JP3636997B2 - ティッシュカートンの検査装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外装の異なる複数個のティッシュカートンを所定順序で搬送する搬送ラインにおいて、搬送順序を検査し修正する装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ティッシュペーパーの分野では、色やデザイン等の外装の異なる複数個（通常５個）のティッシュカートンを一組として包装し、販売する形態が広く採用されている。このため、従来のティッシュペーパーの製造設備は、外装の異なる複数個のティッシュカートンを所定順序でベルトコンベア等の移送装置によって移送し、カートン包装装置へ連続的に供給するように構成されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる製造設備においては、稀に移送装置上のティッシュカートンの順序が狂い、正規の組み合わせで包装できなくなることがあった。
【０００４】
またそのため従来は、作業員が目視でティッシュカートンの搬送順序をチェックし、必要に応じてティッシュカートンを取除いて順序を調整していたが、目視検査の精度には限界があるとともに、手作業での取除きには熟練を要し、場合によってはティッシュカートンを傷めてしまうこともあった。また、製造コストの低減等の観点からも省力化の要請があった。
【０００５】
そこで本発明の主たる課題は、自動でティッシュカートンの搬送順序チェック及び順序調整を行う検査装置を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
＜請求項１記載の発明＞
外装種類の異なる複数個のティッシュカートンを所定順序で移送する移送装置と、
この移送装置によって移送されるティッシュカートンの外装の種類を順次感知する外装センサーと、
この外装センサーの下流側にあって前記移送中のティッシュカートンを前記移送装置から排出させるための排出装置と、
前記外装センサーによる感知結果に基づいて前記センサーを通過するティッシュカートンの順序を監視するとともに、その監視の結果前記所定順序とは異なるティッシュカートンを排出するように前記排出装置を作動させる制御装置とを備えた、
ことを特徴とするティッシュカートンの検査装置。
【０００７】
（作用効果）
このように、ティッシュカートンの外装をセンサーにより順次感知して、ティッシュカートンの順序を制御装置により監視し、順序が異なるティッシュカートンが発見されたときにはそれを排出装置により排出させる構成とすることで、自動でティッシュカートンの搬送順序チェック及び順序調整を行うことができるようになる。
【０００８】
＜請求項２記載の発明＞
前記制御装置は、前記外装センサーにより感知されたティッシュカートンの種類が、その直前に感知されたティッシュカートンの種類に対して前記所定順序に従ったものでないとき、その順序の異なるティッシュカートンを排出するように前記排出装置を作動させるように構成されている、請求項１記載のティッシュカートンの検査装置。
【０００９】
（作用効果）
このように、外装センサーによる感知結果を直前の感知結果と対比して順序の成否を決定するようにすると、非常に簡易な制御で、ティッシュカートンの搬送順序チェックを行うことができるようになる。
【００１０】
＜請求項３記載の発明＞
前記移送装置はティッシュカートンを移送面に載置した状態で移送するように構成され、
前記排出装置は、前記移送装置の一方側脇部に設けられた排出部と、この排出部の反対側脇部から前記移送面上のティッシュカートンに向けてエアーを噴射し、当該ティッシュカートンを前記排出部へ弾き出すエアー噴射手段とから構成された、請求項１または２記載のティッシュカートンの検査装置。
【００１１】
（作用効果）
本発明においては作動部材等によりティッシュカートンを押し出して排出させる構成を採ることもできるが、作動部材をティッシュカートンに当接させねばならず、ティッシュカートンを傷めるおそれがある。これに対して、本請求項３記載のように移送装置の移送面に載置された状態で移送されるティッシュカートンを一方側脇部からのエアー噴射により他方側の排出部へ弾き出すようにすると、ティッシュカートンを傷めずに一瞬で排出させることができるようになる。
