JP3635569B2 - 内燃機関のカバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チェーンやベルト等を使用した駆動力伝達機構を覆う内燃機関のカバーに関し、さらに詳細には、内燃機関を例えば車体に支持するためのマウントブラケットが取り付けられる取付座がその外面に形成されたカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関を支持するためのマウントブラケットが取り付けられる取付座が形成されたカバーとして、特開平7−259578号公報に開示されたエンジン用エンドカバー装置が知られている。カム軸駆動機構を覆うこのエンドカバー装置のミドルカバーには、その中央部にエンジンのマウントブラケットの取付座が形成され、取付座にはマウントブラケットを締結するためのねじ孔が開口する1対の座面が形成される。そして、ミドルカバーの内面には、ミドルカバーのエンジン本体への取付ボス部と取付座との間に延びるリブが形成され、該リブによりマウントブラケットを支持するための取付座の剛性が確保されるので、取付座をシリンダブロックに締結して該剛性を確保する必要がないことから、該ボルトがカム軸駆動機構の配置を制約することがなく、カム軸駆動機構の配置の自由度が増すものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来技術では、1対のねじ孔(取付座におけるマウントブラケットの結合部に相当)は、水平方向に離隔した1対の座面(取付座におけるマウントブラケットの結合面に相当)にそれぞれ開口して取付座に形成されているので、取付座自体の剛性については、水平方向での剛性が鉛直方向での剛性よりも高いものとなっている。そこで、内燃機関の振動による荷重のほかに、内燃機関の重量が加わる鉛直方向の荷重に対する取付座の剛性を高めるために、取付ボス部と取付座の各ねじ孔形成部分との間を上下方向に延びるリブが形成されているが、高剛性化のための補助的な手段であるリブのみでは、その効果にも限界があり、内燃機関の振動や騒音の発生抑制の観点から、さらに高い剛性が必要とされるときの対処が困難である。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1ないし請求項3記載の発明は、駆動力伝達機構を覆うと共にマウントブラケットの取付座が形成された内燃機関のカバーにおいて、リブのみに依らず取付座の鉛直方向での更なる高剛性化が可能な内燃機関のカバーを提供することを共通の目的とする。そして、請求項2および請求項3記載の発明は、さらに、取付座をコンパクト化することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、内燃機関の機関本体の一側面に取り付けられて該機関本体に設けられた駆動力伝達機構を覆うカバーであって、前記内燃機関を該カバーを介して支持するマウントブラケットが取り付けられる取付座が外面に形成された内燃機関のカバーにおいて、前記取付座は、前記マウントブラケットを取り付けるための水平方向に離隔した複数の第1結合部を有する第1取付座と、前記マウントブラケットを取り付けるための第2結合部を有する第2取付座とを有し、該第2取付座での前記マウントブラケットとの結合面は、前記第1取付座での前記マウントブラケットとの結合面に対して異なる平面上にあると共に鉛直方向で離隔している内燃機関のカバーである。
【0006】
この請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、マウントブラケットが取り付けられる取付座は、第1および第2取付座を備え、第1取付座は水平方向に離隔した複数の第1結合部を有することから水平方向での剛性が高くされるうえ、第1取付座の結合面と第2取付座の結合面とは鉛直方向に離隔しているので、内燃機関の振動や内燃機関の重量による鉛直方向での荷重に対する取付座の剛性が高くなる。その結果、取付座の鉛直方向での剛性を、リブのみで得られる剛性よりもさらに高くすることができるので、内燃機関の振動や騒音の発生を一層抑制することができる。
【0007】
さらに、取付座は、複数の第1結合部と第2結合部とから構成される3以上の結合部を有することになり、前記従来技術に比べて、取付座における各結合部での荷重の分担量が減少するうえ、取付座の結合面が、第1取付座の結合面および第2取付座の結合面に分かれるので、取付座での結合部が多くなる場合にも、該結合部を各結合面に分散して形成することができることで、同一平面上にある単一の結合面からなる取付座に結合部を形成する場合に比べて、各結合面が大きくなることが抑制されて、第1取付座および第2取付座での剛性の確保が容易となる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関のカバーにおいて、前記第2結合部は、鉛直方向で見たとき、前記外面に沿う方向で隣接する2つの前記第1結合部の間に位置するものである。
