン電極形成工程とを含む縦型M
OSFETの製造方法において、前記低濃度の半導体層
の表面を主表面としてその所定領域をエッチングする工
程において、エッチングにより除去する部分を規定する
マスクの開口部の幅を、前記選択酸化膜を除去して形成
される前記所定深さを有する溝構造の平坦部の長さに略
等しくするという技術的手段を採用するものである。
【0019】また、前記マスクの開口部の幅を2μm以
上となるよう設定してもよい。
【0020】
【作用および発明の効果】上記構成の請求項1記載の発
明によれば、溝部の底面の幅をマスク寸法により正確に
規定できるためオン抵抗の面内でのばらつきが抑制され
て、高い歩留まりと低いオン抵抗が得られる。また、上
記構成の請求項2の発明によれば所定領域をエッチング
する工程においてマスクの開口部の幅が2μm以上とす
る事により、このエッチングに引き続き行われるLOC
OS酸化で生じる応力をSiの破壊応力以下に抑えら
れ、転位や欠陥の発生を抑制できる。
【0021】
【実施例】
(第1実施例)以下、図面を参照して本発明の一実施例
を説明する。図1(a)は本発明の第1実施例による四
角形ユニットセルからなる縦型パワーMOSFETの要
部を示す平面図であり、同図(b)は同図(a)におけ
るA−A断面図である。図2〜図22は同じく縦型パワ
ーMOSFETの製造における各段階での説明図であ
る。また、図4はp型ベース層の中央部形成のためにボ
ロンイオン注入をしたウエハの断面図、図5はLOCO
S酸化のために窒化シリコン膜をユニットセル寸法aの
間隔でパターニングしたウエハの断面図、図8はLOC
OS酸化膜が形成されたウエハの断面図、図9はLOC
OS酸化膜をマスクとしてp型ベース層形成のためにボ
ロンイオン注入をしたウエハの断面図、図10は熱拡散
によりp型ベース層を形成したウエハの断面図、図11
はLOCOS酸化膜をマスクとしてn+ 型ソース層形成
のためにリンイオン注入をしたウエハの断面図、図12
は熱拡散によりn+ 型ソース層を形成したウエハの断面
図、図18はLOCOS酸化膜を除去した後に熱酸化に
よりゲート酸化膜を形成したウエハの断面図、図19は
ゲート酸化膜の上にゲート電極が形成されたウエハの断
面図、図21はp+ 型ベースコンタクト層形成のために
ボロンイオン注入をしたウエハの断面図、図22は熱拡
散によりp+ 型ベースコンタクト層を形成したウエハの
断面図、そして、図1(b)が層間絶縁膜,ソース電極
およびドレイン電極を形成したウエハの完成断面図であ
る。
【0022】この実施例の縦型パワーMOSFETは、
その要部,すなわちユニットセル部分を図1に示すよう
な構造として、このユニットセル15がピッチ幅(ユニ
ットセル寸法)aで平面上縦横に規則正しく多数配置さ
れた構造となっている。図1において、ウエハ21は不
純物濃度が2×1019cm-3程度で厚さ100〜300
μmのn+ 型シリコンからなる半導体基板1上に不純物
密度が1016cm-3程度の厚さ7μm前後のn- 型エピ
タキシャル層2が構成されたものであり、このウエハ2
1の主表面にユニットセル15が構成される。ウエハ2
1の主表面に16μm程度のユニットセル寸法aでU溝
50を形成するために、厚さ1μm程度のLOCOS酸
化膜を形成し、この酸化膜をマスクとしてボロン(B)
とリン(P)とを自己整合的な二重拡散により接合深さ
が1μm程度のp型ベース層16と、接合深さが1μm
程度のn+ 型ソース層4とが形成されており、それによ
りU溝50の側壁部51に0.5μm程度のチャネル5
が設定される。なお、p型ベース層16の接合深さはU
溝50底辺のエッジ部12でブレークダウンによる破壊
が生じない深さに設定されている。また、p型ベース層
16の中央部の接合深さが周囲よりも深くなるように、
あらかじめp型ベース層16の中央部にボロンが拡散さ
れており、ドレイン・ソース間に高電圧が印加されたと
きに、p型ベース層16の底面の中央部でブレークダウ
ンが起こるように設定されている。即ち、U溝50はp
型ベース層16よりも浅くなるように設定されている。
また、二重拡散後にこの拡散マスク及びU溝50形成用
として使用したLOCOS酸化膜は除去されて、U溝5
0の内壁には厚さが60nm程度のゲート酸化膜8が形
成され、さらに、その上に厚さが400nm程度のポリ
シリコンからなるゲート電極9、厚さが1μm程度のB
PSGからなる層間絶縁膜18が形成されている。さら
に、p型ベース層16の中央部表面に接合深さが0.5
μm程度のp+ 型ベースコンタクト層17が形成され、
層間絶縁膜18の上に形成されたソース電極19とn+
型ソース層4およびp+ 型ベースコンタクト層17がコ
ンタクト穴を介してオーミック接触している。また、半
導体基板1の裏面にオーミック接触するようにドレイン
電極20が形成されている。
【0023】次に本実施例の製造方法を述べる。まず、
図2,図3に示されるように、n+ 型シリコンからなる
面方位が(100)である半導体基板1の主表面にn-
