JP3640099B2 - 光学ディスク記録装置及び記録最適化方法 - Google Patents

光学ディスク記録装置及び記録最適化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学ディスク記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学ディスク記録装置において、光学ディスクに同じ強度の光ビームを照射してデータの記録を行っても、外気温の違いや、光学ディスクの光感度の違い等によって、光学ディスクの記録トラックに形成されるピット等の光学的記録痕跡の寸法、特に、トラック方向の長さが変化し、その変化が大きいときは、再生時にエラーとなる。
【0003】
そこで、従来は、予め光学ディスクにテスト信号を記録し、それを再生して、そのテストデータの波形観測等に基づいて、光学ディスクに照射する光ビームの最適強度を選択することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光学ディスクにテスト信号を記録及び再生する作業は煩雑であり、しかも無駄な時間を浪費することになる。オーバーライトのできない光学ディスクでは、そのテスト信号の消去も必要となるので、一層、作業が煩雑となり、無駄な時間の浪費が多くなる。
【0005】
かかる点に鑑み、本発明は、煩雑な作業を必要とせず、しかも、無駄な時間を浪費するおそれがなく、データの値が同じであれば、常に一定の寸法の光学的記録痕跡を形成する如く信号を記録することのできる光学ディスク記録装置を提案しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一定の線速で回転せしめられる光学ディスクの記録トラックに照射する記録用光ビームを発生する記録用光源、記録トラックの記録用光ビームの照射部に近接し、照射部から所定距離だけ離間した部分を照射する再生用光ビームを発生する再生用光源及び再生用光ビームの光学ディスクからの反射光ビームを検出する光検出器を備える光学ヘッドと、入力データの値に応じた時間幅のデータパルスを発生するデータパルス発生源と、入力データの値に応じた時間幅のデータパルスを、パルストレイン型の駆動パルスに変換し、パルストレイン型駆動パルスによって、記録用光源よりの光ビームの強度が交互に高低に変化せしめられるように駆動パルスを発生して、記録用光源に供給する駆動パルス発生手段と、所定距離を線速で除して得た時間だけ、データパルスを遅延させる遅延手段と、データパルス間の無信号期間内において、光検出器からの検出パルスのエッジを遅延手段よりのデータパルスのエッジと位相比較する位相比較手段と、位相比較手段による出力に基づいた値に応じて、駆動パルス発生手段により発生させる駆動パルスを制御する制御手段とを有することを特徴とする光学ディスク記録装置である。
【0007】
かかる本発明によれば、光学ヘッドの記録用光源よりの記録用光ビームが、一定の線速で回転せしめられる光学ディスクの記録トラックを照射する。光学ヘッドの再生用光源よりの再生光ビームは、記録トラックの記録用光ビームの照射部に近接し、その照射部から所定距離だけ離間した部分を照射する。光学ヘッドの光検出器は、再生用光ビームの光学ディスクからの戻り光ビームを検出する。データパルス発生源は、入力データの値に応じた時間幅のデータパルスを発生する。駆動パルス発生源が、入力データの値に応じた時間幅のデータパルスを、パルストレイン型の駆動パルスに変換し、パルストレイン型駆動パルスによって、記録用光源よりの光ビームの強度が交互に高低に変化せしめられるように駆動パルスを発生する。位相比較手段によって、データパルス間の無信号期間内において、光検出器からの検出パルスのエッジが、遅延手段よりのデータパルスのエッジと位相比較される。制御手段が、位相比較手段による出力に基づいた値に応じて、駆動パルス発生手段により発生させる駆動パルスを制御する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。先ず、実施の形態を示す図1を参照して説明する。11は、追記又は書換えの可能な光学ディスクで、サーボ回路を含むモータ12によって線速一定で回転せしめられる。13は光学ヘッドで、記録用光ビームを発生する記録用光源、記録トラックの記録用光ビームの照射部に近接し、照射部から所定距離だけ離間した部分を照射する再生用光ビームを発生する再生用光源及び再生用光ビームの光学ディスクからの反射光ビームを検出する光検出器を備える。
