第1の実施の形態
《構成》
以下、本発明に係る商品券保管装置及び商品券保管システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図9(a)(b)は本発明の実施の形態を説明するための図である。なお、本願において「貨幣」とは「硬貨」と「紙幣」の両方を意味している。
図1に示すように、本実施の形態の商品券保管システムは、硬貨釣銭機100と、紙幣釣銭機200と、棒金管理機500と、POSレジスタ300とを備えている。硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200は、それぞれ硬貨や紙幣の入出金処理を行うようになっている。これら硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200が、特許請求の範囲に記載された「貨幣処理装置」に該当する。なお、図1に示すように、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200は左右方向に並べて配置される。
POSレジスタ300は店舗サーバ400(図2参照)に通信接続されている。そして、POSレジスタ300から店舗サーバ400に売上金情報等が送信されるようになっている。また、各種設定情報が、店舗サーバ400からPOSレジスタ300(複数台でも可)に配信されるようになっている。
図3に示すように、硬貨釣銭機100は、硬貨釣銭機100を制御する上位制御部120及び硬貨釣銭機制御部130を有しており、これらの上位制御部120及び硬貨釣銭機制御部130は通信接続されている。また、紙幣釣銭機200は、紙幣釣銭機200を制御する紙幣釣銭機制御部230を有しており、この紙幣釣銭機制御部230は硬貨釣銭機100の上位制御部120に通信接続されている。また、棒金管理機500は、棒金管理機500を制御する棒金管理機制御部530を有しており、この棒金管理機制御部530は硬貨釣銭機100の上位制御部120に通信接続されている。また、POSレジスタ300は、POSレジスタ300を制御するPOS制御部330を有しており、このPOSレジスタ300のPOS制御部330は硬貨釣銭機100の上位制御部120に通信接続されている。
以下、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200、棒金管理機500及びPOSレジスタ300の構成について、説明する。
《硬貨釣銭機》
まず、硬貨釣銭機100の構成について説明する。
図2に示すように、硬貨釣銭機100は、硬貨を投入するための硬貨受入部101と、硬貨受入部101に投入された硬貨を搬送する入金搬送部103と、硬貨受入部101に投入された硬貨の金種等を識別して計数する硬貨識別計数部104と、入金搬送部103で搬送された硬貨を金種別に収納する硬貨収納部106と、リジェクト硬貨や硬貨収納部106に収納されていた硬貨を出金するための硬貨払出部109と、を備えている。
硬貨受入部101は、硬貨が投入されると駆動されて当該硬貨を機内に繰り入れる硬貨操出部(図示せず)を有している。また、硬貨収納部106は、必要に応じて硬貨収納部106から硬貨を繰り出す硬貨繰出部(図示せず)を有している。
また、図2に示すように、硬貨識別計数部104の下流側であって硬貨収納部106と硬貨払出部109の上流側には、入金搬送部103で搬送された硬貨を硬貨収納部106に搬送するか、硬貨払出部109に搬送するかを分ける硬貨分岐部105が設けられている。また、硬貨収納部106と硬貨払出部109との間には、硬貨収納部106から繰り出された硬貨を搬送する出金搬送部107と、当該出金搬送部107によって搬送される硬貨を検出するとともに計数する払出硬貨検出部108が設けられている。
図1に示すように、硬貨釣銭機100は、タッチパネル等からなり操作者から操作の指示を受け付けるとともに、入出金に関する情報やエラー情報等を表示する硬貨操作表示部112を有している。なお、本実施の形態では、この硬貨操作表示部112が、後述する商品券読取部515で読み取られた商品券の発行元、金額、当該商品券が使用不可能であること、当該商品券が釣銭払出不可の商品券であるか否かを表示するように構成され、特許請求の範囲に記載された「表示手段」に該当している。また、この硬貨操作表示部112には、紙幣釣銭機200や棒金管理機500に関する情報も表示される。
図3に示すように、硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130には、硬貨受入部101、入金搬送部103、硬貨識別計数部104、分岐部105、硬貨収納部106、出金搬送部107、硬貨払出部109等がそれぞれ接続されており、硬貨釣銭機制御部130がこれらと信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。
また、硬貨釣銭機100の上位制御部120には、硬貨釣銭機100のインターフェース132、硬貨操作表示部112、硬貨記憶部150及び後述する判別部155が接続されている。
《紙幣釣銭機》
次に、紙幣釣銭機200の構成について説明する。
図2に示すように、紙幣釣銭機200は、紙幣を投入するための紙幣受入部201と、紙幣受入部201に投入された紙幣を搬送する紙幣搬送部203と、紙幣受入部201に投入された紙幣の金種等を識別して計数する紙幣識別計数部204と、紙幣搬送部203で搬送された紙幣を収納する紙幣収納部206と、リジェクト紙幣や紙幣収納部206に収納されていた紙幣を出金するための紙幣払出部209と、を備えている。
紙幣受入部201は、紙幣が投入されると駆動されて当該紙幣を機内に繰り入れる紙幣操出部(図示せず)を有している。また、紙幣収納部206は、必要に応じて紙幣収納部206から紙幣を繰り出す紙幣繰出部(図示せず)を有している。
また、図2に示すように、紙幣搬送部203には、回収処理を行う際に紙幣収納部206から繰り出された紙幣を収納する回収カセット225が連結されている。なお、紙幣識別計数部204で識別された紙幣の金種を収納するための紙幣収納部206が満杯である場合には、この紙幣はオーバーフロー紙幣として、回収カセット225に収納される。
また、図2に示すように、紙幣搬送部203には、紙幣収納部206から繰り出された紙幣が、斜行等により紙幣識別計数部204によって金種を識別できない場合に、当該紙幣(出金リジェクト紙幣)を収納する出金リジェクト部220が連結されている。
図3に示すように、紙幣釣銭機200の紙幣釣銭機制御部230には、インターフェース232、紙幣受入部201、紙幣搬送部203、紙幣識別部204、紙幣収納部206、紙幣払出部209等がそれぞれ接続されている。そして、紙幣釣銭機制御部230は、紙幣受入部201、紙幣搬送部203、紙幣識別部204、紙幣収納部206、紙幣払出部209等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。
《棒金管理機》
次に、本実施の形態の棒金管理機500(特許請求の範囲の「商品券保管装置」に該当する。)について説明する。なお、本実施の形態では、「商品券保管装置」の一例として棒金管理機500を用いて説明するが、「商品券保管装置」は、このような棒金管理機500に限られることはない。
