JP3636204B2 - ジアミノ化合物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ジアミノ化合物およびその製造方法に関する。
時計や電卓に用いられてる液晶表示素子には、上、下2枚で一対をなす電極基板の間でネマチック液晶分子の配列方向を90度に捻った構造のツイスト・ネマチック(以下、TNと略す。)モードが主に採用されている。また、ねじれ角を180〜300度と大きくしたスーパーツイステッドネマチック(以下STNと略す)モードも開発され、大画面でも表示品位の良好な液晶表示素子が得られるようになった。
さらに、近年では、マトリクス表示やカラー表示等を行うようになってきたため、多数の画素電極とこれらのON−OFFを行うことのできるアクティブ型ツイストネマチックモードを採用したMIM(金属−絶縁相−金属)素子や、TFT(電界効果型薄膜トランジスタ) 素子の開発が盛んになってきた。
これらのモード全てに共通する問題として、同一画面を長時間表示した後、他の画面に移ると前の画像が残像として残る現象が生じることである。特に、高品位の液晶表示素子を得るためには、この残像現象を改善することが非常に重要な問題である。
残像現象の原因は、液晶表示素子に印加されるDC成分により、配向膜表面の液晶中に含まれる不純物のイオン成分により電気二重層が生じ、上下の基板の間で電荷の偏りが生じ、その偏りが安定に保たれることにより、発生する電位差がその原因であると考えられる。特に、TFT素子においては、素子の特性上、DC成分を除去することができないので、残像現象は、TN、STN素子よりも目だちやすく深刻である。
またTFTモードにおいては、残像による画面のちらつきを防止するために、特に電圧保持率の低下が著しい60℃から90℃においても高い電圧保持率を持つ配向膜が要求されている。
このような液晶表示素子に使用される配向膜として、おもにポリイミドやポリアミドなどの有機系の膜が用いられており、特許文献1では、

Figure 0003636204
で表される反復単位を有するポリイミド樹脂を用いた液晶配向膜を備えた液晶表示素子が開示されている。しかし、この様なエーテル結合を含むポリイミド樹脂からなる配向膜を用いた素子では、残像現象が発生し易い。
特開昭51−65960号公報
本発明の目的は、上記の問題点を解決することであり、残像現象がなく、低温から高温にわたって高い電圧保持率を持つ液晶配向膜が得られる原料ポリイミド樹脂を得るのに適したジアミノ化合物およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究開発を進めた結果、残像現象や電圧保持率は、配向膜表面の極性と相関があり、配向膜用の原料ポリイミド樹脂として、この極性を小さくすることのできるある特定の構造を有するジアミノ化合物を用いることにより、残像現象が抑えられ、低温から高温にわたって高い電圧保持率を持つ液晶配向膜が得られることを見いだし、本発明を完成させた。
該ジアミノ化合物は、−O−,−SO2−の様な極性基を持たず、かつ、分子 量が大きいため、ポリイミドの原料として使用した場合、極性の大きいイミド基の割合を相対的に減らすことができる。従って、より極性の小さなポリイミドを得ることができるのである。
本発明の内容をさらに詳細に説明すると、
1)一般式(1)

Figure 0003636204
(式中、nは0または1を表す。)で表されるジアミノ化合物。
2)一般式(2)

Figure 0003636204
で表されるジフェニルメタン誘導体に、一般式(3)

Figure 0003636204
(式中、Xは塩素または臭素を表す。)で表されるベンゾイルハライド誘導体を反応させた後、カルボニル基を還元し、つづいて一般式(4)

Figure 0003636204
(式中Xは塩素または臭素を表す。)で表されるパラニトロベンゾイルハライドを反応させた後、カルボニル基およびニトロ基を還元することを特徴とする、一般式(5)

Figure 0003636204
で表されるジアミノ化合物の製造方法。
3)一般式(6)

Figure 0003636204
で表されるジベンジルベンゼン誘導体に、前記一般式(4)で表されるパラニトロベンゾイルハライド誘導体を反応させた後、カルボニル基およびニトロ基を還元することを特徴とする、一般式(7)

