JP2000080164A - ポリイミド前駆体及びポリイミド並びに液晶セル用配向処理剤 - Google Patents

ポリイミド前駆体及びポリイミド並びに液晶セル用配向処理剤

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JP2000080164A
JP2000080164A JP24977098A JP24977098A JP2000080164A JP 2000080164 A JP2000080164 A JP 2000080164A JP 24977098 A JP24977098 A JP 24977098A JP 24977098 A JP24977098 A JP 24977098A JP 2000080164 A JP2000080164 A JP 2000080164A
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禎夫 宮本
Yukihiro Miyama
幸広 見山
Takayasu Nihei
貴康 仁平
Hideyuki Endo
秀幸 遠藤
Hiroyoshi Tai
裕善 袋
Yutaka Nagase
裕 長瀬
Eiichi Akiyama
映一 秋山
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Sagami Chemical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熱処理に対して安定した1〜2゜と低い
傾斜配向角の発現および、配向膜あるいは液晶の配向の
均一性に優れたポリイミド及び/又は前記ポリイミド前
駆体よりなる液晶配向膜の提供。 【解決手段】 式(1)で表される繰り返し単位を有す
るポリイミド前駆体において、R2が式(2)で表され
るジアミン残基を含有し、還元粘度が0.05〜3.0
dl/g(30℃のN−メチルピロリドン0.5g/d
l)であるポリイミド前駆体およびポリイミドに関し、
また、それを含有する液晶セル用配向処理剤。 (R1はテトラカルボン酸残基、R2はジアミン残基、R
3、R4はハロゲン原子またはC1〜6低級アルキル基も
しくはアルコキシ基、X1、X2はOまたはS原子、n1
は1〜18、n2、n3は0〜2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主鎖中にアルキレン
基及びエステルまたはチオエステル基を含有する特定の
構造のポリイミドおよび/またはポリイミド前駆体から
なる、液晶セル用配向処理剤に関するものである。更に
詳しくはネマティック液晶分子が基板に対し低い傾斜配
向角を有し、かつ液晶注入後の熱処理において傾斜配向
角が変化しない良好な配向安定性を示す。また、一定方
向にラビング処理された配向膜表面に誘起される複屈折
位相差において遅相軸とラビング方向とのズレ角が極め
て小さい良好な一軸配向性を示す。特に強誘電性液晶、
反強誘電性液晶に対して優れた配向均一性を示す液晶セ
ル用配向処理剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、液晶の電気光学的変化
を利用した表示素子であり、装置的に小型軽量であり、
消費電力が小さい等の特性が注目され、近年、各種ディ
スプレイ用の表示装置として目覚ましい発展を遂げてい
る。中でも正の誘電率異方性を有するネマティック液晶
を用い、相対向する一対の電極基板のそれぞれの界面で
液晶分子を基板に対し平行に配列させ、かつ、液晶分子
の配向方向が互いに直交するように両基板を組み合わせ
た、ツイステッドネマティック型(TN型)の電界効果
型液晶表示素子は、その代表的なものである。
【0003】このようなTN型の液晶表示素子において
は、液晶分子の長軸方向を基板表面に均一に平行に配向
させること、更に液晶分子を基板に対して一定の傾斜配
向角をもって配向させることが重要である。
【0004】このように液晶分子を配向させる代表的な
方法としては、従来より二つの方法が知られている。第
一の方法は、酸化珪素等の無機物を基板に対して斜めか
ら蒸着することにより基板上に無機膜を形成し、蒸着方
向に液晶分子を配向させる方法である。この方法では、
一定の傾斜配向角を有する安定した配向は得られるもの
の工業的には効率的ではない。第二の方法は、基板表面
に有機被膜をもうけ、その表面を綿、ナイロン、ポリエ
ステル等の布で一定方向にラビングし、ラビング方向に
液晶分子を配向させる方法である。この方法は、比較的
容易に安定した配向が得られるため、工業的には専らこ
の方法が採用されている。有機膜としては、ポリビニル
アルコール、ポリオキシエチレン、ポリアミド、ポリイ
ミド等が挙げられるが、化学的安定性、熱的安定性等の
点からポリイミドが最も一般的に使用されている。この
様な液晶配向膜に使用されているポリイミドの代表的な
例としては、特開昭61−47932号公報に開示され
るものがある。
【0005】また、近年においては新規な液晶表示素子
の開発も盛んであり、中でも一方の基板のみに互いに平
行するストライプ状の電極を設け、上下電極基板間で平
行に配向させたネマティック液晶に対し、基板に対して
平行な、即ち横電界を印加することによって駆動するイ
ンプレーンスイッチング型(IPS型)の電界効果型液
晶表示素子は、従来のネマティック液晶表示素子の視野
角特性を格段に進歩させるものとして注目されている。
【0006】このIPS型液晶表示方式では、基板面に
対して平面上でのスイッチングによって表示の明暗を行
うので、その動作を効率的に行うため、さらにはより高
いコントラストを得るためには、ラビング処理による液
晶分子のラビング方向への配向均一性がこれまで以上に
重要であり、この性能を得るためには、配向膜分子鎖自
体の均一配向性が特に重要である。
【0007】一方、カイラルスメクチック相を有する強
誘電性液晶や反強誘電性液晶を用い、相対向する一対の
電極基板のそれぞれの界面で液晶分子を基板に対し、層
方向が一方向に向くように配列させた強誘電性液晶表示
素子や反強誘電性液晶表示素子では、液晶分子が有する
自発分極と電界の直接的な相互作用により、ネマティッ
ク液晶表示素子よりも優れた高速応答性、高視野角特性
を有することが知られている。さらに、強誘電性液晶や
反強誘電性液晶が有する螺旋ピッチよりもセルギャップ
を薄くした表面安定型強誘電性液晶素子、表面安定型反
強誘電性液晶素子では、ネマティック液晶表示素子には
ない、双安定性や三安定性を示し、単純マトリックス電
極構造でも高精細の表示素子を作製できることが知られ
ている。