図2に示すように、本実施の形態の棒金管理機500は、筐体505と、筐体505に対して引き出し自在に設けられ、棒金を1本ずつ収納する棒金収納部520を複数個有する棒金ドロア506(特許請求の範囲の「ドロア」に該当する。)と、を備えている。
図2に示すように、棒金管理機500は、棒金ドロア506の前面に設けられ、商品券を投入するための投入口510(図1参照)と、投入口510に投入された商品券を搬送する商品券搬送部(特許請求の範囲の「搬送手段」に該当する。)511と、投入口510に投入された商品券の少なくとも発行元及び金額を特定可能な情報を読み取る商品券読取部515(特許請求の範囲の「読取手段」に該当する。)(図3参照)と、商品券読取部515で情報の読み取られた商品券を収納する商品券収納部512(特許請求の範囲の「収納手段」に該当する。)と、を備えている。このうち、商品券読取部515は、商品券のイメージ、磁気、バーコード、ICチップ等を読み取るように構成されている。商品券読取部515に用いられる部材の一例としてはラインセンサ、磁気リーダ、バーコードリーダ、ICリーダ等を挙げることができる。なお、商品券読取部515は、商品券搬送部511で搬送されている商品券を読み取るように構成されている。
本実施の形態の投入口510には紙幣を投入することもできる。そして、商品券搬送部511は投入口510に投入された紙幣を搬送することができ、商品券読取部515は紙幣の金種等の情報を読み取ることができる。商品券読取部515で情報の読み取られた紙幣は、商品券収納部512に収納されることとなる。
図2に示すように、棒金収納部(特許請求の範囲の「棒金収納手段」に該当する。)520の下面にはスリット525が設けられている。また、商品券収納部512には、商品券収納部512を覆うことができる蓋部材(図示せず)が着脱自在に設けられている。
本実施の形態の商品券搬送部511は、後述する判別部155によって商品券が使用不可能と判断された場合には、商品券を取り込む際とは逆方向に駆動され、当該商品券を投入口510に戻すように構成されている。商品券搬送部511は、例えば、一対のローラと、当該ローラに巻きかけられたベルトと、ローラを回転させるモータとを有する態様からなっている。そして、商品券を機内に取り込む際には、ローラを介してモータからの駆動力を受けたベルトが一方向に回転されるが、商品券を投入口510に戻す際には、ベルトが一方向とは逆の他方向に回転される態様からなっている。
なお、本実施の形態では、このように使用不可能と判断された商品券が商品券搬送部511によって投入口510に戻される態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、図7に示すように、棒金管理機500が、投入口510とは別に、投入口510に投入された商品券を返却するための返却口519を有し、判別部155によって商品券が使用不可能と判断された場合に、商品券搬送部511によって当該商品券を返却口519に搬送するようになっていてもよい。なお、図7では、投入口510と返却口519との位置関係を説明するために、棒金管理機500だけが側方断面図で示されている。
本実施の形態では、商品券搬送部511が設けられた態様を用いて説明しているが、このような商品券搬送部511は必須の構成要素ではなく、図8に示すように、投入口510から商品券が投入されると、何ら介することなく、当該商品券が商品券収納部512に収納されるような態様であってもよい。この場合には、商品券読取部515が、投入口510に設けられ、投入口510を通過する商品券を読み取るように構成されることになる。
図4は、棒金管理機500に収納された棒金の有無及び金種を検知するためのセンサ527a,527bを示す概略縦断面図である。この図4に示すように、棒金収納部520に対応する位置であって、筐体505の下面内方には光を発光する発光部527aが設けられ、筐体505の上面内方には発光部527aによって発光された光を受光する受光部527bが設けられている。また、上述したように、棒金収納部520の下面にはスリット525が設けられており、発光部527aから発光された光は、このスリット525内を通過することができる。すなわち、センサ527a,527bは、スリット525に対応する箇所(二箇所)に設けられており、発光部527aから発光された光は、各スリット525内を通過できるようになっている。
また、棒金ドロア506と筐体505との間には、棒金管理機制御部530に接続されたロータリエンコーダ(変位検出手段)(図示せず)が設けられており、棒金ドロア506の筐体505に対する位置を検出することができるようになっている。そして、センサ527a,527bとロータリエンコーダ(変位検出手段)によって、棒金の直径を検出することで、棒金の有無を検知するだけでなく、棒金の金種の判定することができるようになっており、これらセンサ527a,527bとロータリエンコーダ(変位検出手段)によって、棒金検知部580(図3参照)が構成されている。なお、棒金収納部520内の棒金の有無及び金種を検知する手段としては、この方式に限定されず、各棒金収納部520に有無や金種(材質)を検知するセンサを配置してもよい。
また、図5(a)(b)に示すように、筐体505には、棒金ドロア506を筐体505に対して閉鎖位置に固定するロック部560が設けられている。なお、図5(a)(b)は、棒金管理機500のロック部560近傍を示す概略縦断面図である。
ロック部560は、図5(a)(b)に示すように、回動軸562を中心として回動可能となり、当接部分561aを有するロックアーム561と、このロックアーム561に連結され、ロックアーム561を回動軸562を中心に回動させる駆動装置569と、ロックアーム561の当接部分561aに当接可能なロック板565と、を有している。また、ロックアーム561のうち回動軸562が設けられた箇所の上方には、筐体505に固定されたバネ563が設けられており、ロックアーム561に付勢力を付与している。
また、図5(a)(b)に示すように、筐体505にはセンサ529a,529bが設けられ、このセンサ529a,529bの発光部529aと受光部529bの間には、遮光板568が通過可能となっている。また、棒金ドロア506に設けられた仕切板506aには、一端が当該仕切板506aに当接してスライド自在なスライド部材566が設けられている。また、当該スライド部材566の他端には、筐体505に固定されたバネ567が設けられており、スライド部材566に付勢力を付与している。
ロック状態にすべきときには、棒金ドロア506を筐体505に対してバネ567の付勢力に抗して押込位置まで押し込んだときに、遮蔽板568が移動することによってセンサ529a,529bの出力が透光から遮光を経て再び透光へ切り換わることを受けて、棒金管理機制御部530は、駆動装置569によってロックアーム561をロック位置へ回動させて、当接部分561aをロック板565に当接可能な位置に位置づける(図5(a)(b)参照)。このため、ロック機構560によって、棒金ドロア506を閉鎖位置に固定することができる。
