JP2000260982A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP2000260982A JP11059839A JP5983999A JP2000260982A JP 2000260982 A JP2000260982 A JP 2000260982A JP 11059839 A JP11059839 A JP 11059839A JP 5983999 A JP5983999 A JP 5983999A JP 2000260982 A JP2000260982 A JP 2000260982A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドリフト領域に囲まれたストライプ状のベー
ス領域を有し、オン抵抗を低減させた縦型MOSFET
において、その耐圧を高くすることができる半導体装置
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 半導体基板10上の第1導電型半導体エ
ピタキシャル層11に形成されたトレンチ21内に第1
導電型のドリフト領域19を形成し、このトレンチの側
壁周囲にドリフト領域を囲むようにベース領域12の一
部を構成するストライプ状の第2導電型ベース領域20
を形成する。ストライプ状ベース領域20は、前記側壁
に沿って、縦方向に不純物濃度分布が均一である。スト
ライプ状ベース領域は、固相拡散もしくはエピタキシャ
ル成長により形成される。これらの方法によりストライ
プ状領域は不純物濃度がエピタキシャル層に対して縦方
向に均一であり、不必要な抵抗増が生じないのでセルの
高耐圧を維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置に係
り、とくにオン抵抗の小さい高電圧パワーMOSFET
の半導体基板内部に形成されたベース領域の構造及びそ
の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の縦型MOSFETは、図12に示
すように、Nシリコンなどの半導体基板100の裏面
にドレイン電極107が形成されている。半導体基板1
00表面にはN型シリコンエピタキシャル層(以下、N
エピタキシャル層という)101が形成されている。N
エピタキシャル層101表面領域にはP型不純物拡散領
域がPベース領域102として形成されている。Pベー
ス領域102の表面領域にはN不純物拡散領域がN
ソース領域103として形成されている。Nソース領
域にはソース電極106が形成されている。さらに、N
エピタキシャル層101、Pベース領域102及びN
ソース領域103の上にゲート酸化膜104を介してゲ
ート電極105が形成されている。Nエピタキシャル層
は、N型ドレインドリフト領域(以下、ドリフト領域と
いう)101として用いられる。このような従来の縦型
MOSFETは、ドレイン電流は、ドリフト領域101
を縦方向に流れる。ターンオフ時の阻止電圧は主として
この領域にかかる。そして、降伏電圧を高めるために
は、このNエピタキシャル層を厚くし、さらにその不純
物濃度を下げる必要があった。
【0003】しかし、このためにオン抵抗が指数関数的
に上昇する。降伏電圧600VのMOSFETではオン
抵抗成分の95%以上がNエピタキシャル層の抵抗で占
められている。これは、低電圧MOSFETのようにセ
ル形状と不純物濃度、電流密度の最適化だけではオン抵
抗を下げることは難しかった。そこで損失電力が低減さ
れ、発熱量が小さい縦型MOSFETが開発された。図
13は、単位面積当たりのオン抵抗を小さくした前記新
しい構造の縦型MOSFETの断面図である。Nシリ
コンなどの半導体基板120の裏面にはドレイン電極1
27が形成されている。そして、半導体基板120の表
面側にはN型シリコンエピタキシャル層(以下、Nエピ
タキシャル層という)121が形成されている。Nエピ
タキシャル層121には、半導体基板120表面の一部
まで入り込むトレンチが形成されおりその側壁周辺領域
にはPベース領域130が垂直にストライプ状に形成さ
れている。Nエピタキシャル層121の表面領域にはP
ベース領域130と連続的につながるPベース領域1
22が形成されている。トレンチ内部にはN型シリコン
エピタキシャル層がピラー状に堆積されており、この層
