JP3645201B2 - 束部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の基礎と横梁との間に介設される束部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の敷地内のコンクリート基礎と、横梁である大引きとの間に介設される、束部材の一種である鋼製束が知られている。この鋼製束は、基礎の適所に予め立設されている複数の束と束との間や、束と布基礎との間に大引きが差し渡された状態で、大引きの中間位置と基礎との間に介設されるのが一般的であり、かかる鋼製束の存在で大引きの中間位置の撓みが防止されるため、建築物がより安定して大引きに支持されることになる。
【0003】
鋼製束は、通常、基礎に載置されるベース板体と、このベース板体に立設される下部スクリューロッドと、この下部スクリューロッドの上部に同心で螺着される筒状のターンバックルと、このターンバックルの上部にが螺着される上部スクリューロッドと、この上部スクリューロッドの頂部に取り付けられて上記大引きを支持する頂部板体とを備えて構成されている。
【0004】
そして、下部スクリューロッドとターンバックルとの間の螺着状態と、ターンバックルと上部スクリューロッドとの螺着状態とは互いに逆ねじ関係になるように設定されている。したがって、鋼製束をコンクリート基礎と大引きとの間に介在させた状態でターンバックルを順方向に軸心回りに回転させることにより、上下のスクリューロッドがターンバックルから突出する方向に移動することで鋼製束は伸張して頂部板材が大引きの下面に当接し、これによって大引きが鋼製束に支持された状態になる。
【0005】
なお、鋼製束の大引きの支持を解除するときは、ターンバックルを逆方向に回転層させればよい。これによる上下のスクリューロッドのターンバックル内に向かう移動で鋼製束は縮小して基礎と大引きとの間から引き出し得るようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の鋼製束にあっては、大引きが当該鋼製束に支持された状態で、頂部板体の上面と、大引きの下面とが必ずしも平行になっていないため、頂部板体の応力分布が均一にならず、頂部板対による大引き支持状態が安定しないという問題点を有している。
【0007】
また、頂部板体が大引きを支持した状態で、付近を電車や車両が走行したり、工事による地面掘削が行われてその振動が鋼製束に伝わったような場合には、この振動が鋼製束を介して大引きに伝達されて大引きが振動するため、この振動によって大引きと頂部板体とが短い周期で衝突し合い、これによって大きな振動音が発生するという問題点も存在する。近年、大引きとして鋼材製のものが採用される場合が多いが、大引きが鋼材製のときは、金属同士が互いに衝突し合うことにより、上記振動音も相当大きくなる。
【0008】
さらに、地震が発生したような場合には、地震の振動で大引きが頂部板から大きく外れ、これによって鋼製束が横転してしまうことが考えられ、このような現象が生じると大引きが鋼製束によって支持されなくなり、建築物は、剛的強度の低下で倒壊し易くなるという不都合が生じることもある。
【0009】
上記のような問題点は、束部材が鋼製束の場合に限ったことではなく、古くから用いられている木製束の場合にも提起される。
【0010】
本発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、横梁の確実な支持を確保した上で、地盤の振動によっても騒音の発生を有効に抑制することができ、しかも転倒をも防止することができる束部材を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、地盤と横梁間に介設されて横梁を支持するために用いられる束部材であって、地盤に立設される束支柱と、この束支柱の上面に上記横梁を支持するように付設された受け部材と、この受け部材の上面に装着された、弾性力を有する振動吸収用の防振ゴムと、備え、
上記防振ゴムの表面側には、複数条の縦溝が凹設されているとともに、隣り合った縦溝の対向縁部から互いに接近する方向に向けて切り込まれて形成した短い横溝が複数設けられ、これら横溝と上記縦溝とによって囲まれた部分に小さい矩形条の凸起が形成されており、さらに、上記防振ゴムの上面周縁部には縁堰部が形成され、かつ、前記縁堰部の上面と上記各凸起の上面とは面一状態になるように面設定されていることを特徴とするものである。
