JPH09138948A - 光ディスク装置におけるアドレス検出装置 - Google Patents

光ディスク装置におけるアドレス検出装置

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JPH09138948A
JPH09138948A JP29285595A JP29285595A JPH09138948A JP H09138948 A JPH09138948 A JP H09138948A JP 29285595 A JP29285595 A JP 29285595A JP 29285595 A JP29285595 A JP 29285595A JP H09138948 A JPH09138948 A JP H09138948A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹部と凸部の記録トラックの双方にデータ記
録を行う光ディスク装置において、凹部のトラックに形
成される溝の断続によりアドレス情報を正確に得る方法
を提供する。 【解決手段】 トラックに照射した光ビームの反射光の
明暗変化を示す明暗変調信号112をパルス化して得ら
れる明暗パルス信号113と、光検出器8の2つの出力
の差をもとにして得られるトラックアンバランス信号1
15が正の基準レベルを超えたときに出力する右シフト
パルス117と、負の基準レベルを超えたときに出力す
る左シフトパルス118を用いて、これらを加算及び減
算処理してアドレス検出を行う手段を備えている。更に
左シフトパルス118と右シフトパルス117のいずれ
か又は両方がオンになるかどうかで、光ビームが凸部、
凹部のどちらのトラック上にあるかを判別する手段を備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学的に情報を記録
し、再生する光ディスク装置に関し、特にディスク上に
案内溝により形成される凹部(グルーブ部)と凸部(ラ
ンド部)の双方を記録トラックとして使用するいわゆる
ランド・グルーブ記録型の光ディスク装置のアドレス検
出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】円盤状の記録担体に情報を光学的に書き
込み光学的に読み出しを行う光ディスク装置では、従来
ディスクの記録面に同心円状またはスパイラル(渦巻)
状の案内溝を形成し、その溝をトラッキングの案内に使
用して、溝の中、あるいは隣接する溝の間の台地部(ラ
ンド部)に情報を記録することが行われていた。近年、
記録のトラック密度(半径方向密度)を向上させるため
に、溝部とランド部をほぼ同じ幅に形成し、溝部とラン
ド部の双方に記録を行う、いわゆるランド・グルーブ記
録が考案され検討が進められている。しかし、このラン
ド・グルーブ記録では、ランド部と溝部の双方に、プリ
ピット情報を形成することは製造作業等の点から不可能
に近く、アドレス情報等予め記録(形成)しておくべき
情報は、溝部のみに、溝の断続により形成するしかな
い。このため、溝部からは直接アドレス情報を検出する
ことができるものの、ランド部のアドレス情報を直接検
出するのは困難であり、各種の方法が工夫されている。
【0003】例えば、特開平6−96447号公報には
溝部(あるいはランド部)のみにアドレス情報をグレイ
コードで記録(形成)し、ランド部のアドレスを得る場
合にはグルーブ部からのクロストーク成分を読み取り、
グレイコードの規則性を利用してランド部のアドレスを
得る方法が示されている。しかし、このような方法で
は、アドレス情報として記録効率の低いグレイコードを
使用するためアドレス記録領域が長くなる、或いは少な
いアドレス情報しか記録できないという欠点がある。ま
た、ランドトラックの両側の溝部トラックのアドレスパ
ターンが一致している所では大きなクロストーク信号が
得られるが、両側のアドレスパターンが異なる所では一
致した部分の1/2程度の小さなレベルのクロストーク
信号しか得られず、アドレス情報の正確な検出は困難で
あるという欠点も存在する。
【0004】また、特開平6−301976号公報にも
溝部トラックにのみアドレス情報をグレイコードで記録
し、ランド部では隣接する溝部のアドレス情報のクロス
トークからアドレス情報を再生する方式が示される。こ
の例では、トラッキング誤差信号の変化によりアドレス
情報(識別信号)の誤りを訂正する機能が追加されてい
るが、前記第1番目の例と同様グレイコードを使用しな
ければならない欠点は解決されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のランド・グルーブ記録に対応するアドレス検出法で
は、溝部トラックにのみアドレス情報を記録し、ランド
部トラックでは両隣のトラックからのクロストーク成分