型のエピタキシャル層2を成長させたウエハ21(半導
体基板1とエピタキシャル層2とで半導体基板に相当)
を用意する。この半導体基板1はその不純物濃度が2×
1019cm-3程度になっている。また、エピタキシャル
層2はその厚さが7μm程度で、その不純物濃度は10
16cm-3程度となっている。次に、図4に示される様
に、このウエハ21の主表面を熱酸化して厚さ50nm
程度のフィールド酸化膜60を形成し、その後レジスト
膜61を堆積して公知のフォトリソ工程にてセル形成予
定位置の中央部に開口するパターンにレジスト膜61を
パターニングする。そして、このレジスト膜61をマス
クとしてボロン(B+ )をイオン注入する。
【0024】レジスト剥離後、熱拡散により図5(a)
に示すように接合深さが1μm程度のp型拡散層62を
形成する。このp型拡散層62は最終的には後述するp
型ベース層16の一部となり、ドレイン・ソース間に高
電圧が印加されたとき、p型拡散層62の底辺部分で安
定にブレークダウンを起こさせることにより、耐サージ
性を向上させる目的を果たす。
【0025】次に、図5(a)に示すように、ウエハ2
1の主表面に窒化シリコン膜63を約200nm堆積
し、この窒化シリコン膜63を図6に示すように<01
1>方向に垂直及び平行になるようにパターニングし
て、ピッチ幅(ユニットセル15の寸法)aで開口幅W
mとする格子状の開口パターンを形成する。なお、この
開口パターンは上述のp型拡散層62がそのピッチ間隔
の中央部に位置するようにマスク合わせしている。
【0026】次に、窒化シリコン膜63をマスクとして
フィールド酸化膜60をエッチングし、ひきつづき図7
に示すように、四フッ化炭素と酸素ガスを含む放電室7
02でプラズマを発生させて、化学的な活性種を作り、
この活性種を反応室703へ輸送し、反応室703でn
- 型エピタキシャル層2を等方的にケミカルドライエッ
チングして溝64を形成する。この溝64の底面におけ
る平坦部の幅は、等方的にエッチングされることから開
口幅Wmとほぼ等しい幅となる。
【0027】次に、図8に示すように、窒化シリコン膜
63をマスクとして溝64の部分を熱酸化する。これは
LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法として良く
知られた酸化方法であり、この酸化によりLOCOS酸
化膜65が形成され、同時にLOCOS酸化膜65によ
って喰われたn- 型エピタキシャル層2の表面にU溝5
0が形成され、かつU溝50の形状が確定する。このと
きのU溝50の底面における平坦部の幅Wf(図1及び
図5(a)に示す)は、これ以前に行われたケミカルド
ライエッチングにより形成された溝64の底面の幅が、
開口幅Wmとほぼ等しいことから開口幅Wmとほぼ等し
い値となる。従って、この開口幅Wmを適宜設定するこ
とにより、U溝部50の底辺の平坦部の幅を規定するこ
とが可能となる。
【0028】また、このときの熱酸化により発生する最
大応力と窒化シリコン膜63の開口幅Wmとの関係を第
50図に示す。第50図に示す関係から、特に開口幅W
mが2μm以上である場合に発生する応力が極度に減少
することから、開口幅Wmは2μm以上に設定されるこ
とがよい。また、U溝50の側面のチャネル形成部の面
方位が(111)面もしくは(111)面に近い面とな
るようにケミカルドライエッチングの条件とLOCOS
酸化の条件を選ぶ。
【0029】このようにしてLOCOS酸化により形成
されたU溝50の内壁表面は平坦で欠陥が少なく、その
表面は図2に示されるウエハ21の初期の主表面と同程
度に表面状態が良い。次に、図9に示すように、LOC
OS酸化膜65をマスクとして、薄いフィールド酸化膜
60を透過させてp型ベース層16を形成するためのボ
ロンをイオン注入する。このとき、LOCOS酸化膜6
5とフィールド酸化膜60の境界部分が自己整合位置に
なり、イオン注入される領域が正確に規定される。
【0030】次に、図10に示すように、接合深さ1μ
m程度まで熱拡散する。この熱拡散により、図5に示す
工程において前もって形成したp型拡散層62と、図9
に示す工程において注入されたボロンの拡散層が一体に
なり、一つのp型ベース層16(ベース層に相当)を形
成する。また、p型ベース層16の領域の両端面はU溝
50の側壁の位置で自己整合的に規定される。
【0031】次に、図11に示すように、格子状のパタ
ーンでウエハ21表面に形成されているLOCOS酸化
膜65により囲まれたp型ベース層16表面中央部に残
されたパターンでパターニングされたレジスト膜66と
LOCOS酸化膜65を共にマスクとして、薄いフィー
ルド酸化膜60を透過させてn+ 型ソース層4を形成す
るためのリン(又はひ素)をイオン注入する。この場合
も図9に示す工程においてボロンをイオン注入した場合
と同様に、LOCOS酸化膜65とフィールド酸化膜6
0の境界部分が自己整合位置になり、イオン注入される
領域が正確に規定される。
【0032】次に、図12に示すように、接合深さ0.