【0012】
この発明によれば、横梁が束部材に支持された状態で、車両の通過や土木工事、さらには地震等によって地盤の振動が束部材を介して横梁に伝達され、これによる横梁の振動で横梁と、この横梁を支持している束支柱の頂部とが互いに振動的に衝突し合っても、両者の間には弾性力を有する防振ゴムが介設されているため、この防振ゴムが上記振動的な衝突による衝撃を吸収し、これによって建築物の振動および騒音の発生が確実に防止される。
【0013】
しかも、束支柱と横梁の互いの対向面が完全に平行になっていなくても、横梁を束部材に支持させた状態で、束支柱と横梁との間に介設されている防振ゴムの両者間の距離に応じた圧縮弾性変形によって両者の非平行が吸収されて横梁の重量が束支柱の頂面に一様に分散されて加わるため、束支柱の内部応力のばらつきが小さくなって束部材による横梁の支持がより安定する。また、横梁が、防振ゴムの複数の凸起によって支持されるため、横梁の被支持面の平面からのばらつきが各凸起の伸縮によって吸収され、これによって横梁の被支持面の内で防振ゴムに当接していない部分が生じるような不都合の発生が確実に防止される。
【0014】
さらに、地震等による大きな振動で横梁が束支柱から大きく離間した場合であっても、圧縮弾性変形している防振ゴムが元の厚み寸法に復帰することにより両者間での隙間の発生が防止され、これによってたとえ束部材が地盤に載置されただけの場合であっても、束部材の横転が防止される。
【0015】
その防振ゴムは、本来的に振動の吸収が良好に行われるように調製されたものであるため、束支柱と横梁間に介設される防振用の材料として好適である。防振ゴムとしては、クロロプレンゴムやブチルゴムが好適である。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記防振ゴムは、厚み寸法が5mm〜50mmに設定されていることを特徴とするものである。
【0017】
この発明によれば、防振ゴムは、その厚み寸法が5mm〜50mmに設定されているため、地盤の振動を適正に吸収して建造物への影響を効果的に少なくすることができる。そして、防振ゴムの厚み範囲を設定したのは、厚み寸法が5mm未満であると、薄すぎることにより充分な振動吸収作用を得ることが困難になり、逆に50mmを越えると材料コストが嵩むばかりか、防振ゴムのせん断方向に向かう変形が起こり易くなって、横梁の支持が安定しなくなるからである。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、上記防振ゴムに少なくとも1つの係止突起を突設する一方、受け部材に係止突起に対応して係止孔を穿設することにより、係止突起を係止孔に嵌め込むことで防振ゴムの頂部板体に対する装着状態が安定する。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る束部材の一実施形態を示す分解斜視図であり、図2はその組立て斜視図である。また、図3は、図2に示す束部材のA−A線断面図である。これらの図に示すように、束部材10は、図略の布基礎に囲繞された部分に形成されるコンクリートの打設された捨てコンクリート層(地盤)Cと、建物の最下位に敷設される大引き(横梁)Dとの間に介設されて大引きDを支持するために用いられるものであり、捨てコンクリート層Cに立設される束支柱20と、この束支柱20の上面に付設された、大引きDを載置するための防振ゴム60とを備えた基本構成を有している。
【0020】
上記束支柱20としては、本実施形態においては、TD鋼で形成され、かつ、表面に溶融亜鉛鍍金が施されてなる極めて良好な耐食性を備えた、いわゆる鋼製束が採用されている。
【0021】
そして、かかる束支柱20は、捨てコンクリート層Cに載置されるベース板体30と、このベース板体30に立設される下部スクリューロッド(下部螺設体)35と、この下部スクリューロッド35の上部に同心で螺着される筒状を呈した筒状ターンバックル(中間螺設体)40と、この筒状ターンバックル40の上部に同心で螺着される上部スクリューロッド(上部螺設体)55と、この上部スクリューロッド55の頂部に取り付けられ上記防振ゴム60を介して大引きDを支持する頂部板体(受け部材)50とを備えて構成されている。
【0022】
