JP3632207B2 - 湯水混合装置 - Google Patents

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正寿 榎
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節雄 伊藤
正昭 伊藤
博文 竹内
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東陶機器株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湯水混合装置に関し、詳しくは、温度によってばね定数が変化する素材からなるばねを用いて、可動弁体を付勢して湯水の混合を行なう湯水混合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の湯水混合装置としては、湯と水の混合比を左右する可動弁体を、温度によって形状が変化する形状記憶合金を用いて付勢することにより、湯水混合物の温度を一定に制御する自動温度調節式湯水混合栓が提案されている(実公昭61−44062)。これは、形状記憶合金が、特定の温度下で一定の形状にセットしておくと、その他の温度下で物理的に形状を変化させても当初のセット温度を与えることにより、再びセット時の形状に復元するという特徴を有し、従来の感温素子、例えば、ワックスサーモ等より熱容量が小さく、温度変化に対して敏感に作動することを利用したものである。
【0003】
この混合栓では、可動弁体の一方を、コイル状形状記憶合金で付勢し、他方を、コイルスプリングで付勢するように構成されており、コイル状形状記憶合金は、湯水混合物に直接接触するよう配置されている。また、コイル状形状記憶合金は、一定温度で一定コイル長になるとされており、このコイル状形状記憶合金は、湯水混合物の温度の変化により、次のように作動するとされている。
【0004】
湯水混合物の温度が設定温度で定常状態にあるとき、可動弁体は、コイル状形状記憶合金とコイルスプリングとの釣り合いの位置で停止している。定常状態にあった湯水混合物の温度が外乱等により変化して一定の温度になると、コイル状形状記憶合金は、その温度でセットされた一定のコイル長に復元しようとして、形状復元力を発生する。この形状復元力は、定常状態にあったコイルスプリングとの釣り合いを崩して、可動弁体をコイルスプリング側またはコイル状形状記憶合金側へ駆動する。ここで、コイル状形状記憶合金に対して、設定温度近傍で、連続的にコイル長をセットすれば、湯水混合物の温度が設定温度近傍での変化に対して、コイル状形状記憶合金は、温度変化に伴ってコイル長を変化させ、連続的な形状復元力を発生する。従って、可動弁体が湯水混合物の温度変化に対応して変位し、湯水の割合を変化させるので、湯水混合物の温度を設定温度に保持することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、形状記憶合金は、一般に高価であるので少ない材料で形成することが好ましい。しかし、少ない材料で形成された感温ばねは、通常のばねと比較して、ばね定数が小さく、可動弁体を大きな駆動力で駆動しないことになる。したがって、こうしたばね定数の小さい感温ばねでは、可動弁体に対する支持力が弱く、僅かにねじれなどの力を加えても、可動弁体が傾いて、シール性が低下する。このため、精度の高い吐水温度の調節が行なうことができないという問題があった。
【0006】
また、形状記憶合金のばねは、湯水の温度に敏感に反応するので、高温水と低温水とが十分に混合されていない状態で接触すると、各部での荷重の発生状態が異なって、安定した温度の吐水が行なえないという問題もあった。
【0007】
本発明は、ばね定数の小さい形状記憶合金からなる感温ばねを用いても、目標設定温度での吐水を安定して行なうことができる湯水混合装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するためになされた本発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料ならなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記可動弁体と感温ばねとの間に介在し高温水と低温水とを混合する位置から感温ばねを所定距離隔てるスペーサと、