5μm熱拡散し、n+ 型ソース層4を形成し、同時にチ
ャネル5(チャネル領域に相当)も設定する。この熱拡
散において、n+ 型ソース層4の領域のU溝50に接し
た端面は、U溝50の側壁の位置で自己整合的に規定さ
れる。以上、図9〜図12の工程によりp型ベース層1
6の接合深さとその形状が確定する。このp型ベース層
16の形状において重要なことは、p型ベース層16の
側面の位置がU溝50の側面により規定され、自己整合
されて熱拡散するため、U溝50に対してp型ベース層
16の形状は完全に左右対称になる。
【0033】次に、図13に示すように、LOCOS酸
化膜65を弗酸を含む水溶液700中で、フッ化アンモ
ニウムによりPHが5程度に調整された状態で、シリコ
ンの表面を水素で終端させながら酸化膜を除去してU溝
50の内壁51を露出させる。この除去工程は選択酸化
膜の形成されている面に光が当たらないように遮光布で
遮光して行う。
【0034】この後、水溶液中から取りだし、清浄な空
気中で乾燥させる。次に、図15に示すように、チャネ
ルが形成される予定のp型ベース層16のU溝の側面5
に(111)面が形成されるまで酸化膜を形成する。こ
の熱酸化工程により、チャネルが形成される予定面の原
子オーダーでの平坦度が高くなる。この熱酸化工程は、
図14に示すように、酸素雰囲気に保たれ、約1000
℃に保持されている酸化炉601にウエハ21を徐々に
挿入することにより行う。このようにすると、酸化の初
期は比較的低い温度で行われるため、p型ベース領域1
6、n+ 型ソース領域4の不純物が、酸化工程中にウエ
ハ外部に飛散することを抑えられる。次に、図16に示
すように、この酸化膜600を除去する。この酸化膜6
00の除去も選択酸化膜の除去と同様に弗酸を含む水溶
液中で、フッ化アンモニウムによりPHが5程度に調整
された状態で、露出されたシリコンの表面を水素で終端
させながら行う。このような方法で形成されたU溝50
の内壁51は、平坦度が高く、また欠陥も少ない良好な
シリコン表面である。
【0035】つづいて図18に示すように、U溝50の
側面及び底面に熱酸化により厚さ50nm程度のゲート
酸化膜8を形成する。この酸化工程は前述したのと同様
に、酸素雰囲気に保たれ、約1000℃に保持されてい
る酸化炉601にウエハ21を徐々に挿入する。このよ
うにすると、酸化の初期は比較的低い温度で行われるた
め、p型ベース領域16、n+ 型ソース領域4の不純物
が、酸化工程中にウエハ外部に飛散することを抑えられ
る。ゲート酸化膜8の膜質や、厚さの均一性、チャネル
5の界面の界面準位密度,キャリア移動度は従来のDM
OSと同程度に良好である。
【0036】次に、図19に示すように、ウエハ21の
主表面に厚さ400nm程度のポリシリコン膜を堆積
し、隣接した二つのU溝50の上端の距離bよりも2β
だけ短い距離cだけ離間するようにパターニングしてゲ
ート電極9を形成する。次にゲート電極9の端部におい
てゲート酸化膜8が厚くなるよう酸化する。この時図2
0に示すようにゲート酸化膜が、ゲート端部で厚くなる
部分の長さをxとすると、β>xとなるようにβを設定
する。
【0037】以上、図9〜図19に示す工程は本実施例
において最も重要な製造工程の部分であり、LOCOS
酸化膜65を自己整合的な二重拡散のマスクとして使用
し、p型ベース層16,n+ 型ソース層4及びチャネル
5を形成し、次にLOCOS酸化膜65を除去した後、
ゲート酸化膜8,ゲート電極9を形成する。次に、図2
1に示すように、パターニングされたレジスト膜68を
マスクとして酸化膜67を透過してp+ 型ベースコンタ
クト層17を形成するためのボロンをイオン注入する。
【0038】次に、図22に示すように、接合深さ0.
