以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図15は、本実施の形態による貨幣管理システムおよびこのような貨幣管理システムに設けられた貨幣処理装置としての貨幣入出金機や貨幣釣銭機を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態における貨幣管理システムの構成を概略的に説明するための概略構成図であり、図2は、図1に示す貨幣管理システムにおける貨幣入出金機の外観を示す斜視図である。また、図3乃至図5は、ぞれぞれ、図2に示す貨幣入出金機における紙幣処理ユニット、硬貨処理ユニットおよび包装硬貨収納ユニットの構成を示す図である。また、図6は、図2に示す貨幣入出金機における制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図7は、図1に示す貨幣管理システムにおける貨幣釣銭機およびPOSレジスタの外観を示す斜視図であり、図8乃至図10は、それぞれ、図7に示す貨幣釣銭機における紙幣処理ユニット、硬貨処理ユニットおよび包装硬貨収納ユニットの構成を示す図である。また、図11は、図7に示す貨幣釣銭機およびPOSレジスタにおける制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図12は、図1に示す貨幣管理システムにおいて貨幣入出金機のカセット装着部および貨幣釣銭機のカセット装着部にそれぞれ着脱自在に装着可能となっている収納カセットの外観を示す斜視図である。また、図13および図14は、それぞれ、図1に示す貨幣管理システムにおいて貨幣の処理を行う際の貨幣入出金機および貨幣釣銭機の動作をそれぞれ示すフローチャートである。また、図15は、図1に示す貨幣管理システムにおいて、売上金管理手段により管理される、貨幣釣銭機に入金された売上金に係る貨幣の情報を示す説明図である。
図1に示すように、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の商業施設の店舗420において、顧客が立ち入ることができるフロント領域には様々な商品が陳列された商品棚が設置されているとともに、このフロント領域の精算所には貨幣釣銭機200やPOSレジスタ290が設置されている。顧客がこのような精算所で精算処理を行う際に、店員は、顧客から受け取った商品の代金としての貨幣を貨幣釣銭機200に入金したり、釣銭としての貨幣を貨幣釣銭機200から出金して顧客に返却したりするようになっている。また、POSレジスタ290により、顧客が購入した商品に係る情報や貨幣釣銭機200に収納されている貨幣に係る情報等の管理が行われるようになっている。また、このような店舗420における顧客の立ち入りが禁止されたバックヤード領域(具体的には、例えば入金室)には、貨幣釣銭機200から回収された売上金としての貨幣を入金する出納機等の貨幣入出金機100が設置されている。また、貨幣釣銭機200において釣銭としての貨幣が不足する場合には、貨幣入出金機100から釣銭補充金としての貨幣を出金し、この貨幣入出金機100から出金された釣銭補充金としての貨幣を貨幣釣銭機200に補充することができるようになっている。本実施の形態では、このような貨幣入出金機100および貨幣釣銭機200を組み合わせることにより貨幣管理システム1が構成されている。
また、図1に示すように、本実施の形態による貨幣管理システム1では、警送会社410の警備員等により、貨幣入出金機100から、紙幣や硬貨が収納されている回収カセット140、170(後述)が取り出され、これらの回収カセット140、170ごと紙幣や硬貨が貨幣入出金機100から警送会社に回収されるようになっている。また、警送会社410の警備員は、貨幣釣銭機200で用いられる釣銭準備金としての貨幣を警送会社410から店舗420に運搬し、この店舗420に設けられた金庫422に収納させるようになっている。そして、貨幣入出金機100において上記の釣銭準備金としての貨幣が不足した場合には、警送会社410の警備員は、金庫422から貨幣を取り出して貨幣入出金機100に入金するようになっている。
また、図1に示すように、本実施の形態による貨幣管理システム1では、貨幣入出金機100はLAN404を介して店舗420の外部に設けられたターミナル400やユーザーサーバー402に通信可能に接続されており、これらのターミナル400やユーザーサーバー402により、貨幣入出金機100における貨幣の在高や、警送会社410の警備員等や店舗420の店員等の操作者の情報が管理されるようになっている。
次に、このような貨幣管理システム1における貨幣入出金機100および貨幣釣銭機200の構成の詳細について説明する。
まず、店舗420のバックヤード領域に設けられた貨幣入出金機100の構成の詳細について図2乃至図6を用いて説明する。図2等に示すように、本実施の形態による貨幣入出金機100は、略直方体形状の筐体101を備えており、この筐体101の内部には、紙幣の入金処理および出金処理を行う紙幣処理ユニット110、硬貨の入金処理および出金処理を行う硬貨処理ユニット150、および包装硬貨(同一金種の硬貨を一定枚数(例えば、20枚や50枚)だけ棒状にまとめてフィルムや包装紙等により包装したもの)を収納する包装硬貨収納ユニット180がそれぞれ収容されている。図2に示すように、紙幣処理ユニット110および硬貨処理ユニット150は貨幣入出金機100を手前側から見て左右に並ぶよう配置されており、これらの紙幣処理ユニット110および硬貨処理ユニット150の下方に包装硬貨収納ユニット180が配置されている。
図2および図3に示すように、紙幣処理ユニット110は、筐体101の前面側の右側領域に設けられた紙幣受入部120と、筐体101の前面側において紙幣受入部120の下方に設けられた紙幣払出部122と、筐体101の内部で紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部130と、筐体101の内部で紙幣を収納するとともに収納されている紙幣を繰出可能な複数の紙幣収納部134、136とを備えている。なお、図3において、筐体101の右側の側面が紙幣処理ユニット110の手前側の面となっており、図3における左向きの方向が紙幣処理ユニット110の奥行き方向となっている。図3に示すように、搬送部130は、筐体101の上部における中央位置に配置された周回搬送部130aおよび複数の接続搬送部130bから構成されている。また、紙幣受入部120、紙幣払出部122、出金リジェクト部124、後述する収納カセット300を着脱自在に装着可能なカセット装着部126、回収カセット140および2つの紙幣収納部134、136が、それぞれ、周回搬送部130aを取り囲むよう配置されている。また、図3に示すように、複数の接続搬送部130bの各々により、紙幣受入部120、紙幣払出部122、出金リジェクト部124、カセット装着部126、回収カセット140および2つの紙幣収納部134、136の各々と、周回搬送部130aとの間をそれぞれ接続するようになっている。また、周回搬送部130aには識別部132が設けられており、この識別部132は、周回搬送部130aにより搬送される紙幣の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行うようになっている。
周回搬送部130aは、図3における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に紙幣を1枚ずつ搬送することができるようになっている。また、搬送部130において、周回搬送部130aと各接続搬送部130bとの間で紙幣の搬送経路を切り換える経路切換部(図示せず)が、周回搬送部130aに沿って配置されている。
図2および図3に示すように、筐体101の前面には、紙幣受入部120の紙幣受入口120aと、紙幣払出部122の紙幣取出口122aとがそれぞれ設けられている。また、カセット装着部126の前面側には扉126aが設けられており、この扉126aを開くことにより収納カセット300をカセット装着部126に装着させたりこのカセット装着部126から収納カセット300を取り出したりすることができるようになっている。また、図6に示すように、カセット装着部126には、当該カセット装着部126に装着された収納カセット300に設けられている記録媒体304(後述)に様々な情報を書き込む書込部128および当該記録媒体304から様々な情報を読み取る読取部129がそれぞれ設けられている。書込部128により記録媒体304に書き込まれる情報や読取部129により記録媒体304から読み取られる情報の詳細については後述する。
紙幣受入部120には紙幣繰出機構121が設けられており、紙幣受入口120aに1枚あるいは複数枚の紙幣が投入されたことが検知されると紙幣繰出機構121が駆動されることにより紙幣が接続搬送部130bを介して周回搬送部130a側へ1枚ずつ繰り出されるようになっている。
紙幣払出部122は、各紙幣収納部134、136から周回搬送部130aに繰り出された紙幣を紙幣取出口122aにより筐体101の外部へ放出するようになっている。
出金リジェクト部124は、出金処理時において各紙幣収納部134、136から繰り出された紙幣のうち、重送や斜行等の搬送異常により識別部132で識別することができない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納するようになっている。また、紙幣受入部120から筐体101の内部に取り込まれた紙幣のうち、入金処理時において汚損等により識別部132で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部122に返却されるようになっている。
各紙幣収納部134、136は、識別部132の識別結果に基づいて紙幣を金種別に収納するようになっている。これらの紙幣収納部134、136には、貨幣釣銭機200への釣銭補充金の紙幣として貨幣入出金機100から出金されるべき紙幣が収納されるようになっている。具体的には、例えば紙幣収納部134には千円札が収納され、紙幣収納部136には五千円札が収納されるようになっている。なお、一万円札は後述する回収カセット140に収納されるようになっている。また、各紙幣収納部134、136にはそれぞれ紙幣繰出機構135、137が設けられており、これらの紙幣収納部134、136に収納されている紙幣は各紙幣繰出機構135、137により接続搬送部130bを介して周回搬送部130a側へ1枚ずつ繰り出されるようになっている。
