JP3550332B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐ハイドロプレーニング性能を向上させたトレッド溝を有する空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】
自動車用の空気入りタイヤのトレッド溝は、乾燥していない路面、及び固まっていない泥濘な路面等でもタイヤのグリップを確保するために形成される。路面が濡れている場合、路面との接触を保証するために、トレッド溝を通して水が排出されなければならない。
【0003】
それにも拘わらず、走行速度がある速度以上に達するとタイヤが路面上の水膜によって浮き上がる所謂ハイドロプレーニングを生じさせることは、今日でもまだ完全に克服することができてないことを意味する。
【0004】
そこで本発明の目的は、排水性が改善され高速でもタイヤの浮き上がりを防止でき、冒頭に述べた耐ハイドロプレーニング性能を向上させうる空気入りタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の本発明は、トレッド部に、タイヤ進行方向に向かってタイヤ赤道側からトレッド縁側に傾斜しかつ湾曲してのびる湾曲溝を少なくとも含むトレッド溝を形成するとともに、
タイヤ回転時、前記湾曲溝は、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧、正規荷重を付加した荷重状態においてタイヤを90km/hの周速度で回転させたときに接地するトレッド接地面のタイヤ進行方向の前方側輪郭線に対し、実質的に直交することを特徴としている。
【0006】
また請求項1で記載のとトレッド接地面とは、前記荷重状態においてタイヤを90km/hの周速度で回転させたときに接地するトレッド接地面であることを特徴としている。
【0007】
また請求項2の発明では、前記湾曲溝は、この湾曲溝に周方向で隣り合う湾曲溝と、少なくとも1本の連結溝によって導通したことを特徴としている。
【0008】
このように、前記湾曲溝が、トレッド接地面の前方側輪郭線に対し、タイヤ回転時、常に直交するように形成されることにより、水がトレッド接地面から排出されるために進まなければならない行程が最小限に短縮される。この短い行程により、水を排出するための時間が最小限に低減されるのみならず、水がトレッド接地面から離れて比較的遠くに運ばれる。それにより、特に水の排出が効果的になる。
【0009】
それと同時に、前記湾曲溝は、騒音放出も最小限に抑制できる。湾曲溝は、トレッド接地面の前方側輪郭線に対して直角にのびるため、接地する際の路面と溝エッジとの衝撃が低く抑えられ、これにより最低限の騒音放出が達成される。
【0010】
なお前方側輪郭線は、この輪郭線上にある全てのトレッド陸部がタイヤ回転時に同時に路面にぶつかる線でもある。従って、騒音放出にとって最も不都合になるのは、トレッド溝が前方側輪郭線と平行となり、溝エッジが同時に路面にぶつかる場合であるが、このような不都合が前記湾曲溝の形状によって確実に防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示例とともに説明する。なお図1は、本発明の一実施例の空気入りタイヤのトレッド接地面を示している。
【0012】
図において、空気入りタイヤは、トレッド部Tに、タイヤ進行方向F側に向かってタイヤ赤道側からトレッド縁側に傾斜しかつ湾曲してのびる湾曲溝2を少なくとも含むトレッド溝10を具えている。
【0013】
この湾曲溝2は、本例では、タイヤ赤道Cからタイヤ軸方向外側に小距離Lを隔てた内端2iからトレッド縁で開口する外端2oまで、タイヤ進行方向Fの前方に向かって弓状に傾斜かつ湾曲してしてのびる。その際、湾曲溝2は、タイヤ回転時、常に、トレッド接地面TSのタイヤ進行方向Fの前方側輪郭線K1に対して、実質的に直交するように、その湾曲形状が設定されている。なお前記小距離Lは、前記トレッド接地面TSの巾Wの0.15倍以下の距離を意味する。
【0014】
ここで、前記「トレッド接地面TS」とは、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧、正規荷重を付加した荷重状態においてタイヤが接地するトレッド面の領域を意味する。
【0015】