5μm程度熱拡散し、p+ 型ベースコンタクト層17を
形成する。そして、図1(b)に示すように、ウエハ2
1の主表面にBPSGからなる層間絶縁膜18を形成
し、その一部にコンタクト穴開けを行いp+ 型ベースコ
ンタクト層17とn+ 型ソース層4を露出させる。さら
に、アルミニウム膜からなるソース電極19を形成し、
前記コンタクト穴を介してp+ 型ベースコンタクト層1
7とn+ 型ソース層4とにオーミック接触させる。さら
に、アルミニウム膜保護用としてプラズマCVD法等に
より窒化シリコン等よりなるパッシベーション膜(図示
略)を形成し、また、ウエハ21の裏面にはTi/Ni
/Auの3層膜からなるドレイン電極20を形成し、n
+ 型半導体基板1にオーミック接触をとる。
【0039】図23は、図1に示された構造においてU
溝50の底面の深さDを0〜1.2μmの間で変化させ
た場合の、オン抵抗RSPとドレイン・ソース間のブレー
クダウン電圧BVDSの変化を示した図である。ここで、
D=0の構造はプレーナ型DMOSFETに相当する。
図よりD=1.0μmの場合、オン抵抗RSPは47mΩ
・mm2 となり、D=0のプレーナ型に対して41%オ
ン抵抗は減少されていることがわかる。
【0040】また、ドレイン・ソース間のブレークダウ
ン電圧BVDSはD≦1.0μmの時は52V一定となっ
ているが、D>1.0μmでは徐々にBVDSは低下して
おりD=1.2μmにおいては50Vになっていること
がわかる。これにより、素子全体のブレークダウンを起
こりにくくするため、p型ベース層16の接合深さより
もU溝50の深さを浅くすることが好ましい。
【0041】本実施例では図2、図3に示されているよ
うにウエハ21として(100)面のシリコンを用い
た。図24は入口部分の幅(入口幅に相当)を4μm、
深さを0.9μmのU溝を形成するべく、1μmのLO
COS酸化膜を形成した段階(図8に相当)の断面図で
ある。この図においてU溝50の側面はウエハ表面に対
して55°の傾斜角が付いている。ここで傾斜角とは、
側面に平坦な面がある場合はその面の角度をいい、側面
に平坦な面がなく変曲点を有する滑らかな曲面で構成さ
れている場合は、その曲面の変曲点での接線の傾きを言
うものとする。本発明においては、この傾斜角が55°
±15°の間であることにより、チャネルの移動度をさ
らに向上させることができ、これによりオン抵抗を下げ
ることができる。
【0042】この55°の角度を持つU溝50の側面の
面方位を、X線を用いたTEMによる格子像観察で調べ
た(図25)。この結果、この面はシリコン(111)
面であり、SiO2 /Si界面における表面粗度、即ち
局部的に見たチャネルの凹凸の高低差は、4nm以内
(±2nm以内)であることが分かった。(111)面
はフォノン散乱が小さく非常に移動度の高い面であるた
め、オン抵抗は非常に小さくなる。また、表面粗度が4
nm以内と小さいため、キャリアの表面散乱も少なくな
り移動度が上がる。これによってもオン抵抗は小さくな
る。
【0043】図26はU溝を有する構造(U溝の深さ
0.9μm)において、LOCOS酸化膜が内部応力で
あるストレスSにどのように影響を及ぼしているかを調
べた図である。図中白丸はLOCOS酸化膜のないも
の、黒丸はLOCOS酸化膜を形成したもののストレス
を調べたものである。LOCOS酸化膜を形成した構造
においては、応力差(引張応力と圧縮応力との差)が±
150MPaもあることがわかる。しかしながら、これ
らの内部応力は製造工程の途中でLOCOS酸化膜を除
去することで緩和させることができる。
【0044】また、図27はLOCOS酸化膜を除去し
てゲート酸化膜を形成した際の内部応力(ストレスS)
を調べた図である。(a)はU溝の深さを0.9μm、
U溝を形成する領域の距離、即ち入口幅を2μmとした
場合であり、また(b)は同じく入口幅を4μmとした
場合であり、(c)は入口幅を5μmとした場合であ
る。内部応力はLOCOS酸化膜形成時の1/4〜1/
7に減少しており、入口幅を大きくするに従って内部応
力は緩和されていることがわかる。(a),(b),
(c)より、U溝の深さを0.9μmとした場合、入口
幅を5μm、4μm、2μmと縮小していった場合、内
部応力差はそれぞれ40MPa、50MPa、70MP
aと増加している。形成するゲート酸化膜の膜厚にもよ
るが、さらに入口幅を縮小していった場合は、内部応力
差は急激に増加していくことが予想される。従って、U
溝の深さに対し、入口幅は2倍以上とすることが好まし
い。即ち、U溝を形成する場合、その深さは入口幅の1
/2以下とすることが好ましい。 (第2実施例)以下に本発明の第2実施例を示す。
【0045】図28は、第2実施例の半導体装置の断面
図である。第1実施例と異なるのは、ユニットセルが1
6μm×16μmの正方形ということである。即ち、U
溝の深さは0.9μmであり、入口幅は4μmであり、
チャネル領域となる側面の面方位は(111)面であ
る。図29は図28に示したユニットセルを集積させた
チップ(半導体装置)の平面図である。この図において
チップ寸法は2.5mm×2.5mm、集積度は13,135
セル、有効面積SA は3.36mm2 である。
【0046】図30は図29に示した半導体装置の電流
−電圧特性を調べた図である。ゲート・ソース間電圧