【0009】
この光学ヘッド13の構成について、図2を参照して説明する。光源(レーザ光源)としてのレーザダイオード30からの発散光ビームがコリメータレンズ31に入射して、平行光ビームに変換される。コリメータレンズ31からの平行光ビームは、回折格子32に入射して、実線で示すメイン光ビーム(0次回折光ビーム)及びその両側の破線で示す両サイドビーム(±1次回折光ビーム)に分割される。メイン及び両サイド光ビームの光量の比は、8:1である。回折格子32からのメイン及び両サイド光ビームは、偏光ビームスプリッタ33を通過した後、λ/4板(ここで、λはレーザダイオード30からのレーザ光ビームの波長を示し、ここでは780nmである)34を通じてミラー(全反射ミラー)35に入射する。ミラー35からの反射光ビームは、入射光ビームに対し90°の角度の方向で、且つ、光学ディスク11に対し垂直な方向に進み、対物レンズ(開口数NAを、例えば、0.50とする)36によって集光せしめられて、光学ディスク11上に焦点を結ぶ。
【0010】
ここで、図3を参照して、光学ディスク11上のメイン及び両サイド光ビームのビームスポットについて説明する。図3において、GRは同心円状の記録トラックが形成されるグルーブ(その幅は、例えば、0.8μm)を示し、Lは各グルーブB間のランド(その幅は、例えば、0.8μm)を示す。尚、ランドL上に記録トラックを形成するようにしても良い。光学ディスク11上のメイン及び両サイド光ビームの集束ビームスポットC、D1、D2が、グルーブGRの円形の中心線上に位置する如く、光学ヘッド13によってトラッキング制御及びフォーカシング制御される。図3において、Hは光学ディスク11の回転方向を示す。Gは、光学ディスク11上の各ビームスポットC、D1、D2間の間隔を示し、それぞれ例えば、20μmである。ここで、メイン光ビーム(ビームスポットCの光ビーム)を記録用光ビーム、一方のサイド光ビーム(ビームスポットD2の光ビーム)を再生用光ビームとする。記録用光ビームが光学ディスク11のグルーブGRに、光学的記録痕跡を形成する如くデータを記録したとき、その光学的記録痕跡を再生する如く、この再生用光ビームがグルーブGRを照射する。
【0011】
尚、再生用光ビームを、記録用光ビームの光源であるレーザダイオード30との別の光源を用いても良い。
【0012】
図2に戻って説明するに、光学ディスク11からの反射発散光ビームは対物レンズ(集光レンズ)36に入射して、平行光ビームに変換され、ミラー35に入射して、その光路が90°偏向せしめられた後、λ/4板34を通過し、偏向ビームスプリッタ33に入射し、その反射面で反射して、その光路が90°偏向せしめられて、光検出器38の受光面に対し垂直な方向に進む。偏光ビームスプリッタ33からの平行メイン及び両サイド光ビームは、マルチレンズ(集光レンズ)37に入射して集光せしめられて、光検出器(例えば、pinダイオード)38の受光面上にそれぞれ焦点を結ぶ。
【0013】
ここで、図4を参照して、光検出器38及びその光検出面上に焦点を結ぶメイン及び両サイド光ビームのビームスポットについて説明する。この光検出器38は、メイン光ビームのビームスポットC′が形成される4分割された光検出部BA、BB、BC、BD及び両サイド光ビームのビームスポットD1′、D2′が形成されるそれぞれ2分割された光検出部BE、BF;BG、BHから構成される。尚、光検出器38上のメイン及び両サイド光ビームの各ビームスポットC′、D1′、D2′の配置は、図3の光学ディスク11上の各ビームスポットC、D1、D2の配置関係略90°近く捩じれた配置となっている。光検出部BA、BB、BC、BDからの光検出信号をそれぞれS(BA)、S(BB)、S(BC)、S(BD)とするとき、S(BA)+S(BC)−{S(BB)+S(BD)によってフォーカスエラー信号が得られる。S(BA)+S(BD)−{S(BB)+S(BC)}によってトラッキングエラー信号が得られ、それぞれ光学ヘッド13内のフォーカスアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータ(いずれも図示せず)に供給される。
【0014】
又、両サイド光ビームのビームの内、光検出部BH、BG上にビームスポットD2′を形成するサイド光ビームが再生用光ビームとされ、光検出部BG、BHの光検出出力S(BG)、S(BH)の和が、再生出力となる。尚、この場合は、他方のサイド光ビームのビームスポットD1′の光検出部BE、BFからの光検出出力はここでは利用されない。
【0015】