【0008】このような強誘電性液晶液晶素子、反強誘
電性液晶素子では、液晶分子を均一にかつ一定方向に配
向させることが極めて重要である。このように液晶を配
向させる代表的な方法としては、上述のネマティック液
晶表示素子の場合と同様に、酸化硅素などの無機物を斜
め方向から蒸着して基板上に無機膜を形成する方法と、
基板表面に誘起皮膜をもうけ、その表面を布で一定方向
にラビングする方法が知られている。
【0009】ラビングする有機膜としては、ネマティッ
ク液晶表示素子の場合と同様に化学的安定性、熱的安定
性等の点からポリイミドが一般的に使用されている。し
かしながら、従来のポリイミドでは強誘電性液晶あるい
は反強誘電性液晶に対して必ずしも十分に満足させる配
向性が得られなかった。またたとえ良い配向が得られて
も、ポリイミドの合成面で問題があり実用上問題となっ
ていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】正の誘電率異方性を有
するネマティック液晶を用い、相対向する一対の電極基
板のそれぞれの界面で液晶分子を基板に対し平行に配列
させ、かつ、液晶分子の配向方向が互いに直交するよう
に両基板を組み合わせた、TN型の電界効果型液晶表示
素子においては、液晶分子の長軸方向を基板表面に均一
に平行に配向させること、更に液晶分子を基板に対して
一定の傾斜配向角をもって配向させることが重要であ
る。特に近年、TN型の電界効果型液晶表示素子におい
て、コントラストを向上させるために3゜以下、好まし
くは1〜2゜程度の低い傾斜配向角を安定に得ることが
要求されている。
【0011】しかし、従来のポリイミドを用いた液晶配
向膜は、液晶注入後の傾斜配向角において、低い傾斜配
向角を発現するものはあるものの、液晶のアイソトロピ
ック温度以上に加熱(以下アイソトロピック処理とい
う)した際に傾斜配向角が変化してしまうことがあり、
また、アイソトロピック処理により、液晶分子の配向が
乱れてしまう問題があった。
【0012】また、一般に基板上に形成された樹脂膜を
ラビング処理して液晶配向膜として使用するが、この時
高分子鎖がラビング方向に配向されることが一般に知ら
れている。一方の基板のみに互いに平行するストライプ
状の電極を設け、上下基板間で平行に配向させた液晶に
対し、横電界を印加することによって駆動するIPS型
電界効果型液晶表示素子においては、低い傾斜配向角と
その熱処理に対する安定性に加えて、ラビング方向に対
して液晶分子を従来のポリイミド膜以上により均一に配
向させることがより効率的なスイッチング動作を行うた
め、あるいは電気光学特性、特にコントラストを向上さ
せる上で重要な課題である。この性能を得るためにはポ
リイミド分子鎖自体がラビング方向に対してずれること
なく均一に配向することが望ましい。すなわち高コント
ラストで均一な液晶表示を達成する上では極めて重要な
課題であり、単に傾斜配向角が低いだけでなく、熱処理
に対して安定に2゜以下の低い傾斜配向角を与え、且つ
ラビング処理により液晶の均一な配向を発現させるため
に、分子鎖のラビング方向への配向均一性の高いポリイ
ミド配向膜が切望されていた。
【0013】一方、強誘電性液晶表示素子、反強誘電性
液晶表示素子では、液晶の均一な初期配向を得ることが
極めて重要であり、この配向状態が液晶素子の性能に大
きな影響を与えることが知られている。しかしながら、
強誘電性液晶や反強誘電性液晶の配向状態を均一に制御
することは困難で、一般にラビングしたポリイミド膜上
ではジグザク欠陥等の配向欠陥が観測され、これがコン
トラストの低下等の液晶素子の性能を著しく低減させる
問題点があった。
【0014】このように一般には配向させずらい液晶表
示素子に均一な配向を与えるという観点からもポリイミ
ド分子鎖のラビング方向への配向均一性は極めて重要で
ある。液晶表示素子においては、ラビングによって生じ
る配向膜表面の傷や削れが液晶の配向不均一性を引き起
こすという問題点も有しており、一般的にラビングの強
度は非常に弱くしなくてはならなかった。
【0015】ポリイミド分子鎖の配向は一般にラビング
強度に依存し、その強度が強くなる程配向の度合が増す
という傾向を有しており、弱いラビング条件では従来の
ポリイミド分子鎖を配向させるには不十分であった。即
ち、極弱いラビングであっても、ラビング方向に対して
ポリイミド分子鎖がずれることなく均一に配向すること
も重要な課題である。
【0016】また強誘電性液晶を良好に配向させる配向
膜として、特開平8−248424号公報に開示される
ような、主鎖にアルキレン基を有する脂肪族ジアミンを
原料として得られるポリイミド膜を使用することができ
る。しかしながら、このような脂肪族ジアミンは重合反
応性に劣り、一定のポリイミドワニスを得る上で問題を
有していた。更に、1,5−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ペンタンに代表されるような、主鎖にアルキレン基
を有し、且つエステル結合を導入したジアミンを原料と
して得られるポリイミド膜を用いても、強誘電性液晶の
良好な配向が得られるという事例もある。しかしなが
ら、上述した極弱いラビング処理において、配向膜表面
に誘起される複屈折位相差を測定すると高分子鎖の配向
均一性が不十分であるという結果が得られている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、主鎖中にアル
キレン基及びエステルまたはチオエステル基を含有する
特定の構造のポリイミドおよび/またはポリイミド前駆
体からなる液晶セル用配向処理剤に関するものであり、
熱処理に対して安定した低い傾斜配向角の発現および、
配向膜中の高分子鎖あるいは液晶の配向の均一性につい
て詳細かつ系統的に鋭意検討した結果、本発明を完成す
るに至った。
【0018】すなわち、本発明はテトラカルボン酸誘導
体と、ジアミンを重合反応させることにより得られる下
記一般式(1)
【0019】
【化5】 (R1はテトラカルボン酸残基で、R2はジアミン残基を
表す。)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前
駆体において、R2が下記一般式(2)
【0020】
【化6】 (式中、R3、R4はそれぞれ独立にハロゲン原子または
炭素数1〜6の直鎖状あるいは分岐状の低級アルキル基
もしくはアルコキシ基、X1、X2はそれぞれ独立に酸素
原子または硫黄原子であり、n1は1〜18の整数であ
り、n2、n3はそれぞれ独立に0〜2の整数である。)
で表されるジアミン残基を含有し、かつ還元粘度が0.