からのみアドレスを再生するしかなく、溝部のアドレス
情報をグレイコードで記録することにより、両隣のアド
レスが異なることによる誤検出を避けようとしている。
【0006】しかし、両隣のアドレスパターンが異なる
部分ではクロストークで得られる信号レベルが小さくな
り、アドレス検出が不確実になることは避けられないと
いう欠点を有している。
【0007】かつ両隣のアドレスのいずれかが検出でき
たとしても、当該ランド部トラックが検出されたアドレ
スのトラックの右、左いずれにあるのかを確定しがたい
為、両側のどちらのアドレスも確定することは困難であ
るという欠点も有している。
【0008】また、特開平6−301976号公報では
トラックエラー信号がある閾値を越えたときの検出パル
スを利用して、グレイコード使用時に生じうる誤検出を
避ける方法を開示しているが、この方法はグレイコード
を使用することが必須条件であり、グレイコードを使用
することによるアドレス記憶領域が長くなるか、或いは
少ないアドレス情報しか記録できないという欠点を依然
として有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のアドレス検出装
置は、前記問題を解決し、溝部トラック、ランド部トラ
ックのいずれにおいてもそのアドレス情報を正確に検出
するために、光ディスクの凹部トラックにトラック及び
セクタのアドレスを示す情報を溝の断続により記録し、
かつ凸部トラックの両側の凹部トラックのアドレスパタ
ーンには少なくとも1ビット以上の相違があり、凹部及
び凸部のトラックのアドレス検出においてはトラックに
照射した光ビームの反射光の明暗変化から得られる明暗
パルスとともに、光強度差信号の高周波成分を取り出し
て得られる右シフトパルスと左シフトパルスを使用し、
これらを加算及び減算してアドレス検出を行うことを特
徴としている。
【0010】また、光ビームスポットが凸部、凹部のど
ちらのトラック上にあるかを判別するため、アドレス検
出領域内で、光強度差信号の高周波成分が正または負の
予め定められたレベル以上の振幅を有し光ビームが照射
されている当該トラックに隣接する両側のトラックのア
ドレスが1ビット以上相違があると認められる時には当
該被照射トラックを凸部トラックであると判定し、かつ
アドレス記録領域内に、光強度差信号の高周波成分に前
記正または負の定められたレベル以上の振幅が存在しな
いときには当該被照射トラックを凹部トラックであると
判定する手段を備えている。
【0011】本発明によれば、凹部(溝部)、凸部(ラ
ンド部)両方にデータの記録再生を行う光ディスク装置
において、溝部トラックに各トラック位置ごとに異なる
アドレス情報を記録(形成)するのみで、ランド部トラ
ックを光ビームが走査する場合にも、その左右の溝部ト
ラックのアドレスが正確に検出でき、従って当該ランド
部トラックのアドレス情報が正確にとらえられる。これ
により、ランド部トラック、溝部トラックの何れに対し
ても安定かつ確実なアクセスが可能となり、信頼性の高
いランド・グルーブ記録方式の光ディスク装置が実現で
きる。更に本発明によればグレイコードを使用しなくて
も済むので、グレイコードを使用した場合と比較して、
アドレス記憶領域が少なくて済むか、又はより多くのア
ドレス情報を記録できかつ上述のような正確なアドレス
が検出できる信頼性の高いランド・グルーブ記録方式の
光ディスク装置が実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明を
更に詳しく説明する。
【0013】図1は本発明による光ディスク装置のアド
レス検出装置の実施の形態を示すブロック図である。光
ディスク1のデータ記録面には、概略同心円状、または
スパイラル状に記録トラックが形成されており、光ヘッ
ド2からの照射光ビームにより、情報の記録及び照射さ
れた光の反射光から情報の読み出しが行われる。
【0014】光ヘッド2内には半導体レーザ3が搭載さ
れ、レーザ駆動回路10からの駆動電流により、データ
読み出しのための弱いレーザ光、またはデータ記録のた
めの強い光パルスを発光する。半導体レーザから出射さ
れた発散性のレーザ光はコリメートレンズ4により、並
行なビームに変換されて、ビームスプリッタ5、及び対
物レンズ6を通って、光ディスク1の記録面に照射され
る。
【0015】対物レンズ6は並行なレーザ光を微小な光
ビームスポットに集束して記録面に集光するためのもの
であり、光ビームを正確に集束して記録面に照射するた
め、記録面垂直方向に動いて焦点制御(フォーカスサー
ボ)が行われるが、この構成は既に良く知られており、
かつ本発明と直接関係しないので、詳細は省略する。対
物レンズ6はレンズアクチュエータ7に取り付けられ、
光ディスクの半径方向即ちトラック幅方向に移動可能と
なっており、トラック位置の変動に対して光ビームを追