Figure 0003636204

で表されるジアミノ化合物の製造方法である。
本発明により新規なジアミノ化合物およびこれらの製造方法が提供された。
該ジアミノ化合物を原料として用いたポリイミド化合物は、液晶配向膜として優れた効果を有する。例えば、該液晶配向膜を用いた液晶表示素子は、残像現象の発生もなく、低温から高温にわたり高い電圧保持率を持つ高品位なものである。これは、原料のジアミノ化合物が−O−、−SO2−のような極性基を持たず 、かつ分子量が大きいために、相対的に極性が大きいイミド結合の割合を減らすことができたためと考えられる。このような特徴をもつ本発明のジアミノ化合物は、液晶配向膜の原料中間体を主目的としてデザインされたが、その他のポリイミド、ポリアミド等の高分子化合物およびその改質にも使用可能であり、エポキシ架橋材等の他の目的に使用し、また高分子化合物に新しい特性を導入することが期待できる。
本発明のジアミノ化合物は、式(1)で表されるものであり、具体例をあげると、
1,4−ビス(4−(4−アミノフェニルメチル)フェニルメチル)ベンゼン、
1,1−ビス(4−(4−(4−アミノフェニルメチル)フェニルメチル)フェニル)メタンである。
本発明のジアミノ化合物の製造について、具体的に説明する。
本発明で用いられるジフェニルメタンは、式(2)で表されるものであり、市販品を購入、または、公知の方法で容易に合成することができる。
本発明で用いられるジベンジルベンゼンは、式(6)で表されるものであり、市販品を購入、または、公知の方法で容易に合成することができる。
本発明で用いられるベンゾイルハライドもしくはその誘導体は、式(3)で表されるものであり、市販品を購入、または、公知の方法で容易に合成することができる。具体例としては、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミドである。
本発明で用いられるパラニトロベンゾイルハライドは、式(4)で表されるものであり、具体例として、パラニトロベンゾイルクロリド、パラニトロベンゾイルブロミドなどがあげられる。
ジフェニルメタンとベンゾイルハライドとの反応には、通常、触媒が使用される。触媒には、AlCl3、SbCl5、FeCl3、TeCl2、SnCl4、TiCl4、BiCl3、ZnCl2等があげられるが、反応性、安全性及び経済性の面からAlCl3、FeCl3が好ましい。
また、反応にあたっては、通常、二硫化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ニトロベンゼン等の溶媒が使用される。
反応は、溶媒中で、触媒とベンゾイルハライドとを撹拌混合し、0℃から150℃でジフェニルメタン(必要に応じて溶媒に溶解させたもの)を滴下し、反応させる。
反応終了後、生成物と触媒との付加物を分解するため、反応混合液を氷に注ぎ
、水洗、蒸留、水蒸気蒸留などで溶媒等を除き、精製する。さらにカルボニル基をクレメンゼン還元、ウォルフ−キッシュナー還元、パラジウムカーボン等の触媒による接触水素還元、水素化リチウムアルミニウム−塩化アルミニウム等により還元することによりビス(ベンジルフェニル)メタン誘導体が得られる。
ビス(ベンジルフェニル)メタンまたはジベンジルベンゼンとパラニトロベンゾイルハライドとの反応には、通常、触媒が使用される。触媒には、AlCl3、SbCl5、FeCl3、TeCl2、SnCl4、TiCl4、BiCl3、ZnCl2等があげられるが、反応性、安全性及び経済性の面からAlCl3、FeCl3が好ましい。
また、反応にあたっては、通常、二硫化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム
、ジクロロエタン、ニトロベンゼン等の溶媒が使用される。
反応は、溶媒中で、触媒とパラニトロベンゾイルハライドとを撹拌混合し、0℃から150℃でビスベンジルフェニルメタンまたはジベンジルベンゼン(必要に応じて溶媒に溶解させたもの)を滴下し、反応させる。
反応終了後、生成物と触媒との付加物を分解するため、反応混合液を氷に注ぎ
、水洗、蒸留、水蒸気蒸留などで溶媒等を除き、精製することによりビス(ニトロベンゾイルベンジルフェニル)メタンまたはビス(ニトロベンゾイルベンジル)ベンゼンが得られる。
カルボニル基の還元は、トリフルオロメタンスルホン酸、四塩化チタン、三ふっ化ほう素またはその錯体等の触媒の存在下、トリアルキルシラン、具体的にはトリエチルシラン等を反応させることにより行うことが出来る。その時の反応温度は、0℃から100℃の間が好ましい。反応にあたっては、溶媒を使用しても良く、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
