JP2004247358A - 半導体装置と、その製造方法と、それに用いるはんだボール - Google Patents

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寿 早川
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Abstract

【課題】半導体素子が形成された半導体基板の電極と配線基板のパッドとの間をはんだボールを介して接続して半導体装置を製造する技術において、 隣接はんだボール間がはんだ等の金属によるブリッジで短絡する不良発生のおそれをなくす。
【解決手段】半導体素子が形成された半導体基板(半導体ウェハ)14の各電極16と配線基板(半導体ウェハ1枚分のチップサイズパッケージ)10に形成された各パッド12との間を、金属活性剤入り樹脂4を核とし、その周りをはんだ6で覆い、更に、そのはんだ6をそれより硬化速度の速い樹脂8で覆ったはんだボール2を用いて接合して各電極16・パッド12間を電気的に接続する。
接続が終了した状態では、はんだパッド2は、金属活性剤入り樹脂4がはんだ6内に拡散したはんだ6’の周りを樹脂8で覆った状態になっている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子が形成された半導体基板の電極と配線基板のパッドとの間をはんだボールを介して接続した半導体装置と、その製造方法と、その製造方法に用いるはんだボールに関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI(Large Scall Integrat)等の半導体チップをチップサイズパッケージ等の配線基板に組み付けた半導体装置の製造方法として、半導体素子が多数形成されたペレタイズ(チップ化)前の半導体ウェハとウェハ1枚に対応する配線基板を用意し、該ウェハに形成された多数の半導体素子の各電極と、該各電極に対応する上記配線基板の各配線膜のパッドとをはんだボールを介して接続し、その後、上記半導体ウェハ及び配線基板をカットして個々の半導体装置(半導体チップをチップサイズパッケージに搭載した半導体装置)に分離するという製造方法がある。
このようなウェハ単位で半導体素子の各電極と配線基板のパッドとの接続を行う技術においては、電極数の増加、電極、配線膜の狭ピッチ化が顕著である。
【0003】
このような、半導体装置の製造方法には、本願出願人会社等においては、樹脂を核にしたはんだボールを半導体ウェハの各電極と該各電極に対応する上記配線基板の各配線膜のパッドとの接続手段として用いる技術を駆使していた。
ちなみに、樹脂を核にし、その周囲をはんだで被覆したはんだボールを半導体チップの電極と配線基板のパッドとの接続手段に用いる技術は、例えば特開2000−228455、特開平8−288291号等により紹介されている。
【0004】
図2(A)、(B)は樹脂を核としてその周囲をはんだで被覆したはんだボールを用いた半導体装置の製造方法の従来例の一つを工程順に示す断面図である。(A)先ず、図2(A)に示すように、半導体ウェハ1枚分の配線膜が形成された配線基板aを用意し、その各配線膜のパッドb、b、・・・の形成された面を上向きにセットする。そして、各配線膜のパッドb、b、・・・上にはんだボールc、c、・・・を配置する。
そして、その配線基板a上のはんだボールc、c、・・・の稍上方に、半導体ウェハdを、その各電極e、e、・・・が対応するパッドb、b、・・・と位置が整合するように臨ませる。
【0005】
上記各はんだボールc、c、・・・は、略球状の金属活性剤(例えばフラックス等)入りの樹脂gを核とし、その周りをはんだfで覆ってなるものである。
(B)次に、図2(B)に示すように、半導体ウェハdを下降させ、その各電極e、e、・・・が対応する配線膜のパッドb、b、・・・上にはんだボールc、c、・・・を介して位置するようにし、半導体ウェハdの自重を、更にはそれに下向きの適宜な荷重を加えた状態で適宜な温度でリフローし、各パッドb、b、・・・と、半導体ウェハdの電極eとの間をはんだボールc、c、・・・にて接続する。この作業には、例えばFC(フリップチップ)ボンダーが用いられる。
【0006】
