JP3633273B2 - 住宅用免震地盤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は住宅用免震地盤に係り、特にベースの支承構造を改良した住宅用免震地盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板等の硬質板とゴムとを交互に積層してなる免震ゴムがビルの免震支承に普及しつつある。この免震ゴムを戸建て住宅とくに木造住宅に適用するために、第8図(なお、第8図は後述の参考例に係るものである。)に示すように、ベース1を免震ゴム2を介してグラウンド(例えばコンクリート製フーチング)に支承してなる住宅用免震地盤を利用することがある。
【0003】
ベース1は例えばH型鋼を堅固な枠状に組んだものにて構成される。免震ゴム2は、鋼板等とゴムとを積層したものであり、上面と下面にはフランジが設けられ、それぞれベース1とフーチングにボルトによって固定されている。
【0004】
この住宅用免震地盤のベース1の上に戸建て住宅の建屋3を建設した場合、地震時のベース1及び建屋3の揺れがきわめて小さいものとなる。また、建屋3はベース1と一体となっており建屋3の根太、大引、土台等の下部構造の剛性がきわめて高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
戸建て住宅は一般に面剛性が低いため、免震ゴムを単に配置しただけでは免震作用がベース及び建屋に均等に作用しないおそれがある。
【0006】
本発明は、免震ゴムの免震作用をベース及び建屋に均等に作用させることができる住宅用免震地盤を提供することを第1の目的とする。
【0007】
戸建て住宅は形状が複雑であり、建屋及びベースよりなる構築物の重心位置がベース中心から多く乖離することがある。例えば、建屋の1階部分をベースの一方に偏らせたり、2階部分を1階部分の一方に偏らせることがしばしばあるが、このような場合建屋の重心はベースの中心からかなりずれることになる。
【0008】
このような場合、地震時の揺れが建屋各所で異なるようになり、免震効果が十分に発揮されないおそれがある。
【0009】
本発明は、建屋の重心に偏りがあっても優れた免震作用が発揮される住宅用免震地盤を提供することを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る住宅用免震地盤は、住宅の建屋が載設されるベースと、該ベースを支承する免震ゴムとを有する住宅用免震地盤において、該ベースがH型鋼を井桁状に組んでなるフレームと、フレームの開口部に嵌め込まれ、該H型鋼の下フランジに載置されて固定されたPC板よりなることを特徴とするものである。
【0011】
このように構成することにより、ベースの剛性が高いものとなり、免震ゴムの作用をベース及び建屋に均等に作用させることが可能となる。
【0012】
請求項2に係る住宅用免震地盤は、請求項1において、PC板の厚み又は比重を異ならせてあることを特徴とするものである。
【0013】
このように各開口部に嵌め込むPC板の厚み又は比重を異ならせることにより、建屋及びベースよりなる構築物の重心がベースの中心と近接ないし合致させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、第1図〜第8図を参照して第1の参考例について説明する。第1図は参考例に係る住宅用免震地盤の上に建屋3を建てた状態を示す縦断面図、第2図は第1図の要部拡大図、第3図はベースの伏図、第4図は第3図のIV部分の拡大図、第5図は第4図のV−V線に沿う断面図、第6図(a)はすべり支承の断面図(第6図(b)のA−A線に沿う断面図)、第6図(b)は同(a)のB−B線に沿う断面図、第7図は第1図の1階部分の伏図である。第8図は建屋及び住宅用免震地盤を示す斜視図であり、建屋については軸組みのみを示している。
【0015】
ベース1は、H型鋼を角形の枠状に組んだものであり、免震ゴム2によって4隅とさらに適宜の箇所がコンクリート製フーチング5に支承されている。6は土間コンクリート、7は砕石を示す。
【0016】
第2図の通り、この免震ゴム2は、鋼板とゴムとを交互に多数枚積層した積層構造を有する本体部2aと、上フランジ2bと、下フランジ2cとを有する。上フランジ2bはベース1を構成するH型鋼9にボルトによって固定され、下フランジ2cはフーチング5にアンカーボルトによって固定されている。
【0017】
このベース1の上に木造軸組み工法による建屋3が建てられている。なお、建屋は2×4などのパネル工法によるものであっても良い。
【0018】
第2図の通り、この建屋3の土台10がベース1上に固定され、大引11、根太12、床パネル13が設けられている。建屋3の周囲部分からは床下のベース1を隠すようにバリア14が垂設されている。
【0019】
第7図の通り、建屋3の1階の床には床下点検口30が設けられている。また、浴室部分の外壁面下方のバリア14には免震ゴム用点検口31が設けられている。
【0020】
第3〜6図に示す通り、ベース1の長辺部分の途中箇所がすべり支承20によってフーチング5に支承されている。このすべり支承20は、フーチング5上にアンカーボルト等によって固定設置されたステンレスプレート21と、該ステンレスプレート21と摺動するようにベース1に対しブロック23を介して取り付けられた合成樹脂板22とを備えている。
【0021】
このブロック23は、上下のフランジ23a,23bと、これらのフランジ23a,23b同士を連結する十字形のウェブ部23cとを備えてなり、上フランジ23aがボルト24によってベース1に固定されている。合成樹脂板22の樹脂としては例えばフッ素樹脂や高密度ポリエチレンなど摩擦係数の小さいものが用いられている。この合成樹脂板22の周囲は円環形の胴枠25によって囲まれている。この胴枠25はボルト24によってブロック23の下フランジ23bに固定されている。
