JP3639923B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像剤補給容器の交換ができる複写機、プリンタ、ファクシミリ等の乾式電子写真式画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
この種の画像形成装置において、画像形成部における現像剤の補給は、現像剤補給容器を使用して、現像槽中の現像剤比率(T/D)が低下したときに行われる。この現像剤補給容器の交換作業は、ユーザが行うことが多い。
【0003】
ところが、従来の画像形成装置では、現像剤の寿命を超えて印字が行われ、印字品位が不安定になることがあった。
【0004】
また、1箇所に複数台の画像形成装置が設置されているような場合、装置によって使用する現像剤の種類が異なることが多い。たとえば、同一の感光体を用いていても、アナログ方式(正転現像方式)とデジタル方式(反転現像方式)では使用する現像剤の極性は逆になる。また、同極性の現像剤であっても、その帯電特性(飽和帯電量)の違いによって現像剤中に含まれる成分(CCAや樹脂等)が異なり、それによって現像剤の抵抗に差がある。さらに、黒トナー、赤トナーなどのカラー対応による色相の差がある。
【0005】
このように装置間において互換性のない現像剤をユーザが間違って他の装置に補給すると、現像剤が原因で、キャリア上がり、現像剤の吹き出しが発生し、機内飛散、感光体の劣化等の不具合が発生する。
【0006】
このような問題点を解決するために、現像剤補給容器の形状を使用可能な画像形成装置によって変更し、容器の誤挿入を防止する方法が多用されている。
【0007】
しかし、このようにした場合、形状の異なる容器を複数種類準備する必要があり、その分コスト高となる。
【0008】
また、特公平4−62075号公報に記載された発明においては、現像剤補給容器の装着時に、容器のメモリに記憶されている現像剤の情報(補給量、ロット番号等)を装置のメモリに記憶し、その情報と現像剤の消費量から画像形成のプロセス条件を変更することを行っている。
【0009】
しかし、この場合は、現像剤補給容器に記憶されている情報は、画像形成のプロセス条件を変更するためだけに使用されており、装置に装着された容器内の現像剤が使用可能であるがどうかの判定は行っていない。したがって、上記の誤挿入による問題は解決されない。
【0010】
本発明の目的は、現像剤の寿命を超えて印字が行われることを防止して、印字品位が不安定になることを防止できる画像形成装置を提供することにある。
【0011】
本発明の目的は、また、現像剤補給容器の誤挿入を防止できる画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段ならびに発明の作用および効果】
本発明による画像形成装置は、画像形成部を有する装置本体と、該画像形成部に着脱自在に装着されて画像形成に伴って現像剤を補給する現像剤補給容器とを備えている画像形成装置において、上記現像剤補給容器に、該現像剤補給容器に関する情報を記憶する不揮発性記憶手段が設けられ、上記装置本体に、上記現像剤補給容器に関する情報を記憶する不揮発性記憶手段と、上記装置本体と上記現像剤補給容器の不揮発性記憶手段に所定の情報を書き込む機能および上記現像剤補給容器の不揮発性記憶手段に記憶されている情報と上記装置本体の不揮発性記憶手段に記憶されている情報に基づいて該現像剤補給容器の使用の可否を判断する機能を有する処理手段が設けられ、上記現像剤補給容器の不揮発性記憶手段に書き替え可能部分と書き替え不可能部分が設けられ、重要度の高い情報が上記書き替え不可能部分に書き込まれ、重要度の低い情報が上記書き替え可能部分に書き込まれ、上記処理手段が、未使用状態の現像剤補給容器が最初に上記装置本体に装着されたときに、指定乱数を発生させて、上記装置本体と上記現像剤補給容器の各々の不揮発性記憶手段に発生させた同じ指定乱数を書き込み、上記装置本体の電源投入時に、上記装置本体と上記現像剤補給容器の各々の不揮発性記憶手段に記憶されている指定乱数を比較し、両者の指定乱数が一致するときは装着されている現像剤補給容器の使用を許可し、両者の指定乱数が一致しないときは装着されている現像剤補給容器の使用を禁止することを特徴とするものである。