従させる。
【0016】ビームスプリッタ5は光ディスク1の記録
面から反射され、対物レンズを通過してきた反射光の一
部半導体レーザ3とは異なる方向に配置された光検出器
8に向かわせる。このビームスプリッタ5は入射した光
の一部を横方向に反射する半透明鏡(ハーフミラー)、
あるいは光を偏光状態によって分離する偏光ビームスプ
リッタ、ウォラストンプリズム等のものであってもよ
い。
【0017】光検出器8は少なくとも2分割されてお
り、光ディスク1の記録面に形成されたトラッキング案
内溝(グルーブ)による反射光の光強度分布の変化を検
出し、トラックエラー信号が得られる構成となってい
る。このようなトラックエラー信号検出法はPush−
pullトラックエラー検出として既によく知られてい
る。なお、光ヘッド2の中には、このトラックエラー検
出、及び明暗変化検出を行う光検出器8の他に、偏光方
向の異なる光の強度差をとらえて、光磁気信号を再生す
るための検出器、あるいは、光ビームの記録面に対する
焦点ずれを検出するフォーカスエラー検出器等が配置さ
れるが、煩雑さを避けるため、それらの説明および記述
は省略する。
【0018】光検出器8の2つの出力は加算アンプ11
及び減算アンプ12に入力される。加算アンプ11は光
検出器8の2つの出力(電流)の和をとり増幅して、反
射光強度(明暗)の変化を示す明暗信号110を出力す
る。一方、減算アンプ(差動アンプ)12は光検出器8
の2つの出力の差をとり増幅して、光強度差信号111
を出力する。
【0019】加算アンプ11の出力の明暗信号110は
光ディスク1の記録面に形成されたトラック案内溝(グ
ルーブ)の断続による反射光の明暗変化を示し、これを
パルス化することにより、グルーブの断続で記録された
アドレス情報(および明暗変化で記録されたデータ)を
再生することができる。グルーブの断続は短いピッチ
(即ち高周波の変化)で記録されているため、明暗信号
110の高周波成分のみ取り出してパルス化すればよい
から、高域濾波回路13により明暗信号の高周波成分の
みとりだし、明暗変調信号112とする。
【0020】パルス化回路14はこの明暗変調信号を一
定の基準レベルと比較してパルス化し、明暗パルス信号
113として出力する。光ヘッド2の光ビームスポット
が光ディスク1の記録面のグルーブ(溝部)上に照射さ
れている場合は、この明暗パルス信号113はグルーブ
の断続によるアドレス情報そのものを示すから、この明
暗パルス113のみを再生処理することにより、溝部ト
ラックのアドレスを検出(再生)することができる。
【0021】前述したとおり、光ビームスポットが記録
面のランド部(凸部)に照射されている場合は、両隣の
溝部トラックのアドレスが異なるため、明暗パルス11
3のみからは正確なアドレス情報の検出はできない。
【0022】減算アンプ12の出力の光強度差信号11
1は光ビームスポットに対するグルーブの位置ずれを示
す信号となる。低域濾波回路16はこの光強度差信号1
11の低周波成分のみを取り出し、トラックエラー信号
116を出力する。このトラックエラー信号116は光
ビームスポットをトラックに追従させるために、レンズ
アクチュエータ7を駆動するトラッキング制御信号とし
て使用される。
【0023】極性反転回路20は光ビームスポットをラ
ンド部トラック、または溝部トラックのどちらに照射追
従させるかを切り換えるための回路であり、システムコ
ントローラ22からの極性信号120に従ってトラック
エラー信号116をそのまま通過させるか、極性を反転
(インバート)させるかを切り換える。極性反転回路2
0の出力は、通常のトラッキング制御と同様にトラッキ
ング制御回路21に入力し、位相補償を行って増幅され
た後、トラッキング駆動信号119としてトラッキング
アクチュエータ7に供給される。
【0024】この光強度差信号111の低周波成分はト
ラックの位置ずれそのものを示すが、高周波の成分はラ
ンド部トラックにおける両隣のグルーブの瞬間的アンバ
ランスを示す。即ち、光ビームスポットがランド部トラ
ック上にあるとき、両隣の溝部の一方が一時的に切れて
いる(グルーブが断になっている)とき、大きな正また
は負の変動を示す。
【0025】高域濾波回路15は光強度差信号111の
高周波成分のみを取り出し、トラックアンバランス信号
115として出力する。このトラックアンバランス信号
115には、光ビームがランド部トラックを走査してい
る際に両隣の溝部のグルーブ断続状態が異なっている
と、正または負のパルス状変動を生じる。例えば、光ビ
ームがランド部トラック上にあり、ディスクに対する光
ビーム移動方向に対して右側の溝部が途切れた場合は、
トラックアンバランス信号には負方向の変動が生じ、逆
に左側の溝が途切れた場合にはトラックアンバランス信
号には正方向の変動が生じる。
【0026】レベル比較回路17は、トラックアンバラ