尚、図5に示す如く、メイン光ビームのビームスポットCはグルーブGRの円形の中心線上に位置するが、両サイド光ビームの光学ディスク11上のビームスポットD1、D2が、メイン光ビームが位置するグルーブBの円形の中心線に対し、互いに反対方向にトラックピッチの1/4以下で同じ長さだけ偏位していても良い。この場合も、ビームスポットD2のサイドビームが再生用ビームとなることには変わりはないが、ディフェレンシャルプッシュプル法によるトラッキング誤差検出が可能となる。この場合、光検出器38において、トラッキング誤差信号は、〔{S(BA)+S(BD)}−{S(BB)+S(BC)}−k〔{S(BF)−S(BE)}+{S(BH)−S(BG)}となる。但し、kは0<k<1の定数である。
【0016】
再び、図1に戻って説明する。入力端子1からの映像、音声等の入力データaがインターフェース回路2に供給され、その出力bが変調器3に供給されて、クロック発生器4からのクロック信号cに基づいて、RLL(1,7)のエッジ変調が行われる。尚、RLLはラン・レングス・リミテッド(run length limited) を示し、(1,7)は1と1との間の0の数が1個から7個までを意味する。
【0017】
変調器3の出力d及びクロック発生器4からのクロック信号cがパルストレイン発生器5に供給されると共に、パルストレイン発生器5からの出力eが切換えスイッチ9に切換え信号として供給される。パルストレイン発生器5への入力信号の時間幅がそれぞれ2T(1と1との間の0の個数が1)〜8T(1と1との間の0の個数が81)の信号波形を図6(A)〜(G)に示す。尚、Tはクロック発生器4からのクロック信号の周期を示す。又、図6(A)〜(G)に対応したパルストレイン回路5の出力信号eの波形を図6(a)〜(g)に示す。図6(a)〜(g)の出力信号eの波形は、当初1.5Tの時間幅のパルスと、その後に、時間幅が0.5Tの0個〜6個のパルスがそれぞれ時間0.5Tの間隙を置いて連続する波形を有する。
【0018】
7、8はそれぞれ低及び高レベル制御器で、光学ヘッド13のレーザダイオード30(図2)のレーザ光の強度を、記録及び再生用レーザ光のときの強度に交互に切換えるためのものである。それぞれの低及び高レーザ光制御信号g、hが切換えスイッチ9によって切換えられ、その切換え出力iが駆動回路10に供給され、駆動回路10からの図6(a)〜(g)の波形eに対応して、電流が高及び低レベルに切換えられたパルストレイン電流が、光学ヘッド13のレーザダイオード30(図2参照)に供給されて、そのレーザ光の強度が交互に記録及び再生用レーザ光のときの強度に切換えられて、パルストレイン発生器5への入力信号{図6(A)〜(G)の時間幅に光学ディスク11の線速を掛けた長さに略等しい記録トラック方向の長さの光学的記録痕跡が光学ディスク11のグルーブB(図3参照)の底面に形成される如くデータが記録される。
【0019】
そして、光学ディスク11に照射された一方のサイド光ビーム(メイン光ビームの強度の約1/8の強度を有する)の反射光ビームが光検出器38の光検出部BG、BHによって検出され、その検出信号kがサーボデータを除去するためのハイパスフィルタ15を通じて位相比較器16に供給されると共に、変調器3の出力信号dが遅延器14に供給されて、メイン光ビーム及びサイド光ビームとの光学ディスク11上の照射部間の距離(例えば、20μm)を線速(例えば、5m/sec )で除した時間(従って、4μsec )だけ遅延せしめられ、その遅延された信号mが位相比較器16に供給される。
【0020】
そして、位相比較器16は、変調器3よりの被変調信号d{図7(A)}の低レベル期間(無信号期間)、即ち、この被変調信号dを位相比較器16に内蔵されている位相反転器(変調器3に内蔵させても良い)で位相反転して得たゲート信号v{図7(C)}の高レベル期間でのみ、変調器3の出力パルス信号dの遅延器14によって遅延された遅延被変調信号m{図7(D)参照}と、ハイパスフィルタ15よりの検出パルス信号(再生信号)n、n′、n″{図7(E)、(F)又は(G)}との間で、実線(細線)に示すように、それぞれの立ち上がり及び立ち下がりのエッジの位相を比較する。従って、ゲート信号vの低レベル期間での両エッジの位相比較(破線で示す)は行われない。尚、無信号期間は、RLL(1,7)のエッジ変調に基づいて、被変調信号dの時間幅2T〜8Tに応じて一義的に定まる。再生信号n{図7(E)}は、そのエッジの位相が、遅延被変調信号mのエッジの位相と一致している場合である。再生信号n′{図7(F)}は、そのエッジの位相が遅延被変調信号mのエッジの位相より遅れている場合である。再生信号n″{図7(G)}は、そのエッジの位相が遅延被変調信号mのエッジの位相より進んでいる場合である。