ニトロ基の還元には、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、2ーエトキシエタノール、2ーブトキシエタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、酢酸等の溶媒中で、白金・カーボン、酸化白金、ラネーニッケル、パラジウムカーボン等の触媒を用い、必要により酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、トリフロロ酢酸等の酸を添加し、常圧または加圧下、10〜80℃で水素還元することにより行われる。
あるいは、カルボニル基とニトロ基を、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、酢酸、等の溶媒中で、白金・カーボン、酸化白金、ラネーニッケル、パラジウム・カーボン等の触媒を用い、必要により酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、トリフロロ酢酸等の酸を添加し、加圧下、80℃から150℃で水素還元することもできる。
本発明のジアミノ化合物は液晶配向膜用ポリイミド樹脂以外にも、比較的極性の弱いジアミノ化合物という特性を利用して各種ポリイミドコーティング剤、或いはポリイミド樹脂成形品、フィルム、繊維などに利用することができる。さらには、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ尿素樹脂の原料、或いはエポキシ樹脂の硬化剤などとして用いることができる。
以下、本発明の化合物に関して、実施例により、より詳細に例示するとともに
、この化合物を用いることにより得られる製品、すなわちポリイミド樹脂の液晶配向膜を応用例として示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に示す応用例および応用比較例において、残像現象の度合は、C−Vカーブ法を用いて測定した。C−Vカーブ法は、液晶セルに25mV、1kHzの交流を印加し、さらに周波数0.0036Hzの直流の三角波(以下、DC電圧という。)を重たんさせ、DC電圧をー10Vから10Vの範囲で掃引することにより変化する容量Cを記録する方法である。DC電圧を正側(0→10V)に掃引すると、容量は大きくなる。次に負側(10→0V)に掃引すると、容量は小さくなる。0より負側(0→ー10V)に掃引すると、また容量は大きくなり、正側(ー10→0V)に掃引するとまた小さくなる。これを数サイクル繰り返すと、図1のような波形が得られる。液晶配向膜表面に電荷の偏りが生じ、この偏りが安定化すると、電圧が正側、負側両方において図1のようなヒステリシスカーブを描く。この図1をもとに、各C−V曲線に対し接線をひき、またDC電圧が0のときの容量(C0 )を示す直線を引く。そしてそれら各々の交点(α1〜 α4)を求め、正側は|α1−α2|、負側は|α3−α4|の各2点間の電圧差を 求めた後、これらの平均の電圧差、すなわち(|α1−α2|+|α3−α4|)/2を求め、得られた値を残留電荷とした。残留電荷は、液晶セルの膜厚及び配向膜の膜厚が同じであれば、電荷の偏りとそしてその安定化を示すパラメーターとして用いることができる。すなわち残留電荷の小さい配向膜を用いるほど残像現象を緩和できる。
電圧保持率は、図2のような回路で測定した。測定方法は、ゲートパルス幅69μs、周波数60Hz、波高±4.5Vの矩形波(VS)をソースに印加する ことにより変化するドレイン(VD)をオシロスコープより読み取ることによっ て行った。例えば、ソースに正の矩形波が印加されると次に負の矩形波が印加されるまでの間、ドレイン(VD)は正の値を示す。もし、保持率が100%の場 合、図3に示すVDは、点線で表される長方形の軌道をとるのだが、普通VDは、除々に0近づく実線の軌道となる。そこで、測定した軌道の面積(V=0と軌道によって囲まれる面積)すなわち斜線部分を算出し、これを4回行ない、平均値を求めた。まったく電圧が減少しなかった場合の面積を100%として、これに対し、測定した面積の相対値を電圧保持率(%)とした。
