JP2003020780A - 束部材 - Google Patents

束部材

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JP2003020780A
JP2003020780A JP2001208128A JP2001208128A JP2003020780A JP 2003020780 A JP2003020780 A JP 2003020780A JP 2001208128 A JP2001208128 A JP 2001208128A JP 2001208128 A JP2001208128 A JP 2001208128A JP 2003020780 A JP2003020780 A JP 2003020780A
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昌照 高山
Masayoshi Takayama
正義 高山
Tomihiko Tamaoka
富彦 玉岡
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Takayama Metal Industrial Co Ltd
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Takayama Metal Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 横梁の確実な支持を確保した上で、地盤の振
動によっても騒音の発生を有効に抑制することができる
ようにする。 【解決手段】 捨てコンクリート層Cと大引きD間に介
設されて大引きDを支持するために用いられる束部材1
0であり、捨てコンクリート層Cに立設される束支柱2
0と、この束支柱20の頂部板体50に付設された防振
ゴム60,60´とを備えて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の基礎と横
梁との間に介設される束部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の敷地内のコンクリート基
礎と、横梁である大引きとの間に介設される、束部材の
一種である鋼製束が知られている。この鋼製束は、基礎
の適所に予め立設されている複数の束と束との間や、束
と布基礎との間に大引きが差し渡された状態で、大引き
の中間位置と基礎との間に介設されるのが一般的であ
り、かかる鋼製束の存在で大引きの中間位置の撓みが防
止されるため、建築物がより安定して大引きに支持され
ることになる。
【0003】鋼製束は、通常、基礎に載置されるベース
板体と、このベース板体に立設される下部スクリューロ
ッドと、この下部スクリューロッドの上部に同心で螺着
される筒状のターンバックルと、このターンバックルの
上部にが螺着される上部スクリューロッドと、この上部
スクリューロッドの頂部に取り付けられて上記大引きを
支持する頂部板体とを備えて構成されている。
【0004】そして、下部スクリューロッドとターンバ
ックルとの間の螺着状態と、ターンバックルと上部スク
リューロッドとの螺着状態とは互いに逆ねじ関係になる
ように設定されている。したがって、鋼製束をコンクリ
ート基礎と大引きとの間に介在させた状態でターンバッ
クルを順方向に軸心回りに回転させることにより、上下
のスクリューロッドがターンバックルから突出する方向
に移動することで鋼製束は伸張して頂部板材が大引きの
下面に当接し、これによって大引きが鋼製束に支持され
た状態になる。
【0005】なお、鋼製束の大引きの支持を解除すると
きは、ターンバックルを逆方向に回転層させればよい。
これによる上下のスクリューロッドのターンバックル内
に向かう移動で鋼製束は縮小して基礎と大引きとの間か
ら引き出し得るようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の鋼製束にあっては、大引きが当該鋼製束に支持
された状態で、頂部板体の上面と、大引きの下面とが必
ずしも平行になっていないため、頂部板体の応力分布が
均一にならず、頂部板対による大引き支持状態が安定し
ないという問題点を有している。
【0007】また、頂部板体が大引きを支持した状態
で、付近を電車や車両が走行したり、工事による地面掘