を備え、上記スペーサは、該スペーサの一端部に設けられ上記可動弁体に当接支持する弁押圧部と、該スペーサの他端部に形成され上記弁押圧部から所定間隙隔てて上記感温ばねの一端部を支持するばね受け部とを有している。また、上記スペーサの弁押圧部は、上記ばね受け部から突設されかつ可動弁体の内周に沿って所定間隙で設けられた複数の脚部として構成できる。上記脚部の一部は、上記水側ポートに対向するように配置されている。上記脚部は、水側ポートから流出する低温水を周方向へ向きを変えるフィンに形成することもできる。上記フィンの態様として、円周上に配置すると共に、周方向へ等間隔に6〜8枚設けることが好ましい。上記フィンの他の態様として、円周上に配置すると共に、水側ポートから離れるにつれて周方向において長い間隔で配置することが好ましい。
【0009】
また、他の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記水側ポートに対向した部位に設けられかつ該水側ポートから流出する低温水を分流させる分流部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記分流部材の好適な態様は、水側ポートから流出する低温水を周方向へ向きを変えるフィンに形成されている。
【0011】
さらに、他の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記湯側ポートに対向した部位に設けられかつ該湯側ポートから流出する高温水を分流させる分流部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
バイアスばねを支持するバイアスばね受け部材の一態様として、上記分流部材を一体化している。また、上記分流部材の一態様として、湯側ポートから流出する高温水の流れを周方向へ変えるフィンに形成されている。
【0013】
また、別の発明は、
高温水及び低温水をそれぞれ吐出する湯側ポートまたは水側ポートに連通した混合室と、
上記両ポートから吐出される高温水及び/または低温水の流入量を制御し、高温水と低温水との混合比を調節する可動弁体と、
上記混合室で混合された高温水と低温水との混合湯水に晒され、該混合湯水の温度に応じてばね定数が変化する感温ばねと、
該感温ばねの付勢力に比例して上記可動弁体を駆動する駆動手段と、
上記両ポートから上記混合室へ流入する高温水、低温水及び上記感温ばねより上流の混合湯水を上記混合室の周方向へ分散させる分流部材と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
上記駆動手段の一態様は、感温ばねの一端が固定され、他端が可動弁体を付勢する構成を備えている。また、可動弁体を付勢するバイアスばねを備え、このバイアスばねに対する予荷重を調節する予荷重調節機構を備えている。さらに、他の態様として、可動弁体、感温ばね及びバイアスばねを収納する弁室及び混合室を形成するケーシング本体を備え、該ケーシング本体を水側ポートまたは湯側ポートを設けた部材に対して着脱可能に形成されている。また、分流部材は、ケーシング本体の壁面に一体形成されている。
【0015】
可動弁体と感温ばねとの間を隔てるスペーサを備え、該スペーサに上記分流部材を設けている。このスペーサは、ケーシング本体の混合室に面する内壁面に、複数の箇所で摺動可能に当接するガイド部材を備えている。
【0016】
また、別の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートとを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記感温ばねの内側に配置されて、上記ケーシング本体の内側壁との間で感温ばねを収納するばね流路室を形成する筒状の流路形成部材と、
上記湯側ポートからの高温水と水側ポートからの低温水とにより混合された混合湯水を上記ばね流路室に導入するばね室導入路と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
