JP4341092B2 - ジアミノ化合物およびその製造方法 - Google Patents
ジアミノ化合物およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4341092B2 JP4341092B2 JP37002698A JP37002698A JP4341092B2 JP 4341092 B2 JP4341092 B2 JP 4341092B2 JP 37002698 A JP37002698 A JP 37002698A JP 37002698 A JP37002698 A JP 37002698A JP 4341092 B2 JP4341092 B2 JP 4341092B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- general formula
- compound
- liquid crystal
- reaction
- diamino compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 *C1CCC(*C(CC2)CCC2c(c([N+]([O-])=O)c2)ccc2C(c(cc2)ccc2[N+]([O-])=O)=O)CC1 Chemical compound *C1CCC(*C(CC2)CCC2c(c([N+]([O-])=O)c2)ccc2C(c(cc2)ccc2[N+]([O-])=O)=O)CC1 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C211/00—Compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton
- C07C211/43—Compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton having amino groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the carbon skeleton
- C07C211/44—Compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton having amino groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the carbon skeleton having amino groups bound to only one six-membered aromatic ring
- C07C211/49—Compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton having amino groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the carbon skeleton having amino groups bound to only one six-membered aromatic ring having at least two amino groups bound to the carbon skeleton
- C07C211/50—Compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton having amino groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the carbon skeleton having amino groups bound to only one six-membered aromatic ring having at least two amino groups bound to the carbon skeleton with at least two amino groups bound to carbon atoms of six-membered aromatic rings of the carbon skeleton
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C2601/00—Systems containing only non-condensed rings
- C07C2601/12—Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
- C07C2601/14—The ring being saturated
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Liquid Crystal Substances (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はジアミノ化合物とその中間体およびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
時計や電卓に用いられている液晶表示素子には、2枚で一対をなす電極基板の間でネマッチク液晶分子の配列方向を90度に捻った構造のツイスト・ネマチック(以下、TNと略す)モードが主に採用されている。また、ねじれ角を180〜300度と大きくしたスーパーツイステッドネマチック(以下STNと略す)モードも開発され、大画面でも表示品位の良好な液晶表示素子が得られるようになった。
さらに、近年、マトリクス表示やカラー表示などを行うようになってきたため、多数の画素電極とこれらのON−OFFを行うことのできるアクテイブ型ツイストネマチックモードを採用したMIM(金属−絶縁相−金属)素子や、TFT(電界効果型薄膜トランジスタ)素子の開発が盛んになってきた。
【0003】
これらのモードのすべてに共通する問題として、同一画面を長時間表示した後、他の画面に移ると前の画像が残像として残る焼き付きと呼ばれる現象が生じることである。特に、高品位の液晶表示素子を得るためには、この焼き付き現象を防止することが非常に重要な課題である。
この焼き付きの原因は、液晶表示素子に印加される直流成分により、配向膜表面の液晶中に含まれる不純物のイオン成分により電気二重層が生じ、上下の基板の間で電荷の偏りが生じ、その偏りが安定に保たれることによる電位差が原因であると考えられる。特に、TFT素子においては、素子の特性上、直流成分を除去することができないので、焼き付きは、TN、STN素子よりも目立ちやすく深刻である。
また、TFTモードにおいては、残像による画面のちらつきを防止するため、特に電圧保持率の低下が著しい60℃から90℃においても高い電圧保持率をもつ配向膜が要求される。
液晶表示素子においては、熱によるプレチルト角の変動はしきい値電圧の変化につながるので、高温時における長期信頼性試験後のプレチルト角の安定性も非常に重要な要素である。
【0004】