他方、ロック状態になっていないときには、ロックアーム561は解放位置(すなわち、バネ563の付勢力で、回動軸562を中心に当接部分561aが下方に回動し、当接部分561aがロック板565に当接しない位置)に位置しており、棒金ドロア506を筐体505に対して押込位置まで押し込んだとしても、バネ567の付勢力によって、棒金ドロア506が開くこととなる。
図3に示すように、棒金管理機500は、筐体505に対して棒金ドロア506が開状態になっているか閉状態になっているかを検知する開閉検知部570を備えている。
図3に示すように、棒金管理機500の棒金管理機制御部530には、インターフェース532、商品券読取部515、商品券搬送部511、商品券収納部512、棒金検知部580、開閉検知部570、ロック部560等がそれぞれ接続されている。そして、棒金管理機制御部530は、商品券読取部515、商品券搬送部511、商品券収納部512、棒金検知部580、開閉検知部570、ロック部560等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。
《POSレジスタ300》
次に、POSレジスタ300の構成について説明する。POSレジスタ300は、商品の購入情報を登録するとともに、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせるようになっている。
図3に示すように、POSレジスタ300のPOS制御部330は、硬貨釣銭機100の上位制御部120に通信接続されているとともに、店舗サーバ400にも通信接続されている。そして、このPOS制御部330は、硬貨釣銭機100の上位制御部120を介して硬貨釣銭機制御部130や紙幣釣銭機制御部230や棒金管理機制御部530に指令を送り、この結果、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせたり、棒金管理機500の棒金ドロア506を開放させたりするようになっている。また、POS制御部330は、硬貨釣銭機制御部130や紙幣釣銭機制御部230や棒金管理機500から、上位制御部120を介して、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200や棒金管理機500における硬貨や紙幣や棒金の処理状況に係る情報を受け取るようになっている。
図1に示すように、POSレジスタ300は、店員等の操作者が操作することのできる操作部304と、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200や棒金管理機500の内部に収納された硬貨や紙幣や棒金の在高を表示する表示部302と、当該表示部302に表示させる代わり又は表示部302における表示に加えて表示する追加の表示部302aと、を備えている。操作者は、操作部304を介してPOS制御部330に対して様々な指令を与えることができるようになっている。なお、追加の表示部302aは、顧客等が情報を見るためのものである。
図3に示すように、POSレジスタ300のPOS制御部330は、インターフェース332を介して、硬貨釣銭機100の上位制御部120や店舗サーバ400に対して信号の送受信を行うようになっている。また、記憶部350には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200や棒金管理機500から送信された、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200や棒金管理機500における硬貨や紙幣や棒金の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200や棒金管理機500の内部に収納された硬貨や紙幣や棒金の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。
《記憶部、判別部等、その他の構成》
本実施の形態では、硬貨釣銭機100の硬貨記憶部150が、使用可能な商品券に関するデータと、釣銭払出不可の商品券に関するデータを記憶しており、特許請求の範囲に記載された「記憶手段」及び「集計記憶手段」に該当している。
また、図3に示すように、硬貨釣銭機100は、商品券読取部515により得られた商品券に関するデータと硬貨記憶部150に記憶された使用可能な商品券に関するデータとを比較することによって、商品券読取部515により読み取られた商品券が使用可能か否かを判別する判別部(特許請求の範囲に記載された「判別手段」に該当する。)155を備えている。この判別部155は、商品券読取部515により読み取られた商品券が使用可能であると判断したときに、商品券読取部515により得られた商品券データと硬貨記憶部150に記憶された釣銭払出不可の商品券に関するデータとを比較することで商品券読取部515により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを判別するようにも構成されている。
なお、判別部155が、商品券読取部515で読み取られた商品券が使用可能か否かを判別する手法としては、例えば、使用可能な商品券の発行元(例えば、商品券を発行した百貨店や会社等)の情報が硬貨記憶部150に記憶されており、当該発行元の情報と商品券読取部515で読み取られた商品券の発行元の情報とが合致したときに、判別部155によって使用可能と判断され、逆に、商品券読取部515で読み取られた商品券の発行元の情報と硬貨記憶部150に記憶されている使用可能な商品券の発行元の情報とが合致しないときに、判別部155によって使用不可能と判断される。
また、判別部155が、商品券読取部515で読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券であるか否かを判別する手法としては、例えば、釣銭を払い出すことができない商品券の発行元(例えば、商品券を発行した百貨店や会社等)の情報が硬貨記憶部150に記憶されており、当該発行元の情報と商品券読取部515で読み取られた商品券の発行元の情報とが合致したときに、判別部155によって釣銭を払い出すことのできない商品券であると判断され、逆に、商品券読取部515で読み取られた商品券の発行元の情報と硬貨記憶部150に記憶されている釣銭を払い出すことができない商品券の発行元の情報とが合致しないときに、判別部155によって釣銭を払い出しができると判断される。なお、釣銭払出不可の商品券とは、店員等の操作者が顧客からこのような商品券を預かったときには、顧客から預かった商品券の金額が、顧客が購入しようとする商品の合計金額である売上高より大きい場合でも、釣銭は払い出されないように取り決められている商品券のことをいう。当然、釣銭を払い出すことができる商品券の発行元(例えば、商品券を発行した百貨店や会社等)の情報が硬貨記憶部150に記憶されており、当該発行元の情報と商品券読取部515で読み取られた商品券の発行元の情報とが合致したときに釣銭を払い出し、合致しないときには釣銭を払い出さないような方式をとってもよい。
また、本実施の形態では、紙幣釣銭機制御部230及び硬貨釣銭機制御部130の各々は、商品券読取部515で読み取られた商品券が使用可能であることが判別部155により判別されたときに、商品券読取部515により読み取られた商品券に対する紙幣及び/又は硬貨からなる釣銭を払い出すように構成されている。
