JPH061584U - 防音床仕上材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 木材の使用を削減し、かつ木の質感を損なわ
ない高防音性能の床仕上材を提供する。 ［構成］ コンクリートから成る下板３に、木質から成
る上板２を貼着する。 ［効果］ 衝撃による起振性が大巾に低下し、Ｌ−４５
の防音性能が得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は一般住宅、或いは集合住宅の主として床面に直貼りして使用する防音 床仕上材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

集合住宅等における階下への騒音を防ぐために、カーペットや木質防音床仕上 材が使用されているが、特に近年においてはダニ発生等の衛生上の理由から、カ ーペットよりも木質防音床仕上材が広く用いられている。

【０００３】 しかしながら木質防音床仕上材は、防音性能を向上させようとすると柔軟性が 必要となり、木質部の切溝加工や、柔軟な防振材の使用が必至となる。その結果 木質本来の良さが損なわれ、家具等重量物を載置した際に沈んだり、歩行感が悪 い等多くの欠点が生じている。更に最近では、木材資源の使用が社会問題になっ ており、環境保護の面からも木材使用の削減が叫ばれている。

【０００４】

【本考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、防音性能がＬ−４５程度で木質の剛性、質 感を損わない床仕上材を開発することである。更なる課題は施工も容易で、リフ ォームに対応できる簡易性も兼ねそなえ、かつ安価で、木材資源の枯渇に対応で きる防音床仕上材を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記の課題を解決するために考案された防音床仕上材で、下記の構成 から成る。 １．コンクリートから成る下板３に、木質から成る上板２を貼着する。 ２．上記１の防音床仕上材において、下板３の設置面側に弾性体４を貼着する。

【０００６】 上板はベニヤ合板が適しているが、他にむく材等も使用できる。また、上板を 突板のみとして下板のコンクリートに貼着しても良い。

【０００７】 下板のコンクリートは普通コンクリートの他、施工性、物性、コスト等諸条件 を勘案して気泡コンクリート、高密度石こうボード、木片コンクリート等が使用 できる。

【０００８】 弾性体はゴム弾性体、プラスチック弾性体等、コンクリートと同様の諸条件を 勘案して、剛性を極端に低下させないような材料から任意に選択でき、厚さは柔 軟性や、沈みの問題から５mm以下にするのが望ましい。又、防音床仕上材の厚み は、カーペット等他の床材からのリフォームを考慮して、２０mm以下にするのが 望ましい。

【０００９】

【作用】

衝撃により振動を起し易い木質部の一部を、一般に衝撃による起振性が低いと されるコンクリートに置き変える構成としたので、振動の発生を著しく低減させ る。更に弾性体を貼着し防振性を相乗させる構成としたので、コンクリートスラ ブ面等に伝幡する振動を大巾に減少させ、防音性能が顕著に向上する。また下板 として切溝加工等を施し柔軟にした木材を使用せず、剛性の高いコンクリートを 使用することにより下板の曲げ剛性は著しく改善される。更に起振性の低いとさ れるコンクリートを下板に使用することにより、弾性体も従来のように柔軟かつ 厚くする必要がなくなったので、沈み量も減少し歩行感が良くなる。

【００１０】 以上から、木材の使用を最小限に抑えながら木質の質感をあまり損なわない防 音性能の高い床仕上材を提供できるようになり、木材使用の削減という副次的効 果も奏効するに至った。

【００１１】 以下、実施例を挙げて本考案を具体的に説明する。

【実施例１】 図１は本考案の防音床仕上材の実施例を示す説明用斜視図である。 本説明図において大きさは、２０００mm×１０００mmを示す。上板は突板を貼 着した厚さ２．８mmの化粧合板を使用し、下板は面密度６kg／ｍ²、厚さ１０mm の気泡コンクリート板を使用し、接着剤により上板と下板を貼着した。

【００１２】

【実施例２】 図２は、実施例１の防音床仕上材の下板３の設置面側に、厚さ１mmのゴム弾性 体を貼着した防音床仕上材である。

【００１３】

【試験例１】 実施例１（図１）の防音床仕上材を用いて、ＪＩＳ Ａ １４１８−1978に基 づき床衝撃レベルを測定した結果は表１の通りであった。

【００１４】

【表１】

【００１５】

【試験例２】 実施例２（図２）の 防音床仕上材を用いて、ＪＩＳ Ａ １４１８−1978 に基づき床衝撃レベルを測定した結果は表２の通りであった。

【００１６】

【表２】

【００１７】 表１、表２の結果から、本考案の防音床仕上材はＬ−４５の防音性能を有する ことが確認された。

【００１８】

【考案の効果】

イ．下板の曲げ剛性を低下させることなく、防音性能を高めることができる。 ロ．弾性体を柔軟かつ厚くすることなく、防音性能を高めることができる。 ハ．イ，ロの結果、木の質感を損なわず、沈み量が少なく、かつ歩行感の優れ た防音床仕上材が得られる。 ニ．木材の使用を削減するので、木材資源の確保につながる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の防音床仕上材を示す説明用斜視図であ
る。

【図２】本考案の別の実施例を示す説明用斜視図であ
る。

【符号の簡単な説明】１ 防音床仕上材 ２ 上板 ３ 下板 ４ 弾性体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリートから成る下板に木質から成
   る上板を貼着することを特徴とする防音床仕上材。
2. 【請求項２】 請求項１の防音床仕上材において、下板
   の設置面側に弾性体を貼着することを特徴とする防音床
   仕上材。