【0013】
不揮発性記憶手段に記憶されている情報は、電源が供給されなくても消滅することがなく、したがって、画像形成装置の電源を切ったり、現像剤補給容器を装置本体から取り外しても、消滅することがない。
【0014】
たとえば、現像剤補給容器の不揮発性記憶手段には、現像剤の寿命に関する情報が記憶され、装置本体の処理手段は、現像剤補給容器の不揮発性記憶手段に現像剤の寿命に関する情報を書き込み、不揮発性記憶手段に書き込んだ現像剤の寿命に関する情報から現像剤補給容器の交換時期を検出し、交換を指示する。このようにすることにより、現像剤の寿命を超えて印字が行われることを防止し、印字品位が不安定になることを防止することができる。
【0015】
たとえば、現像剤補給容器の不揮発性記憶手段の書き替え不可能部分には、その現像剤補給容器が使用可能な画像形成装置の種類、収容されている現像剤の種類等に関する情報が記憶される。
【0016】
本発明の画像形成装置では、処理手段が、現像剤補給容器の不揮発性記憶手段に記憶されている情報と装置本体の不揮発性記憶手段に記憶されている情報に基づいて該現像剤補給容器の使用の可否を判断する機能を有するので、その画像形成装置では使用できない現像剤を収容した現像剤補給容器が装着された場合に、それを判断して、使用を禁止することができる。すなわち、現像剤補給容器の誤挿入を防止し、誤挿入による前記不具合の発生を防止することができる。
【0017】
本発明の画像形成装置では、処理手段が、未使用状態の現像剤補給容器が最初に上記装置本体に装着されたときに、指定乱数を発生させて、上記装置本体と上記現像剤補給容器の各々の不揮発性記憶手段に発生させた同じ指定乱数を書き込み、上記装置本体の電源投入時に、上記装置本体と上記現像剤補給容器の各々の不揮発性記憶手段に記憶されている指定乱数を比較し、両者の指定乱数が一致するときは装着されている現像剤補給容器の使用を許可し、両者の指定乱数が一致しないときは装着されている現像剤補給容器の使用を禁止するので、現像剤補給容器の誤挿入を防止し、誤挿入による前記不具合の発生を防止することができる。
【0018】
本発明の画像形成装置では、現像剤補給容器の不揮発性記憶手段に書き替え可能部分と書き替え不可能部分が設けられ、重要度の高い情報が書き替え不可能部分に書き込まれ、重要度の低い情報が書き替え可能部分に書き込まれるので、重要な情報が書き替えられることを防止して、書き替えによる誤動作等の不具合の発生を防止することができる。
【0021】
本発明の画像形成装置において、たとえば、上記現像剤補給容器の記憶手段に、所定数の書き替え不可能部分と所定数の書き替え可能部分を有する現像剤の寿命に関する情報を記憶する現像剤寿命情報記憶領域が設けられ、上記処理手段が、上記画像形成部において現像剤の寿命に関連する所定の動作が所定回数行われるたびに上記書き替え可能部分に順に書き込みを行うとともに、該書き替え可能部分全体に対する書き込みが終わるたびに該書き替え可能部分全体をクリアして上記書き替え不可能部分に順に書き込みを行う動作を繰り返し、上記現像剤寿命情報記憶領域の書き替え不可能部分に書き込みを行って次に書き込む部分がなくなった時点で該現像剤補給容器の交換を指示する。
【0022】
本発明の画像形成装置において、たとえば、上記現像剤補給容器の記憶手段に、所定数の書き替え不可能部分と所定数の書き替え可能部分を有する現像剤の寿命に関する情報を記憶する現像剤寿命情報記憶領域が設けられ、上記処理手段が、上記画像形成部において現像剤の寿命に関連する所定の動作が所定回数行われるたびに上記書き替え可能部分に順に書き込みを行うとともに、該書き替え可能部分全体に対する書き込みが終わるたびに該書き替え可能部分全体をクリアして上記書き替え不可能部分に順に書き込みを行う動作を繰り返し、上記現像剤寿命情報記憶領域の書き替え不可能部分に書き込みを行って次に書き込む部分がなくなった後、次に上記書き替え不可能部分への書き込みの必要が生じた時点で、該現像剤補給容器の交換を指示する。