なお、顧客が商品券に加えて現金でも支払う場合には、硬貨釣銭機100及び/又は紙幣釣銭機200に貨幣が入金されるとともに、棒金管理機500に商品券が投入され、商品券読取部515で読み取られた商品券が使用可能であり、かつ、釣銭の払い出しを行えることが判別部155により判別されたときには、硬貨釣銭機100及び/又は紙幣釣銭機200に貨幣が入金された貨幣の金額と、棒金管理機500により受け付けられた商品券の金額との合計金額に基づいて、硬貨釣銭機100及び/又は紙幣釣銭機200から釣銭が払い出される。
また、本実施の形態では、棒金管理機制御部530が、棒金ドロア506内の商品券収納部512に収納された商品券の枚数及び合計金額を集計し、棒金ドロア506内に収納された棒金の金種別本数及び合計金額を集計する。また、硬貨釣銭機100の硬貨釣銭機制御部130が、硬貨釣銭機100内に収納された硬貨の金種別枚数及び合計金額を集計し、紙幣釣銭機制御部230が、紙幣釣銭機200内に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額を集計する。集計された集計結果は、硬貨記憶部150に記憶される。
なお、棒金管理機制御部530は、上記のように商品券の枚数に留まらず、商品券の金種別枚数を集計するようになっていてもよい。このように、本実施の形態では、棒金管理機500の棒金管理機制御部530が、特許請求の範囲に記載された「商品券集計手段」と「棒金集計手段」を構成し、硬貨釣銭機制御部130及び紙幣釣銭機制御部230が、特許請求の範囲に記載された「貨幣集計手段」を構成している。
硬貨釣銭機100の上位制御部120は、棒金管理機制御部530から商品券収納部512に収納された商品券の(金種別)枚数及び合計金額に関する情報と、棒金ドロア506内に収納された棒金の金種別本数及び合計金額に関する情報を取得し、硬貨釣銭機制御部130から硬貨釣銭機100内に収納された硬貨の金種別枚数及び合計金額に関する情報を取得し、紙幣釣銭機制御部230から紙幣釣銭機200内に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額に関する情報を取得する。そして、硬貨釣銭機100の上位制御部120は、商品券収納部512に収納された商品券の(金種別)枚数及び合計金額、棒金ドロア506内に収納された棒金の金種別本数及び合計金額、硬貨釣銭機100内に収納された硬貨の金種別枚数及び合計金額、並びに、紙幣釣銭機200内に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額を集計するとともに(図9(a)参照)、POSレジスタ300と店舗サーバ400に送信する。なお、硬貨釣銭機100の上位制御部120は、現金の合計金額(図9(a)の「現金合計」参照)と、現金の合計金額と商品券の合計金額とを足した在高の合計金額(図9(a)の「在高合計」参照)も集計する。
ところで、図9(b)は、棒金管理機500から上位制御部120に送信される在高情報の一例を示したものである。このように、棒金管理機500内の棒金の在高だけでなく、商品券の在高も、棒金管理機500から上位制御部120に送信され、管理することができる。
また、在高情報を表示する旨の指示を受けると、硬貨釣銭機100の上位制御部120によって集計された、商品券収納部512に収納された商品券の(金種別)枚数及び合計金額、棒金ドロア506内に収納された棒金の金種別本数及び合計金額、硬貨釣銭機100内に収納された硬貨の金種別枚数及び合計金額、並びに、紙幣釣銭機200内に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額が、硬貨操作表示部112に表示される(図9(a)参照)。また、硬貨操作表示部112は、現金の合計金額(図9(a)の「現金合計」参照)と、現金の合計金額と商品券の合計金額とを足した在高の合計金額(図9(a)の「在高合計」参照)も表示する。なお、硬貨操作表示部112は、必要に応じて、商品券の金種別枚数を表示するようにしてもよい。
また、硬貨操作表示部112は、商品券読取部515で読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券であることが判別部155により判別されたときに、この商品券の使用許可を受け付ける「受付部」としての機能も有している。
《商品券の処理方法》
次に、棒金管理機500による商品券の処理方法について図6に示すフローチャートを用いて説明する。図6に示すフローチャートは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において顧客が商品を購入する際に、顧客から受け取った商品券を店員等の操作者が処理するときの商品券保管システムの動作を示している。
顧客から受け取った商品券が棒金管理機500の投入口510に投入される。投入口510に投入された商品券は、商品券搬送部511で搬送される。このように商品券搬送部511で搬送されている間に、商品券読取部515によって、当該商品券の少なくとも発行元及び金額を特定可能な情報を読み取られる(STEP1)。
このように商品券読取部515によって商品券が読み取られると、判別部155によって、商品券読取部515により得られた商品券に関するデータと、硬貨記憶部150に記憶された使用可能な商品券に関するデータとが比較され、商品券読取部515により読み取られた商品券が使用可能か否かが判別される(STEP2)。
商品券読取部515により読み取られた商品券が、使用可能な商品券ではないと判別部155により判断されたときには(STEP2の「NO」)、この商品券は商品券搬送部511によって、投入口510に戻されて返却される(STEP3)。この際、硬貨釣銭機100の硬貨操作表示部112あるいはPOSレジスタの表示部302に、商品券が使用不可である旨のメッセージが表示される。
他方、商品券読取部515により読み取られた商品券が、使用可能な商品券であると判別部155により判断されたときには(STEP2の「YES」)、硬貨釣銭機100の上位制御部120によって、硬貨釣銭機100及び/又は紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要があるか否かが判断される(STEP4)。具体的には、硬貨釣銭機100の上位制御部120が、顧客が購入しようとする商品の金額と、商品券読取部515により読み取られた商品券の金額とを比較し、両者が一致するか商品の金額の方が多ければ硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要がないと判断する。
そして、硬貨釣銭機100及び/又は紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要がないと硬貨釣銭機100の上位制御部120によって判断されたときには(STEP4の「NO」)、棒金管理機500において商品券が受け付けられ、この商品券は商品券搬送部511から商品券収納部512に送られて、当該商品券収納部512で収納される(STEP9)。