【0022】
このように合成樹脂板22をステンレスプレート21に摺動自在に当接させたすべり支承20によってベース1を支承することにより、免震ゴム2の圧縮変形量が制限され、また免震ゴム2に載荷される荷重が制限される。このため、免震ゴム2のゴムとして低弾性のものを採用し、免震ゴム2に所要の(ビル用免震ゴムに比べて低弾性の)ばね特性を付与することができ、地震時のベース1及び建屋3の免震効果を大きくすることができる。
【0023】
第9図は第2の参考例に係るベース40の伏図である。このベース40はH型鋼を井桁状に組み合わせたフレーム41を有する。このフレーム41の方形の開口部にブレース42を対角線方向に架け渡すことによりベース40(フレーム41)の剛性を高めている。
【0024】
ところで、第8図に示すようにこの建屋3は第8図の左側が2階建であり右側が平屋となっているため、この建屋3をベース40上に建築した場合、ベース40の第9図の左側に加えられる建屋荷重が右端側に加えられる建屋荷重よりもかなり大きなものとなり、ベース40及び建屋3の重心がベース40の中心から離隔する。そこで、この第9図の参考例ではベース40の右側の開口部に錘体(重り)44を配置することによりベース40と建屋3とを併せた構造体の重心がベース40の中心にほぼ一致するようにしている。この錘体44は鉄などの金属製であってもよく、コンクリートであってもよい。
【0025】
第10図は第3の参考例に係る住宅用免震地盤の伏図である。この住宅用免震地盤のベース50は、複数枚(この場合は6枚)のPC板(プレキャストコンクリート板)51を連結したものである。
【0026】
第10図の参考例ではPC板の製造時にPC板にシースを埋め込んでおき、このシースにロッド52を通し、テンションナット53をロッド52の端部に締め込んでPC板51同士を堅固に連結している。
【0027】
このPC板同士の連結を行うには、第11図の如く鉄などの金属製のケーシング54内にコンクリート55を打設し、このケーシング54と一体のフランジ55同士をボルト56で連結することによりPC板57同士を連結する構成としてもよい。58はフランジ55に設けられたボルト挿通孔を示す。
【0028】
第12図は、実施の形態に係るものであり、ベース60としてH型鋼64を井桁状に組んでなるフレーム61と、該フレーム61の方形の開口部に嵌め込まれたPC板62とからなるのものを用いた住宅用免震地盤を示している。
【0029】
このPC板62は、厚み方向に貫通するようにシース63が設けられている。このPC板62の周縁部をH型鋼64の下フランジ65に載置し、ボルト66によってPC板62を該下フランジ65に対し固定している。
【0030】
なお、第10〜12図においてベースの重心分布を変える場合PC板として厚みや比重の異なるものを用いればよい。
【0031】
第9〜12図のように剛性の高いベースは、免震ゴム2の免震作用がベース全体に均等に働くようになる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の効果は次の通りである。
【0033】
本発明においては、PC板の厚み又は比重を異ならせるように構成した場合には、ベースと建屋とからなる構造体の重心をベース中心に合わせることが可能となり、免震効果が高いものとなる。
【0034】
本発明においてはベースをH型鋼を井桁状に組んでなるフレームと、フレームの開口部に嵌め込まれて固定されたPC板にて構成したことにより、ベースの剛性が高いものとなり、免震作用が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例に係る住宅用免震地盤を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】ベースの伏図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】すべり支承の構成図である。
【図7】図1の建屋の1階の伏図である。
【図8】住宅用免震地盤と建屋とを示す斜視図である。
【図9】別の参考例を示すベースの伏図である。
【図10】さらに別の参考例を示すベースの伏図である。
【図11】ベースの連結構成の一例を示す断面図である。
【図12】(a)図は実施の形態を示すベースの伏図である。(b)図は(a)図のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 ベース
2 免震ゴム
3 建屋
5 フーチング
6 土間コンクリート
10 土台
11 大引
12 根太
20 すべり支承
21 ステンレスプレート
22 合成樹脂板
40 ベース
41 フレーム
42 ブレース
44 錘体
50 ベース
51,57 PC板
60 ベース
61 フレーム
62 PC板
Claims (2)
- 住宅の建屋が載設されるベースと、該ベースを支承する免震ゴムとを有する住宅用免震地盤において、
該ベースがH型鋼を井桁状に組んでなるフレームと、フレームの開口部に嵌め込まれ、該H型鋼の下フランジに載置されて固定されたPC板よりなることを特徴とする住宅用免震地盤。 - 請求項1において、PC板の厚み又は比重を異ならせてあることを特徴とする住宅用免震地盤。
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1998
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