このような従来技術によれば、金属活性剤入り樹脂fを核とし、その周囲をはんだgで覆ったはんだボールcを用いるので、はんだによる接続を金属活性剤が助けることができる。従って、低荷重、短時間での接続が可能になり、その点で優れているといえる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図2に示す従来技術によれば、電極、配線膜の狭ピッチ化に対応することが難しくなりつつある。というのは、電極、配線膜の狭ピッチ化が進む程、FC(フリップチップ)ボンダーによる半導体ウェハdの配線基板aに対する位置合わせが難しくなり、隣接はんだボールc・c間で外殻のはんだfによるブリッジが生じ、そのブリッジを介してその電極間がショートする不良が生じ易くなるからである。
【0008】
そこで、本願発明者は、はんだによる接続を金属活性剤により助けるというのみでは、接続性を高めることはできてもブリッジによる不良が生じるおそれをなくすことができず、信頼性を高めることが難しいという認識を持つに至り、その問題を解決する必要性を強く認識し、その解決手段を模索した。本発明はその結果として為されたものである。
【0009】
即ち、本発明は、半導体素子が形成された半導体基板の電極と配線基板のパッドとの間をはんだボールを介して接続して半導体装置及びそれを製造する技術において、隣接はんだボール間がはんだ等の金属によるブリッジによって短絡する不良の発生するおそれをなくすことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の半導体装置は、半導体素子が形成された半導体基板(例えば半導体ウェハ)の各電極と配線基板(例えばチップサイズパッケージ)に形成された各パッドとの間を、金属活性剤入りの樹脂が拡散したはんだの周りを該はんだより硬化速度の速い樹脂で覆ったはんだボールにより接続したことを特徴とする。
【0011】
従って、請求項1の半導体装置によれば、上記電極とパッドとの間を接続する接続手段として用いるはんだボールとして、はんだの周りを硬化速度の速い樹脂で覆ったものを用いるので、隣接はんだボール同士がはんだによるブリッジで短絡されることをその硬化速度の速い樹脂により阻むことができる。
依って、隣接はんだボール間がはんだ等の金属によるブリッジによって短絡する不良の発生するおそれをなくすことができる。
【0012】
請求項2の半導体装置の製造方法は次のように行う。
先ず、半導体素子が形成された半導体基板の各電極と配線基板に形成された各パッドとの何れか一方(例えばパッド)上に、金属活性剤入り樹脂を核とし、その周りをはんだで覆い、更に該はんだの周りをそれより硬化速度の速い樹脂で覆ったはんだボールを置く。
【0013】
次に、上記半導体基板の各電極と上記配線基板に形成された各パッドのうちの他方(例えば電極)が上記はんだボールを介して上記一方上に位置するように半導体基板の配線基板に対する位置合わせをし、その後、上記はんだボールをその融点以下で加熱して上記硬化速度の速い樹脂を硬化させることにより仮位置決めをする。
しかる後、上記はんだボールの融点以上の温度による上記金属活性剤入り樹脂の上記はんだボール全体への拡散が生じるリフロー処理により上記はんだボールを介して半導体基板の各電極と配線基板に形成された各パッドとの間を接合する。
【0014】
従って、請求項2の半導体装置の製造方法によれば、はんだボールのはんだの融点以下での加熱によって硬化速度の樹脂を硬化させることにより、半導体基板の配線基板に対する仮位置合わせをし、その後、その仮位置合わせにより位置ずれが生じない状態ではんだボールのはんだの融点以上での加熱によりリフローするので、はんだボールを介しての各電極とパッドとの接合ができる。
【0015】
そして、はんだボールのはんだの周りをそのはんだより硬化速度の速い樹脂により覆っているので、その隣接はんだボール間がはんだによるブリッジで短絡されることをその硬化速度の速い樹脂で阻むことができる。
依って、隣接はんだボール間がはんだ等の金属によるブリッジによって短絡する不良の発生するおそれをなくすことができる。
【0016】
請求項3のはんだボールは、金属活性剤入り樹脂を核としその周りをはんだで覆い、該はんだの周りをそれより硬化速度の速い樹脂で覆ったことを特徴とする。
従って、請求項3のはんだボールを用いて半導体装置を製造することとすれば、はんだの周りを覆う硬化速度の速い樹脂が、隣接はんだボール同士がはんだによるブリッジで短絡されることを阻むことができる。
