JP3635444B2 - 液圧緩衝器のバウンドストッパ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液圧緩衝器の特にバウンドストッパの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用の液圧緩衝器の上部には、バウンド時にバンパラバーと接触するバウンドストッパが設けられている。このバウンドストッパは、図4の断面図に示すような構造が一般的であり(例えば、実開昭60−134939号公報参照)、すなわち、液圧緩衝器の外筒01にねじ込みあるいは圧入により固定された本体部02aと、この本体部02aの上面にプロジェクション溶接により固定された円板あるいは多角形状のシート部02bとからバウンドストッパ02が構成されている。そして、本体部02a、シート部02bには、それぞれピストンロッド03が挿通される挿通口02c,02dが形成されているが、シート部02bの挿通口02dは、拡大断面図である図5に示すように、ピストンロッド03との間に隙間02を形成する径に形成されており、そして、この隙間02eと、プロジェクション溶接用の溶接突起04によりシート部02bと本体部02aとの間に形成された隙間02fとにより、エア流出路05が形成されている。このエア流出路05は、車両のバウンドに伴って液圧緩衝器が圧行程を行って図4に示すバンパラバー06がバウンドストッパ02に衝突し、さらにバウンド方向に移動したときに、バンパラバー内部室07の圧力が上昇してオイルシールリップ08に悪影響を与えることのないように、バンパラバー内部室07の圧力を外部に逃がす作用を成すものである。
なお、前記プロダクション溶接は、図6のシート部の平面図に示すように、溶接突起04を、同一円周上に例えば4箇所程度の複数箇所形成して成され、前記隙間02fは、これら溶接突起04を除いた位置に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、バンパラバー06とバウンドストッパ02とが衝突した際のバウンドストッパ02への入力は、シート部02bに対して溶接突起04と溶接突起04との間の隙間02fを形成している一般部に集中して入力される。したがって、この一般部に変形が生じないようにするにはシート部02bの板厚0tを厚くする必要があり、この場合、材料が大きくなって、コストアップおよび重量増を招くという問題があった。
また、エア流出路05を形成するにあたり、シート部02bと本体部02aとの間の隙間02fの上下寸法0Lは、溶接突起04の高さにより決定される構造であるため、これら複数の溶接突起04の高さが一致していない場合には、シート部02bがピストンロッド03に対して直角にならず、このような場合、バウンド時にバンパラバー06が片当たりすることになり、バンパラバー06による充分な緩衝作用が得られなかったり、バンパラバー06の破損を招いたりするという問題があった。
【0004】
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、コストおよび重量の点で有利とするとともに、シート部を本体部に固着するプロジェクション溶接の溶接突起の高さを揃えて、ピストンロッドに対するシート部の直角度の精度を高くして、バンパラバーの片当たりを防止できるようにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために請求項1記載の発明は、液圧緩衝器の筒部の開口端部に装着されて中央部にはピストンロッドが挿通される挿通口が開口された本体部と、上面をバンパラバー受面とする板状に形成され、前記本体部の上面に円周方向に離間した3箇所以上の複数箇所をプロジェクション溶接して固着され、中央部にピストンロッドが挿通された挿通口が開口されたシート部とを備え、前記シート部のプロジェクション溶接部分には本体部側に突出した溶接突起が形成され、この溶接突起によりシート部と前記本体部との間に隙間が形成され、この隙間と前記シート部の挿通口の内周とピストンロッドとの間に設けられた隙間とにより、バンパラバーがバンパラバー受面に衝突した際にエアを逃がすエア流出路が形成されている液圧緩衝器のバウンドストッパ構造において、前記シート部の溶接突起どうしの間の位置に、シート部の下方に向かって突出した形状のリブが、シート部の中心から径方向に放射状に形成され、これらリブの高さ寸法が前記溶接突起の高さ寸法と等しく形成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の液圧緩衝器のバウンドストッパ構造において、前記溶接突起が、前記シート部の中心と結ぶ線が相互に90度を成すよう前記シート部の4箇所に設けられ、前記リブは、前記プロジェクション溶接部どうしの間の中央位置に配置されていることを特徴とする。
【0006】
【作用】
本発明では、まず、シート部に複数のリブおよび溶接突起を同じ高さで形成し、その後、このシート部のリブおよび溶接突起を本体部の上面に当接させ、この状態でシート部を本体部にプロジェクション溶接により固着する。この時、本体部に対するシート部の一般部の高さは、各リブおよび溶接突起の高さにより決定される。そして、各リブは、本体部上面に対して線接触するため、シートの一般部は本体部の上面と高い精度で平行に配置される。したがって、ピストンロッドに対して直角に配置させることができる。その後、この状態で、各溶接突起を本体部に対してプロジェクション溶接する。
また、プロジェクション溶接部分およびリブの当接部分を除くシート部の一般部と本体部との間に隙間が形成され、この隙間によりエア流出路が形成される。すなわち、このエア流出路は、バンパラバーがバンパストッパのシート部のバンパラバー受面に衝突した際に、バンパラバーとシート部とが密着することで両者間に形成された室内の空気を、外部に逃がすものである。
また、バンパラバーがシート部に衝突した際には、このシート部は、複数の放射状のリブならびにプロジェクション溶接部の溶接突起を介して本体部により支持されるもので、従来よりも本体部による接触面積が増加しているとともに、この接触が放射状であるから支持剛性が高くなるとともに、シート部自体の剛性もリブにより補強される。したがって、従来よりもシート部の板厚を薄くしても、従来よりも高い強度を得ることが可能である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態を示す断面図であって、図中1はバウンドストッパである。このバウンドストッパ1は、従来技術と同様に、液圧緩衝器の外筒2にねじ込みあるいは圧入されて固定された本体部1aと、この本体部1aの上面にプロジェクション溶接により固着されたシート部1bとを備えている。
