JP3636854B2 - 二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二輪車に装着される二輪車用空気入りタイヤに係り、特に、砂地走行を主体とした競技に適した二輪車用空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
主として砂地を走行する二輪車には、ブロックパターンを有した二輪車用空気入りタイヤが装着される。
【0003】
従来、この種のブロックパターンを有する二輪車用空気入りタイヤは、路面(砂地)を掻くことを主体として考えられており、これによって有効なトラクション性能を引き出している。
【0004】
このため、接地面へ立てた法線に対するブロックのタイヤ周方向壁面の角度を比較的小さく取り、また、タイヤ周方向のブロックとブロックの間隔も比較的大きく空ける様なパターン配置のものが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のブロックパターンの二輪車用空気入りタイヤは、特に砂地等を主体として走行する場合は、いわゆる掻くことにより逆に砂を後方へ排出し過ぎるため、かえってトラクションを低下させてしまう事が判明した。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、砂地において大きなトラクションを得ることのできる二輪車用空気入りタイヤを提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
種々の実験検討を重ねた結果、砂地走行では、砂を掻かずにいかに砂を押さえ付け、フローテーション走行(砂地走行)が得られるかで、いわゆるトラクションレベルの向上を図ることができることが判明した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、トレッドに複数のブロックが形成された二輪車用空気入りタイヤであって、接地面へ立てた法線に対する前記ブロックのタイヤ周方向壁面の角度をθ、タイヤ周方向に隣接するブロック同士のブロック接地レベルで計測した間隔をS、ブロックの高さをhとしたときに、トレッド中央領域においては、前記角度θは15°<θ<30°であり、前記間隔Sと高さhと角度θとの関係は0.5<(S−2h・tanθ)/S<0.8であることを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤでは、トレッド中央領域において、タイヤ周方向壁面の角度θを15°<θ<30°、タイヤ周方向に隣接するブロック同士のブロック接地レベルで計測した間隔Sとブロックの高さhとタイヤ周方向壁面の角度θとの関係を0.5<(S−2h・tanθ)/S<0.8としたので、砂地走行の際に、砂の掻き過ぎを防止でき、砂を押さえ付けて大きなトラクションを得ることができる。
【0010】
ここで、トレッド中央領域とは、トレッドペリフェリ長さ(トレッドの表面に沿って計測した一方のトレッド端から他方のトレッド端までの長さ)を均等に4分割した際の内側の2つの領域(1/4点の内側の領域)をいい、特に、砂地走行におけるトラクションに関係する領域である。
【0011】
なお、タイヤ周方向壁面の角度θは、ブロックが路面へ接する際の食い込み角度となるため、低すぎると路面を掻き過ぎ、大きすぎると有効トラクションを得難くなる。
【0012】
タイヤ周方向壁面の角度θが15°以下になると、従来タイヤと同様に砂を掻き過ぎることにつながり、トラクションレベルを向上できない。一方、タイヤ周方向壁面の角度θが30°を越えると、ブロックが滑って有効トラクションが得にくくなる。
【0013】
また、ブロックの周方向配列も、ブロックと、このブロックが路面に接するときの前(踏み込み側)のブロックとの位置関係及び大きさが、上記砂の掻き過ぎにつながる。
【0014】
このため、タイヤ周方向に隣接するブロック同士のブロック接地レベルで計測した間隔Sとブロックの高さhとタイヤ周方向壁面の角度θとの関係を0.5<(S−2h・tanθ)/S<0.8とする。
【0015】
ここで、(S−2h・tanθ)/Sの値が0.5以下になると、従来タイヤと同様に砂を掻き過ぎることになり、トラクションレベルを向上できない。一方、(S−2h・tanθ)/Sの値が0.8を越えると、ブロックが滑って有効トラクションが得にくくなる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記角度θは18°<θ<25°であり、前記間隔Sと高さhと角度θとの関係は0.55<(S−2h・tanθ)/S<0.75であることを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤでは、タイヤ周方向壁面の角度θを18°<θ<25°、タイヤ周方向に隣接するブロックとブロックの接地面で計測した間隔Sとブロックの高さhとタイヤ周方向壁面の角度θとの関係を0.55<(S−2h・tanθ)/S<0.75としたので、砂地走行の際の砂の掻き過ぎ防止能力を最も高いレベルに維持でき、砂の押さえ付け能力も最も高いレベルに維持できる。これによって、確実に大きなトラクションを得ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記高さhは前輪用で10mm<h<14mm、後輪用で12mm<h<17mmであり、接地面で計測したブロックのタイヤ周方向長さWは前輪用で15mm<W<20mm、後輪用で20mm<W<28mmであり、前記間隔Sと前記タイヤ周方向長さWとの比W/Sは、0.6<W/S<0.8であることを特徴としている。