依って、隣接はんだボール間がはんだ等の金属によるブリッジによって短絡される不良の発生するおそれをなくすことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、基本的には、半導体素子が形成された半導体基板の各電極と配線基板に形成された各パッドとの間を、金属活性剤入りの樹脂を核としその周りをはんだで覆い、更にその周りを該はんだより硬化速度の速い樹脂で覆ったはんだボールを用いて接合するというものである。
そして、その接合が終わった状態では、そのはんだボールは金属活性剤入り樹脂が拡散したはんだの周りを硬化速度の速い樹脂で覆った構造になっている。
【0018】
半導体素子が形成された半導体基板として、ペレタイズ前の段階の半導体ウェハが挙げられるが、ペレタイズされた半導体チップとチップサイズパッケージ等の配線基板のはんだボールを介しての接合にも本発明を適用することができる。金属活性剤としてフラックスを用いることができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を図示実施例に従って詳細に説明する。
図1(A)、(B)は本発明の第1の実施例を示すもので、(A)は本発明はんだボールの第1の実施例を示す断面図、(B)は本発明半導体装置の製造方法を工程順(1)〜(3)に示す断面図である。
先ず、図1(A)を参照して 本発明はんだボールの第1の実施例2を説明する。
【0020】
本はんだボール2は、金属活性剤、例えばフラックスを含んだ樹脂4を核とし、その周囲をはんだ6で覆い、更に、その周囲を該はんだ6よりも融点が低く、リフロー処理による硬化速度がはんだ6よりも速い樹脂8で覆ってなる。
【0021】
次に、図1(B)の(1)〜(3)を参照して図1(A)のはんだボール2を用いた半導体装置の製造方法を工程順に説明する。
(1)先ず、図1(A)の(1)に示すように、半導体素子が多数形成された配線基板10を用意し、その各配線膜のパッド12、12、・・・上にはんだボール2、2、・・・を配置する。
そして、その配線基板10の上方に、半導体ウェハ14を、その各電極16、16、・・・が対応するパッド12、12、・・・と位置が整合するように臨ませる。
【0022】
(2)次に、図1(A)の(2)に示すように、半導体ウェハ14を下降させ、その各電極16、16、・・・が対応する配線膜の各パッド12、12、・・・上にはんだボール2、2、・・・を介して位置するようにする。
そして、その半導体ウェハ14の自重を、或いはそれに下向きの適宜な荷重を加えた状態で、そのはんだ6の融点よりも低く、樹脂8の硬化温度よりも高い温度でリフローし、以て、各パッド12、12、・・・と、半導体ウェハ14の各電極16、16、・・・との間をはんだボール2、2、・・・の樹脂8にて仮接続する。
この状態では、半導体ウェハ14の配線基板10に対する位置関係が保たれるが、各はんだボール2のはんだ6は溶融していないので、電気的な接続はほとんど為されていない。飽くまで、仮接続である。
【0023】
(3)次に、はんだボール2のはんだ6の溶融温度以上の温度でリフローする。すると、はんだ6が溶解し、その内側の金属活性剤入りの樹脂4が周囲に拡散し、はんだ6と、バンプ12及び電極16との接合を促進させる。その結果、 図1(A)の(3)に示すように、半導体ウェハ16の各半導体素子の電極16、16、・・・と、それに対応する配線基板10のバンプ12、12、・・・とが金属活性剤入り樹脂を含んだはんだ6’により電気的に接続される。
そして、そのリフロー時おいて、各はんだボール2、2、・・・は既に仮接続のためのリフローにより硬化した樹脂8により、はんだ6がブリッジとなって隣接はんだボール2に短絡されることを確実に防止することができる。
【0024】
依って、隣接はんだボール間がはんだ等の金属によるブリッジによって短絡する不良の発生するおそれをなくすことができる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の半導体装置によれば、請求項1の半導体装置によれば、上記電極とパッドとの間を接続する接続手段として用いるはんだボールとして、はんだの周りを硬化速度の速い樹脂で覆ったものを用いるので、隣接はんだボール同士がはんだによるブリッジで短絡されることをその硬化速度の速い樹脂により阻むことができる。
依って、隣接はんだボール間がはんだ等の金属によるブリッジによって短絡する不良の発生するおそれをなくすことができる。
