以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図5は、本実施の形態に係る貨幣処理システムを示す図である。このうち、図1は、本実施の形態における貨幣処理システムの構成の概略を示す概略構成図である。また、図2は、図1に示す貨幣処理システムにおける硬貨釣銭機、紙幣釣銭機、商品券読取機およびPOSレジスタの外観を示す斜視図であり、図3は、図1等に示す貨幣処理システムの機能ブロック図である。また、図4は、図1等に示す貨幣処理システムにおける商品券の処理方法を示すフローチャートであり、図5は、図1等に示す貨幣処理システムの硬貨釣銭機における操作表示部の表示画面の表示内容を示す図である。
まず、本実施の形態の貨幣処理システム1の全体構成について図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示すように、貨幣処理システム1は、硬貨釣銭機100と、紙幣釣銭機200と、商品券読取機500と、POSレジスタ300とを備えている。硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200は、それぞれ硬貨や紙幣の入出金処理を行うようになっている。また、図2に示すように、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200は左右方向に並べて配置される。また、POSレジスタ300は、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200の上方に配置される。また、商品券読取機500は、機体内に投入された商品券の読み取りを行うようになっている。
また、図1に示すように、POSレジスタ300は店舗サーバ400に通信接続されている。そして、POSレジスタ300から店舗サーバ400に売上金情報等が送信されるようになっている。また、各種設定情報が、店舗サーバ400からPOSレジスタ300(複数台でも可)に配信されるようになっている。
図1に示すように、硬貨釣銭機100は、上位制御部120および硬貨釣銭機制御部130を有しており、これらの上位制御部120および硬貨釣銭機制御部130は通信接続されている。また、紙幣釣銭機200は紙幣釣銭機制御部230を有しており、この紙幣釣銭機制御部230は硬貨釣銭機100の上位制御部120に通信接続されている。また、商品券読取機500は商品券読取機制御部530を有しており、この商品券読取機制御部530は硬貨釣銭機100の上位制御部120に通信接続されている。また、POSレジスタ300はPOS制御部330を有しており、硬貨釣銭機100の上位制御部120はPOSレジスタ300のPOS制御部330に通信接続されている。
以下、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200、商品券読取機500およびPOSレジスタ300の構成について図1および図2を用いて詳述する。
まず、硬貨釣銭機100の構成について具体的に説明する。図1および図2に示すように、硬貨釣銭機100は、前部上面にタッチパネル等の操作表示部112が設けられた筐体110を備えている。筐体110の前部には硬貨受入部114および硬貨払出部116が設けられている。
硬貨受入部114は、投入された硬貨を検知すると駆動され、受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機体内に取り込むようになっている。図1に示すように、この硬貨受入部114には、当該硬貨受入部114により機体内に取り込まれた硬貨を搬送する入金搬送部103が接続されている。
図1に示すように、入金搬送部103の途中には、硬貨の識別を行う硬貨識別部101と、分岐部104とがそれぞれ設けられている。分岐部104は、硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部116から払い出されるべき硬貨を出金搬送部108へ案内(搬送)するようになっている。
一方、正常硬貨等の機体内に収納されるべき硬貨は入金搬送部103により硬貨収納部106へ搬送されるようになっている。硬貨収納部106は硬貨を金種別に収納するようになっている。具体的には、例えば入金搬送部103の上流側から高額順に硬貨が収納される。
出金搬送部108は、硬貨収納部106から繰り出された硬貨を硬貨払出部116へ搬送するようになっている。また、出金搬送部108は、分岐部104から案内されたリジェクト硬貨等を硬貨払出部116へ搬送するようになっている。
次に、紙幣釣銭機200の構成について具体的に説明する。図1および図2に示すように、紙幣釣銭機200は、筐体210と、この筐体210内の略中央部に設けられた環状の周回搬送部203aとを備えている。また、紙幣受入部214、3つの紙幣収納部206、紙幣払出部216、出金リジェクト部204、および紙幣回収カセット207が、周回搬送部203aを外周から取り囲むように配置されている。
また、紙幣釣銭機200の筐体210の内部には、紙幣受入部214、各紙幣収納部206、紙幣払出部216、出金リジェクト部204、および紙幣回収カセット207と、周回搬送部203aとの間をそれぞれ接続する複数の接続搬送部203bが形成されている。また、周回搬送部203aには紙幣識別部201が設けられており、この紙幣識別部201は、当該紙幣識別部201を通過する紙幣の識別を行うようになっている。