ンス信号115を正、及び負の基準レベルと比較し、ト
ラックアンバランス信号の変動が正の基準レベルを超え
た場合は、右シフトパルス117を、またトラックアン
バランス信号の変動が負の基準レベルより下がった場合
は、左シフトパルス118を出力する。
【0027】光ビームが溝部(グルーブ)を走査してい
る場合には、欠陥またはグルーブの歪みがなければ右シ
フトパルスあるいは左シフトパルスは生成されず、アド
レス情報記録領域内で、右シフトパルスまたは左シフト
パルスが発生するのは、両隣の溝部トラックにおけるグ
ルーブの断続が異なっているランド部トラックを光ビー
ムが走査している場合に限られる。このためL/G判定
回路19は、システムコントローラから供給されるアド
レス情報領域中を示すアドレスエリア信号121がオン
である間に、右シフトパルス117または左シフトパル
ス118が入力した場合は、光ビームスポットがランド
部(凸部)トラック上を走査していると判定して、L/
G判定信号123をオン(ランド部を示す)とし、逆に
アドレスエリア信号121がオンの間に右シフトパルス
117、左シフトパルス118のいずれも出力されない
場合は、光ビームスポットが溝部トラック上を走査して
いると判定して、L/G判定信号123をオフ(溝部を
示す)にする。
【0028】アドレス再生回路18は明暗パルス信号1
13と、右シフトパルス117及び左シフトパルス11
8とから光ビームスポットが走査している当該トラック
のアドレスを再生する。前述したように、光ビームスポ
ットが溝部(グルーブ)トラックを走査している場合に
は、明暗パルス113のみからアドレス情報が再生でき
るが、ランド部トラックを走査している場合には、明暗
パルス113だけからでは正確なアドレス情報は再生で
きない。本発明ではランド部トラックの両隣の溝部トラ
ックのグルーブ断続の違いを示す右シフトパルス11
7、及び左シフトパルス118を明暗パルス113に組
み合わせることにより、ランド部トラックを走査してい
る場合にもアドレス情報を正確に検出する。
【0029】アドレス再生回路18は明暗パルス113
に右シフトパルス117をOR加算し、左シフトパルス
118を減算する(インバートしてANDをとる)こと
により、右側の溝部アドレスを再生する。このようにす
れば右側の溝部アドレスの正しい値が1のとき、明暗パ
ルス信号が0であっても右シフトパルス117をOR加
算することにより溝部アドレスは1と認識でき、又左側
の溝部アドレスの正しい値が0のとき、明暗パルス信号
が1であっても左シフトパルス118を減算することに
より溝部アドレスは0と認識できる。同様に明暗パルス
信号113に左シフトパルス118を加算(ORをと
る)し、右シフトパルス117を減算する(インバート
してANDをとる)ことにより、左側の溝部トラックア
ドレスを再生する。
【0030】なお、光ビームが溝部トラック上に存在す
る場合は右シフトパルス117および左シフトパルス1
18のいずれも生成されないため、上記の処理を行って
も、右隣アドレス、左隣アドレスとも同じ値(溝部のア
ドレス)が得られる。アドレス再生回路18はこのよう
にして求めた右隣トラックのアドレスを示す右アドレス
信号124と左隣トラックのアドレスを示す左アドレス
信号125を出力し、システムコントローラ22に送
る。
【0031】システムコントローラ22はL/G判定信
号123がオフであり、かつ右アドレス信号124と左
アドレス信号125の値が等しければ、光ビームスポッ
トは溝部トラック(グルーブ)上に在ると判断して、右
または左アドレス信号124、または125(どちらも
同じ値)の値の最下位ビットの1つ下の桁に0を付加
し、当該溝部トラックアドレスとする。L/G判定信号
123がオン(ランド表示)であり、右アドレス信号1
24と左アドレス信号125の値が異なっていれば、シ
ステムコントローラ22は光ビームスポットがランド部
トラック上に在ると判断して、右アドレス信号124と
左アドレス信号125の中間の値を当該ランド部トラッ
クのアドレスとする。例えば、左アドレス信号の値が右
アドレス信号の値より1だけ小さいとすると、ランド部
トラックアドレスの値は左アドレスの最下位ビットの下
の桁に1を付加すれば求められる。
【0032】次に図2を参照して本発明の装置の動作に
ついて説明する。図2は光ディスク1の記録面上のトラ
ッキング案内溝(グルーブ)の断続パターンと光ビーム
の位置関係、及びその位置関係によって出力される信号
を対比して示す図である。
【0033】同図a)はディスク面上のアドレス情報記
録部のパターンの例と、光ビームの位置関係を示す。ト
ラック31,32,33,34,35は溝部トラックで
あり、記録面に形成された溝(グルーブ)の中をトラッ
クとして、データが記録される。一方、トラック41,
