JP3645444B2 - 半導体集積回路装置の製造方法 - Google Patents

半導体集積回路装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置の製造技術に関し、特に、電極パッド上にバンプ電極を搭載したLSI(Large Scale Integrated Circuit)パッケージを有する半導体集積回路装置の製造に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップ、インターポーザまたは実装基板(以下、半導体チップ、インターポーザおよび実装基板を総称して基材と呼ぶ)の電極パッド上にバンプ電極を形成するバンプ形成技術の一つに、ボール供給法がある。このボール供給法は、予め形成された半田ボールをパッド電極の表面上に吸引治具を用いて供給する方法であり、例えば特開平5−129374号公報に記載されている。
【0003】
ボール供給法では、まず、半田ボールの酸化を防いで半田ボールを溶け易くするめに、予め半田ボールにフラックスを塗布した後、この半田ボールを基材の電極パッドの表面上に搭載し、次いでリフロー処理を施すことによって、半田ボールからなるバンプ電極をパッド電極に接続させている。さらに、MCC(Micro Carrier for Chip)基板またはBGA(Ball Grid Array )基板に、直径0.6〜0.76mm程度の相対的に大きいバンプ電極を形成する際のフラックス塗布は、自動化によってその塗布量の均一化が図られており、フラックスの塗布むらが生じるのを防いでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、直径0.2mm以下の相対的に小さいバンプ電極、または、すでにバンプ電極が形成された基材へのフラックスの自動塗布は難しく、ハケ塗りなどの手作業でフラックを塗布している。このためフラックス塗布量が不均一となって、半田ボールが未接続となる問題が生ずることが考えられた。
【0005】
本発明の目的は、バンプ電極の接続信頼性を向上させることのできる技術を提供することにある。
【0006】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0008】
(1)本発明のバンプ電極の形成方法は、フラックス転写ステージに充填されたフラックスを転写ヘッドに転写した後、転写ヘッドに転写されたフラックスを半田ボール、パッド電極またはバンプ電極が搭載された基材の一表面に転写する工程を有するものである。
【0009】
(2)本発明のバンプ電極の形成方法は、フラックス転写ステージに充填されたフラックスを転写ヘッドに転写した後、転写ヘッドに転写されたフラックスを半田ボール、パッド電極またはバンプ電極が搭載された基材の一表面に転写する工程を有し、上記フラックス転写ステージ、上記転写ヘッドまたは上記基材の動作機構が自動化されているものである。
【0010】
(3)本発明のバンプ電極の形成方法は、前記(1)または(2)のバンプ電極の形成方法において、上記転写ヘッドにはフラックスを溜める溝、フラックスを溜める凹凸またはシリコンゴムが形成されているものである。
【0011】
(4)本発明のバンプ電極の形成方法は、前記(3)のバンプ電極の形成方法において、フラックスを溜める溝の深さを5〜100μm程度とするものである。
【0012】
(5)本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、フラックス転写ステージに充填されたフラックスを転写ヘッドに転写した後、転写ヘッドに転写されたフラックスをパッド電極が搭載された第1の基材の一表面に転写する工程と、第1の基材の一表面のパッド電極上に半田ボールを供給する工程と、リフロー処理を施して、第1の基材の一表面のパッド電極と半田ボールとを溶融接続する工程とを有するものである。
【0013】
(6)本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、フラックス転写ステージに充填されたフラックスを転写ヘッドに転写した後、転写ヘッドに転写されたフラックスを半田ボールが搭載されたダミー基材の一表面に転写する工程と、ダミー基材の一表面の半田ボールと第1の基材の一表面のパッド電極との位置合わせを行う工程と、リフロー処理を施して、ダミー基材の一表面の半田ボールと第1の基材の一表面のパッド電極とを溶融接続する工程とを有するものである。
【0014】
(7)本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、フラックス転写ステージに充填されたフラックスを転写ヘッドに転写した後、転写ヘッドに転写されたフラックスをパッド電極が搭載された第1の基材の一表面に転写する工程と、第1の基材の一表面のパッド電極と第2の基材の一表面のバンプ電極との位置合わせを行う工程と、リフロー処理を施して、第1の基材の一表面のパッド電極と第2の基材の一表面のパンプ電極とを溶融接続する工程とを有するものである。
【0015】
(8)本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、フラックス転写ステージに充填されたフラックスを転写ヘッドに転写した後、転写ヘッドに転写されたフラックスをバンプ電極が搭載された第1の基材の一表面に転写する工程と、第1の基材の一表面のバンプ電極と第2の基材の一表面のパッド電極との位置合わせを行う工程と、リフロー処理を施して、第1の基材の一表面のバンプ電極と第2の基材の一表面のパッド電極とを溶融接続する工程とを有するものである。
