JP3636323B2 - カード処理装置およびカード処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード処理装置およびカード処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、現金の代わりに決済手段として機能する各種カード(クレジットカード,デビットカード決済に用いられるキャッシュカード,電子マネーを具備するICカード等)による決済が、広く利用されている。
【0003】
そこで、このような各種カードを用いた電子的決済を行う店舗等においては、図8に示すように、クレジットカードやデビットカード決済に用いられるキャッシュカード等の磁気ストライプに記憶されたデータを読み取るためのカード処理装置100や、電子マネーを具備するICカード、クレジットカードやデビットカード決済に用いられるキャッシュカード等のICチップに記憶されたデータの読取/書込を行うとともに暗証番号の入力を許容するカード処理装置101等を設置する必要がある。しかしながら、図8に示すように、各種カード(クレジットカード,デビットカード決済に用いられるキャッシュカード,電子マネーを具備するICカード等)に対応すべく複数種類のカード処理装置100,101を店舗に設置する場合には、広い設置スペースが必要となる。
【0004】
そこで、近年においては、1台で各種カード(クレジットカード,デビットカード決済に用いられるキャッシュカード,電子マネーを具備するICカード等)による決済処理に対応することができるカード処理装置の開発が進んでいる。
【0005】
ところで、クレジット決済に際しては、顧客から受け取ったクレジットカードを店員がカード処理装置に挿入し、サインの確認等全ての処理が終了した時点で顧客に返却するような運用を行っている。
【0006】
一方、デビットカード決済に際しては、サインの確認が不要なので店員が顧客からキャッシュカードを受け取る必要性はないことから、店員がキャッシュカードに触れなくても決済を完了することが可能になっている。
【0007】
そこで、近年においては、装置正面側及び装置背面側の双方向よりカードリーダに対するカードの挿入/排出を許容するとともに、カード決済の種別に応じてカードの搬送方向を変えて決済を行うようにしたカード処理装置が開発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、カード処理装置においては、カードが装置から抜き取られるまで監視を行うとともに、カードの抜き取りを促すメッセージを表示したり、カードの抜き取りを促す警告音や音声を発生するようにしたものがある。
【0009】
ところが、装置正面側及び装置背面側の双方向よりカードリーダに対するカードの挿入/排出を許容し、カード決済の種別に応じてカードの搬送方向を変えて決済を行うようにしたカード処理装置では、次のような問題が発生する。すなわち、カードを店員側に排出したにもかかわらずカードの抜き取りを促すメッセージを表示したり、カードの抜き取りを促す警告音や音声を発生した場合には、店員側にカードが排出されていることを知らない顧客は、顧客側に排出されていないカードを探すことになり、混乱を招く恐れがある。
【0010】
本発明は、カードの抜き取りを促す際に、顧客に不安感を与えることがないとともに、無用な混乱を回避することができるカード処理装置およびカード処理システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カード搬送経路の一部を形成し、カードを装置内に引き込み/装置外に排出するカード搬送手段と、前記カード搬送経路上に設けられ、前記カードの記憶部に対してデータ処理を施すカード処理部と、顧客に対面する装置正面側及び店員に対面する装置背面側にそれぞれ設けられ、前記カード搬送経路に連通する一対のカード挿入/排出口と、装置正面側に設けられたLCDと、前記カード処理部によるデータ処理の終了後に前記カード搬送手段によって前記各カード挿入/排出口へ排出された前記カードを検知する排出検知手段と、この排出検知手段により前記カードの排出が検知された場合、前記カードが装置正面側または装置背面側のどちらの前記カード挿入/排出口から排出されているかを、オペレータと客とにそれぞれ報知する報知手段と、を備え、前記報知手段は、前記カードが装置正面側の前記カード挿入/排出口から排出されている場合には前記カードを抜き取るべき旨を前記LCDに表示させ、前記カードが装置背面側の前記カード挿入/排出口から排出されている場合には前記カードを受け取るべき旨を前記LCDに表示させる。
