JP6627772B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜、及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents
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Description
本発明の液晶配向剤により、何故に前記のような結果が得られるかについては、必ずしも明らかではないが、ほぼ次のように推定される。
本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜は、これを構成するポリマー主鎖が、ラビング処理により、十分に延伸しうる柔軟な構造と液晶分子と十分に相互作用しうる芳香族官能基を主鎖に有するため、高い液晶配向性を有する。また、式(C)で表される化合物が、ポリマー中のカルボキシル基と焼成時に反応し、これにより耐熱性が向上し、焼成時に液晶配向膜から発生する分解物の量が抑制されるため、高い電圧保持率を有する。更に、式(C)で表される化合物とポリマーのカルボキシ基との反応により、ポリマー中に架橋構造が形成されることにより膜硬度が向上し、ラビング処理時のラビング布の影響も受けにくくなるため、かかる液晶配向膜を用いた液晶表示素子では、ラビングによるコントラストの低下を抑制できる。また、本発明の液晶配向膜は、π電子共役系が拡張している構造をポリマー主鎖に有することから、体積抵抗値が低く、これにより直流電圧により蓄積した残留電荷の緩和が早いと考えられる。
本発明の液晶配向剤は、下記式(A)のテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物成分と下記式(B)で表されるジアミンを含むジアミン成分とを重縮合反応させて得られるポリアミック酸及び該ポリアミック酸のイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体と、下記式(C)に示す化合物とを含有する。
本発明の液晶配向剤の製造に用いられるテトラカルボン酸二無水物成分は、上記式(A)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含有する。式(A)で表されるテトラカルボン酸二無水物の割合は、全テトラカルボン酸二無水物1モルに対して、20〜80モル%であり、30〜70モル%が好ましく、より好ましくは、40〜60モル%、さらに好ましくは、40〜50モル%である。
本発明の液晶配向剤の製造に用いられるテトラカルボン酸二無水物成分は、上記式(A)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外に、下記式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含有してもよい。
テトラカルボン酸二無水物としては、なかでも、化合物の入手性の観点から、下記式(2)で表される構造からなる群から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物であることが好ましい。
本発明で用いられるジアミン成分は、上記式(B)で表わされるジアミンを含有する。式(B)中、mは1〜5の整数であるが、1〜3の整数が好ましい。
前記ジアミン成分には、式(B)のジアミンの他、下記式(YD−1)〜(YD−5)の構造からなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンを含有することが好ましい。
式(YD−2)中、W1は、炭素数1〜10の炭化水素基であり、A2は窒素原子含有複素環を有する炭素数3〜15の1価の有機基、又は炭素数1〜6の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基である。
式(YD−3)中、W2は炭素数6〜15で、且つベンゼン環を1又は2個有する2価の有機基であり、W3は炭素数2〜5のアルキレン又はビフェニレンであり、Z2は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又はベンゼン環であり、aは0〜1の整数である。
式(YD−4)中、A3は炭素数3〜15の窒素原子含有複素環である。
式(YD−5)中、A4は炭素数3〜15の窒素原子含有複素環であり、W5は炭素数2〜5のアルキレンである。
式(YD−17)中、hは1〜3の整数であり、2〜3が好ましい。
本発明のポリアミック酸及びポリアミック酸のイミド化重合体における、上記式(YD−1)〜(YD−5)の構造からなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンの割合は、全ジアミン1モルに対して、10〜80モル%が好ましく、より好ましくは20〜60モル%、さらに好ましくは30〜50モル%である。
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸は、上記式(B)で表されるジアミン、上記式(YD−1)〜(YD−5)からなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミン以外に、下記式(3)で表されるジアミンを用いてもよい。下記式(3)におけるY2は、2価の有機基であり、その構造は限定されるものではなく、2種以上が混在していてもよい。その具体例を示すならば、下記の(Y−1)〜(Y−102)が挙げられる。
式(3)で表されるジアミンの割合は、全ジアミン1モルに対して、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜25モル%、さらに好ましくは0〜15モル%である。
式(C)中、nは2〜6の整数を表す。溶解性の観点から、nは2〜4が好ましい。
式(C)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、又は炭素数2〜4のアルキニル基からなる炭化水素基であり、R1及びR2のうち少なくとも1方は、ヒドロキシ基で置換された炭化水素基を表す。中でも、R1及びR2のうち少なくとも1方が、下記式(3)で表される構造であることが反応性の観点から好ましく、下記式(4)で表される構造であることがさらに好ましい。
本発明に用いられるポリイミド前駆体であるポリアミック酸は、以下に示す方法により製造することができる。具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機溶媒の存在下で、−20〜150℃、好ましくは0〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜12時間反応させることによって製造できる。
