JP3632774B2 - トラクター牽引作業機の操向輪制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、操向輪を有するトラクター牽引作業機において、傾斜地で効率よく作業する為の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からトラクターの後部に野菜移植機等の作業機を牽引し、該作業機には操向輪を有し、傾斜面を往復移動しながら作業する時に、操向輪を山側へ登るように手動のレバー等を用いて傾倒して、作業機が自重で下降しようと働く力を相殺し、略進行方向に向かって進めるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような傾斜地を作業するトラクター牽引式の作業機において、往復作業の圃場端での回行時には該操向輪(ゲージ輪)の回動角度を、等高線を基準に逆方向に回動させる作業が必要であり、その作業は、回行の際にいちいち手動操作にて行っていた。
また、そのステアリング調整を、人間の感覚により調整していた為、非常に手間がかかり非能率的であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような方法を用いるものである。
トラクター後部に昇降可能に装着し、傾斜地で往復しながら作業をする牽引作業機Bにおいて、該牽引作業機Bのベースフレーム1の両側に、牽引作業機Bの操向を行うゲージ輪31・31を設け、該左右のゲージ輪31・31をナックルアーム32とタイロッド33を介してアクチュエーターと連結するとともに、該ゲージ輪31の角度と牽引作業機の高さを検知する検知手段を設け、傾斜地での往復作業時の回行において、牽引作業機Bが一定高さに上昇されたことを検知手段によって検知して、回行と判断し、アクチュエーターによってゲージ輪31・31を、往と復で自動的に左右対称の角度に回動駆動する構成としたものである。
【0005】
【作用】
以上の如く構成した本発明における作用を説明する。
傾斜地の往復作業時の回行の際に、一回ずつステアリング調整をする必要が無く、自動的に対称の位置までゲージ輪が回動されて、作業性が改善され、畝中央への移植を正確に行える。
【0006】
【実施例】
本発明の解決すべき課題、及び構成は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の実施例を説明する。
図1はトラクター牽引式野菜移植機の平面図、
図2はトラクターの後部及び移植ユニットPの側面図、
図3は作業機のステアリング機構を示す部分平面断面図、
図4はゲージ輪の制御機構のブロック図である。
【0007】
本発明のトラクター牽引式作業機として、野菜移植機の実施例について全体構成から説明する。
ベースフレーム1は図3の如く平面視コの字形で、側面視は図2の如く上部フレーム1a及び下部フレーム1bよりなり、前端部はツールバー2に固着されている。
該ツールバー2には、トラクターの3点リンクであるトップリンクTL、及びロアリンクLLを連結するための連結用マスト3が固設されている。図1、図2におけるRWは、トラクターの後輪である。
そして、前記ベースフレーム1の最前部にステップ板5′を、最後部にはステップ板を取付け、左右の上部フレーム1aの上方位置には、図1の如く、各々予備苗台6を配置し、ステップ上の作業者によって、該予備苗台6上の育苗トレイTを、移植ユニットEの給苗部E1の苗載台13に順次供給するものである。
【0008】
次に、移植ユニットEは給苗部E1において、育苗トレイTを立てて下方に搬送するべく構成された苗載台13が前後に摺動可能に設置されており、また、定位置にて、該苗載台13上の育苗トレイTからポット苗を取り出す苗取爪14が回動可能に取り付けられている。
移植部E2においては、前方にて移植ミッションケースMが回動支点軸に軸支されており、該移植ミッションケースM後方に移植伝動ケース16を連設し、後部にて、該苗取爪14が取り出したポット苗を受け取り、かつ、畝上に移植する如く回動する移植爪15を配設している。
【0009】
前記作業機Bを昇降させる機構を説明する。
該作業機Aはトラクターの後部から延設するトップリンクTLとロアーリンクLLの後端に連結し、該ロアーリンクLLを、リフトリンク23が吊り上げる事で、該作業機Bが昇降する。該ロアーリンクLLは下方に配されるトラクターミッションケース20の側方に固定される枢結プレート21に枢支される。
該トラクターミッションケース20上に載置する昇降シリンダー26の先端にプレート27、回動軸24を介してリフトアーム22が連結され、該リフトアーム22の先端にリフトリンク23を枢支している。
【0010】
そして、該トップリンクTLの前端はミッションケース後部に固定されるヒッチ25aに枢支され、該トップリンクTLとロアーリンクLLの後方は該作業機の該ツールバー2の適所に配された各連結用マスト3に連結する。
該ツールバー2の中央部には連結用マスト3aが垂直に上方まで延設され、該トップリンクTLの他端に連結し、該連結用マスト3aの両外側には斜め前方に延設した連結用マスト3bが突設され、ロアーリンクLLの他端を連結している。
【0011】
このような構成により、前記昇降シリンダー26が伸縮する事によって、該回動軸24を中心に、該リフトアーム22が回動する事で、該リフトリンク23を伴い、該ロアーリンクLLを回動させ、前記作業機Bが昇降する。また、該ロアーリンクLLの前方を枢支している軸には、回動角度検出センサーSが配され該ロアーリンクLLの回動角度を検知している。