【0023】
現像剤の寿命に関する情報は、現像剤補給容器の不揮発性記憶手段の書き替え不可能部分に書き込まれるので、これが書き替えられることがない。したがって、現像剤の寿命を超えて印字が行われることを防止し、印字品位が不安定になることを防止することができる。そして、処理手段は、現像剤寿命情報記憶領域に対し、現像剤補給容器の交換時期を検出するまでに、書き替え可能部分の数と書き替え不可能部分の数とを乗算した回数の書き込みを行うことができ、したがって、現像剤寿命情報記憶領域を全て書き込み不可能部分として書き替え不可能領域にのみ順に書き込みを行う場合に比べて、同じ回数の書き込みを行うために必要な現像剤寿命情報記憶領域全体の容量は小さくてすむ。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明を複写機に適用した実施形態について説明する。
【0030】
画像形成装置の全体構成が、図1に概略的に示されている。以下の説明において、図1の左右を左右とし、同図の紙面表側を前、同裏側を後とする。また、記録用紙の移動方向の後側(給紙側)を上流、同前側(排紙側)を下流とする。
【0031】
画像形成装置は、装置本体(1)の上部の原稿読み取り部(2)、同下部の画像形成部(3)および給紙搬送部(4)ならびに装置全体を制御するための制御部(図示略)から構成されている。
【0032】
原稿読み取り部(2)は上面に透明なガラス等からなる原稿台(5)を有し、この原稿台(5)の下方にスキャナ光学系(6)が配されている。光学系(6)は、露光用光源(7)、複数の反射鏡(8)(9)(10)、結像レンズ(11)およびCCD(光電変換素子)(12)を備えている。原稿台(5)に載置される原稿に対して、光源(7)からの照射光により光走査が行われ、原稿からの反射光が反射鏡(8)(9)(10)およびレンズ(11)を介してCCD(12)に導かれる。CCD(12)によって読み取られた原稿画像データは、画像処理が施され、画像形成部(3)に送られる。
【0033】
画像形成部(3)は図1の矢印方向に回転駆動されるドラム形状の感光体(13)を備えており、感光体(13)の周囲に、その回転方向に、感光体(13)を所定の電位に帯電させる主帯電器(14)、帯電された感光体(13)の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成するレーザ光照射装置(15)、レーザ光によって露光された感光体(13)表面の静電潜像をトナーにより可視像に現像する現像装置(16)、感光体(13)上のトナー像を記録用紙(P)に転写する転写チャージャ(17)、および感光体(13)表面の残留トナーを除去するクリーニング装置(18)が順に配置されている。レーザ光照射装置(15)は、上記のようにCCD(12)により読み取られて画像処理が施された原稿画像データに基づいてレーザ光を感光体(13)の表面に照射し、静電潜像を形成する。
【0034】
給紙搬送部(4)は、次のように構成されている。
【0035】
装置本体(1)の下部右側に記録用紙(P)が収納された用紙カセット(20)が装着され、同左側に排紙トレイ(21)が設けられている。用紙カセット(20)の先端部に、用紙(P)を給紙するための半月状ローラ(22)が配されている。カセット(20)の下流側(左側)に、用紙(P)の通過を検知するためのレジスト前検知スイッチ(図示略)、およびこのスイッチの信号に基づいて画像形成部(3)の感光体(13)上のトナー像と用紙(P)との位置合わせを行うレジストローラ(23)が配置されている。画像形成部(3)の下流側に、用紙(P)上のトナー像を熱により定着させる1対の定着ローラ(24)(25)、および用紙(P)が定着ローラ(24)(25)を通過したことを検知する定着紙検知スイッチ(図示略)が配置されている。定着ローラ(24)(25)の下流側に、用紙(P)を排紙トレイ(21)に排出する排紙ローラ(26)が配置されている。図示は省略したが、給紙搬送部(4)の所用箇所に、用紙(P)を案内するためのガイドが設けられている。