【００１２】
＜請求項４記載の発明＞
前記外装センサーとして、ティッシュカートンの外装の色を感知するカラーセンサーを用い、外装色の異なる複数個のティッシュカートンの順序を検査するように構成された、請求項１〜３のいずれか１項に記載のティッシュカートンの検査装置。
【００１３】
（作用効果）
本発明は、このように外装色の異なる複数個のティッシュカートンの順序を検査するのに特に好適なものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳説する。
図１は、本発明に係るティッシュカートンの検査装置の例を示している。図中の符号１は本発明の移送装置に相当するベルトコンベアを示しており、その移送面１ｆ上に、外装色の異なる複数のティッシュカートン２Ａ〜２Ｂが所定順序で載置され、移送されるようになっている。図示例は、相互に異なる複数色（Ａ色〜Ｅ色の５種類）のティッシュカートン２Ａ〜２Ｅを、後に一組として包装する場合を想定しており、正規の移送順序（所定順序）としてはティッシュカートン２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅのサイクルが繰り返される順序を想定している。
【００１５】
移送面１ｆ上方のティッシュカートン２Ａ〜２Ｅを臨む位置には、カメラ１０、ライト１３およびこれらを取り囲むケース１４がそれぞれ設けられる。またカメラ１０により撮影されたカラー映像信号に基づいて、撮影されたティッシュカートンの外装色がＡ色〜Ｅ色のいずれであるかを出力する出力ユニット１１が別途設けられている。これらカメラ１０と出力ユニット１１が本発明の外装センサーを構成する。
【００１６】
より詳細には、出力ユニット１１はカメラの撮影画像をＡ／ＤコンバータによりＲＧＢ各色のデジタルデータに変換するとともに、これを差分処理してＲ−Ｇ、Ｇ−Ｂ、Ｒ−Ｂのデータを求め、これら６つのパラメータに基づいて、当該撮影されたティッシュカートンが予め設定された外装色（Ａ色〜Ｅ色）のいずれに該当するかを判定し、判定結果を出力するようになっている。出力ユニット１１の判定結果はシーケンサ等の制御装置１２に送信される。制御装置の制御フローについては後述する。
【００１７】
他方、図２に示すように、カメラ１０よりも下流側において、移送装置の一方側脇部に排出シュート（排出部）２０が設けられるとともに、この排出シュート２０の反対側脇部から移送面１ｆ上のティッシュカートン２Ａ〜２Ｅを臨むエアー噴射ノズル３０が設けられる。噴射ノズル３０は、例えば図１に示すように、電磁弁３１を介して圧縮エアータンク３２に接続される。符号３３は、圧縮エアータンク３２にエアーを補給するエアー補給ポンプを示している。これら噴射ノズル等によって、本発明のエアー噴射手段が構成される。
【００１８】
次に、以上のように構成された検査装置の動作態様について説明する。先ず、装置を起動させると、ベルトコンベア１上に載置されたティッシュカートン２Ａ〜２Ｅの図中右側への移送、カメラ１０による撮影、および出力ユニット１１による判定出力が開始されるとともに、制御装置１２が例えば図３に示すフローに従って制御を開始する。
【００１９】
すなわち、先ず起動時に最初に感知された色（フロー中の起動時色）に応じて、次に感知されるべき色が決定される。例えばいま、起動時にティッシュカートン２Ｂがカメラ１０の撮影位置にあったとすると、その感知結果に基づいて制御装置１２が起動時色をＢ色と判定し、これに応じて次に感知予定の色をＣ色に定める。ここで、次に実際に感知された色（フロー中の感知色）がＣ色であると、制御装置１２は正規の順番が維持されていると判断し、さらに次に感知予定の色をＤ色に定める。ここで例えば次の感知色がＤ色以外、例えば図４に示すようにＣ色のティッシュカートン２Ｃが感知されると、制御装置１２は順番が異なっていると判断し、電磁弁３１を所定のタイミングで解放させる。これによって図５に示すように、順番の異なるＣ色のティッシュカートン２Ｃに向けてエアーが噴射され、当該ティッシュカートン２Ｃが排出シュート２０へ弾き出される。制御装置１２は、次の感知色がＤ色になるまで排出を繰り返す。以降は同様に、一回の感知結果毎に順序がチェックされ、必要に応じて排出動作がなされる。