このような液晶表示素子に使用される配向膜として、おもにポリイミドやポリアミドなどの有機系の膜が用いられており、特開昭51−65960号公報には、トリメリット酸とヒドロキノンとから得られる芳香族ジカルボン酸無水物と、4,4‘−ジアミノジフェニルエーテルとを縮合して得るポリエステルイミドの前駆体であるポリアミック酸のジメチルアセトアミド溶液により電極基板にポリエステルイミド高分子膜を設け、これを配向処理して液晶表示デバイスを作製することが記載されている。このようなポリエーテル化合物を用いて得られるポリイミド配向膜を用いた素子では、焼き付きが発生しやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を解決することであり、残像の少ないすなわち焼き付き現象が少なく、低温から高温にわたって高い電圧保持率を持ち、かつ高いプレチルト角を有すると共に高温長期信頼性試験後におけるプレチルト角の変化の少ない液晶表示素子を提供することができる液晶配向膜が形成可能なポリイミド樹脂を得るのに適したジアミノ化合物その中間体およびそれらの製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究開発を進めた結果、焼き付きや電圧保持率は、配向膜表面の極性と相関があるが、この極性を小さくすることのできる特定構造を有するジアミノ化合物を見出した。このジアミノ化合物を配向膜用のポリイミド原料として用いることにより、画面の焼き付き現象が少なくなる、低温から高温にわたって高い電圧保持率を持ち、かつ高温時における長期試験後においてもプレチルト角の変動が抑制されるる配向膜が得られること見いだし、本発明を完成した。
【0007】
1) 本発明のジアミノ化合物は、一般式(1)
(式中、A 1 は炭素数1から12の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であり、A 2 は単結合もしくは炭素数1から5のアルキレン基であり、mは0〜3の整数である。)
で示される。好ましくは、前記一般式(1)においてmが1または2であり、A 2 が単結合であるジアミノ化合物である。
【0008】
2) さらに好ましくは、前記一般式(1)においてmが1であり、A 2 が単結合であるジアミノ化合物である。
【0009】
3)本発明のジアミノ化合物の製造方法は、一般式(3)
(ここで、A 1 は炭素数1から12の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であり、A 2 は単結合もしくは炭素数1から5のアルキレン基であり、mは0〜3の整数である。)
で示されるシクロヘキシルベンゼン誘導体と
一般式(4)
(ここで、Xは臭素原子、塩素原子のいずれかである。)
で示される酸ハロゲン化物との
Friedel−Crafts反応により一般式(5)
(ここで、各記号の定義は前記と同じ。)
で示されるシクロヘキシルフェニルカルボニル化合物を製造し、該化合物をニトロ化して一般式(6)
(ここで、各記号の定義は前記と同じ。)
で示される化合物を製造し、その化後還元することにより、一般式(1)
(ここで、各記号の定義は前記と同じ。)
で示される化合物を得ることを特徴とする。
前記ニトロ化後の還元の好ましい方法は、一般式(6)で示される化合物のカルボニル基の還元により、一般式(7)
(ここで、記号の定義は式(3)と同じである。)
で示されるジニトロ化合物を合成し、これらのニトロ基を還元することからなる。
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の式(1)で示されるジアミノ化合物における置換基A 1 は、炭素数1から12の直鎖もしくは分岐状のアルキル基である。
つぎに好ましい具体例を示す。
直鎖状のアルキル基としては、表1に示す。分岐状のアルキル基としては、
(CH3)2CH−、(CH3)2CHCH2−、(CH3)2CH(CH2)2−、(CH3)2CH(CH2)3−、(CH3)2CH(CH2)4−、(CH3)2CH(CH2)5−、(CH3)2CH(CH2)6−、(CH3)2CH(CH2)7−、(CH3)2CH(CH2)8−、(CH3)2CH(CH2)9−などを示すことができる。
また、置換基A2は単結合もしくは炭素数1から5のアルキレン基である。好ましい具体例は表1に示す。
以下に本発明の式(1)で示されるジアミノ化合物の具体例を頭字語(Acronyms)よる式で示す。なおここにおいて示される頭字語は、表1のように定義される。
【0013】
【表1】
【0014】
1HB(4A)1B(3A)
5HB(4A)1B(3A)
7HB(4A)1B(3A)
8HB(4A)1B(3A)
【0015】
4HHB(4A)1B(3A)
5HHB(4A)1B(3A)
7HHB(4A)1B(3A)
【0016】
3HHHB(4A)1B(3A)
5HHHB(4A)1B(3A)
10HHHB(4A)1B(3A)
【0017】
1HHHHB(4A)1B(3A)
5HHHHB(4A)1B(3A)
7HHHHB(4A)1B(3A)
12HHHHB(4A)1B(3A)
【0018】
4H1HB(4A)1B(3A)
5H1HB(4A)1B(3A)
6H1HB(4A)1B(3A)
7H1HB(4A)1B(3A)
【0019】
2HH1HB(4A)1B(3A)
5HH1HB(4A)1B(3A)
7HH1HB(4A)1B(3A)
【0020】
3HHH1HB(4A)1B(3A)
5HHH1HB(4A)1B(3A)
10HHH1HB(4A)1B(3A)
【0021】
【0022】
3H2HB(4A)1B(3A)
5H2HB(4A)1B(3A)
7H2HB(4A)1B(3A)
【0023】
4HH2HB(4A)1B(3A)
5HH2HB(4A)1B(3A)
8HH2HB(4A)1B(3A)
【0024】
3HHH2HB(4A)1B(3A)
5HHH2HB(4A)1B(3A)
9HHH2HB(4A)1B(3A)
【0025】
3H3HB(4A)1B(3A)
5H3HB(4A)1B(3A)
8H3HB(4A)1B(3A)
【0026】
5HH3HB(4A)1B(3A)
7HH3HB(4A)1B(3A)
【0027】
2HHH3HB(4A)1B(3A)
6HHH3HB(4A)1B(3A)
11HHH3HB(4A)1B(3A)
【0028】
3H4HB(4A)1B(3A)
5H4HB(4A)1B(3A)
8H4HB(4A)1B(3A)
【0029】
2HH4HB(4A)1B(3A)
5HH4HB(4A)1B(3A)
7HH4HB(4A)1B(3A)
【0030】
3HHH4HB(4A)1B(3A)
7HHH4HB(4A)1B(3A)
12HHH4HB(4A)1B(3A)
【0031】
3H5HB(4A)1B(3A)
5H5HB(4A)1B(3A)
【0032】
1HH5HB(4A)1B(3A)
7HH5HB(4A)1B(3A)
10HH5HB(4A)1B(3A)
【0033】
3HHH5HB(4A)1B(3A)
5HHH5HB(4A)1B(3A)