上記の反応に用いる有機溶媒は、モノマー及び重合体の溶解性から、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
上記のようにして得られたポリアミック酸は、反応溶液をよく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、重合体を析出させて回収することができる。また、析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥することで、精製されたポリアミック酸の粉末を得ることができる。貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられ、水、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどが好ましい。
本発明に用いられるポリイミドは、前記ポリアミック酸をイミド化することにより製造することができる。
ポリアミック酸からポリイミドを製造する場合、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物との反応で得られた前記ポリアミック酸の溶液に、触媒を添加する化学的イミド化が簡便である。化学的イミド化は、比較的低温でイミド化反応が進行し、イミド化の課程で重合体の分子量低下が起こりにくいので好ましい。
ポリアミック酸のイミド化反応後の溶液には、添加した触媒等が残存しているので、以下に述べる手段により、得られたイミド化重合体を回収し、有機溶媒で再溶解して、本発明の液晶配向剤とすることが好ましい。
前記貧溶媒は、特に限定されないが、メタノール、2−プロパノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられ、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトンなどが好ましい。
本発明の液晶配向剤は、重合体成分が有機溶媒中に溶解された溶液の形態を有する。重合体の分子量は、重量平均分子量で2,000〜500,000が好ましく、より好ましくは5,000〜300,000であり、さらに好ましくは、10,000〜100,000である。また、数平均分子量は、好ましくは、1,000〜250,000であり、より好ましくは、2,500〜150,000であり、さらに好ましくは、5,000〜50,000である。
液晶配向剤に含有される有機溶媒は、重合体成分が均一に溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を挙げるならば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。また、単独では重合体成分を均一に溶解できない溶媒であっても、重合体が析出しない範囲であれば、上記の有機溶媒に混合してもよい。
本発明の液晶配向膜は、上記液晶配向剤を基板に塗布し、乾燥し、焼成して得られる膜である。本発明の液晶配向剤を塗布する基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板、アクリル基板、ポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を用いることができ、液晶駆動のためのITO電極等が形成された基板を用いることが、プロセスの簡素化の観点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極は、アルミニウム等の光を反射する材料も使用できる。
得られた液晶配向膜を配向処理する方法としては、ラビング法、光配向処理法などが挙げられる。
光配向処理法の具体例としては、前記塗膜表面に、一定方向に偏光した放射線を照射し、場合によっては、さらに150〜250℃の温度で加熱処理を行い、液晶配向能を付与する方法が挙げられる。放射線としては、100〜800nmの波長を有する紫外線及び可視光線を用いることができる。このうち、100〜400nmの波長を有する紫外線が好ましく、200〜400nmの波長を有するものが特に好ましい。また、液晶配向性を改善するために、塗膜基板を50〜250℃で加熱しつつ、放射線を照射してもよい。前記放射線の照射量は、1〜10,000mJ/cm2が好ましく、100〜5,000mJ/cm2が特に好ましい。上記のようにして作製した液晶配向膜は、液晶分子を一定の方向に安定して配向させることができる。
接触処理に使用する溶媒は、光照射によって生成した分解物を溶解する溶媒であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸メチル、ジアセトンアルコール、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの溶媒は2種上を併用してもよい。
本発明において、偏光された放射線を照射した膜と有機溶媒を含む溶液との接触処理は、浸漬処理、噴霧(スプレー)処理などの、好ましくは、膜と液とが十分に接触するような処理で行なわれる。なかでも、有機溶媒を含む溶液中に膜を、好ましくは10秒〜1時間、より好ましくは1〜30分浸漬処理する方法が好ましい。接触処理は常温でも加温してもよいが、好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜50℃で実施される。また、必要に応じて超音波などの接触を高める手段を施すことができる。
さらに、上記で溶媒による接触処理をした膜は、溶媒の乾燥及び膜中の分子鎖の再配向を目的に、150℃以上で加熱してもよい。
加熱する時間は、短すぎると本発明の効果が得られない可能性があり、長すぎると分子鎖が分解してしまう可能性があるため、10秒〜30分が好ましく、1〜10分がより好ましい。
本発明の液晶配向膜は、IPS駆動方式、FFS駆動方式等の横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜として好適であり、FFS駆動方式の液晶表示素子の液晶配向膜として、特に有用である。
本発明の液晶表示素子は、本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜付きの基板を得た後、既知の方法で液晶セルを作製し、該液晶セルを使用して得られる。
液晶セルの作製方法の一例として、パッシブマトリクス構造の液晶表示素子を例にとり説明する。尚、画像表示を構成する各画素部分に、TFT(Thin Film Transistor)などのスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス構造の液晶表示素子でもよい。