また、周回搬送部203aと各接続搬送部203bとの間で紙幣の搬送経路を切り換える経路切換部(図示せず)が、周回搬送部203aに沿って配置されている。
図1および図2に示すように、筐体210の前面には、紙幣受入部214の紙幣受入口214aと、紙幣払出部216の紙幣取出口216aとがそれぞれ設けられている。また、紙幣回収カセット207は筐体210に対して着脱可能に取り付けられている。
紙幣受入部214は、投入された紙幣を検知すると駆動され、紙幣受入口214aに挿入された入金紙幣を一括で取り込んで、周回搬送部203a側へ1枚ずつ繰り出すようになっている。各紙幣収納部206は、紙幣識別部201の識別結果に基づいて紙幣を金種別に収納する。紙幣払出部216は、各紙幣収納部206から周回搬送部203aに繰り出された紙幣を紙幣取出口216aより機外へ放出するようになっている。
出金リジェクト部204は、紙幣収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等の搬送異常により紙幣識別部201で識別することができない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納する。また、紙幣受入部214から機体内に取り込まれた紙幣のうち、汚損等により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部216に返却されるようになっている。
次に、商品券読取機500の構成について具体的に説明する。図1および図2に示すように、商品券読取機500は、略直方体形状の筐体510と、商品券を受け入れる商品券受入部502と、筐体510内で商品券を搬送する商品券搬送部503と、商品券を収納する商品券収納部506とを備えている。商品券読取機500には、外部に返却すべき商品券が商品券搬送部503から送られるリジェクト部504が設けられている。
図2に示すように、商品券読取機500の筐体510の前面には投入口502aおよびリジェクト口504aが設けられている。投入口502aに投入された商品券は商品券受入部502に受け入れられるようになっており、商品券受入部502に受け入れられた商品券は、当該商品券受入部502に設けられた繰出機構(図示せず)により1枚ずつ商品券搬送部503に繰り出されるようになっている。また、図1に示すように、商品券搬送部503には商品券読取部501が設けられており、この商品券読取部501により商品券を読み取って商品券データを得るようになっている。商品券読取部501は例えばラインセンサからなり、このラインセンサにより商品券の画像データが得られるようになっている。そして、商品券読取部501では、この画像データに基づいて、商品券の発行元や金額等に関する情報が商品券データとして得られるようになっている。なお、画像データそのものを商品券データとして扱ってもよい。
図1に示すように、商品券搬送部503は商品券収納部506およびリジェクト部504に接続されており、商品券読取部501により読み取りが行われた商品券は商品券収納部506およびリジェクト部504のうちいずれか一方に搬送されるようになっている。商品券収納部506には、商品券搬送部503から送られた商品券が積層状態で収納されるようになっている。図2に示すように、商品券読取機500の筐体510の前面には扉508が設けられており、この扉508を開くことにより商品券収納部506に収納された商品券を取り出すことができるようになっている。この際に、商品券のみを取り出す方式でも、商品券が収納されたカセットを取り出す方式のいずれでもよい。一方、商品券搬送部503からリジェクト部に送られた商品券はリジェクト口504aを介して筐体510の外部に返却されるようになっている。
次に、POSレジスタ300の構成について具体的に説明する。POSレジスタ300は、商品の購入情報を登録するとともに、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせるようになっている。
POSレジスタ300のPOS制御部330は、図1に示すように、硬貨釣銭機100の上位制御部120に通信接続されているとともに、店舗サーバ400にも通信接続されている。そして、このPOS制御部330は、硬貨釣銭機100の上位制御部120を介して当該硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130や紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230に指令を送ることにより硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせるようになっている。また、POS制御部330は、硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130や紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230から、上位制御部120を介して、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況に係る情報を受け取るようになっている。また、POS制御部330は、硬貨釣銭機100の上位制御部120を介して、商品券読取機500により読み取られた商品券の商品券データを受け取るようになっている。