(VGS)=16Vの時、115mVと5.17Aという
動作点を用い、(VDS/ID )×SA の式に代入するこ
とにより、オン抵抗rSPは75mΩ・mm2 と計算され
た。そしてVGS=10Vにおいては、適当な動作点を用
いることにより、オン抵抗rSPは85mΩ・mm2 と計
算された。また、しきい値電圧は1mAにおいて1.2
Vであった。図31はドレインのブレークダウン特性を
調べた図である。この図において、ブレークダウン電圧
は50Vと測定された。
【0047】図32は図28に示した16μm×16μ
m角のユニットセルの、VGS=16V,VDS=0.6V
の条件における電界分布を示した図である。この図にお
いてチャネル長は0.5μmであり、各等電位線の間隔
は0.05Vである。計算の結果、ドレイン電流ID
4.5×10-5A/μm、ブレークダウン電圧BVDS
52Vと見積もられた。この内、ブレークダウン電圧B
DS=52Vは実測値の50Vと非常に近い値である。
そして、ドレイン電流ID =4.5×10-5A/μmか
ら、オン抵抗rSPは66mΩ・mm2 と計算され、その
配分はrch=23mΩ・mm2 、racc =13mΩ・m
2 、rdrift =30mΩ・mm2 となる。
【0048】図33は、ゲート電圧VGSを変化させた場
合の、ドレイン電流の実測値ID 、チャネルにおける電
圧降下Vch、チャネル移動度の実効値μeff の変化をそ
れぞれ示したものである。ドレイン電流ID のグラフよ
り、しきい値電圧VTH=2.3Vと読むことができる。
ここで、チャネルにおける電圧降下Vchは図34に示す
ように定義され、数式1のように計算される。
【0049】
【数1】 Vch=VDS−ID ・(racc +rdrift +rsub ) ここで、rsub は基板における抵抗であり、本実施例の
場合、rsub =10mΩ・mm2 とした。そしてチャネ
ル移動度μeff は数式2のように計算される。
【0050】
【数2】 μeff =(L/W)・(tox/εox)・ID /{Vch・(VGS−VTH)} ここでL,Wはそれぞれチャネル長及びチャネル幅であ
り、tox,εoxはそれぞれ酸化膜の厚さ及び誘電率であ
る。図33に示すように、300cm2 /V・sを越え
るチャネル移動度が得られたことがわかる。
【0051】以上のように本発明の各実施例において
は、U溝の底面を入口幅の1/2以下とするため、製造
時にU溝の側面と底面との合流点において応力がかかり
にくくなった。従って応力による結晶欠陥の発生を防止
でき、チャネル移動度を向上できるため、低オン抵抗を
得ることができた。また、チャネル領域において凹凸の
高低差を4nm以内としたため、チャネル領域での平坦
度が良くなった。従って、チャネル移動度を更に向上で
き、低オン抵抗を得ることができた。
【0052】さらに半導体基板の面方位を{100}面
としたため、低オン抵抗を得ることができた。そして、
半導体基板、ベース層及びソース層をシリコンで構成
し、更にU溝の側面におけるチャネル領域の面方位を
{111}面もしくは{111}面に近い面とした。シ
リコンにおける{111}面は移動度が高いため、さら
に低オン抵抗を得ることができた。
【0053】本実施例においては、半導体基板の表面の
所定領域をケミカルドライエッチング法により除去し
た。ケミカルドライエッチング法はドライエッチング法
の一種でありプロセスの制御性が高く、ウエハ面内で均
一なエッチングがおこなえ、再現性も高い。またケミカ
ルドライエッチング法はドライエッチングプロセスのな
かでは比較的被エッチング面に与えるダメージが小さ
い。そして、このケミカルドライエッチングの後にU溝
表面を酸化した。そして酸化が開始される時から均一に
酸化され、結果として得られるU溝の表面も欠陥の少な
い表面を得ることができた。そして、このU溝の表面を
チャネル領域として使用したため、低いオン抵抗を得る
ことができた。
【0054】また、ベース層を酸化膜と自己整合的に主
表面側から第2導電型の不純物を拡散させて形成し、ま
たソース層を、酸化膜と自己整合的に主表面側からベー
ス層内に第1導電型の不純物を拡散させることで形成し
た。このように自己整合的に二重拡散を行うため、位置
合わせのための余分な寸法を用意する必要がないため、
ユニットセルの寸法を小さくできた。この結果、オン抵
抗を小さくすることができた。なお、本実施例において
は上記した効果の他にも以下のようなメリットがある。
【0055】即ち、上記のように構成された本実施例の
半導体装置の製造方法によれば、選択酸化に先立ち低濃
度の半導体層の表面の所定領域をケミカルドライエッチ
ング法により除去する。ケミカルドライエッチング法は
ドライエッチング法の一種でありプロセスの制御性が高
く、ウエハ面内で均一なエッチングがおこなえ、再現性
も高い。またケミカルドライエッチング法はドライエッ
チングプロセスのなかでは比較的被エッチング面に与え
るダメージが小さい。そして、このケミカルドライエッ
チングの後に溝64表面を酸化する。ここで酸化をする
場合、酸化が開始される溝64の表面により、結果とし
て得られるn- 型エピタキシャル層2の酸化膜との境界
面の状態が異なるものとなる。即ち、RIE等の物理的
エッチングでエッチングされた面を酸化させても、格子