7HHH5HB(4A)1B(3A)
などをあげることができる。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
中でも好ましいものの具体例をあげると
1HB(4A)1B(3A)
5HB(4A)1B(3A)
7HB(4A)1B(3A)
【0117】
4HHB(4A)1B(3A)
5HHB(4A)1B(3A)
7HHB(4A)1B(3A)
【0118】
3HHHB(4A)1B(3A)
5HHHB(4A)1B(3A)
10HHHB(4A)1B(3A)
【0119】
1HHHHB(4A)1B(3A)
5HHHHB(4A)1B(3A)
7HHHHB(4A)1B(3A)
【0120】
4H1HB(4A)1B(3A)
5H1HB(4A)1B(3A)
7H1HB(4A)1B(3A)
【0121】
2HH1HB(4A)1B(3A)
5HH1HB(4A)1B(3A)
7HH1HB(4A)1B(3A)
【0122】
3HHH1HB(4A)1B(3A)
5HHH1HB(4A)1B(3A)
【0123】
3H2HB(4A)1B(3A)
5H2HB(4A)1B(3A)
7H2HB(4A)1B(3A)
【0124】
4HH2HB(4A)1B(3A)
5HH2HB(4A)1B(3A)
8HH2HB(4A)1B(3A)
【0125】
3HHH2HB(4A)1B(3A)
5HHH2HB(4A)1B(3A)
9HHH2HB(4A)1B(3A)
などがあげられる。
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
これらの中でも一層好ましいものとして以下の化合物を挙げることができる。
1HB(4A)1B(3A)
5HB(4A)1B(3A)
7HB(4A)1B(3A)
【0167】
4HHB(4A)1B(3A)
5HHB(4A)1B(3A)
7HHB(4A)1B(3A)
【0168】
3HHHB(4A)1B(3A)
5HHHB(4A)1B(3A)
10HHHB(4A)1B(3A)
【0169】
1HHHHB(4A)1B(3A)
5HHHHB(4A)1B(3A)
7HHHHB(4A)1B(3A)
【0170】
4H1HB(4A)1B(3A)
5H1HB(4A)1B(3A)
7H1HB(4A)1B(3A)
【0171】
2HH1HB(4A)1B(3A)
5HH1HB(4A)1B(3A)
7HH1HB(4A)1B(3A)
【0172】
3HHH1HB(4A)1B(3A)
5HHH1HB(4A)1B(3A)
【0173】
3H2HB(4A)1B(3A)
5H2HB(4A)1B(3A)
7H2HB(4A)1B(3A)
【0174】
4HH2HB(4A)1B(3A)
5HH2HB(4A)1B(3A)
8HH2HB(4A)1B(3A)
【0175】
3HHH2HB(4A)1B(3A)
5HHH2HB(4A)1B(3A)
9HHH2HB(4A)1B(3A)
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
本発明のジアミノ化合物の中間体であるシクロヘキシルフェニルカルボニル化合物は、式(5)で示される化合物である。以下にその具体例を頭字語(Acronyms)による式で示す。なおここにおいて示される頭字語は表2のように定義される。
【0187】
1HBKB(3N)
5HBKB(3N)
7HBKB(3N)
【0188】
【表2】
【0189】
3HHBKB(3N)
5HHBKB(3N)
10HHBKB(3N)
【0190】
3HHHBKB(3N)
6HHHBKB(3N)
8HHHBKB(3N)
【0191】
1HHHHBKB(3N)
5HHHHBKB(3N)
7HHHHBKB(3N)
【0192】
2H1HBKB(3N)
5H1HBKB(3N)
9H1HBKB(3N)
【0193】
1H2HBKB(3N)
5H2HBKB(3N)
7H2HBKB(3N)
【0194】
2H3HBKB(3N)
5H3HBKB(3N)
6H3HBKB(3N)
【0195】
H4HBKB(3N)
4H4HBKB(3N)
7H4HBKB(3N)
【0196】
1H5HBKB(3N)
5H5HBKB(3N)
8H5HBKB(3N)
【0197】
1HH1HBKB(3N)
5HH1HBKB(3N)
8HH1HBKB(3N)
【0198】
2HH2HBKB(3N)
5HH2HBKB(3N)
7HH2HBKB(3N)
【0199】
3HH3HBKB(3N)
6HH3HBKB(3N)
11HH3HBKB(3N)
【0200】
4HH4HBKB(3N)
5HH4HBKB(3N)
7HH4HBKB(3N)
【0201】
2HH5HBKB(3N)
5HH5HBKB(3N)
8HH5HBKB(3N)
【0202】
1HHH1HBKB(3N)
4HHH1HBKB(3N)
10HHH1HBKB(3N)
【0203】
3HHH2HBKB(3N)
5HHH2HBKB(3N)
6HHH2HBKB(3N)
【0204】
2HHH3HBKB(3N)
4HHH3HBKB(3N)
7HHH3HBKB(3N)
【0205】
2HHH4HBKB(3N)
3HHH4HBKB(3N)
5HHH4HBKB(3N)
【0206】
1HHH5HBKB(3N)
4HHH5HBKB(3N)
9HHH5HBKB(3N)
【0207】
2HHH3HBKB(3N)
4HHH3HBKB(3N)
7HHH3HBKB(3N)
【0208】
【0209】
【0210】
【0211】
【0212】
【0213】
【0214】
【0215】
【0216】
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
【0232】
【0233】
【0234】
【0235】
【0236】
【0237】
【0238】
【0239】
【0240】
【0241】
【0242】
【0243】
【0244】
【0245】
【0246】
【0247】
【0248】
【0249】
【0250】
【0251】
【0252】
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
【0257】
【0258】
【0259】
【0260】
【0261】
【0262】
【0263】
【0264】
【0265】
【0266】
【0267】
【0268】
【0269】
【0270】
【0271】
【0272】
【0273】
【0274】
【0275】
【0276】
【0277】
【0278】
【0279】
【0280】
【0281】
【0282】
【0283】
【0284】
【0285】
【0286】
【0287】
【0288】
【0289】
【0290】
【0291】
【0292】
【0293】
【0294】
【0295】
【0296】
【0297】
【0298】
【0299】
【0300】
【0301】
【0302】
【0303】
【0304】
【0305】
【0306】
【0307】
【0308】
【0309】
【0310】
【0311】
【0312】
【0313】
【0314】
【0315】
【0316】