削が行われてその振動が鋼製束に伝わったような場合に
は、この振動が鋼製束を介して大引きに伝達されて大引
きが振動するため、この振動によって大引きと頂部板体
とが短い周期で衝突し合い、これによって大きな振動音
が発生擦るという問題点も存在する。近年、大引きとし
て鋼材製のものが採用される場合が多いが、大引きが鋼
材製のときは、金属同士が互いに衝突し合うことによ
り、上記振動音も相当大きくなる。
【0008】さらに、地震が発生したような場合には、
地震の振動で大引きが頂部板から大きく外れ、これによ
って鋼製束が横転してしまうことが考えられ、このよう
な現象が生じると大引きが鋼製束によって支持されなく
なり、建築物は、剛的強度の低下で倒壊し易くなるとい
う不都合が生じることもある。
【0009】上記のような問題点は、束部材が鋼製束の
場合に限ったことではなく、古くから用いられている木
製束の場合にも提起される。
【0010】本発明は、かかる問題点を解消するために
なされたものであり、横梁の確実な支持を確保した上
で、地盤の振動によっても騒音の発生を有効に抑制する
ことができ、しかも転倒をも防止することができる束部
材を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
地盤と横梁間に介設されて横梁を支持するために用いら
れる束部材であって、地盤に立設される束支柱と、この
束支柱の上面に上記横梁を支持するように付設された受
け部材と、この受け部材の上面に装着された、弾性力を
有する振動吸収用の防振部材とを備えて構成されている
ことを特徴とするものである。
【0012】この発明によれば、横梁が束部材に支持さ
れた状態で、車両の通過や土木工事、さらには地震等に
よって地盤の振動が束部材を介して横梁に伝達され、こ
れによる横梁の振動で横梁と、この横梁を支持している
束支柱の頂部とが互いに振動的に衝突し合っても、両者
の間には弾性力を有する防振部材が介設されているた
め、この防振部材が上記振動的な衝突による衝撃を吸収
し、これによって建築物の振動および騒音の発生が確実
に防止される。
【0013】また、束支柱と横梁の互いの対向面が完全
に平行になっていなくても、横梁を束部材に支持させた
状態で、束支柱と横梁との間に介設されている防振部材
の両者間の距離に応じた圧縮弾性変形によって両者の非
平行が吸収されて横梁の重量が束支柱の頂面に一様に分
散されて加わるため、束支柱の内部応力のばらつきが小
さくなって束部材による横梁の支持がより安定する。
【0014】さらに、地震等による大きな振動で横梁が
束支柱から大きく離間した場合であっても、圧縮弾性変
形している防振部材が元の厚み寸法に復帰することによ
り両者間での隙間の発生が防止され、これによってたと
え束部材が地盤に載置されただけの場合であっても、束
部材の横転が防止される。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記防振部材は、防振ゴムによって形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0016】この発明によれば、防振ゴムは、本来的に
振動の吸収が良好に行われるように調製されたものであ
るため、束支柱と横梁間に介設される防振部材の材料と
して好適である。防振ゴムとしては、クロロプレンゴム
やブチルゴムが好適である。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、上記防振ゴムは、厚み寸法が5mm〜50
mmに設定されていることを特徴とするものである。
【0018】 この発明によれば、防振ゴムは、その厚み
寸法が5mm〜50mmに設定されているため、地盤の
振動を適正に吸収して建造物への影響を効果的に少なく
することができる。そして、防振ゴムの厚み範囲を設定
したのは、厚み寸法が5mm未満であると、薄すぎるこ
とにより充分な振動吸収作用を得ることが困難になり、
逆に50mmを越えると材料コストが嵩むばかりか、防
振ゴムのせん断方向に向かう変形が起こり易くなって、
横梁の支持が安定しなくなるからである。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項2または3
記載の発明において、上記防振ゴムは、横梁との対向面
に縦横に並設された複数の凸起を有していることを特徴