【0021】
光学ヘッド13によって、図7(B)の照射パターンu(パルストレイン発生器5の出力eに対応する)を以て、記録用レーザ光ビームが記録トラックに照射された場合、再生用回折レーザ光ビームも同様の照射パターンとなり、ハイパスフィルタ15の検出パルス信号(再生信号)n、n′、n″{図7(E)、(F)、(G)}も、この照射パターンuの影響を受けるが、変調器3よりの被変調信号d{図7(A)}の低レベル期間(無信号期間)(ゲート信号vの高レベル期間)でのみ、遅延器14よりの遅延被変調信号m{図7(D)}と、ハイパスフィルタ15よりの検出パルス信号(再生信号)n、n′、n″との間で、実線(細線)に示すように、それぞれの立ち上がり及び立ち下がりのエッジの位相を比較すれば、記録用レーザ光ビームの強度を確実に検出することができる。
【0022】
そして、位相比較器16の比較出力oを選択器17に供給する。選択器17は、変調器3よりの被変調信号d{図7(A)}の低レベル期間(無信号期間)、即ち、被変調信号dを選択器17に内蔵されている位相反転器(変調器3に内蔵させても良い)で位相反転して得たゲート信号{図7(C)}の高レベル期間でのみ、位相比較器16よりの比較出力oである位相差の絶対値がT/3以下であると判断したときは、その位相差pを積分器18に供給し、T/3を越えると判断したときは、その位相差を積分器18に供給しない。
【0023】
積分器18は、選択器17からの位相差pを、遅延被変調信号mの立ち上がりに対する位相差と、立ち下がりに対する位相差とに分類して、所定時間積分する機能と、その各別の積分値の差を算出する機能と、その差を遅延被変調信号mの立ち上がりに対する位相差及び立ち下がりに対する位相差の総数を以て平均する機能とを有している。従って、ここでは、この最終的に得られた平均値を積分出力qとして出力し、この積分出力qが高レベル制御器8に供給されて、その高レベルが制御される。この積分出力qから、光学ディスク11の記録トラックに形成された光学的記録痕跡の記録トラック方向の長さが、被変調信号dのパルス幅2T〜8Tに対応した所定長さよりどれだけ長いか、短いかが検出される。光学ディスク11の記録トラックに形成された光学的記録痕跡の記録トラック方向の長さが、被変調信号dのパルス幅2T〜8Tに対応した所定長さより長いときは、その差分に応じて高レベルを下げ、所定長さより短いときは、その差分に応じて高レベルを高くして、所定長さになるように、高レベル制御器8を制御する。
【0024】
このようにして、グルーブGRに入力データに応じた光学的記録痕跡が形成された光学ディスク11からデータを再生するときは、切換えスイッチ9を低レベル制御器7側に、固定的に切換えた状態で、レーザダイオード30から光強度の弱い光ビームを発生させ、図2の構成の光学ヘッド13の光学系を経て、対物レンズ36から、集束再生用光ビームを光学ディスク11のグルーブBに照射し、その反射光ビーム、即ち、メイン及び両サイド光ビームを、図2の光学ヘッド13の光学系を経て、光検出器38に集束光ビームを照射して、光検出部BA、BB、BC、BDから再生データ、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を得て、光学ヘッド13のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータに供給する。尚、両サイド光ビームのビームスポットD1、D2が、図5に示したように、メイン光ビームのビームスポットCに対し、トラックピッチの1/4以下でずれているときは、光検出部BE、BF、BG、BHからの光検出出力から、ディフェレンシャル・プッシュプル方式のトラッキングエラー信号を得るようにしても良い。
【0025】
そして、光検出器38の光検出部BA、BB、BC、BDからの検出出力の和の信号lが、サーボデータを除去するためのハイパスフィルタ19に供給され、その出力rがRLL(1,7)のエッジ変調の復調を行う復調器20に供給され、その復調出力sがインターフェース21に供給され、その出力tが音声、映像等の再生データとして、出力端子22から出力される。
【0026】