筐体101の内部における下部領域には回収カセット140が収容されており、警送会社410により回収されるべき紙幣が回収カセット140に収納されるようになっている。具体的には、識別部132により識別された紙幣が周回搬送部130aから接続搬送部130bを経て回収カセット140に送られるようになっている。また、回収カセット140の前面側には扉140aが設けられており、この扉140aを開くことにより回収カセット140を筐体101の内部に収容させたり筐体101の内部から回収カセット140を取り出したりすることができるようになっている。
次に、硬貨処理ユニット150の構成について説明する。図2および図4に示すように、硬貨処理ユニット150は、筐体101の前面側の左側領域に設けられた硬貨受入部152と、筐体101の前面側において硬貨受入部152の下方に設けられた硬貨払出部166と、筐体101の内部で硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰出可能な複数の収納繰出部160とを備えている。
硬貨受入部152は、硬貨投入口を介して受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ筐体101内に取り込むようになっている。より詳細には、硬貨受入部152には繰出ベルト等からなる硬貨繰出機構153(図6参照)が設けられており、硬貨受入部152に受け入れられた硬貨を検知するとこの硬貨繰出機構153が駆動されることにより当該硬貨繰出機構153によって硬貨が筐体101の内部に1枚ずつ繰り出されるようになっている。また、図4に示すように、硬貨受入部152には、当該硬貨受入部152により筐体101の内部に繰り出された硬貨を搬送する入金搬送部154が接続されている。
図4に示すように、入金搬送部154の途中には、硬貨の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行う識別部156と、第1分岐部158とがそれぞれ設けられている。第1分岐部158は、識別部156による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部166から払い出されるべき硬貨を入金搬送部154から分岐させて出金搬送部162へ案内するようになっている。
一方、正常硬貨等の筐体101内に収納されるべき硬貨は入金搬送部154により各収納繰出部160へ搬送されるようになっている。収納繰出部160は硬貨を金種別に収納するとともに収納されている硬貨を繰出可能となるよう構成されている。具体的には、例えば日本国で流通している硬貨の6つの金種(500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨および1円硬貨)に対応して6つの収納繰出部160が設けられており、入金搬送部154の上流側(すなわち、図4における下側)から低額順に各収納繰出部160に硬貨が金種毎に収納されるようになっている。また、収納繰出部160には、当該収納繰出部160に収納された硬貨を1枚ずつ出金搬送部162に繰り出す硬貨繰出機構(図示せず)が設けられている。
出金搬送部162は、収納繰出部160から繰り出された硬貨を硬貨払出部166へ搬送するようになっている。また、出金搬送部162は、第1分岐部158により入金搬送部154から分岐させられたリジェクト硬貨等を硬貨払出部166へ搬送するようになっている。
筐体101の内部における下部領域には回収カセット170が収容されており、警送会社410により回収されるべき硬貨が回収カセット170に収納されるようになっている。具体的には、図4に示すように、出金搬送部162の途中箇所には第2分岐部164が設けられており、当該第2分岐部164により出金搬送部162から分岐させられた硬貨は回収カセット170に送られてこの回収カセット170に収納されるようになっている。また、回収カセット170の前面側には扉170aが設けられており、この扉170aを開くことにより回収カセット170を筐体101の内部に収容させたり筐体101の内部から回収カセット170を取り出したりすることができるようになっている。
次に、包装硬貨収納ユニット180の構成について説明する。図5に示すように、包装硬貨収納ユニット180は、包装硬貨が金種毎に収納される複数の収納領域180a〜180fが設けられた引出部182を有しており、当該引出部182は貨幣入出金機100の筐体101の内部から手前側に引き出し可能となっている。なお、図5に示すように、各収納領域180a〜180fに包装硬貨が収納されたときに当該包装硬貨の長手方向が鉛直方向を向くようになっている。そして、引出部182を貨幣入出金機100の筐体101の内部から手前側に引き出すことにより、各収納領域180a〜180fに包装硬貨を収納したりこれらの収納領域180a〜180fに収納されている包装硬貨を取り出したりすることができるようになっている。また、図6に示すように、包装硬貨収納ユニット180は、引出部182を筐体101の内部にロックするロック機構184が設けられており、引出部182が筐体101の内部にロックされている状態では当該引出部182を筐体101の内部から手前側に引き出すことができないようになっている。また、包装硬貨収納ユニット180には、引出部182の各収納領域180a〜180fに収納されている包装硬貨の重量を測定する重量計186が設けられている。このような重量計186により測定される包装硬貨の重量に基づいて、後述する制御部102において引出部182の各収納領域180a〜180fに収納されている包装硬貨の数が検知されるようになっている。
なお、各収納領域180a〜180fに収納されている包装硬貨の数を検知するにあたり、重量計186により包装硬貨の重量を測定する代わりに、あるいは重量計186により包装硬貨の重量を測定することに加えて、ラインセンサまたは磁気センサを用いて各収納領域180a〜180fに収納されている包装硬貨の数を検知してもよく、あるいはこれらのラインセンサや磁気センサを組み合わせることにより各収納領域180a〜180fに収納されている包装硬貨の数を検知してもよい。また、収納領域180a〜180f毎にラインセンサや磁気センサが設けられていてもよい。
また、図5に示す例では、各収納領域180a〜180fは複数の領域に区画されており、各区画には包装硬貨が10本ずつ収納されるようになっているが、このような例に限定されることはない。各区画に包装硬貨が5本ずつ収納されるようになっていてもよく、あるいは各区画に包装硬貨が3本ずつ収納されるようになっていてもよく、また、異なる本数の包装硬貨が収納される複数の種類の区画が組み合わせられるようになっていてもよい。また、上記の説明では包装硬貨収納ユニット180が1つのみ設けられる場合について述べたが、このような例に限定されることはなく、複数の包装硬貨収納ユニット180が設けられるようになっていてもよい。この場合に、包装硬貨の各金種に対応するよう複数の包装硬貨収納ユニット180を設けてもよく、あるいは例えば2つの包装硬貨収納ユニット180にそれぞれ複数の金種の包装硬貨を収納させるようにしてもよい。
次に、このような貨幣入出金機100における制御系の構成について図6を用いて説明する。図6に示すように、本実施の形態による貨幣入出金機100の筐体101の内部には制御部102が設けられており、当該制御部102により紙幣処理ユニット110、硬貨処理ユニット150および包装硬貨収納ユニット180の各々の構成部材が制御されるようになっている。具体的には、制御部102には、紙幣処理ユニット110の紙幣繰出機構121、搬送部130、識別部132、紙幣繰出機構135、137、カセット装着部126、書込部128、読取部129等が接続されており、識別部132による紙幣の識別情報や、収納カセット300に設けられた記録媒体304から読取部129により読み取られた情報が制御部102に送られるとともに、制御部102は紙幣処理ユニット110の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うようになっている。また、制御部102には、硬貨処理ユニット150の硬貨繰出機構153、入金搬送部154、識別部156、第1分岐部158、各収納繰出部160、出金搬送部162および第2分岐部164等が接続されており、識別部156による硬貨の識別情報が制御部102に送られるとともに、制御部102は硬貨処理ユニット150の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うようになっている。また、制御部102には、包装硬貨収納ユニット180のロック機構184および重量計186等が接続されており、重量計186による包装硬貨の測定結果が制御部102に送られるとともに、制御部102はロック機構184に指令信号を送ることにより当該ロック機構184の制御を行うようになっている。
また、図6に示すように、制御部102には、操作表示部104、通信部105、記憶部106、在高管理手段107、算出手段108および売上金管理手段109がそれぞれ接続されている。操作表示部104は筐体101の上部に設けられたタッチパネル等からなり、操作者が操作するための操作画面や、紙幣処理ユニット110、硬貨処理ユニット150および包装硬貨収納ユニット180の各々に収納されている貨幣の在高に係る情報が操作表示部104に表示されるようになっている。また、このような操作表示部104において操作者は操作画面における操作ボタンに指を触れることによって制御部102に様々な指令を入力することができるようになっている。通信部105はターミナル400やユーザーサーバー402に対してLAN404を介して様々な信号の送受信を行うことができるようになっている。記憶部106には、紙幣処理ユニット110、硬貨処理ユニット150および包装硬貨収納ユニット180の各々に収納されている貨幣の在高に係る情報や、貨幣入出金機100における貨幣の処理履歴等の様々な情報が記憶されるようになっている。また、本実施の形態では、貨幣釣銭機200における釣銭準備金に関する貨幣の金種毎の残置設定枚数に係る情報も記憶部106に記憶されるようになっている。なお、ここで、貨幣釣銭機200における釣銭準備金に関する貨幣の金種毎の残置設定枚数とは、例えば店舗420の営業時間の開始時に貨幣釣銭機200に収納されていなければならない釣銭準備金としての貨幣の金種毎の枚数のことをいう。