05〜3.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリ
ドン中、濃度0.5g/dl)であることを特徴とする
ポリイミド前駆体に関する。
【0021】更に、前記ポリイミド前駆体をイミド化す
ることにより得られるポリイミドに関し、また、該ポリ
イミド及び/又は前記ポリイミド前駆体を含有すること
を特徴とする液晶セル用配向処理剤に関する。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の前記一般式(1)で表さ
れるポリイミド前駆体の製造法について説明する。前記
一般式(2)で表されるジアミン残基に対応するジアミ
ン化合物は、例えば以下に示す方法により製造すること
ができる。即ち、下記一般式(6)
【0024】
【化7】 (式中、R3、X1およびn2は前記定義と同様であ
る。)で表される化合物と、下記一般式(7)
【0025】
【化8】 (式中、X3およびX4は水酸基またはハロゲン原子、n
1は前記定義と同様である。)で表される化合物とを、
一般式(6)で表される化合物を一般式(7)で表され
る化合物に対して2当量以上過剰に用いて縮合させる
か、または一般式(7)で表される化合物を一般式
(6)で表される化合物に対して少なくとも1当量以上
用いて反応させた後、下記一般式(8)
【0026】
【化9】 (式中、R4、X2およびn3は前記定義と同様であ
る。)で表される化合物と再度縮合させることにより、
下記一般式(9)
【0027】
【化10】 (式中、R3、R4、X1、X2、n1、n2およびn3は前
記定義と同様である。)で表されるジニトロ化合物を合
成し、さらにこのジニトロ化合物のニトロ基を還元する
ことにより、下記一般式(10)
【0028】
【化11】 (式中、R3、R4、X1、X2、n1、n2およびn3は前
記定義と同様である。)で表されるジアミン化合物を製
造することができる。
【0029】上記の縮合反応において、前記一般式
(7)中のX3およびX4が水酸基である化合物を用いる
場合には、一般に縮合剤の存在下好適に反応が進行す
る。その際用いられる縮合剤としては、塩酸や硫酸など
の鉱酸、トシル酸などの芳香族スルホン酸、三フッ化ホ
ウ素−ジエチルエーテル錯体などのルイス酸、トリフル
オロ酢酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N
−アルキルピリジニウム塩、トリフェニルホスフィン、
ポリリン酸エステルなどを挙げることができる。この場
合の反応温度は通常室温から100℃の範囲で好適に反
応が進行する。
【0030】一方、上記の縮合反応において、前記一般
式(7)中のX3およびX4がハロゲン原子である化合物
を用いる場合には、ハロゲン化水素が発生するので、そ
の補捉剤としてトリエチルアミン、N,N−ジメチルア
ニリン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等
の有機塩基存在下で行うことにより好適に反応が進行す
る。また、この場合には0℃から室温前後の比較的低い
温度で行うことが、副反応を抑える点で好ましい。
【0031】これらの反応はいずれも有機溶媒中で行う
ことが好ましく、ここで用いられる有機溶媒としては、
ヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロ
ロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、アセトン、テ
トラヒドロフラン等が好適に用いられるが、これらに限
定されるものではない。
【0032】また、上記のニトロ基の還元反応は通常用
いられる公知の還元剤と反応させることにより容易に進
行するが、水素ガス雰囲気下ニッケル、白金、パラジウ
ム、ロジウムなどの金属を触媒とした接触還元を行うこ
とにより、前記一般式(9)で表されるジニトロ化合物
から前記一般式(10)で表されるジアミン化合物を収
率良く合成することができる。いずれの反応も溶媒中で
行うことが望ましく、溶媒としては反応に関与しないも
のであればいずれでもよく、アルコール、テトラヒドロ
フラン、ジメトキシエタン、ジオキサン、ベンゼン、ト
ルエン等を例示することができる。反応温度は−100
℃〜150℃、好ましくは−50℃〜100℃の範囲で
行うことができる。
【0033】本発明に於ける液晶セル用配向処理剤は、
テトラカルボン酸誘導体と、上記の方法で製造される特
定の構造を有するジアミン化合物を反応重合させること
により得られるポリイミド及び/またはポリイミド前駆
体を有効成分として含有することより成り、これを有機
極性溶媒に溶解させた樹脂溶液を透明電極付きの基板上
に塗布したのち、乾燥、焼成することによりポリイミド
膜を形成し、ついで膜表面をラビング等の配向処理を施
して液晶配向膜として用いるものである。
【0034】本発明の液晶セル用配向処理剤は、液晶分
子が基板に対し低い傾斜配向角を有しかつ熱処理によっ
て、傾斜配向角が変化しない良好な配向安定性を有する
と共に、ラビング処理に対する配向膜表面の遅相軸のズ
レ角が極めて小さいという良好な均一配向性を有するも
のであり、特に強誘電性液晶、反強誘電性液晶に対して
良好な配向を与えるものである。
【0035】本発明に用いられるテトラカルボン酸誘導
体は、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、ビフェニルテトラカルボン酸及びナフタレンテトラ
カルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸及びこれらの二
無水物並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物、
更には、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロペンタ
ンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸
及び3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−1−ナフタレンコハク酸等の脂環式テトラカルボ
ン酸及びこれらの二無水物並びにこれらのジカルボン酸
ジ酸ハロゲン化物、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族
テトラカルボン酸及びこれらの二無水物並びにこれらの
ジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等が挙げられる。
【0036】また、これらのテトラカルボン酸誘導体は
1種であっても2種以上混合して使用しても良い。
【0037】これらの中で、本発明の効果を充分に得る
上で、ピロメリット酸等の芳香族テトラカルボン酸誘導
体またはシクロブタンテトラカルボン酸誘導体を使用す
ることが特に好ましい。シクロブタン環は、下記のテト
