JP3643768B2 - 機器の蓋取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、ビデオカメラ、デジタルカメラの電池収容部の蓋に実施できる機器の蓋取付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
図7は、デジタルカメラの電池収容部(12)の蓋(2)の取付け構造の一例を示している。
蓋(2)は基端両側に突設した回転支持軸(21)を機器本体(1)に形成したガイド溝(15)に嵌めており、矢印Aで示す如く、蓋(2)を閉じ、閉じ姿勢のまま矢印Bで示す様にスライド後退させて電池収容部(12)を全閉する。
全閉状態で蓋(2)の掛かり部(14)が機器本体(1)の受部(13)に係合して、蓋(2)の開き回転が阻止される。
【0003】
機器本体(1)には蓋(2)の枢支部近傍にストッパ突起(17)が設けられ、蓋(2)が開き姿勢のままガイド溝(15)を滑って全閉方向にスライドしようした場合、蓋(2)の基端側に形成した当り部(22)がストッパ突起(17)に当たってスライドが防止される。
【0004】
ところが、閉じ姿勢の蓋(2)を全閉方向にスライドさせるために、ストッパ突起(17)の移行路と蓋(2)の当り部(22)との間にクリアランス確保している関係上、図8に示す如く、閉じ回転の終了直前の蓋をこの姿勢のまま全閉方向にスライドさせると、蓋(2)の当り部(22)がストッパ突起(17)を通過してしまい、図9に示す如く、蓋(2)の掛かり部(14)が受部(13)の上に載った状態となる。
【0005】
機器本体(1)と蓋(2)の間には受部(13)と掛かり部(14)分の隙間が生じて完全には閉じておらず、機器の使用者は蓋(2)を無理に押さえてしまい、掛かり部(14)と受部(13)を破損してしまうことがあった。
特に、電池収容部(12)には電池を飛び出し方向に付勢するバネ(図示せず)が配備されており、このバネ力が蓋(2)を押し上げていると勘違いして、蓋(2)を無理に押さえてしまい掛かり部(14)と受部(13)を破壊してしまうケースが多い。
【0006】
本発明は、上記問題を解決できる機器の蓋取付け構造を明らかにするものである。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明の機器の蓋取付け構造は、機器本体(1)に対して回転して開閉する様に取り付けられ、閉じ回転の終了位置にて回転方向に対して直交する方向にスライドして全閉し、全閉位置にて機器本体(1)の受部(13)と蓋(2)の自由端の掛かり部(14)が係合して蓋(2)の開き回転を防止する蓋の取付け構造において、機器本体(1)には蓋(2)が閉じ回転終了前の姿勢で全閉側へスライドすることを防止するスライド防止部材(3)が配備され、該スライド防止部材(3)は、一端側を機器本体(1)に固定して自由端を蓋の閉じスライド側に向けており、自由端側には蓋(2)の枢支側端部近傍に形成した当り部(22)に当接可能なストッパ片(33)を有し、機器本体(1)への固定位置とストッパ片(33)との間には蓋内面に突設された押え片(23)が乗り越え可能な突片(34)を有している。
【0008】
【作用及び効果】
蓋(2)を閉じ回転の終了直前の姿勢で全閉位置側にスライドさせると、蓋(2)の当り部(22)がスライド防止部材(3)のストッパ片(33)に当たってスライドが阻止される。
蓋(2)を閉じ回転の終了姿勢で全閉方向にスライドさせると、蓋(2)の押え片(23)がスライド防止部材(3)の突片(34)を乗り越えながら押圧してスライド防止部材(3)を弾性変形させ、ストッパ片(33)を蓋(2)の当り部(22)の移行路から逃がして蓋(2)の全閉方向のスライドを許す。
【0009】
上記の如く、蓋(2)が閉じ回転の終了姿勢で全閉方向にスライドする場合にのみ、ストッパ片(33)が蓋(2)の当り部(22)のスライド移行路を開放するから、機器本体(1)の受部(13)に蓋(2)の掛かり部(14)が載った状態に蓋が中途半端に閉じることは防止される。従って、機器本体(1)の受部(13)に蓋(2)の掛かり部(14)が載っている状態で、蓋(2)を無理に押さえてしまって受部(13)と掛かり部(14)を破壊してしまう問題は生じない。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明をデジタルスチルカメラの電池収容部(12)の蓋(2)に実施した状態を示している。図面は、デジタルスチルカメラの底側を上にして示したものであるる。
