JP2548661Y2 - 木質系免震床構造 - Google Patents

木質系免震床構造

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JP2548661Y2
JP2548661Y2 JP1996002621U JP262196U JP2548661Y2 JP 2548661 Y2 JP2548661 Y2 JP 2548661Y2 JP 1996002621 U JP1996002621 U JP 1996002621U JP 262196 U JP262196 U JP 262196U JP 2548661 Y2 JP2548661 Y2 JP 2548661Y2
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Japan
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seismic isolation
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floor
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Inventor
良隆 藤井
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三井ホーム株式会社
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  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、主として木造住宅に
おける免震床構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート造建物では、基礎と土
台間に積層体から成る免震装置(金属板間にゴム板を積
層状に介在させて地震等の震動を吸収するもの)を設置
するものが多少ある。この積層体から成る免震装置は、
垂直方向に硬く水平方向に軟らかいという特性をもち、
上部建物の安定保持性とすぐれた地震波の吸収機能を有
するものであるが、その施行性や経済性の点から、建物
の荷重を効果的に受けられるように配置する必要があ
り、従来における木造住宅ではこのような免震装置を設
置したものはなかった。すなわち、従来における一般の
木造住宅の床構造としては、図5に示すように、基礎1
上で対向する二辺の土台5間に床構造の主体となる大引
き15を架設するため、その直下位置にあたる地盤上に
多数のつか石13を間隔的に敷設していた。そして、こ
の各つか石13上には床つか14をそれぞれ立設したの
ち、当該列毎の上記床つか14を支体にして、この各床
つか14の上部を含む土台5間に大引き15を架設して
いた。なお、前記による隣接同士の大引き15間には床
根太16を載置固定して、この床根太16の上部に定尺
の床合板9を張設することにより、床構造の施工が完了
するものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】従来における、前記の
構成による木造住宅の床構造を免震性構造に施工するに
は次のような問題点があった。地盤上に多数のつか石1
3を間隔的に敷設し、この各つか石13上に床つか14
をそれぞれ立設しており、また、この各床つか14が支
点となって大引き15を支持していたので、この床つか
14と大引き15間にも免震装置を配置する必要があ
り、基礎1と土台5間のみならず、床つか14上にも全
部上記のような免震装置を配置するのは技術的に困難で
あり、また、その施工には多くの時間と手間がかかりコ
スト高になるという問題があった。
【0004】この考案は、前記した従来技術の問題点を
解決するものである。すなわち、この考案の目的は、基
礎上に積層体から成る免震装置の介在により架設する鉄
骨架台を支体にして、この鉄骨架台の二辺間に、この間
をスパンとして長尺な平行弦トラスを架設することによ
り、建物の安定保持性と共にすぐれた免震性をもつ床構
造が低コストのもとで容易迅速に施工できる木質系免震
床構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、この考案は、木質系建物の基礎の隅角部を含む要
所上に積層体から成る免震装置を設置し、この免震装置
上には鉄骨架台を一連状に架設するとともに、前記の基