図1の実施の形態では、積分器18からの積分出力qを高レベル制御器8に供給して、レーザダイオード30からのレーザ光ビームの高い方の強度を制御するようにしたが、パルストレイン発生器5からのパルス信号eの最前縁及び最後縁のタイミングを制御するようにしても良い。その場合の実施の形態を、図8を参照して説明する。尚、図8においては、図1と対応する部分には同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0027】
図8の実施の形態では、パルストレイン発生器5の次段にエッジシフト器6を設け、パルストレイン発生器5からのパルストレインeをエッジシフト器6に供給して、積分器18からの積分出力qに基づいて、そのパルストレインeの最前縁及び最後縁のタイミングを制御する。
【0028】
積分器18は、上述の実施の形態と同様に、選択器17からの位相差pを、遅延被変調信号mの立ち上がりに対する位相差と、立ち下がりに対する位相差とに分類して、所定時間積分する機能と、その各別の積分値の差を算出する機能と、その差を、遅延被変調信号mの立ち上がりに対する位相差及び立ち下がりに対する位相差の総数を以て平均する機能とを有している。従って、ここでは、この最終的に得られた平均値を積分出力qとして出力し、この積分出力qがエッジシフト器6に供給されて、パルストレイン発生器5の出力であるパルストレインe{図6と同様の波形を示す図9(a)〜(g)}の最前縁及び最後縁のエッジの位相が制御される。この積分出力qから、光学ディスク11の記録トラックに形成された光学的記録痕跡の記録トラック方向の長さが、被変調信号dのパルス幅2T〜8Tに対応した所定長さよりどれだけ長いか、短いかが検出される。
【0029】
光学ディスク11の記録トラックに形成された光学的記録痕跡の記録トラック方向の長さが、被変調信号dのパルス幅2T〜8Tに対応した所定長さより長いときは、その差分に応じてパルストレインの最初及び最後のパルスの時間幅が短くなるように最前縁及び最後縁のエッジの位相を制御し、所定長さより短いときは、その差分に応じてパルストレインの最初及び最後のパルスの時間幅が長くなるように最前縁及び最後縁のエッジの位相を制御して、所定長さになるようにエッジシフト器6を制御する。そして、このエッジシフト器6の出力fを切換えスイッチ9に供給して、その切り換えを制御する。図8の回路のその他の構成及び動作は、図1と同様である。
【0030】
上述の実施の形態では、再生用光ビームを記録用光ビームと同一の光源を使用し、即ち、記録用光源からの記録用光ビームを回折格子に入射させて得た回折光ビームを再生用光ビームとして使用したので、光学ヘッドの構成が簡単になる。しかし、記録用光源とは独立の再生用光源(レーザ光源)(レーザダイオード)を設けて、再生用光ビームを得るようにしても良い。
【0031】
【発明の効果】
上述せる本発明によれば、一定の線速で回転せしめられる光学ディスクの記録トラックに照射する記録用光ビームを発生する記録用光源、記録トラックの記録用光ビームの照射部に近接し、照射部から所定距離だけ離間した部分を照射して、記録用光ビームによる光学的記録痕跡を再生するための再生用光ビームを発生する再生用光源及び再生用光ビームの光学ディスクからの反射光ビームを検出する光検出器を備える光学ヘッドと、入力データの値に応じた時間幅のデータパルスを発生するデータパルス発生源と、入力データの値に応じた時間幅のデータパルスを、パルストレイン型の駆動パルスに変換し、パルストレイン型駆動パルスによって、記録用光源よりの光ビームの強度が交互に高低に変化せしめられるように駆動パルスを発生して、記録用光源に供給する駆動パルス発生手段と、所定距離を線速で除して得た時間だけ、データパルスを遅延させる遅延手段と、データパルス間の無信号期間内において、光検出器からの検出パルスのエッジを遅延手段よりのデータパルスのエッジと位相比較する位相比較手段と、位相比較手段による出力に基づいた値に応じて、駆動パルス発生手段により発生させる駆動パルスを制御する制御手段とを設けるようにしたので、テスト信号の記録、再生、消去を不要とし、煩雑な作業を必要とせず、しかも、無駄な時間を浪費するおそれがなく、データの値が同じであれば、常に一定の寸法の光学的記録痕跡を形成する如く信号を記録することのできる光学ディスク記録装置を得ることができる。
【0032】
また、駆動パルス発生源は、入力データの値に応じた時間幅のデータパルスを、パルストレイン型の駆動パルスに変換し、パルストレイン型駆動パルスによって、記録用光源よりの光ビームの強度が交互に高低に変化せしめられるようにしたので、記録トラック上に高品質の光学的記録痕跡を形成することのできる光学ディスク記録装置を得ることができる。
