JP3634673B2 - ポリオレフィン系フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は均一拡張性と滑性とに優れたポリオレフィン系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
フィルムの縦方向、横方向、斜め方向等あらゆる面方向に対しての均一拡張性と、滑性とを要求される用途、例えば、ストレッチフィルム、湿布薬の基材、半導体ウエハのダイシング用テープの基材等には従来軟質塩ビフィルムが使われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、軟質塩ビフィルムに含まれる可塑剤や安定剤の安全性に対する疑念、これらのブリードアウトに起因する様々なトラブル、さらには焼却時の問題等から近年は非塩ビ化が検討され種々提案されてはいるが、未だ充分なものはない。
本発明は、均一拡張性と滑性とを同時に満足させるポリオレフィン系フィルムを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
課題を解決する手段として本発明は、結晶性ポリエチレンからなる層(A)とプロピレン成分及び/又はブテン−1成分を50重量%以上含有する非晶質ポリオレフィンを含む層(B)とが(A)/(B)/(A)の構成をとるフィルムであって、該フィルムの引き取りロール面側の表面粗度Raが、株式会社東京精密製表面粗さ形状測定機(サーフコム)を用いて測定したときに0.15以上であり、伸張前の面内位相差R0が300nm以下であり、卓上ニ軸延伸機を用いてフィルムを 60 ℃に加熱し、縦方向と横方向とに同時に各々25%伸張した後開放したフィルムを試料として測定した25%伸張後の面内位相差R25とR0との比R25/R0が1.50以下のポリオレフィン系フィルムであることを特徴とする。
【0006】
また、層(B)が前記非晶質ポリオレフィン20重量%以上と結晶性ポリプロピレン80重量%以下との組成物からなる層であることを特徴とし、層(A)が結晶性ポリエチレンであることを特徴とする。
【0007】
さらに、株式会社東京精密製表面粗さ形状測定機(サーフコム)を用いて測定したときの表面粗度 Ra が0.05であるステンレス板に対する前記片面の静摩擦係数μS及び動摩擦係数μDとが共に1.00以下であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明者らはフィルムの均一拡張性について鋭意検討した結果、均一拡張性は面内位相差と密接な関係があることを見出し本発明に至った。本発明で言う面内位相差とは、589nm波長の光の複屈折位相差のことであり、下記(数1)で示されるものである。
(数1) R=|Nx−Ny|×d
R:面内位相差(単位:nm)
Nx:x軸方向の屈折率(面内最大屈折率)
Ny:y軸方向の屈折率(x軸と直交する方向の屈折率)
d:フィルムの厚さ(単位:nm)
そして伸張前のフィルムの面内位相差をR0とし、フィルムを縦方向と横方向とに同時に各々25%伸張した後の面内位相差をR25としたときに、R0が300nm以下であって、且つ、R25とR0との比R25/R0が1.50以下のフィルムが均一拡張性に優れることを本発明者らは見出した。本発明のポリオレフィン系フィルムはR0とR25/R0とがこの範囲内にあるので、極めて均一拡張性に優れる。R0が300nmを超えるか、R25/R0が1.50を超えると、均一拡張性に欠け好ましくない。
なお、25%伸張後としたのは、均一拡張性が必要とされる用途では一般に最大拡張率が25%前後だからである。
【0009】
面内位相差R0及びR25/R0はフィルムの製造条件によって左右する。R0及びR25/R0を前記した範囲にするための製造条件を定性的に述べると、押出し温度を高めにし、できるだけドローをかけずに引き取り、急冷固化させるのがよい。Tダイ法による場合の急冷固化条件としては、フィルムが引き取りロールに密着するようにフィルム構成に応じて引き取りロール温度を適宜設定することが望ましく、あまり低温すぎても高温過ぎても好ましくない。冷却速度を上げるため冷却部にエアーナイフやニップロールを設けるのも好ましい形態である。丸ダイ法による場合には、空冷式よりも水冷式の冷却方法が望ましい。具体的な製造条件は実施例で後記する。