次に、各基板の上に、本発明の液晶配向膜を形成する。
次に、一方の基板に他方の基板を、互いの配向膜面が対向するようにして重ね合わせ、周辺をシール材で接着する。シール材には、基板間隙を制御するために、通常、スペーサを混入しておく。また、シール材を設けない面内部分にも、基板間隙制御用のスペーサを散布しておくことが好ましい。シール材の一部には、外部から液晶を充填可能な開口部を設けておく。
NMP: N−メチル−2−ピロリドン
GBL: γ−ブチロラクトン
BCS: ブチルセロソルブ
酸二無水物(A):下記式(A)のテトラカルボン酸二無水物。
酸二無水物(B):下記式(B)のテトラカルボン酸二無水物。
酸二無水物(C):下記式(C)のテトラカルボン酸二無水物。
DA−1:下記式(DA−1)のジアミン
DA−2:下記式(DA−2)のジアミン
特定化合物A:下記の化合物(Primid XL552、エムスケミー社製)
[粘度]
E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
[分子量]
GPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、及びポリエチレンオキシド換算値として数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)を算出した。
GPC装置:Shodex社製(GPC−101)
カラム:Shodex社製(KD803、KD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L(リットル)、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量(Mw) 約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp) 約12,000、4,000、1,000)。測定は、ピークが重なるのを避けるため、900,000、100,000、12,000、1,000の4種を混合したサンプル、及び150,000、30,000、4,000の3種類を混合したサンプルの2サンプルについて別々に行った。
FFSモード液晶表示素子の構成を備えた液晶セルを作製する。
用意した電極付きのガラス基板(縦30mm×横50mm×厚さ0.7mm)の上には、第1層目として対向電極を構成する、ベタ状のパターンを備えたITO電極が形成されている。第1層目の対向電極の上には、第2層目として、CVD法により成膜されたSiN(窒化珪素)膜が形成されている。第2層目のSiN膜の膜厚は500nmであり、層間絶縁膜として機能する。第2層目のSiN膜の上には、第3層目として、ITO膜をパターニングして形成された櫛歯状の画素電極が配置され、第1画素及び第2画素の2つの画素を形成している。各画素のサイズは、縦10mmで横約5mmである。このとき、第1層目の対向電極と第3層目の画素電極とは、第2層目のSiN膜の作用により電気的に絶縁されている。
上記作製法で得られた液晶セルを60℃の恒温環境下、周波数30Hzで相対透過率が100%となる交流電圧を168時間印加した。その後、液晶セルの画素電極と対向電極との間をショートさせた状態にし、そのまま室温に一日放置した。放置の後、液晶セルを偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように液晶セルの配置角度を調整した。そして、第1画素の第2領域が最も暗くなる角度から第1領域が最も暗くなる角度まで、液晶セルを回転させたときの回転角度を角度△として算出した。第2画素でも同様に、第2領域と第1領域とを比較し、同様の角度△を算出した。そして、第1画素と第2画素の角度△値の平均値を液晶セルの角度△として算出し、その値の大小で液晶配向性を評価した。即ちこの角度△の値が小さければ、液晶配向性は良好である。
用意した電極付きガラス基板(縦30mm×横50mm×厚さ0.7mm)の上には、膜厚35nmのITO電極が形成されており、電極は縦40mm、横10mmのストライプパターンである。次に、液晶配向剤を1.0μmのフィルターで濾過した後、準備された上記電極付き基板に、スピンコート塗布にて塗布した。50℃のホットプレート上で5分間乾燥させた後、230℃のIR式オーブンで20分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させて液晶配向膜付き基板を得た。この液晶配向膜をレーヨン布でラビング(ローラー直径:120mm、ローラー回転数:1000rpm、移動速度:20mm/sec、押し込み長:0.4mm)した後、純水中にて1分間超音波照射をして洗浄を行い、エアブローにて水滴を除去した後、80℃で15分間乾燥し、液晶配向膜付き基板を得た。
72時間のバックライトエージング後、本セルに60℃の温度下で、1Vの電圧を60μsec印加し、100msec後の電圧を測定して、電圧がどのくらい保持できているかをVHRとし、その値の大小でVHRバックライトエージング耐性を評価した。即ち、このVHRの値が大きければ、VHRバックライトエージング耐性は良好である。
上記(液晶セルの作製)と同様にして作製した液晶セルを、偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように、液晶セルの配置角度を調整した。その液晶セルを、浜松ホトニクス社製のデジタルCCDカメラ「C8800−21C」を用いて観察を行い、撮り込んだ画像を同社の解析ソフト「ExDcam Image capture Software」を用いて輝度の数値化を行った。この液晶セルの輝度値が500〜600であれば「良好」、それ以上は「不良」とした。
上記(液晶セルの作製)と同様にして作製した液晶セルを、偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、画素電極と対向電極とを短絡して同電位にした状態で、2枚の偏光板の下からLEDバックライトを照射しておき、2枚の偏光板の上で測定するLEDバックライト透過光の輝度が最小となるように液晶セルの角度を調節した。
次に、この液晶セルに周波数30Hzの矩形波を印加しながら、23℃の温度下でのV−T特性(電圧−透過率特性)を測定し、相対透過率が23%となる交流電圧を算出した。次に、相対透過率が23%となる交流電圧で、かつ周波数30Hzの矩形波を5分間印加した後、+1.0Vの直流電圧を重畳し30分間駆動させた。その後、直流電圧を切り、再び相対透過率が23%となる交流電圧で、かつ周波数30Hzの矩形波のみを20分間印加した。