操作部304は、操作者が操作することができるようになっており、POS制御部330に対して様々な指令を与えることができるようになっている。また、表示部302は、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高を表示するようになっている。また、POSレジスタ300には客(購入者)が視認可能な追加の表示部302aが設けられており、様々な情報を表示部302に表示させる代わりに、あるいは表示部302における表示に加えて、追加の表示部302aにおいて表示が行われるようになっていてもよい。また、POSレジスタ300にはカードリーダ336および印字部338が設けられている(図3参照、図1および図2では図示せず)。カードリーダ336は、操作者のIDカードを読み取ることにより操作者のIDや権限等に関する情報を取得するようになっている。また、印字部338は例えばプリンタから構成され、売上レシートや集計レシートに加えて、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納された硬貨や紙幣の在高等の様々な情報を印字するようになっている。
図3に、上述のような構成からなる貨幣処理システム1の機能ブロック図を示す。図3に示すように、硬貨釣銭機100の上位制御部120には、硬貨釣銭機100のインターフェース132、操作表示部112および記憶部134が接続されている。この上位制御部120は、インターフェース132により、紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230や商品券読取機500の商品券読取機制御部530、ならびにPOSレジスタ300のPOS制御部330に対して信号の送受信を行うようになっている。また、操作者により操作表示部112に入力された指令が当該操作表示部112から上位制御部120に送られるとともに、上位制御部120は操作表示部112に指令を送ることにより当該操作表示部112に様々な情報を表示させるようになっている。より詳細には、操作表示部112には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高を表示するようになっている。また、記憶部134には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。
また、硬貨釣銭機100の上位制御部120には集計部136が接続されている。集計部136は、商品券読取機500に収納されている商品券の在高、および硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣の在高の合計金額を集計するようになっている。
硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130には、硬貨受入部114、入金搬送部103、硬貨識別部101、分岐部104、硬貨収納部106、出金搬送部108、硬貨払出部116等がそれぞれ接続されており、硬貨識別部101から硬貨釣銭機制御部130に硬貨の識別結果が送られるとともに、硬貨釣銭機制御部130から硬貨受入部114、入金搬送部103、分岐部104、硬貨収納部106、出金搬送部108、硬貨払出部116等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。
紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230には、インターフェース232、紙幣受入部214、周回搬送部203a、接続搬送部203b、紙幣識別部201、紙幣収納部206、出金リジェクト部204、紙幣払出部216等がそれぞれ接続されており、紙幣識別部201から紙幣釣銭機制御部230に紙幣の識別結果が送られるとともに、紙幣釣銭機制御部230から紙幣受入部214、周回搬送部203a、接続搬送部203b、紙幣収納部206、出金リジェクト部204、紙幣払出部216等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。また、紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230は、インターフェース232により、硬貨釣銭機100の上位制御部120に対して信号の送受信を行うようになっている。
商品券読取機500の商品券読取機制御部530は、インターフェース532、商品券受入部502、商品券搬送部503、商品券読取部501、商品券収納部506、リジェクト部504、判別部536、記憶部534等が接続されている。そして、商品券読取部501から商品券読取機制御部530に商品券データが送られるとともに、商品券読取機制御部530から商品券受入部502、商品券搬送部503、商品券収納部506、リジェクト部504等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。また、商品券読取機500の商品券読取機制御部530は、インターフェース532により、硬貨釣銭機100の上位制御部120に対して信号の送受信を行うようになっている。また、商品券読取機制御部530に接続された記憶部534には、使用可能商品券データが記憶されるようになっている。具体的には、商品券読取機500で使用可能な商品券の発行元(例えば、商品券を発行した百貨店や会社等)の情報が、使用可能商品券データとして記憶部534に記憶されるようになっている。また、記憶部534には、釣銭払出不可商品券データも記憶されるようになっている。ここで、釣銭払出不可の商品券とは、店員が顧客からこのような商品券を預かったときには、顧客から預かった商品券の金額が、顧客が購入しようとする商品の合計金額である売上高より大きい場合でも、釣銭は払い出されないように取り決められている商品券のことをいう。このように、商品券の情報が、釣銭払出不可商品券データとして記憶部534に記憶されるようになっている。
