JP3632740B2 - 記録装置におけるプラテンギャップ調整装置及び記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラテンと記録ヘッドとの相対ギャップ長を記録用紙の厚みに応じて調整するプリンタ等の記録装置におけるプラテンギャップ調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録ヘッド、特にインクリボンを介して記録用紙にインパクトワイヤを打撃して印字するワイヤドット型記録装置においては、高速印字を図るためにはインパクトワイヤの打撃ストロークを可及的に小さくする必要がある。一方、ワイヤドット記録ヘッドは、機械的強度が大きく、しかも複写材を介すると同時にコピーが可能であるため、印刷可能とされる記録用紙の種類が多く、記録ヘッドと記録用紙との距離が他の形式のプリンタに比べて大きく変動する特性がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記特性から、特にワイヤドット型記録ヘッドを使用するプリンタ等の記録装置は、通常記録ヘッドとプラテンとの距離である相対ギャップ長を調整するための機構を備えているが、記録用紙毎に最適な相対ギャップ長に設定するには熟練を要し、また作業が面倒であるという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、熟練を要することなく、記録用紙の厚みに応じて記録ヘッドとプラテンとの相対ギャップ長を簡単に調整することのできる記録装置におけるプラテンギャップ調整装置およびそれを備えた記録装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、記録ヘッドを搭載するキャリッジをキャリッジ接離駆動部によりプラテンに接離させて該プラテンと記録ヘッドとの相対ギャップ長を記録用紙の紙厚に合わせて調整する記録装置におけるプラテンギャップ調整装置であって、記録用紙搬送面と平行に複数枚の薄板が積層されると共に、該薄板の板面に直交する軸の周りに個別に回転可能に軸支されて成る薄板集合体と、記録用紙搬送面上を搬送される記録用紙の側辺部が前記薄板集合体の部分を通過することにより回転された薄板の表面に接離可能な可動ピンと、該可動ピンの位置に移動したキャリッジを前記キャリッジ接離駆動部によりプラテンに対して接近させ、当該可動ピンが前記回転された薄板の表面に押し当たる位置で止めることで、前記相対ギャップ長を調整するギャップ調整制御部と、を備えたことを特徴とするものである。
【0006】
本発明によれば、記録ヘッドとプラテンとの相対ギャップ長を調整するに際しては、前記ギャップ調整制御部によって、可動ピンの位置に移動したキャリッジを前記キャリッジ接離駆動部によりプラテンに対して接近させ、当該可動ピンが前記回転された薄板の表面に押し当たる位置で止めることで、前記相対ギャップ長の調整が行えるので、熟練を要することなく、記録用紙の厚みに応じて当該相対ギャップ長を簡単に調整することができる。
【0007】
また、本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された記録装置におけるプラテンギャップ調整装置において、前記可動ピンは、キャリッジの押圧力から開放されたときは初期位置に復位するように付勢手段より付勢されていることを特徴とするものである。本発明によれば、前記相対ギャップ長の調整が一旦終了すると、その付勢手段の付勢力によって、可動ピンは前記薄板の表面から離れて初期位置に復位するため、別の紙厚の記録用紙に対して相対ギャップ長を調整する際に、そのまま実行することができ、簡単である。
【0008】
また、本願請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載された記録装置におけるプラテンギャップ調整装置おいて、前記薄板は、ほぼ半円形状に形成され、その円周に沿って回転可能に前記軸により軸支されていることを特徴とするものである。本発明によれば、当該薄板は、ほぼ半円形状に形成され、その円周に沿って回転可能に構成されているため、その回転の際に専有する面積が半径の範囲で済み、必要スペースを小さくできる。更に、半円形の弦部分に記録用紙の先端を当接させて回転させることが可能であるため、記録用紙から該薄板に確実に回転力を伝達することができ、もって相対ギャップ長調整に際しての一連の動作の安定性が増すと共に、軽量化を図ることができる。
【0009】
また、本願請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載された記録装置におけるプラテンギャップ調整装置において、前記キャリッジ接離駆動部は、両端に設けられた偏心軸を介してフレームに軸支されるキャリッジガイド軸と、該キャリッジガイド軸を前記偏心軸の回りに回転させる駆動部とを備え、該キャリッジガイド軸の回転によりキャリッジの記録ヘッドがプラテンに接離するように構成されていることを特徴とするものである。本発明によれば、当該偏心軸にて軸支されるキャリッジガイド軸をその偏心軸の回りに回転させるだけで、当該相対ギャップ長を調整することができるので、調整工程が単純である。
【0010】