【0036】
上記の画像形成装置において、用紙(P)はカセット(20)から給紙され、レジストローラ(23)を通して画像形成部(3)に搬送される。用紙(P)は、画像形成部(3)においてトナー像が転写された後、定着ローラ(24)(25)によってトナー像の定着が行われ、排紙ローラ(26)を通して排紙トレイ(21)に排出される。
【0037】
現像装置(16)は交換可能で、装置本体(1)に着脱自在に装着される。図2に詳細に示すように、現像装置(16)は、現像槽(27)とその上部に一体にあるいは着脱自在に設けられたトナーボックス(28)よりなり、現像装置(16)を装置本体(1)から取り外した状態で、トナーボックス(28)内に現像剤を補給できるようになっている。この例では、現像装置(16)全体が現像剤補給容器となっている。現像装置(16)のトナーボックス(28)の部分に、現像装置(16)に関する情報を記憶する不揮発性記憶手段としての不揮発性メモリ(30)(図3参照)を有するICチップ(31)が固定されている。ICチップ(31)は、現像装置(16)が装置本体(1)に装着されたときに、装置本体(1)に設けられたコネクタ(32)に接続される。
【0038】
図2に示すように、装置本体(1)の制御部には、処理手段を構成するCPU(33)が設けられている。CPU(33)は、コネクタ(32)および現像装置(16)に関する情報を記憶する不揮発性記憶手段としての不揮発性メモリ(34)に接続されている。
【0039】
図3に示すように、ICチップ(31)のメモリ(30)には、その現像装置(16)が使用可能な画像形成装置に関する情報たとえば装置名や型番等を記憶する領域、その現像装置(16)に収納されている現像剤に関する情報たとえば現像剤ロット番号等を記憶する領域、後述する現像剤の寿命に関する情報を記憶する領域(現像剤寿命情報記憶領域)、現像装置(16)内の現像剤残量を記憶する領域、後述するように装置本体(1)のCPU(33)で発生させた指定乱数を記憶する領域、その現像装置(16)の使用状況すなわち現像装置(16)が未使用であるかどうかの情報を記憶する領域等が設けられている。
【0040】
ICチップ(31)のメモリ(30)には、書き込み可能部分と書き替え不可能部分とがある。書き替え可能部分は、1回書き込みを行った後も何回でも消去、書き替えができる部分、書き替え不可能部分は、1回書き込みを行った後は消去、書き替えができない部分である。そして、重要度の高い情報は書き替え不可能部分に書き込まれ、重要度の低い情報は書き替え可能部分に書き込まれる。たとえば、その現像装置(16)が使用可能な画像形成装置に関する情報、収納されている現像剤に関する情報等が、書き替え不可能部分に記憶される。また、後に詳しく説明するように、現像剤寿命情報記憶領域には、書き替え可能部分と書き替え不可能部分が含まれている。
【0041】
装置本体(1)のメモリ(34)には、その画像形成装置に関する情報たとえば装置名や型番等を記憶する領域、ICチップ(31)のメモリ(30)から読み込んだ現像剤ロット番号等の現像剤に関する情報を記憶する領域、ICチップ(31)のメモリ(30)から読み込んだ現像剤残量を基に算出した現像剤残量を記憶する領域、ICチップ(31)のメモリ(30)に書き込むためにCPU(33)が発生させた指定乱数を記憶する領域、ICチップ(31)のメモリ(30)から読み込んだ現像装置(16)の使用状況を記憶する領域等が設けられている。
【0042】