ラカルボン酸残基の構造式で示されるように炭素数1〜
4のアルキル基で置換していても良い。
【0038】
【化12】 (R5、R6、R7、R8は、それぞれ独立に水素、炭素数
1〜4のアルキル基を表す。) 前記一般式(10)で表されるジアミン化合物の具体例
としては(以下アミノ基の置換位置は明記しないが、前
記一般式に従い2,2−、2,3−、2,4−、3,3
−、3,4−、4,4−の6種の置換位置の組み合わせ
を含むものとする。)、ジ(アミノフェニル)プロパン
−1,3−ジオエート、1,3−ジ(アミノフェニルチ
オ)プロパン−1,3−ジオン、アミノフェニル−3−
(アミノフェニルチオ)−3−オキソプロパノエート、
ジ(アミノフェニル)ブタン−1,4−ジオエート、
1,4−ジ(アミノフェニルチオ)ブタン−1,4−ジ
オン、アミノフェニル−4−(アミノフェニルチオ)−
4−オキソブタノエート、ジ(アミノフェニル)ペンタ
ン−1,5−ジオエート、1,5−ジ(アミノフェニル
チオ)ペンタン−1,5−ジオン、アミノフェニル−5
−(アミノフェニルチオ)−5−オキソペンタノエー
ト、ジ(アミノフェニル)ヘキサン−1,6−ジオエー
ト、1,6−ジ(アミノフェニルチオ)ヘキサン−1,
6−ジオン、アミノフェニル−6−(アミノフェニルチ
オ)−6−オキソヘキサノエート、ジ(アミノフェニ
ル)ヘプタン−1,7−ジオエート、1,7−ジ(アミ
ノフェニルチオ)ヘプタン−1,7−ジオン、アミノフ
ェニル−7−(アミノフェニルチオ)−7−オキソヘプ
タノエート、ジ(アミノフェニル)オクタン−1,8−
ジオエート、1,8−ジ(アミノフェニルチオ)オクタ
ン−1,8−ジオン、アミノフェニル−8−(アミノフ
ェニルチオ)−8−オキソオクタノエート、ジ(アミノ
フェニル)ノナン−1,9−ジオエート、1,9−ジ
(アミノフェニルチオ)ノナン−1,9−ジオン、アミ
ノフェニル−9−(アミノフェニルチオ)−9−オキソ
ノナノエート、ジ(アミノフェニル)デカン−1,10
−ジオエート、1,10−ジ(アミノフェニルチオ)デ
カン−1,10−ジオン、アミノフェニル−10−(ア
ミノフェニルチオ)−10−オキソデカノエート、ジ
(アミノフェニル)ウンデカン−1,11−ジオエー
ト、1,11−ジ(アミノフェニルチオ)ウンデカン−
1,11−ジオン、アミノフェニル−11−(アミノフ
ェニルチオ)−11−オキソウンデカノエート、ジ(ア
ミノフェニル)ドデカン−1,12−ジオエート、1,
12−ジ(アミノフェニルチオ)ドデカン−1,12−
ジオン、アミノフェニル−12−(アミノフェニルチ
オ)−12−オキソドデカノエート、ジ(アミノフェニ
ル)トリデカン−1,13−ジオエート、1,13−ジ
(アミノフェニルチオ)トリデカン−1,13−ジオ
ン、アミノフェニル−13−(アミノフェニルチオ)−
13−オキソトリデカノエート、ジ(アミノフェニル)
テトラデカン−1,14−ジオエート、1,14−ジ
(アミノフェニルチオ)テトラデカン−1,14−ジオ
ン、アミノフェニル−14−(アミノフェニルチオ)−
14−オキソテトラデカノエート、ジ(アミノフェニ
ル)ペンタデカン−1,15−ジオエート、1,15−
ジ(アミノフェニルチオ)ペンタデカン−1,15−ジ
オン、アミノフェニル−15−(アミノフェニルチオ)
−15−オキソペンタデカノエート、ジ(アミノフェニ
ル)ヘキサデカン−1,16−ジオエート、1,16−
ジ(アミノフェニルチオ)ヘキサデカン−1,16−ジ
オン、アミノフェニル−16−(アミノフェニルチオ)
−16−オキソヘキサデカノエート、ジ(アミノフェニ
ル)ヘプタデカン−1,17−ジオエート、1,17−
ジ(アミノフェニルチオ)ヘプタデカン−1,17−ジ
オン、アミノフェニル−17−(アミノフェニルチオ)
−17−オキソヘプタデカノエート、ジ(アミノフェニ
ル)オクタデカン−1,18−ジオエート、1,18−
ジ(アミノフェニルチオ)オクタデカン−1,18−ジ
オン、アミノフェニル−18−(アミノフェニルチオ)
−18−オキソオクタデカノエート、ジ(アミノフェニ
ル)ノナデカン−1,19−ジオエート、1,19−ジ
(アミノフェニルチオ)ノナデカン−1,19−ジオ
ン、アミノフェニル−19−(アミノフェニルチオ)−
19−オキソノナデカノエート、ジ(アミノフェニル)
イコサン−1,20−ジオエート、1,20−ジ(アミ
ノフェニルチオ)イコサン−1,20−ジオン、アミノ
フェニル−20−(アミノフェニルチオ)−20−オキ
ソイコサノエートおよび、それらの構造において芳香族
環の水素原子の一原子あるいは二原子が、それぞれ独立
にハロゲン原子または炭素数1〜6の直鎖状あるいは分
岐状の低級アルキル基もしくはアルコキシ基に置換され
たものなどが挙げられる。
【0039】これらの中で好ましいものは、下記一般式
(11)
【0040】
【化13】 (n1は1〜18の整数である。)で表されるジアミン
化合物が好ましい。
【0041】前記一般式(2)または(11)で表され
るジアミンで、n1が大きくなると得られるポリイミド
の耐熱性が低下するため、実用上n1は1〜10が好ま
しい。
【0042】更に、ジ(4−アミノフェニル)ペンタン
−1,5−ジオエート、ジ(4−アミノフェニル)ヘキ
サン−1,6−ジオエート、ジ(4−アミノフェニル)
ヘプタン−1,7−ジオエート、ジ(4−アミノフェニ
ル)オクタン−1,8−ジオエート、ジ(4−アミノフ
ェニル)ノナン−1,9−ジオエート、ジ(4−アミノ
フェニル)デカン−1,10−ジオエートが特に好まし
い。
【0043】本発明のポリイミド前駆体に含まれる全ジ
アミン成分の中で、前記一般式(2)で表されるジアミ
ン残基を含有することが必須であるが、液晶の均一な配
向を得るためには80mol%〜100mol%である
ことが好ましい。
【0044】本発明の効果を損なわない範囲内であれ
ば、他のジアミン成分を共重合してもよい。その具体例
を挙げるならば、2,5−ジアミノトルエン、2,6−
ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノ
ジフェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル4−アミ
ノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジ
アミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4
−アミノフェニル)アントラセン、1,3−ビス(4−
アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等の芳香族ジア
ミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス
(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン等の
脂環式ジアミン、更には、下記一般式(12)
【0045】
【化14】 (mは1〜10の整数)で表されるジアミノシロキサン