【0008】
前記シート部1bは、図2の平面図に示すように、略八角形形状の金属板材を素材として形成され、中央には、ピストンロッド3を挿通する挿通口1cが、ピストンロッド3との間に隙間(図1参照)1dを形成する内径寸法で形成され、また、上面が図外のバンパラバー(図4の06参照)が衝突するバンパラバー受面1gとされている。
【0009】
また、図4〜6の従来技術と同様に、本実施の形態ではそれぞれ相対的に90度の角度を成して4箇所に溶接突起4が設けられている。そして、本実施の形態では、各溶接突起4どうしの中央位置に、それぞれ相対的に90度の角度を成して放射状にリブ5が形成されている。これらリブ5は、プレス成形により本体部1a側に凸形状に形成され、これらリブ5と各溶接突起4とは、同一高さ寸法に成形されている。また、図1に示すように、本体部1aの上面とシート部1bの下面との間には、上下寸法Lの隙間1eが形成され、この隙間1eならびに前記隙間1dによりエア流出路6が形成されている。
【0010】
本実施の形態では、プレス成形により放射状にリブ5が形成されたシート部1bを本体部1aにプロジェクション溶接により固着させるが、この溶接時には、リブ5が証となり、溶接箇所である溶接突起4の高さが一定となり、その結果、ピストンロッ3ドに対するシート部1bの直角度の精度が高くなる。
【0011】
この実施の形態の液圧緩衝器を車両に取り付けて、車両がバウンドした場合、図4の従来技術で示したバンパラバー06が、バウンドストッパ1のシート部1bの上面に衝突するが、この時、シート部1bは本体部1aに、各4箇所づつの溶接突起4ならびに放射状のリブ5により支持されるため、高い支持剛性が得られる。
【0012】
したがって、シート部1bは、従来技術よりも板厚tを薄くしても高い強度が得られるもので、よって、材料の小型化を図ってコストダウンおよび重量減を達成できる。
【0013】
以上、実施の形態について説明してきたが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、例えば、シート部は、実施の形態では八角形のものを示したが、他の多角形や円形など形状は限定されない。要は、バンパラバーと平面的に接触できる形状であればよい。また、リブは、実施の形態では4箇所に設けたが、この数も3箇所以上であれば何箇所に設けてもよい。
【0014】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明の液圧緩衝器のバウンドストッパ構造にあっては、シート部において溶接突起の間に本体部側に凸となったリブを溶接突起と同じ高さで放射状に形成した構造としたため、シート部を本体部にプロジェクション溶接により固着する際には、本体部に対するシート部の一般部の高さは、本体部に対して線接触する各リブの高さにより決定され、シートの一般部を本体部の上面と平行に形成することができ、したがって、ピストンロッドに対して直角に配置させることができる。よって、シート部をピストンロッドに対して正確に直角に配置させ、バンパラバーがシート部のバンパラバー受面に対して片当たりすることが無いようにでき、これにより、バンパラバーの破損を防止するとともに、バンパラバーによる緩衝性能を充分に得ることができるという効果が得られる。加えて、シート部にリブを設けたため、シート部の支持剛性が高くなるとともに、シート部自体の剛性もリブにより向上され、従来よりもシート部の板厚を薄くしても、従来よりも高い強度を得ることが可能であり、コストダウンならびに重量減を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態の液圧緩衝器のバウンドストッパ構造を示す断面図(図2のS1−S1断面図)である。
【図2】実施の形態の一部を断面とした平面図である。
【図3】実施の形態のバウンドストッパの斜視図である。
【図4】従来技術を示す断面図である。
【図5】従来技術の拡大図(図6のS5−S5断面図)である。
【図6】従来技術の一部を断面とした平面図である。
【符号の説明】
1 バウンドストッパ
1a 本体部
1b シート部
1c 挿通口
1d 隙間
1e 隙間
1g バンパラバー受面
2 外筒
3 ピストンロッド
4 溶接突起
5 リブ
6 エア流出路
Claims (2)
- 液圧緩衝器の筒部の開口端部に装着されて中央部にはピストンロッドが挿通される挿通口が開口された本体部と、上面をバンパラバー受面とする板状に形成され、前記本体部の上面に円周方向に離間した3箇所以上の複数箇所をプロジェクション溶接して固着され、中央部にピストンロッドが挿通された挿通口が開口されたシート部とを備え、
前記シート部のプロジェクション溶接部分には本体部側に突出した溶接突起が形成され、この溶接突起によりシート部と前記本体部との間に隙間が形成され、この隙間と前記シート部の挿通口の内周とピストンロッドとの間に設けられた隙間とにより、バンパラバーがバンパラバー受面に衝突した際にエアを逃がすエア流出路が形成されている液圧緩衝器のバウンドストッパ構造において、
前記シート部の溶接突起どうしの間の位置に、シート部の下方に向かって突出した形状のリブが、シート部の中心から径方向に放射状に形成され、
これらリブの高さ寸法が前記溶接突起の高さ寸法と等しく形成されていることを特徴とする液圧緩衝器のバウンドストッパ構造。 - 前記溶接突起が、前記シート部の中心と結ぶ線が相互に90度を成すよう前記シート部の4箇所に設けられ、
前記リブは、前記プロジェクション溶接部どうしの間の中央位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の液圧緩衝器のバウンドストッパ構造。
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1997
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