上記の画像形成装置において、CPU(33)は、ICチップ(31)のメモリ(30)から読み込んだ使用可能な画像形成装置に関する情報の中に装置本体(1)のメモリ(34)に記憶されている画像形成装置の情報が含まれているかどうかを判定し、その結果から、その現像装置(16)がその画像形成装置に適合しているかどうかを装置本体(1)の表示パネル(図示略)に表示する。また、ICチップ(31)のメモリ(30)から読み込んだ現像剤残量を初期値として、現像装置(16)の現像剤供給ローラの回転数等から求めた現像剤の消費量を上記初期値から差し引くことにより、現像剤残量を算出し、それを装置本体(1)のメモリ(34)およびICチップ(31)のメモリ(30)に書き込む。そして、現像剤残量が0またはそれに近い値になると、現像装置(16)が空になったと判断し、そのことを表示パネルに表示し、現像装置(16)の交換を促す。また、未使用状態の現像装置(16)が最初に装置本体(1)に装着されたときに、指定乱数を発生させて、装置本体(1)のメモリ(34)およびICチップ(31)のメモリ(30)に書き込み、以後、装置本体(1)に装着されている現像装置(16)を特定するために用いる。このようなCPU(33)における判定等は、装置本体(1)の電源がオンされるごとに行われる。
【0043】
次に、図4のフローチャートを参照して、上記のCPU(33)の動作の一部についてさらに詳しく説明する。
【0044】
装置本体(1)の電源がオンされると、まず、装置本体(1)のメモリ(34)から、その画像形成装置に関する情報を読み込み(S1)、現像装置(16)のICチップ(31)のメモリ(30)から、使用可能な画像形成装置に関する情報を読み込む(S2)。次に、装置本体(1)の情報とICチップ(31)の情報が合致するか否かを判定し(S3)、合致していれば、ICチップ(31)のメモリ(30)に記憶されている情報から、その現像装置(16)が未使用か否かを判定し(S4)、未使用であれば、指定乱数を発生させ(S5)、それをICチップ(31)のメモリ(30)に書き込み(S6)、同じ指定乱数を装置本体(1)のメモリ(34)にも書き込み(S7)、ICチップ(31)のメモリ(30)の現像装置(16)の使用状況を記憶する領域を使用中に書き替え(S8)、通常コピーモードに移行する(S9)。
【0045】
S4において、現像装置(16)が未使用でない場合は、装置本体(1)のメモリ(34)に記憶されている指定乱数を読み出し(S10)、ICチップ(31)のメモリ(30)に記憶されている指定乱数を読み出し(S11)、両者を比較し(S12)、合致していれば、S9に進んで通常コピーモードに移行する。S12において装置本体(1)の指定乱数とICチップ(32)の指定乱数が合致しなかった場合あるいはS3において装置本体(1)の情報と容器(28)の情報が合致しなかった場合は、その現像装置(16)の使用を禁止する(S13)。
【0046】
装置本体(1)の電源がオンされるごとに、上記のような処理を行うことにより、未使用状態の現像装置(16)が装置本体(1)に最初に装着されたときに、装置本体(1)のメモリ(34)と現像装置(16)のICチップ(31)のメモリ(30)に同じ指定乱数を書き込み、以後は、装置本体(1)のメモリ(34)とICチップ(31)のメモリ(30)に記憶されている指定乱数その他の情報が互いに一致しない場合には、誤った現像装置(16)が装着されていると判断して、その現像装置(16)の使用を禁止することができる。このため、現像装置(16)の誤挿入を防止し、誤挿入による前記不具合の発生を防止することができる。
【0047】
上記の画像形成装置において、CPU(33)は、また、コピー動作中に、現像剤の寿命に関連する動作が行われるたびに、現像装置(16)のICチップ(31)のメモリ(30)の現像剤寿命情報記憶領域に書き込みを行い、現像剤が寿命に達したかどうかを判定している。この例では、1枚の印字を行うたびに、寿命情報記憶領域に書き込みを行うようになっている。
【0048】
ICチップ(31)のメモリ(30)における寿命情報記憶領域は、たとえば、図5〜図11に示すように、mバイトの書き替え可能部分とnバイトの書き替え不可能部分から構成されている。
【0049】