42,43,44はランド部(凸部)トラックであり、
トラック案内用に形成された溝と溝の間の凸部(ランド
部)をトラックとしてデータが記録される。
【0034】トラック及びセクターのアドレスがあらか
じめ記録(形成)されるアドレス記録部では、溝部トラ
ックのアドレスは溝の断続パターンによりアドレス情報
が記録されている。このアドレス情報は各溝部トラック
毎に異なる値を有しており、例えば半径方向に1溝部ト
ラック毎にトラックアドレスが1つずつ増加する値を有
する。このアドレスパターンはクロストーク、欠陥等に
よる誤検出を避けるため、グレイコードパターンを使用
してもよいが、単なるバイナリパターン(2進数)であ
っても良い。
【0035】この図では説明を簡単にするために例とし
て、トラック31のアドレスは00001、トラック3
2は00010、トラック33は00011、トラック
34は00100、トラック35は00101のパター
ンとしてある。またアドレス領域の起点を示し、アドレ
ス再生の同期タイミング情報を得るためアドレス記録部
の先頭には、溝の中断による同期マークが記録されてい
る。ランド部トラック上にはアドレスパターンは特に記
録されず、隣接する溝部トラックのアドレスパターンを
クロストークとトラックエラー信号の高周波成分とから
検出して、ランド部トラックアドレスを得る。
【0036】図2−b)は光ビームスポットが、ランド
部トラック42上を走査している場合の図1の装置の各
部の信号波形の例を示す。
【0037】波形Aは明暗変調信号112の変化を示
す。溝部トラック、ランド部トラックともほぼ同じトラ
ック幅を有しているため、両側に溝が形成されている部
分では、ランド部であっても溝部と同様、反射光は溝部
の回折により暗くなる。両側に溝が形成されていない同
期マーク部では溝による回折がなく、反射光は明るくな
るため、明暗変調信号は正方向に変化する。
【0038】その後の両側トラックに溝が形成された領
域(000パターン部)では明暗変調信号112は低レ
ベルを保ち、両側のトラックに溝の中断がある部分(両
隣トラックとも1)では正方向の変化をする。この左右
両方のトラックが1(明)である所では明暗変調信号1
12の正方向変化量は、基準レベル(E1)を超え、波
形Cに示すように明暗パルス信号113がオンとなる。
【0039】その後光ビームが右方向に移動すると、溝
部トラック32は溝となり、溝部トラック33は溝が中
断された左右のパターンが異なる部分に当たる。ここで
は左側のトラック32の溝により反射光は若干暗くなる
が、右側のトラック33は溝がないため、反射光の明る
さは中途半端なものとなり、明暗変調信号112の変化
量は明と暗の中間レベルとなる。このときは明暗変調信
号の正の変化量は基準レベルE1を超えず、明暗パルス
信号113はオンにならない。なお、基準レベルの設定
値によってはこのときに明暗パルス113をオンとする
こともできるが、何れの設定にしてもこの中間レベル状
態の検出が曖昧になることは避けられない。即ち、中間
レベルを1と判断しても0と判断しても、両隣のトラッ
クアドレスを正確に検出することにはならない。
【0040】一方、この左右の溝部トラックのパターン
が異なるところでは、トラックエラー信号の高周波成分
であるトラックアンバランス信号115は正、または負
の大きな変化を生じる。ここでは左隣トラックに溝があ
り、右隣トラックに溝がないため、波形Bに示すように
ランド部トラックが右側にずれたと同様にトラックアン
バランス信号は負の変化を生じる。この負方向の変化が
負の基準レベルF2を下まわったときは波形Dに示すよ
うに、右シフトパルス117が発生される。ランド部ト
ラック42の上では右に溝があって左に溝が無いところ
がないため、波形Eに示すように左シフトパルスは発生
されない。
【0041】このように発生されたパルスを符号として
見ると、明暗パルスは00010を示し、右シフトパル
スは00001を、左シフトパルスは00000を示し
ている。従って、明暗パルスの符号に左シフトパルス符
号(00000)をORし、右シフトパルスをインバー
トしてANDをとる(減算する)と、左隣のアドレスと
して00010が得られることがわかる。この値は、仮
に明暗変調信号に対する基準レベルE1の値が低く、明
暗パルスが00011と検出されたとしても変わらな
い。一方、明暗パルスの符号(00010、または00
011)に右シフトパルス符号(00001)をOR加
算し、左シフトパルス符号(00000)をインバート
してAND(減算)すると、右隣トラックのアドレスと
して、00011が得られることがわかる。
【0042】図2−Cは光ビームスポットがランド部ト
ラック43上を走査している場合の図1の装置の各部の
信号波形の例を示す。
【0043】波形Fに示す明暗変調信号112はトラッ
ク42上の場合と同様に同期マーク部で正方向の変化を