【0317】
【0318】
本発明のジアミノ化合物およびその中間体であるシクロヘキシルフェニルカルボニル化合物の製造方法について、具体的に説明する。 以下、本発明において化合物を、前記表1および表2の頭字語を用いて示すことがある。
本発明の製造方法で用いられる一般式(3)で示されるシクロヘキシルベンゼン誘導体は、ブロムベンゼンとマグネシウムから得られたGrignard試薬とシクロヘキサノン類とのGrignard反応、さらに脱水、水素添加による還元という公知の方法で容易に合成することができる、また、市販品の購入も可能である。シクロヘキシルベンゼン誘導体の具体例をつぎに示す。
1HB、2HB、3HB、4HB、5HB、6HB、7HB、8HB、9HB、10HB、11HB、12HB、1HHB、2HHB、3HHB、4HHB、5HHB、6HHB、7HHB、8HHB、9HHB、10HHB、11HHB、12HHB、1HHHB、2HHHB、3HHHB、4HHHB、5HHHB、6HHHB、7HHHB、8HHHB、9HHHB、10HHHB、11HHHB、12HHHB、
【0319】
1H1HB、2H1HB、3H1HB、4H1HB、5H1HB、6H1HB、7H1HB、8H1HB、9H1HB、10H1HB、11H1HB、12H1HB、HH1HB、1HH1HB、2HH1HB、3HH1HB、4HH1HB、5HH1HB、6HH1HB、7HH1HB、8HH1HB、9HH1HB、10HH1HB、11HH1HB、12HH1HB、1HHH1HB、2HHH1HB、3HHH1HB、4HHH1HB、5HHH1HB、6HHH1HB、7HHH1HB、8HHH1HB、9HHH1HB、10HHH1HB、11HHH1HB、12HHH1HB、
【0320】
1H2HB、2H2HB、3H2HB、4H2HB、5H2HB、6H2HB、7H2HB、8H2HB、9H2HB、10H2HB、11H2HB、12H2HB、1HH2HB、2HH2HB、3HH2HB、4HH2HB、5HH2HB、6HH2HB、7HH2HB、8HH2HB、9HH2HB、10HH2HB、11HH2HB、12HH2HB、1HHH2HB、2HHH2HB、3HHH2HB、4HHH2HB、5HHH2HB、6HHH2HB、7HHH2HB、8HHH2HB、9HHH2HB、10HHH2HB、11HHH2HB、12HHH2HB、
【0321】
1H3HB、2H3HB、3H3HB、4H3HB、5H3HB、6H3HB、7H3HB、8H3HB、9H3HB、10H3HB、11H3HB、12H3HB、HH3HB、1HH3HB、2HH3HB、3HH3HB、4HH3HB、5HH3HB、6HH3HB、7HH3HB、8HH3HB、9HH3HB、10HH3HB、11HH3HB、12HH3HB、1HHH3HB、2HHH3HB、3HHH3HB、4HHH3HB、5HHH3HB、6HHH3HB、7HHH3HB、8HHH3HB、9HHH3HB、10HHH3HB、11HHH3HB、12HHH3HB、
【0322】
1H4HB、2H4HB、3H4HB、4H4HB、5H4HB、6H4HB、7H4HB、8H4HB、9H4HB、10H4HB、11H4HB、12H4HB、HH4HB、1HH4HB、2HH4HB、3HH4HB、4HH4HB、5HH4HB、6HH4HB、7HH4HB、8HH4HB、9HH4HB、10HH4HB、11HH4HB、12HH4HB、1HHH4HB、2HHH4HB、3HHH4HB、4HHH4HB、5HHH4HB、6HHH4HB、7HHH4HB、8HHH4HB、9HHH4HB、10HHH4HB、11HHH4HB、12HHH4HB、
【0323】
1H5HB、2H5HB、3H5HB、4H5HB、5H5HB、6H5HB、7H5HB、8H5HB、9H5HB、10H5HB、11H5HB、12H5HB、HH5HB、1HH5HB、2HH5HB、3HH5HB、4HH5HB、5HH5HB、6HH5HB、7HH5HB、8HH5HB、9HH5HB、10HH5HB、11HH5HB、12HH5HB、1HHH5HB、2HHH5HB、3HHH5HB、4HHH5HB、5HHH5HB、6HHH5HB、7HHH5HB、8HHH5HB、9HHH5HB、10HHH5HB、11HHH5HB、12HHH5HB、
【0324】
【0325】
【0326】
【0327】
【0328】
【0329】
【0330】
本発明の製造方法で用いられる一般式(4)で示される酸ハロゲン化物は市販品でも購入できる。
酸ハロゲン化物の具体例としては、4−ニトロベンゾイルクロリド、4−ニトロベンゾイルブロミドなどが挙げられる。
【0331】
【0332】
【0333】
一般式(3)で示されるシクロヘキシルベンゼン誘導体と一般式(4)で示される酸ハロゲン化物とのFriedel-Crafts反応には、通常、触媒が使用される。触媒には、AlCl3、SbCl5、FeCl3、TeCl2、SnCl4、TiCl4、BiCl3、ZnCl2などがあげられるが、反応性、安全性および経済性の面からAlCl3、FeCl3が好ましい。
また、反応にあたっては、通常、二硫化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ニトロベンゼンなどの溶媒が使用される。
反応は、溶媒中で、触媒と酸ハロゲン化物とを攪拌混合し、0℃から150℃でシクロヘキシルベンゼン誘導体(必要に応じて溶解させたもの)を滴下し、反応させる。場合によっては、溶媒中で、触媒とシクロヘキシルベンゼン誘導体とを攪拌混合し、0℃から150℃で酸ハロゲン化物(必要に応じて溶媒に溶解させたもの)を滴下して反応させてもよい。あるいは、溶媒中で、シクロヘキシルベンゼン誘導体と酸ハロゲン化物とを攪拌混合し、0℃から150℃で触媒を投入し、反応させることもある。
反応終了後、生成物と触媒との付加物を分解するため、反応混合液を氷に注ぎ、水洗、蒸留、水蒸気蒸留などで溶媒などを除き、精製することにより一般式(5)で示されるシクロヘキシルフェニルカルボニル化合物(以下、化合物IIとする)が得られる。
【0334】
この化合物IIのニトロ化を行うには、通常濃硫酸および濃硝酸が使用される。また反応にあたっては、無溶媒もしくはクロロホルムを使用される。
反応は、化合物IIと濃硫酸を攪拌混合し、氷浴中で濃硝酸をゆっくりと滴下して反応させる。
反応終了後、生成物の精製には、反応混合液を氷中に注いで、有機溶媒で抽出後、水洗、溶媒などを除き、精製することにより一般式(6)で示される化合物(以下、化合物IIIとする)が得られる。
【0335】
化合物IIIのカルボニル基の還元は、トリフルオロメタンスルホン酸、四塩化チタン、三フッ化ホウ素またはその錯体などの触媒の存在下、トリアルキルシラン、具体的にはトリエチルシランなどを反応させることにより行うことができる。そのときの反応温度は0℃から100℃の間が好ましい。反応にあたっては、溶媒を使用しても良く、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素が好ましい。