とするものである。
【0020】この発明によれば、横梁は、防振ゴムの複
数の凸起によって支持されるため、横梁の被支持面の平
面からのばらつきが各凸起の伸縮によって吸収され、こ
れによって横梁の被支持面の内で防振ゴムに当接してい
ない部分が生じるような不都合の発生が確実に防止され
る。
【0021】さらに、請求項1乃至4のいずれかに記載
の発明において、防振部材に少なくとも1つの係止突起
を突設する一方、受け部材に係止突起に対応して係止孔
を穿設すること(請求項5)により、係止突起を係止孔
に嵌め込むことで防振部材の頂部板体に対する装着状態
が安定する。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る束部材の一
実施形態を示す分解斜視図であり、図2はその組立て斜
視図である。また、図3は、図2に示す束部材のA−A
線断面図である。これらの図に示すように、束部材10
は、図略の布基礎に囲繞された部分に形成されるコンク
リートの打設された捨てコンクリート層(地盤)Cと、
建物の最下位に敷設される大引き(横梁)Dとの間に介
設されて大引きDを支持するために用いられるものであ
り、捨てコンクリート層Cに立設される束支柱20と、
この束支柱20の上面に付設された、大引きDを載置す
るための防振ゴム(防振部材)60とを備えた基本構成
を有している。
【0023】上記束支柱20としては、本実施形態にお
いては、TD鋼で形成され、かつ、表面に溶融亜鉛鍍金
が施されてなる極めて良好な耐食性を備えた、いわゆる
鋼製束が採用されている。
【0024】そして、かかる束支柱20は、捨てコンク
リート層Cに載置されるベース板体30と、このベース
板体30に立設される下部スクリューロッド(下部螺設
体)35と、この下部スクリューロッド35の上部に同
心で螺着される筒状を呈した筒状ターンバックル(中間
螺設体)40と、この筒状ターンバックル40の上部に
同心で螺着される上部スクリューロッド(上部螺設体)
55と、この上部スクリューロッド55の頂部に取り付
けられ上記防振ゴム60を介して大引きDを支持する頂
部板体(受け部材)50とを備えて構成されている。
【0025】上記ベース板体30は、平面視で矩形状に
形成され、表裏に貫通した複数の貫通孔31を有してい
る。これらの貫通孔31は、例えば捨てコンクリート層
Cに先端を外部に突出した状態で予め埋め込まれている
アンカーボルトBを挿通するためのものである。各貫通
孔31から外部に突出したアンカーボルトBにナットN
を螺着して締結することにより、図2に示すように、束
部材10の捨てコンクリート層C上への施工状態が安定
する。
【0026】また、ベース板体30の中央部には、裏面
側からの押し起しで膨設された平面視で円形の膨出部3
2が設けられている。この膨出部32の中心位置には中
心孔33が穿設され、上記下部スクリューロッド35が
この中心孔33に挿通された状態でベース板体30に立
設されている。
【0027】上記下部スクリューロッド35は、外周面
に雄ねじの螺設された下部ロッド本体36と、この下部
ロッド本体36の基端部(図1〜図3の下部)に形成さ
れた頭部37とからなっている。かかる下部スクリュー
ロッド35は、その下部ロッド本体36がベース板体3
0の裏面側から膨出部32の中心孔33に挿通され、そ
の頭部37が膨出部32の裏側の窪みに嵌め込まれて溶
接止めされ、これによってベース板体30の中心位置に
立設された状態になっている。
【0028】上記頂部板体50は、その上面に防振ゴム
60を装着するためのものであり、四隅にそれぞれ穿設
された装着孔(係止孔)51を有しているとともに、中
央部に下方に向けて膨出した円形の膨出部52が設けら
れている。この膨出部52の中心位置には、上部スクリ
ューロッド55を挿通するための中心孔53が穿設され
ている。
【0029】上記上部スクリューロッド55は、外周面
に雄ねじの螺設された上部ロッド本体56と、この上部
ロッド本体56の上端部に形成された頭部57とからな
っている。かかる上部スクリューロッド55は、その上
部ロッド本体56が頂部板体50の上面側から膨出部5
2の中心孔53に挿通され、その頭部57が膨出部52
の裏側(図1の上側)の窪みに嵌め込まれて溶接止めさ
れ、これによって頂部板体50の中心位置から下方に向