【0009】
この請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、鉛直方向に離隔する第2取付座の第2結合部が、隣接する2つの第1結合部の間に位置するので、カバーの外面に沿う方向での取付座の幅が小さくなって取付座がコンパクトになり、さらに取付座の剛性も高くなる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の内燃機関のカバーにおいて、前記第2取付座の、前記外面での突出量は、前記第1取付座のそれよりも小さいものである。
【0011】
この請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、第2取付座の突出量は第1取付座のそれよりも小さく設定されるので、第1取付座に対して、第2取付座が設けられることによる取付座の大型化が極力抑制される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1〜図7を参照して説明する。
図1において、本発明に係るカバーが適用される内燃機関Eは、車両に搭載される頭上カム軸型の直列4気筒4サイクル内燃機関であり、図示されないシリンダブロックの上端にシリンダヘッド(図示されず)、さらに該シリンダヘッドの上端にヘッドカバー1が順次重ねられて一体に結合される一方、前記シリンダブロックの下端にはオイルパン2が結合される。そして、前記シリンダブロックとオイルパン2との結合面上に回転軸線を有するクランク軸3が前記シリンダブロックに回転自在に支持される。ここで、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとヘッドカバー1とオイルパン2とにより内燃機関Eの機関本体が形成される。
【0013】
また、前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドの、前記回転軸線の方向(以下、単に「回転軸線方向」という。)での側端部には、駆動力伝達機構(図示されず)が配置される。この駆動力伝達機構は、前記シリンダヘッドに設けられる吸気弁および排気弁をクランク軸3の回転に同期して開閉作動させる1本のカム軸(図示されず)を回転駆動するために、クランク軸3に結合された駆動スプロケットと前記カム軸に結合されたカムスプロケットと該両スプロケットの間に掛け渡されたタイミングチェーン(いずれも図示されず)とを備える。そして、前記側端部との間で前記駆動力伝達機構を覆うカバー4が、その合わせ面11(図3,図6参照)にて前記側端部の側面に多数のボルトB1により締結される。
【0014】
一方、前記シリンダブロックの前面(図1において右側の面)には吸気装置(図示されず)が設けられ、該シリンダブロックの後面(図1において左側の面)には排気装置(図示されず)が設けられる。なお、この明細書において、「前後左右」は、内燃機関Eが車体に搭載された状態で車両を基準としたときの「前後左右」を意味する。
【0015】
また、前記前面の右部には、交流発電機5および冷却水ポンプ6が、またオイルパン2の前面の右部には空調用のコンプレッサ7が、それぞれブラケットを介して取り付けられる。そして、カバー4を貫通して右方に延びるクランク軸3の右軸端部には駆動プーリ8が結合され、該駆動プーリ8、交流発電機5、冷却水ポンプ6およびコンプレッサ7の各プーリ5a,6a,7aには、テンショナプーリ9により張力調整される無端ベルト10が巻き掛けられて、これら補機が、駆動プーリ8から無端ベルト10を介して伝達されるクランク軸3の駆動力により回転駆動される。
【0016】
内燃機関Eおよびトランスアクスル(図示されず)には、一体に結合された両者を車体フレームに支持するための後述するマウントブラケット40が取り付けられる3以上の取付座が設けられ、そのうちの1つが内燃機関Eのカバー4に設けられる。図2を併せて参照すると、カバー4の上部において、カバー4の外面には、マウントブラケット40が取り付けられる取付座20が、金属、例えばアルミニウム合金からなるカバー4との一体成形により形成される。
【0017】