感温ばねに混合湯水を接触させる構成の一態様として、上記可動弁体と感温ばねとの間に介在し高温水と低温水とを混合する位置から感温ばねを所定距離隔てるスペーサを備え、該スペーサに上記流路形成部材及びばね室導入路を形成している。また、上記ばね室導入路の一態様は、絞りを有し、また、スペーサの一端部に形成されかつ上流から下流に向けて末広がり状のガイド部を有している。
【0018】
上記流路形成部材の一態様は、感温ばねの他端部を受けるばね受け部を有する感温ばね受け部材を備え、該感温ばね受け部材に上記流路形成部材を形成している。また、上記ばね流路室の一態様として、混合湯水を撹拌するための流路抵抗部を形成している。上記流路抵抗部の一態様は、流路形成部材のばね流路室側に形成した螺旋状突起や、ケーシング本体の内壁面に形成した螺旋状突起である。
【0019】
さらに、別の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記感温ばねの端部の形状に倣って形成されたばね受け凹所を有する感温ばね受け部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
上記感温ばね受け部材の態様として、感温ばねの螺旋溝を有する分割部材から構成したり、感温ばねの端面を樹脂でインサート成形したり、上記可動弁体と感温ばねとの間に介在し高温水と低温水とを混合する位置から感温ばねを所定距離隔てるスペーサに一体形成したりすることにより実現できる。
【0021】
また、他の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記感温ばねの端部を支持するばね受け部を有する平板材であり、該平板部材の中央に設けた中央支持部にて上記ケーシング本体に対して揺動可能に支持されている感温ばね受け部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
上記感温ばね受け部材の中央支持部の一態様は、突起と、該突起を支持する支持凹所とを備えている。
上記感温ばね受け部材の態様として、硬質樹脂から形成された中央支持部と、弾性部材から形成されたばね受け部とを備えている。
【0023】
さらに、別の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記バイアスばねの端部を支持するばね受け部を有する平板材であり、該平板部材の中央に設けた中央支持部にてケーシング本体側に揺動可能に支持されているバイアスばね受け部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0024】
上記バイアスばね受け部材の中央支持部としては、突起と、該突起を支持する支持凹所とを備えている。上記バイアスばね受け部材の一態様として、硬質樹脂から形成された上記中央支持部と、弾性部材から形成されたばね受け部とを備えている。
【0025】
また、他の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記感温ばねを支持するばね受け部と、該ばね受け部の中央部から突設され可動弁体の中央部を摺動方向へ押圧する弁押圧部とを有する感温ばね受け部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0026】
さらに、他の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記バイアスばねを支持するばね受け部と、該ばね受け部の中央部から突設され可動弁体の中央部を摺動方向へ押圧する弁押圧部とを有するバイアスばね受け部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0027】
別の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記可動弁体内に摺動方向に沿って貫通形成された可動弁体ガイド孔と、
上記ケーシング本体に固定され、上記可動弁体ガイド孔に摺動自在に嵌合して可動弁体を支持するガイド部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0028】