【００２０】
このように、ティッシュカートン２Ａ〜２Ｅの種類が、その直前に感知されたティッシュカートンの種類に対して所定順序に従ったものでないとき、その順序の異なるティッシュカートンを排出することによって、自動でティッシュカートンの搬送順序チェック及び順序調整を行うことができるようになる。このような制御は、非常に簡単なシーケンス制御によって達成することができる。また、本例のように順序の異なるティッシュカートンをエアー噴射により弾き出すようにすると、手作業で排除したりする場合等と比べて、ティッシュカートンを傷めずに一瞬で排出させることができるという利点がある。
【００２１】
＜その他＞
（イ）上記例は色によりティッシュカートン２Ａ〜２Ｅを感知し判別するように構成したが、ティッシュカートン相互において模様やマーク、カートン形状等が異なる場合には、色に代えて又は色とともに、模様等を感知し判別するように構成することもできる。
【００２２】
（ロ）上記例では、ティッシュカートンの排出装置としてエアー噴射手段３０〜３３を用いたが、本発明はこれに限られず、例えば図示しないが移送装置１の一方側脇部から適宜の作動部材をティッシュカートン２Ａ〜２Ｅに衝突させて弾き出すようにしても良い。ただし、エアー噴射手段３０〜３３を用いたほうが、ティッシュカートン２Ａ〜２Ｅを傷め難いので好ましい。
【００２３】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば自動でティッシュカートンの搬送順序チェック及び順序調整を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るティッシュカートンの検査装置例の正面（排出シュート省略）と、センサーおよび制御装置等を示す概略図である。
【図２】本発明に係るティッシュカートンの検査装置例の要部を示す平面図である。
【図３】制御装置の制御フロー図である。
【図４】排出要領を示す要部平面図である。
【図５】排出要領を示す要部平面図である。
【符号の説明】
１…ベルトコンベア（移送装置）、１ｆ…移送面、２Ａ〜２Ｅ…ティッシュカートン、１０…カメラ、１１…出力ユニット、１２…制御装置、２０…排出シュート（排出部）、３０…エアー噴射ノズル、３１…電磁弁、３２…圧縮エアータンク、３３…エアー補給ポンプ、

Claims (4)

1. 外装種類の異なる複数個のティッシュカートンを所定順序で移送する移送装置と、
   この移送装置によって移送されるティッシュカートンの外装の種類を順次感知する外装センサーと、
   この外装センサーの下流側にあって前記移送中のティッシュカートンを前記移送装置から排出させるための排出装置と、
   前記外装センサーによる感知結果に基づいて前記センサーを通過するティッシュカートンの順序を監視するとともに、その監視の結果前記所定順序とは異なるティッシュカートンを排出するように前記排出装置を作動させる制御装置とを備えた、
   ことを特徴とするティッシュカートンの検査装置。
2. 前記制御装置は、前記外装センサーにより感知されたティッシュカートンの種類が、その直前に感知されたティッシュカートンの種類に対して前記所定順序に従ったものでないとき、その順序の異なるティッシュカートンを排出するように前記排出装置を作動させるように構成されている、請求項１記載のティッシュカートンの検査装置。
3. 前記移送装置はティッシュカートンを移送面に載置した状態で移送するように構成され、
   前記排出装置は、前記移送装置の一方側脇部に設けられた排出部と、この排出部の反対側脇部から前記移送面上のティッシュカートンに向けてエアーを噴射し、当該ティッシュカートンを前記排出部へ弾き出すエアー噴射手段とから構成された、請求項１または２記載のティッシュカートンの検査装置。
4. 前記外装センサーとして、ティッシュカートンの外装の色を感知するカラーセンサーを用い、外装色の異なる複数個のティッシュカートンの順序を検査するように構成された、請求項１〜３のいずれか１項に記載のティッシュカートンの検査装置。

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