はN型ドレインドリフト領域(以下、ドリフト領域とい
う)129として用いられている。
【0004】Pベース領域122の表面領域にはN
不純物拡散領域がNソース領域123として形成され
ている。Nソース領域123は、ピラー状のドリフト
領域129を挟んで所定の間隔で1対形成されている。
ソース領域123にはソース電極126が形成され
ている。また、1対のNソース領域123間の上、す
なわち、ドリフト領域129およびPベース領域130
の上にゲート酸化膜124を介してゲート電極125が
形成されている。ゲート電極125は、シリコン酸化膜
などの絶縁膜128により被覆保護されている。以上の
ように、このMOSFETのセル構造は、Pベース領
域122、Nソース領域123、ゲート酸化膜12
4、ゲート電極125、ソース電極126、ドレイン電
極127、ドリフト領域129およびPベース領域13
0から構成され、このセル構造が半導体基板に繰り返し
形成配置されて半導体装置が構成されている。この新し
い縦型MOSFETは、セルごとに細いピラー状のN型
エピタキシャル層がドリフト領域として形成され、その
周囲がP型不純物拡散領域に囲まれている。すなわち、
縦方向のソース・ドレイン電流路がPベース領域に囲ま
れた構造となっている。
【0005】MOSFETセルがオンからオフ状態にな
ると、Pベース領域が埋め込まれたドリフト領域(N型
領域)に形成される空乏層を歪ませる。そして、阻止電
圧勾配が3次元的に折り返した形に広がり電圧耐量が高
まる。Pベース領域を縦方向に延ばすことにより降伏電
圧を高めることができる。そのため、オン抵抗と降伏電
圧の関係は、直線的になる。ところで、ストライプ状の
Pベース領域130は、以下の製造工程により形成され
る。まず、厚さ300〜500μm程度のNシリコン
半導体基板120上に膜厚50μm程度、不純物濃度が
1×1017cm-3程度のN型エピタキシャル層121を
形成する。N型エピタキシャル層121の表面領域にボ
ロンなどのP型不純物を注入してPベース領域122
を形成する(図14)。次に、N型エピタキシャル層1
21表面にシリコン酸化膜132を堆積させ、これをパ
ターニングしてエッチングに対するマスクを形成する
(図15)。次に、このマスク132を用いて四塩化炭
素と酸素との混合ガスなどを利用した反応性イオンエッ
チング(RIE:Reactive Ion Etching)により、Pベー
ス領域122表面から半導体基板120表面を少しエッ
チングするようにトレンチ131を形成する。トレンチ
131の幅wは、6μm程度、深さdは、N型エピタキ
シャル層121の膜厚50μmより幾分深くなっている
(図16)。
【0006】次に、CVD(Chemical Vapour Depositio
n)などにより、トレンチ131内部表面及びマスク13
2表面、トレンチ131の底面に露出する半導体基板1
20上にSiO2 などのバッファ酸化膜133を形成す
る(図17)。その後、トレンチ131内面上にトレン
チ131表面からその側壁にボロンなどのP型不純物を
斜方イオン注入する。その後半導体基板120を熱処理
してトレンチ側壁にストライプ状のP型不純物拡散領域
を形成し、この領域をPベース領域130とする(図1
8)。その後、工程をさらに進めて、図13に示す縦型
MOSFETを形成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、図13
に示す縦型MOSFETは、オン抵抗が降伏電圧と比例
して変化するので、オン抵抗が指数関数的に増大する従
来のものに比較して高電圧になるほどオン抵抗の低減効
果が大きくなる。そのため損失電力が小さくなり、発熱
量が小さくなってシステム全体のコストが下がることに
なる。このように、従来のオン抵抗を低減させた縦型M
OSFETは、高電圧においてオン抵抗が小さいという
特徴を備えているが、トレンチの側壁に沿ったストライ
プ状の領域(Pベース領域)は、ボロンなどのP型不純
物をこの側壁の斜方向からイオン注入(斜方インプラ)
して形成されている。この方法で得られた不純物拡散領
域は、縦方向の不純物濃度分布を均一にすることが困難
である。また、トレンチ底部にもイオン注入がされるこ
とがあり、そのためトレンチ底部のNシリコン半導体
基板にもP型不純物拡散領域が形成されることがあっ
た。その結果MOSFETの耐圧を高くすることができ