精製方法としてはアルミナもしくはシリカゲルを用い、更に溶媒として酢酸エチル、トルエン、クロロホルムなどが使用されるカラムクロマトグラフィーおよび酢酸エチル、トルエン、ヘプタンなどを用いた再結晶法により一般式(7)で示されるジニトロ化合物を得ることができる。
【0336】
この一般式(7)で示されるジニトロ化合物のニトロ基の還元は、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、酢酸、などの溶媒中で、白金・カーボン、酸化白金、ラネーニッケル、パラジウム・カーボンなどの触媒を用い、必要により酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸などの酸を添加し、常圧または加圧下、10℃から80℃で水素還元することにより行われる。
【0337】
一般式(6)で示される化合物IIIの還元は、カルボニル基とニトロ基の水素還元でも行うことができる。すなわち、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、酢酸、などの溶媒中で、白金・カーボン、酸化白金、ラネーニッケル、パラジウム・カーボンなどの触媒を用い、必要により酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸などの酸を添加し、加圧下、80℃から100℃で水素還元する。
精製方法としてはアルミナもしくはシリカゲルを用い、更に溶媒として酢酸エチル、トルエン、クロロホルムなどが使用されるカラムクロマトグラフィーおよび酢酸エチル、トルエン、ヘプタンなどを用いた再結晶法により一般式(1)で示される化合物を得ることができる。
【0338】
前記式(3)におけるA1、A2およびmを適宜選択することにより、目的のジアミノ化合物を製造することができる。
【0339】
本発明のジアミノ化合物は液晶配向膜用ポリイミドの原料として使用できるが、それ以外にも、比較的極性の弱いジアミノ化合物という特性を利用して各種ポリイミドコーテイング剤、あるいはポリイミド成形品、フィルム、繊維などに利用することができる。さらには、ポリアミド、ポリアミドイミド、尿素樹脂の原料、あるいはエポキシ樹脂の硬化剤などとして用いることができる。
【0340】
【実施例】
以下、本発明の化合物に関して、実施例により、より詳細に例示するとともに、この化合物を用いることにより得られる製品、すなわちポリイミドの液晶配向膜を応用例として示すが、本発明はこれらの実施例に限定さえるものではない。
【0341】
以下に示す応用例において、焼き付きの度合いは、C−Vカーブ法を用いて測定した。C−Vカーブ法とは、液晶セルに25mV、1kHzの交流を印可し、さらに周波数0.0036Hzの直流の三角波(以下、DC電圧という。)を重畳させ、DC電圧を−10Vから10Vの範囲で掃印することにより変化する容量Cを記録する方法である。
DC電圧を正側(0→10V)に掃印すると、容量は大きくなる。つぎに負側(10→0V)に掃印すると、容量は小さくなる。0より負側(0→−10V)に掃印するとまた容量は大きくなり、正側(−10→0V)に掃印するとまた小さくなる。これを数サイクル繰り返すと、図1のような波形が得られる。液晶配向膜表面に電荷の偏りが生じ、この偏りが安定化すると、電圧が正側、負側両方において図1のようなヒステリシスカーブを描く。
この図1をもとに、各C−V曲線に対する接線およびDC電圧が0のときの容量(C0)を示す直線を引く。そしてこれら各々の交点(α1〜α4)を求め、正側は|α1−α2|、負側は|α3−α4|の各2点間の電圧差を求めた。これらの平均の電圧差を次式で求め残留電荷とした。
残留電荷=(|α1−α2|+|α3−α4|)/2
残留電荷は、液晶セルの厚みが同じで配向膜の膜厚が同じ条件での測定であれば、電荷の偏りとその安定化を示すパラメーターとして用いることができる。すなわち残留電荷の小さい配向膜を用いるほど焼き付きを緩和できる。
【0342】
電圧保持率は、図2に示す回路で測定した。測定方法は、ゲートパルス幅69μs、周波数30Hz、波高±4.5Vの短波形(Vs)をソースに印加することにより変化するドレイン(VD)をオシロスコープより読み取ることによって行った。例えば、ソースに正の短波形が印加されるとつぎに負の短波形が印加されるまでの間、ドレイン(VD)は正の値を示す。
【0343】
もしも、電圧保持率が100%の場合、図3に示されるVDは点線で示される長方形の軌道をとるが、普通VDは徐々に0に近づく実線で示される軌道となる。
そこで、測定した軌道の面積(V=0と軌道によって囲まれる面積)すなわち斜線部分を算出し、これを4回行い、平均値を求めた。まったく電圧が減少しなかった場合の面積を100%として、これに対し、測定した面積の相対値を電圧保持率(%)とした。
【0344】
プレチルト角の測定は、クリスタルローテーション法を用いて実施した。
【0345】
実施例1
1―(4―ペンチルシクロヘキシル)―4―[4−(4’−アミノ)ベンジル−2−アミノ]フェニルシクロヘキサンをつぎの手順で製造した。
(a) 1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−ニトロベンゾイルフェニル)シクロヘキサンの製造:
攪拌装置、温度計、および窒素置換装置を付した三ツ口フラスコに、塩化アルミニウムの51g(384ミリモル)とジクロロメタンの150ミリリットルとを混合し、この混合液に氷冷下で4-ニトロベンゾイルクロリドの39g(211ミリモル)を投入して溶解させた。さらに氷冷下の状態で1-フェニル-4-(4-ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサン10g(52.1ミリモル)をジクロロメタン150ミリリットルに溶解した溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌した。
液体クロマトグラフィーで反応の終了を確認した後、反応液を2リットルの氷水に注ぎ、ついでクロロホルム3リットルで生成物を抽出した。抽出液を6N―HCl水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水および水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。つぎにロータリーエバポレーターでクロロホルムを除去し、十分に結晶が析出したところでろ過をした。ろ過ケークをトルエン・ヘプタン混合液で再結晶精製し、1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−ニトロベンゾイルフェニル)シクロヘキサンの結晶65gを得た。
【0346】
(b) 1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−ニトロベンゾイル−2−ニトロフェニル)シクロヘキサンの合成:
攪拌装置、温度計および窒素置換装置を付した三ツ口フラスコに、1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−ニトロベンゾイルフェニル)シクロヘキサンの65g(141ミリモル)および濃硫酸の300ミリリットルを混合し、この混合液に氷冷下で濃硝酸100ミリリットルを1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間攪拌した。
液体クロマトグラフィーで反応の終了を確認した後、反応液を1リットルの氷水に注ぎ、クロロホルム2リットルで抽出した。抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水および水で洗浄して後、硫酸マグネシウムで乾燥した。つぎにロータリーエバポレーターでクロロホルムを除去し、十分に結晶が析出したところでろ過をした。ろ過ケークをヘプタンで再結晶精製し、1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−ニトロベンゾイル−2−ニトロフェニル)シクロヘキサンの結晶50gを得た。
【0347】
(c) 1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−ニトロベンジル−2−ニトロフェニル)シクロヘキサンの合成:
攪拌装置、温度計、および窒素置換装置を付した三ツ口フラスコに、1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−ニトロベンゾイル−2−ニトロフェニル)シクロヘキサンの50g(99ミリモル)とクロロホルムの300ミリリットルとを混合し、この混合液に氷冷下で四塩化チタン47g(247ミリモル)を30分かけて滴下し、続いてトリエチルシラン57g(494ミリモル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温に戻して3時間攪拌した。
液体クロマトグラフィーで反応の終了を確認した後、反応液を1リットルの氷水に注ぎ、クロロホルム2リットルで生成物を抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水および水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。つぎにロータリーエバポレターでクロロホルムを除去し、十分に結晶が析出したところでろ過をした。ろ過ケークをトルエン・ヘプタン混合液で再結晶精製し、1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−ニトロベンジル−2−ニトロフェニル)シクロヘキサンの結晶32gを得た。
【0348】
(d) 1―(4―ペンチルシクロヘキシル)―4―[4−(4’−アミノ)ベンジル−2−アミノ]フェニルシクロヘキサンの製造:
攪拌装置および窒素置換装置を付した1リットルのスリ付きフラスコに、1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−ニトロベンジル−2−ニトロフェニル)シクロヘキサンの32g(65ミリモル)とPd−C触媒(5%品、水分55.9%含)の1.6g、トルエン120ミリリットル/エタノール60ミリリットル混合溶媒とを入れ、常圧にて攪拌しながら水素ガスと接触させた。水素の吸収が停止した後に、反応液の触媒を濾別した。得られたろ液の濃縮物をクロロホルム・酢酸エチル混合液に溶解して活性アルミナのカラムクロマト処理を行い、さらにトルエン.ヘプタン混合液で再結晶精製し、1―(4―ペンチルシクロヘキシル)―4―[4−(4’−アミノ)ベンジル−2−アミノ]フェニルシクロヘキサンの結晶19gを得た。この化合物の分子量432のピークをGC―MSにより確認した。
【0349】
実施例2
実施例1と同様の方法で、1−フェニル−4−(4−ヘプチルシクロヘキシルエチル)シクロヘキサン{7H2HB}と4―ニトロベンゾイルクロリドとのFriedel−Crafts反応、ニトロ化、カルボニル基の還元、さらにアミノ基への還元を行うことにより式{7H2HB(4A)1B(3A)}で示される1―(4―ヘプチルシクロヘキシルエチル)―4―[4−(4’−アミノ)ベンジル−2−アミノ]フェニルシクロヘキサンを製造する。
【0350】
実施例3
実施例1と同様の方法で、1−フェニル−4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシルシクロヘキサン{3HHHB}と4―ニトロベンゾイルクロリドとのFriedel−Crafts反応、ニトロ化、カルボニル基の還元、さらにアミノ基への還元を行うことにより式{3HHHB(4A)1B(3A)}で示される1―[4−(4―プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]―4―[4−(4’−アミノ)ベンジル−2−アミノ]フェニルシクロヘキサンを製造する。
【0351】
応用例1
攪拌装置、温度計、コンデンサーおよび窒素置換装置を付した1000ミリリットルの四ツ口フラスコに、脱水精製したN−メチル−2−ピロリドンの135.00g、ついで4,4’−ジアミノジフェニルエタンの3.18g、1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−アミノベンジル−2−アミノフェニル)シクロヘキサンの6.48gを入れ、乾燥窒素気流下攪拌溶解した。溶解液のの温度を5−70℃に保ちながらピロメリット酸二無水物の6.54g添加し、5−30時間反応させた後、γ−ブチロラクトン:ブチルセロソルブ=1:1の溶剤を加えてポリマー濃度が6%のポリアミド酸溶液(a)を得た。
反応中に反応温度により温度が上昇する場合は、反応温度を、約70℃以下に抑えて反応させた。なお、本発明の応用例では、ポリアミド酸の粘度は、反応中の粘度をチェックしながら反応を行い、全溶媒添加後の粘度が55−60mPa.s(E型粘度計を使用。25℃)になった時点で反応を終了とした。
得られたポリアミド酸溶液(a)は低温にて保存した。
【0352】
このポリアミド酸溶液を、片面にITO電極を設けた透明ガラス基盤上に回転塗布法(スピンナー法)で塗布した。回転条件5000rpm、15秒で塗布後、100℃で10分間乾燥した後、オーブン中で1時間かけて200℃まで昇温を行い、200℃で90分間加熱処理を行い、膜厚約60nmのポリイミド膜を得た。
このポリイミド膜が形成された基盤2枚の塗膜面にそれぞれラビング処理を施し液晶配向膜とした。
【0353】
ラビング方向が平行になるようにこれらの液晶配向膜を互いに対向させてセル厚20ミクロンの液晶セルを組み立て、これにTFT用液晶{チッソ(株)製“FB01”}を封入した。封入後120℃で30分間アイソトロピック処理を行い、室温まで徐冷して液晶素子を得た。この液晶素子のプレチルト角は25℃で6.1°であった。またこのセルの残留電荷は25℃で0.05V、保持率98.5%であった。
さらに、封入後120℃で72時間アイソトロピック処理を行い、室温まで徐冷して液晶素子を得た。この液晶素子のプレチルト角は25℃で5.9°であった。
【0354】
応用例2