さらに、他の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記ポートの開口部に突設され、可動弁体の外周に接して摺動方向へガイドするガイド突起と、
を備えたことを特徴とする。
【0029】
ガイド突起の一態様は、該可動弁体の着座状態にて可動弁体の外周に沿って形成されたパーティングラインの内側に可動弁体をガイドするように形成されている。
【0030】
さらに、別の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記感温ばねの端部を支持するばね受け部を有し、上記ケーシング本体の摺動孔に挿入されて位置決めされる筒部を有する感温ばね受け部材と、
上記感温ばね受け部材をケーシング本体に固定する固定手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0031】
上記固定手段の一態様は、上記ケーシング本体に形成した凹所と、上記感温ばね受け部材に形成され、かつ上記凹所に係合する係合爪とを備え、また他の態様は、ケーシング本体に形成された切り割と、上記感温ばね受け部材に形成され上記切り溝に一致する位置に形成した切り溝と、上記切り割及び切り溝に係合して感温ばね受け部材を摺動孔から抜止する止め輪と、を備えている。
【0032】
感温ばね受け部材の一態様として、上記ケーシング本体の摺動孔に嵌合されると共に水側ポートを構成しかつ上記可動弁体が着座する水側弁座を有する水側弁座部材に一体的に固定されている。
【0033】
他の発明は、
高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
上記ケーシング本体の開口部に形成されたネジ部と、
上記ケーシング本体のネジ部に螺合するネジ部を有しかつ両ネジ部の螺合により開口端部に装着されると共に上記感温ばねを受けるばね受け部材と、
上記ばね受け部材と感温ばねとの間に介在し、ばね受け部材及び感温ばねに接触する面が摩擦係数の小さい摺動面に形成した摺動部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0034】
他の発明は、
高温水及び低温水をそれぞれ吐出する湯側ポートまたは水側ポートに連通した混合室と、
上記両ポートから吐出される高温水及び/または低温水の流入量を制御し、高温水と低温水との混合比を調節する可動弁体と、
上記混合室で混合された高温水と低温水との混合湯水に晒され、該混合湯水の温度に応じてばね定数が変化する感温ばねと、
該感温ばねの付勢力に比例して上記可動弁体を駆動する駆動手段と、
上記感温ばねの内側に配置されて、上記ケーシング本体の内側壁との間で感温ばねを収納するばね流路室を形成する筒状の流路形成部材と、
上記湯側ポートからの高温水と水側ポートからの低温水とにより混合された混合湯水を上記ばね流路室に導入するばね室導入路と、
を備えたことを特徴とする。
【0035】
本発明の一態様は、可動弁体を感温ばねと反対の方向に付勢するバイアスばねを備え、上記バイアスばねに与える予荷重を調節する予荷重調節機構を備えている。さらに、他の態様として、可動弁体、感温ばね及びバイアスばねを収納する弁室及び混合室を形成するケーシング本体を備え、該ケーシング本体を水側ポートまたは湯側ポートを設けた部材に対して着脱可能に形成されている。また、分流部材は、ケーシング本体の壁面に一体形成されている。また、流路形成部材及びばね室導入流路は、上記ケーシング本体の壁面に一体形成されている。
【0036】
また、他の発明は、
可動弁体をコイル状の感温ばねの伸縮で可動することにより高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
上記感温ばねは、NiとTiを主材料とし、冷却時の変態開始温度(Ms℃)と冷却時間の変態終了温度(Mf℃)との間に、Ms≦70℃、Mf≧10℃であって、Ms−Mf≧15℃の範囲内にばね定数と温度との関係が比例関係を有する合金であり、
r=(d・ST/πnD)・100(%) ...(1)
d:感温ばねの線径
ST:可動弁体のストローク
n:コイル巻数
D:感温ばねの中心径