上記ベース板体30は、平面視で矩形状に形成され、表裏に貫通した複数の貫通孔31を有している。これらの貫通孔31は、例えば捨てコンクリート層Cに先端を外部に突出した状態で予め埋め込まれているアンカーボルトBを挿通するためのものである。各貫通孔31から外部に突出したアンカーボルトBにナットNを螺着して締結することにより、図2に示すように、束部材10の捨てコンクリート層C上への施工状態が安定する。
【0023】
また、ベース板体30の中央部には、裏面側からの押し起しで膨設された平面視で円形の膨出部32が設けられている。この膨出部32の中心位置には中心孔33が穿設され、上記下部スクリューロッド35がこの中心孔33に挿通された状態でベース板体30に立設されている。
【0024】
上記下部スクリューロッド35は、外周面に雄ねじの螺設された下部ロッド本体36と、この下部ロッド本体36の基端部(図1〜図3の下部)に形成された頭部37とからなっている。かかる下部スクリューロッド35は、その下部ロッド本体36がベース板体30の裏面側から膨出部32の中心孔33に挿通され、その頭部37が膨出部32の裏側の窪みに嵌め込まれて溶接止めされ、これによってベース板体30の中心位置に立設された状態になっている。
【0025】
上記頂部板体50は、その上面に防振ゴム60を装着するためのものであり、四隅にそれぞれ穿設された装着孔(係止孔)51を有しているとともに、中央部に下方に向けて膨出した円形の膨出部52が設けられている。この膨出部52の中心位置には、上部スクリューロッド55を挿通するための中心孔53が穿設されている。
【0026】
上記上部スクリューロッド55は、外周面に雄ねじの螺設された上部ロッド本体56と、この上部ロッド本体56の上端部に形成された頭部57とからなっている。かかる上部スクリューロッド55は、その上部ロッド本体56が頂部板体50の上面側から膨出部52の中心孔53に挿通され、その頭部57が膨出部52の裏側(図1の上側)の窪みに嵌め込まれて溶接止めされ、これによって頂部板体50の中心位置から下方に向けて垂下された状態になっている。
【0027】
上記筒状ターンバックル40は、上下に長尺の筒本体41と、この筒本体41の下端部から下方に向けて延設された下部ナット筒44と、筒本体41の上端部から上方に向けて延設された上部ナット筒45とを備えて構成されている。
【0028】
上記筒本体41は、上下方向の中央位置に円筒体がプレス処理されることにより形成された角筒状の角筒部42を有しているとともに、この角筒部42の上下に円筒状の円筒部43がそれぞれ形成されている。角筒部42は、レンチ等の工具を嵌め込んで筒状ターンバックル40を孔心回りに回転させるためのものである。
【0029】
上記下部ナット筒44は、上記下部スクリューロッド35の下部ロッド本体36に外嵌して螺着するためのものであり、上記上部ナット筒45は、上記上部スクリューロッド55の上部ロッド本体56に外嵌して螺着するためのものである。そして、下部スクリューロッド35と筒状ターンバックル40との螺着状態と、上部スクリューロッド55と上部スクリューロッド55との螺着状態とは互いに逆ねじ関係になるように螺設設定されている。
【0030】
本実施形態においては、上部ナット筒45および上部ロッド本体56は、右ねじが螺設されたいわゆる順ねじとされているのに対し、下部ナット筒44および下部ロッド本体36は、左ねじが螺設されたいわゆる逆ねじとされている。
【0031】
したがって、下部ロッド本体36および上部ロッド本体56がそれぞれ下部ナット筒44および上部ナット筒45に螺着された状態で、筒状ターンバックル40を平面視で孔心回りに時計方向に回転させることにより、下部ロッド本体36および上部ロッド本体56はそれぞれ筒状ターンバックル40から外方に向かって突出する方向に移動し、これによって束部材10の上下寸法が順次漸増する一方、筒状ターンバックル40を孔心回りに反時計方向に回転させることによる各ロッド本体36,56の筒状ターンバックル40内への没入で束部材10の上下寸法が漸減するようになっている。
【0032】
また、各ロッド本体36,56には予めナットNが螺着されているとともに、ワッシャーWが外嵌され、この状態で各ロッド本体36,56がそれぞれ筒状ターンバックル40に螺着されている。したがって、筒状ターンバックル40の回転操作により束部材10の上下寸法が設定された状態で、各ロッド本体36,56に螺着されているナットNをまわして各ナット筒44,45の方向に移動させ、ワッシャーWを介して締結することにより,設定された束部材10の上下寸法が固定されることになる。
【0033】