(実施例1)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素置換装置を付した2リットルの4つ口フラスコに、塩化アルミニウム177.4gとニトロベンゼン300ミリリットルを混合し、氷冷下パラニトロベンゾイルクロリド99.54gを投入し、溶解させた。次に、1,4−ビス(フェニルメチル)ベンゼン46.10gのニトロベンゼン100ミリリットル溶液を30分かけて滴下した。滴下終了30分後
、氷浴を外し、室温で40時間かくはんした。液体クロマトグラフィーで反応の終了を確認したのち、反応液を1.5リットルの氷に注ぎ、次いでクロロホルム1.0リットルで抽出した。この溶液をセライトでろ過した後、6N−HCl水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水及び水で洗浄し、ロータリーエバポレーターでクロロホルムを除去した後、水蒸気蒸留でニトロベンゼンを除去した。クロロホルムに溶解し、シリカゲルカラム精製し、酢酸エチルで再結晶することにより、1,4−ビス(4−(4−ニトロベンゾイル)フェニルメチル)ベンゼンの結晶35.72gを得た。
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素置換装置を付した3リットルの4つ口フラスコ中で、1,4−ビス(4−(4−ニトロベンゾイル)フェニルメチル
)ベンゼン34.39gをジクロロメタン1000ミリリットルに溶解し、氷冷下、四塩化チタン37.8gのジクロロメタン50ミリリットル溶液を1時間かけて滴下した。続いて、トリエチルシラン41.46gのジクロロメタン50ミリリットル溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了30分後、氷冷下7時間撹拌した。液体クロマトグラフィーで反応の終了を確認したのち、反応液を炭酸ナトリウム水溶液で中和し、水洗した。ロータリーエバポレーターでジクロロメタンを除去した後、クロロホルムに溶解し、アルミナカラム処理を行い、その溶出液から溶媒を留去した。濃縮物を酢酸エチル溶媒で再結晶することにより、1,4−ビス(4−(4−ニトロフェニルメチル)フェニルメチル)ベンゼンの結晶26.48gを得た。
撹拌装置及び窒素置換装置を付した1リットルの3つ口フラスコに1,4−ビス(4−(4−ニトロフェニルメチル)フェニルメチル)ベンゼン25.00gをテトラヒドロフラン400ミリリットルに溶解し、Pd−C触媒(5%品、水分55.9%含)2.5gを加え、常圧にて水冷、撹拌しながら水素ガスと接触させた。水素の吸収が停止した後に、触媒を濾別し、溶液を濃縮した。濃縮物をテトラヒドロフラン溶媒で再結晶することにより、本発明のジアミノ化合物である、1,4−ビス(4−(4−アミノフェニルメチル)フェニルメチル)ベンゼン21.13gを得た。融点は177.9〜179.7℃であった。
この化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)を第4図に、赤外線吸収スペクトルを第5図にそれぞれ示した。
(実施例2)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素置換装置を付した5リットルの4つ口フラスコ中で、塩化アルミニウム317.0gとニトロベンゼン1.5リットルを混合し、水冷下ベンゾイルクロリド209.0gを投入溶解させ、次いでジフ ェニルメタン100.0gのニトロベンゼン100ミリリットル溶液を30分間 かけて滴下した。滴下終了30分後、水浴を外し70℃まで加温し、その温度を保ち5時間撹拌した。ガスクロマトグラフィーで反応の終了を確認した後、反応液を1.0リットルの氷水に注ぎ次いでクロロホルム2.5リットルで抽出した。その後6N−HCl水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水、水で洗浄しロータリーエバポレーターでクロロホルムおよびニトロベンゼンを除去した後、酢酸エチルで再結晶することにより、1,1−ビス(4−ベンゾイルフェニル)メタ ンの結晶150.7gを得た。
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素置換装置を付した5リットルの4つ口フラスコに水素化リチウムアルミニウム54.4gと塩化アルミニウム382.6gを2.0リットルのテトラヒドロフランにゆっくり投入した混合液に、室温 下1,1−ビス(4−ベンゾイルフェニル)メタン150gを加え次いで加熱、1 時間かけて60℃まで昇温し、その温度を保ち4時間撹拌した。液体クロマトグラフィーで反応終了を確認した後、反応液を室温まで冷却し酢酸エチル600ミリリットルを滴下し30分間撹拌、次いで水500ミリリットルを滴下30分間撹拌した。反応液を1.0リットルの氷水に注ぎ次いでクロロホルム1.5リットルで抽出した。その後6N−HCl水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水