攪拌装置、温度計、コンデンサーおよび窒素置換装置を付した1000ミリリットルの四ツ口フラスコに、脱水精製したN−メチル−2−ピロリドンの159.20g、ついで1,3−ビス(4−(4−アミノベンジル)フェニル)プロパンの6.09g、1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−アミノベンジル−2−アミノフェニル)シクロヘキサンの6.48gを入れ、乾燥窒素気流下攪拌溶解した。この溶解液の温度を5−70℃に保ちながらピロメリット酸二無水物6.54g添加し、5−30時間反応させた後、γ−ブチルラクトン:ブチルセロソルブ=1:1の溶剤を加えてポリマー濃度が6%のポリアミド酸溶液(b)を得た。
反応中に反応温度により温度が上昇する場合は、反応温度を、約70℃以下に抑えて反応させた。なお、本発明の応用例では、ポリアミド酸の粘度は、反応中の粘度をチェックしながら反応を行い、全溶媒添加後の粘度が55−60mPa.s(E型粘度計を使用。25℃)になった時点で反応を終了とした。
得られたポリアミド酸溶液(b)は低温にて保存した。
【0355】
この溶液を用いて応用例1に準じて液晶素子を得た。この液晶素子のプレチルト角は25℃で5.5°であった。またこのセルの残留電荷は25℃で0.08V、保持率98.3%であった。
さらに、封入後120℃で72時間アイソトロピック処理を行い、室温まで徐冷して液晶素子を得た。この液晶素子のプレチルト角は25℃で5.7°であった。
【0356】
応用比較例1
応用例1において、1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−アミノベンジル−2−アミノフェニル)シクロヘキサン6.48gの代わりに1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−ペンチルシクロヘキサン7.80gを用いる以外は応用例1に準じてポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液を用い、応用例1に準じて液晶素子を得た。この液晶素子のプレチルト角は120℃、30分間のアイソトロピック処理での6.0°、120℃、72時間のアイソトロピック処理で4.9°であった。
【0357】
応用比較例2
応用例2において、1−(4−ペンチルシクロヘキシル)−4−(4−アミノベンジル−2−アミノフェノキシ)シクロヘキサン6.48gの代わりに1,1−ビス[4−(4−アミノフェニルエーテル)フェニル]−4−ペンチルシクロヘキサン7.80gを用いる以外は応用例2に準じてポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液を用いて、応用例2に準じて液晶素子を得た。この液晶素子のプレチルト角は120℃、30分間のアイソトロピック処理での4.9°、120℃、72時間のアイソトロピック処理で6.9°であった
【0358】
【発明の効果】
本発明により新規なジアミノ化合物およびこれらの製造方法が提供された。
本発明のジアミノ化合物は、液晶配向膜の原料中間体としてすぐれている。
たとえば、本発明のジアミノ化合物を原料として用いたポリイミド化合物は、液晶配向膜として優れた効果を示す。例えば、該液晶配向膜を用いた液晶表示素子は、高温時における長期試験においてもプレチルト角の変動を抑えるとともに、通常のラビング処理によって、STN液晶表示素子に要求されている広い表示面積の基盤全域にわたり均一でかつ高いプレチルト角を有する液晶配向膜となる。
また、本発明のジアミノ化合物は、液晶配向膜の原料中間体としてデザインされて優れた効果を示すが、その他のポリイミド、ポリアミドなどの高分子化合物およびその改質にも使用可能であり、エポキシ架橋剤などの他の目的に使用し、また高分子化合物に新しい特性を導入することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 C―Vヒステリシス曲線を示した図である。
【図2】 電圧保持率の測定器の回路図である。
【図3】 ソースに印加する短波形(Vs)とオシロスコープより読み取る変化するドレイン(VD)を示す図である。
Claims (4)
- 前記一般式(1)において、mが1または2であり、A 2 が単結合である請求項1に記載のジアミノ化合物。
- 前記一般式(1)において、
mが1であり、A 2 が単結合である請求項1に記載のジアミノ化合物。 - 一般式(3)
(ここで、A 1 は炭素数1から12の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であり、A 2 は単結合もしくは炭素数1から5のアルキレン基であり、mは0〜3の整数である。)
で示されるシクロヘキシルベンゼン誘導体と
一般式(4)
(ここで、Xは臭素原子および塩素原子のいずれかである。)
で示される酸ハロゲン化物との
Friedel−Crafts反応により一般式(5)
(ここで、各記号の定義は前記と同じ。)
で示されるシクロヘキシルフェニルカルボニル化合物を製造し、該化合物をニトロ化して一般式(6)
(ここで、各記号の定義は前記と同じ。)
で示される化合物を製造し、その後還元することを特徴とする一般式(1)
(ここで、各記号の定義は前記と同じ。)
で示されるジアミノ化合物の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37002698A JP4341092B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | ジアミノ化合物およびその製造方法 |
US09/471,373 US6476266B1 (en) | 1998-12-25 | 1999-12-23 | Diamino compound and production process for the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37002698A JP4341092B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | ジアミノ化合物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000191605A JP2000191605A (ja) | 2000-07-11 |
JP4341092B2 true JP4341092B2 (ja) | 2009-10-07 |
Family
ID=18495892
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37002698A Expired - Fee Related JP4341092B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | ジアミノ化合物およびその製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6476266B1 (ja) |