示した後、右側トラックに溝が無くなる所で中間レベル
の変化をする。続いて左側トラックに溝が無くなるが、
そのときは右側トラックに溝があり、結局3ビット長の
期間、中間レベル状態が続く。この中間レベルはパルス
化回路14の基準レベルE1を超えないため、明暗パル
ス信号113は波形Hに示すように同期マーク部以外で
はオンとならない。
【0044】一方、トラックアンバランス信号115
は、波形Gに示すように、右側トラックに溝がないとこ
ろでは負の変化を生じ、左側トラックに溝がないところ
では正方向の変化を生じるから、これをレベル比較回路
17の正の基準レベルF1及び負の基準レベルF2と比
較して、負方向の変化がF2を下回ったところでは波形
Jに示すように右シフトパルス117が出力され、正方
向の変化はF1を超えた場合は波形Kに示すように左シ
フトパルス118が発生される。
【0045】これを上記トラック42上の場合と同様に
符号で考えると、明暗パルス信号の符号は00000と
なり、右シフトパルスは00100、左シフトパルスは
00011となる。従って、明暗パルスの符号(000
00)に左シフトパルス符号(00011)をOR加算
し、右シフトパルス(00100)をインバートしてA
NDをとると、左隣のアドレスとして00011が得ら
れることがわかる。一方、明暗パルスの符号(0000
0)に右シフトパルス符号(00100)をOR加算
し、左シフトパルス符号(00011)をインバートし
てAND(減算)すると、右隣トラックのアドレスとし
て、00100が得られることがわかる。
【0046】図3は図1に示す装置におけるアドレス再
生回路18の一構成例を示す回路ブロック図である。図
4に示すアドレス再生回路内の信号波形例を参照してそ
の動作及び構成を説明する。
【0047】明暗パルス信号113と右シフトパルス1
17をOR回路51によりOR加算し、その出力と左シ
フトパルス118を反転した信号とをAND回路52に
よりANDをとる(2値信号の減算)ことにより、右隣
のトラックアドレスを示す右アドレス入力151が得ら
れる。一方明暗パルス113と左シフトパルス118を
OR回路55によりOR加算し、その出力と右シフトパ
ルス117を反転した信号とをAND回路56によりA
NDをとる(減算する)ことにより左隣トラックのアド
レスを示す左アドレス入力153が得られる。
【0048】クロック発生回路60は右アドレス入力1
51、左アドレス入力153を1ビットごとに同期サン
プルするためのデータクロック160を出力する。Dフ
リップフロップ53は右アドレス入力151をデータク
ロック160の立ち上がりでサンプルし、データクロッ
ク160に同期した右シリアルアドレス信号152を出
力する。シフトレジスタ54はこの右シリアルアドレス
信号をデータクロック160に従って取り込みシリアル
/パラレル変換して右アドレス信号124として出力す
る。
【0049】一方、Dフリップフロップ57は左アドレ
ス入力153をデータクロック160の立ち上がりでサ
ンプルし、データクロック160に同期した左シリアル
アドレス信号154を出力する。シフトレジスタ58は
この左シリアルアドレス信号154をデータクロック1
60に従って取り込みシリアル/パラレル変換して左ア
ドレス信号125として出力する。
【0050】図4は図1におけるランド部トラック41
を光ビームが走査しているときの図3のアドレス再生回
路内部の各信号の変化の例を示す波形図である。
【0051】トラック41上を光ビームが走査すると、
同期マーク部でのみ明暗変調信号112が明レベルとな
り、それ以外のところでは左右の隣接トラックが両方と
も溝がなくなることがないので、波形Lに示すように明
暗パルス信号113は同期マーク部でのみオンとなる。
即ち、明暗信号のアドレス情報符号としては00000
になる。一方、右隣トラックの溝が中断し、左隣トラッ
クに溝があるところでは波形Mに示すように右シフトパ
ルスがオンになり、逆に左隣トラックに溝の中断があ
り、右隣トラックに溝があるところでは波形Nに示すよ
うに左シフトパルスがオンになる。このとき右シフトパ
ルスの符号としては00010になり、左シフトパルス
の符号は00001となる。これらの信号をOR回路、
AND回路で処理することにより、右アドレス入力15
1としては波形Qに示す信号、左アドレス入力153と
しては波形Rに示す信号が得られる。これらを符号で表
すと、右アドレス入力は00010、左アドレス入力は
00001となる。
【0052】図3のDフリップフロップ53は波形Pに
示すデータクロックにより右アドレス入力151をサン
プルし、波形Sに示すように、データクロックに同期し
た右シリアルアドレス信号152を出力する。一方Dフ
リップフロップ57は左アドレス入力153をデータク
ロック160によりサンプルして、波形Tに示すように