【0019】
請求項3に記載の二輪車用空気入りタイヤでは、ブロックの高さhを前輪用で10mm<h<14mm、後輪用で12mm<h<17mmとし、ブロックの接地面で計測したタイヤ周方向長さWを前輪用で15mm<W<20mm、後輪用で20mm<W<28mmとし、さらに、間隔Sとタイヤ周方向長さWとの比W/Sを0.6<W/S<0.8としたので、より大きなトラクションレベルを得ることができるとと共に、砂地走行に際してのブロックの耐久性を確保できる。
【0020】
前述したように、ブロックの周方向配列は、ブロックと、このブロックが路面に接するときの前(踏み込み側)のブロックとの位置関係及び大きさが、上記砂の掻き過ぎにつながるため、ブロックの高さh、タイヤ周方向長さW、さらに、間隔Sとタイヤ周方向長さWとの比W/Sを上記のように規定することが重要である。
【0021】
ここで、ブロックのタイヤ周方向長さWが上記範囲よりも小さくなると、ブロックの耐久性が低下し、ブロック欠け等を生じる場合がある。一方、ブロックのタイヤ周方向長さWが上記範囲よりも大きくなると、ブロックが砂地に食い込み難くなり、トラクションを得難くなる。
【0022】
また、ブロックの高さhが上記範囲よりも小さくなると、砂地に食い込むブロックの寸法が短くなり、トラクションを得難くなる。一方、ブロックの高さhが上記範囲よりも高くなると、砂を掻き過ぎることになり、トラクションレベルを向上できない。
【0023】
なお、ブロックのタイヤ周方向長さWの絶対値は、砂地への食い込み、耐久性に寄与するため、前輪用では15〜20mm、後輪(駆動輪)用では20〜28mmが必要である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の二輪車用空気入りタイヤの一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。なお、タイヤの内部構造は通常の一般周知の二輪車用空気入りタイヤと同様の構造であるので説明は省略する。
【0025】
図1は、二輪車用空気入りタイヤ10(タイヤサイズ:140/80−18)のトレッド12の展開図である。
【0026】
トレッド12には、トレッド中央領域14に各々形状が異なるブロック16A、ブロック16B及びブロック16Cが設けられ、トレッド中央領域14とトレッド端側領域18とに跨がるように各々形状が異なるブロック16D、ブロック16Eが設けられ、トレッド端側領域18に各々形状が異なるブロック16F、ブロック16G及びブロック16Hが設けられている。
【0027】
ここで、トレッド中央領域14とは、一方のトレッド端20Aと他方のトレッド端20Bとの間を4等分したときのタイヤ赤道面CL側の2つの領域であり、トレッド端側領域18は、トレッド中央領域14のタイヤ幅方向両側の領域である。
【0028】
トレッド中央領域14に形成されるブロック16においては、図2に示すように、接地面22へ立てた法線24に対するタイヤ周方向壁面26の壁面角度θは、前輪用及び後輪用共に15°<θ<30°である。
【0029】
ブロック高さhは、前輪用で10mm<h<14mmである。一方、後輪用においては、ブロック高さhは、12mm<h<17mmである。
【0030】
タイヤ周方向ブロック長さWは、前輪用で15mm<W<20mmである。一方、後輪用においては、タイヤ周方向ブロック長さWは、20mm<W<28mmである。
【0031】
タイヤ周方向に隣接するブロック同士のブロック接地レベルで計測したブロック間隔をSとブロック高さhと壁面角度θとの関係は0.5<(S−2h・tanθ)/S<0.8であり、0.55<(S−2h・tanθ)/S<0.75がより好ましい。
【0032】
ブロック間隔Sとタイヤ周方向ブロック長さWとの関係は0.6<W/S<0.8である。
【0033】
タイヤ周方向ブロック長さWの絶対値は、砂地への食い込み、耐久性に寄与するため、前輪用では15〜20mmである。一方、後輪(駆動輪)用では、タイヤ周方向ブロック長さWの絶対値は、20〜28mmである。
【0034】
上記のようにトレッド中央領域14の各部の関係を規定することにより、砂地走行時における砂の掻き過ぎを防止し、砂を押さえ付けて大きなトラクションを得ることができ、また、ブロック耐久性も確保できる。
【0035】
なお、トレッド端側領域18においても上記のような規定を適用しても良いのは勿論である。
(試験例)
本発明の適用された実施例タイヤ1種及び従来例タイヤ2種をオフロードバイク(排気量400cc)の後輪に装着して砂地走行試験を行い、トラクションレベルの比較を行った。
【0036】
タイヤサイズは、実施例タイヤ1種及び従来例タイヤ2種共に140/80−18である。
【0037】
試験コース、テスト方法、評価方法:大井川河川敷特設コースにて400ccオフロードバイクによる実車走行テストを行い、2名のライダーによりフィーリング評価化を行った。
【0038】
供試タイヤの主な諸元及び試験結果は以下の表1に記載する通りである。
なお、評価は、従来タイヤ1を100とする指数表示であり、数値が大きいほどトラクションレベルが高いことを示す。
【0039】
【表1】
【0040】
上記試験結果に示す通り、本発明の適用された実施例タイヤは、砂地トラクションレベルが従来例タイヤ1,2に比較して大幅に向上している。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤは上記の構成としたので、砂地において大きなトラクションを得ることができる、という優れた効果を有する。
【0042】
請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤは上記の構成としたので、大きなトラクションを確実に得ることができる、という優れた効果を有する。
【0043】
また、請求項3に記載の二輪車用空気入りタイヤは上記の構成としたので、より大きなトラクションを得ることができ、また、ブロックの耐久性を確保できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤのトレッドの展開図である。
【図2】図1に示す二輪車用空気入りタイヤに2−2線断面図である。
【符号の説明】
10 二輪車用空気入りタイヤ
12 トレッド
16A ブロック
16B ブロック
16C ブロック
16D ブロック
16E ブロック
16F ブロック
16G ブロック
16H ブロック
【発明の属する技術分野】
本発明は二輪車に装着される二輪車用空気入りタイヤに係り、特に、砂地走行を主体とした競技に適した二輪車用空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
主として砂地を走行する二輪車には、ブロックパターンを有した二輪車用空気入りタイヤが装着される。
【0003】
従来、この種のブロックパターンを有する二輪車用空気入りタイヤは、路面(砂地)を掻くことを主体として考えられており、これによって有効なトラクション性能を引き出している。
【0004】
このため、接地面へ立てた法線に対するブロックのタイヤ周方向壁面の角度を比較的小さく取り、また、タイヤ周方向のブロックとブロックの間隔も比較的大きく空ける様なパターン配置のものが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のブロックパターンの二輪車用空気入りタイヤは、特に砂地等を主体として走行する場合は、いわゆる掻くことにより逆に砂を後方へ排出し過ぎるため、かえってトラクションを低下させてしまう事が判明した。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、砂地において大きなトラクションを得ることのできる二輪車用空気入りタイヤを提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
種々の実験検討を重ねた結果、砂地走行では、砂を掻かずにいかに砂を押さえ付け、フローテーション走行(砂地走行)が得られるかで、いわゆるトラクションレベルの向上を図ることができることが判明した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、トレッドに複数のブロックが形成された二輪車用空気入りタイヤであって、接地面へ立てた法線に対する前記ブロックのタイヤ周方向壁面の角度をθ、タイヤ周方向に隣接するブロック同士のブロック接地レベルで計測した間隔をS、ブロックの高さをhとしたときに、トレッド中央領域においては、前記角度θは15°<θ<30°であり、前記間隔Sと高さhと角度θとの関係は0.5<(S−2h・tanθ)/S<0.8であることを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤでは、トレッド中央領域において、タイヤ周方向壁面の角度θを15°<θ<30°、タイヤ周方向に隣接するブロック同士のブロック接地レベルで計測した間隔Sとブロックの高さhとタイヤ周方向壁面の角度θとの関係を0.5<(S−2h・tanθ)/S<0.8としたので、砂地走行の際に、砂の掻き過ぎを防止でき、砂を押さえ付けて大きなトラクションを得ることができる。
【0010】
ここで、トレッド中央領域とは、トレッドペリフェリ長さ(トレッドの表面に沿って計測した一方のトレッド端から他方のトレッド端までの長さ)を均等に4分割した際の内側の2つの領域(1/4点の内側の領域)をいい、特に、砂地走行におけるトラクションに関係する領域である。
【0011】
なお、タイヤ周方向壁面の角度θは、ブロックが路面へ接する際の食い込み角度となるため、低すぎると路面を掻き過ぎ、大きすぎると有効トラクションを得難くなる。
【0012】
タイヤ周方向壁面の角度θが15°以下になると、従来タイヤと同様に砂を掻き過ぎることにつながり、トラクションレベルを向上できない。一方、タイヤ周方向壁面の角度θが30°を越えると、ブロックが滑って有効トラクションが得にくくなる。
【0013】
また、ブロックの周方向配列も、ブロックと、このブロックが路面に接するときの前(踏み込み側)のブロックとの位置関係及び大きさが、上記砂の掻き過ぎにつながる。
【0014】
このため、タイヤ周方向に隣接するブロック同士のブロック接地レベルで計測した間隔Sとブロックの高さhとタイヤ周方向壁面の角度θとの関係を0.5<(S−2h・tanθ)/S<0.8とする。
【0015】