電池収容部(12)は機器本体(1)の底面より凹んだ凹み段部(11)に形成されており、凹み段部(11)は機器本体(1)の前面と一方の側面へ開口している。
電池収容部(12)を閉じる蓋(2)は、基端中央に支持片(20)を突設し、該支持片(20)の両端に回転支持軸(21)(21)を突設している。
【0011】
機器本体(1)の凹み段部(11)の前面開口の反対側に蓋(2)の支持片(20)が嵌まる切欠き部(10)が設けられ、該切欠き部(10)の両側面に蓋(2)の回転支持軸(21)がスライド可能に嵌まるガイド溝(15)が前後に長く開設されている。
蓋(2)は、回転支持軸(21)を中心に回転開閉でき、且つ回転支持軸(21)がガイド溝(15)をスライドする範囲で前後にスライドできる。
【0012】
蓋(2)の自由端と機器本体(1)の凹み段部(11)の前部には互いに係脱する掛かり部(14)と受部(13)が設けられている。
実施例の蓋(2)の掛かり部(14)は、先端縁から内側に短く延びた爪片(14a)であり、機器本体(1)の受部(13)は、前記爪片(14a)が前方から侵入可能な凹み(13a)である。
図2に示す如く、回転支持軸(21)がガイド溝(15)の前端に位置した状態で、蓋(2)が矢印Aで示す閉じ方向に回転するとき、爪片(14a)は受部(13)に干渉せず、機器本体(1)の凹み段部(11)に隙間なく被さる。蓋(2)をこの閉じ姿勢のままガイド溝(15)に沿わせて後退方向にスライドさせると爪片(14a)が凹み(13a)に嵌まり、蓋(2)は全閉し、蓋(2)の開き回転は防止される。
【0013】
図1に示す如く、蓋(2)と機器本体(1)には、上記蓋(2)の全閉状態で蓋(2)をロックするロック手段(4)が設けられる。
蓋(2)のロック手段(4)は、蓋(2)の全閉位置にて、機器本体(1)上の突起(41)が、蓋(2)の裏面に突設した係合片(42)の孔(43)に嵌まって、蓋(2)の前方へのスライドを防止するものであり、蓋(2)の表面に設けたボタン(図示せず)を押すと、係合片(42)が突起(41)から外れて蓋(2)の前方へのスライドが許され、前記爪片(14a)と凹み(13a)の係合が外れて、蓋(2)の開き回転が許される。
上記ロック手段(4)は、斯種蓋では公知の技術であり、詳細説明は省略する。
【0014】
本発明の特徴は、蓋(2)が閉じ回転終了前の姿勢で全閉側へスライドすることを防止するスライド防止部材(3)を機器本体(1)に配備し、蓋(2)には蓋(2)が閉じ姿勢で全閉方向にスライドするときのみは上記スライド防止部材(3)を弾性変形させて蓋(2)の移行路を開放する押え片(23)を設けた点である。
【0015】
図6に示す如く、スライド防止部材(3)は合成樹脂にて形成され、板片(31)の一端に取付け孔(32)を有し、他端両側にストッパ片(33)(33)を板片(31)と直交して突設し、中央部に突片(34)をストッパ片(33)と同方向に突設している。
図2に示す如く日、スライド防止部材(3)は、取付け孔(32)を機器本体(1)の凹み段部(11)の肉厚の裏面に突設した軸片(16)に嵌めて固定され、自由端を蓋の閉じスライド側に向けており、突片(34)及びストッパ片(33)を凹み段部(11)の肉厚を少し余裕のある状態に貫通して凹み段部(11)上に臨出させている。
【0016】
蓋(2)の枢支側基端には、スライド防止部材(3)のストッパ片(33)に当接する当り部(22)が形成され、スライド防止部材(3)が撓んでストッパ片(33)が凹み方向に変位しない限り、蓋(2)の開き角度の如何に拘わらず、前記当り部(22)はストッパ片(33)に当たって蓋(2)の全閉方向のスライドが防止される。
【0017】