上記防振ゴム60は、クロロプレンゴムやブチルゴムなどの振動吸収性能に優れたいわゆる防振ゴムによって形成されている。かかる防振ゴム60は、平面視の寸法が頂部板体50のそれと略同一になるように寸法設定されているとともに、厚み寸法が5mm〜50mmに設定されている。防振ゴム60の厚み寸法をこのような範囲に設定したのは、5mm未満であると、薄すぎることにより充分な緩衝作用を得ることが困難になるからであり、逆に50mmを越えると防振ゴム60の材料コストが嵩むばかりか、実際それ程の厚い寸法を必要としないからである。
【0034】
また、防振ゴム60の裏面側には、上記頂部板体50の装着孔51に対応した四つの装着突起(係止突起)61が下方に向かって突設されている。これらの装着突起61は防振ゴム60と同一材料で形成され、径寸法が装着孔51の内径寸法と同一に設定されている。そして、これらの装着突起61をそれぞれ対応した装着孔51に嵌め込むことによって、防振ゴム60が頂部板体50に横ずれ防止状態で装着されるようになっている。
【0035】
かかる防振ゴム60の表面側には、複数条の縦溝62が凹設されているとともに、隣り合った縦溝62の対向縁部から互いに接近する方向に向けて切り込まれて形成した短い横溝63が複数設けられ、これら横溝63と上記縦溝62とによって囲まれた部分に小さい矩形条の凸起64が形成されているとともに、防振ゴム60の上面周縁部には縁堰部65が形成されている。かかる縁堰部65の上面と上記各凸起64の上面とは面一状態になるように面設定されている。
【0036】
防振ゴム60の上面にこのような凸起64および縁堰部65が形成されるのは、防振ゴム60が支持する大引きDの被支持面が同一平面を形成していない場合の面ばらつきを吸収し易くするためである。
【0037】
図4は、頂部板体および防振ゴムの他の実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、防振ゴムが頂部板体に装着される直前の状態、(ロ)は、防振ゴムが頂部板体に装着された状態をそれぞれ示している。図4の(イ)に示すように、この実施形態の頂部板体50´は、先の頂部板体50に対応する水平板体50aの一方の縁部に垂直板体50bが設けられている点が先の実施形態と相違している。
【0038】
そして、水平板体54には、垂直板体50bと反対側の隅縁部にそれぞれ装着孔51が穿設されているとともに、垂直板体50bには、その適所に二つの装着孔51が穿設されている。
【0039】
また、防振ゴム60´は、先の防振ゴム60に対応した水平防振ゴム66と、この水平防振ゴム66の一方の縁部から垂直板体50bに対応するように延設された垂直防振ゴム67とからなっている。水平防振ゴム66の裏面には、水平板体50aの二つの装着孔51に対応した二つの装着突起61が突設されているとともに、垂直防振ゴム67には、垂直板体50bの装着孔51に対応した装着突起61が設けられ、これらの装着突起61を頂部板体50´の各装着孔51に嵌め込むことによって、図4の(ロ)に示すように、頂部板体50´に防振ゴム60´が装着されるようにしている。
【0040】
この実施形態の頂部板体50´および防振ゴム60´を備えた束部材によれば、頂部板体50´が防振ゴム60を介して大引きDを支持した状態で、大引きDの側面を垂直防振ゴム67に当接させることにより、大引きDの束部材上での位置決めが確実に行われ、大引きDの正確な施工が容易になる。
【0041】
以上詳述したように、本発明の束部材10は、捨てコンクリート層Cと大引きD間に介設されて大引きDを支持するために用いられるものであり、捨てコンクリート層Cに立設される束支柱20と、この束支柱20の上面に付設された防振ゴム60,60´とを備えて構成されているため、大引きDが束部材に支持された状態で、車両の通過や土木工事、さらには地震等によって捨てコンクリート層Cの振動が束部材を介して大引きDに伝達され、これによる大引きDの振動で大引きDと、この大引きDを支持している束支柱20の頂部とが互いに振動的に衝突し合っても、両者の間には防振ゴム60,60´が介設されていることによって、この防振ゴム60,60´が上記振動的な衝突による衝撃を吸収し、建築物の振動および騒音の発生を有効に防止することができる。
【0042】
また、束支柱20と大引きDの互いの対向面が完全に平行になっていなくても、大引きDを束部材に支持させた状態で、束支柱20と大引きDとの間に介設されている防振ゴム60,60´の両者間の距離に応じた圧縮弾性変形によって両者の非平行が吸収されて大引きDの重量が束支柱20の頂面に一様に分散されて加わるため、束支柱20の内部応力のばらつきが小さくなって束部材による大引きDの支持をより安定したものにすることができる。