また、商品券読取機制御部530に接続された判別部536は、商品券読取部501により得られた商品券データと、記憶部534に記憶された使用可能商品券データとを比較することにより、商品券読取部501により読み取られた商品券が商品券読取機500で使用可能かを判別するようになっている。また、判別部536は、商品券読取部501により読み取られた商品券が使用可能であることが判別されたときに、この商品券の商品券データと記憶部534に記憶された釣銭払出不可商品券データとを比較することにより当該商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを判別するようになっている。判別部536による商品券の具体的な判別方法については後述する。
また、POSレジスタ300のPOS制御部330には、表示部302、操作部304、記憶部334、インターフェース332、カードリーダ336、印字部338等がそれぞれ接続されており、操作者により操作部304に入力された指令が当該操作部304からPOS制御部330に送られたり、カードリーダ336により読み取られた操作者のIDカードに係る情報がPOS制御部330に送られたりするようになっている。また、POS制御部330は表示部302に指令を送ることにより当該表示部302に様々な情報を表示させるようになっている。なお、POS制御部330は、表示部302に様々な情報を表示させる代わりに、あるいは表示部302における表示に加えて、追加の表示部302aにおいて表示を行わせるようになっていてもよい。また、POS制御部330は印字部338に指令を送ることにより当該印字部338により様々な情報を印字させるようになっている。また、POSレジスタ300のPOS制御部330は、インターフェース332により、硬貨釣銭機100の上位制御部120や店舗サーバ400に対して信号の送受信を行うようになっている。また、記憶部334には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から送信された、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。
次に、このような構成からなる貨幣処理システム1の動作について説明する。なお、以下に示す貨幣処理システム1の動作は、硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130や紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230、商品券読取機500の商品券読取機制御部530が硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200、商品券読取機500の各構成要素をそれぞれ制御することにより行われる。
まず、硬貨釣銭機100に硬貨を入金する場合の動作について以下に説明する。硬貨釣銭機100の硬貨受入部114に硬貨が受け入れられると、硬貨受入部114は、受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機体内に取り込み、取り込まれた硬貨は入金搬送部103により搬送される。そして、入金搬送部103により搬送される硬貨は硬貨識別部101により硬貨の識別が行われる。硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部116から払い出されるべき硬貨であると識別された硬貨は、分岐部104により出金搬送部108へ案内(搬送)され、出金搬送部108により硬貨払出部116に搬送される。一方、硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、正常硬貨等の機体内に収納されるべき硬貨であると識別された硬貨は、入金搬送部103により硬貨収納部106へ搬送され、当該硬貨収納部106に金種別に収納される。
また、硬貨釣銭機100から釣銭としての硬貨を出金する場合には、操作者は操作表示部112により出金されるべき硬貨の金種別の枚数や合計金額等を入力する。あるいは、POSレジスタ300のPOS制御部330から出金指令が上位制御部120を介して硬貨釣銭機制御部130に送られることにより、硬貨釣銭機100から釣銭としての硬貨が出金されるようになる。硬貨釣銭機制御部130に対して出金指令が与えられると、硬貨収納部106に収納されている硬貨が当該硬貨収納部106から繰り出され、繰り出された硬貨は出金搬送部108により硬貨払出部116へ搬送される。このようにして、操作者は、硬貨払出部116から硬貨を取り出すことができるようになる。