寿命情報記憶領域の書き替え可能部分および書き替え不可能部分は、最初は、図5に示すように、全て“00”にクリアされている。なお、以下の説明において、“ ”の中の数字は、1バイトのBCD(2進化10進コード)を表すものとする。そして、1枚の印字を行うたびに、書き替え可能部分のアドレス1から順に“FF”を書き込む。図6は、i枚の印字が行われて、書き替え可能部分のアドレスiまで“FF”を書き込んだ状態を示している。図7に示すように、書き替え可能部分のアドレスmまで“FF”を書き込んで、書き替え可能部分に書き込む部分がなくなると、図8に示すように、書き替え可能部分全体を“00”にクリアするとともに、書き替え不可能部分のアドレス1に“FF”を書き込む。以後は、上記の動作を繰り返す。つまり、クリアされた書き替え可能部分のアドレス1から順に“FF”を書き込み、書き替え可能部分のアドレスmまで“FF”を書き込んで、書き替え可能部分に書き込む領域がなくなった時点で、書き替え可能部分全体を“00”にクリアするとともに、書き替え不可能部分に順に“FF”を書き込むという動作を繰り返す。そして、書き替え不可能部分に書き込む領域がなくなったことを検知することにより、現像剤が寿命に達して、現像装置(16)の交換時期になったことを検知し、装置本体(1)の表示パネル等において、現像装置(16)の交換を指示する。
【0050】
図9は、書き替え不可能部分のアドレス(n−1)まで“FF”を書き込んだ後に、書き替え可能部分のアドレスmまで“FF”を書き込んで、書き替え可能部分に書き込む部分がなくなった状態を示している。上記の現像装置(16)の交換の指示は、たとえば、図9の状態の後に、図10に示すように、書き替え可能部分全体を“00”にクリアするとともに、書き替え不可能部分のアドレスnに“FF”を書き込んだ時点で行うことができる。あるいは、図10の状態になった後も、書き替え可能部分に対する書き込みを続け、図11に示すように、書き替え可能部分のアドレスmまで“FF”を書き込んで、書き替え可能部分に書き込む部分がなくなった時点で行うこともできる。
【0051】
現像装置(16)で使用される現像剤の種類によっては、現像装置(16)内に現像剤が残っていても、印字枚数の点等から現像剤が寿命に達することがある。このような場合でも、上記のような処理を行うことにより、現像剤の寿命を超えて印字が行われることを防止し、印字品位が不安定になることを防止することができる。現像剤寿命情報記憶領域は、ICチップ(31)の不揮発性メモリ(30)に設けられているので、装置本体(1)の電源が切られたり、現像装置(16)が装置本体(1)から取り外されても、それまでに現像剤寿命情報記憶領域に書き込まれた情報は消滅することがない。また、とくに現像剤寿命情報記憶領域の書き替え不可能部分に書き込まれた情報は故意に書き替えられることもない。したがって、現像剤寿命情報記憶領域に書き込まれた情報に基づいて、現像剤の寿命を正確に検知することができる。さらに、CPU(33)は、現像剤寿命情報記憶領域に対し、現像装置(16)の交換時期を検出するまでに、書き替え可能部分の数mと書き替え不可能部分の数nとを乗算した回数(m×n)の書き込みを行うことができ、したがって、現像剤寿命情報記憶領域を全て書き込み不可能部分として書き替え不可能領域にのみ順に書き込みを行う場合に比べて、同じ回数の書き込みを行うために必要な現像剤寿命情報記憶領域全体の容量は小さくてすむ。
【0052】
上記実施形態には、複写機を示したが、本発明は、複写機以外の画像形成装置や複数の機能を有する複合画像形成装置等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態を示す乾式電子写真方式の複写機の概略構成図である。
【図2】図2は、現像装置の部分を拡大して示す概略構成図である。
【図3】図3は、現像装置におけるICチップの不揮発性メモリの内容および装置本体における不揮発性メモリの内容の1例を示す説明図である。
【図4】図4は、装置本体のCPUの動作の1例を示すフローチャートである。
【図5】図4は、現像装置のICチップのメモリにおける寿命情報記憶領域の書き込み状態の1例を示す説明図である。
【図6】図5は、現像装置のICチップのメモリにおける寿命情報記憶領域の書き込み状態の他の1例を示す説明図である。