また、本実施の形態では、貨幣釣銭機200において収納カセット300に設けられた記録媒体304には貨幣釣銭機200に関する情報である釣銭機情報(具体的には、貨幣釣銭機200の貨幣の在高に係る情報)が書き込まれるようになっており、在高管理手段107は、読取部129により収納カセット300の記録媒体304から読み取られた情報に基づいて貨幣釣銭機200の貨幣の在高を管理するようになっている。また、算出手段108は、在高管理手段107により管理されている貨幣釣銭機200の貨幣の在高および記憶部106に記憶されている情報に基づいて貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数を算出するようになっている。また、売上金管理手段109は、読取部129により収納カセット300の記録媒体304から読み取られた貨幣釣銭機200の貨幣の在高に係る情報と、書込部128により記録媒体304に書き込んだ釣銭補充金に係る情報とに基づいて、貨幣釣銭機200に入金された売上金に係る貨幣の情報を管理するようになっている。これらの在高管理手段107、算出手段108および売上金管理手段109の機能の詳細については後述する。
なお、変形例に係る貨幣入出金機100では、在高管理手段107の代わりに、貨幣入出金機100に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数を管理する釣銭補充金管理手段107aが設けられる場合がある。このような変形例に係る貨幣入出金機100の構成の詳細については後述する。
次に、店舗420のフロント領域に設けられた貨幣釣銭機200の構成の詳細について図7乃至図11を用いて説明する。図7等に示すように、本実施の形態による貨幣釣銭機200は、上下に並ぶよう配置された硬貨処理ユニット250および包装硬貨収納ユニット280と、これらの硬貨処理ユニット250や包装硬貨収納ユニット280の隣に並ぶよう配置された紙幣処理ユニット210とを備えており、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250の上方にはPOSレジスタ290が載置されるようになっている。紙幣処理ユニット210および硬貨処理ユニット250は、それぞれ、それぞれ硬貨や紙幣の入出金処理を行うようになっている。また、包装硬貨収納ユニット280は、各金種の包装硬貨を取り出し可能に収納するようになっている。また、POSレジスタ290は、貨幣釣銭機200の管理を行う管理装置として用いられるようになっている。
まず、紙幣処理ユニット210の構成について図7および図8を用いて具体的に説明する。図7および図8に示すように、紙幣処理ユニット210は、略直方体形状の筐体212と、筐体212の前面側に設けられた紙幣受入部220と、筐体212の前面側において紙幣受入部220の下方に設けられた紙幣払出部222と、筐体212の内部で紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部230と、筐体212の内部で紙幣を収納するとともに収納されている紙幣を繰出可能な複数の紙幣収納部234、236、238とを備えている。なお、図8において、筐体212の右側の側面が紙幣処理ユニット210の手前側の面となっており、図8における左向きの方向が紙幣処理ユニット210の奥行き方向となっている。図8に示すように、搬送部230は、筐体212の中央位置に配置された周回搬送部230aおよび複数の接続搬送部230bから構成されている。また、紙幣受入部220、紙幣払出部222、出金リジェクト部224、後述する収納カセット300を着脱自在に装着可能なカセット装着部226および3つの紙幣収納部234、236、238が、それぞれ、周回搬送部230aを取り囲むよう配置されている。また、図8に示すように、複数の接続搬送部230bの各々により、紙幣受入部220、紙幣払出部222、出金リジェクト部224、カセット装着部226および3つの紙幣収納部234、236、238の各々と、周回搬送部230aとの間をそれぞれ接続するようになっている。また、周回搬送部230aには識別部232が設けられており、この識別部232は、周回搬送部230aにより搬送される紙幣の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行うようになっている。
周回搬送部230aは、図8における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に紙幣を1枚ずつ搬送することができるようになっている。また、搬送部230において、周回搬送部230aと各接続搬送部230bとの間で紙幣の搬送経路を切り換える経路切換部(図示せず)が、周回搬送部230aに沿って配置されている。
図7および図8に示すように、筐体212の前面には、紙幣受入部220の紙幣受入口220aと、紙幣払出部222の紙幣取出口222aとがそれぞれ設けられている。また、カセット装着部226の前面側には扉226aが設けられており、この扉226aを開くことにより収納カセット300をカセット装着部226に装着させたりこのカセット装着部226から収納カセット300を取り出したりすることができるようになっている。また、図11に示すように、カセット装着部226には、当該カセット装着部226に装着された収納カセット300に設けられている記録媒体304(後述)に、貨幣釣銭機200の釣銭機情報として様々な情報を書き込む書込部228および当該記録媒体304から様々な情報を読み取る読取部229がそれぞれ設けられている。書込部228により記録媒体304に書き込まれる情報や読取部229により記録媒体304から読み取られる情報の詳細については後述する。
紙幣受入部220には紙幣繰出機構221が設けられており、紙幣受入口220aに1枚あるいは複数枚の紙幣が投入されたことが検知されると紙幣繰出機構221が駆動されることにより紙幣が接続搬送部230bを介して周回搬送部230a側へ1枚ずつ繰り出されるようになっている。
紙幣払出部222は、各紙幣収納部234、236、238から周回搬送部230aに繰り出された紙幣を紙幣取出口222aにより筐体212の外部へ放出するようになっている。
出金リジェクト部224は、出金処理時において各紙幣収納部234、236、238から繰り出された紙幣のうち、重送や斜行等の搬送異常により識別部232で識別することができない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納するようになっている。また、紙幣受入部220から筐体212の内部に取り込まれた紙幣のうち、入金処理時において汚損等により識別部232で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部222に返却されるようになっている。
各紙幣収納部234、236、238は、識別部232の識別結果に基づいて紙幣を金種別に収納するようになっている。これらの紙幣収納部234、236、238には、紙幣処理ユニット210に入金された売上金としての紙幣や釣銭として出金されるべき紙幣が収納されるようになっている。具体的には、例えば紙幣収納部234には千円札が収納され、紙幣収納部236には二千円札および五千円札が混合状態で収納され、紙幣収納部238には一万円札が収納されるようになっている。また、各紙幣収納部234、236、238にはそれぞれ紙幣繰出機構235、237、239が設けられており、これらの紙幣収納部234、236、238に収納されている紙幣は各紙幣繰出機構235、237、239により接続搬送部230bを介して周回搬送部230a側へ1枚ずつ繰り出されるようになっている。
次に、硬貨処理ユニット250の構成について説明する。図7および図9に示すように、硬貨処理ユニット250は、略直方体形状の筐体251と、筐体251の前面側に設けられた硬貨受入部252と、筐体251の前面側において硬貨受入部252の下方に設けられた硬貨払出部266と、筐体251の内部で硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰出可能な複数の収納繰出部260とを備えている。
硬貨受入部252は、硬貨投入口を介して受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ筐体251内に取り込むようになっている。より詳細には、硬貨受入部252には繰出ベルト等からなる硬貨繰出機構253(図11参照)が設けられており、硬貨受入部252に受け入れられた硬貨を検知するとこの硬貨繰出機構253が駆動されることにより当該硬貨繰出機構253によって硬貨が筐体251の内部に1枚ずつ繰り出されるようになっている。また、図9に示すように、硬貨受入部252には、当該硬貨受入部252により筐体251の内部に繰り出された硬貨を搬送する入金搬送部254が接続されている。
図9に示すように、入金搬送部254の途中には、硬貨の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行う識別部256と、分岐部258とがそれぞれ設けられている。分岐部258は、識別部256による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部266から払い出されるべき硬貨を入金搬送部254から分岐させて出金搬送部262へ案内するようになっている。