次に、紙幣釣銭機200に紙幣を入金する場合の動作について以下に説明する。紙幣受入部214の紙幣受入口214aに紙幣が挿入されると、紙幣受入部214は、紙幣受入口214aに挿入された入金紙幣を一括で取り込んで、周回搬送部203a側へ1枚ずつ繰り出す。そして、周回搬送部203a側へ繰り出された紙幣は当該周回搬送部203aにより搬送され、この際に紙幣識別部201により紙幣の識別が行われる。紙幣識別部201により正常な紙幣であると識別された紙幣は、各紙幣収納部206に金種別に収納される。一方、紙幣受入部214から取り込まれた紙幣のうち、汚損や搬送異常等により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部216に返却される。
また、当該紙幣釣銭機200から釣銭としての紙幣を出金する場合には、操作者は操作表示部112により出金されるべき紙幣の金種別の枚数や合計金額等を入力する。あるいは、POSレジスタ300のPOS制御部330から出金指令が上位制御部120を介して紙幣釣銭機制御部230に送られることにより、紙幣釣銭機200から釣銭としての紙幣が出金されるようになる。紙幣釣銭機制御部230に対して出金指令が与えられると、紙幣収納部206に収納されている紙幣が当該紙幣収納部206から繰り出され、繰り出された紙幣は紙幣識別部201により識別された後、周回搬送部203aにより紙幣払出部216に送られる。そして、紙幣払出部216は、紙幣収納部206から送られた紙幣を紙幣取出口216aより筐体210外へ放出する。このようにして、操作者は、紙幣釣銭機200から出金された紙幣を得ることができるようになる。なお、紙幣収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等の搬送異常により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は、出金リジェクト紙幣として出金リジェクト部204に収納される。
次に、商品券読取機500による商品券の処理方法について図4に示すフローチャートを用いて説明する。図4に示すフローチャートは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において顧客が商品を購入する際に、顧客から受け取った商品券を店員が処理するときの貨幣処理システム1の動作を示している。
店員は、顧客から受け取った商品券を商品券読取機500の投入口502aに投入する。投入口502aに投入された商品券は商品券受入部502に受け入れられ、この商品券受入部502に設けられた繰出機構(図示せず)により1枚ずつ商品券搬送部503に繰り出される。商品券搬送部503に繰り出された商品券は商品券読取部501により読み取られ(STEP1)、商品券の発行元や金額等の情報である商品券データが得られる。
商品券読取部501により商品券が読み取られると、商品券読取機制御部530に接続された判別部536は、商品券読取部501により得られた商品券データと、記憶部534に記憶された使用可能商品券データとを比較することにより、商品券読取部501により読み取られた商品券が商品券読取機500で使用可能か否かを判別する(STEP2)。具体的には、判別部536は、商品券読取部501により読み取られた商品券の発行元と、記憶部534に記憶された使用可能商品券データにおける使用可能商品券の発行元とを比較し、両者が一致すればこの商品券は商品券読取機500で使用可能であると判断する。判別部536による判別結果は、商品券読取機制御部530からインターフェース532を介して硬貨釣銭機100の上位制御部120に送信されるようになっている。
商品券読取部501により読み取られた商品券が、商品券読取機500で使用可能な商品券ではないと判別部536により判断されたときには(STEP2の「NO」)、この商品券は商品券搬送部503からリジェクト部504に送られ、リジェクト口504aを介して筐体510の外部に返却される(STEP3)。また、この場合には、硬貨釣銭機100の操作表示部112に、図5(a)に示すように商品券が使用不可である旨のメッセージが表示されるようになる。一方、商品券読取部501により読み取られた商品券が、商品券読取機500で使用可能な商品券であると判別部536により判断されたときには(STEP2の「YES」)、硬貨釣銭機100の上位制御部120は、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要があるか否かを判断する(STEP4)。具体的には、硬貨釣銭機100の上位制御部120は、顧客が購入しようとする商品の金額と、商品券読取部501により読み取られた商品券の金額とを比較し、両者が一致、もしくは、商品の金額の方が多ければ硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要がないと判断する。
硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要がないと硬貨釣銭機100の上位制御部120が判断したときには(STEP4の「NO」)、商品券読取機500において商品券が受け付けられ、この商品券は商品券搬送部503から商品券収納部506に送られて筐体510内で収納されるようになる(STEP9)。一方、商品券読取部501により読み取られた商品券の金額が、顧客が購入しようとする商品の金額よりも大きくなり、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要があると硬貨釣銭機100の上位制御部120が判断したときには(STEP4の「YES」)、判別部536は、商品券読取部501により読み取られた商品券が、釣銭払出不可の商品券であるか否かを判別する(STEP5)。具体的には、判別部536は、商品券読取部501により読み取られた商品券の発行元と、記憶部534に記憶された釣銭払出不可商品券データにおける釣銭払出不可の商品券の発行元とを比較し、両者が一致すればこの商品券は釣銭払出不可の商品券であると判断する。判別部536による判別結果は、商品券読取機制御部530からインターフェース532を介して硬貨釣銭機100の上位制御部120に送信される。
商品券読取部501により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券ではないと判別部536により判断されたときには(STEP5の「NO」)、商品券読取部501により読み取られた商品券の金額と、顧客が購入しようとする商品の金額との差額分が釣銭として硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から払い出される(STEP6)。また、この場合には、硬貨釣銭機100の操作表示部112に、図5(b)に示すように預かり金金額(商品券読取部501により読み取られた商品券の金額)、現金売上(顧客が購入しようとする商品の金額)および釣銭の金額がそれぞれ表示されるようになる。一方、商品券読取部501により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券であると判別部536により判断されたときには(STEP5の「YES」)、硬貨釣銭機100の操作表示部112に、図5(c)に示すように釣銭の支払いができない商品券がある旨のメッセージが表示されるようになる(STEP7)。このときには、店員は顧客に対して、このような商品券を使用した場合には釣銭が支払われないがそれでも商品券を使用するか否かの確認を行い、釣銭払出不可の商品券を使用することについて顧客が合意した場合には、店員は操作表示部112により釣銭払出不可の商品券の使用許可の指令を上位制御部120に与える(STEP8の「YES」)。このように、硬貨釣銭機100の操作表示部112は、釣銭払出不可の商品券の使用許可を受け付ける受付部としても機能するようになる。釣銭払出不可の商品券の使用許可が受け付けられると、商品券読取機500において商品券が受け付けられ、この商品券は商品券搬送部503から商品券収納部506に送られて筐体510内で収納されるようになる(STEP9)。なお、この場合には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭の払い出しは行われない。また、商品券が収納されると、商品券の在高情報が加算更新される。
一方、釣銭払出不可の商品券を使用することについて顧客が合意しない場合には、硬貨釣銭機100の操作表示部112において釣銭払出不可の商品券の使用許可が受け付けられることはなく(STEP8の「NO」)、商品券読取部501により読み取られた商品券は商品券搬送部503からリジェクト部504に送られ、リジェクト口504aを介して筐体510の外部に返却される(STEP3)。
リジェクト部504により商品券が筐体510の外部に返却された後(STEP3)、店員は操作表示部112により他の決済処理を行うという指令を上位制御部120に与えることができる。より具体的には、例えば顧客が現金やクレジットカード等の支払い方法で商品の代金の支払いを行いたい場合には、操作表示部112において他の決済処理が受け付けられ(STEP10の「YES」)、貨幣処理システム1は他の決済処理を実行するようになる(STEP11)。一方、操作表示部112において他の決済処理が受け付けられなかった場合には(STEP10の「NO」)、貨幣処理システム1において取引が中止される(STEP12)。
また、本実施の形態の貨幣処理システム1において、顧客が商品を購入する際に顧客から店員に商品券および現金の両方が手渡され、商品券読取機500に商品券が投入されるとともに硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に硬貨や紙幣が入金された場合には、以下に示すような動作が行われる。すなわち、商品券読取機500に商品券が投入されるとともに硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に硬貨や紙幣が入金され、商品券読取機500に投入された商品券が使用可能であることが判別部536により判別されたときに、商品券読取機500により受け付けられた商品券の金額、および硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に入金された硬貨や紙幣の金額の合計金額に基づいて、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭が払い出される。具体的には、例えば顧客が購入しようとする商品の合計金額が1800円であり、顧客から店員に1000円分の商品券および千円札が手渡されたときには、商品券が商品券読取機500に投入されるとともに千円札が紙幣釣銭機200に投入されると、200円分の硬貨が釣銭として硬貨釣銭機100から払い出されるようになる。