取付座20は、水平方向に延びる棚状の第1取付座21と鉛直方向に延びる柱状の第2取付座22とからなる。第1,第2取付座21,22は、カバー4の外面において外方に突出、この実施例では前記回転軸線方向またはカバー4の合わせ面11と直交する直交方向(以下、単に「直交方向」という。)で外方に突出する。第2取付座22は、第1取付座21から鉛直上方に離隔して、第1取付座21の突出量よりも小さい突出量で突出すると共に、鉛直方向でカバー4の、ヘッドカバー1と結合されるフランジ部4aに近接し、かつ水平方向でカバー4を前記シリンダヘッドに締結するボルトB1が挿通されるボス部4bに近接した位置に設けられる。
【0018】
図2〜図4を参照すると、第1取付座21には、取付座20にマウントブラケット40が取り付けられたときマウントブラケット40の第1ブラケット41と面接触する部分を有する水平面からなる結合面23と、第1ブラケット41を取り付けるための水平方向に離隔した2つの結合部とが設けられる。図5,図6を併せて参照すると、これら結合部のうちの一方は、結合面23に開口して第1取付座21に鉛直方向に形成されて、結合面23から鉛直上方に向かって突出する結合部材としてのスタッドボルト28(図2参照)が螺合するねじ孔25から構成され、他方は、第1取付座21を鉛直方向に貫通して形成されて、第1ブラケット41に形成されたねじ孔に螺合する結合部材としてのスタッドボルト43(図2参照)が挿通される挿通孔26から構成される。ここで、ねじ孔25および挿通孔26の中心軸線は、前記直交方向で合わせ面11から等距離にある。
【0019】
また、第2取付座22には、取付座20にマウントブラケット40が取り付けられたとき第2ブラケット42と面接触する部分を有する水平面からなる結合面24と、第2ブラケット42を取り付けるための結合部とが設けられる。図7を併せて参照すると、この結合部は、鉛直方向に貫通して形成されて結合面24に開口するねじ孔27から構成される。図4に示されるように、ねじ孔27は、鉛直方向で見たとき、カバー4の外面に沿う方向(または、合わせ面11と平行な方向)において隣接することになるねじ孔25と挿通孔26との間で、さらに詳細にはねじ孔25および挿通孔26の中心の間の中央で、かつねじ孔25および挿通孔26よりも前記側端部寄り、すなわち前記機関本体寄りに位置する。
【0020】
一方、マウントブラケット40は、図2に示されるように、上方から挿通孔26に挿通されるスタッドボルト43およびスタッドボルト28が下方から挿通される挿通孔44が設けられて第1取付座21に結合される第1ブラケット41と、一端部が第2取付座22のねじ孔27に螺合するボルトB2により締結され、他端部が第1ブラケット41のねじ孔45に螺合するボルトB2により締結される第2ブラケット42とからなる。そして、第1取付座21は、スタッドボルト43に第1取付座21の下方から螺合されるナット46により締め付けられ、第1ブラケット41は、スタッドボルト28にマウントブラケット40の上方から螺合されるナット29により締め付けられる。なお、第2ブラケット42の長孔47には、前記車体フレームとマウントブラケット40との間に介在して設けられる防振装置をマウントブラケット40に固定するためのボルトが挿通される。このように、取付座20にマウントブラケット40が取り付けられた状態で、取付座20には、該取付座20を前記機関本体に固定するためのボルトが締結されることがない。
【0021】
さらに、図3,図7を参照すると、鉛直方向で離隔する第1取付座21と第2取付座22との鉛直方向での間には、マウントブラケット40が取り付けられた状態で、第1ブラケット41の鉛直方向での幅よりもやや大きい間隔が形成され、さらに第2取付座22の最下部から結合面に達する鉛直方向に延びる2条のリブR1,R2が、第2取付座22の合わせ面11に平行な方向での両端部に対応する位置に設けられる。そして、第2取付座22の、カバー4の外面での突出量は、第1取付座21のそれよりも小さく設定されて、マウントブラケット40の上方からの取付けが容易になるようにされ、しかも第1,第2取付座21,22の突出量が極力小さくなるように設計されたこの実施例では、図4に示されるように、結合面23の合わせ面11寄りの位置が、結合面24の前記直交方向での先端位置よりも合わせ面11に近い位置を占めるように、ねじ孔25および挿通孔26とねじ孔27との前記直交方向での間隔が小さくされている。そして、スタッドボルト43が設けられた第1ブラケット41の、スタッドボルト28が設けられた第1取付座21への鉛直上方からの取付けを可能とするため、第2取付座22よりも鉛直下方に位置する第1取付座21に取り付けられる第1ブラケット41には、第1ブラケット41の取付け時に第2取付座22との干渉を回避すべく、各スタッドボルト28,43が対応する挿通孔44,26にそれぞれ整合した位置において、鉛直方向で見たとき、第2取付座22の輪郭に沿う内面形状を有すると共に、第2取付座22との間にねじ孔27の中心に対する径方向での間隙を形成する凹部48が形成される。