である。
【0046】また、これらジアミンの1種または2種以
上を混合して使用することもできる。
【0047】テトラカルボン酸誘導体とジアミンを重合
反応させポリイミド前駆体(ポリアミック酸)とする
が、この際用いるテトラカルボン酸誘導体としてはテト
ラカルボン酸二無水物を用いるのが一般的である。テト
ラカルボン酸二無水物とジアミンのモル数の比は0.8
から1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同
様、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度
は大きくなる。
【0048】重合度が小さすぎるとポリイミド塗膜の強
度が不十分であり、また重合度が大きすぎるとポリイミ
ド塗膜形成時の作業性が悪くなる場合がある。従って、
本反応に於ける生成物の重合度は、ポリイミド前駆体溶
液の還元粘度換算で、0.05〜3.0dl/g(温度
30℃のN−メチルピロリドン中、濃度0.5g/d
l)であることが必須である。
【0049】テトラカルボン酸二無水物とジアミンを重
合反応させる方法としては、通常、溶液法が好適であ
る。溶液重合法に使用される溶剤の具体例としては、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカ
プロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿
素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホ
ルアミド、及びブチルラクトン等を挙げることが出来
る。これらは単独でも、また混合して使用しても良い。
更に、ポリイミド前駆体を溶解しない溶剤であっても、
その溶剤の均一溶液が得られる範囲内で上記溶剤に加え
て使用しても良い。その際の反応温度は−20℃から1
50℃、好ましくは−5℃から100℃の任意の温度を
選択することができる。
【0050】ポリイミド前駆体をポリイミドに転化する
には、加熱により脱水閉環する方法が採用される。この
加熱脱水閉環温度は、150〜450゜C、好ましくは
170〜350゜Cの任意の温度を選択することができ
る。この脱水閉環に要する時間は、反応温度にもよるが
30秒〜10時間、好ましくは5分〜5時間が適当であ
る。
【0051】また、ポリイミドが有機溶媒に溶解するい
わゆる可溶性ポリイミドの場合、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンを反応して得られたポリイミド前駆体を
溶液中で公知の脱水閉環触媒を用いてイミド化すること
ができる。
【0052】このように得られたポリイミド溶液はその
まま使用することができる。また得られたポリイミド溶
液から一旦ポリイミドを単離した後、適当な溶媒に再溶
解させて使用することもできる。再溶解させる溶媒は、
得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定
されないが、その例として、2−ピロリドン、N−メチ
ルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロ
リドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、ジグライム等
が挙げられる。
【0053】また、基板への塗布性を改善する目的か
ら、単独ではこのポリイミドおよび/またはポリイミド
前駆体を溶解させない溶媒であっても溶解性を損なわな
い範囲であれば上記溶媒に加えてもよい。その例として
はブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルカルビ
トール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセ
テート、エチレングリコール、トルエン、キシレン等が
挙げられる。
【0054】上記のようにして得られた本発明のポリイ
ミドおよび/またはポリイミド前駆体溶液を、スピンコ
ート、転写印刷法などの方法を用いて透明電極の付いた
ガラスまたはプラスチック等の透明基板上に塗布し、こ
れを上記の条件により加熱処理してポリイミド膜を形成
する。この際のポリイミド膜の厚みとしては、特に限定
されるものではないが、通常の液晶配向膜として使用さ
れる上で、100Å〜3000Åが適当である。ついで
該ポリイミド膜をラビング処理等の配向処理を施し、液
晶配向処理剤として使用することができる。
【0055】ラビング処理は、一般には綿、ナイロン、
ポリエステルなどの布を巻いたローラーを回転させ、そ
のローラーを一定の押し込み圧で基板に接触させて基板
またはローラーを一定速度で移動させることにより行う
ことができる。また、ローラーが回転していない状態で
ローラーもしくは基板を移動させて行うことができる。
回転ラビングでのラビングの強さは、次の式で定義され
るラビング度L(mm)で表すことが報告されている。
【0056】
【数1】 L=N・M{(2πrn/60V)−1} (I) (I)式において、Nはラビング回数、Mは押し込み量
(mm)、rはラビングローラーの半径(mm)、nは
ローラーの回転数(rpm)、Vはステージの移動速度
(mm/秒)であり、ラビング強度が強いほどラビング
度は大きくなる。本発明に用いることができるラビング
度は特に限定されるものではないが、ポリイミド膜の密
着性の観点から、500mm以下が好ましい。
【0057】このようなラビング処理によって高分子鎖
がラビング方向に配向されることが知られており、この
高分子鎖の配向の効果は、一般的に、ラビング処理後に
誘起されるポリイミド膜の複屈折位相差およびラビング
方向と遅相軸のズレ角を測定することによって評価でき
る。この測定の原理は、次の文献に記載されている。
【0058】An Improved Method for High Reflectivi
ty Ellipsometry Based on a NewPolarization Modulat
ion Technique (S.N.Jasperson & E.Schnatterly) Rev.
Sci.Inst.,vol.40,page761, 1969 High Frequency Polarization Modulation Method for
Measuring Birefrin-gence (F.A.Modoine, R.W.Major &
E.Sonder) Appl.Opt.,vol14,No.3, 1975 本発明におけるポリイミドは液晶配向処理剤として特に
優れた特性を有するものであるが、本発明の効果を得る
ためにはポリイミド分子鎖がラビングにより延伸され、
ラビング方向に均一に配向することが重要である。ラビ
ングによって誘起される複屈折位相差の大きさは、高分
子の構造単位が有する屈折率の異方性、ラビング度、延
伸される膜厚等に依存するが、複屈折位相差が大きいほ