なお「正規リム」とは、JATMAで規定する標準リム、TRAで規定する ”Design Rim” 、或いはETRTOで規定する ”Measuring Rim”であり、「正規 内圧」とは、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 ”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES” に記載の最大値、ETRTOであ れば ”INFLATION PRESSURE” であるが、タイヤが乗用車用である場合には180 KPaとする。さらに「正規荷重」とは、JATMAであれば最大負荷能力、T RAであれば表 ”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES” に 記載の最大値、ETRTOであれば ”LOAD CAPACITY”である。
【0016】
前記トレッド接地面TSは、タイヤ子午断面におけるトレッドクラウン形状、及びカーカス、ベルト、バンド等を含むタイヤ内部構造に応じた、タイヤ毎の固有の形状として付与され、通常は、静止状態において測定する。しかし、このトレッド接地面TSの形状は、車速が増加するにつれて変化する場合があり、従って、湾曲溝2の湾曲形状を設定する際、特にハイドロプレーニングの発生速度に近い90km/hの周速度で回転させたときのトレッド接地面TSを適用することが、より優れた耐ハイドロプレーニング性能を発揮させる上で最も好ましい。
【0017】
なお図1には、前記トレッド接地面TSを楕円状に簡略化して示しており、また同図には、タイヤ進行方向を矢印Fで示すとともに、前記トレッド接地面TSの前方側輪郭線K1を図面上側に円弧状に描いている。
【0018】
従って、前記湾曲溝2の曲線形状は、楕円状のトレッド接地面TSでは、タイヤ軸方向をx軸、タイヤ周方向をy軸としたとき、次式(1)で設定されることになる。
【0019】
【数1】
【0020】
式中、rは前方側輪郭線K1を円弧で近似したときの曲率半径である。上式(1)は当然ながら実際の湾曲溝2の形状に近似する。
【0021】
図2に、湾曲溝2の湾曲形状、及びこの湾曲溝2と前方側輪郭線K1との関係が、タイヤ回転時における接地の時間的推移とともに示されている。タイヤ回転時に推移する前方側輪郭線K1の各位置を、下から上へ等間隔(Δt)で連続する時間tを基準として表しており、湾曲溝2が、前方側輪郭線K1に対して常に垂直にのびているのがわかる。これにより、水は常に最短距離でトレッド接地面TSから接地面外に排出される。しかも水がトレッド接地面TSから離れて比較的遠くに運ばれるため、排水能力が極めて効果的に向上される。
【0022】
又本例では、前記トレッド溝10は、前記湾曲溝2に加え、タイヤ赤道C上をタイヤ周方向にのびる中央の縦溝4と、該中央の縦溝4の両側でタイヤ周方向にのびる側の縦溝5、5と、タイヤ周方向で隣り合う前記湾曲溝2、2間を互いに導通する少なくとも1本の連結溝6とを具える場合を例示している。
【0023】
前記中央の縦溝4は、図1から明らかなように、前記前方側輪郭線K1に対して直角に交差してのび、従って、前記湾曲溝2と同様に、高い排水効果を発揮する。
【0024】
又この中央の縦溝4のタイヤ軸方向両外側には、周方向に実質的に連続してのびる周方向リブ3、3が形成されており、前記湾曲溝2の内端2iは、前記中央の縦溝4に接続することなく、この周方向リブ3内で終端する。これによって、トレッドパターンの周方向剛性が高く付与され、優れた操縦安定性、転動性、乗り心地性を確保できる。なお中央の縦溝4を形成しない場合には、タイヤ赤道C上を通る1本の周方向リブ3が形成されることとなる。
【0025】
又周方向リブ3のタイヤ軸方向外側は、本例では、前記側の縦溝5によって区画される。この側の縦溝5は、前記湾曲溝2と交差し互いに導通する。本例では、側の縦溝5は湾曲溝2の前記内端2iよりもタイヤ軸方向外側を通る場合を例示しているが、内端2i上に形成しても良い。これによって、側の縦溝5自体の排水効果、及び水を複数の湾曲溝2に分散する効果と相俟って、タイヤ全体の排水性をさらに向上させることができる。
【0026】
又前記連結溝6は、タイヤ周方向に対して30〜60度、本例では約45度の角度を有して傾斜してのび、主として路面上の水膜を切断する効果、及び水を複数の湾曲溝2に分散する効果を担っている。
【0027】
このようなトレッド溝10を形成した空気入りタイヤは、特に騒音発生も少ないという利点がある。その理由は、前述した如く、前方側輪郭線K1と平行となり、接地する際に溝エッジが同時に路面にぶつかるような溝の形成が無いからである。
【0028】
次に、図3に本発明に基づくトレッド溝10の他の実施態様を例示する。
本例では、前記トレッド溝10は、同様に弓状に湾曲した湾曲溝2と、中央の縦溝4とを具えるが、図1の実施態様と異なり、側の縦溝5及び連結溝6を具備していない。又湾曲溝2は、内端2iがタイヤ赤道Cから小距離Lを隔てた第1の湾曲溝2Aと、前記小距離Lより大きい距離、即ち前記接地巾Wの0.15倍より大の距離を隔てた第2の湾曲溝2Bとからなる。
【0029】
各湾曲溝2A、2Bは、トレッド接地面TSの前方側輪郭線K1に対し、タイヤ回転時、常に直交するように形成される。なお本例では、第1の湾曲溝2A、2A間に、2本の第2の湾曲溝2Bが配される場合を例示しているが、第1、第2の湾曲溝2A、2Bを1本づつ交互に配することもできる。
【0030】
又湾曲溝2、2間にはブロック陸部7があり、このブロック陸部7は、前記中央の縦溝4のタイヤ軸方向の一方側、他方側では互いに接続されている。従って、パターン剛性が高く付与され、特にドライ路面において、優れた走行性能を発揮できる。
【0031】
なお本発明の空気入りタイヤでは、中央の縦溝4を排除できる、係る場合にも、上述の如く湾曲溝2に基づく好ましい性能を確保することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は叙上の如く構成しているため、排水性が改善され高速でもタイヤの浮き上がりを防止でき、耐ハイドロプレーニング性能を効果的に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の空気入りタイヤのトレッド接地面を示す平面図である。
【図2】湾曲溝の形状を接地の時間的推移とともに説明する線図である。
【図3】本発明の空気入りタイヤのトレッド溝の他の実施態様を示す平面図である。
【符号の説明】
2、2A、2B 湾曲溝
6 連結溝
10 トレッド溝
C タイヤ赤道
E トレッド縁
F タイヤ進行方向
K1 接地面の前方側輪郭線
T トレッド部
TS トレッド接地面
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐ハイドロプレーニング性能を向上させたトレッド溝を有する空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】
自動車用の空気入りタイヤのトレッド溝は、乾燥していない路面、及び固まっていない泥濘な路面等でもタイヤのグリップを確保するために形成される。路面が濡れている場合、路面との接触を保証するために、トレッド溝を通して水が排出されなければならない。
【0003】
それにも拘わらず、走行速度がある速度以上に達するとタイヤが路面上の水膜によって浮き上がる所謂ハイドロプレーニングを生じさせることは、今日でもまだ完全に克服することができてないことを意味する。
【0004】
そこで本発明の目的は、排水性が改善され高速でもタイヤの浮き上がりを防止でき、冒頭に述べた耐ハイドロプレーニング性能を向上させうる空気入りタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の本発明は、トレッド部に、タイヤ進行方向に向かってタイヤ赤道側からトレッド縁側に傾斜しかつ湾曲してのびる湾曲溝を少なくとも含むトレッド溝を形成するとともに、
タイヤ回転時、前記湾曲溝は、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧、正規荷重を付加した荷重状態においてタイヤを90km/hの周速度で回転させたときに接地するトレッド接地面のタイヤ進行方向の前方側輪郭線に対し、実質的に直交することを特徴としている。
【0006】
また請求項1で記載のとトレッド接地面とは、前記荷重状態においてタイヤを90km/hの周速度で回転させたときに接地するトレッド接地面であることを特徴としている。
【0007】
また請求項2の発明では、前記湾曲溝は、この湾曲溝に周方向で隣り合う湾曲溝と、少なくとも1本の連結溝によって導通したことを特徴としている。
【0008】
このように、前記湾曲溝が、トレッド接地面の前方側輪郭線に対し、タイヤ回転時、常に直交するように形成されることにより、水がトレッド接地面から排出されるために進まなければならない行程が最小限に短縮される。この短い行程により、水を排出するための時間が最小限に低減されるのみならず、水がトレッド接地面から離れて比較的遠くに運ばれる。それにより、特に水の排出が効果的になる。
【0009】
それと同時に、前記湾曲溝は、騒音放出も最小限に抑制できる。湾曲溝は、トレッド接地面の前方側輪郭線に対して直角にのびるため、接地する際の路面と溝エッジとの衝撃が低く抑えられ、これにより最低限の騒音放出が達成される。
【0010】
なお前方側輪郭線は、この輪郭線上にある全てのトレッド陸部がタイヤ回転時に同時に路面にぶつかる線でもある。従って、騒音放出にとって最も不都合になるのは、トレッド溝が前方側輪郭線と平行となり、溝エッジが同時に路面にぶつかる場合であるが、このような不都合が前記湾曲溝の形状によって確実に防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示例とともに説明する。なお図1は、本発明の一実施例の空気入りタイヤのトレッド接地面を示している。
【0012】
図において、空気入りタイヤは、トレッド部Tに、タイヤ進行方向F側に向かってタイヤ赤道側からトレッド縁側に傾斜しかつ湾曲してのびる湾曲溝2を少なくとも含むトレッド溝10を具えている。
【0013】
この湾曲溝2は、本例では、タイヤ赤道Cからタイヤ軸方向外側に小距離Lを隔てた内端2iからトレッド縁で開口する外端2oまで、タイヤ進行方向Fの前方に向かって弓状に傾斜かつ湾曲してしてのびる。その際、湾曲溝2は、タイヤ回転時、常に、トレッド接地面TSのタイヤ進行方向Fの前方側輪郭線K1に対して、実質的に直交するように、その湾曲形状が設定されている。なお前記小距離Lは、前記トレッド接地面TSの巾Wの0.15倍以下の距離を意味する。
【0014】
ここで、前記「トレッド接地面TS」とは、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧、正規荷重を付加した荷重状態においてタイヤが接地するトレッド面の領域を意味する。
【0015】
なお「正規リム」とは、JATMAで規定する標準リム、TRAで規定する ”Design Rim” 、或いはETRTOで規定する ”Measuring Rim”であり、「正規 内圧」とは、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 ”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES” に記載の最大値、ETRTOであ れば ”INFLATION PRESSURE” であるが、タイヤが乗用車用である場合には180 KPaとする。さらに「正規荷重」とは、JATMAであれば最大負荷能力、T RAであれば表 ”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES” に 記載の最大値、ETRTOであれば ”LOAD CAPACITY”である。
【0016】
前記トレッド接地面TSは、タイヤ子午断面におけるトレッドクラウン形状、及びカーカス、ベルト、バンド等を含むタイヤ内部構造に応じた、タイヤ毎の固有の形状として付与され、通常は、静止状態において測定する。しかし、このトレッド接地面TSの形状は、車速が増加するにつれて変化する場合があり、従って、湾曲溝2の湾曲形状を設定する際、特にハイドロプレーニングの発生速度に近い90km/hの周速度で回転させたときのトレッド接地面TSを適用することが、より優れた耐ハイドロプレーニング性能を発揮させる上で最も好ましい。
【0017】
なお図1には、前記トレッド接地面TSを楕円状に簡略化して示しており、また同図には、タイヤ進行方向を矢印Fで示すとともに、前記トレッド接地面TSの前方側輪郭線K1を図面上側に円弧状に描いている。
【0018】
従って、前記湾曲溝2の曲線形状は、楕円状のトレッド接地面TSでは、タイヤ軸方向をx軸、タイヤ周方向をy軸としたとき、次式(1)で設定されることになる。
【0019】
【数1】
【0020】
式中、rは前方側輪郭線K1を円弧で近似したときの曲率半径である。上式(1)は当然ながら実際の湾曲溝2の形状に近似する。
【0021】
図2に、湾曲溝2の湾曲形状、及びこの湾曲溝2と前方側輪郭線K1との関係が、タイヤ回転時における接地の時間的推移とともに示されている。タイヤ回転時に推移する前方側輪郭線K1の各位置を、下から上へ等間隔(Δt)で連続する時間tを基準として表しており、湾曲溝2が、前方側輪郭線K1に対して常に垂直にのびているのがわかる。これにより、水は常に最短距離でトレッド接地面TSから接地面外に排出される。しかも水がトレッド接地面TSから離れて比較的遠くに運ばれるため、排水能力が極めて効果的に向上される。
【0022】
又本例では、前記トレッド溝10は、前記湾曲溝2に加え、タイヤ赤道C上をタイヤ周方向にのびる中央の縦溝4と、該中央の縦溝4の両側でタイヤ周方向にのびる側の縦溝5、5と、タイヤ周方向で隣り合う前記湾曲溝2、2間を互いに導通する少なくとも1本の連結溝6とを具える場合を例示している。
【0023】