他方、商品券読取部515により読み取られた商品券の金額が、顧客が購入しようとする商品の金額よりも大きく、硬貨釣銭機100及び/又は紙幣釣銭機200から釣銭を支払う必要があると硬貨釣銭機100の上位制御部120によって判断されたときには(STEP4の「YES」)、判別部155によって、商品券読取部515により得られた商品券データと、硬貨記憶部150に記憶された釣銭払出不可の商品券に関するデータとが比較され、商品券読取部515により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券か否かが判別される(STEP5)。
商品券読取部515により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券ではないと判別部155により判断されたときには(STEP5の「NO」)、商品券読取部515により読み取られた商品券の金額と、顧客が購入しようとする商品の金額との差額分が釣銭として硬貨釣銭機100及び/又は紙幣釣銭機200から払い出される(STEP6)。また、この場合には、硬貨釣銭機100の硬貨操作表示部112に、預かり金金額(商品券読取部515により読み取られた商品券の金額)、現金売上(顧客が購入しようとする商品の金額)及び釣銭の金額がそれぞれ表示される。
他方、商品券読取部515により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券であると判別部155により判断されたときには(STEP5の「YES」)、硬貨釣銭機100の硬貨操作表示部112に、釣銭の支払いができない商品券がある旨のメッセージが表示される(STEP7)。このときには、店員等の操作者は顧客に対して、このような商品券を使用した場合には釣銭が支払われないがそれでも商品券を使用するか否かの確認を行い、釣銭払出不可の商品券を使用することについて顧客が合意した場合には、店員は硬貨操作表示部112により釣銭払出不可の商品券の使用許可の指令を上位制御部120に与える(STEP8の「YES」)。釣銭払出不可の商品券の使用許可が受け付けられると、棒金管理機500において商品券が受け付けられ、この商品券は商品券搬送部511によって商品券収納部512に送られて、当該商品券収納部512で収納される(STEP9)。なお、この場合には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から釣銭の払い出しは行われない。また、商品券が収納されると、商品券の在高情報が加算更新される。
他方、釣銭払出不可の商品券を使用することについて顧客が合意しない場合には、硬貨釣銭機100の硬貨操作表示部112で使用を許可しない旨が入力され(STEP8の「NO」)、商品券読取部515により読み取られた商品券は商品券搬送部511によって、投入口510に戻されて返却される(STEP3)。
ところで、リジェクト部504により商品券が筐体505の外部に返却された後(STEP3)、店員は硬貨操作表示部112により他の決済処理を行うという指令を上位制御部120に与えることができる。より具体的には、例えば顧客が現金やクレジットカード等の支払い方法で商品の代金の支払いを行いたい場合には、硬貨操作表示部112において他の決済処理が受け付けられ(STEP10の「YES」)、商品券保管システムは他の決済処理を実行するようになる(STEP11)。他方、硬貨操作表示部112において他の決済処理が受け付けられなかった場合には(STEP10の「NO」)、商品券保管システムにおいて取引が中止される(STEP12)。
《作用・効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による作用・効果について説明する。
本実施の形態の棒金管理機500は、投入口510に投入された商品券を商品券収納部512に収納する前に、商品券読取部515によって、当該商品券の発行元及び金額を特定可能な情報が読み取られる。このため、本実施の形態によれば、棒金管理機500内に商品券を収納することができるだけでなく、商品券の発行元及び金額を特定可能な情報を読み取ることができる。したがって、本実施の形態によれば、別途、商品券入金機を設置することなく商品券を保管及び管理することができ、商品券入金機を別途設置する場合と比較して、設置スペースを小さくし、導入コストを低く抑えることができる。
また、本実施の形態の硬貨釣銭機100が、硬貨記憶部150で、使用可能な商品券に関するデータと釣銭払出不可の商品券に関するデータを記憶し、判別部155で、商品券読取部515により得られた商品券に関するデータと硬貨記憶部150に記憶された使用可能な商品券に関するデータとを比較することで、商品券読取部515により読み取られた商品券が使用可能か否かを判別する。このため、本実施の形態によれば、店員等の操作者が何ら判断することなく、商品券読取部515で読み取られた商品券が使用可能か否かを判別することができ、処理ミスの防止、操作者の負担軽減、取引時間の短縮等の効果が見込まれる。
また、本実施の形態では、判別部155が、商品券読取部515により得られた商品券データと硬貨記憶部150に記憶された釣銭払出不可の商品券に関するデータとを比較することで商品券読取部515により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを判別する。このため、本実施の形態によれば、店員等の操作者が何ら判断することなく、商品券読取部515で読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを判別することもでき、やはり、処理ミスの防止、操作者の負担軽減、取引時間の短縮等の効果が見込まれる。
また、本実施の形態では、硬貨操作表示部112において、商品券読取部515によって読み取られた商品券の発行元及び金額を表示するだけはなく、商品券読取部515で読み取られた商品券が使用不可能であること、また、商品券読取部515により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券であるか否かを表示することができる。このため、本実施の形態によれば、店員等の操作者は、商品券の発行元及び金額だけでなく、商品券が使用不可能であること、また、商品券が釣銭払出不可の商品券であるか否かを一目で確認することができる。
また、本実施の形態では、商品券読取部515で読み取られた商品券が使用可能であり、かつ、釣銭の払い出しを行えることが判別部155により判別されたときに、商品券読取部515により読み取られた商品券に対する紙幣及び/又は硬貨からなる釣銭が、紙幣釣銭機200及び/又は硬貨釣銭機100から払い出される。このため、本実施の形態によれば、店員等の操作者がPOSレジスタ300に商品券の金額を入力したりすることなく、棒金管理機500に投入された商品券に対する釣銭を払い出すことができる。
また、本実施の形態では、商品券搬送部511が投入口510に投入された紙幣を搬送し、商品券読取部515が紙幣の金種等の情報を読み取ることができるように構成されている。そして、商品券読取部515として例えばラインセンサを用いた場合や、商品券搬送部511での紙幣の搬送速度を紙幣搬送部203での紙幣の搬送速度よりも遅くした場合等には、紙幣釣銭機200で読み取ることができずにリジェクトされた例えば汚損紙幣等であっても、商品券読取部515で読み取ることができる。