一方、正常硬貨等の筐体251内に収納されるべき硬貨は入金搬送部254により各収納繰出部260へ搬送されるようになっている。収納繰出部260は硬貨を金種別に収納するとともに収納されている硬貨を繰出可能となるよう構成されている。具体的には、例えば日本国で流通している硬貨の6つの金種(500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨および1円硬貨)に対応して6つの収納繰出部260が設けられており、入金搬送部254の上流側(すなわち、図9における下側)から低額順に各収納繰出部260に硬貨が金種毎に収納されるようになっている。また、収納繰出部260には、当該収納繰出部260に収納された硬貨を1枚ずつ出金搬送部262に繰り出す硬貨繰出機構(図示せず)が設けられている。
出金搬送部262は、収納繰出部260から繰り出された硬貨を硬貨払出部266へ搬送するようになっている。また、出金搬送部262は、分岐部258により入金搬送部254から分岐させられたリジェクト硬貨等を硬貨払出部266へ搬送するようになっている。
次に、包装硬貨収納ユニット280の構成について具体的に説明する。図7および図10に示すように、包装硬貨収納ユニット280は、手前側の側面が開口している略直方体形状の筐体281と、筐体281内に収容可能となっているとともに当該筐体281から手前側に引き出し可能な収納ドロア282とを備えており、収納ドロア282には各金種の包装硬貨が例えば2列で収納されるようになっている(図10において、収納ドロア282に収納された各金種の包装硬貨を斜線で示している)。ここで、収納ドロア282には、包装硬貨を1本ずつ収納する収納部(ポケット)が複数個形成されており、各収納部に収納される包装硬貨の金種毎の収納本数および位置が予め設定されている。具体的には、図10において参照符号Aで示す領域には8本の100円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Bで示す領域には1本の500円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Cで示す領域には1本の50円の包装硬貨が収納可能となっている。また、図10において参照符号Dで示す領域には6本の10円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Eで示す領域には4本の1円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Fで示す領域には1本の5円の包装硬貨が収納可能となっている。
また、図11に示すように、包装硬貨収納ユニット280の筐体281の内部には、収納ドロア282が筐体281に完全に収容されたときに当該収納ドロア282を筐体281内にロックするためのロック機構286が設けられている。ここで、ロック機構286が収納ドロア282を筐体281の内部にロックしたときには、この収納ドロア282を筐体281から手前側に引き出すことができなくなり、よって収納ドロア282から包装硬貨を取り出すことができなくなる。
また、包装硬貨収納ユニット280の筐体281における前面開口の近傍には、収納ドロア282が筐体281から手前側に引き出されたり筐体281の内部に戻されたりする際に当該収納ドロア282に収納されている包装硬貨の金種毎の本数を検知する検知手段284が設けられている。具体的には、図10等に示すように、検知手段284は左右一対の光センサ284aおよび筐体281からの収納ドロア282の引き出し量を検知するロータリエンコーダ284bを有している。ここで、各光センサ284aは発光素子および受光素子を有しており、発光素子から発せられた光は、包装硬貨収納ユニット280の幅方向(図10における左右方向)に延びる光軸を通って受光素子に送られるようになっている。そして、収納ドロア282が筐体281の内部に完全に収容されていたり当該収納ドロア282が筐体281から完全に引き出されたりしているときには、各光センサ284aにおいて発光素子から発せられた光は受光素子により受けられ、一方、収納ドロア282が筐体281から手前側に引き出されたり筐体281の内部に戻されたりする際に、発光素子から発せられた光が収納ドロア282内に収納された包装硬貨により遮られることにより受光素子に届かなくなり、このことにより包装硬貨の孔の有無や直径の大きさが検知されるようになる。前述したように、収納ドロア282において、収納される包装硬貨の金種毎の収納本数および位置が予め設定されているため、光センサ284aにより検知された包装硬貨の孔の有無や直径の大きさ、ならびにロータリエンコーダ284bにより検知された筐体281からの収納ドロア282の引き出し量に基づいて、収納ドロア282に収納された包装硬貨の金種毎の本数、および各包装硬貨が収納ドロア282内の所定の位置に正しく収納されているか否か等が検知されるようになっている。
なお、本実施の形態による包装硬貨収納ユニット280は上記の構成のものに限定されることはない。他の構成の包装硬貨収納ユニット280において、収納ドロア282に収納されている包装硬貨の金種毎の本数を検知する検知手段284として、収納ドロア282の収納部に収納される包装硬貨の有無および金種(材質)を検出するセンサを全ての収納部に配置するような方式のものが用いられてもよい。
次に、POSレジスタ290の構成について具体的に説明する。図7および図11に示すように、POSレジスタ290は、POS制御部291と、POS制御部291にそれぞれ接続されたモニタ等の表示部293および操作キー等の操作部294とを備えている。操作部294は、操作者が操作することができるようになっており、POS制御部291に対して様々な指令を与えることができるようになっている。また、表示部293は、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250における紙幣や硬貨の処理状況や、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250に収納されている紙幣や硬貨の在高等の情報を表示するようになっている。また、POSレジスタ290には顧客が視認可能な追加の表示部293aが設けられており、様々な情報を表示部293に表示させる代わりに、あるいは表示部293における表示に加えて、追加の表示部293aにおいて表示が行われるようになっていてもよい。また、POSレジスタ290にはカードリーダ296および印字部297が設けられている(図11参照、図7では図示せず)。カードリーダ296は、店員等の操作者が携帯するIDカードを読み取ることにより当該操作者のIDや権限等に関する情報を取得するようになっている。また、印字部297は例えばプリンタから構成され、売上レシートや集計レシートに加えて、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250に収納されている紙幣や硬貨の在高等の情報をレシートに印字するようになっている。
次に、このような貨幣釣銭機200における制御系の構成について図11を用いて説明する。図11に示すように、硬貨処理ユニット250は、上位制御部202および硬貨制御部250aを有しており、これらの上位制御部202および硬貨制御部250aは互いに接続されている。また、紙幣処理ユニット210は紙幣制御部210aを有しており、この紙幣制御部210aは硬貨処理ユニット250の上位制御部202に接続されている。また、包装硬貨収納ユニット280は包装硬貨制御部280aを有しており、この包装硬貨制御部280aは硬貨処理ユニット250の上位制御部202に接続されている。また、POSレジスタ290に設けられたPOS制御部291も硬貨処理ユニット250の上位制御部202に接続されている。また、図示していないが、POSレジスタ290のPOS制御部291は店舗サーバ等の上位端末と通信可能に接続されている。
図11に示すように、硬貨処理ユニット250の上位制御部202には、紙幣処理ユニット210、包装硬貨収納ユニット280およびPOSレジスタ290の各々と通信を行うための通信部203、操作表示部204、比較手段205、出金情報管理手段206、記憶部208および判定手段209がそれぞれ接続されている。この上位制御部202は、通信部203により、紙幣処理ユニット210の紙幣制御部210a、包装硬貨収納ユニット280の包装硬貨制御部280aおよびPOSレジスタ290のPOS制御部291に対して信号の送受信を行うようになっている。また、操作表示部204は硬貨処理ユニット250の筐体251の上面に設けられたタッチパネル等からなり、操作者が操作するための操作画面や、紙幣処理ユニット210、硬貨処理ユニット250および包装硬貨収納ユニット280の各々に収納されている貨幣の在高に係る情報が操作表示部204に表示されるようになっている。このような操作表示部204において操作者は操作画面における操作ボタンに指を触れることによって上位制御部202に様々な指令を入力することができるようになっている。記憶部208には、紙幣処理ユニット210、硬貨処理ユニット250および包装硬貨収納ユニット280の各々に収納されている貨幣の在高に係る情報や、貨幣釣銭機200における貨幣の処理履歴等の様々な情報が記憶されるようになっている。また、比較手段205は、貨幣釣銭機200に入金された釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数と、収納カセット300に設けられた記録媒体304から読取部229により読み取られた情報に基づく釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数とを比較するようになっている。また、出金情報管理手段206は、収納カセット300に設けられた記録媒体304から読取部229により読み取られた情報に基づいて、貨幣入出金機100から出金された貨幣に関する情報(とりわけ、包装硬貨に関する情報)を管理するようになっている。また、判定手段209は、検知手段284による包装硬貨収納ユニット280の収納ドロア282への包装硬貨の金種毎の入金本数と、収納カセット300に設けられた記録媒体304から読取部229により読み取られた、貨幣入出金機100から出金された包装硬貨の金種毎の本数とが一致するか否かを判定するようになっている。これらの比較手段205、出金情報管理手段206および判定手段209の機能の詳細については後述する。