また、前述したように、集計部136により、商品券読取機500に収納されている商品券の在高、および硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣の在高の合計金額が集計されるようになっている。そして、在高情報を表示する旨の指示を受けると、集計部136により集計された、商品券の在高および硬貨や紙幣の在高の合計金額は、図5(d)に示すように操作表示部112に表示されるようになっている(図5(d)における「合計金額:505,280円」)。なお、操作表示部112には、商品券読取機500の商品券収納部506に収納されている商品券の枚数や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣の金種毎の枚数も表示することができるようになっている。また、商品券読取機500の商品券収納部506に収納されている商品券の枚数に加えて、商品券の内訳を操作表示部112に表示することができるようになっていてもよい。
以上のように本実施の形態の貨幣処理システム1や商品券の処理方法によれば、商品券読取部501により得られた商品券データと記憶部534に記憶された使用可能商品券データとを比較することにより商品券読取部501により読み取られた商品券が使用可能か否かを判別する判別部536が商品券読取機500に設けられており、判別部536による判別結果が商品券読取機500から硬貨釣銭機100に送信されるようになっている。このため、判別部536による判別結果、すなわち商品券読取機500に投入された商品券が自店で使用可能か否かについての情報を、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200を操作する店員がすぐに確認等することができるようになる。
本実施の形態の貨幣処理システム1においては、前述のように、判別部536による判別結果に基づく情報を表示するための操作表示部112が硬貨釣銭機100に設けられており、硬貨釣銭機100の操作表示部112は、商品券読取部501により読み取られた商品券が使用不可であると判断された場合にその旨を表示するようになっている。
また、本実施の形態の貨幣処理システム1においては、記憶部534は、使用可能商品券データに加えて釣銭払出不可商品券データも記憶するようになっており、判別部536は、商品券読取部501により得られた商品券データと記憶部534に記憶された釣銭払出不可商品券データとを比較することにより、商品券読取部501により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを判別するようになっている。また、この場合には、操作表示部112は、商品券読取部501により読み取られた商品券が使用可能であるか否かを表示するとともに、使用可能である場合には当該商品券が釣銭払出不可の商品券であるか否かを表示するようになる。また、商品券読取部501により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券であることが判別部536により判別されたときに、この商品券の使用許可が操作表示部112により受け付けられるようになっている。
なお、本実施の形態の貨幣処理システム1はこのような態様に限定されることはない。すなわち、変形例として、記憶部534に釣銭払出不可商品券データが記憶されないようになっていてもよい。この場合には、判別部536は、商品券読取部501により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券であるか否かの判別を行うことはなく、商品券読取部501により読み取られた商品券が使用可能か否かの判別のみを行うようになる。また、この場合には、商品券読取部501により読み取られた商品券が使用可能であることが判別部536により判別されたときに、商品券読取部501により読み取られた商品券に対する釣銭が硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から払い出されるようになる。
また、本実施の形態の貨幣処理システム1においては、商品券読取機500に収納されている商品券の在高、および硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣の在高の合計在高を集計する集計部136が設けられている。
また、本実施の形態の貨幣処理システム1においては、商品券読取機500に商品券が投入されるとともに硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に硬貨や紙幣が入金され、商品券読取機500に投入された商品券が使用可能であることが判別部536により判別されたときに、商品券読取機500により受け付けられた商品券の金額、および硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に入金された硬貨や紙幣の金額の合計金額に基づいて硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭が払い出されるようになっている。