JP (1) | JP4341092B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005120343A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-05-12 | Chisso Corp | 液晶表示素子用の配向膜を形成するためのポリイミド系ワニス、配向膜および該配向膜を有する液晶表示素子 |
JP4930143B2 (ja) * | 2006-06-29 | 2012-05-16 | Jnc株式会社 | 保護膜用組成物、カラーフィルター基板および液晶表示素子 |
KR102082525B1 (ko) * | 2011-11-17 | 2020-02-27 | 닛산 가가쿠 가부시키가이샤 | 규소계 액정 배향제, 액정 배향막 및 액정 표시 소자 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5510180B2 (ja) | 1974-12-04 | 1980-03-14 | ||
DE3231912A1 (de) | 1982-08-27 | 1984-03-01 | Bayer Ag, 5090 Leverkusen | Diamine oder diamingemische, sowie ein verfahren zu ihrer herstellung |
US4661254A (en) | 1985-05-23 | 1987-04-28 | Uop Inc. | Chlorine-resistant semipermeable membranes |
PL147864B1 (en) * | 1985-12-16 | 1989-08-31 | Wojskowa Akad Tech | A method of liquid crystal compounds with a terminal izotiocyanate group getting |
-
1998
- 1998-12-25 JP JP37002698A patent/JP4341092B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1999
- 1999-12-23 US US09/471,373 patent/US6476266B1/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6476266B1 (en) | 2002-11-05 |
JP2000191605A (ja) | 2000-07-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4840137B2 (ja) | 液晶配向剤並びにそれを用いた液晶配向膜及び液晶表示素子 | |
JP3731229B2 (ja) | ポリアミド酸、ポリイミド膜及びこれを用いた液晶配向膜、液晶表示素子 | |
CN101382703A (zh) | 液晶取向剂和液晶显示元件 | |
JP5192281B2 (ja) | 液晶表示素子の配向材料及びその製造方法 | |
JP5668907B2 (ja) | 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 | |
US5501884A (en) | Diamino compounds and their production method and liquid crystal alignment layers using the compounds | |
TW201444917A (zh) | 液晶配向劑、液晶配向膜、液晶顯示元件、聚醯胺酸與其醯亞胺化聚合物以及二胺化合物 | |
JP7417205B2 (ja) | 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子 | |
JP6555257B2 (ja) | 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子 | |
JP4537996B2 (ja) | ノンラビング垂直配向材料用ポリイミド樹脂及びその製造方法 | |
JP4341092B2 (ja) | ジアミノ化合物およびその製造方法 | |
JP4487343B2 (ja) | ジアミノ化合物およびこれを用いた樹脂組成物、液晶配向膜、液晶表示素子 | |
JPWO2018124140A1 (ja) | 新規重合体及びジアミン化合物、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 | |
JP4171543B2 (ja) | ポリイミド前駆体及びポリイミド並びに液晶セル用配向処理剤 | |
US5430195A (en) | Diamino compounds and liquid crystal aligning films | |
KR102506212B1 (ko) | 액정 배향제, 액정 배향막, 액정 소자, 액정 배향막의 제조 방법, 중합체 및 디아민 | |
JP3658798B2 (ja) | ジアミノ化合物およびその製造方法 | |
JP6795074B2 (ja) | 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子 | |
JP3435752B2 (ja) | ジアミノ化合物およびその製造方法 | |
JP3636204B2 (ja) | ジアミノ化合物およびその製造方法 | |
JP3635697B2 (ja) | ジアミノ化合物 | |
JP4013957B2 (ja) | ジアミノ化合物およびその製造方法 | |
JP7318826B2 (ja) | 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子 | |
TWI834894B (zh) | 液晶配向劑、液晶配向膜及液晶顯示元件 | |
JPH09151373A (ja) | ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051128 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090324 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090520 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090616 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090629 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130717 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |