JP3042589U - 床 束 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木材製の大引の乾燥収縮に追従し、衝撃を吸
収できる床束を提供する。 【解決手段】 床束本体１は高さ調節自在で、上端に受
板５を有する。受板５の上に間装材１０を取付け、大引
Ａはこの上に載せる。間装材１０は弾性材製で、小荷重
でも圧縮変形し、大荷重にも耐える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、住宅などの建築物の床を支えるために、床の大引の下面に立設す る床束の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、大引の高さに合わせる為、床束の高さを調節可能にしたものは既に提案 されている。この種の床束は通常、上下２体に分割されていて、上下両体は伸縮 自在に結合され、かつ、希望の位置で固定できるようになっている。従って、こ の床束を使うには、先ず、大引を支持せんとする位置の地面上に床束を立て、次 に床束を伸ばして、床束の上端の受面を大引下面に当接させ、かつ、その位置で 高さを固定する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、床束は、通常、新築時などに高さ調節して設置される。この為、施 工当初は適切な大引支持ができるが、施工後、月日がたって、木材製の大引に乾 燥収縮、いわゆる痩せが生ずると、大引と床束との間に隙間ができて、支持が不 充分となる。もっとも再調節は可能であるが、この為には、建物の床下に潜り込 んだり、建物の床板を剥がしたりしてて作業しなければならず、手間もかかり、 現実的にはこの再調節はほとんど不可能である。また、床束の上端受面は通常、 金属板や硬質合成樹脂で作られていて、この受面が大引と直接接触している。こ の為、大引の振動や衝撃などがそのまま床束に伝わり、騒音を発生する。特に、 前記のように床束との間に隙間ができている場合には、音が大きくなって、住人 に不快感を与えることになる。

【０００４】 本考案はこのような点に鑑み、大引の乾燥収縮に追従対応でき、かつ、騒音の 発生を抑制できる床束を提供せんとするものである。更に、本考案は、施工初期 の小荷重でも圧縮変形し、かつ、長期の荷重や大荷重にも耐える、追従性のよい 床束を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の床束の技術的手段は、床束本体と、床束本体の受板上に取付けられた 間装材とからなり、間装材は小荷重で圧縮変形し、かつ、大荷重に耐える弾性材 製であることにある。

【０００６】 また、間装材としては、材質の硬度が高くて、肉厚の厚いものや、或いは材質 の硬度が高くて、表面を凹凸面にしたものや、更には硬度の異なる複数の素材を 組み合わせて積層材としたものを用いることができる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案の床束の実施の形態を、図面の実施例に基ずいて説明する。図１は第１ 実施例で、１は床束本体で、固定の外体２と昇降移動する内体３とからなる。内 体３はネジ棒製で、外体２に抜き挿し自在に嵌合している。４は締付体で、これ を回動操作することによって、内体３の昇降移動及び希望位置での固定を行う。 なお、床束本体１の構成には制限はなく、公知のものを自由に採択可能である。 この実施例は単に１例を示したにすぎない。

【０００８】 内体３の上端には硬質材製の受板５が取付けられている。第１実施例では受板 ５に大引挟み６が付設されていて、大引Ａの側面を両側から挟み付けて、位置ず れを防止できるようになっている。１０は受板５の上に設けられた間装材で、大 引Ａはこの上に載せられる。

【０００９】 間装材１０は、ゴムや合成樹脂などの弾性材製で、大引Ａによる上面からの荷 重を受けた時に圧縮変形する。この際の圧縮変形量は適度でなければならず、こ の為、間装材１０の材質や形状は慎重に設定する必要がある。なぜなら、大引の 痩せに追従するには、先ず施工初期における小さな荷重で間装材が変形しなけれ ばならないが、単にこれだけを考えて、間装材の素材に弾性の高いものを用いる と、長期の荷重や大きな荷重に対して撓み過ぎることになる。

【００１０】 間装材１０の変形を適度な量にする為、実施例では次のような方策を採ってい る。第１の方策としては、間装材１０の硬度を高め（弾性は小）、かつ、肉厚を 厚くする。硬いと大荷重に対して安全であり、厚いと所望の撓み量を得やすい。 この間装材は図２の第２実施例に用いられている。第２の方策としては、硬度を 高めると共に、表面を凹凸面とする。凹凸面は受圧面積が小さいので、撓み易く 、小荷重に対応でき、かつ、本体部は硬いので、大荷重にも耐える。図３は凹凸 を溝１１とした例、図４は凹凸を円形小突起１２とした例である。以上の他に、 図５のように硬度の異なる素材を積層させることも可能であり、また、前記の各 方策を組み合わせて用いることも可能である。

【００１１】 図２は本考案の床束の第２実施例であり、床束本体１は第１実施例と同じであ る。受板７の上には間装材１０が載り、更にその上に合板製の大引受け７が載っ ていて、この３者は木ネジ８で固定されている。そして、大引受け７の上に大引 Ａが載り、この両者は釘などで固定される。

【００１２】 なお、本考案は前記の実施例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の 範囲の記載の範囲内で自由に変形実施可能である。特に床束本体の構造、間装材 の材質や形状、大引との固定手段などは自由である。

【００１３】

【考案の効果】

本考案の床束は、大引の乾燥収縮によく追従し、大引下面との間に隙間ができ ないので、大引を常に適正状態で支持可能である。また、間装材は弾性材製で、 衝撃や振動を吸収できるので、騒音の発生を効果的に抑制できる。更に本考案の 床束は構造が簡単で、廉価に製造可能であり、また、床束本体の種類を選ばない ので、利用範囲が広く、実用上、極めて有益である。

【００１４】 請求項２のものは、間装材の素材の硬度が高く、かつ肉厚が厚いので、施工初 期から長期に至るまで大引の乾燥収縮によく追従する他、大荷重にも充分に耐え ることができる。また間装材の構造がシンプルであるので、廉価に提供可能であ る。

【００１５】 請求項３のものは、凹凸面があるので、小荷重によく追従し、かつ、大荷重に も耐えるので、利用性に富む。

【００１６】 請求項４のものは、積層材製の間装材を用いているので、追従性や衝撃吸収性 を設定し易く、実施化が容易であり、実用性が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の床束の第１実施例の側面図。

【図２】第２実施例の側面図。

【図３】間装材の斜視図。

【図４】間装材の他の実施例の斜視図。

【図５】間装材の更に他の実施例の斜視図。

【符号の説明】

１ 床束本体 ２ 外体 ３ 内体 ４ 締付体 ５ 受板 ６ 大引挟み ７ 大引受け ８ 木ネジ １０ 間装材 １１ 溝 １２ 小突起

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床束本体と、床束本体の受板上に取付け
   られた間装材とからなり、間装材は小荷重で圧縮変形
   し、かつ、大荷重に耐える弾性材製である床束。
2. 【請求項２】 間装材１０には、材質の硬度が高くて、
   肉厚の厚いものが用いられている請求項１記載の床束。
3. 【請求項３】 間装材１０には、材質の硬度が高く、か
   つ、表面を凹凸面としたものが用いられている請求項１
   記載の床束。
4. 【請求項４】 間装材１０には、硬度の異なる複数の素
   材を組み合わせて積層材としたものが用いられている請
   求項１記載の床束。