上式(1)で表わされる感温ばねの取付歪rが0.6〜1.4%の範囲で使用することを特徴とする。上記取付歪rの好ましい態様は、0.6〜1.2%であり、さらに、好ましくは、0.6〜0.8%に設定される。感温ばねに取付歪を与える一態様は、可動弁体を感温ばねとバイアスばねとの間で摺動自在に支持する構成により実現できる。
【0037】
以下の本発明の作用及びその効果について説明する。
本発明に係る湯水混合装置では、ケーシング本体の摺動孔に可動弁体が摺動し、湯側ポートと水側ポートから吐水される高温水と低温水との混合比を変える。可動弁体は、感温ばねに付勢されると共にその反対方向へバイアスばねで付勢されている。感温ばねは、混合湯水の温度に応じてそのばね定数を変化して、バイアスばねのばね力との釣合った位置まで可動弁体を移動するので、目標温度に調節された混合湯水が吐水される。
【0038】
また、可動弁体と感温ばねとの間には、スペーサが介在しており、このスペーサは、高温水と低温水とを混合する位置から感温ばねを所定距離隔てることにより、高温水と低温水とが十分に混合されてからその混合湯水を感温ばねに接触させるようにして、可動弁体の安定した摺動を保障している。
【0039】
スペーサの好適な態様として、一端に弁押圧部、他端にばね受け部を備えることにより、弁押圧部で可動弁体を押圧し、ばね受け部で感温ばねを支持している。また、弁押圧部は、可動弁体の内周に沿って所定間隙で設けた脚部とすることにより、摺動弁体を内周に沿って均一な力で押圧する。さらに、脚部の一部は、水側ポートに対向して配置することにより、該脚部が水側ポートから流出される低温水を分流させて高温水との混合を促進する。
【0040】
脚部の形状として、フィンとすることにより、水側ポートから流出する低温水の流出方向を周方向へ変えて、湯側ポートから流出される高温水が外側から取り囲むような状態を経て混合されるから、低温水と高温水との混合が一層促進される。こうした混合作用をする好適な態様のフィンは、周方向へ等間隔に6〜8枚配置することにより実現できる。
【0041】
また、フィンの他の好適な態様として、水側ポートから離れるにつれて周方向へ長い間隔で配置することにより、水側ポートに近い流速の強いところでは狭い間隔から流入し、水側ポートから遠い流速の弱いところでは広い間隔から流入する。よって、各フィン間からほぼ等しい流量の低温水が流入して、高温水との均一な混合が促進される。
【0042】
水側ポートから流出する低温水を分流させる手段としては、脚部やフィンをスペーサに設ける構成の他に、水側ポートに対向した部位に設けた構成であれば、ケーシング本体等に形成または装着した分流部材やフィンであってもよい。
【0043】
また、脚部、フィンまたは分流部材は、湯側ポートに対向した部位やバイアスばね受け等にも設けてもよく、これにより、湯側ポートから流出する高温水が分流されて低温水に対する混合が一層促進される。
【0044】
また、感温ばねは、可動弁体を通過した高温水と低温水との混合湯水の温度に応じてばね定数が変化する。このばね定数の変化を駆動手段により可動弁体の移動力として変換することで混合湯水の温度が安定する。また、感温ばねは、混合湯水の温度に対して敏感であるので、混合湯水の温度制御の応答性に優れた特性を示す。その反面、感温ばねが十分の混合された混合湯水に晒されなければ、混合湯水の温度制御にサイクリングが発生する。そこで、分流部材を少なくとも感温ばねの上流に配設し、混合室へ流入する高温水や低温水あるいは混合湯水そのものの流れ方向を混合室の周方向へ分散させ、温度のむらのない流れ状態を作り出す。なお、感温ばねを混合湯水の主たる流路中に配置する必要はなく、この場合には、混合湯水の水圧変化に伴う外乱を防止できる。さらに、感温ばねは、可動弁体に対して直接移動力を加える必要がなく、単に温度センサとしての作用を奏してもよい。この場合には、駆動手段が感温ばねの伸縮を受けて可動弁体に直接的に移動力を加えるよう構成する。これにより、線径の細い、安価な感温ばねが利用可能となる。
【0045】
さらに、感温ばねは、温度センサとして使用すると共に、その一端を固定し、他端により可動弁体を付勢することで駆動手段としての作用を同時に奏させることができる。このことにより、構造が簡略化され湯水混合装置の小型化が図れる。また、この場合に特に、可動弁体の移動力は、正確に混合湯水の温度に比例する必要があるから、分流部材は、高温水、低温水あるいは混合直後の混合湯水を十分に撹拌して、好適な効果を果たす。