【0012】
したがって、カード処理部によるデータ処理の終了後にカード挿入/排出口にカードが排出された場合、そのカードが装置正面側または装置背面側のどちらのカード挿入/排出口から排出されているかが、オペレータと客とにそれぞれ報知される。これにより、例えば、装置正面側及び装置背面側の双方向よりカードの挿入/排出を許容し、カード決済の種別に応じてカードの搬送方向を変えて決済を行うようにしたカード処理装置であっても、装置背面側である店員側にカードが排出されていることを顧客に適切に知らせることが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図7に基づいて説明する。本実施の形態のカード処理システムは、商品販売データ処理装置(外部機器)であるPOS(Point of Sales:販売時点管理)端末に対し、カード処理装置であるカード処理端末を接続したものである。
【0014】
ここで、図1はカード処理端末1を接続したPOS端末61を概略的に示す外観斜視図である。図1に示すように、POS端末61は、ドロワ62上に載置されている。このPOS端末61には、各種のキーが集合するキーボード63、図示しない鍵によってPOS端末61の動作モードを登録モード・設定モード・精算モード・点検モード等の各業務モードに切り替え設定するためのコントロールキー64、プリンタ65(図2参照)によって印字される取引レシート等を発行するレシート発行口66及びジャーナル窓67が設けられている。また、POS端末61の右側上方には、オペレータ側の表示部として機能するディスプレイ68が配置され、このディスプレイ68の近傍には客側の表示部として機能する客側ディスプレイ69が立設されている。さらに、このPOS端末61には、商品に付される商品コードを光学的に読み取るためのバーコードスキャナ70が接続されている。
【0015】
次に、POS端末61に備えられる各部の電気的接続を図2に基づいて説明する。図2に示すように、このPOS端末61は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)71を備えており、このマイコン71によってPOS端末61が備える各部を駆動制御する。マイコン71は、各部を集中的に駆動制御するCPU(Central Processing Unit)72に、アドレスバス、データバス等のバスライン73を介して、制御プログラム等の固定的データを予め格納するROM(Read Only Memory)74と、可変的なデータを書き換え自在に記憶してCPU72の作業エリアとして機能するRAM(Random Access Memory)75とが接続されて構成されている。このマイコン71が、前述したキーボード63、コントロールキー64、プリンタ65、ディスプレイ68、客側ディスプレイ69、バーコードスキャナ70等の各部をバスライン73と各種制御回路(図示せず)とを介して駆動制御する。
【0016】
さらに、マイコン71にはバスライン73を介して通信I/F76が接続されており、この通信I/F76によりPOS端末61に対してカード処理端末1等を接続可能にしている。
【0017】
次に、POS端末61に接続されるカード処理端末1について説明する。ここで、図3はカード処理端末1を正面側から見た状態を概略的に示す外観斜視図、図4はカード処理端末1を背面側から見た状態を概略的に示す外観斜視図、図5はその縦断側面図である。
【0018】
カード処理端末1は、箱型のボトムカバー2と、ボトムカバー2の上側に設けられるトップカバー3とによって構成される本体ケーシング4を有している。本体ケーシング4の正面(図3中手前側を正面側とする)には、水平方向に長いスリット形状を有して本体ケーシング4の内側と外側とを連通し、カードCを挿入/排出するためのカード挿入/排出口である正面連通口5が設けられている。一方、図4に示すように、本体ケーシング4の背面には、水平方向に長いスリット形状を有して本体ケーシング4の内側と外側とを連通し、正面連通口5と同様にカードCを挿入/排出するためのカード挿入/排出口である背面連通口6が設けられている。なお、背面連通口6は、本体ケーシング4の設置面からの高さが正面連通口5と同じ高さになるように位置付けられている。つまり、詳細については後述するが、本実施の形態のカード処理端末1は、正面連通口5及び背面連通口6を介した双方向からのカードCの挿入/排出が可能な構成になっている。そして、本実施の形態のカード処理端末1は、本体ケーシング4の正面連通口5側を顧客側に向け、本体ケーシング4の背面連通口6側をオペレータである店員側に向けて設置されるものである。