【0010】
均一拡張性が必要とされる用途では、フィルムの少なくとも片面が滑性に優れていることが要求される場合が多い。例えば、ストレッチフィルムにおいてはトレーや被包装物品との滑性、湿布薬等の基材においては肌着や衣類との滑性、半導体ウエハのダイシング用テープの基材においてはステンレス製押し上げ具との滑性が要求される。フィルム表面の滑性向上は、通常、滑剤やアンチブロッキング剤の添加によってなされるが、本発明ではフィルム表面に凹凸をつけることによって達成する。これは、滑剤やアンチブロッキング剤のブリードによる弊害を避けるためである。
【0011】
フィルム表面の凹凸の程度を本発明では表面粗度Raで示す。本発明のフィルムの少なくとも片面は表面粗度Raが0.15以上、好ましくは0.17以上、さらに好ましくは0.20以上であるので、滑性に優れる。
【0012】
表面粗度Raを0.15以上にするための方法は特に限定するものではなく、公知の方法によればよい。例えば、フィルム製造中または別工程で、エンボス機を用いる方法が例示できる。Tダイ法による場合には、とりわけ、フィルム製造時の引き取りロールとして梨地ロールを用いて、溶融したフィルムを引き取ると共にフィルム表面に凹凸を付ける方法が生産性の点から好ましい。梨地の程度は表面仕上げ度が4s〜8s、好ましくは5s〜7sの中から、所望のRaを与えるものを適宜選定すればよい。ロールの梨地をフィルム表面にきれいに転写させるために、エアーナイフやニップロールを設けるのも好ましい形態である。
【0013】
本発明のポリオレフィンとは、エチレン、プロピレン、ブテン−1等のオレフィンの単独重合体、相互共重合体、オレフィンと共重合可能な他の単量体、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等を30モル%以下含む共重合体や、これらを酸や金属イオンで変性した変性体をいう。
ポリオレフィン系フィルムとは少なくとも1種の前記ポリオレフィンを含む1層以上からなるフィルムをいう。フィルムの厚さは、通常、10〜500μmの中から用途に応じて適宜選定すればよい。
【0014】
ポリオレフィン系フィルムとしては、結晶性ポリエチレンからなる層(A)とプロピレン成分及び/又はブテン−1成分を50重量%以上含有する非晶質ポリオレフィンを含む層(B)との積層フィルムが好ましい。とりわけ、(A)/(B)/(A)の構成をとる積層フィルムが好ましい。さらに好ましくは、層(B)を前記非晶質ポリオレフィン20重量%以上と結晶性ポリプロピレン80重量%以下の組成物、最も好ましくは非晶質ポリオレフィン40〜70重量%と結晶性ポリプロピレン60〜30重量%の組成物からなる層とするのが望ましい。
前記非晶質ポリオレフィンを用いると、他のポリオレフィンに比べて、押出し温度をやや低めに、引き取りドロー比をやや高めに、引き取りロール温度をやや高めに設定しても、面内位相差R0とR25/R0とを前記した範囲にすることができるので、製造条件幅が広くなり容易に本発明のフィルムが製造できる。結晶性ポリエチレンからなる層(A)を積層するのは、非晶質ポリオレフィンは粘着性があるので、その弊害をなくすためである。
【0015】
非晶質ポリオレフィンとは、プロピレン成分及び/又はブテン−1成分を50重量%以上含有する、好ましくは沸騰n−へプタン抽出分が30重量%以上、より好ましくは40重量%以上の、非晶性のものである。例えば、非晶性のポリプロピレンやポリブテン−1、あるいはプロピレン及び/又はブテン−1と他のオレフィンとの共重合体が例示できる。
非晶質ポリオレフィンと組成物を形成する結晶性ポリプロピレンとは、プロピレンを主成分とし、示差走査熱量計で結晶融解ピークを示す、好ましくは130〜168℃で結晶融解ピークを示すものである。例えば、ホモポリプロピレンやプロピレンとエチレン等他のオレフィンとの共重合体が例示できる。
【0017】