礎上で対向する二辺の鉄骨架台間には木製の平行弦トラ
スを間隔的に架設したものである。
【0006】
【作用】前記の構成により、基礎上に免震の床構造を施
工する場合は、基礎の要所となる外周部分の隅角部上に
免震装置が設置されていて、この免震装置の介在によ
り、基礎上には鉄骨架台が基礎の要所となる四隅を一巡
する形態で架設される。このため、対向する二辺の鉄骨
架台間に、あらかじめ工場生産をもってそれぞれ一体と
なるように形成された多数の平行弦トラスを、この平行
弦トラスの端部における結合により間隔的に架設する
と、この各平行弦トラスは、対向する二辺の鉄骨架台間
をスパンとして構成されることになり、建物の荷重は、
全てこの平行弦トラスによって効果的に、この平行弦ト
ラスの両端部と結合した鉄骨架台の接点部に集中作用す
ることになる。従って、建物は鉄骨架台を介して免震装
置によって支持され、地盤より伝わる地震波はこの免震
装置により吸収緩和されて建物に入力されるので、建物
の揺れが減少される。すなわち、地震等の地盤振動は免
震装置に確実に吸収され、床構造を含めた建物全体を良
好な免震状態とし、建物や家具の破壊を守り、木質系建
物の床構造の使用感を良好とする。
【0007】
【実施例】以下、この考案の実施例を添付図面に基づい
て説明する。まず構成を説明すると、図1から図4まで
に示すように、木造住宅となる所定の建蔽率を持つ敷地
の四隅と、その中央帯にコンクリートの打設により基礎
1が構築されて、この基礎1上の四隅角部および中央帯
との交差位置には、公知の積層体から成る免震装置2
(金属板間にゴム板を積層状に介在させて地震等の震動
を吸収する装置)が、アンカーボルト等の挿通と締付け
により免震可能に設置されている。
【0008】次に、この態様による各免震装置2の上面
位置には、前記した基礎1と上下の位置において合致す
るようにH型鋼等により形成された一連状の鉄骨架台3
が載置されて、ボルト等の挿通と締付けにより、基礎1
の上部を一巡するように架設されている。
【0009】また、前記により基礎1の上部側で対向す
る二辺の鉄骨架台3間(中央帯の鉄骨架台3と結合され
た対向する二辺の鉄骨架台3間)には、次に示す木製の
平行弦トラス4が、後記する各部材の添装により架設さ
れている。
【0010】この平行弦トラス4は次のように形成され
ている。すなわち、図1および図2に示すように、この
平行弦トラス4は、中央帯の鉄骨架台3と結合された対
向する二辺の鉄骨架台3間をスパンとするに足る長さの
木製角材から成る横材4a,4bを上下に配置し、この
横材4a,4b間には、同じ素材による縦材4cを結合
するとともに、この上下横材4a,4bと縦材4cをも
ってする矩形の枠内に斜材4dを三角形状を形成して一
体になるように結合することにより、梯子状に組成され
ている。トラス形式構造は外力に対する抵抗に強く、曲
げに強い特長を有して形が崩れ難い。なお、この床構造
の場合、平行弦トラス4の両端に近い上下の横材4a,
4bと縦材4cは、この平行弦トラス4に掛かる荷重に
対抗した強度を維持するために、二重の素材を結束して
一体的に構成されている。(図2参照)
【0011】前記により一体となるように組成された平
行弦トラス4は、図1に示すように、上部に位置する横
材4aの各端部を、対向する二辺の鉄骨架台3,3の各
上面にボルト止め等をもって固設された土台5,添え側
根太6,つなぎ材7の上位部に載置し、かつ下部に位置
する横材4bの各端部も、前記した鉄骨架台3,3の各
内側下面上にボルト止め等をもって固設された側根太8
の上面に載置して、各端部における図示しないボルト等
の挿通と、その締付けにより対向する二辺の鉄骨架台
3,3間に、規定の間隔をもって順次に架設され、全体
として木質系免震床構造に組成されている。 (図4参
照)
【0012】なお、前記した各平行弦トラス4の上面に
は規格板による床合板9が一面状に敷設されて床組みが
構成されたのち、この床組みの四周には壁枠組み11の
下枠10を取付け、かつ、この壁枠組み11の外郭に対
して外壁構造用合板12を張設することにより、木造住
宅の床回りを含む外壁関係の構築が完了するものであ
る。
【0013】前記の構成により、基礎上に免震の床構造
を施工する場合は次のようにして行う。すなわち、図3
に示すように、基礎1の要所となる外周部の四隅角部お
よび中央帯との交差位置の各上面には、公知の免震装置
2がアンカーボルト等の挿通と締付けにより免震可能に