けて垂下された状態になっている。
【0030】上記筒状ターンバックル40は、上下に長
尺の筒本体41と、この筒本体41の下端部から下方に
向けて延設された下部ナット筒44と、筒本体41の上
端部から上方に向けて延設された上部ナット筒45とを
備えて構成されている。
【0031】上記筒本体41は、上下方向の中央位置に
円筒体がプレス処理されることにより形成された角筒状
の角筒部42を有しているとともに、この角筒部42の
上下に円筒状の円筒部43がそれぞれ形成されている。
角筒部42は、レンチ等の工具を嵌め込んで筒状ターン
バックル40を孔心回りに回転させるためのものであ
る。
【0032】上記下部ナット筒44は、上記下部スクリ
ューロッド35の下部ロッド本体36に外嵌して螺着す
るためのものであり、上記上部ナット筒45は、上記上
部スクリューロッド55の上部ロッド本体56に外嵌し
て螺着するためのものである。そして、下部スクリュー
ロッド35と筒状ターンバックル40との螺着状態と、
上部スクリューロッド55と上部スクリューロッド55
との螺着状態とは互いに逆ねじ関係になるように螺設設
定されている。
【0033】本実施形態においては、上部ナット筒45
および上部ロッド本体56は、右ねじが螺設されたいわ
ゆる順ねじとされているのに対し、下部ナット筒44お
よび下部ロッド本体36は、左ねじが螺設されたいわゆ
る逆ねじとされている。
【0034】したがって、下部ロッド本体36および上
部ロッド本体56がそれぞれ下部ナット筒44および上
部ナット筒45に螺着された状態で、筒状ターンバック
ル40を平面視で孔心回りに時計方向に回転させること
により、下部ロッド本体36および上部ロッド本体56
はそれぞれ筒状ターンバックル40から外方に向かって
突出する方向に移動し、これによって束部材10の上下
寸法が順次漸増する一方、筒状ターンバックル40を孔
心回りに反時計方向に回転させることによる各ロッド本
体36,56の筒状ターンバックル40内への没入で束
部材10の上下寸法が漸減するようになっている。
【0035】また、各ロッド本体36,56には予めナ
ットNが螺着されているとともに、ワッシャーWが外嵌
され、この状態で各ロッド本体36,56がそれぞれ筒
状ターンバックル40に螺着されている。したがって、
筒状ターンバックル40の回転操作により束部材10の
上下寸法が設定された状態で、各ロッド本体36,56
に螺着されているナットNをまわして各ナット筒44,
45の方向に移動させ、ワッシャーWを介して締結する
ことにより,設定された束部材10の上下寸法が固定さ
れることになる。
【0036】上記防振ゴム60は、クロロプレンゴムや
ブチルゴムなどの振動吸収性能に優れたいわゆる防振ゴ
ムによって形成されている。かかる防振ゴム60は、平
面視の寸法が頂部板体50のそれと略同一になるように
寸法設定されているとともに、厚み寸法が5mm〜50
mmに設定されている。防振ゴム60の厚み寸法をこの
ような範囲に設定したのは、5mm未満であると、薄す
ぎることにより充分な緩衝作用を得ることが困難になる
からであり、逆に50mmを越えると防振ゴム60の材
料コストが嵩むばかりか、実際それ程の厚い寸法を必要
としないからである。
【0037】また、防振ゴム60の裏面側には、上記頂
部板体50の装着孔51に対応した四つの装着突起(係
止突起)61が下方に向かって突設されている。これら
の装着突起61は防振ゴム60と同一材料で形成され、
径寸法が装着孔51の内径寸法と同一に設定されてい
る。そして、これらの装着突起61をそれぞれ対応した
装着孔51に嵌め込むことによって、防振ゴム60が頂
部板体50に横ずれ防止状態で装着されるようになって
いる。
【0038】かかる防振ゴム60の表面側には、複数条
の縦溝62が凹設されているとともに、隣り合った縦溝
62の対向縁部から互いに接近する方向に向けて切り込
まれて形成した短い横溝63が複数設けられ、これら横
溝63と上記縦溝62とによって囲まれた部分に小さい
矩形条の凸起64が形成されているとともに、防振ゴム
60の上面周縁部には縁堰部65が形成されている。か
かる縁堰部65の上面と上記各凸起64の上面とは面一
状態になるように面設定されている。
【0039】防振ゴム60の上面にこのような凸起64
および縁堰部65が形成されるのは、防振ゴム60が支
持する大引きDの被支持面が同一平面を形成していない