【0046】
また、可動弁体をバイアスばねにより感温ばねと反対方向へ付勢することにより、可動弁体は、感温ばねとバイアスばねとの力の均衡する位置に移動する。この場合に、可動弁体と感温ばねの距離が短くなるので、分流部材は、感温ばねには十分に混合された混合湯水に晒すのに好適な効果を果たす。なお、感温ばねは、その付勢力を二方向に発生するものに限らず、一方向にのみ発生するものを使用することができる。
【0047】
混合湯水の目標温度の変更は、予荷重調節手段によりバイアスばねに対する予荷重を変えることにより行なう。このように予荷重を大きくすることにより、感温ばねの耐久性が向上すると共に、可動弁体のシール力を強くすることができ、したがって、歪を適宜調節することにより混合湯水の目標温度の変更及び温度調節機能について優れた性能を得ることができる。さらに、分流部材は、混合湯水の温度むらを解消し、感温ばねに局部的あるいは瞬間的な温度変化が発生することを抑えるので、その特性の劣化を防止することができる。
【0048】
また、可動弁体、感温ばね及びバイアスばねをケーシング本体の弁室及び混合室内に収納すると共に、該ケーシング本体を湯側ポート及び水側ポートを設けた部材から着脱可能に構成することにより、感温ばね等の温度調節機能部や分流部材等の部品がユニット化し、組立が簡単になると共に、保守や点検にも優れている。さらに、分流部材をケーシング本体の壁面に一体に形成することにより、部品点数を減らすことができ、分流部材の組立を省略することができる。
【0049】
分流部材と一体に形成されたスペーサは、可動弁体と感温ばねとの間に介在されて、高温水と低温水との混合する位置から感温ばねを所定距離隔てる作用と相俟って高温水と低温水とを十分に混合した均一な温度の混合湯水を感温ばねに晒すことができる。さらに、この場合には、分流部材がスペーサを兼用することにより、部品点数を減らすことができる。
【0050】
また、スペーサに、混合室の内壁面に複数の箇所で摺動可能に接するガイド部材を形成することにより、スペーサの摺動方向を一義的に決定することができ、可動弁体を傾かせることなく、円滑に移動させることができる。
【0051】
さらに、感温ばねの内側に筒状の流路形成部材を配置し、ケーシング本体の内側壁との間でばね流路室を形成し、このばね流路室にばね室導入路を介して混合湯水を流通させることにより、混合湯水がばね流路室で絞られて感温ばねに接触するから、感温ばねが十分に混合された混合湯水で伸縮動作を行なう。上記流路形成部材及びばね室導入通路の好適な態様として、可動弁体と感温ばねとの間にスペーサや、感温ばねの他端部を受ける感温ばね受け部材に一体的に形成することができる。
【0052】
ばね流路室及びばね室導入路の作用を一層促進するために、ばね室導入路に絞りを形成したり、混合湯水を撹拌するための流路抵抗部や螺旋状突起を形成したりすることもできる。また、ばね流路室への混合湯水のスムーズな流入を行わせるために、スペーサの一端部に末広がり状のガイド部を形成してもよい。
【0053】
また、可動弁体は、感温ばねまたはバイアスばねから偏位した荷重を受けて傾いた場合には、シール性を損なって高温水と低温水との混合比が異なってしまい、目標設定温度からのズレを生じる。こうした可動弁体を傾きの防止するために、下記の構成を採っている。
【0054】
感温ばねを受ける感温ばね受け部材は、感温ばねの端部の形状に倣って形成したばね受け凹所を備えることにより、端面を平面に切削していない感温ばねを垂直に起立支持することができる。これにより、感温ばねは、可動弁体に対して偏位した付勢力を加えないから、可動弁体を傾かせず、高いシール性を確保して温度調節精度を高める。こうした感温ばね受け部材の好適な態様として、ばね受け凹所を螺旋溝や螺旋段部で形成するほか、分割部材を組み合わせることでばね受け凹所が形成される構成であってもよく、また、感温ばねの端部を樹脂でインサート成形してもよい。さらに、感温ばねの端部を平面に切削した場合でも、その始端部に僅かな段部が形成されるから、この段部による偏位荷重を避けるために、平面切削した感温ばねの始端部に、ばね受け部材のばね受け凹所を倣った形状にしたものも適用できる。なお、ばね受け部材は、感温ばねの端部を受けるのであれば、ケーシング本体や上記スペーサに取付または一体成形することができる。