ないという問題があった。本発明は、この様な事情によ
りなされたものであり、オン抵抗を低減させた縦型MO
SFETにおいて、オン抵抗を小さくするとともにその
セル耐圧を高く維持できる半導体装置及びその製造方法
を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体基板上
の第1導電型半導体エピタキシャル層に形成されたトレ
ンチ内に第1導電型のドリフト領域を形成し、このトレ
ンチの側壁周囲にドリフト領域を囲むように形成され、
ベース領域の一部を構成するストライプ状の第2導電型
ベース領域を備えたセル構造を有するMOSFETにお
いて、このストライプ状の第2導電型ベース領域は、前
記側壁に沿って、即ち、縦方向に不純物濃度分布が均一
であることを特徴とし、また、前記ストライプ状の第2
導電型ベース領域は、固相拡散もしくはエピタキシャル
成長により形成されることを特徴としている。これらの
方法を用いてストライプ状の第2導電型ベース領域がド
リフト領域周囲に形成されるので、このストライプ状領
域は、不純物濃度が前記エピタキシャル層に対して縦方
向に均一であり、また従来のようにトレンチ底部にP型
不純物が混入しないので、不必要な抵抗増が生じない。
その結果オン抵抗を小さくするとともにセル耐圧を高く
維持することが可能になる。
【0009】すなわち、本発明の半導体装置は、第1導
電型半導体基板上に形成された第1導電型半導体エピタ
キシャル層の表面領域に形成された1対の第1導電型ソ
ース領域と、前記表面領域に前記1対の第1導電型ソー
ス領域を囲むように形成された第1の第2導電型ベース
領域、前記1対の第1導電型ソース領域及び前記第1の
第2導電型ベース領域の上にゲート酸化膜を介して形成
されたゲート電極と、前記第1導電型半導体エピタキシ
ャル層の前記ゲート電極直下の表面から裏面を突き抜け
て前記半導体基板の一部まで形成されたトレンチに埋め
込み形成された第1導電型ドリフト領域と、前記トレン
チ側壁周辺にストライプ状に形成され、前記第1の第2
導電型ベース領域に部分的に重なる領域を有する第2の
第2導電型ベース領域とを備え、前記第2の第2導電型
ベース領域の前記第1の第2導電型ベース領域に重なら
ない領域は、前記エピタキシャル層の厚さ方向である縦
方向に不純物濃度分布が均一であることを特徴としてい
る。
【0010】本発明の半導体装置の製造方法は、第1導
電型半導体基板上に形成された第1導電型半導体エピタ
キシャル層の表面領域に1対の第1導電型ソース領域を
形成する工程と、前記第1導電型半導体エピタキシャル
層の表面領域に、前記1対の第1導電型ソース領域を囲
むように、第1の第2導電型ベース領域を形成する工程
と、前記1対の第1導電型ソース領域間の表面から裏面
を突き抜けて前記半導体基板の一部に達するトレンチを
形成する工程と、前記第1導電型半導体エピタキシャル
層表面及び前記トレンチ側壁にボロンシリケートガラス
(BSG;BornSilicate Glass)膜を堆積させる工程
と、前記ボロンシリケートガラス膜を熱処理して前記ト
レンチ側壁からボロンを第1導電型半導体エピタキシャ
ル層に拡散させて、前記トレンチ側壁周辺にストライプ
状であり、且つ前記第1の第2導電型ベース領域に部分
的に重なる領域を有する第2の第2導電型ベース領域を
形成する工程と、前記トレンチに埋め込まれるように第
1導電型半導体からなるピラー状のドリフト領域を形成
する工程と、前記第1導電型半導体エピタキシャル層表
面領域の前記1対の第1導電型ソース領域及び前記第1
の第2導電型ベース領域上にゲート酸化膜を介してゲー
ト電極を形成する工程とを備え、前記第2の第2導電型
ベース領域の前記第1の第2導電型ベース領域に重なら
ない領域は、前記第1導電型半導体エピタキシャル層の
厚さ方向である縦方向に不純物濃度分布が均一であるこ
とを第1の特徴としている。
【0011】また、本発明の半導体装置の製造方法は、
第1導電型半導体基板上に形成された第1導電型半導体
エピタキシャル層の表面領域に1対の第1導電型ソース
領域を形成する工程と、前記第1導電型半導体エピタキ
シャル層の表面領域に、前記1対の第1導電型ソース領
域を囲むように、第1の第2導電型ベース領域を形成す
る工程と、前記1対の第1導電型ソース領域間の表面か
ら裏面を突き抜けて前記半導体基板の一部に達するトレ