また、本願請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載されたプラテンギャップ調整装置を備えた記録装置である。本発明によれば、当該相対ギャップ長を上記の如く、簡単に調整できるので、記録装置搬送に際しての紙詰まりの発生を少なくできると共に、記録品質を向上することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るプラテンギャップ調整装置の原理を説明するための概略構成図であって相対ギャップ長の調整開始時点の状態を示し、図2は図1と同じ構成図であって、同調整終了直前の状態を示し、図3はプリンタのキャリッジおよびプラテン回りの概略側面図であり、図4はキャリッジガイド軸の偏心軸を説明するための要部斜視図であり、図5は同キャリッジガイド軸を回転させる駆動部を説明するための要部斜視図である。
【0012】
先ず、図3に基づいて、プリンタのキャリッジおよびプラテン回りの概略構成を説明する。図示しないサイドフレームに公知の構造にてその両端部が回転可能に軸支されたキャリッジガイド軸1に、その長手方向に往復移動可能にキャリッジ2が装着されている。キャリッジ2を往復移動する駆動手段も公知の構造であるため、図示は省略されている。該キャリッジ2は、記録ヘッド3を有し、該記録ヘッド3と対向してプラテン4が設けられている。この記録ヘッド3とプラテン4との対向部の距離が、当該発明で調整する相対ギャップ長5である。記録用紙8は、図示しない公知の用紙搬送手段によりプラテン4上を図3に示したように搬送され、記録ヘッド3によって印字される。
【0013】
図4に示したように、キャリッジガイド軸1の両端には、偏心軸6が大径部7と一体に設けられている。キャリッジガイド軸1は、この偏心軸6を介して前記図示を省略したサイドフレームに回転可能に軸支されている。従って、キャリッジガイド軸1を偏心軸6の回りに回転するとその大径部7が偏心回転し、該大径部7に装着されているキャリッジ2は、プラテン4に対して接離移動するようになっている。
【0014】
図5に示したように、キャリッジガイド軸1を回転する駆動部9は、本実施の形態では、駆動モータ10と、偏心軸6に一体的に回転するように取り付けられたギア11と、前記駆動モータ10の回転軸に設けられ且つ前記ギア11に動力伝達可能に係合するピニオンギア12とから構成されている。このように駆動部9を構成したことで、キャリッジガイド軸1は上記の如くその両端に設けられた偏心軸6を介してフレームに軸支されているため、該キャリッジガイド軸1をその偏心軸6の回りに回転させるだけで、キャリッジ2は、プラテン4に対して接離移動し、当該相対ギャップ長5を調整することができる。
【0015】
図1に示したように、本実施の形態では、記録用紙搬送面13と平行に複数枚の薄板14,14,……が積層された薄板集合体15が設けられている。この薄板集合体15は、板厚が0.05mmに形成され、各薄板14,14,……が、その板面に直交する軸16の回りに個別に回転可能に軸支されている。各薄板14,14,……は、記録用紙搬送面13上を搬送される記録用紙8の側辺部17の先端が突き当たる位置に配設され、図2に示したように、記録用紙8が薄板集合体15の部分を通過することによりその紙厚に対応した枚数だけ薄板14が、回転されるようになっている。前記回転された薄板の表面18に接離可能に可動ピン19が配設されている。符号20は可動ピン19を移動可能に保持するホルダーを示す。
【0016】
そして、相対キャップ長5を調整するためのギャップ調整制御部21が、図2または図5に示したように、駆動モータ10に接続されている。該ギャップ調整制御部21は、相対キャップ長5を調整するときは、可動ピン19の位置に移動したキャリッジ2を前記キャリッジ接離駆動部9によりプラテン4に対して接近させ、当該可動ピン19が前記回転された薄板の表面18に押し当たる位置で止めることで、前記相対ギャップ長5を調整するようになっている。当該可動ピン19を止める位置は、回転された薄板の表面18に可動ピン19が押し当たることで、その方向への移動抵抗が増加することにもとづいて判定する要に形成されている。
【0017】
また、本実施の形態では、可動ピン19は、キャリッジ2の押圧力から開放されたときは初期位置に復位するようにバネ22が縮設されている。更に、前記薄板14,14,……は、ほぼ半円形状に形成され、その円周に沿って回転可能に前記軸16により軸支されている。
【0018】
次に、本実施の形態に係るプラテンギャップ調整装置の作用を説明する。本実施の形態に係る装置によれば、記録ヘッド3とプラテン4との相対ギャップ長5を調整するに際して、前記ギャップ調整制御部21によって、可動ピン19の位置に移動したキャリッジ2を前記キャリッジ接離駆動部9によりプラテン4に対して接近させ、当該可動ピン19が回転された薄板の表面18に押し当たる位置で止めることで、当該相対ギャップ長5の調整が行え。従って、記録用紙の厚みに応じて当該相対ギャップ長を、熟練を要することなく簡単に調整することができる。
【0019】
また、前記相対ギャップ長5の調整が一旦終了した後、バネ22の付勢力によって、可動ピン19を前記薄板の表面18から離して初期位置に復位するようにしたものは、別の紙厚の記録用紙に対して、新たに相対ギャップ長5を調整する際に、そのまま実行することができ、簡単である。
【0020】