【0055】
感温ばねの端部を支持する感温ばね受け部材は、平板材を用いてその中央部に設けた中央支持部にてケーシング本体に対して揺動可能に支持する構成とすることにより、感温ばねの各部で偏位するような荷重が生じたときに、支持突起を介して感温ばねの荷重を均一にするように調整するから、可動弁体に傾かせるような力を加えない。ばね受け部材の中央支持部の好適な態様としては、突起と、該突起を支持する支持凹所とで構成することができる。また、感温ばね受け部材のばね受け部を、弾性部材から形成することにより、強い荷重を受けた部分が他の部分より撓んで荷重を均一にすることもできる。
【0056】
また、感温ばね受け部材と同様な構成は、バイアスばねを支持するバイアスばね受け部材にも適用して、バイアスばねによる均一な荷重を与えることができる。
【0057】
感温ばねを支持するばね受け部の他の好適な態様として、ばね受け部の中央部から弁押圧部を突設し、弁押圧部により、可動弁体の中央部を摺動方向へ押圧する構成を採ることにより、可動弁体は、その中心部に付勢力を受けて偏心した力を受けない。この感温ばね受け部材と同様な構成は、バイアスばねを支持するバイアスばね受け部材に適用して、可動弁体の中心部に付勢力を加えることができる。
【0058】
可動弁体の傾きを防ぐ好適な態様としては、可動弁体の摺動をガイドするガイド手段を採ることができ、例えば、可動弁体内に周同方向に沿った貫通形成された可動弁体ガイド孔を形成し、この可動弁体ガイド孔にガイド部材で嵌合支持する構成でもよい。
【0059】
水側ポートまたは湯側ポートの開口部には、可動弁体の外周に接して摺動方向へガイドするガイド突起を形成することにより、可動弁体の摺動の際の傾きを防止することができる。また、可動弁体が着座するシート面にパーティングラインを位置させたものであっても、ガイド突起が可動弁体をパーティングラインの内側に着座するようにガイドする。よって、可動弁体がパーティングラインに乗り上げて傾くことがない。
【0060】
また、湯水混合装置に感温ばねを組み付ける際に、感温ばねに捩り力を加えると、これが残留応力となって可動弁体を傾かせる要因になる。これを防止するために以下の構成が採られている。すなわち、感温ばね受け部材は、ばね受け部で感温ばねの端部を支持すると共に、筒部がケーシング本体の摺動孔に挿入されて位置決めされ、固定手段を介してケーシング本体に固定される。このとき、感温ばね受け部材は、摺動孔へ挿入するだけであり、感温ばねに捩り力が加えられない。上記固定手段の好適な態様としては、ケーシング本体に形成した凹所に、感温ばね受けに形成した係合爪を係合させる構成や、ケーシング本体に切り割を形成すると共に感温ばね受けに切り溝を形成し、切り割と切り溝とに止め輪を係合して感温ばね受け部材を摺動孔から抜止する構成を採ることができる。上記感温ばね受け部材の筒部は、可動弁体が摺動する摺動孔に挿入されることから、可動弁体が着座する水側弁座を一体的に形成してもよい。
【0061】
また、感温ばね受け部材をケーシング本体の開口部に螺着する構成であっても、以下の構成により、感温ばねに捩り力を加えないで組み付けることができる。すなわち、感温ばね受け部材と感温ばねの端部との間には、感温ばね及びばね受け部材より摩擦係数の小さい摺動部材が介在しており、ばね受け部材をケーシング本体に組み付ける際に、感温ばねに対して滑る。よって、ばね受け部材のケーシング本体への螺着時に、感温ばねに捩り力が加わらない。
【0062】
感温ばねは、可動弁体を通過した高温水と低温水との混合湯水の温度に応じてばね定数が変化する。このばね定数の変化を駆動手段により可動弁体の移動力として変換することができ、混合湯水の温度が安定する。また、感温ばねは、混合湯水の温度に敏感であるので、混合湯水の温度制御の応答性に優れた特性を示す。その反面、可動弁体を通過した高温水と低温水との割合に正確に比例した温度の混合湯水に感温ばねを晒さなければ、混合湯水の温度制御にサイクリングが発生する。流路形成部材及びばね室導入路は、可動弁体を通過したすべての高温水及び低温水とを導入して感温ばねと接するようにし、高温水あるいは低温水の一方が優勢的に感温ばねと接することを防止して、正確な温度制御を実現する。