【0012】
次に、本発明のゲージ輪31のハンドル機構の詳細を、図3を用いて説明する。
該ゲージ輪31・31は作業機Bの前方の左右両側に配され、該ゲージ輪31は車軸31aにより回転自在に枢支されている。
該車軸31aには、略L字型のナックルアーム32の一端に固定されている。該ナックルアーム32は前記ツールバー2の下方から突設するキングピン36により略L字型の中央部を回動可能に枢支されている。
左右両側の該ナックルアーム32・32の他端はタイロッド33に連結され、該タイロッド33の中途部には連結板33aを介してアクチュエーターとして電動シリンダー34の伸縮ロッドが連結され、該電動シリンダー34の後基部は前部作業用ステップ5′に固定されるシリンダー支持部35に枢支されている。
【0013】
該電動シリンダー34が伸び方向に駆動する時は、該タイロッド33が左に移動し、該ナックルアーム32・32を、該キングピン36を中心に回動し、該ゲージ輪31・31を左向きにする。逆に該電動シリンダー34を縮む方向に駆動する時は、該タイロッド33、該ナックルアーム32・32及び該ゲージ輪31・31を右方向に向くようにする。
【0014】
そして、右側の該ナックルアーム32の左側方に、ポテンションメーターPが配され、該ポテンションメーターPは、該ナックルアーム32が該ゲージ輪31と一体となって、前記キングピン36を中心に回動する為、該ナックルアーム32の回動角度を計測する事で、該ゲージ輪31の回動角度を検出するものである。
【0015】
そして、該ポテンションメーターPの検出値と、前記回動角度検出センサーSの検出値は図4に示すように、コントローラーC内に入力するよう構成され、該コントローラーCには前記電動シリンダー34が接続されている。
該コントローラーCでは、前記ゲージ輪31が進行方向に平行の時を0°として、図示せぬレバーにより該ゲージ輪31の回動角度が決定され、左右に回動した角度が該ポテンションメーターPより入力され、該コントローラーCに角度θとして読み込まれる。また、その角度が右方向を正(+)、左方向を負(−)としている。
【0016】
そして、図4のブロック図に示すように、該回動角度検出センサーSが、該ロアーリンクLLの上方への回動により、該作業機Bを上昇させ一定高さ以上に持ち上げられたことを検知すると、該コントローラーCは回行と判断して、前記コントローラーCに入力されている角度θが、正の角度θのときは−θ(入力されている角度が−θの場合は角度θ)となる角度まで電動シリンダー34を駆動し、その値はポテンションメーターPで検知している。
【0017】
即ち、傾斜地で往復作業をする場合に、レバーで作業機が進行方向へ走行するようにゲージ輪31の回動角度を決定し、該コントローラーCにその角度θが入力され、圃場端で回行するときに作業機を持ち上げた際に、その角度θを記憶し、回動角度検出センサーSにより設定角度以上に上昇されたことを検出すると、コントローラーCは回行と判断して、角度θを−θとなるように演算し、電動シリンダー34を逆回転させてゲージ輪31を進行方向と対称位置まで回動させ、反対に向いた作業機が傾斜地に対しゲージ輪31が一定角度を保つようにしている。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成することにより、次の如き効果を奏するものである。
傾斜地での往復作業時において、回行の際に、自動的にゲージ輪が進行方向と対称の位置まで回動する為、往と復の回行の度にゲージ輪のステアリング調整をする手間が省け、回行後すみやかに作業に移れ、回行時の操作が容易となり、畝中央への作業を正確に行えて、作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクター牽引式野菜移植機の全体平面図である。
【図2】トラクターの後部及び移植ユニットPの側面図である。
【図3】作業機のステアリング機構を示す部分平面断面図である。
【図4】ゲージ輪の制御機構のブロック図である。
【符号の説明】
D 駆動ユニット
W 接地駆動輪
P 移植ユニット
S 作業者用ステップ
1 ベースフレーム

Claims (1)

  1. トラクター後部に昇降可能に装着し、傾斜地で往復しながら作業をする牽引作業機Bにおいて、該牽引作業機Bのベースフレーム1の両側に、牽引作業機Bの操向を行うゲージ輪31・31を設け、該左右のゲージ輪31・31をナックルアーム32とタイロッド33を介してアクチュエーターと連結するとともに、該ゲージ輪31の角度と牽引作業機の高さを検知する検知手段を設け、傾斜地での往復作業時の回行において、牽引作業機Bが一定高さに上昇されたことを検知手段によって検知して、回行と判断し、アクチュエーターによってゲージ輪31・31を、往と復で自動的に左右対称の角度に回動駆動する構成としたことを特徴とするトラクター牽引作業機の操向輪制御装置。
JP17696094A 1994-07-28 1994-07-28 トラクター牽引作業機の操向輪制御装置 Expired - Fee Related JP3632774B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101217842B1 (ko) 2011-05-19 2013-01-09 나종권 조향가능한 견인륜이 구비된 트랙터 연결 타입 작업기

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