【0026】
請求項2の半導体装置の製造方法によれば、はんだボールのはんだの融点以下での加熱により、硬化速度の樹脂を硬化させることにより半導体基板の配線基板に対する仮位置合わせをすることができる。
そして、その後、その仮位置合わせにより位置ずれが生じない状態ではんだボールのはんだの融点以上での加熱によりリフローすることにより、はんだボールを介しての各電極とパッドとの接合ができる。
そして、上記はんだボールは、はんだの周りがそのはんだより硬化速度の速い樹脂により覆われているので、その隣接はんだボール間がはんだによりブリッジで短絡されることを、その硬化速度の速い樹脂で阻むことができる。
依って、隣接はんだボール間がはんだ等の金属によるブリッジによって短絡する不良の発生するおそれをなくすことができる。
【0027】
請求項3のはんだボールによれば、半導体装置の製造に用いることとすれば、はんだの周りを硬化速度の速い樹脂で覆われているので、隣接はんだボール同士がはんだによるブリッジで短絡されることをその硬化速度の速い樹脂により阻むことができる。
依って、隣接はんだボール間がはんだ等の金属によるブリッジによって短絡する不良の発生するおそれをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)は本発明の一つの実施例を示すものであり、(A)ははんだボールの断面図、(B)は(A)に示したはんだボールを用いた半導体装置の製造方法を工程(1)〜(3)順に示す断面図である。
【図2】(A)、(B)は従来のはんだボールを用いた半導体装置の製造方法の具体例を工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
2・・・はんだボール、4・・・金属活性剤入り樹脂、6・・・はんだ、
6’・・・金属活性剤入り樹脂が拡散したはんだ、
8・・・硬化速度の速い樹脂、
10・・・配線基板(チップサイズパッケージ)、12・・・配線膜のパッド、
14・・・半導体素子が形成された半導体基板(半導体ウェハ)、
16・・・電極。

Claims (3)

  1. 半導体素子が形成された半導体基板の各電極と配線基板に形成された各パッドとの間を、金属活性剤入りの樹脂を含んだ略球状のはんだの周りを該はんだより硬化速度の速い樹脂で覆ったはんだボールにより接続した
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体素子が形成された半導体基板の各電極と配線基板に形成された各パッドとのうちの何れか一方の上に、金属活性剤入り樹脂を核としその周りをはんだで覆い更に該はんだの周りをそれより硬化速度の速い樹脂で覆ったはんだボールを置き、
    上記半導体基板の各電極と上記配線基板に形成された各パッドとのうちの他方を上記はんだボールを介して上記一方上に位置するようにし、
    その後、上記はんだボールをその融点以下で加熱して上記硬化速度の速い樹脂を硬化させることにより仮位置決めをし、
    しかる後、上記はんだボールの融点以上の温度による上記金属活性剤入り樹脂の上記はんだボール全体への拡散が生じるリフロー処理により上記はんだボールを介して上記半導体基板の各電極と上記配線基板に形成された各パッドとの間を接合する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 金属活性剤入り樹脂を核としてその周りをはんだで覆い、
    上記はんだの周りをそれより硬化速度の速い樹脂で覆った
    ことを特徴とするはんだボール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008235751A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Seiko Epson Corp 電子デバイスの接続方法
JP2011061175A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 半田ボール及び半導体パッケージ
CN112004337A (zh) * 2020-08-25 2020-11-27 苏州通富超威半导体有限公司 具有涂层的焊球、植球方法及封装方法

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