【0043】
さらに、地震等による大きな振動で大引きDが束支柱20から大きく離間した場合であっても、圧縮弾性変形している防振ゴム60,60´が元の厚み寸法に復帰することにより両者間で隙間の生じることが防止され、これによってたとえ束部材10が捨てコンクリート層Cに載置されただけの場合であっても、束部材10の横転が防止される。
【0044】
そして、上記防振ゴム60,60´は、クロロプレンゴムやブチルゴム等からなる防振ゴムによって形成されているため、これらの材料は、本来的に振動の吸収が良好に行われるように調製されたものであり、束支柱20と大引きD間に介設されることによってより効果的に捨てコンクリート層Cの振動を吸収することができる。
【0045】
また、防振ゴムは、厚み寸法が5mm〜50mmに設定されているため、地盤の振動を適正に吸収して建造物への影響を効果的に少なくすることができる。
【0046】
また、防振ゴム60,60´には、大引きDとの対向面に縦横に並設された複数の凸起64が設けられているため,大引きDは、これらの複数の凸起64によって支持され、大引きDの被支持面の平面からのばらつきが各凸起64の伸縮によって吸収され、これによって大引きDの被支持面の内で防振ゴム60,60´に当接していない部分が生じるような不都合の発生を確実に防止することができる。
【0047】
また、防振ゴム60,60´に所定個数の装着突起61を突設する一方、頂部板体50には装着突起61に対応して装着孔51を穿設しているため、装着突起61を装着孔51に嵌め込むことで防振ゴムの頂部板体に対する装着状態を安定させることができる。
【0048】
また、束支柱20を、捨てコンクリート層Cに載置されるベース板体30と、このベース板体30に立設される下部スクリューロッド35と、この下部スクリューロッド35の上部に同心で螺着される筒状ターンバックル40と、この筒状ターンバックル40の上部に同心で螺着される上部スクリューロッド55と、この上部スクリューロッド55の頂部に取り付けられて上記大引きDを支持する頂部板体50とを備えて構成し、下部スクリューロッド35と筒状ターンバックル40との螺着状態と、上部スクリューロッド55と上部スクリューロッド55との螺着状態とは互いに逆ねじ関係になるように螺設設定しているため、束支柱20を捨てコンクリート層Cと大引きDとの間に介在させた状態で筒状ターンバックル40を所定の一方向に軸心回りに回転させることにより、上下の螺設体が筒状ターンバックル40から突出する方向に移動することで束支柱20は伸張して頂部板材が大引きDの下面に当接し、これによって大引きDが束支柱20に支持された状態になる。
【0049】
逆に、束支柱20の横梁の支持を解除するときは、筒状ターンバックル40を他方向に回転すればよい。こうすることによる上下の螺設体の筒状ターンバックル40内に向かう移動で束支柱20は縮小するため、束支柱20を捨てコンクリート層Cと大引きDとの間から引き出すことができる。
【0050】
このように、束支柱20を上下の螺設体35,55と、これらの螺設体35,55に同心で螺着される筒状ターンバックル40とを備えて束支柱20を構成するとともに、下部スクリューロッド35と筒状ターンバックル40との螺着状態と、上部スクリューロッド55と上部スクリューロッド55との螺着状態とは互いに逆ねじ関係になるように設定することにより、筒状ターンバックル40の軸心回りの回動方向を変えることによって束部材10による横梁の支持および支持解除を極めて容易に行うことができる。
【0051】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0052】
(1)上記の実施形態においては、束支柱20としてベース板体30、ベース板体30、下部スクリューロッド35、筒状ターンバックル40、頂部板体50および上部スクリューロッド55等からなる上下長可変の鋼製束が採用されているが、本発明は、束支柱が鋼製束であることに限定されるものではなく、上下長不変の木製束やコンクリート束であってもよい。
【0053】
(2)上記の実施形態においては、束部材10に中間螺設体として筒状ターンバックル40が採用されているとともに、上下の螺設体として下部スクリューロッド35および上部スクリューロッド55が採用されているが、こうする代わりに、図5に示すように、下部スクリューロッド35および上部スクリューロッド55の役割と、筒状ターンバックル40の役割とを交代させてもよい。