また、本実施の形態では、硬貨釣銭機100の上位制御部120が、商品券収納部512に収納された商品券の(金種別)枚数及び合計金額、棒金ドロア506内に収納された棒金の金種別本数及び合計金額、硬貨釣銭機100内に収納された硬貨の金種別枚数及び合計金額、並びに、紙幣釣銭機200内に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額を集計する。このため、本実施の形態によれば、貨幣釣銭機100,200内に収納された貨幣の金種別の金額だけでなく、棒金管理機500内の棒金の金種別の金額及び商品券の金額を集計することができ、管理することができる。
また、本実施の形態では、硬貨釣銭機100の上位制御部120によって集計された、商品券収納部512に収納された商品券の(金種別)枚数及び合計金額、棒金ドロア506内に収納された棒金の金種別本数及び合計金額、硬貨釣銭機100内に収納された硬貨の金種別枚数及び合計金額、並びに、紙幣釣銭機200内に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額が、硬貨操作表示部112に表示される。このため、店舗の従業員等の操作者は、これらの情報を一目で確認することができる。
ところで、棒金管理機制御部530は、商品券読取部515で読み取られて商品券収納部512に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額を集計し、当該集計結果を上位制御部120に送信してもよい。この場合には、上位制御部120が、商品券読取部515で読み取られて商品券収納部512に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額も集計し、この情報も管理することができる。
ところで、上記では、判別部155が、商品券読取部515で読み取られた商品券が使用可能であるか否かを判別し、かつ、商品券読取部515で読み取られた商品券が釣銭の払い出しを行えるか否かを判別する態様を用いて説明したが、これに限られることはない。
例えば、硬貨記憶部150が使用可能な商品券に関するデータのみを記憶し、判別部155が、商品券読取部515により得られた商品券に関するデータと硬貨記憶部150に記憶された使用可能な商品券に関するデータとを比較することで、商品券読取部515により読み取られた商品券が使用可能か否かのみを判別する態様であってもよい。
また、硬貨記憶部150が釣銭払出不可の商品券に関するデータのみを記憶し、判別部155が、商品券読取部515により得られた商品券データと硬貨記憶部150に記憶された釣銭払出不可の商品券に関するデータとを比較することで商品券読取部515により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券か否かのみを判別する態様であってもよい。
また、上記では、硬貨釣銭機100が上位制御部120を備えており、親機として機能していたがこれに限られることはない。
例えば、硬貨釣銭機100ではなく紙幣釣銭機200が上位制御部を備えており、この紙幣釣銭機200が親機として機能し、硬貨釣銭機100が子機として紙幣釣銭機200に接続されるようになっていてもよい。また、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200のそれぞれが上位制御部を備えており、これらの硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200が並列的にPOSレジスタ300に接続されるようになっていてもよい。
また、上記では、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200及び棒金管理機500がそれぞれ別体を構成していたが、これに限られることはなく、例えば、棒金管理機500が硬貨釣銭機100内に組み入れられている態様からなってもよいし、棒金管理機500、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200が一体になっている態様であってもよい。また、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200が一体となった貨幣釣銭機がPOSレジスタ300に接続されるようになっていてもよい。
また、上記では、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200の両方がPOSレジスタ300に接続されて当該POSレジスタ300によって制御されうる態様であったが、これに限られることはない。例えば、硬貨釣銭機100及び紙幣釣銭機200の一方の貨幣釣銭機のみがPOSレジスタ300に接続されて当該POSレジスタ300によって制御されるが、他方の貨幣釣銭機はPOSレジスタ300及び一方の貨幣釣銭機から独立していてもよい。
なお、上記では、硬貨釣銭機100の硬貨操作表示部112で様々な情報が表示される態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、上記において硬貨操作表示部112で表示されるとした情報は、硬貨操作表示部112の代わりにPOSレジスタ300の表示部302及び/又は追加の表示部302aに表示されてもよいし、硬貨操作表示部112に加えてPOSレジスタ300の表示部302及び/又は追加の表示部302aに表示されてもよい。この場合には、POSレジスタ300の表示部302及び/又は追加の表示部302aも、特許請求の範囲に記載された「表示手段」に該当することになる。
第2の実施の形態
次に、図10及び図11により、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10は、本実施の形態による商品券保管システムの構成を示す概略構成図であり、図11は、本実施の形態による商品券保管システムの機能ブロック図である。
第1の実施の形態は、棒金を収納する棒金収納部520を有する棒金管理機500が設けられており、当該棒金管理機500が商品券読取部515及び商品券収納部512を備えた態様であった。これに対して、第2の実施の形態は、棒金管理機500の代わりに貨幣管理機600が設けられた態様からなっている。
具体的には、貨幣管理機600は、図10に示すように、筐体605と、筐体605に対して引き出し自在に設けられ、貨幣を収納する貨幣ドロア606(特許請求の範囲の「ドロア」に該当する。)と、を備えている。貨幣管理機600は、貨幣ドロア606の前面に設けられ、商品券を投入するための投入口610と、投入口610に投入された商品券を搬送する商品券搬送部511と、投入口610に投入された商品券の少なくとも発行元及び金額を特定可能な情報を読み取る商品券読取部515(特許請求の範囲の「読取手段」に該当する。)(図11参照)と、商品券読取部515で情報の読み取られた商品券を収納する商品券収納部512(特許請求の範囲の「収納手段」に該当する。)と、を備えている。