また、紙幣処理ユニット210の紙幣制御部210aには、通信部240、紙幣繰出機構221、搬送部230、識別部232、紙幣繰出機構235、237、239、カセット装着部226、書込部228、読取部229等が接続されており、識別部232による紙幣の識別情報や、収納カセット300に設けられた記録媒体304から読取部229により読み取られた情報が紙幣制御部210aに送られるとともに、紙幣制御部210aは紙幣処理ユニット210の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うようになっている。また、紙幣制御部210aは、通信部240により、硬貨処理ユニット250の上位制御部202に対して信号の送受信を行うようになっている。
また、硬貨処理ユニット250の硬貨制御部250aには、硬貨繰出機構253、入金搬送部254、識別部256、分岐部258、各収納繰出部260および出金搬送部262等が接続されており、識別部256による硬貨の識別情報が硬貨制御部250aに送られるとともに、硬貨制御部250aは硬貨処理ユニット250の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の制御を行うようになっている。
また、包装硬貨収納ユニット280の包装硬貨制御部280aには、通信部289、検知手段284、ロック機構286および記憶部288等が接続されており、検知手段284による包装硬貨の検知情報が包装硬貨制御部280aに送られるとともに、包装硬貨制御部280aはロック機構286に指令信号を送ることにより当該ロック機構286の制御を行うようになっている。また、包装硬貨制御部280aは、通信部289により、硬貨処理ユニット250の上位制御部202に対して信号の送受信を行うようになっている。また、包装硬貨収納ユニット280の収納ドロア282に収納されている包装硬貨の在高の情報等が記憶部288に記憶されるようになっている。
また、POSレジスタ290のPOS制御部291には、表示部293、操作部294、記憶部295、通信部292、カードリーダ296、印字部297等がそれぞれ通信可能に接続されており、操作者により操作部294に入力された指令が当該操作部294からPOS制御部291に送られたり、カードリーダ296により読み取られた店員等の操作者のIDカードに係る情報がPOS制御部291に送られたりするようになっている。また、POS制御部291は表示部293に指令を送ることにより当該表示部293に様々な情報を表示させるようになっている。なお、POS制御部291は、表示部293に様々な情報を表示させる代わりに、あるいは表示部293における表示に加えて、追加の表示部293aにおいて表示を行わせるようになっていてもよい。また、POS制御部291は印字部297に指令を送ることにより当該印字部297により様々な情報をレシート等に印字させるようになっている。また、POSレジスタ290のPOS制御部291は、通信部292により、硬貨処理ユニット250の上位制御部202や店舗サーバ等の上位端末(図示せず)に対して信号の送受信を行うようになっている。また、記憶部295には、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250等から送信された、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250における硬貨や紙幣の処理状況や、紙幣処理ユニット210や硬貨処理ユニット250、包装硬貨収納ユニット280の内部に収納されている硬貨や紙幣、包装硬貨の在高等の、貨幣釣銭機200の釣銭機情報としての様々な情報が記憶されるようになっている。
次に、貨幣入出金機100と貨幣釣銭機200との間で紙幣の受け渡しを行うための収納カセット300の構成について図12を用いて説明する。図12に示すように、収納カセット300は略直方体形状のケーシング301を有しており、当該ケーシング301の内部に紙幣が積層状態で収納されるようになっている。また、上述したように、収納カセット300は貨幣入出金機100のカセット装着部126および貨幣釣銭機200のカセット装着部226にそれぞれ着脱自在に装着されるようになっている。また、収納カセット300のケーシング301の側面には開口302が形成されており、収納カセット300が貨幣入出金機100のカセット装着部126や貨幣釣銭機200のカセット装着部226に装着されているときに、貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110に設けられた搬送部130や貨幣釣銭機200の紙幣処理ユニット210に設けられた搬送部230から当該開口302を介して紙幣が収納カセット300の内部に送られたり、収納カセット300に収納されている紙幣が開口302を介して貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110の搬送部130や貨幣釣銭機200の紙幣処理ユニット210の搬送部230に繰り出されたりするようになっている。
より詳細には、収納カセット300の内部には、当該収納カセット300に収納されている紙幣を開口302からケーシング301の外部に繰り出す紙幣繰出機構が設けられている。また、収納カセット300が貨幣入出金機100のカセット装着部126や貨幣釣銭機200のカセット装着部226に装着されているときに、貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110側や貨幣釣銭機200の紙幣処理ユニット210側から収納カセット300の紙幣繰出機構に動力が伝達されるようになっている。このように、収納カセット300が貨幣入出金機100のカセット装着部126や貨幣釣銭機200のカセット装着部226から取り出された状態では当該収納カセット300に収納されている紙幣をケーシング301の外部に繰り出させることができないため、収納カセット300に収納されている紙幣のセキュリティ性を向上させることができる。
また、収納カセット300のケーシング301の側面にはICチップ等の記録媒体304が設けられている。そして、収納カセット300が貨幣入出金機100のカセット装着部126や貨幣釣銭機200のカセット装着部226に装着されているときに、貨幣入出金機100のカセット装着部126に設けられた書込部128や貨幣釣銭機200のカセット装着部226に設けられた書込部228により記録媒体304に貨幣釣銭機200の釣銭機情報として様々な情報を書き込んだり、貨幣入出金機100のカセット装着部126に設けられた読取部129や貨幣釣銭機200のカセット装着部226に設けられた読取部229により記録媒体304から貨幣釣銭機200の釣銭機情報として様々な情報を読み取ったりすることができるようになっている。
次に、このような構成からなる貨幣管理システム1における動作について説明する。具体的には、店舗420における売上金としての貨幣を貨幣釣銭機200から回収して貨幣入出金機100に収納させ、その後に貨幣入出金機100から出金された釣銭補充金としての貨幣を貨幣釣銭機200に収納させるような動作について図13および図14に示すフローチャートを用いて説明する。
店舗420における売上金としての貨幣を貨幣釣銭機200から回収して貨幣入出金機100に収納させるにあたり、まず、店員等の操作者は貨幣釣銭機200の紙幣処理ユニット210に設けられたカセット装着部226に収納カセット300を装着させる(STEP1)。そして、店舗420における売上金としての紙幣を収納カセット300に収納させる(STEP2)。具体的には、紙幣収納部234、236、238に収納されている紙幣のうち、釣銭としてこれらの紙幣収納部234、236、238に残す紙幣(すなわち、釣銭準備金として残す紙幣)以外の紙幣を紙幣収納部234、236、238から各紙幣繰出機構235、237、239により搬送部230に繰り出させて当該搬送部230によりカセット装着部226に装着されている収納カセット300に送るようにする。また、店舗420における売上金としての紙幣を収納カセット300に収納させる際に、書込部228は、貨幣釣銭機200の貨幣の在高に係る情報や収納カセット300に収納された紙幣に係る情報を含む様々な情報を貨幣釣銭機200の釣銭機情報として記録媒体304に書き込む(STEP3)。この際に、収納カセット300には紙幣のみが収納されるのにも拘わらず、記録媒体304には紙幣処理ユニット210における金種別の紙幣の在高、硬貨処理ユニット250における金種別の硬貨の在高および包装硬貨収納ユニット280における金種別の包装硬貨の在高に係る情報が貨幣釣銭機200の釣銭機情報として書込部228により書き込まれるようになる。また、この際に、貨幣釣銭機200が設置されるレジ番号も貨幣釣銭機200の釣銭機情報として書込部228により記録媒体304に書き込まれるようになる。また、貨幣釣銭機200の状態に関する情報も貨幣釣銭機200の釣銭機情報として書込部228により記録媒体304に書き込まれる。具体的には、貨幣釣銭機200においてエラーが発生している場合には、貨幣釣銭機200のエラーの種類等のエラー情報が貨幣釣銭機200の釣銭機情報として書込部228により記録媒体304に書き込まれる。そして、店舗420における売上金としての紙幣が収納カセット300に収納されると、操作者はカセット装着部226から収納カセット300を取り出す(STEP4)。その後、当該操作者は収納カセット300をフロント領域に配置される貨幣釣銭機200からバックヤード領域に配置される貨幣入出金機100に運搬し(STEP5)、当該貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110におけるカセット装着部126に当該収納カセット300を装着させる(STEP6)。
貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110におけるカセット装着部126に収納カセット300が装着されると、当該カセット装着部126に設けられた読取部129によって、収納カセット300に設けられた記録媒体304に記録されている情報が貨幣釣銭機200の釣銭機情報として読み取られる(STEP7)。具体的には、貨幣釣銭機200の貨幣の在高に係る情報や収納カセット300に収納された紙幣に係る情報を含む様々な情報が貨幣釣銭機200の釣銭機情報として読取部129により読み取られ、この読取部129により読み取られた貨幣釣銭機200の釣銭機情報は貨幣入出金機100の制御部102に送られるようになる。そして、在高管理手段107は、読取部129により読み取られた貨幣釣銭機200の釣銭機情報に基づいて、貨幣釣銭機200の貨幣の在高(具体的には、紙幣処理ユニット210における紙幣の在高、硬貨処理ユニット250における硬貨の在高および包装硬貨収納ユニット280における包装硬貨の在高)を管理するようになる。また、貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110におけるカセット装着部126に収納カセット300が装着されている状態で、当該収納カセット300から紙幣が紙幣処理ユニット110の搬送部130に繰り出され、当該紙幣は搬送部130により紙幣収納部134、136や回収カセット140に送られてこれらの紙幣収納部134、136や回収カセット140に収納されるようになる(STEP8)。なお、店舗420における売上金としての貨幣として硬貨や包装硬貨を貨幣釣銭機200から回収して貨幣入出金機100に収納させる場合には、操作者は硬貨処理ユニット250から出金された硬貨や包装硬貨収納ユニット280から取り出した包装硬貨を例えば収納ケース等に手で収納して当該収納ケースごと貨幣釣銭機200から貨幣入出金機100に運搬し、この収納ケースから硬貨や包装硬貨を取り出して貨幣入出金機100の硬貨処理ユニット150に入金したり包装硬貨収納ユニット180に収納したりするようになる。このようにして、貨幣釣銭機200から回収された、店舗420における売上金としての貨幣が貨幣入出金機100に収納されるようになる。
また、上述したように、貨幣入出金機100の記憶部106には、貨幣釣銭機200の釣銭準備金に関する貨幣の金種毎の残置設定枚数に係る情報が記憶されている。そして、算出手段108は、在高管理手段107により管理される貨幣釣銭機200の貨幣の在高および記憶部106に記憶されている上記の情報に基づいて、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数を算出する。また、算出手段108により算出された、釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数の情報は操作表示部104に表示されるようになる。このことにより、操作者は操作表示部104の表示画面を見ることにより、釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数の情報を認識することができるようになる。また、操作表示部104には、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣を貨幣入出金機100から出金することを承認するための確認ボタンが表示される。そして、操作者が操作表示部104に表示される確認ボタンを押下すると、算出手段108により算出された釣銭補充金に係る金種毎の枚数の貨幣が貨幣入出金機100から出金される。なお、別の例として、貨幣入出金機100において、収納カセット300が貨幣入出金機100に装着されて読取部129により記録媒体304が読み取られるとすぐに、算出手段108により算出された釣銭補充金に係る金種毎の枚数の貨幣が当該貨幣入出金機100から出金されるようになっていてもよい。
また、本実施の形態では、貨幣入出金機100において、算出手段108は、読取部129により記録媒体304から読み取られた貨幣釣銭機200の硬貨処理ユニット250の硬貨の在高および記憶部106に記憶されている情報に基づいて貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係るバラ硬貨の金種毎の枚数を算出し、この算出手段108による算出結果に基づいて、釣銭補充金に係る包装硬貨が貨幣入出金機100から出金されるようになっていてもよい。この場合には、釣銭補充金として貨幣入出金機100から出金された包装硬貨の包装が解かれてバラ硬貨とされ、このバラ硬貨が貨幣釣銭機200の硬貨処理ユニット250に釣銭補充金として入金されることを前提として、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る硬貨の金種毎の枚数を算出手段108により算出することができる。
また、算出手段108により算出された、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣に紙幣が含まれる場合には、カセット装着部126に装着されている収納カセット300に釣銭補充金に係る紙幣を収納させる(STEP9)。具体的には、紙幣収納部134、136に収納されている紙幣のうち、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金としての紙幣を紙幣収納部134、136から各紙幣繰出機構135、137により搬送部130に繰り出させて当該搬送部130によりカセット装着部126に装着されている収納カセット300に送るようにする。また、算出手段108による算出結果に基づいて、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣に包装硬貨が含まれる場合には、ロック機構184による引出部182のロックが解除され、操作者は引出部182を筐体101から引き出すことにより当該引出部182から包装硬貨を取り出すことができるようになる。なお、他の例として、算出手段108による算出結果に基づいて、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣に包装硬貨が含まれる場合に、引出部182が筐体101から自動で引き出されるようになっていてもよい。また、上述したように、包装硬貨収納ユニット180には、引出部182の各収納領域180a〜180fに収納されている包装硬貨の重量を測定する重量計186が設けられているため、このような重量計186により測定される包装硬貨の重量に基づいて、引出部182から取り出された包装硬貨の金種毎の数が検知されるようになる。また、算出手段108による算出結果に基づいて、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣にバラ硬貨が含まれる場合には、硬貨処理ユニット150からバラ硬貨が出金されるようになる。
また、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣を貨幣入出金機100から出金する際に、書込部128は、釣銭補充金の貨幣に係る情報(具体的には、釣銭補充金としての紙幣の金種毎の枚数、硬貨の金種毎の枚数および包装硬貨の金種毎の枚数に係る情報)を含む様々な情報を記録媒体304に書き込む(STEP10)。この際に、収納カセット300には紙幣のみが収納されるのにも拘わらず、記録媒体304には釣銭補充金としての紙幣の金種毎の枚数、硬貨の金種毎の枚数および包装硬貨の金種毎の枚数に係る情報が書込部228により書き込まれるようになる。また、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣を貨幣入出金機100から出金する際に紙幣処理ユニット110や硬貨処理ユニット150において紙幣や硬貨の詰まり等の異常が発生した場合には、紙幣処理ユニット110や硬貨処理ユニット150において払い出すことができなかった貨幣の金種毎の枚数に係る情報が書込部128により記録媒体304に書き込まれるようになる。この場合には、別の貨幣入出金機100に収納カセット300を差し込むことにより、異常が発生した貨幣入出金機100から収納カセット300に収納することができなかった釣銭補充金としての紙幣を別の貨幣入出金機100から収納カセット300に収納させるようにしてもよい。
そして、貨幣入出金機100において、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金としての紙幣が収納カセット300に収納されると、操作者はカセット装着部126から収納カセット300を取り出す(STEP11)。その後、当該操作者は収納カセット300をバックヤード領域に配置される貨幣入出金機100からフロント領域に配置される貨幣釣銭機200に運搬し(STEP12)、当該貨幣釣銭機200の紙幣処理ユニット210におけるカセット装着部226に当該収納カセット300を装着させる(STEP13)。
貨幣釣銭機200の紙幣処理ユニット210におけるカセット装着部226に収納カセット300が装着されると、当該カセット装着部226に設けられた読取部229によって、収納カセット300に設けられた記録媒体304に記録されている情報が読み取られる(STEP14)。具体的には、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣に係る情報を含む様々な情報が読取部229により読み取られ、この読取部229により読み取られた情報は貨幣釣銭機200の上位制御部202に送られるようになる。また、貨幣釣銭機200の操作表示部204には、読取部229により読み取られた情報に基づいて、貨幣入出金機100から出金された硬貨、紙幣、包装硬貨を含む貨幣に関する情報が表示されるようになっている。このことにより、操作者は、操作表示部204に表示される情報を見ることによって、貨幣入出金機100から出金された硬貨、紙幣、包装硬貨を含む貨幣に関する情報を認識することができるようになる。また、出金情報管理手段206は、読取部229により読み取られた情報に基づいて貨幣入出金機100から出金された硬貨、紙幣、包装硬貨を含む貨幣に関する情報を管理するようになる。
また、貨幣釣銭機200の紙幣処理ユニット210におけるカセット装着部226に収納カセット300が装着されている状態で、当該収納カセット300から紙幣が紙幣処理ユニット210の搬送部230に繰り出され、当該紙幣は搬送部230により各紙幣収納部234、236、238に釣銭準備金として収納されるようになる(STEP15)。