ンチを形成する工程と、前記トレンチ内部に第2導電型
半導体をエピタキシャル成長させて、前記トレンチ側壁
周辺にストライプ状に前記第1の第2導電型ベース領域
に接続する第2の第2導電型ベース領域を形成する工程
と、前記トレンチに埋め込まれるように第1導電型半導
体からなるピラー状のドリフト領域を形成する工程と、
前記第1導電型半導体エピタキシャル層表面領域の前記
1対の第1導電型ソース領域及び前記第1の第2導電型
ベース領域上にゲート酸化膜を介してゲート電極を形成
する工程とを備え、前記第2の第2導電型ベース領域
は、前記第1導電型半導体エピタキシャル層の厚さ方向
である縦方向に不純物濃度分布が均一であることを第2
の特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して発明の実施の
形態を説明する。まず、図1乃至図8を参照して第1の
実施例を説明する。図1は、縦型MOSFETのセル構
造を示す断面図、図2は、図1のセル構造の部分に透過
した平面図、図3は、図1のセル構造上面のゲート電極
構造を示す平面図である。Nシリコンなどの半導体基
板10の裏面には金属膜からなるドレイン電極(D)1
7が形成されている。そして、半導体基板10の表面側
にはN型シリコンエピタキシャル層(以下、Nエピタキ
シャル層という)11が形成されている。Nエピタキシ
ャル層11には、その表面から半導体基板10表面の一
部まで入り込むトレンチ21が形成されおり、その側壁
周辺領域にはPベース領域20が垂直にストライプ状に
形成されている。Nエピタキシャル層11の表面領域に
はPベース領域20と連続的につながるPベース領域
12が形成されている。トレンチ21内部にはN型シリ
コンエピタキシャル層がピラー状に堆積されており、こ
の層はN型ドレインドリフト領域(以下、ドリフト領域
という)19として用いられている。Pベース領域1
2が形成されている表面領域にはN不純物拡散領域が
ソース領域13として形成されている。
【0013】Nソース領域13は、ピラー状のドリフ
ト領域19を挟んで所定の間隔で1対形成されている。
ソース領域13にはアルミニウムなどの金属膜から
なるソース電極(S)16が形成されている。また、1
対のNソース領域13間の上、すなわちドリフト領域
19及びPベース領域20の上にゲート酸化膜14を介
してポリシリコンなどからなるゲート電極(G)15が
形成されている。ゲート電極15は、シリコン酸化膜な
どの絶縁膜18により被覆保護されている。そして、P
ベース領域20は、Pベース領域12とNエピタキシ
ャル層11の表面領域で重なっており、且つ重ならない
領域20aは、Nエピタキシャル層11の厚さ方向であ
る縦方向に不純物濃度分布が均一である。以上のよう
に、このMOSFETのセル構造は、Pベース領域1
2、Nソース領域13、ゲート酸化膜14、ゲート電
極15、ソース電極16、ドレイン電極17、ドリフト
領域19及びPベース領域20から構成され、このセル
構造が半導体基板に繰り返し形成配置されて半導体装置
が構成されている。
【0014】この縦型MOSFETは、セルごとに細い
ピラー状のN型エピタキシャル層がドリフト領域として
形成され、その周囲がP型不純物拡散領域に囲まれてい
る。すなわち、縦方向のソース・ドレイン電流路がPベ
ース領域に囲まれた構造となっている。この実施例で
は、以下の方法を用いてストライプ状のPベース領域が
ドリフト領域周囲に形成されるので、このストライプ状
領域は、不純物濃度が半導体基板上に形成されたエピタ
キシャル層に対して縦方向に均一であり、その結果セル
の耐圧を従来より高くできる。次に、図4乃至図8を参
照して図1のMOSFETのセル構造の製造方法を説明
する。図は、いずれもセル構造の製造工程断面図であ
る。
【0015】まず、厚さ300〜500μm程度のN
シリコン半導体基板10上に膜厚50μm程度、不純物
濃度が1×1017cm-3程度のNエピタキシャル層11
を形成する。N型エピタキシャル層11の表面領域にボ
ロンなどのP型不純物を注入してPベース領域12を
形成する(図4)。次に、Nエピタキシャル層11表面
にシリコン酸化膜22を堆積させ、これをパターニング
してエッチングに対するマスクを形成する(図5)。次
に、このマスク22を用いて四塩化炭素と酸素との混合
ガスなどを利用した反応性イオンエッチング(RIE)