欠陥が生じたまま酸化が進行し、結果として得られるn
- 型エピタキシャル層2の表面は格子欠陥が残ってしま
う。しかしながら、本発明においては溝64表面をケミ
カルドライエッチング法を用いることにより、高い欠陥
の少ない表面を有する溝64が形成され、その表面を酸
化させるため、酸化が開始される時から均一に酸化さ
れ、結果として得られるU溝50の表面も欠陥の少ない
表面を得ることができる。そして、このU溝50の表面
をチャネル領域として使用するため、低いオン抵抗を得
ることができる。また、チャネル領域用の溝としてのU
溝50を形成するために、ケミカルドライエッチングと
酸化という2段階の工程を踏んでいるため、所望の幅の
U溝50を得たい場合は、酸化させる幅を制御すれば良
いので、溝形状も正確に制御することができる。
【0056】また、本実施例によれば、ケミカルドライ
エッチング工程は等方性であるので、溝64に角がなく
なり、このため酸化により形成されるU溝50にも角が
なくなる。このためゲート・ドレイン間耐圧及びゲート
・ソース間耐圧が向上する。また、溝64のn- 型エピ
タキシャル層2表面付近の角度が90度に近くなり、選
択酸化後に形成されるU溝50の側面の傾斜角を急角度
にすることができセルサイズを縮小して低オン電圧を得
ることもできる。
【0057】また、本実施例によれば、ケミカルドライ
エッチング工程において、半導体基板1もしくはn-
エピタキシャル層2の上方に実質的に陰極降下ため、電
離されたガスが、n- 型エピタキシャル層2表面に欠陥
を与えてしまうほどの速度で衝突することがない。この
ため、形成される溝64の表面を欠陥の非常に少ない表
面とすることができる。
【0058】また、酸化工程の後に酸化膜を除去してチ
ャネル領域を露出させる工程を、水溶液中でn- 型エピ
タキシャル層2の表面のダングリングボンドを水素で終
端させながら行う。これにより、反応活性の高いダング
リングボンドが汚染物質と反応する前に水素と反応して
安定状態となり、汚染物質とn- 型エピタキシャル層2
との反応を防ぐことができる。その後酸素中に暴露する
とさらに安定な酸化膜が形成されU溝50表面を保護す
るため、その後のチャネル領域の汚染を避けることがで
きるため、高いチャネル移動度が得られ、低オン電圧を
得ることができる。
【0059】さらに、選択酸化膜と自己整合的にベース
層,ソース層を形成するため、位置合わせが不要とな
る。従って正確な位置にベース層,ソース層を形成で
き、素子の低面積化が可能となる。また、酸化膜を除去
する間は酸化膜の表面に光を照射しないようにすること
により、酸化膜を通してチャネル領域となる半導体層に
光が照射されるということがなくなる。このため、チャ
ネル領域付近のn+ 型ソース層4とp型ベース層16と
の電位がほぼ等しくなり、局所的にエッチングが進行す
るのが防止できて、均一なエッチングを行うことができ
る。この結果、平坦なチャネル領域が得られ、高い移動
度を得ることができる。
【0060】そして、選択酸化膜を除去して得られたU
溝50の側面の面方位を{111}面としている。側面
のシリコン原子は水素1個で終端されるようになり、原
子的に平坦な側面が得られる。このために高いチャネル
移動度を得ることができる。また、酸化膜を除去する工
程をPHを4以下の水溶液中で行うため、U溝50の側
面のシリコン原子は水素原子1個で終端される率がさら
に高まり、原子的に平坦な{111}面が得られ、高い
チャネル移動度を得ることができる。
【0061】なお、上記第1実施例及び第2実施例にお
いては、具体的な数値を用いて本発明を説明したが、本
発明は上記数値に限られたものではない。第1実施例に
おいては16μm角のユニットセルを製造するために上
記値を示したが、例えば、12μm角のユニットセルに
おいては、LOCOS酸化膜の厚さを0.7μm程度、
p型ベース層16の接合深さを0.9μm程度、n+
ソース層4の接合深さを0.4μm程度に設定するとい
うようにユニットセル寸法に従って各膜厚、各接合深さ
を適宜変更すれば良い。また、半導体基板、ベース層及
びソース層をシリコンで構成し、更にU溝の側面におけ
るチャネル領域の面方位を{110}面もしくは{10
0}面とすれば、シリコンにおける{110}面、{1
00}面は移動度が比較的高いため、さらに低オン抵抗
を得ることができる。また、U溝における底面を主表面
から0.5μm以上、5μm以下の深さとすることが好
ましく、この範囲では更に低オン抵抗を得ることができ
るが、本発明においてはこの値に限定されるものではな
い。同様にU溝における入口幅を0.5μm以上とする
こと、またU溝における側面を主表面に対して略55°
とすることが好ましく、この範囲、数値で更に低いオン
抵抗が望めるが、本発明においてはこの値に限定される
ものではない。また、本実施例ではnチャネル型につい
てのみ説明したが、n型とp型の半導体の型を入れ換え
たpチャネル型についても同様の効果が得られることは
言うまでもない。
【0062】また製造方法においては、図13で示され
る、弗酸を含む水溶液中でのLOCOS酸化膜の除去
後、本実施例では自然酸化によりシリコン表面を自然酸
化膜で保護したが、この工程を高温、例えば900℃で
行ってもよい。そして、n型ソース層,p型ソース層の