蓋(2)の内面に突設された押え片(23)は、図3、図4に示す如く、蓋(2)が閉じ回転を終了した状態で、矢印Bで示す全閉方向にスライドする際、前記スライド防止部材(3)の突片(34)を押圧しながに乗り越えて該スライド防止部材(3)を凹み方向に押圧し、スライド防止部材(3)を弾性変形させてスライド防止部材(3)の自由端のストッパ片(33)を凹み段部(11)に対して凹み方向に変位させて蓋(2)の当り部(22)の移行路を開放する。
蓋(2)の押え片(23)とスライド防止部材(3)の突片(34)には、蓋(2)の前後方向のスライドの際に、互いに乗り上げ可能にするために案内斜面(23a)(34a)が形成されている。
【0018】
然して、蓋(2)を閉じ回転の終了直前の姿勢で全閉位置側にスライドさせると、蓋(2)の当り部(22)がスライド防止部材(3)のストッパ片(33)に当たってスライドが阻止される。
蓋(2)を閉じ回転の終了姿勢で全閉方向にスライドさせると、蓋(2)の押え片(23)がスライド防止部材(3)の突片(34)を押圧してスライド防止部材(3)を弾性変形させ、ストッパ片(33)を蓋(2)の当り部(22)の移行路から逃がして蓋(2)の全閉方向のスライドを許す。
【0019】
上記の如く、蓋(2)が閉じ回転の終了姿勢で全閉方向にスライドする場合にのみ、ストッパ片(33)が蓋(2)の当り部(22)のスライド移行路を開放するため、機器本体(1)の受部(13)に蓋(2)の掛かり部(14)が載った状態に、蓋が中途半端に閉じることは防止される。
従って、機器本体(1)の受部(13)に蓋(2)の掛かり部(14)が載っている状態で、蓋(2)を無理に押さえてしまって受部(13)と掛かり部(14)を破壊してしまう問題は生じない。
【0020】
本発明は、カメラの電池収容部の蓋に限らず、回転開閉し、閉じ回転の終了姿勢でスライドして全閉する蓋を具えた機器全般に実施可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したデジタルカメラの斜面図である。
【図2】閉じ回転終了直前の蓋と機器本体の関係を示す断面図である。
【図3】閉じ回転終了状態の蓋と機器本体の関係を示す断面図である。
【図4】蓋が全閉位置へスライドする途上のスライド防止部材の関係を示す断面図である。
【図5】全閉状態の蓋と機器本体の関係を示す断面図である。
【図6】スライド防止部材の斜面図である。
【図7】従来例の蓋を開いた状態の説明図である。
【図8】従来例の蓋を閉じる途上の説明図である。
【図9】従来例の蓋が完全に閉じきらない状態の説明図である。
【符号の説明】
(1) 機器本体
(11) 凹み段部
(2) 蓋
(21) 回転支持軸
(23) 押え片
(3) スライド防止部材
(33) ストッパ片
(34) 突片
Claims (2)
- 機器本体(1)に対して回転して開閉する様に取り付けられ、閉じ回転の終了位置にて回転方向に対して直交する方向にスライドして全閉し、全閉位置にて機器本体(1)の受部(13)と蓋(2)の自由端の掛かり部(14)が係合して蓋(2)の開き回転を防止する蓋の取付け構造において、機器本体(1)には蓋(2)が閉じ回転終了前の姿勢で全閉側へスライドすることを防止するスライド防止部材(3)が配備され、該スライド防止部材(3)は、一端側を機器本体(1)に固定して自由端を蓋の閉じスライド側に向けており、自由端側には蓋(2)の枢支側端部近傍に形成した当り部(22)に当接可能なストッパ片(33)を有し、機器本体(1)への固定位置とストッパ片(33)との間には蓋内面に突設された押え片(23)が乗り越え可能な突片(34)を有しており、蓋(2)を閉じ回転の終了前の姿勢で全閉位置側にスライドさせると、蓋(2)の当り部(22)がスライド防止部材(3)のストッパ片(33)に当たってスライドが阻止され、蓋(2)を閉じ回転の終了姿勢で全閉方向にスライドさせると、蓋(2)の押え片(23)がスライド防止部材(3)の突片(34)を乗り越えながらスライド防止部材(3)を弾性変形させ、ストッパ片(33)を蓋(2)の当り部(22)の移行路から逃がして蓋(2)の全閉方向のスライドを許すことを特徴とする機器の蓋取付け構造。
- 蓋(2)は機器の電池収容部(12)を開閉する請求項1に記載の機器の蓋取付け構造。
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