層(A)と層(B)の厚み構成は、層(B)の厚さが全体の厚さの50〜98%の範囲にあるのが望ましい。50%未満の場合には、面内位相差R0とR25/R0とを前記の範囲にするために、フィルム製造時の押し出し温度、引き取りドロー比、冷却速度に注意を要す。98%を超える場合には、非晶質ポリオレフィンの粘着性により、滑性が損なわれる恐れがある。
外層(A)と内層(A)とは厚さが異なっていてもよいが、カール等の点からは同じ厚さが好ましい。
【0018】
次に本発明フィルムの用途の1つである半導体ウエハのダイシング用テープ(ダイシング用テープは本発明のポリオレフィン系フィルムの非凹凸面側に粘着剤を塗布したものである)について説明する。回路パターンが形成された半導体ウエハをチップ状に分離する、いわゆるダイシング加工は以下のような工程からなる。
▲1▼ダイシング用テープの粘着面にリング状のフレームを張り付ける(図1参照)。
▲2▼次いで、ダイシング用テープを所定の大きさにカットする。
▲3▼次いで、フレーム中央の粘着面上にウエハを貼着する。
▲4▼次いで、ダイシング用テープに貼着したウエハをダイヤモンドブレード等で格子状に切り分け(この時、一般にはダイシング用テープのほぼ中央部までブレードの刃先が入る)、個々の半導体素子とする(図2参照)。
▲5▼次いで、ステンレス製押し上げ具によってフレーム内のダイシング用テープを拡張し、切り取った半導体素子同士の間隔を広げる(図3、図4参照)。
▲6▼次いで、ピックアップ装置によって、個々の半導体素子をピックアップする。
【0019】
前記の工程においてダイシング用テープに要求される品質は以下の通りである。即ち、▲4▼の工程では繊維状や粉状等の切り屑が発生しないこと(切り屑が発生すると、切り屑が半導体素子に付着する)。▲5▼の工程ではダイシング用テープが均一に拡張すること(均一に拡張しないと個々の半導体素子が所定の位置に来ないので、ピックアップミスが発生する)。
さらにはフィルムと粘着剤との層間接着力や粘着剤表面の粘着力が経時変化を起こさないこと(フィルムと粘着剤との層間接着力が経時で低下するとピックアップ時粘着剤が半導体素子に付着する。また、粘着剤表面の粘着力が経時で変化するとピックアップ工程でピックアップミスが発生する)。
【0020】
前記要求品質を満足させるため本発明では、層(A)を結晶性ポリエチレンからなる層とし、層(B)を非晶質ポリオレフィンを含む層、好ましくは非晶質ポリオレフィン20重量%以上と結晶性ポリプロピレン80重量%以下の組成物、より好ましくは非晶質ポリオレフィン40〜70重量%と結晶性ポリプロピレン60〜30重量%の組成物からなる層とし、層構成が(A)/(B)/(A)で、面内位相差R0とR25/R0が前記の範囲にあるフィルムとする。さらに、層(A)には滑剤やアンチブロッキング剤は添加しない。そして、層(A)の片面(粘着剤非塗布面)の表面粗度Raを0.15以上、好ましくは0.17以上、さらに好ましくは0.20以上にすることによって、ステンレス板に対する静摩擦係数μS及び動摩擦係数μDが1.00以下となるようにする。
【0021】
層(A)を結晶性ポリエチレンとしたので、▲4▼の工程で繊維状の切り屑が発生しない。また、層(A)にはアンチブロッキング剤を添加していないので、粉状の切り屑の発生もない。
また、層(B)を非晶質ポリオレフィンを含む層、好ましくは非晶質ポリオレフィン20重量%以上と結晶性ポリプロピレン80重量%以下の組成物、より好ましくは非晶質ポリオレフィン40〜70重量%と結晶性ポリプロピレン60〜30重量%の組成物からなる層とし、伸張前の面内位相差R0が300nm以下、25%伸張後の面内位相差R25とR0との比R25/R0が1.50以下のフィルムとしたので、均一拡張性が良好である。
また、ステンレス板に対する静摩擦係数μS及び動摩擦係数μDを1.00以下となるようにしたので、図4で示すXの部分でフィルムとステンレス製押し上げ具とがよく滑るので、フィルム構成と相まって均一拡張性に優れる。
更に、層(A)には滑剤を添加していないので、フィルムと粘着剤との層間接着力や粘着剤表面の粘着力が経時変化を起こさない。
【0022】