形成をLOCOS酸化膜の除去後に、レジストマスクを
用いて行っても良い。また、選択酸化膜を除去して得ら
れた溝の側面の面方位が低指数面の{110}面や{1
00}面となるように、基板の面方位,パターニング形
状を選択しても良い。なお、上記実施例は本発明を縦型
パワーMOSFETに適用した場合についてのみ説明し
たが、それに限定されるものではなく、このような縦型
パワーMOSFETを組み込んだパワーMOSICに適
用しても良い。またさらに、本実施例においては半導体
基板としてn+ 型半導体基板を持ちいた縦型パワーMO
SFETについて説明したが、p+ 型半導体基板を用い
た絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)の
ゲート構造にも適用することができる。また、ケミカル
ドライエッチング工程を、CCl4 ,Cl2 ,SF6
CFCl3 ,CF2 Cl2 ,CF3 Cl,CHF3 ,C
2 ClF5 ,F2 ,NF3 ,BCl3 の内の何れか一つ
もしくは複数を含むガス系で行っても良い。これによ
り、効率良くエッチングすることができる。さらに、本
実施例においては、半導体基板に電圧を印加しないで行
ったが、ケミカルドライエッチング工程は、電離された
ガス雰囲気中において、前記半導体層の上方での陰極降
下の絶対値が10V未満の状態で行なっても良い。これ
により電離されたガスが、半導体層表面に欠陥を与えて
しまうほどの速度で衝突することがなくなる。そして、
形成される溝64の表面を欠陥の非常に少ない表面とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図(a)は本発明の第1実施例による縦型パワ
ーMOSFETの一部を示す平面図であり、図(b)は
図(a)のA−A断面図である。
【図2】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工
程を示す図である。
【図3】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工
程を示す図である。
【図4】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工
程を示す図である。
【図5】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工
程を示す図である。
【図6】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工
程を示す図である。
【図7】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工
程を示す図である。
【図8】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工
程を示す図である。
【図9】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造工
程を示す図である。
【図10】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図11】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図12】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図13】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図14】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図15】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図16】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図17】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図18】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図19】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図20】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図21】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図22】図1に示した縦型パワーMOSFETの製造
工程を示す図である。
【図23】第1実施例における縦型パワーMOSFET
のU溝の深さに対するオン抵抗及びブレークダウン電圧
の変化を示す図である。
【図24】第1実施例における縦型パワーMOSFET
の断面図である。
【図25】第1実施例における縦型パワーMOSFET
の断面図である。
【図26】第1実施例における縦型パワーMOSFET
の内部応力を示す図である。
【図27】(a)〜(c)は、第1実施例における縦型
パワーMOSFETの内部応力を示す図である。
【図28】第2実施例における縦型パワーMOSFET
の断面図である。