により、Pベース領域12表面から半導体基板10表
面を少しエッチングするようにトレンチ21を形成す
る。トレンチ21の幅wは、6μm程度、深さdは、N
型エピタキシャル層11の膜厚50μmより幾分深くな
っている(図6)。トレンチ幅wは、2〜10μmが適
当である。次に、RIEダメージ除去などの処理を行っ
てから、CVDなどにより、トレンチ21内部表面及び
マスク22の表面、トレンチ21の底面に露出する半導
体基板10上に膜厚300nm程度のボロン濃度が1×
1019〜1×1021/cm 3 のボロンシリケートガラス
(BSG)膜24を形成する(図7)。
【0016】次に、RIEエッチングなどにより、マス
ク22上及びトレンチ21底面上のBSGをエッチング
除去してBSG膜24がトレンチ21側壁にのみ堆積さ
せる(図8)。その後、トレンチ21側壁上のBSG膜
24を1000℃〜1100℃、例えば、1050℃、
2 雰囲気中で熱処理させてボロンをトレンチ21側壁
からNエピタキシャル層11内部に拡散させ、トレンチ
側壁周辺にストライプ状に形成されたPベース領域20
を形成する。Pベース領域20は、Nエピタキシャル層
11の表面領域においてPベース領域12と重なり、
重ならない領域20aは、Nエピタキシャル層の厚さ方
向である縦方向に不純物濃度分布が均一である。次に、
BSG膜をウエットエッチングなどにより除去してか
ら、トレンチ21に埋め込まれるようにピラー状のNエ
ピタキシャル層を成長させ、これをドリフト領域19と
する。Nピタキシャル層11表面領域の1対のN型ソー
ス領域13上、Pベース領域12上及びドリフト領域
19上にゲート酸化膜14を形成し、その上にゲート電
極15及びこれを保護する絶縁膜18を形成する。次
に、半導体基板10裏面にドレイン電極17及びNエピ
タキシャル層11表面にソース電極16を形成して図1
に示す縦型MOSFETを得る。
【0017】次に、図9乃至図11を参照して第2の実
施例を説明する。図9は、縦型MOSFETのセル構造
を示す断面図、図10及び図11は、このセル構造の製
造工程断面図である。この実施例のセル構造は、図1の
セル構造と実質的に同じである。Nシリコン半導体基
板30裏面にドレイン電極37が形成されている。半導
体基板30の表面側にはN型シリコンエピタキシャル層
(Nエピタキシャル層)31が形成されている。Nエピ
タキシャル層31には、その表面から半導体基板30表
面の一部まで入り込むトレンチ41が形成されおり、そ
の側壁周辺領域にはPベース領域40が垂直にストライ
プ状に形成されている。Nエピタキシャル層31の表面
領域にはPベース領域40と連続的につながるPベー
ス領域32が形成されている。トレンチ41内部にはN
型シリコンエピタキシャル層がピラー状に堆積されてお
り、この層はN型ドレインドリフト領域(ドリフト領
域)39として用いられている。Pベース領域32が
形成されている表面領域にはN不純物拡散領域がN
ソース領域33として形成されている。Nソース領域
33は、ピラー状のドリフト領域39を挟んで所定の間
隔で1対形成されている。Nソース領域33にはアル
ミニウムなどのソース電極36が形成されている。
【0018】また、1対のNソース領域33間の上、
すなわちドリフト領域39及びPベース領域30の上に
ゲート酸化膜34を介してポリシリコンなどのゲート電
極35が形成されている。ゲート電極35は、シリコン
酸化膜などの絶縁膜38により被覆保護されている。P
ベース領域40は、Pベース領域32とNエピタキシ
ャル層31の表面領域でつながっている。Pベース領域
40は、Nエピタキシャル層31の厚さ方向である縦方
向に不純物濃度分布が均一になっている。この縦型MO
SFETは、セルごとに細いピラー状のN型エピタキシ
ャル層がドリフト領域として形成され、その周囲がP型
不純物拡散領域に囲まれている。すなわち、縦方向のソ
ース・ドレイン電流路がPベース領域に囲まれた構造と
なっている。この実施例ではストライプ状のPベース領
域がエピタキシャル成長法によりドリフト領域の周囲に
形成されるので、このストライプ状領域は、不純物濃度
が前記Nエピタキシャル層31に対して縦方向に均一で
あり、その結果セルの耐圧を従来より高くすることがで
きる。
【0019】次に、図10及び図11を参照してストラ
イプ状のPベース領域を形成する方法を説明する。図6