なお、層(A)を構成する結晶性ポリエチレンとは、エチレンを主成分とし、示差走査熱量計で結晶融解ピークを示す、好ましくは95〜130℃で結晶融解ピークを示すものである。例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが例示できる。とりわけ、低密度ポリエチレンはフィルム製造の条件幅が広くとれるので、好ましい。
【0023】
【実施例】
次に本発明の代表的な実施例を挙げて説明する。本発明において使用した物性値の測定方法及び評価方法は次の通りである。
【0024】
伸張前の面内位相差R0は、王子計測機器株式会社製自動複屈折計(KOBRA−21ADH)を用いて伸張前のフィルムの面内位相差をn=3で測定し、その平均値をR0とした。(測定波長589nm、測定光入射角度はフィルム面に対して垂直)
【0025】
25%伸張後の面内位相差R25は以下の方法によった。即ち、卓上延伸機を用いてフィルムを60℃に加熱し、縦方向と横方向とに同時に各々25%伸張した後解放したフィルムを試料として、前記R0と同様にして測定した面内位相差をR25とした。
【0026】
表面粗度Raは、株式会社東京精密製表面粗さ形状測定機(サーフコム)を用いて、フィルムの中心線平均粗さをn=3で測定し、その平均値をRaとした。
【0027】
ステンレス板に対する静摩擦係数μSと動摩擦係数μDは、新東科学株式会社製表面性測定機(HEIDON−14.DR)を用いてASTM D1894に準拠して、ステンレス板(Ra=0.05)との静摩擦係数と動摩擦係数をn=3で測定し、その平均値を静摩擦係数μS及び動摩擦係数μDとした。
【0028】
半導体素子の整列性評価は以下の方法によった。即ち、ステンレス製押し上げ具によってフレーム内のダイシング用テープを60℃で拡張し、切り取った半導体素子同士の間隔を広げた(図3、図4参照)ときの、半導体素子間の縦方向の隙間のバラツキが±10%以下であり、半導体素子間の横方向の隙間のバラツキが±10%以下であり、且つ、縦方向の隙間の平均値と横方向の隙間の平均値の差が20%以下であるものを○、少なくともいずれかがこの範囲を超えるものを×とした(×の場合は個々の半導体素子をピックアップするときにミスが生じる)
。
【0029】
(実施例1)
低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製 F522N)を内層(A)と外層(A)となるように2台の押出し機を用いて溶融し、さらにもう1台の押出し機を用いて、非晶質ポリオレフィンと結晶性ポリプロピレンとの組成物(宇部興産株式会社製 CAP355)を中間層(B)となるように溶融し、250℃の1つのTダイ内で(A)/(B)/(A)の順になるように融着積層してTダイから押出し、70℃の温湯を内部に通した、エアーナイフ付きの引き取りロール(ロール表面は6sの梨地状)を用いてドロー比2.5で引き取り、 内層(A)と外層(A)とが共に15μm、中間層(B)が120μm、合計150μmの、内層(A)の表面に凹凸を付けたフィルムを得た。このフィルムの物性値を表1に示す(但し、表面粗度Raとステンレス板に対する静摩擦係数及び動摩擦係数はいずれも内層(A)面を測定した)。
次いで、このフィルムの外層(A)面(非凹凸面)にアクリル系粘着剤を、乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布、乾燥して、半導体ウエハのダイシング用テープを得た。このテープによる半導体素子の整列性評価結果を表1に示す。
なお、ダイシング用テープに貼着したウエハをダイヤモンドブレードで格子状に切り分け(この時、ダイシング用テープのほぼ中央部までブレードの刃先が入る)、個々の半導体素子とする工程において、このテープは繊維状、粉状等の切り屑は一切発生しなかった。
【0030】
(参考例)
内層(A)と外層(A)の樹脂を結晶性ポリプロピレン(グランドポリマー株式会社製 F327)とした以外、実施例1と同様にしてフィルムを得た。このフィルムの物性値を表1に示す。また、実施例1と同様にして、このフィルムから作成したダイシング用テープによる半導体素子の整列性評価結果を表1に示す。表1から判るようにこのテープは整列性評価は良好であったが、ダイシング用テープに貼着したウエハをダイヤモンドブレードで格子状に切り分け、個々の半導体素子とする工程において、ポリプロピレンの繊維状切り屑が発生した。