【0016】
(9)本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、前記(5)、(6)、(7)または(8)の半導体集積回路装置の製造方法において、第1の基材または第2の基材を、半導体チップ、インターポーザまたは実装基板とするものである。
【0017】
上記した手段によれば、半田ボール、パッド電極またはバンプ電極が搭載された基材の一表面上へ転写ヘッドを用いてフラックスを塗布するので、フラックスの塗布むらがなくなり、バンプ電極の接続不良を防ぐことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
本発明の一実施の形態であるフラックスの塗布方法を図1および図2を用いて説明する。図1は、フラックス塗布の手順を説明するための模式図であり、図2は、転写ヘッドの種々の形状を示す転写ヘッドの断面の模式図である。なお、実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0020】
まず、図1(a)に示すように、フラックス1aが充填されたフラックス転写ステージ2を用意し、このフラックス転写ステージ2の表面に転写ヘッド3を押し当てて、転写ヘッド3にフラックス1bを転写する。次に、図1(b)に示すように、例えばパッド電極またはバンプ電極が搭載された基材4の表面にフラックス1bが転写された上記転写ヘッド3を押し当てて、基材4の表面にフラックス1cを転写する。
【0021】
ここで、フラックス転写ステージ2から転写ヘッド3へのフラックス1bの転写および転写ヘッド3から基材4の表面へのフラックス1cの転写の一連の工程は、転写ヘッド3または基材4の動作機構などを制御した自動処理によって行われる。駆動方法に、例えばACサーボモータおよびボールネジを用いることによってフラックス1cの転写精度を+−0.5mm以下とすることができる。
【0022】
前記転写ヘッド3には、図2に示すように、フラックス1bを溜めることのできる5〜100μm程度の深さの溝5を設けた転写ヘッド(図2(a))、凹凸6を付けた転写ヘッド(図2(b))、またはシリコンゴム7を備えた転写ヘッド(図2(c))を用いることができる。
【0023】
次に、本実施の形態のフラックス塗布を適用したMCC構造の半導体集積回路装置の製造方法を図3〜図6を用いて簡単に説明する。
【0024】
まず、図3に示すように、半導体チップ8を準備する。この半導体チップ8の回路形成面には複数のパッド電極9が設けられ、複数のパッド電極9の夫々の表面上にはバンプ電極10が形成されている。
【0025】
バンプ電極10の形成は、まず、半導体チップ8の回路形成面に設けられたパッド電極9の表面に、前記図1に記載した塗布方法によってフラックス1cを塗布する。その後、半導体チップ8の回路形成面に設けられたパッド電極9の配列ピッチと同一の配列ピッチで配置された複数の半田ボールを搭載した吸着治具を用いて、この半田ボールを半導体チップ8の回路形成面に設けられたパッド電極9上に供給し、次いでリフロー処理を施してパッド電極9の表面に上記半田ボールを溶融接続することによって行われる。ここで、フラックス塗布、ボール供給およびリフロー処理の一連の工程を自動処理化してもよい。
【0026】
次に、洗浄処理を施し、前記半導体チップ8の回路形成面に残存するフラックスを除去する。
【0027】
次に、図4に示すように、MCC基板11のチップ搭載面上に前記半導体チップ8を実装する。半導体チップ8の実装は、まず、MCC基板11のチップ搭載面に設けられたパッド電極12の表面に、前記図1に記載した塗布方法によってフラックス1cを塗布し、その後、半導体チップ8をMCC基板11搭載し、次いでリフロー処理を施してパッド電極12の表面にバンプ電極10を溶融接続することによって行われる。ここで、フラックス塗布、半導体チップ搭載およびリフロー処理の一連の工程を自動処理化してもよい。なお、MCC基板11のチップ搭載面の周辺部にはメタライズ層13が設けられ、裏面にはパッド電極14が設けられている。
【0028】
次に、洗浄処理を施し、前記MCC基板11のチップ搭載面に残存するフラックスを除去する。
【0029】
次に、図5に示すように、前記半導体チップ8を封止用キャップ15で封止すると共に、半導体チップ8の裏面と封止用キャップ15の内壁面とを熱伝導材16を介在して連結する。半導体チップ8の封止は、MCC基板11のチップ搭載面に設けられたメタライズ層13と封止用キャップ15の脚部15aに設けられたメタライズ層17との間に封止材18を介在し、この封止材18を溶融することによって行われる。また、半導体チップ8の裏面と封止用キャップ15の内壁面との間に熱伝導材16を介在し、この熱伝導材16を溶融することによって行われる。
【0030】
次に、図6に示すように、MCC基板11の裏面に設けられたパッド電極14の表面に、前記図1に記載した塗布方法によってフラックス1cを塗布し、その後、MCC基板11の裏面に設けられたパッド電極14の配列ピッチと同一の配列ピッチで配置された複数の半田ボールを搭載した吸着治具を用いて、この半田ボールをMCC基板11の裏面に設けられたパッド電極14上に供給し、次いでリフロー処理を施してパッド電極14の表面に半田ボールからなるバンプ電極19を溶融接続する。ここで、フラックス塗布、ボール供給およびリフロー処理の一連の工程を自動処理化してもよい。