また、当該薄板14を、ほぼ半円形状に形成し、その円周に沿って回転可能に構成したものは、その回転の際に専有する面積が半径の範囲で済むため必要スペースを小さくすることができる。更に、半円形の弦部分に記録用紙8の先端を当接させて回転させることが可能であるため、記録用紙8から該薄板14に確実に回転力を伝達することができ、もって相対ギャップ長5の調整に際しての一連の動作の安定性が増すと共に、軽量化を図ることができる。
【0021】
また、前記実施の形態に係るプラテンギャップ調整装置を備えた記録装置によれば、当該相対ギャップ長5を上記の如く、簡単に調整できるので、記録装置搬送に際しての紙詰まりをの発生を少なくできると共に、記録品質を向上することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、記録ヘッドとプラテンとの相対ギャップ長を調整するに際しては、前記ギャップ調整制御部によって、可動ピンの位置に移動したキャリッジを前記キャリッジ接離駆動部によりプラテンに対して接近させ、当該可動ピンが前記回転された薄板の表面に押し当たる位置で止めることで、前記相対ギャップ長の調整が行えるので、熟練を要することなく、記録用紙の厚みに応じて当該相対ギャップ長を簡単に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラテンギャップ調整装置の原理を説明するための概略構成図であって相対ギャップ長の調整開始時点の状態を示す。
【図2】図1と同じ構成図であって、同調整終了直前の状態を示する。
【図3】プリンタのキャリッジおよびプラテン回りの概略側面図である。
【図4】キャリッジガイド軸の偏心軸を説明するための要部斜視図である。
【図5】同キャリッジガイド軸を回転させる駆動部を説明するための要部斜視図である。
【符号の説明】
1 キャリッジガイド軸
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
4 プラテン
5 相対ギャップ長
6 偏心軸
7 大径部
8 記録用紙
9 駆動部
13 記録用紙搬送面
14 薄板
15 薄板集合体
16 軸
17 記録用紙の側辺部
18 回転された薄板の表面
19 可動ピン
21 ギャップ調整制御部
22 バネ(付勢手段)
Claims (5)
- 記録ヘッドを搭載するキャリッジをキャリッジ接離駆動部によりプラテンに接離させて該プラテンと記録ヘッドとの相対ギャップ長を記録用紙の紙厚に合わせて調整する記録装置におけるプラテンギャップ調整装置であって、
記録用紙搬送面と平行に複数枚の薄板が積層されると共に、該薄板の板面に直交する軸の回りに個別に回転可能に軸支されて成る薄板集合体と、
記録用紙搬送面上を搬送される記録用紙の側辺部が前記薄板集合体の部分を通過することにより回転された薄板の表面に接離可能な可動ピンと、
該可動ピンの位置に移動したキャリッジを前記キャリッジ接離駆動部によりプラテンに対して接近させ、当該可動ピンが前記回転された薄板の表面に押し当たる位置で止めることで、前記相対ギャップ長を調整するギャップ調整制御部と、を備えたことを特徴とする記録装置におけるプラテンギャップ調整装置。 - 請求項1において、前記可動ピンは、キャリッジの押圧力から開放されたときは初期位置に復位するように付勢手段により付勢されていることを特徴とする記録装置におけるプラテンギャップ調整装置。
- 請求項1または2において、前記薄板は、ほぼ半円形状に形成され、その円周に沿って回転可能に前記軸により軸支されていることを特徴とする記録装置におけるプラテンギャップ調整装置。
- 請求項1から3のいずれかにおいて、前記キャリッジ接離駆動部は、両端に設けられた偏心軸を介してフレームに軸支されるキャリッジガイド軸と、該キャリッジガイド軸を前記偏心軸の回りに回転させる駆動部とを備え、該キャリッジガイド軸の回転によりキャリッジの記録ヘッドがプラテンに接離するように構成されていることを特徴とする記録装置におけるプラテンギャップ調整装置。
- 請求項1から3のいずれかに記載されたプラテンギャップ調整装置を備えた記録装置。
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JP9721999A JP3632740B2 (ja) | 1999-04-05 | 1999-04-05 | 記録装置におけるプラテンギャップ調整装置及び記録装置 |
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JP9721999A JP3632740B2 (ja) | 1999-04-05 | 1999-04-05 | 記録装置におけるプラテンギャップ調整装置及び記録装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102529444A (zh) * | 2010-12-24 | 2012-07-04 | 北京北大方正电子有限公司 | 喷墨打印设备及其喷头高度调节方法 |
-
1999
- 1999-04-05 JP JP9721999A patent/JP3632740B2/ja not_active Expired - Fee Related
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