に示した工程までは、第1の実施例と同じなので、ここ
までの説明は省略する。厚さ300〜500μm程度の
シリコン半導体基板30上に膜厚50μm程度、不
純物濃度が1×1017cm-3程度のNエピタキシャル層
31が形成され、この表面領域にボロンなどのP型不純
物を注入してPベース領域32が形成されている。そ
して、Nエピタキシャル層31表面にシリコン酸化膜を
マスク42として形成したトレンチ21が設けられてい
る。トレンチ21の幅wは、6μm程度、深さdは、N
エピタキシャル層31の膜厚50μmより幾分深くなっ
ている。トレンチ幅wは、2〜10μmが適当である。
次に、RIEダメージ除去などの処理を行ってから、C
VDなどにより、トレンチ41内部側面及びトレンチ4
1の底面に露出する半導体基板30上にP型シリコンエ
ピタキシャル層(Pエピタキシャル層)43を選択的に
成長させる(図10)。
【0020】次に、RIEエッチングなどによりトレン
チ41底面上のP型シリコンエピタキシャル層43をエ
ッチング除去してトレンチ41に沿って形成されたスト
ライプ状のPベース領域40がトレンチ21側壁上にの
み形成される(図11)。その後、Pベース領域40
は、Nエピタキシャル層31の表面領域においてP
ース領域32とつながり、Nエピタキシャル層31の厚
さ方向である縦方向に不純物濃度分布が均一である。次
にトレンチ41に埋め込まれるようにピラー状のNエピ
タキシャル層を成長させ、これをドリフト領域39とす
る。Nエピタキシャル層31表面領域に1対のN型ソー
ス領域33上、Pベース領域32上及びドリフト領域
39上にゲート酸化膜34を形成し、その上にゲート電
極35及びこれを保護する絶縁膜38を形成する。次
に、半導体基板30裏面にドレイン電極17及びNエピ
タキシャル層31表面にソース電極36を形成して図9
に示す縦型MOSFETを得る。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上の構成により、ドリフト
領域周囲に形成されるストライプ状のPベース領域は、
不純物濃度が前記エピタキシャル層に対して縦方向に均
一に分布されており、その結果、オン抵抗を小さくする
とともにセル耐圧を高く維持することができる。また、
斜方インプラを用いた従来のように、トレンチ底部にP
型不純物が混入しないので、不必要な抵抗増が生じな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の断面図。
【図2】図1に示す半導体装置の上面の一部を透視した
平面図。
【図3】図1に示す半導体装置の上面の電極配置を説明
する平面図。
【図4】本発明の製造工程を説明する断面図。
【図5】本発明の製造工程を説明する断面図。
【図6】本発明の製造工程を説明する断面図。
【図7】本発明の製造工程を説明する断面図。
【図8】本発明の製造工程を説明する断面図。
【図9】本発明の半導体装置の断面図。
【図10】本発明の製造工程を説明する断面図。
【図11】本発明の製造工程を説明する断面図。
【図12】従来の半導体装置の断面図。
【図13】従来の半導体装置の断面図。
【図14】従来の製造工程を説明する断面図。
【図15】従来の製造工程を説明する断面図。
【図16】従来の製造工程を説明する断面図。
【図17】従来の製造工程を説明する断面図。
【図18】従来の製造工程を説明する断面図。
【符号の説明】
10、30、100、120・・・半導体基板、 11、31、101、l21・・・Nエピタキシャル
層、 12、32、102、122・・・Pベース領域、 13、33、103、132・・・Nソース領域、 14、34、104、134・・・ゲート酸化膜、 15、35、105、135・・・ゲート電極、 16、36、106、126・・・ソース電極、 17、37、107、127・・・ドレイン電極、 18、38、128・・・絶縁膜、 19、39、129・・・ドリフト領域、 20、20a、40、130・・・Pベース領域、 21、41、131・・・トレンチ、 22、42、132・・・シリコン酸化膜(マスク)、 24・・・BSG膜、 43・・・Pエピタキシャル
層、 133・・・バッファ酸化膜。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型半導体基板上に形成された第