また、図10に示すように、貨幣ドロア606は、紙幣を金種別に収納するための紙幣収納部660と、硬貨を金種別に収納するための硬貨収納部661とを有している。貨幣管理機600は、筐体605に対して貨幣ドロア606が開状態になっているか閉状態になっているかを検知する開閉検知部670(図11参照)を備えている。
図11に示すように、貨幣管理機600は、当該貨幣管理機600を制御する貨幣管理機制御部630を有している。そして、この貨幣管理機制御部630には、インターフェース632、商品券読取部515、商品券搬送部511、商品券収納部512、開閉検知部670等がそれぞれ接続されている。そして、貨幣管理機制御部630は、商品券読取部515、商品券搬送部511、商品券収納部512、開閉検知部670等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。
第2の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
すなわち、本実施の形態では、貨幣管理機600によって、商品券を収納することができるだけでなく、商品券の発行元及び金額を特定可能な情報を読み取ることができる。したがって、本実施の形態によれば、別途、商品券入金機を設置することなく商品券を保管及び管理することができ、商品券入金機を別途設置する場合と比較して、設置スペースを小さくし、導入コストを低く抑えることができる。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様、判別部155が、商品券読取部515により読み取られた商品券が使用可能か否かを判別するので、店員等の操作者が何ら判断することなく、商品券読取部515で読み取られた商品券が使用可能か否かを判別することができる。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様、判別部155が、商品券読取部515により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを判別するので、店員等の操作者が何ら判断することなく、商品券読取部515で読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを判別することもできる。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様、硬貨操作表示部112の表示によって、店員等の操作者が、商品券の発行元及び金額だけでなく、商品券が使用不可能であること、また、商品券が釣銭払出不可の商品券であるか否かを一目で確認することができる。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様、商品券読取部515により読み取られた商品券に対する紙幣及び/又は硬貨からなる釣銭が、紙幣釣銭機200及び/又は硬貨釣銭機100から払い出されるので、店員等の操作者がPOSレジスタ300に商品券の金額を入力したりすることなく、貨幣管理機600に投入された商品券に対する釣銭を払い出すことができる。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様、商品券読取部515として例えばラインセンサを用いた場合や、商品券搬送部511での紙幣の搬送速度を紙幣搬送部203での紙幣の搬送速度よりも遅くした場合等には、紙幣釣銭機200で読み取ることができなかった例えば汚損紙幣等であっても、商品券読取部515で読み取ることができる。
また、本実施の形態では、硬貨釣銭機100の上位制御部120が、商品券収納部512に収納された商品券の(金種別)枚数及び合計金額、貨幣ドロア606内に収納された貨幣の金種別枚数及び合計金額、硬貨釣銭機100内に収納された硬貨の金種別枚数及び合計金額、並びに、紙幣釣銭機200内に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額を集計する。このため、本実施の形態によれば、貨幣釣銭機100,200内に収納された貨幣の金種別の金額だけでなく、貨幣管理機600内の貨幣の金種別の金額及び商品券の金額を集計することができ、管理することができる。
また、本実施の形態では、硬貨釣銭機100の上位制御部120によって集計された、商品券収納部512に収納された商品券の(金種別)枚数及び合計金額、貨幣ドロア606内に収納された貨幣の金種別枚数及び合計金額、硬貨釣銭機100内に収納された硬貨の金種別枚数及び合計金額、並びに、紙幣釣銭機200内に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額が、硬貨操作表示部112に表示される。このため、店舗の従業員等の操作者は、これらの情報を一目で確認することができる。
ところで、貨幣管理機制御部630は、商品券読取部515で読み取られて商品券収納部512に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額を集計し、当該集計結果を上位制御部120に送信してもよい。
第3の実施の形態
次に、図12及び図13により、本発明の第3の実施の形態について説明する。図12は、本実施の形態による商品券保管システムの構成を示す概略構成図であり、図13は、本実施の形態による商品券保管システムの機能ブロック図である。
第3の実施の形態は、第2の実施の形態において、貨幣釣銭機100,200が設けられていない態様からなっている。本実施の形態では、POSレジスタ300の表示部302及び/又は追加の表示部302aが、特許請求の範囲に記載された「表示手段」として機能する。
また、本実施の形態では、POSレジスタ300の記憶部350が使用可能な商品券に関するデータと釣銭払出不可の商品券に関するデータを記憶し、POSレジスタ300が商品券読取部515で読み取られた商品券について、使用可能であるか否か、また、釣銭の払い出しを行えるか否かを判別する判別部355を備えた態様からなっている。
第3の実施の形態において、その他の構成は、第2の実施の形態と略同一の態様となっている。第3の実施の形態において、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、以下の効果を奏することができる。
すなわち、本実施の形態では、貨幣管理機600によって、商品券を収納することができるだけでなく、商品券の発行元及び金額を特定可能な情報を読み取ることができる。したがって、本実施の形態によれば、別途、商品券入金機を設置することなく商品券を保管及び管理することができ、商品券入金機を別途設置する場合と比較して、設置スペースを小さくし、導入コストを低く抑えることができる。
また、本実施の形態では、判別部355が、記憶部350に記憶された使用可能な商品券に関するデータに基づいて、商品券読取部515により読み取られた商品券が使用可能か否かを判別するので、店員等の操作者が何ら判断することなく、商品券読取部515で読み取られた商品券が使用可能か否かを判別することができる。