【0031】
次に、洗浄処理を施し、前記MCC基板11の裏面に残存するフラックスを除去する。
【0032】
この後、図示はしないが、このようにして形成されたMCC構造の半導体集積回路装置は、実装基板の実装面上に実装され、例えば大型計算機の演算処理部に組み込まれる。半導体集積回路装置の実装は、実装基板の実装面に設けられたパッド電極にバンプ電極を溶融接続することによって行われる。
【0033】
なお、本実施の形態では、半導体チップ8の回路形成面に設けられたパッド電極9上への半田ボールの供給、およびMCC基板11の裏面に設けられたパッド電極14上への半田ボールの供給に吸着治具を用いたが、ダミー基材に予めパッド電極9,14の配列ピッチと同一の配列ピッチで配置された複数の半田ボールを搭載しておき、このダミー基材に搭載された半田ボールをパッド電極9,14へ供給してもよい。
【0034】
また、本実施の形態では、フラックス1cは、半導体チップ8の回路形成面に設けられたパッド電極9の表面、MCC基板11のチップ搭載面に設けられたパッド電極12の表面およびMCC基板11の裏面に設けられたパッド電極14の表面に塗布されたが、パッド電極9,14に接続される半田ボール、またはパッド電極12に接続される半導体チップ8の回路形成面に設けられたバンプ電極10に塗布してもよい。
【0035】
このように、本実施の形態によれば、ハケ塗りなどの手作業ではなく、転写ヘッド3を用いた自動処理によってフラックスをパッド電極9,12,14へ塗布するので、フラックスの塗布むらがなくなり、バンプ電極の接続不良を防ぐことができる。
【0036】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0037】
例えば、前記実施の形態では、MCC構造の半導体集積回路装置の製造方法に適用した場合について説明したが、BGA構造、PGA(Pin Grid Array)構造またはMCM(Multi Chip Module )構造などのバンプ電極を有するいかなる半導体集積回路装置の製造方法に適用することができる。
【0038】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0039】
本発明によれば、半田ボール、パッド電極またはバンプ電極が搭載された基材の表面上へ、転写ヘッドを用いてフラックスを塗布するので、フラックスの塗布むらがなくなり、バンプ電極の接続不良を防ぐことができるので、バンプ電極の接続信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は、本発明の一実施の形態であるフラックスの塗布方法を示す模式図である。
【図2】(a),(b),(c)は、フラックスを塗布する際に用いる転写ヘッドの種々の形状を示す転写ヘッドの断面の模式図である。
【図3】本発明を適用したMCC構造の半導体集積回路装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明を適用したMCC構造の半導体集積回路装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明を適用したMCC構造の半導体集積回路装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明を適用したMCC構造の半導体集積回路装置の製造方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1a フラックス
1b フラックス
1c フラックス
2 フラックス転写ステージ
3 転写ヘッド
4 基材
5 溝
6 凹凸
7 シリコンゴム
8 半導体チップ
9 パッド電極
10 バンプ電極
11 MCC基板
12 パッド電極
13 メタライズ層
14 パッド電極
15 封止用キャップ
15a 脚部
16 熱伝導材
17 メタライズ層
18 封止材
19 バンプ電極

Claims (3)

  1. フラックス転写ステージに充填されたフラックスを転写ヘッドに転写した後、前記転写ヘッドに転写された前記フラックスを半田ボール、パッド電極またはバンプ電極が搭載された基材の一表面に転写する工程を有し、前記転写ヘッドにはフラックスを溜める溝、フラックスを溜める凹凸またはシリコンゴムが形成されていることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  2. フラックス転写ステージに充填されたフラックスを転写ヘッドに転写した後、前記転写ヘッドに転写された前記フラックスを半田ボール、パッド電極またはバンプ電極が搭載された基材の一表面に転写する工程を有し、前記フラックス転写ステージ、前記転写ヘッドまたは前記基材の動作機構が自動化されており、前記転写ヘッドにはフラックスを溜める溝、フラックスを溜める凹凸またはシリコンゴムが形成されていることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、前記フラックスを溜める溝の深さは5〜100μmであることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
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