【0033】
また、入力データの値に応じた時間幅のデータパルスが、パルストレイン型の駆動パルスであるため、光検出器からの検出パルスもそのパルストレイン型の駆動パルスの影響を受けるが、データパルス間の無信号期間内において、位相比較手段による光検出器からの検出パルスのエッジと、遅延手段よりのデータパルスのエッジとの間の位相比較を行うことにより、光学ディスクの記録トラックに形成された光学的記録痕跡のエッジに基づく検出パルスのエッジと、遅延手段よりのデータパルスのエッジとの間の位相比較を確実に行うことのできる光学ディスク記録装置を得ることができる。
【0034】
さらに、請求項6に係る発明によれば、制御手段は、前記位相比較手段による所定期間内の位相比較によって得られた検出位相差の積分値の平均値が所定値になるように、前記検出位相差の積分値の平均値に基づいて、駆動パルス発生手段により発生させる駆動パルスを制御するようにしたので、検出位相差にノイズが混入している場合に、そのノイズの影響を排除することのできる光学ディスク記録装置を得ることができる。
【0035】
さらに、請求項9に係る発明によれば、制御手段は、位相比較手段による位相比較によって得られた検出位相差が所定範囲外のときは、その検出位相差を積分の平均値の算出に用いないようにしたので、光学ディスクに欠陥がある場合に、その欠陥の影響を排除するこのできる光学ディスク記録装置を得ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すブロック線図である。
【図2】その実施の形態の光学ヘッドの構成例を示す配置図である。
【図3】その実施の形態の光学ディスクとビームスポットを示す線図である。
【図4】その実施の形態の光検出器を示す線図である。
【図5】その実施の形態の光学ディスクとビームスポットを示す線図である。
【図6】その実施の形態のパルストレイン回路の入力及び出力パルス信号の波形を示す波形図である。
【図7】その実施の形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図8】本発明の他の実施の形態を示すブロック線図である。
【図9】その実施の形態のパルストレイン回路の入力及び出力パルス信号の波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 入力端子
2 インターフェース
3 変調器
4 クロック発生器
5 パルストレイン発生器
6 エッジシフト器
7 低レベル制御器
8 高レベル制御器
9 切換えスイッチ
10 駆動回路
11 光学ディスク
12 モータ
13 光学ヘッド
14 遅延器
15 ハイパスフィルタ
16 位相比較器
17 選択器
18 積分器
19 ハイパスフィルタ
20 復調器
21 インターフェース
22 出力端子

Claims (11)

  1. 一定の線速で回転せしめられる光学ディスクの記録トラックに照射する記録用光ビームを発生する記録用光源、前記記録トラックの前記記録用光ビームの照射部に近接し、前記照射部から所定距離だけ離間した部分を照射して、前記記録用光ビームによる光学的記録痕跡を再生するための再生用光ビームを発生する再生用光源及び前記再生用光ビームの前記光学ディスクからの反射光ビームを検出する光検出器を備える光学ヘッドと、
    入力データの値に応じた時間幅のデータパルスを発生するデータパルス発生源と、
    前記入力データの値に応じた時間幅のデータパルスを、パルストレイン型の駆動パルスに変換し、前記パルストレイン型駆動パルスによって、前記記録用光源よりの光ビームの強度が交互に高低に変化せしめられるように駆動パルスを発生して、前記記録用光源に供給する駆動パルス発生手段と、
    前記所定距離を前記線速で除して得た時間だけ、前記データパルスを遅延させる遅延手段と、
    前記データパルス間の無信号期間内において、前記光検出器からの検出パルスのエッジを前記遅延手段よりのデータパルスのエッジと位相比較する位相比較手段と、
    前記位相比較手段による出力に基づいた値に応じて、駆動パルス発生手段により発生させる駆動パルスを制御する制御手段と
    を有することを特徴とする光学ディスク記録装置。
  2. 請求項1に記載の光学ディスク記録装置において、
    前記制御手段は、前記位相比較手段よりの検出位相差が所定値になるように、前記検出位相差に基づいて、前記駆動パルス源よりの駆動パルスのレーザパワーのレベルを制御すること
    を特徴とする光学ディスク記録装置。