場合の面ばらつきを吸収し易くするためである。
【0040】図4は、頂部板体および防振部材の他の実
施形態を示す斜視図であり、(イ)は、防振部材が頂部
板体に装着される直前の状態、(ロ)は、防振部材が頂
部板体に装着された状態をそれぞれ示している。図4の
(イ)に示すように、この実施形態の頂部板体50´
は、先の頂部板体50に対応する水平板体50aの一方
の縁部に垂直板体50bが設けられている点が先の実施
形態と相違している。
【0041】そして、水平板体54には、垂直板体50
bと反対側の隅縁部にそれぞれ装着孔51が穿設されて
いるとともに、垂直板体50bには、その適所に二つの
装着孔51が穿設されている。
【0042】また、防振ゴム60´は、先の防振ゴム6
0に対応した水平防振ゴム66と、この水平防振ゴム6
6の一方の縁部から垂直板体50bに対応するように延
設された垂直防振ゴム67とからなっている。水平防振
ゴム66の裏面には、水平板体50aの二つの装着孔5
1に対応した二つの装着突起61が突設されているとと
もに、垂直防振ゴム67には、垂直板体50bの装着孔
51に対応した装着突起61が設けられ、これらの装着
突起61を頂部板体50´の各装着孔51に嵌め込むこ
とによって、図4の(ロ)に示すように、頂部板体50
´に防振ゴム60´が装着されるようにしている。
【0043】この実施形態の頂部板体50´および防振
ゴム60´を備えた束部材によれば、頂部板体50´が
防振ゴム60を介して大引きDを支持した状態で、大引
きDの側面を垂直防振ゴム67に当接させることによ
り、大引きDの束部材上での位置決めが確実に行われ、
大引きDの正確な施工が容易になる。
【0044】以上詳述したように、本発明の束部材10
は、捨てコンクリート層Cと大引きD間に介設されて大
引きDを支持するために用いられるものであり、捨てコ
ンクリート層Cに立設される束支柱20と、この束支柱
20の上面に付設された防振ゴム60,60´とを備え
て構成されているため、大引きDが束部材に支持された
状態で、車両の通過や土木工事、さらには地震等によっ
て捨てコンクリート層Cの振動が束部材を介して大引き
Dに伝達され、これによる大引きDの振動で大引きD
と、この大引きDを支持している束支柱20の頂部とが
互いに振動的に衝突し合っても、両者の間には防振ゴム
60,60´が介設されていることによって、この防振
ゴム60,60´が上記振動的な衝突による衝撃を吸収
し、建築物の振動および騒音の発生を有効に防止するこ
とができる。
【0045】また、束支柱20と大引きDの互いの対向
面が完全に平行になっていなくても、大引きDを束部材
に支持させた状態で、束支柱20と大引きDとの間に介
設されている防振ゴム60,60´の両者間の距離に応
じた圧縮弾性変形によって両者の非平行が吸収されて大
引きDの重量が束支柱20の頂面に一様に分散されて加
わるため、束支柱20の内部応力のばらつきが小さくな
って束部材による大引きDの支持をより安定したものに
することができる。
【0046】さらに、地震等による大きな振動で大引き
Dが束支柱20から大きく離間した場合であっても、圧
縮弾性変形している防振ゴム60,60´が元の厚み寸
法に復帰することにより両者間で隙間の生じることが防
止され、これによってたとえ束部材10が捨てコンクリ
ート層Cに載置されただけの場合であっても、束部材1
0の横転が防止される。
【0047】そして、上記防振ゴム60,60´は、ク
ロロプレンゴムやブチルゴム等からなる防振ゴムによっ
て形成されているため、これらの材料は、本来的に振動
の吸収が良好に行われるように調製されたものであり、
束支柱20と大引きD間に介設されることによってより
効果的に捨てコンクリート層Cの振動を吸収することが
できる。
【0048】 また、防振ゴムは、厚み寸法が5mm〜5
0mmに設定されているため、地盤の振動を適正に吸収
して建造物への影響を効果的に少なくすることができ
る。
【0049】また、防振ゴム60,60´には、大引き
Dとの対向面に縦横に並設された複数の凸起64が設け
られているため,大引きDは、これらの複数の凸起64
によって支持され、大引きDの被支持面の平面からのば
らつきが各凸起64の伸縮によって吸収され、これによ
って大引きDの被支持面の内で防振ゴム60,60´に