設置されたのち、この免震装置2の上部に鉄骨架台3を
架設すると、一連状に形成されたこの鉄骨架台3は免震
床構造の重要な因子となる。従って免震装置2の上部位
置で対向する二辺の鉄骨架台3間に、あらかじめ工場生
産をもってそれぞれ一体となるように形成された多数の
平行弦トラス4を、各側端部におけるボルト止めの結合
により間隔的に架設して床構造を形成した場合、この各
平行弦トラス4は対向する二辺の鉄骨架台3間をスパン
として構成されているため、建物の荷重を、この平行弦
トラス4を介して建物の外周部分に集中させることがで
き、全て鉄骨架台3で安定に支持すると共に、地盤より
伝わる地震波を免震装置により緩和した上で、鉄骨架台
3を介して上部建物に入力させることができる。
【0014】この考案は、基礎上に免震装置の介在によ
り架設する鉄骨架台を支体にして、この鉄骨架台の二辺
間に、この間隔をスパンとして長尺な平行弦トラスを架
設した構造である。この構造について、考案者は次のよ
うな実験を行った。すなわち、建築面積80平方メート
ル,床面積160平方メートルの枠組み壁工法2階建て
の建物に免震装置6個を取り付け、建物を一方向にのみ
移動させたり、上下動のはいった移動をもさせるなどの
実験である。この結果、水平方向に20〜30センチメ
ートル(大地震の場合は12〜13センチメートルであ
る。)の変位があっても建物に異常がないことを確認で
きたので、建物に及ぶ地震力は3分の1程度に緩和され
ることが分かった。
【0015】すなわち、地震等の振動荷重が建物の下部
に設置されている免震装置2に円滑確実に吸収されるた
め、床構造を含めた建物の全体を良好な免震状態にする
ことができ、建物全体の安全はもとより家具等の転倒に
よる破壊や怪我を防ぎ貴重な財産や美術品等を地震より
守り、木質系建物における床構造の使用感を快適なもの
にすることができる。
【0016】
【考案の効果】上記の説明から明らかなように、この考
案は次のような効果を奏する。 (1) 免震の床構造は、建物の荷重を、特にトラス構造を
もつ広いスパンの木質平行弦を作製して支持させ、建物
の外周部分等に集中させるようにし、積層体から成る免
震装置はこの建物の荷重を平行弦トラスを介して受ける
鉄骨架台と基礎との間に介在させたので、建物は少ない
免震装置によって安定に支持され、従来の木造住宅のよ
うに地盤に間隔的に敷設した多数のつか石上の床つかに
それぞれ免震装置を配置する必要がなく、免震装置や建
築部材が少なくて済み、低コストとなり、しかも容易に
かつ迅速に施工できる。 (2) 地震が発生した場合に、地震による振動は積層体か
ら成る免震装置で吸収されて建物に及ぶ地震力は3分の
1程度に緩和される。 (3) 地震による地震波が免震装置で吸収され、建物に波
及しないので、建物の構造安全性を向上させるととも
に、建物内の家財道具等の安全を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案による木質系免震床構造の要部を示す
側面図である。
【図2】図1の木質系免震床構造における平行弦トラス
部分概要図である。
【図3】要部の下面に図1の免震装置を設置した鉄骨架
台の平面図である。
【図4】図3の鉄骨架台間に平行弦トラスを間隔的に架
設した木質系免震床構造の要部平面図である。
【図5】従来例による木造住宅の床構造を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 基礎 2 免震装置 3 鉄骨架台 4 平行弦トラス 5 土台

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質系建物の基礎の隅角部を含む要所に
    積層体から成る免震装置を設置し、この免震装置上には
    鉄骨架台を一連状に架設すると共に、前記基礎上で対向
    する二辺の鉄骨架台間には木製の平行弦トラスを架設し
    たことを特徴とする木質系免震床構造。
JP1996002621U 1996-04-05 1996-04-05 木質系免震床構造 Expired - Lifetime JP2548661Y2 (ja)

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JPH081519U JPH081519U (ja) 1996-10-22
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