【図29】第2実施例における縦型パワーMOSFET
の平面図である。
【図30】第2実施例における縦型パワーMOSFET
の電流−電圧特性を示す図である。
【図31】第2実施例における縦型パワーMOSFET
の電流−電圧特性を示す図である。
【図32】第2実施例における縦型パワーMOSFET
の電界分布を示す図である。
【図33】第2実施例における縦型パワーMOSFET
のゲート電圧に対するドレイン電流、チャネルでの電圧
降下、及びチャネル移動度の変化を示す図である。
【図34】縦型パワーMOSFETのオン抵抗の配分を
示す図である。
【図35】縦型パワーMOSFETのしきい値電圧を説
明する図である。
【図36】(a)はプレーナ型縦型パワーMOSFET
のオン抵抗の配分を示す図であり、(b)は溝構造を有
する縦型パワーMOSFETのオン抵抗の配分を示す図
である。
【図37】図(a)は従来の縦型パワーMOSFETの
一部を示す平面図であり、図(b)は図(a)のA−A
断面図である。
【図38】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図39】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図40】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図41】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図42】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図43】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図44】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図45】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図46】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図47】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図48】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図49】図37に示した従来の縦型パワーMOSFE
Tの製造工程を示す図である。
【図50】開口幅Wmと酸化時の最大応力との関係を示
す図である。
【符号の説明】
1 n+ 型半導体基板 2 n- 型エピタキシャル層 4 n+ 型ソース層 5 チャネル 6 n- 型ドレイン層 7 JFET部 8 ゲート酸化膜 9 ゲート電極 16 p型ベース層 19 ソース電極 20 ドレイン電極 50 U溝 51 U溝の内壁 65 LOCOS酸化膜 601 酸化炉 603 ウエハボート 700 水溶液 702 放電室 703 反応室 704 遮光布

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の一主面側に該半導体基板よ
    りも低不純物濃度であって第1導電型の半導体層を形成
    し、この低濃度の半導体層の表面を主表面としてその所
    定領域をエッチングする工程と、 そのエッチングにより生じた面を含む領域を選択酸化す
    ることにより、該所定領域の前記半導体層内前記主表面
    より所定深さを有する選択酸化膜を形成する選択酸化工
    程と、 前記選択酸化膜の側面に接する前記半導体表面にチャネ
    ルを形成すべく、前記選択酸化膜と自己整合的に順次第
    2導電型と第1導電型の不純物を前記主表面より二重拡
    散し、この二重拡散により前記チャネルの長さを規定す
    ると同時に第2導電型のベース層と第1導電型のソース
    層を形成し、前記半導体層を第1導電型のドレイン層と
    する不純物導入工程と、この二重拡散の後に前記選択酸
    化膜を除去して前記所定深さを有する溝構造を形成し、
    前記チャネルとなる部分を含む前記溝の内壁を酸化して
    ゲート酸化膜とし、このゲート酸化膜上にゲート電極を
    形成するゲート形成工程と、 前記ソース層及び前記ベース層に電気的に接触するソー
    ス電極と、前記半導体基板の他主面側に電気的に接触す
    るドレイン電極とを形成するソース、ドレイン電極形成
    工程とを含む縦型MOSFETの製造方法において、 前記低濃度の半導体層の表面を主表面としてその所定領
    域をエッチングする工程において、エッチングにより除
    去する部分を規定するマスクの開口部の幅が、前記選択
    酸化膜を除去して形成される前記所定深さを有する溝構
    造の平坦部の長さに略等しいことを特徴とする縦型MO
    SFETの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記マスクの開口部の幅が2μm以上で
    あることを特徴とする請求項1記載の縦型MOSFET
    の製造方法。
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