当接していない部分が生じるような不都合の発生を確実
に防止することができる。
【0050】また、防振ゴム60,60´に所定個数の
装着突起61を突設する一方、頂部板体50には装着突
起61に対応して装着孔51を穿設しているため、装着
突起61を装着孔51に嵌め込むことで防振部材の頂部
板体に対する装着状態を安定させることができる。
【0051】また、束支柱20を、捨てコンクリート層
Cに載置されるベース板体30と、このベース板体30
に立設される下部スクリューロッド35と、この下部ス
クリューロッド35の上部に同心で螺着される筒状ター
ンバックル40と、この筒状ターンバックル40の上部
に同心で螺着される上部スクリューロッド55と、この
上部スクリューロッド55の頂部に取り付けられて上記
大引きDを支持する頂部板体50とを備えて構成し、下
部スクリューロッド35と筒状ターンバックル40との
螺着状態と、上部スクリューロッド55と上部スクリュ
ーロッド55との螺着状態とは互いに逆ねじ関係になる
ように螺設設定しているため、束支柱20を捨てコンク
リート層Cと大引きDとの間に介在させた状態で筒状タ
ーンバックル40を所定の一方向に軸心回りに回転させ
ることにより、上下の螺設体が筒状ターンバックル40
から突出する方向に移動することで束支柱20は伸張し
て頂部板材が大引きDの下面に当接し、これによって大
引きDが束支柱20に支持された状態になる。
【0052】逆に、束支柱20の横梁の支持を解除する
ときは、筒状ターンバックル40を他方向に回転すれば
よい。こうすることによる上下の螺設体の筒状ターンバ
ックル40内に向かう移動で束支柱20は縮小するた
め、束支柱20を捨てコンクリート層Cと大引きDとの
間から引き出すことができる。
【0053】このように、束支柱20を上下の螺設体3
5,55と、これらの螺設体35,55に同心で螺着さ
れる筒状ターンバックル40とを備えて束支柱20を構
成するとともに、下部スクリューロッド35と筒状ター
ンバックル40との螺着状態と、上部スクリューロッド
55と上部スクリューロッド55との螺着状態とは互い
に逆ねじ関係になるように設定することにより、筒状タ
ーンバックル40の軸心回りの回動方向を変えることに
よって束部材10による横梁の支持および支持解除を極
めて容易に行うことができる。
【0054】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0055】(1)上記の実施形態においては、束支柱
20としてベース板体30、ベース板体30、下部スク
リューロッド35、筒状ターンバックル40、頂部板体
50および上部スクリューロッド55等からなる上下長
可変の鋼製束が採用されているが、本発明は、束支柱が
鋼製束であることに限定されるものではなく、上下長不
変の木製束やコンクリート束であってもよい。
【0056】(2)上記の実施形態においては、束部材
10に中間螺設体として筒状ターンバックル40が採用
されているとともに、上下の螺設体として下部スクリュ
ーロッド35および上部スクリューロッド55が採用さ
れているが、こうする代わりに、図5に示すように、下
部スクリューロッド35および上部スクリューロッド5
5の役割と、筒状ターンバックル40の役割とを交代さ
せてもよい。
【0057】図5は、他の実施形態の束部材10´を示
す斜視図であるが、この実施形態では、下部螺設体とし
て先の下部スクリューロッド35に代えて下部ナット筒
30´を採用するとともに、上部螺設体として上部スク
リューロッド55に代えて上部ナット筒50´´を採用
し、さらに筒状ターンバックル40に代えてスクリュー
ロッド40´を採用するのである。
【0058】スクリューロッド40´は、上下方向の中
央位置に設けられた角柱部46と、この角柱部46から
下方に向けて垂下された下部スクリューロッド47と、
下部スクリューロッド47と同心で角柱部46に立設さ
れた上部スクリューロッド48とで構成されている。下
部スクリューロッド47と上部スクリューロッド48と
は互いに逆ねじになっている。そして、この実施形態に
おいては、ベース板体30、下部ナット筒30´、スク
リューロッド40´、上部ナット筒50´´および頂部
板体50によって束支柱20´が構成されている。
【0059】この実施形態の束部材10´によれば、角
柱部46に所定の工具を装着してスクリューロッド40