ど高分子鎖が配向していることを示し、さらに、ラビン
グ方向と遅相軸のズレ角は、その大きさが小さいほど高
分子鎖がラビング方向に配向していることを示してい
る。本発明の効果を得るためには、ラビング強度が比較
的小さい場合においても高い均一配向性が得られるとい
う特徴を考慮して、ラビング度が15〜100(mm)
の時、複屈折位相差の大きさ0.5(nm)以上、ラビ
ング度100(mm)以上で0.8(nm)以上である
ことが好ましく、またラビング方向と遅相軸のズレ角に
ついては0.5゜以下、さらに好ましくは0.3゜以下
であることが好適である。
【0059】このようにラビングによって均一かつ一方
向に高分子鎖が配向した液晶配向膜を用いることによっ
て、液晶分子を均一に配向させることができる。特に、
一般的に均一な配向が得にくい、強誘電性液晶や反強誘
電性液晶には大きな効果を与えることができる。
【0060】以下に実施例および比較例を上げ、本発明
を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0061】
【実施例】実施例1 ジ(4−アミノフェニル)ヘキサン−1,6−ジオエー
ト2.40g(0.0073モル)と1,2,3,4−
シクロブタンテトラカルボン酸二無水物1.40g
(0.0072モル)をN−メチルピロリドン(以下N
MPと省略する)21.53g中、室温で2時間反応さ
せポリイミド前駆体(ポリアミック酸)溶液を調製し
た。重合反応は容易かつ均一に進行し、還元粘度0.9
6dl/g(濃度0.5g/dl,NMP中30℃)の
ポリイミド前駆体を再現良く得ることができた。
【0062】この溶液をNMPおよびブチルソロソルブ
(以下BSと省略する)の混合溶媒(重量比80:2
0)により総固形分4重量%に希釈後、ガラス基板に2
800rpmでスピンコートし、ついで80℃で5分、
250℃で1時間加熱処理することにより厚さ1000
Åのポリイミド膜を形成した。
【0063】このポリイミド膜をレーヨン布を用い、表
1の3種の条件でラビング処理を施した。ここで、ラビ
ングの強度を定量的に表すために、以下の数式(I)で
算出されるラビング度Lを導入した。ラビング度の値は
表1に併せて記載する。
【0064】
【数2】 L=N・M{(2πnr/60V)−1} (I) (I)式において、Nはラビング回数、Mは押し込み量
(mm)、rはラビングローラーの半径(mm)、nは
ローラーの回転数(rpm)、Vはステージの移動速度
(mm/秒)であり、ラビング強度が強いほどラビング
度は大きくなる。
【0065】このようにラビング処理された各々の基板
を50μmのスペーサーを挟んでラビング方向を反平行
にして組み立て、ついでネマティック液晶(メルク社製
ZLI−2293)を注入し液晶セルを作成した。これ
らの液晶セルの配向状態を偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ、いずれのラビング条件でも欠陥は全く観測されず、
液晶が均一に配向していることが確認された。また、結
晶回転法により液晶の傾斜配向角を測定したところ、条
件1では1.2゜、条件2及び条件3では1.0゜であ
り、低い傾斜配向角が安定に得られていることが確認さ
れた。
【0066】さらに、熱処理に対する傾斜配向角と配向
状態の変化を評価するため、各液晶セルを95℃で10
分間、120℃で1時間、120℃で6時間、順次加熱
処理を行ったが、熱処理による配向の乱れや配向欠陥の
発生は一切見られず、均一な配向を保持しており、傾斜
配向角の変化も全くないことが確認された。
【0067】
【表1】 表1.ラビング条件 ───────────────────────────────── ローラー回転数 ステージ移動速度 押し込み量 ラビング度 (rpm) (mm/秒) (mm) (mm) ───────────────────────────────── 条件1 300 20 0.50 46.6 条件2 500 15 0.55 114.6 条件3 700 10 0.60 263.2 ─────────────────────────────────
【0068】実施例2 実施例1に記載したポリイミド膜のラビング処理による
分子鎖の配向性を評価するため、ポリイミド膜をレーヨ
ン布を用い表1に記載の条件1および条件2でラビング
処理し、オーク製作所高感度自動複屈折測定装置により
複屈折位相差(以下Δndと略す)、および遅相軸とラ
ビング方向とのズレ角を測定した。表2に各条件に於け
るΔndと遅相軸のズレ角の測定結果を示す。条件1の
ような弱いラビング条件であってもΔnd値は十分に大
きく、特に遅相軸のズレ角は極めて小さいことから、ポ
リイミド分子鎖のラビング処理に対する、均一配向性が
非常に高いことが確認された。
【0069】
【表2】 表2.Δndと遅相軸のズレ角 ────────────────────────── ラビング条件 ラビング度 Δnd 遅相軸のズレ角 (mm) (nm) (゜) ────────────────────────── 条件1 46.6 0.75 0.2 条件2 114.6 0.98 0.2 ──────────────────────────
【0070】実施例3 実施例1に記載したポリイミド膜をナイロン布を用い、
表1に記載の条件1でラビング処理を施した。このよう
にラビング処理された各々の基板を1.5μmのスペー
サーを挟んで、各基板のラビング方向が平行になるよう
に組み立て、ついで強誘電性液晶(メルク社製ZLI−
3489)を注入して、表面安定化液晶セルを作製し
た。このセルの配向状態を偏光顕微鏡により観察したと
ころ、液晶セルの全領域にわたり欠陥は観測されず、強
誘電性液晶が均一に配向していることが確認された。
【0071】実施例4 ジ(4−アミノフェニル)ヘキサン−1,6−ジオエー
ト2.40g(0.0073モル)とピロメリット酸二
無水物1.56g(0.0072モル)をNMP22.
43g中、室温で3時間反応させポリイミド前駆体(ポ
リアミック酸)溶液を調製した。重合反応は容易かつ均
一に進行し、還元粘度0.94dl/g(濃度0.5g
/dl、NMP中30℃)のポリイミド前駆体を再現良
く得ることができた。
【0072】この溶液をNMPおよびBSの混合溶媒
(重量比80:20)により総固形分4重量%に希釈
後、ガラス基板に3050rpmでスピンコートし、つ
いで80℃で5分、250℃で1時間加熱処理すること
により厚さ1000Åのポリイミド膜を形成した。この
ポリイミド膜をレーヨン布を用い、表1に記載した3種
の条件でラビング処理を施した。各々の基板を50μm
のスペーサーを挟んでラビング方向を反平行にして組み
立て、ついでネマティック液晶(メルク社製ZLI−2
293)を注入し液晶セルを作成した。これらの液晶セ
ルの配向状態を偏光顕微鏡で観察したところ、いずれの
ラビング条件でも欠陥は全く観測されず、液晶が均一に
配向していることが確認された。また、結晶回転法によ
り液晶の傾斜配向角を測定したところ、条件1では1.