【0054】
図5は、他の実施形態の束部材10´を示す斜視図であるが、この実施形態では、下部螺設体として先の下部スクリューロッド35に代えて下部ナット筒30´を採用するとともに、上部螺設体として上部スクリューロッド55に代えて上部ナット筒50´´を採用し、さらに筒状ターンバックル40に代えてスクリューロッド40´を採用するのである。
【0055】
スクリューロッド40´は、上下方向の中央位置に設けられた角柱部46と、この角柱部46から下方に向けて垂下された下部スクリューロッド47と、下部スクリューロッド47と同心で角柱部46に立設された上部スクリューロッド48とで構成されている。下部スクリューロッド47と上部スクリューロッド48とは互いに逆ねじになっている。そして、この実施形態においては、ベース板体30、下部ナット筒30´、スクリューロッド40´、上部ナット筒50´´および頂部板体50によって束支柱20´が構成されている。
【0056】
この実施形態の束部材10´によれば、角柱部46に所定の工具を装着してスクリューロッド40´を順方向に回転させることにより束支柱20´は縮長する一方、同逆方向に回転させることにより束支柱20´は伸長する。
【0057】
図6は、頂部板体50に対する防振ゴム60´´のさらに他の実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、防振ゴム60´´が頂部板体50に装着される直前の状態、(ロ)は、防振ゴム60´´が頂部板体50に装着された状態をそれぞれ示している。この実施形態の防振ゴム60´´は、装着突起61に代えて、防振ゴム60´´を頂部板体50に装着するための装着構造としての装着縁部68を設けている点が、先の実施形態の防振ゴム60,60´と相違している。その他の点については先のものと同様である。
【0058】
上記装着縁部68は、防振ゴムの本体の両側部から下方に延設された幅方向一対の側板68aと、これら一対の側板68aの下縁部から互いに対向する方向に突設された幅方向一対の受け突条68bとからなり、これら側板68aと、受け突条68bと、防振ゴム60´´本体の裏面とに囲まれた部分に頂部板体50の縁部を嵌め込むための幅方向一対の装着溝69が形成されている。
【0059】
そして、一対の側板68a間の内寸法は、頂部板体50の側縁部間の外寸法と略同一になるように寸法設定されているとともに、溝幅寸法は頂部板体50の厚み寸法と略同一になるように寸法設定されている。
【0060】
この実施形態の防振ゴム60´´によれば、図6の(イ)に示す状態において、一対の装着溝69の端部開口を頂部板体50の各側縁部に対向させた状態で、防振ゴム60´´を、矢印で示すように頂部板体50に向けて移動させることにより、装着溝69が頂部板体50の各側縁部に外嵌していき、これによって防振ゴム60´´は、図6の(ロ)に示すように、頂部板体50に装着された状態になる。
【0061】
このように、防振ゴム60´´に装着突起61に代えて装着縁部68を設けることにより、頂部板体50に装着孔51が穿設されていなくても、防振ゴム60´´を頂部板体50に装着することが可能になり、装着孔51を穿設しなくてよい分頂部板体50の加工コストの低減化に貢献することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、請求項1記載の本発明によれば、地盤と横梁間に介設されて横梁を支持するために用いられる束部材であって、地盤に立設される束支柱と、この束支柱の上面に付設された防振ゴムとを備えて構成されているため、横梁が束部材に支持された状態で、車両の通過や土木工事、さらには地震等によって地盤の振動が束部材を介して横梁に伝達され、これによる横梁の振動で横梁と、この横梁を支持している束支柱の頂部とが互いに振動的に衝突し合っても、両者の間に防振ゴムが介設されていることによって振動衝撃はこの防振ゴムにより吸収され、建築物の振動および騒音の発生を確実に防止することができる。
【0063】