なお、本実施の形態による貨幣処理システム1や商品券の処理方法は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
例えば、硬貨釣銭機100ではなく紙幣釣銭機200が上位制御部120を備えており、この紙幣釣銭機200が親機として機能し、硬貨釣銭機100が子機として紙幣釣銭機200に接続されるようになっていてもよい。また、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200のそれぞれが上位制御部120を備えており、これらの硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200が並列的にPOSレジスタ300に接続されるようになっていてもよい。また、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200が一体的に構成される釣銭機がPOSレジスタ300に接続されるようになっていてもよい。また、硬貨釣銭機100あるいは紙幣釣銭機200の一方のみがPOSレジスタ300に接続され、当該POSレジスタ300により運用され、他方の釣銭機はPOSレジスタ300および一方の釣銭機から独立して運用されるようになっていてもよい。
また、図5(a)や図5(c)に示すような操作表示部112の表示画面について、これらの表示画面には商品券に関するメッセージとともに、預かり金金額(商品券読取部501により読み取られた商品券の金額)、現金売上(顧客が購入しようとする商品の金額)および釣銭の金額がそれぞれ表示されるようになっているが、このような態様に限定されることはない。操作表示部112において、商品券に関するメッセージのみが表示され、預かり金金額、現金売上、釣銭の金額は操作表示部112に表示されないようになっていてもよい。
また、判別部536による判別結果は、硬貨釣銭機100の操作表示部112に表示される代わりに、あるいは硬貨釣銭機100の操作表示部112に加えて、POSレジスタ300の表示部302や追加の表示部302aに表示されるようになっていてもよい。
また、使用可能商品券データや釣銭払出不可商品券データを記憶する記憶部534や、商品券読取部501により読み取られた商品券が使用可能か否かを判別する判別部536が、商品券読取機500ではなく、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200、あるいはPOSレジスタ300等に設けられていてもよい。図6に、記憶部534や判別部536が硬貨釣銭機100に設けられているような貨幣処理システムの機能ブロック図を示す。
図6に示す貨幣処理システム1aでは、使用可能商品券データや釣銭払出不可商品券データを記憶する記憶部534や、商品券読取部501により読み取られた商品券が使用可能か否かを判別する判別部536は、硬貨釣銭機100の上位制御部120に接続されている。このような貨幣処理システム1aでは、顧客から受け取った商品券を顧客が商品券読取機500の投入口502aに投入し、商品券受入部502から商品券搬送部503に繰り出された商品券が商品券読取部501により読み取られ、商品券の発行元や金額等の情報である商品券データが得られると、商品券読取部501により読み取られた商品券データが商品券読取機500から硬貨釣銭機100に送信される。そして、硬貨釣銭機100において、上位制御部120に接続された判別部536は、商品券読取機500から硬貨釣銭機100に送信された商品券データと、記憶部534に記憶された使用可能商品券データとを比較することにより、商品券読取部501により読み取られた商品券が商品券読取機500で使用可能か否かを判別する。
このように、図6に示すような貨幣処理システム1aでは、使用可能商品券データや釣銭払出不可商品券データを記憶する記憶部534や、商品券読取部501により読み取られた商品券が使用可能か否かを判別する判別部536が商品券読取機500に設けられていないが、商品券読取部501により読み取られた商品券データが商品券読取機500から硬貨釣銭機100に送信されるようになっているため、硬貨釣銭機100に設けられた判別部536により、商品券読取機500に投入された商品券が使用可能か否かを判別することができるようになる。このため、図3に示すような貨幣処理システム1と同様に、判別部536による判別結果、すなわち商品券読取機500に投入された商品券が自店で使用可能か否かについての情報を、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200を操作する店員がすぐに確認等することができるようになる。
また、商品券読取機500に設けられた商品券読取部501は例えばラインセンサからなり、このラインセンサにより商品券の画像データが得られるようになっているが、このようなラインセンサからなる商品券読取部501により、紙幣の識別も行うことができるようになっていてもよい。また、商品券にバーコードが形成されており、商品券読取部501としてバーコードリーダが用いられるようになっていてもよい。この場合、バーコードリーダにより商品券のバーコードが読み取られることにより商品券データが得られるようになる。また、商品券にICチップが設けられており、商品券読取部501としてICリーダが用いられるようになっていてもよい。この場合、ICリーダにより商品券のICチップが読み取られることにより商品券データが得られるようになる。