【0022】
さらに、図3を参照すると、カバー4の内面において、取付座20の形成位置に対応する部分には、複数のリブが形成されて、取付座20の剛性が高められる。すなわち、第1取付座21に対応して、第1取付座21の鉛直方向での両端部に対応する位置で、結合面と平行に延びる2本のリブR3,R4が、カバー4の合わせ面11を有する周縁壁12(図6も参照)とカバー4の前後方向での中央部を鉛直方向に延びるリブR5とを連結して形成され(図5〜図7も参照)、また第1取付座21および第2取付座22の鉛直方向での間には、2条のリブR1,R2の、カバー4の外面に沿う方向での中央位置に対応して、2条の水平なリブR3,R4のうちの上方のリブR4と、ボス部4bおよびリブR5の間で延びるリブR7とを連結するように、鉛直方向に延びるリブR8が形成される(図7も参照)。
【0023】
さらに、第1取付座21において、挿通孔26が形成される部分の背後には周縁壁12が位置し(図6も参照)、カバー4の、ねじ孔25が形成される部分の背後の内面には、リブR3,R4,R7と交差すると共に、ねじ孔25の深さよりも長く延びる鉛直方向のリブR9が形成される(図5も参照)。また、第2取付座22の背後の内面にはリブR7が形成されている。
【0024】
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
カバー4の外面に設けられる取付座20は、第1ブラケット41を結合するためのねじ孔25および挿通孔26を有する第1取付座21と、第2ブラケット42を結合するためのねじ孔27を有する第2取付座22からなり、第1取付座21は水平方向に離隔した2つの結合部を構成するねじ孔25および挿通孔26を有することから水平方向での剛性が高くされるうえ、第1取付座21の結合面23と第2取付座22の結合面24とは、異なる平面上にあると共に鉛直方向で離隔しているので、内燃機関Eの振動や内燃機関Eの重量による鉛直方向での荷重に対する取付座20の剛性が高くなる。その結果、取付座20の鉛直方向での剛性を、カバー4の取付座20付近に形成されるリブのみで得られる剛性よりもさらに高くすることができるので、内燃機関Eの振動や騒音の発生を一層抑制することができる。
【0025】
さらに、マウントブラケット40を取付座20に取り付けるための2つのねじ孔25,27および挿通孔26が、合計3つ設けられるため、前記従来技術に比べて、取付座20における各ねじ孔25,27および挿通孔26での荷重の分担量が減少する。しかも、取付座20の結合面が、第1取付座21の結合面23および第2取付座22の結合面24に分かれるので、取付座20でのねじ孔25,27または挿通孔26からなる結合部は、それら結合部を各結合面23,24に分散して形成することができることで、同一平面上にある単一の結合面からなる取付座に結合部を形成する場合に比べて、各結合面23,24が大きくなることが抑制されて、第1取付座21および第2取付座22での剛性の確保が容易となる。
【0026】
取付座20を鉛直方向から見たとき、鉛直方向に離隔する第2取付座22のねじ孔27が、第1取付座21の隣接する2つの結合部であるねじ孔25および挿通孔26の間に位置するので、カバー4の外面に沿う方向での取付座20の幅が小さくなって、取付座20がコンパクトになり、さらに取付座20の剛性も高くなる。
【0027】
第2取付座22の突出量は第1取付座21のそれよりも小さく設定されるので、2つの結合部であるねじ孔25および挿通孔26を有することから主たる取付座となる第1取付座21に対して、補助的な第2取付座22が設けられることによる取付座20の大型化を極力抑制することができる。また、突出量が小さい第2取付座22は、第1取付座21の鉛直上方に位置しているので、上方から取り付けられるマウントブラケット40の取付けが容易になる。しかも、マウントブラケット40の第1ブラケット41には、第1取付座21への取付け時に第2取付座22との干渉を回避するための凹部48が設けられるので、第1取付座21および第2取付座22が鉛直方向に離隔しているうえ、結合面23の合わせ面11寄りの位置が、結合面24の前記直交方向での先端位置よりも合わせ面11に近い位置を占めるように、ねじ孔25および挿通孔26とねじ孔27との前記直交方向での間隔が小さくされてコンパクト化された取付座20への第1ブラケット41の取付けが容易になる。
【0028】