【0019】
ここで、正面連通口5を介してカード処理端末1に対して挿入/排出されるカードCについて説明する。本実施の形態のカードCは、図3に示すように、記憶部として磁気ストライプSとICチップ50とを有している。なお、カードCとしては、磁気ストライプSとICチップ50との何れか一方のみを有するものであっても良い。カードCの種類としては、例えば、クレジットカード、デビットカード決済に用いられるキャッシュカード、ポイントカード等である。例えばデビットカード決済に用いられるキャッシュカードであれば、磁気ストライプSには、このカードの所有者である顧客の銀行口座番号や口座開設時に設定された暗証番号等の顧客データが記憶されている。また、例えばクレジットカードであれば、ICチップ50には、クレジット決済用のカード番号や暗証番号等の顧客データが記憶されている。
【0020】
このような本体ケーシング4の正面連通口5の近傍には、カードCの挿入方向を案内するイラスト7が備えられている。イラスト7は、カードCに付されている矢印等のマークが示す方向と同方向に挿入するように、カードCの挿入方向を案内するものである。また、本体ケーシング4の背面連通口6の近傍にも、同様に、カードCの挿入方向を案内するイラスト8が備えられている。イラスト8は、カードCに付されている矢印等のマークが示す方向と反対方向に挿入するようにカードCの挿入方向を案内するものである。このようなイラスト7,8の表示にしたがってカードCが挿入された場合には、カードCの磁気ストライプSとICチップ50とが同一の位置を通過することになる。
【0021】
また、本体ケーシング4の正面連通口5の近傍や背面連通口6の近傍には、LED9がそれぞれ設けられている。本実施の形態のカード処理端末1は、これらのLED9を点灯させたり点滅させることにより、カード処理端末1の動作状態を顧客や店員等のオペレータに対して報知することができるようになっている。
【0022】
本体ケーシング4の上面には、顧客等のオペレータによる操作を受け付けるキーボード11が設けられている。キーボード11には、「0」から「9」までの置数キー、エンターキー、キャンセルキーおよび各種ファンクションキー等が配列されている。
【0023】
また、本体ケーシング4の上側のキーボード11より背面側には、LCD(Liquid Crystal Display)13を有し、図示しないフリーストッパを介して本体ケーシング4に連結された図示しない支軸を回動中心として本体ケーシング4に対して回動自在とされているLCDユニット12が設けられている。LCDユニット12は、フリーストッパの機能によって、上面が本体ケーシング4の上面に連続する位置と、本体ケーシング4に対して起立する起立位置との間で任意の位置に位置付けられる。LCDユニット12のLCD13には、後述するカード読取処理に際し、各種の操作ガイダンスやメッセージ等が表示される。
【0024】
図5に示すように、本体ケーシング4の内部には、いわゆる自走式のカードリーダライタ部14が設けられている。カードリーダライタ部14には、カード通路18が設けられており、正面連通口5と背面連通口6とを直線的に連通する。つまり、正面連通口5と背面連通口6とカード通路18とによって、カードの搬送経路が構成されている。カード通路18には、カード通路18を間にして対向する回転搬送体としての二組のローラ対21,22が設けられている。一方のローラ対21は正面連通口5側に設けられており、他方のローラ対22は背面連通口6側に設けられている。ローラ対21,22は、本体ケーシング4内に設けられるモータ23(図6参照)によって、カードCを装置内に引き込む方向、または、装置外に排出する方向に選択的に搬送するように回転駆動される。ここに、カード搬送手段が実現されている。
【0025】
また、カード通路18には、カードCの磁気ストライプSに記憶されたデータを読み取るためのカード処理部である磁気カードリーダ19(図6参照)が設けられており、イラスト7,8の表示にしたがって挿入されるカードCの磁気ストライプSに対応する位置に配設されている。また、カード通路18には、カードCのICチップ50に記憶されたデータの読取/書込を行うためのカード処理部であるICカードリーダ/ライタ20(図6参照)が設けられており、イラスト7,8の表示にしたがって挿入されるカードCのICチップ50に対応する位置に配設されている。
【0026】