【0031】
【0032】
(比較例1)
Tダイの温度を220℃とし、15℃の冷却水を内部に通した、エアーナイフを付けない引き取りロールを用いてドロー比15で引き取り、内層(A)と外層(A)とが共に25μm、中間層(B)が100μmとした以外、実施例1と同様にしてフィルムを得た。このフィルムの物性値及びこのフィルムから作成したテープによる半導体素子の整列性評価結果を表2に示す。
【0033】
(比較例2)中間層(B)として酢酸ビニル含量10モル%のエチレンー酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー株式会社製 DQDJ−1830)を用い、外層(A)と内層(A)とを共に15μm、中間層(B)を50μmとした以外、実施例1と同様にしてフィルム及びテープを得た。このフィルムの物性値及びこのフィルムから作成したテープによる半導体素子の整列評価を表2に示す。
【0034】
(比較例3)
引き取りロールとして表面が鏡面仕上げのロールを用いた以外、実施例1と同様にしてフィルム及びテープを得た。このフィルムの物性値及びこのフィルムから作成したテープによる半導体素子の整列性評価結果を表2に示す。
【0035】
【0036】
【発明の効果】
本発明は以上のような構成からなるので、以下に記載する効果を奏す。
【0037】
本発明のフィルムは均一拡張性に極めて優れ、且つ、滑性にも優れるので、例えば、ストレッチフィルムや湿布薬の基材等に好適なフィルムである。
【0038】
内層と外層とに結晶性ポリエチレンを用いると、ダイシング時に切り屑が発生しないので、半導体ウエハのダイシング用テープ基材として好適なフィルムとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイシング用テープの粘着面にリング状のフレームが張り付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】ダイシング用テープに貼着したウエハをブレードで格子状に切り分ける工程を示す側面図である。
【図3】ステンレス製押し上げ具が上昇する状態を示す側面図である。
【図4】ステンレス製押し上げ具によってフレーム内のダイシングテープを拡張し、切り取った半導体素子同士の間隔が広がった状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ポリオレフィン系フィルム
2 粘着剤
3 ダイシング用テープ
4 リング状のフレーム
5 ブレード
6 半導体素子
7 ステンレス製押し上げ具
Claims (4)
- 結晶性ポリエチレンからなる層(A)とプロピレン成分及び/又はブテン−1成分を50重量%以上含有する非晶質ポリオレフィンを含む層(B)とが(A)/(B)/(A)の構成をとるフィルムであって、該フィルムの引き取りロール面側の表面粗度Raが、株式会社東京精密製表面粗さ形状測定機(サーフコム)を用いて測定したときに0.15以上であり、伸張前の面内位相差R0が300nm以下であり、卓上ニ軸延伸機を用いてフィルムを 60 ℃に加熱し、縦方向と横方向とに同時に各々25%伸張した後開放したフィルムを試料として測定した面内位相差R25とR0との比R25/R0が1.50以下であることを特徴とするポリオレフィン系フィルム。
- 層(B)が前記非晶質ポリオレフィン20重量%以上と結晶性ポリプロピレン80重量%以下との組成物からなる層である請求項1記載のポリオレフィン系フィルム。
- 株式会社東京精密製表面粗さ形状測定機(サーフコム)を用いて測定したときの表面粗度 Ra が0.05であるステンレス板に対する前記片面の静摩擦係数μS及び動摩擦係数μDとが共に1.00以下である請求項2記載のポリオレフィン系フィルム。
- 請求項3記載のポリオレフィン系フィルムを基材とする半導体ウエハのダイシング用テープ。
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