´を順方向に回転させることにより束支柱20´は縮長
する一方、同逆方向に回転させることにより束支柱20
´は伸長する。
【0060】 図6は、頂部板体50に対する防振ゴム6
0´´のさらに他の実施形態を示す斜視図であり、
(イ)は、防振ゴム60´´が頂部板体50に装着され
る直前の状態、(ロ)は、防振ゴム60´´が頂部板体
50に装着された状態をそれぞれ示している。この実施
形態の防振ゴム60´´は、装着突起61に代えて、防
振ゴム60´´を頂部板体50に装着するための装着構
造としての装着縁部68を設けている点が、先の実施形
態の防振ゴム60,60´と相違している。その他の点
については先のものと同様である。
【0061】上記装着縁部68は、防振ゴムの本体の両
側部から下方に延設された幅方向一対の側板68aと、
これら一対の側板68aの下縁部から互いに対向する方
向に突設された幅方向一対の受け突条68bとからな
り、これら側板68aと、受け突条68bと、防振ゴム
60´´本体の裏面とに囲まれた部分に頂部板体50の
縁部を嵌め込むための幅方向一対の装着溝69が形成さ
れている。
【0062】そして、一対の側板68a間の内寸法は、
頂部板体50の側縁部間の外寸法と略同一になるように
寸法設定されているとともに、溝幅寸法は頂部板体50
の厚み寸法と略同一になるように寸法設定されている。
【0063】この実施形態の防振ゴム60´´によれ
ば、図6の(イ)に示す状態において、一対の装着溝6
9の端部開口を頂部板体50の各側縁部に対向させた状
態で、防振ゴム60´´を、矢印で示すように頂部板体
50に向けて移動させることにより、装着溝69が頂部
板体50の各側縁部に外嵌していき、これによって防振
ゴム60´´は、図6の(ロ)に示すように、頂部板体
50に装着された状態になる。
【0064】このように、防振ゴム60´´に装着突起
61に代えて装着縁部68を設けることにより、頂部板
体50に装着孔51が穿設されていなくても、防振ゴム
60´´を頂部板体50に装着することが可能になり、
装着孔51を穿設しなくてよい分頂部板体50の加工コ
ストの低減化に貢献することができる。
【0065】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、請求
項1記載の本発明によれば、地盤と横梁間に介設されて
横梁を支持するために用いられる束部材であって、地盤
に立設される束支柱と、この束支柱の上面に付設された
防振部材とを備えて構成されているため、横梁が束部材
に支持された状態で、車両の通過や土木工事、さらには
地震等によって地盤の振動が束部材を介して横梁に伝達
され、これによる横梁の振動で横梁と、この横梁を支持
している束支柱の頂部とが互いに振動的に衝突し合って
も、両者の間に防振部材が介設されていることによって
振動衝撃はこの防振部材により吸収され、建築物の振動
および騒音の発生を確実に防止することができる。
【0066】また、束支柱と横梁の互いの対向面が完全
に平行になっていなくても、横梁を束部材に支持させた
状態で、束支柱と横梁との間に介設されている防振部材
の両者間の距離に応じた圧縮弾性変形によって両者の非
平行が吸収されて横梁の重量が束支柱の頂面に一様に分
散されて加わるため、束支柱の内部応力のばらつきが小
さくなって束部材による横梁の支持をより安定させるこ
とができる。
【0067】さらに、地震等による大きな振動で横梁が
束支柱から大きく離間した場合であっても、圧縮弾性変
形している防振部材が元の厚み寸法に復帰することによ
り両者間での隙間の発生が防止され、これによってたと
え束部材が地盤に載置されただけの場合であっても、束
部材の横転を有効に防止することができる。
【0068】請求項2記載の発明によれば、防振ゴム
は、本来的に振動の吸収が良好に行われるように調製さ
れたものであるため、束支柱と横梁間に介設される防振
部材としての機能を充分に発揮することができる。
【0069】 請求項3記載の発明によれば、防振ゴム
は、その厚み寸法が5mm〜50mmに設定されている
ため、地盤の振動を適正に吸収して建造物への影響を効
果的に少なくすることができる。
【0070】請求項4記載の発明によれば、横梁は、防
振ゴムの複数の凸起によって支持されるため、横梁の被
支持面の平面からのばらつきが各凸起の伸縮によって吸