さらに、カード通路18の正面連通口5の近傍、および、背面連通口6の近傍には、カードCの挿入を検知するための透過型光センサである顧客側センサ24および店員側センサ25がそれぞれ設けられている。さらにまた、カード通路18の正面連通口5の近傍には、カード通路18を遮断する遮断位置と、カード通路18を開放させる開放位置との間で揺動自在とされたシャッター26が設けられている。シャッター26は、ソレノイド27(図6参照)に連結されており、ソレノイド27のON/OFF駆動によって、遮断位置または開放位置のいずれか一方に選択的に位置付けられる。
【0027】
このようなカード処理端末1は、本体ケーシング4のボトムカバー2の内側に、カード処理端末1が備える各部を駆動制御する各種制御回路を搭載したメインPCB(Printed Circuit Board:プリント配線基板)28及びサブPCB29を備えている。メインPCB28とサブPCB29とは、互いに通信自在に接続されている。
【0028】
次に、カード処理端末1が備える各部の電気的接続について図6を参照して説明する。図6に示すように、カード処理端末1は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)30を備えており、このマイコン30によってカード処理端末1が備える各部を駆動制御する。マイコン30は、各部を集中的に駆動制御するCPU(Central Processing Unit)31に、アドレスバス、データバス等のバスライン32を介して、制御プログラム等の固定的データを予め格納するROM(Read Only Memory)33と、可変的なデータを書き換え自在に記憶してCPU31の作業エリアとして機能するRAM(Random Access Memory)34とが接続されて構成されている。
【0029】
ROM33には制御プログラムが格納されており、カード処理端末1の起動時、ROM33に格納された制御プログラムはRAM34に書き込まれ、これによってマイコン30による各部の駆動制御が可能な状態となる。マイコン30によって駆動制御される各部を次に説明する。
【0030】
LED9は、点灯制御回路36を介してバスライン32に接続され、マイコン30からの信号が点灯制御回路36に入力されると、点灯制御回路36による駆動制御にしたがって点灯/消灯を行う。
【0031】
キーボード11は、キーボード入力回路37を介してバスライン32に接続され、キーボード入力回路37の動作によって押下されたキーに応じた信号をマイコン30に入力する。
【0032】
LCD13は、表示制御回路38を介してバスライン32に接続され、マイコン30からの表示データが表示制御回路38に入力されると、表示制御回路38に駆動されて所定事項を表示する。
【0033】
磁気カードリーダ19は、磁気カードリーダ制御回路39を介してバスライン32に接続され、磁気カードリーダ制御回路39の動作によってマイコン30に対して読み取った信号を入力する。
【0034】
ICカードリーダ/ライタ20は、ICカードリーダ/ライタ制御回路40を介してバスライン32に接続され、ICカードリーダ/ライタ制御回路40の動作によってマイコン30との間で信号の入出力を行う。
【0035】
モータ23は、モータ駆動回路41を介してバスライン32に接続され、マイコン30からの駆動信号に応じたモータ駆動回路41の動作によって正逆回転駆動する。
【0036】
顧客側センサ24および店員側センサ25は、センサ入力回路42,43を介してそれぞれバスライン32に接続され、センサ入力回路42,43の動作によってカードCの有無を示す検出信号をマイコン30に入力する。
【0037】
ソレノイド27は、バスライン32に接続されており、マイコン30からの駆動信号に応じてON/OFF駆動される。
【0038】
また、カード処理端末1には、スピーカー48が内蔵されており、マイコン30によって駆動制御される。このスピーカー48は、音声出力回路47を介してバスライン32に接続され、マイコン30からの音声データが音声出力回路47に入力されると、音声データに従った音声を発生する。
【0039】
さらに、マイコン30には、POS端末61との通信を司る通信I/F44がバスライン32を介して接続されている。
【0040】
ここで、カード処理端末1に内蔵されたROM33に格納された制御プログラムが、マイコン30に実行させる機能について説明する。なお、本実施の形態においては、従来のカード処理端末1によって行なわれる処理と同様の処理についてはその説明を省略する。
【0041】