また、束支柱と横梁の互いの対向面が完全に平行になっていなくても、横梁を束部材に支持させた状態で、束支柱と横梁との間に介設されている防振ゴムの両者間の距離に応じた圧縮弾性変形によって両者の非平行が吸収されて横梁の重量が束支柱の頂面に一様に分散されて加わるため、束支柱の内部応力のばらつきが小さくなって束部材による横梁の支持をより安定させることができる。また、横梁が、防振ゴムの複数の凸起によって支持されるため、横梁の被支持面の平面からのばらつきが各凸起の伸縮によって吸収され、これによって横梁の被支持面の内で防振ゴムに当接していない部分が生じるような不都合の発生が確実に防止される。
【0064】
さらに、地震等による大きな振動で横梁が束支柱から大きく離間した場合であっても、圧縮弾性変形している防振ゴムが元の厚み寸法に復帰することにより両者間での隙間の発生が防止され、これによってたとえ束部材が地盤に載置されただけの場合であっても、束部材の横転を有効に防止することができる。
【0065】
請求項2記載の発明によれば、防振ゴムは、その厚み寸法が5mm〜50mmに設定されているため、地盤の振動を適正に吸収して建造物への影響を効果的に少なくすることができる。
【0066】
請求項3記載の発明によれば、防振ゴムに少なくとも1つの係止突起を突設する一方、受け部材に係止突起に対応して係止孔を穿設したため、係止突起を係止孔に嵌め込むことで防振ゴムの受け部材に対する装着状態を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る束部材の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】 図1に示す束部材の組立て斜視図である。
【図3】 図2に示す束部材のA−A線断面図である。
【図4】 頂部板体および防振ゴムの他の実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、防振ゴムが頂部板体に装着される直前の状態、(ロ)は、防振ゴムが頂部板体に装着された状態をそれぞれ示している。
【図5】 束部材の他の実施形態を示す斜視図である。
【図6】 頂部板体に対する防振ゴムのさらに他の実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、防振ゴムが頂部板体に装着される直前の状態、(ロ)は、防振ゴムが頂部板体に装着された状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
10,10´ 束部材 20,20´ 束支柱
30 ベース板体 31 貫通孔
32 膨出部 33 中心孔
35 下部スクリューロッド 36 下部ロッド本体
37 頭部
40 筒状ターンバックル
41 筒本体 42 角筒部
43 円筒部 44 下部ナット筒
45 上部ナット筒
40´ スクリューロッド 46 角柱部
47 下部スクリューロッド
48 上部スクリューロッド
50,50´ 頂部板体(受け部材)
50a 水平板体
50b 垂直板体 51 装着孔(係止孔)
52 膨出部 53 中心孔
55 上部スクリューロッド
50´´ 上部ナット筒
56 上部ロッド本体 57 頭部
60,60´ 防振ゴム
61 装着突起(係止突起) 62 縦溝
63 横溝 64 凸起
65 縁堰部 66 水平防振ゴム
67 垂直防振ゴム 68 装着縁部
68a 側板 68b 受け突条
69 装着溝
Claims (3)
- 地盤と横梁間に介設されて横梁を支持するために用いられる束部材であって、地盤に立設される束支柱と、この束支柱の上面に上記横梁を支持するように付設された受け部材と、この受け部材の上面に装着された、弾性力を有する振動吸収用の防振ゴムと、備え、
上記防振ゴムの表面側には、複数条の縦溝が凹設されているとともに、隣り合った縦溝の対向縁部から互いに接近する方向に向けて切り込まれて形成した短い横溝が複数設けられ、これら横溝と上記縦溝とによって囲まれた部分に小さい矩形条の凸起が形成されており、さらに、上記防振ゴムの上面周縁部には縁堰部が形成され、かつ、前記縁堰部の上面と上記各凸起の上面とは面一状態になるように面設定されていることを特徴とする束部材。 - 上記防振ゴムは、厚み寸法が5mm〜50mmに設定されていることを特徴とする請求項1記載の束部材。
- 上記防振ゴムは、上記受け部材に向かって突設された少なくとも1つの係止突起を有している一方、上記受け部材は、上記係止突起に対応して穿設された係止孔を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の束部材。
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