、水で洗浄し、ロータリーエバポレーターでクロロホルムとニトロベンゼンを除去した後、トルエン2とヘプタン1の混合溶媒でカラム精製し、溶媒を除去し、次いで酢酸エチルで再結晶することにより、1,1−ビス(4−(1−フェニルメチル)フェニル)メタンの結晶115gを得た。
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素置換装置を付した5リットルの4つ口フラスコに、塩化アルミニウム382.6gと1.25リットルのニトロベンゼンを混合し室温下1,1−ビス(4−(1−フェニルメチル)フェニル)メタン115gを加え20から23℃の温度を保ち10時間撹拌した。液体クロマトグラフィーで反応終了を確認した後、反応液を1.0リットルの氷水に注ぎ、次いでク ロロホルム2.0リットルで抽出した。その後50から55℃の6N−HCl水 溶液、温炭酸水素ナトリウム水溶液、温食塩水、温水で洗浄し、ロータリーエバポレーターでクロロホルムおよびニトロベンゼンを除去した後、クロロホルムに溶解しシリカゲルカラム精製し、クロロホルムで再結晶することにより、1,1−ビス(4−(4−(4−ニトロベンゾイル)フェニルメチル)フェニル)メタンの結晶17.7gを得た。
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素置換装置を付した1リットルの4つ口フラスコに、1,1−ビス(4−(4−(4−ニトロベンゾイル)フェニルメチル
)フェニル)メタン17.7gをジクロルエタン150ミリリットルに溶解し、 トリエチルシラン14.5gと三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体20.7gを加え、ジクロルエタン還流下20時間撹拌した。液体クロマトグラフィーで反応終了を確認した後、反応液を室温まで降温し、100ミリリットルの氷水に注ぎ、次いでクロロホルム150ミリリットルを加え抽出した。その後6N−HCl水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水、水で洗浄し、ロータリーエバポレーターでクロロホルム更にジクロルエタンを除去した後、クロロホルム溶媒で再結晶することにより、1,1−ビス(4−(4−(4−ニトロフェニルメチル)フェニルメチル)フェニル)メタンの結晶16.4gを得た。
撹拌装置及び窒素置換装置を付した1リットルの3つ口フラスコに1,1−ビス(4−(4−(4−ニトロフェニルメチル)フェニルメチル)フェニル)メタン16.4gをテトラヒドロフラン500ミリリットルに溶解し、Pd−C触媒(5%品、水分54.8%含)1.7gを加え、常圧にて水冷、撹拌しながら水素ガスと接触させた。水素の吸収が停止した後に、触媒を濾別すると共に触媒残渣層に付着した目的物をクロロホルムで充分に洗い、濾液を濃縮した。濃縮物をクロロホルム溶媒で再結晶することにより、本発明のジアミノ化合物である1,1−ビス(4−(4−(4−アミノフェニルメチル)フェニルメチル)フェニル)メタンの結晶11.0gを得た。融点は、192.0〜193.0℃であった。
この化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)を第6図に、赤外線吸収スペクトルを第7図にそれぞれ示した。
(応用例1)
撹拌装置、温度計、コンデンサー及び窒素置換装置を付した200ミリリットルの4つ口フラスコに、脱水精製したN−メチル−2−ピロリドン50g、ついで1,4−ビス(4−(4−アミノフェニルメチル)フェニルメチル)ベンゼン7.80gを仕込み撹拌溶解した。これを13℃に冷却してピロメリット酸二無水物3.69gを一度に投入し、冷却しながら撹はん反応させた。一時間後、パラアミノフェニルトリメトキシシラン0.11gを加えて20℃で1時間撹拌反応させた。
その後、反応液をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)54.4gで希釈することによりポリアミド酸10重量%の透明溶液が得られた。この溶液の25℃における粘度は1890センチポイズであった。