次に、本実施の形態のカード処理端末1の有する特長的な機能であるカード読取処理の流れを以下に説明する。ここで、図7はカード読取処理の流れを概略的に示すフローチャートである。カード読取処理は、まず、POS端末61からのカード挿入許可信号の受信に待機する(ステップS1)。カード挿入許可信号は、例えばPOS端末61におけるクレジットによるカード決済処理に伴ってカード処理端末1に対して送信される信号である。なお、以下においては、クレジットによるカード決済処理に伴ってカード挿入許可信号が送信されたものとして説明する。すなわち、カードCのICチップ50に対するデータ処理を主体に説明する。
【0042】
POS端末61からのカード挿入許可信号を受信したと判断すると(ステップS1のY)、ステップS2に進み、顧客側センサ24及び店員側センサ25の監視を開始し、カードCの挿入に待機する。
【0043】
顧客側センサ24及び店員側センサ25の監視開始後、顧客側センサ24又は店員側センサ25に出力変化が生じ(ステップS3のY)、顧客側センサ24側にカードCが挿入された場合には(ステップS4のY)、顧客自らが正面連通口5からカードCを挿入したものと判断し、挿入フラグを“0”にセットした後(ステップS5)、カード搬送処理を実行する(ステップS6)。ステップS6でのカード搬送処理は、ローラ対21,22の回転によって正面側から背面側(図3中左から右方向)へとカードCが搬送されるようにモータ23を回転駆動させる。以降、正面側から背面側へカードCを搬送する方向にローラ対21,22を回転させるようなモータ23の回転方向を正回転とする。カードCは、ICカードリーダ/ライタ20の読取位置にカードCのICチップ50が位置付けられるまで搬送される。
【0044】
一方、顧客側センサ24及び店員側センサ25の監視開始後、顧客側センサ24又は店員側センサ25に出力変化が生じ(ステップS3のY)、店員側センサ25にカードCが挿入された場合には(ステップS4のN)、店員が背面連通口6からカードCを挿入したものと判断し、挿入フラグを“1”にセットした後(ステップS7)、カード搬送処理を実行する(ステップS8)。ステップS8でのカード搬送処理は、ローラ対21,22を逆回転させ、カードCを背面側から正面側(図5中右から左方向)へと搬送する。カードCは、ICカードリーダ/ライタ20の読取位置にカードCのICチップ50が位置付けられるまで搬送される。
【0045】
また、ステップS8でのカード搬送処理においては、店員側センサ25出力変化が生じたと判断すると、ソレノイド27をON状態としてシャッター26を遮断位置に位置付ける。これにより、店員が背面連通口6から挿入したカードCがカード通路18に既に存在する状態で、顧客自らが正面連通口5から別のカードCを挿入してしまうことを防止することができる。
【0046】
そして、ICカードリーダ/ライタ20の読取位置にカードCのICチップ50が位置付けられると、ICカードリーダ/ライタ20によってICチップ50に記憶されているデータ(クレジット決済用のカード番号等)が読み取られ、所定のカード処理業務(ステップS9)が実行される。このステップS9のカード処理業務は、概略的には、ICチップ50から読み取ったデータ(クレジット決済用のカード番号等)をPOS端末61を介してクレジット会社に送信した後、クレジット会社での信用チェックや金額承認等の信用照会処理に係る照会結果データをPOS端末61を介して受信するものである。照会結果データを受信したカード処理端末1は、この照会結果データにしたがってクレジット伝票を発行する。
【0047】
ステップS9のカード処理業務が終了すると、POS端末61からのカード排出信号の受信に待機する(ステップS10)。カード排出信号は、POS端末61におけるカード決済処理の終了後にカード処理端末1に対して送信される信号である。
【0048】
POS端末61からのカード排出信号を受信したと判断すると(ステップS10のY)、ステップS11に進み、挿入フラグが“0”であるか否かを判断する。
【0049】
挿入フラグが“0”の場合には(ステップS11のY)、ステップS12に進み、ステップS9のカード処理業務がクレジット処理であったか否かを判断する。
【0050】
ステップS9のカード処理業務がクレジット処理でなかった場合には(ステップS12のN)、例えばポイントカードであるカードCを顧客自らが正面連通口5から挿入したものと判断し、ローラ対21,22を逆回転させ、ICカードリーダ/ライタ20の読取位置で停止していたカードCを正面連通口5を介して本体ケーシング4の外へと排出する(ステップS13)。
【0051】