28%未満に低下しなかった場合は、「不良」と定義して評価した。
撹拌装置付きの3Lの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、DA−1を79.4g(0.33mol)量りとり、また、DA−2を64.8g(0.33mol)量りとり、NMPを911g、及びGBLを911g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、酸二無水物(C)を65.0g(0.33mol)添加し、2時間室温で攪拌した後、酸二無水物(A)を86.1g(0.29mol)加えて、更に、NMPを390g、及びGBLを390g加え、窒素雰囲気下、40℃で30時間撹拌して、ポリアミック酸溶液(PAA−1)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は215mPa・sであった。このポリアミック酸のMnは15,773、Mwは31,242であった。
撹拌装置付きの3Lの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、DA−1を95.3g(0.39mol)量りとり、またDA−2を51.8g(0.26mol)量りとり、NMPを939g、及びGBLを939g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、酸二無水物(C)を65.0g(0.33mol)添加し、2時間室温で攪拌した後、酸二無水物(A)を86.1g(0.29mol)加えて、更に、NMPを402g、及びGBLを402g加え、窒素雰囲気下、40℃で30時間撹拌して、ポリアミック酸溶液(PAA−2)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は221mPa・sであった。このポリアミック酸のMnは14,773、Mwは32,212であった。
撹拌装置付きの3Lの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、DA−1を79.4g(0.33mol)量りとり、またDA−2を64.8g(0.33mol)量りとり、NMPを859g、及びGBLを859g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、酸二無水物(C)を65.0g(0.33mol)添加し、2時間室温で攪拌した後、酸二無水物(B)を63.8g(0.29mol)加えて、更に、NMPを369g、及びGBLを369g加え、窒素雰囲気下、40℃で30時間撹拌して、ポリアミック酸溶液(PAA−3)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は207mPa・sであった。このポリアミック酸のMnは13,853、Mwは28,251であった。
撹拌装置付きの3Lの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、DA−1を79.4g(0.33mol)量りとり、またDA−2を64.8g(0.33mol)量りとり、NMPを839g、及びGBLを839g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、酸二無水物(C)を122.3g(0.62mol)添加し、更に、NMPを360g、及びGBLを360g加え、窒素雰囲気下、40℃で30時間撹拌して、ポリアミック酸溶液(PAA−4)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は212mPa・sであった。このポリアミック酸のMnは14,255、Mwは28,373であった。
撹拌装置付きの3Lの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、DA−2を129.5g(0.65mol)量りとり、NMPを884g、及びGBLを884g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、酸二無水物(C)を65.0g(0.33mol)添加し、2時間室温で攪拌した後、酸二無水物(A)を86.1g(0.29mol)加えて、更に、NMPを379g、及びGBLを379g加え、窒素雰囲気下、40℃で30時間撹拌して、ポリアミック酸溶液(PAA−5)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は225mPa・sであった。このポリアミック酸のMnは12,799、Mwは33,192であった。
撹拌装置付きの3Lの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、DA−1を91.6g(0.38mol)量りとり、またDA−2を74.7g(0.38mol)量りとり、NMPを661g、及びGBLを661g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、酸二無水物(C)を67.7g(0.35mol)添加し、2時間室温で攪拌した後、酸二無水物(A)を99.3g(0.34mol)加えて、更に、NMPを283g、及びGBLを283g加え、窒素雰囲気下、40℃で30時間撹拌して、ポリアミック酸溶液(PAA−6)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は583mPa・sであった。このポリアミック酸のMnは11,141、Mwは21,889であった。
撹拌装置付きの3Lの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、DA−1を73.3g(0.30mol)量りとり、またDA−2を59.8g(0.30mol)量りとり、NMPを674g、及びGBLを674g加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、酸二無水物(C)を50.0g(0.26mol)添加し、2時間室温で攪拌した後、酸二無水物(A)を79.4g(0.27mol)加えて、更に、NMPを288g、及びGBLを288g加え、窒素雰囲気下、40℃で30時間撹拌して、ポリアミック酸溶液(PAA−7)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は117mPa・sであった。このポリアミック酸のMnは8,953、Mwは19,521であった。