データクロックに同期した左シリアルアドレス信号15
4を出力する。これらのシリアルアドレス信号152,
154をシフトレジスタ54および58によりパラレル
データに変換することにより、ランド部トラック41の
右隣の溝トラックのアドレスとして00010の値、左
隣の溝トラックアドレスとして00001の値が得られ
る。従って、当該ランド部トラックのアドレスとして
は、上記符号の下位に1ビットを追加して、上記2つの
アドレス値の中間値をとることにより、000011
(000100と000010の中間値)が得られ、こ
れをランド部トラック41のアドレスとすることができ
る。
【0053】図5は図1に示す装置におけるL/G判定
回路19の一実施形態を示す回路ブロック図である。フ
リップフロップ72はアドレスエリア信号121がオフ
の間はリセットされ、アドレスエリア信号121がオン
の間にセットパルスが入力するとオンとなって1を出力
する。NOR回路は右シフトパルス117または左シフ
トパルス118が入力すると、フリップフロップ72に
セットパルスを入力する。即ちアドレスエリア内で右シ
フトパルス117、左シフトパルス118のいずれかま
たは両方がオンになると、フリップフロップ72はセッ
トされ1を出力する。Dフリップフロップ73はフリッ
プフロップ72の出力を、アドレスエリア信号121の
立ち下がり(オン→オフ)でラッチし、次のアドレスエ
リアまで保持する。このような構成によりL/G判定信
号123が出力される。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、溝部(凹
部)、ランド部(凸部)の両方のトラックに対してデー
タの記録再生を行う光ディスク装置において、溝部トラ
ックに各トラック位置ごとに異なるアドレス情報を記録
するのみで、反射光から得られる明暗信号と、トラック
エラー信号の高周波成分から得られる右シフトパルス、
左シフトパルスを組み合わせることにより、ランド部ト
ラックを光ビームが走査する場合にも、その左右の溝部
トラックのアドレスを正確に検出することができ、従っ
て当該ランド部トラックのアドレス情報を正確にとらえ
ることができる。これにより、ランド部トラック、溝部
トラックの何れに対しても安定かつ確実なアクセスが可
能となり、信頼性の高いランド・グルーブ記録方式の光
ディスク装置が実現できる。
【0055】更にグレイコードを使用が不必要なので、
アドレス記憶領域が少なくて済むか、又はより多くのア
ドレス情報を記録できるランド・グルーブ記録方式の光
ディスク装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアドレス検出装置の一実施形態を示す
ブロック構成図である。
【図2】光ディスク1の記録面上のトラッキング案内溝
(グルーブ)の断続パターンと光ビームの位置関係、及
びその位置関係によって出力される信号を対比して示す
図である。図2−a)はディスク面上のアドレス情報記
録部のパターンの例と、光ビームの位置関係を示す図で
ある。図2−b)は光ビームスポットがランド部トラッ
ク42上を走査している場合の図1の装置の各部の信号
波形の例を示す図である。図2−c)は光ビームスポッ
トがランド部トラック43上を走査している場合の図1
の装置の各部の信号波形の例を示す図である。
【図3】図1に示す装置におけるアドレス再生回路18
の一実施形態を示す回路ブロック図である。
【図4】図1におけるランド部トラック41を光ビーム
が走査しているときの図3のアドレス再生回路内部の各
信号の変化の例を示す波形図である。
【図5】図1に示す装置におけるL/G判定回路19の
一実施形態を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 光ディスク 2 光ヘッド 3 半導体レーザ 4 コリメートレンズ 5 ビームスプリッタ 6 対物レンズ 7 レンズアクチュエータ 8 光検出器 10 レーザ駆動回路 11 加算アンプ 12 減算アンプ 13 高域濾波回路 14 パルス化回路 15 高域濾波回路 16 低域濾波回路 17 レベル比較回路 18 アドレス再生回路 19 L/G判定回路 20 極性反転回路 21 トラッキング制御回路 22 システムコントローラ 23 トラックパルス発生回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク上にスパイラルもしくは同心円
    上に形成された、凹部(溝部)で形成される複数トラッ
    クと前記の凹部に隣接する凸部(ランド部)により形成
    される複数トラックの両方を記録トラックとした光ディ
    スクに対し、前記凹部及び前記凸部トラックのいずれか
    に選択的に集束した光ビームを照射し、溝に回折した反
    射光の光強度分布を測定する少なくとも2分割された光