2゜、条件2及では1.0゜、条件3では1.1゜であ
り、低い傾斜配向角が安定に得られていることが確認さ
れた。
【0073】さらに、熱処理に対する傾斜配向角と配向
状態の変化を評価するため、各液晶セルを95℃で10
分間、120℃で1時間、120℃で6時間、順次加熱
処理を行ったが、熱処理による配向の乱れや配向欠陥の
発生は一切見られず、均一な配向を保持しており、傾斜
配向角の変化も全くないことが確認された。
【0074】実施例5 実施例4に記載したポリイミド膜のラビング処理による
分子鎖の配向性を評価するため、ポリイミド膜をレーヨ
ン布を用い表1に記載の条件1および条件2でラビング
処理し、実施例2と同様にΔnd、および遅相軸とラビ
ング方向とのズレ角を測定した。表3に各条件に於ける
Δndと遅相軸のズレ角の測定結果を示す。いずれのラ
ビング条件であってもΔnd値は十分に大きく、特に遅
相軸のズレ角は極めて小さいことから、ポリイミド分子
鎖のラビング処理に対する、均一配向性が非常に高いこ
とが確認された。
【0075】
【表3】 表3.Δndと遅相軸のズレ角 ────────────────────────── ラビング条件 ラビング度 Δnd 遅相軸のズレ角 (mm) (nm) (゜) ────────────────────────── 条件1 46.6 0.57 0.2 条件2 114.6 0.83 0.2 ──────────────────────────
【0076】実施例6 実施例4に記載したポリイミド膜をナイロン布を用い、
表1に記載の条件1でラビング処理を施した。このよう
にラビング処理された各々の基板を1.5μmのスペー
サーを挟んで、各基板のラビング方向が平行になるよう
に組み立て、ついで強誘電性液晶(メルク社製ZLI−
3489)を注入して、表面安定化液晶セルを作製し
た。このセルの配向状態を偏光顕微鏡により観察したと
ころ、液晶セルの全領域にわたり欠陥は観測されず、強
誘電性液晶が均一に配向していることが確認された。
【0077】比較例1 ジアミノジフェニルエーテル20.0g(0.1モル)
と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無
水物19.2g(0.098モル)をNMP343.5
g中、室温で10時間反応させポリイミド前駆体(ポリ
アミック酸)溶液を調製した。重合反応は容易かつ均一
に進行し、還元粘度0.98dl/g(濃度0.5g/
dl、NMP中30℃)のポリイミド前駆体を再現性良
く得ることができた。
【0078】この溶液をNMPおよびBSの混合溶媒
(重量比80:20)により総固形分3重量%に希釈
後、ガラス基板に3000rpmでスピンコートし、つ
いで80℃で5分、250℃で1時間加熱処理すること
により厚さ1000Åのポリイミド膜を形成した。この
樹脂膜をレーヨン布を用い、表1に記載した条件1でラ
ビング処理したのち、各々の基板を50μmのスペーサ
ーを挟んでラビング方向を反平行にして組み立て、つい
で液晶(メルク社製ZLI−2293)を注入し液晶セ
ルを作成した。この液晶セルの配向状態を偏光顕微鏡で
観察したところ欠陥のない均一な配向をしていることが
確認された。更にこのセルについて、結晶回転法により
液晶の傾斜配向角を測定したところ、3.6゜であっ
た。更にこの液晶セルを120℃、1時間オーブン中で
加熱処理したのち、配向状態を偏光顕微鏡で観察したと
ころ、欠陥のない均一な配向をしていたが、このセルに
ついて、結晶回転法により液晶の傾斜配向角を測定した
ところ、4.1゜であり、熱処理によって傾斜配向角は
高くなり、熱処理後、低い傾斜配向角は得られなかっ
た。
【0079】比較例2 比較例1に記載したポリイミド膜のラビング処理による
分子鎖の配向性を評価するため、ポリイミド膜をレーヨ
ン布を用い表1に記載の条件1および条件3でラビング
処理し、実施例2と同様にΔnd、および遅相軸とラビ
ング方向とのズレ角を測定した。表4に各条件に於ける
Δndと遅相軸のズレ角の測定結果を示す。いずれのラ
ビング条件であってもΔnd値が小さく、また遅相軸の
ズレ角が大きいことから、ポリイミド分子鎖のラビング
処理に対する、均一配向性が低いことが確認された。
【0080】
【表4】 表4.Δndと遅相軸のズレ角 ────────────────────────── ラビング条件 ラビング度 Δnd 遅相軸のズレ角 (mm) (nm) (゜) ────────────────────────── 条件1 46.6 0.13 10.6 条件3 263.2 0.20 5.4 ──────────────────────────
【0081】比較例3 比較例1に記載したポリイミド膜をナイロン布を用い、
表1に記載の条件1でラビング処理を施した。このよう
にラビング処理された各々の基板を1.5μmのスペー
サーを挟んで、各基板のラビング方向が平行になるよう
に組み立て、ついで強誘電性液晶(チッソ社製CS−1
014)を注入して、表面安定化液晶セルを作製した。
このセルの配向状態を偏光顕微鏡により観察したとこ
ろ、多数のジグザグ欠陥、線状欠陥が観測され、強誘電
性液晶の配向が不均一であることが確認された。
【0082】比較例4 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン41.0g(0.1モル)と1,2,3,
4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物19.2g
(0.098モル)をNMP341.2g中、室温で2
時間反応させポリイミド前駆体(ポリアミック酸)溶液
を調製した。重合反応は容易かつ均一に進行し、還元粘
度1.0dl/g(濃度0.5g/dl、NMP中30
℃)のポリイミド前駆体を再現性良く得ることができ
た。
【0083】この溶液をNMPおよびBSの混合溶媒
(重量比80:20)により総固形分3重量%に希釈
後、ガラス基板に2800rpmでスピンコートし、つ
いで80℃で5分、250℃で1時間加熱処理すること
により厚さ1000Åのポリイミド膜を形成した。この
樹脂膜をレーヨン布を用い、表1に記載した条件1及び
条件3でラビング処理したのち、各々の基板を50μm
のスペーサーを挟んでラビング方向を反平行にして組み
立て、ついで液晶(メルク社製ZLI−2293)を注
入し液晶セルを作成した。この液晶セルの配向状態を偏
光顕微鏡で観察したところ欠陥のない均一な配向をして
いることが確認された。更にこのセルについて、結晶回
転法により液晶の傾斜配向角を測定したところ、条件1
では4.2゜、条件3では3.1であった。更にこの液
晶セルを120℃、1時間オーブン中で加熱処理したの
ち、配向状態を偏光顕微鏡で観察したところ、欠陥のな
い均一な配向をしていたが、このセルについて、結晶回
転法により液晶の傾斜配向角を測定したところ、条件1
では6.2゜、条件3では5.4゜となり、熱処理によ
って傾斜配向角は高くなり、熱処理後、低い傾斜配向角
は得られなかった。
【0084】比較例5 比較例4に記載したポリイミド膜のラビング処理による
分子鎖の配向性を評価するため、ポリイミド膜をレーヨ
ン布を用い表1に記載の条件1、条件2および条件3で
ラビング処理し、実施例2と同様にΔnd、および遅相
軸とラビング方向とのズレ角を測定した。表5に各条件
に於けるΔndと遅相軸のズレ角の測定結果を示す。い
ずれのラビング条件であってもΔnd値は比較的小さ
く、また遅相軸のズレ角が大きいことから、ポリイミド
分子鎖のラビング処理に対する、均一配向性が低いこと
が確認された。
【0085】
【表5】 表5.Δndと遅相軸のズレ角 ────────────────────────── ラビング条件 ラビング度 Δnd 遅相軸のズレ角 (mm) (nm) (゜) ────────────────────────── 条件1 46.6 0.46 0.7 条件2 114.6 0.47 0.8 条件3 263.2 0.40 0.8 ──────────────────────────
【0086】比較例6 比較例4に記載したポリイミド膜をナイロン布を用い、
表1に記載の条件1でラビング処理を施した。このよう
にラビング処理された各々の基板を1.5μmのスペー