鉛直方向に離隔して設けられる第1取付座21と第2取付座22の間には、鉛直方向に延びるリブR1,R2,R8がカバー4の外面および内面にそれぞれ設けられるので、これらリブR1,R2,R8により、第2取付座22、さらには取付座20の鉛直方向での剛性が高められる。さらに、第1取付座21については、結合面23と平行に延びる2本のリブR3,R4により水平方向での剛性が高められ、挿通孔26の背後の周縁壁12、そしてねじ孔25の背後のリブR9により、鉛直方向での剛性が高められる。一方、第2取付座22については、カバー4のフランジ部4aに近接した位置で、かつボス部4bに近接した位置に設けられるため、剛性が高められており、さらにリブR7により剛性が高められる。
【0029】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
マウントブラケット40は、前記実施例では、第1,第2ブラケット41,42の2つの部材から構成されたが、第1取付座21および第2取付座22に結合されるマウントブラケットを一体成形により形成することもできる。
【0030】
前記実施例では、両結合面23,24は鉛直方向と直交する水平面からなるものであったが、水平面に対して傾斜した平面から両結合面を構成することもでき、さらに両結合面23,24は互いに平行でなくてもよい。また、第1取付座21において、ねじ孔25と挿通孔26とは、同一平面上にある結合面23に形成されたが、ねじ孔25が形成される結合面と挿通孔26が形成される結合面とが水平方向または鉛直方向に離隔していてもよい。さらに、第2取付座22は、第1取付座21の鉛直下方に位置して設けられてもよく、さらにカバー4の外面での突出量が、第1取付座21のそれよりも大きく設定されてもよい。
【0031】
第2取付座22には、複数のねじ孔等の結合部を形成することもでき、第1取付座21に3以上のねじ孔等の結合部を形成することもできる。また、第1取付座21の両結合部はねじ孔25および挿通孔26から構成されたが、該両結合部がねじ孔から構成されてもよいし、もしくは該両結合部が挿通孔から構成されてもよい。同様に、第2取付座22の結合部は、挿通孔から構成されてもよい。
【0032】
前記駆動力伝達装置は、ベルトおよびプーリから構成されるものであってもよく、さらにカム軸以外の、内燃機関に取り付けられる部材または機器を駆動するための駆動力伝達装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるカバーを備えた内燃機関の右側面図である。
【図2】図1のカバーとマウントブラケットの分解斜視図である。
【図3】図1のカバーの要部正面図である。
【図4】図3のIV矢視図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】図3のVI−VI線断面図である。
【図7】図3のVII−VII線断面図である。
【符号の説明】
1…ヘッドカバー、2…オイルパン、3…クランク軸、4…カバー、5…交流発電機、6…冷却水ポンプ、7…コンプレッサ、8…駆動プーリ、9…テンショナプーリ、10…無端ベルト、11…合わせ面、12…周縁壁、
20…取付座、21…第1取付座、22…第2取付座、23,24…結合面、25…ねじ孔、26…挿通孔、27…ねじ孔、28…スタッドボルト、29…ナット、
40…マウントブラケット、41…第1ブラケット、42…、43…スタッドボルト、44…挿通孔、45…ねじ孔、46…ナット、47…長孔、48…凹部、
E…内燃機関、B1,B2…ボルト、R1〜R9…リブ。
Claims (3)
- 内燃機関の機関本体の一側面に取り付けられて該機関本体に設けられた駆動力伝達機構を覆うカバーであって、前記内燃機関を該カバーを介して支持するマウントブラケットが取り付けられる取付座が外面に形成された内燃機関のカバーにおいて、
前記取付座は、前記マウントブラケットを取り付けるための水平方向に離隔した複数の第1結合部を有する第1取付座と、前記マウントブラケットを取り付けるための第2結合部を有する第2取付座とを有し、該第2取付座での前記マウントブラケットとの結合面は、前記第1取付座での前記マウントブラケットとの結合面に対して異なる平面上にあると共に鉛直方向で離隔していることを特徴とする内燃機関のカバー。 - 前記第2結合部は、鉛直方向で見たとき、前記外面に沿う方向で隣接する2つの前記第1結合部の間に位置することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のカバー。
- 前記第2取付座の、前記外面での突出量は、前記第1取付座のそれよりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関のカバー。
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