撹拌子の入った5L三角フラスコに、合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を1861g分取し、NMPを578g、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1.8g、特定化合物Aを5.4g、GBLを122g、及びBCSを642g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して、液晶配向剤(A−1)を得た。
撹拌子の入った5L三角フラスコに、合成例2で得られたポリアミック酸溶液(PAA−2)を1861g分取し、NMPを578g、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1.8g、特定化合物Aを5.4g、GBLを122g、及びBCSを642g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して、液晶配向剤(A−2)を得た。
撹拌子の入った3L三角フラスコに、合成例6で得られたポリアミック酸溶液(PAA−6)を371g分取し、NMPを84.6g、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを0.53g、特定化合物Aを1.6g、GBLを201g、及びBCSを165g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して、液晶配向剤(A−3)を得た。
撹拌子の入った2L三角フラスコに、合成例7で得られたポリアミック酸溶液(PAA−7)を213g分取し、NMPを101g、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを0.25g、特定化合物Aを0.74g、GBLを146g、及びBCSを109g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して、液晶配向剤(A−4)を得た。
撹拌子の入った5L三角フラスコに、合成例3で得られたポリアミック酸溶液(PAA−3)を1861g分取し、NMPを578g、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1.8g、特定化合物Aを5.4g、GBLを122g、及びBCSを642g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して、液晶配向剤(B−1)を得た。
撹拌子の入った5L三角フラスコに、合成例4で得られたポリアミック酸溶液(PAA−4)を1861g分取し、NMPを578g、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1.8g、特定化合物Aを5.4g、GBLを122g、及びBCSを642g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して、液晶配向剤(B−2)を得た。
撹拌子の入った5L三角フラスコに、合成例5で得られたポリアミック酸溶液(PAA−5)を1861g分取し、NMPを578g、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1.8g、特定化合物Aを5.4g、GBLを122g、及びBCSを642g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して、液晶配向剤(B−3)を得た。
撹拌子の入った5L三角フラスコに、合成例1で得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を1861g分取し、NMPを583g、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1.8g、GBLを122g、及びBCSを642g加え、マグネチックスターラーで2時間撹拌して、液晶配向剤(B−4)を得た。
Claims (10)
- 下記式(A)のテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物成分と下記式(B)で表されるジアミンを含むジアミン成分とを重縮合反応させて得られるポリアミック酸及び該ポリアミック酸のイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体と、下記式(C)で表わされる化合物とを含有することを特徴とする液晶配向剤。
- 前記テトラカルボン酸二無水物成分中の20〜80モル%が、式(A)のテトラカルボン酸二無水物である、請求項1に記載の液晶配向剤。
- 前記ジアミン成分中の20〜80モル%が、式(B)のジアミンである、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
- 前記ジアミン成分が、下記式(YD−1)〜(YD−5)の構造からなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
(式(YD−1)中、A1は炭素数3〜15の窒素原子含有複素環であり、Z1は、水素原子、又は置換基を有してよい素数1〜20の炭化水素基である。式(YD−2)中、W1は、炭素数1〜10の炭化水素基であり、A2は窒素原子含有複素環を有する炭素数3〜15の1価の有機基、又は炭素数1〜6の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基である。式(YD−3)中、W2は炭素数6〜15で、且つベンゼン環を1又は2個有する2価の有機基であり、W3は炭素数2〜5のアルキレン又はビフェニレンであり、Z2は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又はベンゼン環であり、aは0〜1の整数である。式(YD−4)中、A3は炭素数3〜15の窒素原子含有複素環である。式(YD−5)中、A4は炭素数3〜15の窒素原子含有複素環であり、W5は炭素数2〜5のアルキレンである。) - 上記式(C)で表される化合物を、(A)成分の重合体に対して、0.1〜20質量%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶配向剤を塗布し、焼成して得られる液晶配向膜。
- 請求項8に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
- IPS駆動方式又はFFS駆動方式である請求項9に記載の液晶表示素子。
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