サーを挟んで、各基板のラビング方向が平行になるよう
に組み立て、ついで強誘電性液晶(メルク社製ZLI−
3489)を注入して、表面安定化液晶セルを作製し
た。このセルの配向状態を偏光顕微鏡により観察したと
ころ、多数のジグザグ欠陥、線状欠陥が観測され、強誘
電性液晶の配向が不均一であることが確認された。
【0087】比較例7 1,6−ジアミノヘキサン11.6g(0.1モル)と
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物19.2g(0.098モル)をNMP174.5g
中、室温で10時間反応させポリイミド前駆体(ポリア
ミック酸)溶液の調整を試みた。しかしながら重合反応
は、1,6−ジアミノヘキサンの塩基性が高いために塩
を形成し、均一には進行しなかった。さらに、酸無水物
の仕込み量を同量にしても1,6−ジアミノヘキサンの
塩基性が高いために塩を形成し、またその塩の形成が定
量的でないため、重合の度に異なった粘度のポリイミド
前駆体が得られ、再現良く調製することが困難であっ
た。異なった粘度のポリイミド前駆体の一例として、還
元粘度0.5dl/g(濃度0.5g/dl、NMP中
30℃)のポリイミド前駆体を得た。
【0088】この溶液をNMPおよびBSの混合溶媒
(重量比80:20)により総固形分6重量%に希釈
後、ガラス基板に3000rpmでスピンコートし、つ
いで80℃で5分、250℃で1時間加熱処理すること
により厚さ1000Åのポリイミド膜を形成した。この
樹脂膜をレーヨン布を用い、表1に記載した条件1でラ
ビング処理したのち、各々の基板を50μmのスペーサ
ーを挟んでラビング方向を反平行にして組み立て、つい
で液晶(メルク社製ZLI−2293)を注入し液晶セ
ルを作成した。この液晶セルの配向状態を偏光顕微鏡で
観察したところ欠陥のない均一な配向をしていることが
確認された。更にこのセルについて、結晶回転法により
液晶の傾斜配向角を測定したところ、1.9゜であっ
た。
【0089】更にこの液晶セルを120℃、1時間オー
ブン中で加熱処理したのち、配向状態を偏光顕微鏡で観
察したところ、欠陥のない均一な配向をしていたが、こ
のセルについて、結晶回転法により液晶の傾斜配向角を
測定したところ、2.5゜であり、熱処理によって傾斜
配向角は高くなり、熱処理後、低い傾斜配向角は得られ
なかった。
【0090】比較例8 1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン24.
2g(0.1モル)とピロメリット酸二無水物21.8
g(0.096モル)をNMP260.6g中、室温で
10時間反応させポリイミド前駆体(ポリアミック酸)
溶液を調製した。重合反応は容易かつ均一に進行し、還
元粘度0.94dl/g(濃度0.5g/dl、NMP
中30℃)のポリイミド前駆体を再現性良く得ることが
できた。
【0091】この溶液をNMPおよびBSの混合溶媒
(重量比80:20)により総固形分4重量%に希釈
後、ガラス基板に4500rpmでスピンコートし、つ
いで80℃で5分、250℃で1時間加熱処理すること
により厚さ1000Åのポリイミド膜を形成した。この
ポリイミド膜のラビング処理による分子鎖の配向性を評
価するため、ポリイミド膜をレーヨン布を用い表1に記
載の条件1、条件2および条件3でラビング処理し、実
施例2と同様にΔnd、および遅相軸とラビング方向と
のズレ角を測定した。表6に各条件に於けるΔndと遅
相軸のズレ角の測定結果を示す。最もラビング強度が強
い条件3においては十分に大きいΔnd値が得られ、ま
た遅相軸のズレ角の小さく高い配向性が示唆されるが、
比較的弱いラビングである条件1および条件2ではΔn
d値は比較的小さく、また遅相軸のズレ角も大きいこと
から、弱ラビングではポリイミド分子鎖の均一配向性が
不十分であることが確認された。
【0092】
【表6】 表6.Δndと遅相軸のズレ角 ────────────────────────── ラビング条件 ラビング度 Δnd 遅相軸のズレ角 (mm) (nm) (゜) ────────────────────────── 条件1 46.6 0.39 0.8 条件2 114.6 0.60 0.7 条件3 263.2 1.21 0.3 ──────────────────────────
【0093】
【発明の効果】本発明による液晶配向処理剤により、熱
的に安定した低い傾斜配向角をもち、且つラビング処理
に対して液晶の均一な配向与える優れた液晶配向膜を得
ることが可能となり、従来以上にコントラストの高い液
晶素子を得ることができる。また本発明による液晶配向
処理剤を使用することにより、強誘電性液晶表示素子や
反強誘電性液晶表示素子において均一は配向が得られ、
優れた表示特性を与えると共に該液晶配向剤を再現性良
く製造することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仁平 貴康 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 遠藤 秀幸 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 袋 裕善 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 長瀬 裕 神奈川県相模原市南台1−9−2 (72)発明者 秋山 映一 神奈川県大和市鶴間2786−4−211 Fターム(参考) 2H090 HB08Y HB09Y HB10Y HC05 HC06 HD15 KA13 MA11 MB01 4J043 PA02 QB15 QB26 QB31 RA34 SA06 SB01 TA14 TA22 TB01 UA022 UA122 UA131 UB011 UB171 ZA41 ZA42 ZA55 ZB23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラカルボン酸誘導体と、ジアミンを
    重合反応させることにより得られる下記一般式(1) 【化1】 (R1はテトラカルボン酸残基で、R2はジアミン残基を
    表す。)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前
    駆体において、R2が下記一般式(2) 【化2】 (式中、R3、R4はそれぞれ独立にハロゲン原子または
    炭素数1〜6の直鎖状あるいは分岐状の低級アルキル基
    もしくはアルコキシ基、X1、X2はそれぞれ独立に酸素
    原子または硫黄原子であり、n1は1〜18の整数であ
    り、n2、n3はそれぞれ独立に0〜2の整数である。)
    で表されるジアミン残基を含有し、かつ還元粘度が0.
    05〜3.0dl/g(温度30℃のN−メチルピロリ
    ドン中、濃度0.5g/dl)であることを特徴とする
    ポリイミド前駆体。
  2. 【請求項2】 一般式(2)のジアミン残基が下記一般
    式(3) 【化3】 (n1は1〜18の整数である。)で表されるジアミン
    残基である請求項1記載のポリイミド前駆体。
  3. 【請求項3】 4価のテトラカルボン酸残基が下記式
    (4)又は(5) 【化4】 (R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素、炭素
    数1〜4のアルキル基を表す。)で表される4価のテト
    ラカルボン酸残基である請求項1または請求項2記載の
    ポリイミド前駆体。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のポリ
    イミド前駆体をイミド化することにより得られるポリイ
    ミド。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のポリイミド及び/また
    は請求項1乃至3のいずれかに記載のポリイミド前駆体
    を含有することを特徴とする液晶セル用配向処理剤。
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