前記中央の縦溝4は、図1から明らかなように、前記前方側輪郭線K1に対して直角に交差してのび、従って、前記湾曲溝2と同様に、高い排水効果を発揮する。
【0024】
又この中央の縦溝4のタイヤ軸方向両外側には、周方向に実質的に連続してのびる周方向リブ3、3が形成されており、前記湾曲溝2の内端2iは、前記中央の縦溝4に接続することなく、この周方向リブ3内で終端する。これによって、トレッドパターンの周方向剛性が高く付与され、優れた操縦安定性、転動性、乗り心地性を確保できる。なお中央の縦溝4を形成しない場合には、タイヤ赤道C上を通る1本の周方向リブ3が形成されることとなる。
【0025】
又周方向リブ3のタイヤ軸方向外側は、本例では、前記側の縦溝5によって区画される。この側の縦溝5は、前記湾曲溝2と交差し互いに導通する。本例では、側の縦溝5は湾曲溝2の前記内端2iよりもタイヤ軸方向外側を通る場合を例示しているが、内端2i上に形成しても良い。これによって、側の縦溝5自体の排水効果、及び水を複数の湾曲溝2に分散する効果と相俟って、タイヤ全体の排水性をさらに向上させることができる。
【0026】
又前記連結溝6は、タイヤ周方向に対して30〜60度、本例では約45度の角度を有して傾斜してのび、主として路面上の水膜を切断する効果、及び水を複数の湾曲溝2に分散する効果を担っている。
【0027】
このようなトレッド溝10を形成した空気入りタイヤは、特に騒音発生も少ないという利点がある。その理由は、前述した如く、前方側輪郭線K1と平行となり、接地する際に溝エッジが同時に路面にぶつかるような溝の形成が無いからである。
【0028】
次に、図3に本発明に基づくトレッド溝10の他の実施態様を例示する。
本例では、前記トレッド溝10は、同様に弓状に湾曲した湾曲溝2と、中央の縦溝4とを具えるが、図1の実施態様と異なり、側の縦溝5及び連結溝6を具備していない。又湾曲溝2は、内端2iがタイヤ赤道Cから小距離Lを隔てた第1の湾曲溝2Aと、前記小距離Lより大きい距離、即ち前記接地巾Wの0.15倍より大の距離を隔てた第2の湾曲溝2Bとからなる。
【0029】
各湾曲溝2A、2Bは、トレッド接地面TSの前方側輪郭線K1に対し、タイヤ回転時、常に直交するように形成される。なお本例では、第1の湾曲溝2A、2A間に、2本の第2の湾曲溝2Bが配される場合を例示しているが、第1、第2の湾曲溝2A、2Bを1本づつ交互に配することもできる。
【0030】
又湾曲溝2、2間にはブロック陸部7があり、このブロック陸部7は、前記中央の縦溝4のタイヤ軸方向の一方側、他方側では互いに接続されている。従って、パターン剛性が高く付与され、特にドライ路面において、優れた走行性能を発揮できる。
【0031】
なお本発明の空気入りタイヤでは、中央の縦溝4を排除できる、係る場合にも、上述の如く湾曲溝2に基づく好ましい性能を確保することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は叙上の如く構成しているため、排水性が改善され高速でもタイヤの浮き上がりを防止でき、耐ハイドロプレーニング性能を効果的に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の空気入りタイヤのトレッド接地面を示す平面図である。
【図2】湾曲溝の形状を接地の時間的推移とともに説明する線図である。
【図3】本発明の空気入りタイヤのトレッド溝の他の実施態様を示す平面図である。
【符号の説明】
2、2A、2B 湾曲溝
6 連結溝
10 トレッド溝
C タイヤ赤道
E トレッド縁
F タイヤ進行方向
K1 接地面の前方側輪郭線
T トレッド部
TS トレッド接地面
Claims (2)
- トレッド部に、タイヤ進行方向に向かってタイヤ赤道側からトレッド縁側に傾斜しかつ湾曲してのびる湾曲溝を少なくとも含むトレッド溝を形成するとともに、
タイヤ回転時、前記湾曲溝は、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧、正規荷重を付加した荷重状態においてタイヤを90km/hの周速度で回転させたときに接地するトレッド接地面のタイヤ進行方向の前方側輪郭線に対し、実質的に直交することを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記湾曲溝は、この湾曲溝に周方向で隣り合う湾曲溝と、少なくとも1本の連結溝によって導通したことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
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