なお、貨幣釣銭機200に釣銭準備金として補充されるべき貨幣として硬貨や包装硬貨を貨幣入出金機100から出金させて貨幣釣銭機200に収納させる場合には、操作者は硬貨処理ユニット150から出金された硬貨や包装硬貨収納ユニット180から取り出した包装硬貨を例えば収納ケース等に手で収納して当該収納ケースごと貨幣入出金機100から貨幣釣銭機200に運搬し、この収納ケースから硬貨や包装硬貨を取り出して貨幣釣銭機200の硬貨処理ユニット250に入金したり包装硬貨収納ユニット280に収納したりするようになる。また、貨幣釣銭機200の紙幣処理ユニット210におけるカセット装着部226に収納カセット300が装着され、当該カセット装着部226に設けられた読取部229によって、収納カセット300に設けられた記録媒体304に記録されている情報が読み取られたときに、貨幣入出金機100から出金された貨幣に包装硬貨が1本でも含まれるという情報が読取部229により記録媒体304から読み取られた場合には、ロック機構286による収納ドロア282のロックが解除され、操作者は収納ドロア282を筐体281から引き出してこの収納ドロア282に包装硬貨を収納することができるようになる。なお、他の例として、貨幣入出金機100から出金された貨幣に包装硬貨が1本でも含まれるという情報が読取部229により記録媒体304から読み取られた場合に、収納ドロア282が筐体281から自動で引き出されるようになっていてもよい。また、検知手段284は、収納ドロア282に収納されている釣銭補充金としての包装硬貨の金種毎の本数を検知するようになる。このようにして、貨幣釣銭機200に釣銭準備金として補充されるべき貨幣が貨幣入出金機100から出金されて当該貨幣釣銭機200に収納されるようになる。
また、比較手段205は、貨幣釣銭機200に入金された釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数と、読取部229により記録媒体304から読み取られた情報に基づく釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数とを比較する。そして、両者の貨幣の金種毎の枚数が一致しない場合には、貨幣入出金機100から出金された貨幣が全て貨幣釣銭機200に入金されていないとして、当該貨幣釣銭機200に設けられた操作表示部204やPOSレジスタ290の表示部293に警告メッセージが表示されるようになる。
また、貨幣入出金機100から出金された釣銭補充金としての貨幣が貨幣釣銭機200に収納された後、この貨幣釣銭機200に設けられた判定手段209は、検知手段284により検知された、収納ドロア282への包装硬貨の金種毎の入金本数と、読取部229により記録媒体304から読み取られた貨幣入出金機100から出金された包装硬貨の金種毎の本数とが一致するか否かを判定するようになる。そして、両者の数が一致しない場合には、貨幣入出金機100の包装硬貨収納ユニット180から操作者により取り出された包装硬貨が全て貨幣釣銭機200の包装硬貨収納ユニット280に収納されていないとして、当該貨幣釣銭機200に設けられた操作表示部204やPOSレジスタ290の表示部293に警告メッセージが表示されるようになる。また、両者の数が一致しない場合に収納ドロア282が筐体281の内部に戻されてもロック機構286によりロックされないようになっていてもよい。なお、貨幣釣銭機200において、検知手段284による収納ドロア282への包装硬貨の金種毎の入金本数と、読取部229により読み取られた貨幣入出金機100から出金された包装硬貨の金種毎の本数とが一致しないと判定手段209により判定された場合に、読取部229により読み取られた貨幣入出金機100から出金された包装硬貨の金種毎の本数から検知手段284による収納ドロア282への包装硬貨の金種毎の入金本数を差し引いた包装硬貨の本数分のバラ硬貨が貨幣釣銭機200の硬貨処理ユニット250に入金されたか否かが識別部256による計数結果に基づいて判定されるようになっていてもよい。この場合には、貨幣入出金機100から出金された包装硬貨の包装を操作者が解いて(具体的には、操作者が包装硬貨の包装紙を破いて)バラ硬貨とし、このバラ硬貨を貨幣釣銭機200の硬貨処理ユニット250に入金した場合でも、貨幣入出金機100から出金された釣銭補充金としての包装硬貨が操作者によりバラ硬貨または包装硬貨として貨幣釣銭機200に全て収納されたか否かを検知することができるようになる。
その後、収納カセット300が貨幣釣銭機200に装着されている状態で、店舗420における売上金としての貨幣が貨幣釣銭機200に入金されると(STEP16)、当該貨幣釣銭機200において、貨幣釣銭機200の貨幣の在高に係る情報を含む様々な情報が貨幣釣銭機200の釣銭機情報として書込部228により記録媒体304に書き込まれる(STEP17)。そして、操作者がカセット装着部226から収納カセット300を取り出し(STEP18)、この取り出された収納カセット300を操作者がフロント領域に配置される貨幣釣銭機200からバックヤード領域に配置される貨幣入出金機100に運搬し(STEP19)、当該貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110におけるカセット装着部126に当該収納カセット300を装着させると(STEP20)、貨幣入出金機100において、カセット装着部126に設けられた読取部129によって、収納カセット300に設けられた記録媒体304に記録されている情報が読み取られる(STEP21)。そして、売上金管理手段109は、STEP7およびSTEP21に示す工程においてそれぞれ読取部129により記録媒体304から読み取られた貨幣釣銭機200の在高に係る情報と、STEP10に示す工程において書込部128により記録媒体304に書き込んだ釣銭補充金に係る情報とに基づいて、STEP13に示す工程において収納カセット300が貨幣釣銭機200に装着されてからSTEP18に示す工程において当該収納カセット300が貨幣釣銭機200から取り外されるまでの間に貨幣釣銭機200に入金された売上金に係る貨幣の情報を管理するようになっている(STEP22)。具体的には、図15に示すように、STEP21に示す工程において2回目に記録媒体304から読み取られた貨幣釣銭機200の在高における貨幣の金種毎の枚数から、STEP10に示す工程において書込部128により記録媒体304に書き込んだ釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数、およびSTEP7に示す工程において1回目に記録媒体304から読み取られた貨幣釣銭機200の在高における貨幣の金種毎の枚数をそれぞれ差し引くことにより、貨幣釣銭機200に入金された売上金に係る貨幣の金種毎の枚数が算出されるようになる。
以上のような構成からなる本実施の形態の貨幣入出金機100(貨幣処理装置)やこのような貨幣入出金機100による貨幣処理方法によれば、記録媒体304に記録されている、貨幣入出金機100とは別に設けられた貨幣釣銭機200に関する情報である釣銭機情報を読み取る読取部129と、貨幣を払い出すための払出手段(具体的には、紙幣処理ユニット110において紙幣を払い出すための各紙幣繰出機構135、137や搬送部130、硬貨処理ユニット150において硬貨を払い出すための各収納繰出部160や出金搬送部162、包装硬貨収納ユニット180において包装硬貨を払い出すためのロック機構184等)と、読取部129により読み取られた釣銭機情報に基づいて貨幣釣銭機200に補充されるべき貨幣を払い出すよう払出手段を制御する制御部102とを備えている。このように、本実施の形態では、記録媒体304に記録されている貨幣釣銭機200に関する情報である釣銭機情報を読取部129により読み取り、読取部129により読み取られた釣銭機情報に基づいて貨幣釣銭機200に補充されるべき貨幣を払い出すことにより、補充されるべき貨幣の内訳を店員が手入力する必要がなくなるため店員にとっての作業負荷を軽減するとともに入力ミスを防止することができる。
また、上述した貨幣入出金機100によれば、払出手段は、貨幣入出金機100に装着されている収納カセット300に貨幣(具体的には、紙幣)を払い出すようになっているが、本実施の形態による貨幣入出金機100はこのような態様に限定されることはない。別の態様として、貨幣入出金機100において筐体101の内部から外部に貨幣を投出するための出金口(具体的には、紙幣払出部122の紙幣取出口122aや硬貨払出部166の硬貨取出口)が設けられており、払出手段は、出金口を介して筐体101の外部に貨幣を払い出すようになっていてもよい。