また、挿入フラグが“1”であれば(ステップS11のN)、店員が背面連通口6からカードCを挿入したものと判断し、ローラ対21,22を正回転させ、ICカードリーダ/ライタ20の読取位置で停止していたカードCを背面連通口6を介して本体ケーシング4の外へと排出する(ステップS14)。
【0052】
さらに、ステップS9のカード処理業務がクレジット処理であった場合には(ステップS12のY)、カードCを顧客自らが正面連通口5から挿入したにもかかわらず、ローラ対21,22を正回転させ、ICカードリーダ/ライタ20の読取位置で停止していたカードCを背面連通口6を介して本体ケーシング4の外へと排出する(ステップS14)。このようにステップS9のカード処理業務がクレジット処理であった場合には必ず店員側へカードCを排出するようにしたのは、店員が、発行されたクレジット伝票に顧客のサインを記入させた後、クレジット伝票に記載された顧客のサインと、カード処理端末1から排出されたカードCに記載されているサインとを見比べて、一致していることを確認する必要があるからである。すなわち、店員は、背面連通口6を介して本体ケーシング4の外へと排出発行されたカードCを容易に受け取ることができる。
【0053】
そして、本実施の形態のカード処理端末1によれば、クレジット決済に際して顧客から店員にカードCを渡し、このカードCを店員がカード処理端末1に挿入するといった煩雑な手順を踏むことなく、クレジット決済を行うことができる。また、クレジット決済に際して、顧客側へカードCが排出されることもないので、クレジット決済完了時点で直ちにサインの見比べ作業を行うことができる。
【0054】
ところで、カードCが正面連通口5を介して本体ケーシング4の外へと排出されると(ステップS13)、マイコン30は、正面連通口5の近傍に設けられた顧客側センサ24の状態変化によってカードCの排出を検知し、カード処理端末1のLCD13に「カードを抜き取って下さい」というメッセージを表示するとともに、警告音(パターンA)をスピーカー48から発生させる(ステップS15)。ここに、排出検知手段の機能及び報知手段の機能が実行される。
【0055】
一方、カードCが背面連通口6を介して本体ケーシング4の外へと排出されると(ステップS14)、マイコン30は、背面連通口6の近傍に設けられた店員側センサ25の状態変化によってカードCの排出を検知し、カード処理端末1のLCD13には「カードをお受け取り下さい」というメッセージを表示するとともに、警告音(パターンB)をスピーカー48から発生させる(ステップS16)。ここに、排出検知手段の機能及び報知手段の機能が実行される。
【0056】
すなわち、本実施の形態においては、カードCの排出方向に応じてカード処理端末1のLCD13に表示されるメッセージやスピーカー48からの警告音を異ならせているので、店員側にカードCを排出した場合に顧客を混乱させるようなことはない。
【0057】
このようにメッセージの表示や警告音を発生した状態で、マイコン30は、カードCの抜き取り状態を監視する(ステップS17)。なお、カードCの抜き取り状態は、正面連通口5の近傍に設けられた顧客側センサ24の状態や背面連通口6の近傍に設けられた店員側センサ25の状態に基づいて監視されている。
【0058】
また、カードCの抜き取り状態の監視中に、POS端末61からカードCの抜き取り状態の通知要求があった場合には(ステップS18のY)、センサ24,25の検出状態をPOS端末61に通知する(ステップS19)。このようにしてセンサ24,25の検出状態の通知を受信したPOS端末61は、センサ24,25の検出状態に応じたメッセージ(例えば、「カードを取り忘れています」)等をディスプレイ68や客側ディスプレイ69に表示する。これにより、POS端末61でも適切な取り忘れ防止策を講じることができる。
【0059】
そして、メッセージの表示や警告音に従ってカードCが抜き取られた場合には(ステップS17のY)、スピーカー48からの警告音を停止するとともに(ステップS20)、カード処理端末1のLCD13には「ありがとうございました」というメッセージを表示し(ステップS21)、処理を終了する。
【0060】
つまり、本実施の形態のカード処理端末1によれば、データ処理の終了後にカード挿入/排出口5またはカード挿入/排出口6のいずれかにカードCが排出された場合、そのカードCが装置正面側または装置背面側のどちらのカード挿入/排出口5(6)から排出されているかが、オペレータと客とにそれぞれ報知される。これにより、例えば、装置正面側及び装置背面側の双方向よりカードCの挿入/排出を許容し、カード決済の種別に応じてカードCの搬送方向を変えて決済を行うようにしたカード処理端末1であっても、装置背面側である店員側にカードCが排出されていることを顧客に適切に知らせることが可能になるので、カードCの抜き取りを促す際に、顧客に不安感を与えることがないとともに、無用な混乱を回避することができる。