【図7】図7は、現像装置のICチップのメモリにおける寿命情報記憶領域の書き込み状態のさらに他の1例を示す説明図である。
【図8】図8は、現像装置のICチップのメモリにおける寿命情報記憶領域の書き込み状態のさらに他の1例を示す説明図である。
【図9】図9は、現像装置のICチップのメモリにおける寿命情報記憶領域の書き込み状態のさらに他の1例を示す説明図である。
【図10】図10は、現像装置のICチップのメモリにおける寿命情報記憶領域書き込み状態のさらに他の1例を示す説明図である。
【図11】図11は、現像装置のICチップのメモリにおける寿命情報記憶領域書き込み状態のさらに他の1例を示す説明図である。
【符号の説明】
(1) 装置本体
(3) 画像形成部
(16) 現像装置
(30) 不揮発性メモリ
(31) ICチップ
(33) CPU
(34) 不揮発性メモリ
Claims (3)
- 画像形成部を有する装置本体と、該画像形成部に着脱自在に装着されて画像形成に伴って現像剤を補給する現像剤補給容器とを備えている画像形成装置において、
上記現像剤補給容器に、該現像剤補給容器に関する情報を記憶する不揮発性記憶手段が設けられ、
上記装置本体に、上記現像剤補給容器に関する情報を記憶する不揮発性記憶手段と、上記装置本体と上記現像剤補給容器の不揮発性記憶手段に所定の情報を書き込む機能および上記現像剤補給容器の不揮発性記憶手段に記憶されている情報と上記装置本体の不揮発性記憶手段に記憶されている情報に基づいて該現像剤補給容器の使用の可否を判断する機能を有する処理手段が設けられ、
上記現像剤補給容器の不揮発性記憶手段に書き替え可能部分と書き替え不可能部分が設けられ、重要度の高い情報が上記書き替え不可能部分に書き込まれ、重要度の低い情報が上記書き替え可能部分に書き込まれ、
上記処理手段が、未使用状態の現像剤補給容器が最初に上記装置本体に装着されたときに、指定乱数を発生させて、上記装置本体と上記現像剤補給容器の各々の不揮発性記憶手段に発生させた同じ指定乱数を書き込み、上記装置本体の電源投入時に、上記装置本体と上記現像剤補給容器の各々の不揮発性記憶手段に記憶されている指定乱数を比較し、両者の指定乱数が一致するときは装着されている現像剤補給容器の使用を許可し、両者の指定乱数が一致しないときは装着されている現像剤補給容器の使用を禁止することを特徴とする画像形成装置。 - 上記現像剤補給容器の記憶手段に、所定数の書き替え不可能部分と所定数の書き替え可能部分を有する現像剤の寿命に関する情報を記憶する現像剤寿命情報記憶領域が設けられ、
上記処理手段が、上記画像形成部において現像剤の寿命に関連する所定の動作が所定回数行われるたびに上記書き替え可能部分に順に書き込みを行うとともに、該書き替え可能部分全体に対する書き込みが終わるたびに該書き替え可能部分全体をクリアして上記書き替え不可能部分に順に書き込みを行う動作を繰り返し、上記現像剤寿命情報記憶領域の書き替え不可能部分に書き込みを行って次に書き込む部分がなくなった時点で該現像剤補給容器の交換を指示することを特徴とする請求項1の画像形成装置。 - 上記現像剤補給容器の記憶手段に、所定数の書き替え不可能部分と所定数の書き替え可能部分を有する現像剤の寿命に関する情報を記憶する現像剤寿命情報記憶領域が設けられ、
上記処理手段が、上記画像形成部において現像剤の寿命に関連する所定の動作が所定回数行われるたびに上記書き替え可能部分に順に書き込みを行うとともに、該書き替え可能部分全体に対する書き込みが終わるたびに該書き替え可能部分全体をクリアして上記書き替え不可能部分に順に書き込みを行う動作を繰り返し、上記現像剤寿命情報記憶領域の書き替え不可能部分に書き込みを行って次に書き込む部分がなくなった後、次に上記書き替え不可能部分への書き込みの必要が生じた時点で、該現像剤補給容器の交換を指示することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
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