収され、これによって横梁の被支持面の内で防振ゴムに
当接していない部分が生じるような不都合の発生を確実
に防止することができる。
【0071】請求項5記載の発明によれば、防振部材に
少なくとも1つの係止突起を突設する一方、受け部材に
係止突起に対応して係止孔を穿設したため、係止突起を
係止孔に嵌め込むことで防振部材の受け部材に対する装
着状態を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る束部材の一実施形態を示す分解斜
視図である。
【図2】図1に示す束部材の組立て斜視図である。
【図3】図2に示す束部材のA−A線断面図である。
【図4】頂部板体および防振部材の他の実施形態を示す
斜視図であり、(イ)は、防振部材が頂部板体に装着さ
れる直前の状態、(ロ)は、防振部材が頂部板体に装着
された状態をそれぞれ示している。
【図5】束部材の他の実施形態を示す斜視図である。
【図6】頂部板体に対する防振ゴムのさらに他の実施形
態を示す斜視図であり、(イ)は、防振ゴムが頂部板体
に装着される直前の状態、(ロ)は、防振ゴムが頂部板
体に装着された状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
10,10´ 束部材 20,20´ 束支柱 30 ベース板体 31 貫通孔 32 膨出部 33 中心孔 35 下部スクリューロッド 36 下部ロッド本体 37 頭部 40 筒状ターンバックル 41 筒本体 42 角筒部 43 円筒部 44 下部ナット筒 45 上部ナット筒 40´ スクリューロッド 46 角柱部 47 下部スクリューロッド 48 上部スクリューロッド 50,50´ 頂部板体(受け部材) 50a 水平板体 50b 垂直板体 51 装着孔(係止孔) 52 膨出部 53 中心孔 55 上部スクリューロッド 50´´ 上部ナット筒 56上部ロッド本体 57 頭部 60,60´ 防振ゴム(防振部材) 61 装着突起(係止突起) 62 縦溝 63 横溝 64 凸起 65 縁堰部 66 水平防振ゴム 67 垂直防振ゴム 68 装着縁部 68a 側板 68b 受け突条 69 装着溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04H 9/02 331 E04H 9/02 331Z F16F 15/04 F16F 15/04 G (72)発明者 玉岡 富彦 大阪市生野区巽中2丁目2番10号 タカヤ マ金属工業株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DF06 DG02 FA12 FA22 FA71 GA12 GA51 GA62 GA65 HE01 KA08 LA01 LA09 3J048 AA01 BA11 DA01 EA38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤と横梁間に介設されて横梁を支持す
    るために用いられる束部材であって、地盤に立設される
    束支柱と、この束支柱の上面に上記横梁を支持するよう
    に付設された受け部材と、この受け部材の上面に装着さ
    れた、弾性力を有する振動吸収用の防振部材とを備えて
    構成されていることを特徴とする束部材。
  2. 【請求項2】 上記防振部材は、防振ゴムによって形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の束部材。
  3. 【請求項3】 上記防振ゴムは、厚み寸法が5mm〜5
    0mmに設定されていることを特徴とする請求項2記載
    の束部材。
  4. 【請求項4】 上記防振ゴムは、横梁との対向面に縦横
    に並設された複数の凸起を有していることを特徴とする
    請求項2または3記載の束部材。
  5. 【請求項5】 上記防振部材は、受け部材に向かって突
    設された少なくとも1つの係止突起を有している一方、
    上記受け部材は、上記係止突起に対応して穿設された係
    止孔を有していることを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれかに記載の束部材。
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