また、本実施の形態では、判別部355が、記憶部350に記憶された釣銭払出不可の商品券に関するデータに基づいて、商品券読取部515により読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを判別するので、店員等の操作者が何ら判断することなく、商品券読取部515で読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを判別することもできる。
また、本実施の形態では、表示部302及び/又は追加の表示部302aの表示によって、店員等の操作者が、商品券の発行元及び金額だけでなく、商品券が使用不可能であること、また、商品券が釣銭払出不可の商品券であるか否かを一目で確認することができる。
また、本実施の形態では、POS制御部330が、商品券収納部512に収納された商品券の(金種別)枚数及び合計金額、並びに、貨幣ドロア606内に収納された貨幣の金種別枚数及び合計金額を集計する。このため、本実施の形態によれば、貨幣管理機600内の貨幣の金種別の金額及び商品券の金額を集計することができ、管理することができる。
また、本実施の形態では、POS制御部330によって集計された、商品券収納部512に収納された商品券の(金種別)枚数及び合計金額、並びに、貨幣ドロア606内に収納された貨幣の金種別枚数及び合計金額が、表示部302及び/又は追加の表示部302aに表示される。このため、店舗の従業員等の操作者は、これらの情報を一目で確認することができる。
ところで、本実施の形態でも、貨幣管理機制御部630は、商品券読取部515で読み取られて商品券収納部512に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額を集計し、当該集計結果をPOS制御部330に送信してもよい。この場合には、貨幣管理機制御部630が、商品券読取部515で読み取られて商品券収納部512に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額も集計し、この情報も管理することができる。
第4の実施の形態
次に、図14により、本発明の第4の実施の形態について説明する。図14は、本実施の形態による商品券保管システムの機能ブロック図である。
第1の実施の形態は、硬貨釣銭機100の硬貨記憶部150が、使用可能な商品券に関するデータと、釣銭払出不可の商品券に関するデータを記憶し、硬貨釣銭機100が、商品券読取部515で読み取られた商品券について、使用可能であるか否か、又、釣銭の払い出しを行えるか否かを判別する判別部155を備えた態様であった。これに対して、第4の実施の形態では、棒金管理機500が、使用可能な商品券に関するデータと釣銭払出不可の商品券に関するデータを記憶する棒金記憶部550と、商品券読取部515で読み取られた商品券について、使用可能であるか否か、また、釣銭の払い出しを行えるか否かを判別する判別部555と、を備えた態様からなっている。
第4の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。第4の実施の形態において、第1乃至第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態は、第1の実施の形態の硬貨釣銭機100で行われていたことが、棒金管理機500で行われるようになったものであり、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。具体的な作用・効果については、簡単に説明するに留める。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様、別途、商品券入金機を設置することなく商品券を保管及び管理することができ、商品券入金機を別途設置する場合と比較して、設置スペースを小さくし、導入コストを低く抑えることができる。
また、棒金記憶部550及び判別部555の機能によって、商品券読取部515で読み取られた商品券が使用可能か否かを判別することができる。また、棒金記憶部550及び判別部555の機能によって、商品券読取部515で読み取られた商品券が釣銭払出不可の商品券か否かを判別することもできる。
また、硬貨操作表示部112の表示によって、操作者は、商品券の発行元及び金額だけでなく、商品券が使用不可能であること、また、商品券が釣銭払出不可の商品券であるか否かを一目で確認することができる。また、硬貨操作表示部112の表示によって、操作者は、商品券収納部512に収納された商品券の(金種別)枚数及び合計金額、棒金ドロア506内に収納された棒金の金種別本数及び合計金額、硬貨釣銭機100内に収納された硬貨の金種別枚数及び合計金額、並びに、紙幣釣銭機200内に収納された紙幣の金種別枚数及び合計金額を一目で確認することができる。
また、第1の実施の形態と同様、店員等の操作者がPOSレジスタ300に商品券の金額を入力したりすることなく、棒金管理機500に投入された商品券に対する釣銭を払い出すことができる。また、紙幣釣銭機200で読み取ることができなかった例えば汚損紙幣等であっても、商品券読取部515で読み取ることができる。
ところで、第4の実施の形態の態様は、第2の実施の形態及び第3の実施の形態でも用いることができる。この場合には、貨幣管理機600が、使用可能な商品券に関するデータと釣銭払出不可の商品券に関するデータを記憶する記憶部と、商品券読取部515で読み取られた商品券について使用可能であるか否か、また、釣銭の払い出しを行えるか否かを判別する判別部と、を有することとなる。
なお、上述した各実施の形態では、使用可能な商品券に関するデータと釣銭払出不可の商品券に関するデータを記憶する記憶部と当該記憶部のデータに基づいて判別する判別部が同じ装置に設けられる態様を用いて説明したが、これに限られることはない。例えば、硬貨釣銭機100が記憶部及び判別部のうちの一方を有し、棒金管理機500が他方を有してもよい。
また、上記のように、使用可能な商品券に関するデータと釣銭払出不可の商品券に関するデータを記憶する記憶部と当該記憶部のデータに基づいて判別する判別部を、硬貨釣銭機100、棒金管理機500又はPOSレジスタ300が有している態様に限られず、これら記憶部と判別部の一方又は両方を、紙幣釣銭機200が有することも当然可能である。
また、上述した各実施の形態では、同じ記憶部が、使用可能な商品券に関するデータと釣銭払出不可の商品券に関するデータを記憶している態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、例えば、使用可能な商品券に関するデータ及び釣銭払出不可の商品券に関するデータのうちの一方を硬貨記憶部150が記憶し、他方を棒金記憶部550が記憶してもよい。
また、上記では、一つの判別部が、使用可能な商品券であるか否かを判別し、かつ、釣銭払出不可の商品券であるか否かを判別する態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、例えば、硬貨釣銭機100の判別部155及び棒金管理機500の判別部555のうちの一方が使用可能な商品券であるか否かを判別し、他方が釣銭払出不可の商品券であるか否かを判別してもよい。
このように、上述した各実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した各実施の形態の記載によって特許請求の範囲に記載された発明は限定されることはない。