ここで、(S−2h・tanθ)/Sの値が0.5以下になると、従来タイヤと同様に砂を掻き過ぎることになり、トラクションレベルを向上できない。一方、(S−2h・tanθ)/Sの値が0.8を越えると、ブロックが滑って有効トラクションが得にくくなる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記角度θは18°<θ<25°であり、前記間隔Sと高さhと角度θとの関係は0.55<(S−2h・tanθ)/S<0.75であることを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤでは、タイヤ周方向壁面の角度θを18°<θ<25°、タイヤ周方向に隣接するブロックとブロックの接地面で計測した間隔Sとブロックの高さhとタイヤ周方向壁面の角度θとの関係を0.55<(S−2h・tanθ)/S<0.75としたので、砂地走行の際の砂の掻き過ぎ防止能力を最も高いレベルに維持でき、砂の押さえ付け能力も最も高いレベルに維持できる。これによって、確実に大きなトラクションを得ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記高さhは前輪用で10mm<h<14mm、後輪用で12mm<h<17mmであり、接地面で計測したブロックのタイヤ周方向長さWは前輪用で15mm<W<20mm、後輪用で20mm<W<28mmであり、前記間隔Sと前記タイヤ周方向長さWとの比W/Sは、0.6<W/S<0.8であることを特徴としている。
【0019】
請求項3に記載の二輪車用空気入りタイヤでは、ブロックの高さhを前輪用で10mm<h<14mm、後輪用で12mm<h<17mmとし、ブロックの接地面で計測したタイヤ周方向長さWを前輪用で15mm<W<20mm、後輪用で20mm<W<28mmとし、さらに、間隔Sとタイヤ周方向長さWとの比W/Sを0.6<W/S<0.8としたので、より大きなトラクションレベルを得ることができるとと共に、砂地走行に際してのブロックの耐久性を確保できる。
【0020】
前述したように、ブロックの周方向配列は、ブロックと、このブロックが路面に接するときの前(踏み込み側)のブロックとの位置関係及び大きさが、上記砂の掻き過ぎにつながるため、ブロックの高さh、タイヤ周方向長さW、さらに、間隔Sとタイヤ周方向長さWとの比W/Sを上記のように規定することが重要である。
【0021】
ここで、ブロックのタイヤ周方向長さWが上記範囲よりも小さくなると、ブロックの耐久性が低下し、ブロック欠け等を生じる場合がある。一方、ブロックのタイヤ周方向長さWが上記範囲よりも大きくなると、ブロックが砂地に食い込み難くなり、トラクションを得難くなる。
【0022】
また、ブロックの高さhが上記範囲よりも小さくなると、砂地に食い込むブロックの寸法が短くなり、トラクションを得難くなる。一方、ブロックの高さhが上記範囲よりも高くなると、砂を掻き過ぎることになり、トラクションレベルを向上できない。
【0023】
なお、ブロックのタイヤ周方向長さWの絶対値は、砂地への食い込み、耐久性に寄与するため、前輪用では15〜20mm、後輪(駆動輪)用では20〜28mmが必要である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の二輪車用空気入りタイヤの一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。なお、タイヤの内部構造は通常の一般周知の二輪車用空気入りタイヤと同様の構造であるので説明は省略する。
【0025】
図1は、二輪車用空気入りタイヤ10(タイヤサイズ:140/80−18)のトレッド12の展開図である。
【0026】
トレッド12には、トレッド中央領域14に各々形状が異なるブロック16A、ブロック16B及びブロック16Cが設けられ、トレッド中央領域14とトレッド端側領域18とに跨がるように各々形状が異なるブロック16D、ブロック16Eが設けられ、トレッド端側領域18に各々形状が異なるブロック16F、ブロック16G及びブロック16Hが設けられている。
【0027】
ここで、トレッド中央領域14とは、一方のトレッド端20Aと他方のトレッド端20Bとの間を4等分したときのタイヤ赤道面CL側の2つの領域であり、トレッド端側領域18は、トレッド中央領域14のタイヤ幅方向両側の領域である。
【0028】
トレッド中央領域14に形成されるブロック16においては、図2に示すように、接地面22へ立てた法線24に対するタイヤ周方向壁面26の壁面角度θは、前輪用及び後輪用共に15°<θ<30°である。
【0029】
ブロック高さhは、前輪用で10mm<h<14mmである。一方、後輪用においては、ブロック高さhは、12mm<h<17mmである。
【0030】
タイヤ周方向ブロック長さWは、前輪用で15mm<W<20mmである。一方、後輪用においては、タイヤ周方向ブロック長さWは、20mm<W<28mmである。
【0031】
タイヤ周方向に隣接するブロック同士のブロック接地レベルで計測したブロック間隔をSとブロック高さhと壁面角度θとの関係は0.5<(S−2h・tanθ)/S<0.8であり、0.55<(S−2h・tanθ)/S<0.75がより好ましい。
【0032】
ブロック間隔Sとタイヤ周方向ブロック長さWとの関係は0.6<W/S<0.8である。
【0033】