    検出器の2つの出力の差から低周波成分を取り出して得
    たトラックエラー信号によりトラッキング動作を行うと
    ともに、凹部凸部いずれのトラックに対してもデータ記
    録再生を行う光ディスク装置において、 前記光ディスクの前記凹部トラックにトラック及びセク
    タのアドレスを示す情報が溝の断続により記録されてお
    り、 かつ凸部トラックの両側の凹部トラックのアドレスパタ
    ーンには少なくとも1ビット以上の相違があり、 凹部及び凸部のトラックのアドレス検出においては前記
    光検出器の2つの出力の和から高周波成分を取り出して
    得られる、トラックに照射した光ビームの反射光の明暗
    変化を示す明暗変調信号をパルス化して得られる明暗パ
    ルスと、 前記光検出器の2つの出力の差から高周波成分を取り出
    して得られるトラックアンバランス信号が正の基準レベ
    ルを超えたときに出力する右シフトパルスと、 前記トラックアンバランス信号が負の基準レベルより下
    がった場合に出力する左シフトパルスとを用いて、 前記明暗パルスと前記右シフトパルスをビット毎にOR
    加算し、その結果に前記左シフトパルスをビット毎に減
    算することにより、ビーム上の左側又はビーム上のトラ
    ックアドレスを再生し、 前記明暗パルスと前記左シフトパルスをビット毎にOR
    加算し、その結果に前記右シフトパルスをビット毎に減
    算することにより、ビーム上の右側又はビーム上のトラ
    ックアドレスを再生し、 前記左側のトラックアドレスと前記右側のトラックアド
    レスをもとにしてトラックアドレスを検出することを特
    徴とする光ディスク装置のアドレス検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアドレス検出装置にお
    いて、凸部トラックのアドレス情報を検出する際に、当
    該トラックに隣接する両側の凹部トラックのアドレスを
    検出し、その中間値を当該凸部トラックのアドレスとす
    ることを特徴とする光ディスク装置のアドレス検出装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のアドレス検出装置にお
    いて、前記アドレス記憶領域内で、トラックエラー信号
    の高周波成分が正または負のあらかじめ定められたレベ
    ル以上の振幅を有し、光ビームが照射されている当該ト
    ラックに隣接する両側のトラックのアドレスが1ビット
    以上相違があると認められる時は当該被照射トラックを
    凸部トラックであると判定し、かつ前記アドレス記録領
    域内に、トラックエラー信号の高周波成分に前記正また
    は負の定められたレベル以上の振幅が存在しないときは
    当該被照射トラックを凹部トラックであると判定するこ
    とを特徴とする光ディスク装置のアドレス検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のアドレス検出装置にお
    いて、 前記光検出器の2つの出力の加算結果を入力とし、前記
    明暗変調信号を出力する高域濾波回路と、 前記明暗変調信号を一定の基準レベルと比較してパルス
    化し、明暗パルス信号を出力するパルス化回路と、 前記光検出器の2つの出力の差を入力とし、トラックア
    ンバランス信号を出力する高域濾波回路と、前記トラッ
    クアンバランス信号を入力とし、前記右シフトパルスと
    前記左シフトパルスを出力するレベル比較回路と、 前記明暗パルス信号と前記右シフトパルスと前記左シフ
    トパルスを入力して右アドレス信号と左アドレス信号を
    出力するアドレス再生回路とを具備することを特徴とす
    るアドレス検出回路。
  5. 【請求項5】 請求項3及び請求項4に記載の前記アド
    レス検出装置において、システムコントローラから供給
    されるアドレス情報領域中にあることを示すアドレスエ
    リア信号がオンである間に前記右シフトパルスまたは前
    記左シフトパルスが入力した場合は当該被照射トラック
    を凸部であると判定して、L/G判定信号をオンとし、
    前記アドレスエリア信号がオンの間に前記右シフトパル
    スと左シフトパルスのいずれも出力されない場合は当該
    被照射トラックを凹部であると判定して、L/G判定信
    号をオフとするL/G判定回路を具備することを特徴と
    するアドレス検出回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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