    1導電型半導体エピタキシャル層の表面領域に形成され
    た1対の第1導電型ソース領域と、前記表面領域に前記
    1対の第1導電型ソース領域を囲むように形成された第
    1の第2導電型ベース領域、前記1対の第1導電型ソー
    ス領域及び前記第1の第2導電型ベース領域の上にゲー
    ト酸化膜を介して形成されたゲート電極と、前記第1導
    電型半導体エピタキシャル層の前記ゲート電極直下の表
    面から裏面を突き抜けて前記半導体基板の一部まで形成
    されたトレンチに埋め込み形成された第1導電型ドリフ
    ト領域と、前記トレンチ側壁周辺にストライプ状に形成
    され、前記第1の第2導電型ベース領域に部分的に重な
    る領域を有する第2の第2導電型ベース領域とを備え、
    前記第2の第2導電型ベース領域の前記第1の第2導電
    型ベース領域に重ならない領域は、前記エピタキシャル
    層の厚さ方向である縦方向に不純物濃度が均一に分布し
    ていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 第1導電型半導体基板上に形成された第
    1導電型半導体エピタキシャル層の表面領域に1対の第
    1導電型ソース領域を形成する工程と、前記第1導電型
    半導体エピタキシャル層の表面領域に、前記1対の第1
    導電型ソース領域を囲むように第1の第2導電型ベース
    領域を形成する工程と、前記1対の第1導電型ソース領
    域間の表面から裏面を突き抜けて前記半導体基板の一部
    に達するトレンチを形成する工程と、前記第1導電型半
    導体エピタキシャル層表面及び前記トレンチ側壁にボロ
    ンシリケートガラス膜を堆積させる工程と、前記ボロン
    シリケートガラス膜を熱処理して前記トレンチ側壁から
    ボロンを第1導電型半導体エピタキシャル層に拡散させ
    て、前記トレンチ側壁周辺にストライプ状であり、且つ
    前記第1の第2導電型ベース領域に部分的に重なる領域
    を有する第2の第2導電型ベース領域を形成する工程
    と、前記トレンチに埋め込まれるように第1導電型半導
    体からなるピラー状のドリフト領域を形成する工程と、
    前記第1導電型半導体エピタキシャル層表面領域の前記
    1対の第1導電型ソース領域及び前記第1の第2導電型
    ベース領域上にゲート酸化膜を介してゲート電極を形成
    する工程とを備え、前記第2の第2導電型ベース領域の
    前記第1の第2導電型ベース領域に重ならない領域は、
    前記第1導電型半導体エピタキシャル層の厚さ方向であ
    る縦方向に不純物濃度が均一に分布されていることを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1導電型半導体基板上に形成された第
    1導電型半導体エピタキシャル層の表面領域に1対の第
    1導電型ソース領域を形成する工程と、前記第1導電型
    半導体エピタキシャル層の表面領域に、前記1対の第1
    導電型ソース領域を囲むように第1の第2導電型ベース
    領域を形成する工程と、前記1対の第1導電型ソース領
    域間の表面から裏面を突き抜けて前記半導体基板の一部
    に達するトレンチを形成する工程と、前記トレンチ内部
    に第2導電型半導体をエピタキシャル成長させて、前記
    トレンチ側壁周辺にストライプ状に前記第1の第2導電
    型ベース領域に接続する第2の第2導電型ベース領域を
    形成する工程と、前記トレンチに埋め込まれるように第
    1導電型半導体からなるピラー状のドリフト領域を形成
    する工程と、前記第1導電型半導体エピタキシャル層表
    面領域の前記1対の第1導電型ソース領域及び前記第1
    の第2導電型ベース領域上にゲート酸化膜を介してゲー
    ト電極を形成する工程とを備え、前記第2の第2導電型
    ベース領域は、前記第1導電型半導体エピタキシャル層
    の厚さ方向である縦方向に不純物濃度が均一に分布され
    ていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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