なお、本実施の形態による貨幣管理システム1、およびこのような貨幣管理システム1に設けられた貨幣入出金機100や貨幣釣銭機200は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、貨幣釣銭機200において、店舗420における売上金としての紙幣を収納カセット300に収納させる際に、書込部228は、貨幣釣銭機200の貨幣の在高に係る情報ではなく、貨幣釣銭機200における釣銭準備金として不足する貨幣の金種毎の枚数に係る情報を貨幣釣銭機200の釣銭機情報として収納カセット300に設けられた記録媒体304に書き込むようになっていてもよい。この場合には、店舗420における売上金としての紙幣が収納カセット300に収納され、操作者によりカセット装着部226から収納カセット300が取り出された後、当該収納カセット300が貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110におけるカセット装着部126に装着されたときに、カセット装着部126に設けられた読取部129によって、収納カセット300に設けられた記録媒体304に記録されている情報(具体的には、貨幣釣銭機200における釣銭準備金として不足する貨幣の金種毎の枚数に係る情報)が読み取られるようになる。また、このような変形例に係る貨幣管理システム1では、貨幣入出金機100において、読取部129により読み取られた情報に基づいて貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数を管理する釣銭補充金管理手段107aが設けられている。そして、収納カセット300に収納されている売上金としての紙幣が紙幣処理ユニット110に収納された後、釣銭補充金管理手段107aにより管理される貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数の情報が表示されるようになる。このことにより、操作者は操作表示部104の表示画面を見ることにより、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣の金種毎の枚数の情報を認識することができるようになる。また、操作表示部104には、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣を貨幣入出金機100から出金することを承認するための確認ボタンが表示される。そして、操作者が操作表示部104に表示される確認ボタンを押下すると、釣銭補充金管理手段107aにより管理される釣銭補充金に係る金種毎の枚数の貨幣が貨幣入出金機100から出金される。なお、別の例として、貨幣入出金機100において、収納カセット300が貨幣入出金機100に装着されて読取部129により記録媒体304が読み取られるとすぐに釣銭補充金管理手段107aにより管理される釣銭補充金に係る金種毎の枚数の貨幣が当該貨幣入出金機100から出金されるようになっていてもよい。
また、釣銭補充金管理手段107aにより管理される、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣に紙幣が含まれる場合には、カセット装着部126に装着されている収納カセット300に釣銭補充金に係る紙幣を収納させる。また、釣銭補充金管理手段107aにより管理される、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣に包装硬貨が含まれる場合には、ロック機構184による引出部182のロックが解除され、操作者は引出部182を筐体101から引き出すことにより当該引出部182から包装硬貨を取り出すことができるようになる。なお、他の例として、釣銭補充金管理手段107aにより管理される、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣に包装硬貨が含まれる場合に、引出部182が筐体101から自動で引き出されるようになっていてもよい。また、釣銭補充金管理手段107aにより管理される、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金に係る貨幣にバラ硬貨が含まれる場合には、硬貨処理ユニット150からバラ硬貨が出金されるようになる。
また、別の変形例に係る貨幣管理システム1において、貨幣入出金機100や貨幣釣銭機200における貨幣の在高に係る情報や収納カセット300に収納された紙幣に係る情報等の様々な情報が収納カセット300に設けられた記録媒体304に書き込まれる代わりに、店員等の操作者が携帯するIDカードにこれらの情報が書き込まれるようになっていてもよい。このような変形例に係る貨幣管理システム1では、貨幣釣銭機200から売上金としての貨幣を回収する際に、操作者がIDカードをPOSレジスタ290のカードリーダ296に通すことにより、貨幣釣銭機200の貨幣の在高に係る情報や収納カセット300に収納された紙幣に係る情報を含む様々な情報がIDカードに書き込まれるようになる。また、貨幣釣銭機200から回収された売上金としての貨幣を貨幣入出金機100に入金させる際に、操作者がIDカードを貨幣入出金機100に設けられたカードリーダ(図示せず)に通すことにより、IDカードに記録されている貨幣釣銭機200の貨幣の在高に係る情報や収納カセット300に収納された紙幣に係る情報を含む様々な情報が読み取られ、この読み取られた情報が制御部102に送られるようになる。また、貨幣釣銭機200に入金されるべき釣銭補充金としての貨幣を貨幣入出金機100から出金する際に、操作者がIDカードを貨幣入出金機100に設けられたカードリーダ(図示せず)に通すことにより、貨幣入出金機100から出金された釣銭補充金としての貨幣に係る情報を含む様々な情報がIDカードに書き込まれるようになる。また、貨幣入出金機100から出金された釣銭補充金としての貨幣を貨幣釣銭機200に入金させる際に、操作者がIDカードをPOSレジスタ290のカードリーダ296に通すことにより、IDカードに記録されている釣銭補充金としての貨幣に係る情報を含む様々な情報が読み取られ、この読み取られた情報がPOSレジスタ290のPOS制御部291から貨幣釣銭機200の上位制御部202に送られるようになる。このように、上述したような変形例に係る貨幣管理システム1では、収納カセット300に設けられた記録媒体304を用いなくても、貨幣入出金機100と貨幣釣銭機200との間で様々な情報のやりとりを行うことができるようになる。
また、更に別の変形例に係る貨幣管理システム1の貨幣入出金機100において、収納カセット300をカセット装着部126に装着したときに、当該収納カセット300をリサイクル用の紙幣収納部として用いることができるようになっていてもよい。すなわち、カセット装着部126に装着された収納カセット300は、筐体101の内部で紙幣を収納するとともに収納されている紙幣を繰出可能となるため、各紙幣収納部134、136と同様の機能を果たすようになる。また、カセット装着部126に装着された収納カセット300をリサイクル用の紙幣収納部として用いる場合には、各紙幣収納部134、136と同様に、当該収納カセット300に収納される紙幣の金種を割り当てることができるようになっていてもよい。
また、更に別の変形例に係る貨幣管理システム1において、店舗420における売上金としての貨幣を貨幣釣銭機200から回収する際に、カセット装着部226に装着されている収納カセット300に設けられた記録媒体304に、貨幣釣銭機200から回収された売上金としての貨幣に係る情報が書込部228により書き込まれるようになっていてもよい。この場合には、店舗420における売上金としての紙幣が収納カセット300に収納され、操作者によりカセット装着部226から収納カセット300が取り出された後、当該収納カセット300が貨幣入出金機100の紙幣処理ユニット110におけるカセット装着部126に装着されたときに、カセット装着部126に設けられた読取部129によって、収納カセット300に設けられた記録媒体304に記録されている情報(具体的には、貨幣釣銭機200から回収された売上金としての貨幣に係る情報)が読み取られるようになる。また、読取部129により読み取られた情報は制御部102に送られるようになる。そして、貨幣入出金機100において、読取部129により読み取られた貨幣釣銭機200から回収された売上金としての貨幣に係る情報を正として、紙幣処理ユニット110や硬貨処理ユニット150に入金された紙幣や硬貨の計数を行わなくても、制御部102において貨幣釣銭機200から回収された売上金としての貨幣に係る情報を管理することができるようになる。あるいは、紙幣処理ユニット110や硬貨処理ユニット150に入金された紙幣や硬貨の計数を識別部132、156により行い、制御部102において、識別部132、156による入金貨幣の計数結果と、読取部129により読み取られた貨幣釣銭機200から回収された売上金としての貨幣に係る情報とを比較してもよい。この場合には、両者の情報が一致しない場合には、貨幣釣銭機200から回収された売上金としての貨幣が全て貨幣入出金機100に入金されていないとして、操作表示部104に警告メッセージが表示されるようになる。このような変形例に係る貨幣管理システム1によれば、貨幣釣銭機200から回収された売上金としての紙幣を操作者の手に触れさせることなく貨幣入出金機100に入金させることができるためセキュリティ性を高めることができ、さらに貨幣釣銭機200から回収された売上金としての貨幣の情報を貨幣入出金機100側で確実に管理することができるようになる。
また、更に別の変形例に係る貨幣管理システム1において、硬貨の収納および収納されている硬貨の繰り出しを行う硬貨収納カセットが貨幣入出金機100および貨幣釣銭機200にそれぞれ着脱自在に装着されるようになっていてもよい。この場合には、貨幣入出金機100と貨幣釣銭機200との間でこのような硬貨収納カセットにより硬貨の受け渡しを行うことができるようになるため、貨幣釣銭機200から回収された売上金としての硬貨や貨幣入出金機100から出金された貨幣釣銭機200に釣銭補充金として補充されるべき硬貨を操作者の手に触れさせないようにすることができるためセキュリティ性を高めることができる。また、このような硬貨の収納を行う硬貨収納カセットに上記の記録媒体304を設けるようにしてもよい。
また、別の例として、貨幣入出金機100において、カセット装着部126に装着された収納カセット300から繰り出された紙幣を識別することなく枚数のみを計数するようになっていてもよい。この場合には、計数された紙幣の枚数と、収納カセット300に設けられた記録媒体304に記憶されている紙幣の枚数とを比較し、両者の枚数が一致しない場合に操作表示部104等において両者の枚数が一致しない旨を表示するようになっていてもよい。
また、貨幣入出金機100において、カセット装着部126に装着された収納カセット300から繰り出された紙幣について識別部132により正常な紙幣ではない(すなわち、リジェクト紙幣である)と識別された場合には、このような紙幣を出金リジェクト部124または回収カセット140に保管し、収納カセット300に設けられた記録媒体304に記憶されている情報に基づいて、どの紙幣が正常ではないかを確定するようにしてもよい。また、この場合、識別部132による識別結果に基づいて、正常な紙幣ではないと識別された紙幣の情報を書込部128により記録媒体304に上書きしてもよい。また、識別部132により正常ではないと識別された紙幣の金種および枚数を操作表示部104等により手入力する場合には、リジェクト紙幣の金種および枚数を手入力項目に反映させることにより入力行為を削減することができる。