  3. 請求項1に記載の光学ディスク記録装置において、
    前記制御手段は、前記位相比較手段よりの検出位相差が所定値になるように、前記検出位相差に基づいて、駆動パルスのエッジのタイミングを制御する制御手段であること
    を特徴とする光学ディスク記録装置。
  4. 請求項1に記載の光学ディスク記録装置において、
    前記データパルスを反転させたゲート信号を発生し、該ゲート信号が高レベルの期間を無信号期間とすること
    を特徴とする光学ディスク記録装置。
  5. 請求項1に記載の光学ディスク記録装置において、
    前記再生用光ビームを前記記録用光ビームと同一の光源から得るようにしたこと
    を特徴とする光学ディスク記録装置。
  6. 請求項1に記載の光学ディスク記録装置において、
    前記制御手段は、前記位相比較手段による所定期間内の位相比較によって得られた検出位相差の積分値の平均値が所定値になるように、前記検出位相差の積分値の平均値に基づいて、前記駆動パルス発生手段により発生させる駆動パルスを制御する制御手段であること
    を特徴とする光学ディスク記録装置。
  7. 請求項6に記載の光学ディスク記録装置において、
    前記制御手段は、前記検出位相差の積分値の平均値が、被変調信号のパルス幅に対応した所定長さより長いときは、その差分に応じて、高レベルを下げ、所定長さより短いときは、その差分に応じて高レベルを高くして、所定長さになるように駆動パルスのレーザパワーのレベルを制御すること
    を特徴とする光学ディスク記録装置。
  8. 請求項6に記載の光学ディスク記録装置において、
    前記制御手段は、
    前記検出位相差の積分値の平均値が、被変調信号のパルス幅に対応した所定長さより長 いときは、その差分に応じて、パルストレインの最初及び最後のパルスの時間幅が短くなるように最前縁及び最後縁のエッジの位相を制御し、
    所定長さより短いときは、その差分に応じてパルストレインの最初及び最後のパルスの時間幅が長くなるように最前縁及び最後縁のエッジの位相を制御し、所定長さになるように制御すること
    を特徴とする光学ディスク記録装置。
  9. 請求項6乃至8に記載の光学ディスク記録装置において、
    前記制御手段は、前記位相比較手段による位相比較によって得られた検出位相差が所定範囲外のときは、その検出位相差を前記積分の平均値の算出に用いないこと
    を特徴とする光学ディスク記録装置。
  10. 請求項1乃至9に記載の光学ディスク記録装置において、
    前記記録用光ビームを前記記録トラックの幅方向の中心に照射させるようにすると共に、前記再生用光ビームを一対設けて、前記記録用光ビームの前後に配すると共に、前記記録トラックの幅方向の中心からトラックピッチの1/4以下だけ反対方向に等量に偏位した位置に、前記一対の再生用光ビームを照射させるようにしたこと
    を特徴とする光学ディスク記録装置。
  11. 一定の線速で回転せしめられる光学ディスクの記録トラックに照射する記録用光ビームを記録用光源から発生する記録用光ビーム発生ステップと、
    前記記録トラックの前記記録用光ビームの照射部に近接し、前記照射部から所定距離だけ離間した部分を照射して、前記記録用光ビームによる光学的記録痕跡を再生するための再生用光ビームを発生する再生用光ビーム発生ステップと、
    前記再生用光ビームの前記光学ディスクからの反射光ビームを検出する光検出ステップと、
    入力データの値に応じた時間幅のデータパルスを発生するデータパルス発生ステップと、
    前記入力データの値に応じた時間幅のデータパルスを、パルストレイン型の駆動パルスに変換し、前記パルストレイン型駆動パルスによって、前記記録用光源よりの光ビームの強度が交互に高低に変化せしめられるように駆動パルスを発生して、前記記録用光源に供給する駆動パルス発生ステップと、
    前記所定距離を前記線速で除して得た時間だけ、前記データパルスを遅延させる遅延ステップと、
    前記データパルス間の無信号期間内において、前記光検出ステップでの検出パルスのエッジを前記遅延ステップで遅延させたデータパルスのエッジと位相比較する位相比較ステップと、
    前記位相比較ステップでの位相比較結果に応じて、前記駆動パルス発生ステップで発生する駆動パルスを制御する制御ステップと
    を有することを特徴とする記録最適化方法。
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