タイヤ周方向ブロック長さWの絶対値は、砂地への食い込み、耐久性に寄与するため、前輪用では15〜20mmである。一方、後輪(駆動輪)用では、タイヤ周方向ブロック長さWの絶対値は、20〜28mmである。
【0034】
上記のようにトレッド中央領域14の各部の関係を規定することにより、砂地走行時における砂の掻き過ぎを防止し、砂を押さえ付けて大きなトラクションを得ることができ、また、ブロック耐久性も確保できる。
【0035】
なお、トレッド端側領域18においても上記のような規定を適用しても良いのは勿論である。
(試験例)
本発明の適用された実施例タイヤ1種及び従来例タイヤ2種をオフロードバイク(排気量400cc)の後輪に装着して砂地走行試験を行い、トラクションレベルの比較を行った。
【0036】
タイヤサイズは、実施例タイヤ1種及び従来例タイヤ2種共に140/80−18である。
【0037】
試験コース、テスト方法、評価方法:大井川河川敷特設コースにて400ccオフロードバイクによる実車走行テストを行い、2名のライダーによりフィーリング評価化を行った。
【0038】
供試タイヤの主な諸元及び試験結果は以下の表1に記載する通りである。
なお、評価は、従来タイヤ1を100とする指数表示であり、数値が大きいほどトラクションレベルが高いことを示す。
【0039】
【表1】
【0040】
上記試験結果に示す通り、本発明の適用された実施例タイヤは、砂地トラクションレベルが従来例タイヤ1,2に比較して大幅に向上している。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤは上記の構成としたので、砂地において大きなトラクションを得ることができる、という優れた効果を有する。
【0042】
請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤは上記の構成としたので、大きなトラクションを確実に得ることができる、という優れた効果を有する。
【0043】
また、請求項3に記載の二輪車用空気入りタイヤは上記の構成としたので、より大きなトラクションを得ることができ、また、ブロックの耐久性を確保できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る二輪車用空気入りタイヤのトレッドの展開図である。
【図2】図1に示す二輪車用空気入りタイヤに2−2線断面図である。
【符号の説明】
10 二輪車用空気入りタイヤ
12 トレッド
16A ブロック
16B ブロック
16C ブロック
16D ブロック
16E ブロック
16F ブロック
16G ブロック
16H ブロック
Claims (3)
- トレッドに複数のブロックが形成された二輪車用空気入りタイヤであって、
接地面へ立てた法線に対する前記ブロックのタイヤ周方向壁面の角度をθ、タイヤ周方向に隣接するブロック同士のブロック接地レベルで計測した間隔をS、ブロックの高さをhとしたときに、トレッド中央領域においては、前記角度θは15°<θ<30°であり、前記間隔Sと高さhと角度θとの関係は0.5<(S−2h・tanθ)/S<0.8であることを特徴とする二輪車用空気入りタイヤ。 - 前記角度θは18°<θ<25°であり、前記間隔Sと高さhと角度θとの関係は0.55<(S−2h・tanθ)/S<0.75であることを特徴とする請求項1に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
- 前記高さhは前輪用で10mm<h<14mm、後輪用で12mm<h<17mmであり、
接地面で計測したブロックのタイヤ周方向長さWは前輪用で15mm<W<20mm、後輪用で20mm<W<28mmであり、
前記間隔Sと前記タイヤ周方向長さWとの比W/Sは、0.6<W/S<0.8であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二輪車用空気入りタイヤ。
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JP34908596A JP3636854B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 二輪車用空気入りタイヤ |
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JPH10181313A JPH10181313A (ja) | 1998-07-07 |
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ID=18401396
Family Applications (1)
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JP34908596A Expired - Fee Related JP3636854B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 二輪車用空気入りタイヤ |
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Families Citing this family (4)
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