この溶液に2ーブトキシエタノールとNMPとの1:1の混合溶液を加えてポリアミド酸を3重量%に希釈した後、片面にITO電極を設けた透明ガラス基盤上に回転塗布法(スピンナー法)で塗布した。回転条件は5000rpm、15秒 であった。塗膜後100度で10分乾燥した後、オーブン中で一時間かけて200℃まで昇温を行い、200℃で90分間加熱処理を行い、膜厚約600オングストロームのポリベンジルイミド膜を得た。このポリベンジルイミド膜が形成された基盤2枚の塗膜面をそれぞれラビング処理し液晶配向膜とし、ラビング方向が平行で、かつ互いに対向するようにセル厚6ミクロンの液晶セルを組み立て、チッソ社製TFT用液晶FB01を封入した。封入後120℃で30分間アイソトロピック処理を行い、室温まで徐冷して液晶素子を得た。
この液晶素子の残留電荷は25℃で0.06Vであり、20℃、60℃、90℃における電圧保持率はそれぞれ98.2%、97.5%、95.1%であった。
(応用例2)
応用例1において1,4−ビス(4−(4−アミノフェニルメチル)フェニルメチル)ベンゼン7.80gの代わりに1,1−ビス(4−(4−(4−アミノフェニルメチル)フェニルメチル)フェニル)メタン9.30gを用いる以外は応用例1に準じてポリアミド酸を得た。これを用い、応用例1に準じて液晶素子を得た。
この液晶素子の残留電荷は25℃で0.05Vであり、20℃、60℃、90℃における電圧保持率はそれぞれ98.0%、97.6%、95.3%であった。
(比較応用例1)
応用例1において1,4−ビス(4−(4−アミノフェニルメチル)フェニルメチル)ベンゼン7.80gの代わりに2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン7.40gを用いる以外は応用例1に準じてポリアミド酸を得た。これを用い、応用例1に準じて液晶素子を得た。
この液晶素子の残留電荷は25℃で0.20V、20℃、60℃、90℃における電圧保持率はそれぞれ90.0%、82.3%、65.6%であった。
(比較応用例2)
応用例1において1,4−ビス(4−(4−アミノフェニルメチル)フェニルメチル)ベンゼン7.80gの代わりに4,4−ジアミノジフェニルエーテル3.33gを用いる以外は応用例1に準じてポリアミド酸を得た。これを用い、応用例1に準じて液晶素子を得た。
この液晶素子の残留電荷は25℃で0.26V、20℃、60℃、90℃における電圧保持率はそれぞれ89.0%、80.1%、58.4%であった。
C−Vヒステリシス曲線を示す図である。 電圧保持率の測定に用いられる回路図である。 VSは、ゲートパルス幅69μs、周波数60Hz、波高±4.5Vの矩形波 である。 VDは、図2に示す回路のソースにVSを印加し、オシロスコープより読み取った波形である。 実施例1で得られたジアミノ化合物の1H-NMRスペクトル図である。 実施例1で得られたジアミノ化合物の赤外線吸収スペクトル図である。 実施例2で得られたジアミノ化合物の1H-NMRスペクトル図である。 実施例2で得られたジアミノ化合物の赤外線吸収スペクトル図である。

Claims (3)

  1. 一般式(1)

    Figure 0003636204

    (式中、nは0または1を表す。)で表されるジアミノ化合物。
  2. 式(2)

    Figure 0003636204

    で表されるジフェニルメタンに、一般式(3)

    Figure 0003636204

    (式中Xは塩素または臭素を表す。)で表されるベンゾイルハライドを反応させた後、カルボニル基を還元し、つづいて一般式(4)

    Figure 0003636204

    (式中Xは塩素または臭素を表す。)で表されるパラニトロベンゾイルハライドを反応させた後、カルボニル基およびニトロ基を還元することを特徴とする、式(5)

    Figure 0003636204

    で表されるジアミノ化合物の製造方法。
  3. 式(6)

    Figure 0003636204

    で表されるジベンジルベンゼンに、一般式(4)

    Figure 0003636204

    (式中Xは塩素または臭素を表す。)で表されるパラニトロベンゾイルハライドを反応させた後、カルボニル基およびニトロ基を還元することを特徴とする、式(7)

    Figure 0003636204

    で表されるジアミノ化合物の製造方法。

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