【0061】
上記説明の実施の形態から、請求項1記載の発明は、カード処理部によるデータ処理の終了後にカード挿入/排出口にカードが排出された場合、そのカードが装置正面側または装置背面側のどちらのカード挿入/排出口から排出されているかが、オペレータと客とにそれぞれ報知される。これにより、例えば、装置正面側及び装置背面側の双方向よりカードの挿入/排出を許容し、カード決済の種別に応じてカードの搬送方向を変えて決済を行うようにしたカード処理装置であっても、装置背面側である店員側にカードが排出されていることを顧客に適切に知らせることが可能になるので、カードの抜き取りを促す際に、顧客に不安感を与えることがないとともに、無用な混乱を回避することができる。
【0062】
また、上記説明の実施の形態から、請求項2記載の発明は、請求項1記載のカード処理装置において、外部機器からの状態通知要求に応じ、前記排出検知手段による前記カードの排出の検知状態を当該外部機器に対して送信する。これにより、外部機器でも適切な取り忘れ防止策を講じることができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、カードの抜き取りを促す際に、顧客に不安感を与えることがないとともに、無用な混乱を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のカード処理端末を接続したPOS端末を概略的に示す外観斜視図である。
【図2】POS端末に備えられる各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図3】カード処理端末を正面側から見た状態を概略的に示す外観斜視図である。
【図4】カード処理端末を背面側から見た状態を概略的に示す外観斜視図である。
【図5】その縦断側面図である。
【図6】カード処理端末が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図7】カード読取処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図8】従来のカード処理装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…カード処理装置、5…装置正面側のカード挿入/排出口、6…装置背面側のカード挿入/排出口、19,20…カード処理部、50,S…カードの記憶部、61…外部機器,商品販売データ処理装置、C…カード

Claims (3)

  1. カード搬送経路の一部を形成し、カードを装置内に引き込み/装置外に排出するカード搬送手段と、
    前記カード搬送経路上に設けられ、前記カードの記憶部に対してデータ処理を施すカード処理部と、
    顧客に対面する装置正面側及び店員に対面する装置背面側にそれぞれ設けられ、前記カード搬送経路に連通する一対のカード挿入/排出口と、
    装置正面側に設けられたLCDと、
    前記カード処理部によるデータ処理の終了後に前記カード搬送手段によって前記各カード挿入/排出口へ排出された前記カードを検知する排出検知手段と、
    この排出検知手段により前記カードの排出が検知された場合、前記カードが装置正面側または装置背面側のどちらの前記カード挿入/排出口から排出されているかを、オペレータと客とにそれぞれ報知する報知手段と、
    を備え、前記報知手段は、前記カードが装置正面側の前記カード挿入/排出口から排出されている場合には前記カードを抜き取るべき旨を前記LCDに表示させ、前記カードが装置背面側の前記カード挿入/排出口から排出されている場合には前記カードを受け取るべき旨を前記LCDに表示させる、カード処理装置。
  2. 外部機器からの状態通知要求に応じ、前記排出検知手段による前記カードの排出の検知状態を当該外部機器に対して送信する請求項1記載のカード処理装置。
  3. 請求項2記載のカード処理装置と、
    このカード処理装置に対して通信自在に設けられ、前記カード処理装置からカードの排出の検知状態を受け取って報知する商品販売データ処理装置と、
    を備えるカード処理システム。
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