【0063】
また、可動弁体をバイアスばねにより感温ばねと反対方向へ付勢することにより、可動弁体は、感温ばねとバイアスばねとの力の均衡する位置に移動する。この場合に、可動弁体と感温ばねの距離が短くなるので、ばね室導入路は、感温ばねには十分に混合された混合湯水に晒すのに好適な効果を果たす。なお、感温ばねは、その付勢力を二方向に発生するものに限らず、一方向にのみ発生するものを使用することができる。
【0064】
可動弁体、感温ばね及びバイアスばねをケーシング本体の弁室及び混合室内に収納すると共に、高温水及び低温水を吐出する湯側ポート及び水側ポートを設けた部材から上記ケーシング本体を着脱自在に形成して、感温ばね等の温度調節機能部や流路形成部材及びばね室導入路等の部品をケーシング本体にユニット化することにより、それらの組立が容易となると共に、保守、点検が最適となる。さらに、流路形成部材及びばね室導入路をケーシング本体の壁面に一体に形成することにより、部品点数を減らすことができ、流路形成部材及びばね室導入路の組立を省略することができる。
【0065】
感温ばねは、温度に応じてばね定数を変えて、目標設定温度で混合湯水を吐水するのに適した材料であることが必要であるが、こうした特性を有する材料として、NiTi合金からなる形状記憶合金を用いると共に、10〜70℃の温度範囲のうち、15℃以上の温度範囲において、ばね定数と温度とが比例関係を有しているものを用いて、温度制御特性を高めている。
【0066】
さらに、感温ばねは、取付歪rを0.6〜1.4%の範囲で使用している。これは、取付歪rを0.6%以上となるように設定した発生荷重を大きくすることにより、水圧などの変動に対して可動弁体の摺動を安定にし、一方、取付歪rが1.4%以下に設定することにより、ヒステリシスを小さくして、耐久性を向上させている。なお、耐久性を向上させるには、発生荷重の低下を考慮して、取付歪rの上限値を下げればよく、好ましくは、1.2%以下、さらに好ましくは0.8%以下である。また、こうした取付歪を発生させるには、感温ばねを可動弁体を介してバイアスばねにより付勢することにより実現できる。
【0067】
【発明の実施の形態】
【0068】
図1は本発明の一実施例に係る湯水混合弁を示す断面図である。
同図において、湯水混合装置10は、外側ケーシング20と、この外側ケーシング20内に収納された内側ケーシング30と、外側ケーシング20の端部に取り付けられたキャップ40と、内側ケーシング30内に収納されたケーシング本体50と、を備えている。
【0069】
ケーシング本体50は、後述する弁機構などを収納する室を備えており、つまり、図示の左側から順に、湯水混合室80、湯流入室90、スライド室96を備えている。
【0070】
湯水混合室80には、Oリングでシールされた水側弁座部材70が嵌合されている。水側弁座部材70には、水側ポート106を有する水側弁座108が形成されている。上記水側ポート106は、外側ケーシング20と内側ケーシング30との間に形成された水導入通路102に接続されている。一方、ケーシング本体50には、図示しない給湯機に接続された湯流路114が形成されると共に、この湯流路114に接続される湯側ポート116を有する湯側弁座118が形成されている。
【0071】
湯流入室90には、上記水側弁座108および湯側弁座118に着脱または離反する可動弁体160が摺動自在に嵌合されている。この可動弁体160は、湯水混合室80内に収納された感温ばね130のばね力を受けると共に、バイアスばね150によるばね力を受け、これらのばね力の釣合いにより、その位置が定まる。
【0072】
感温ばね130は、水側弁座部材70に支持されたばね受け部材180とスペーサ190との間に架設されている。この感温ばね130は、温度に応じてばね定数が変化する金属によって形成されており、バイアスばね150は、温度に関して一定のばね定数を有する通常のばね材料によって形成されている。
【0073】
予荷重調節機構200は、バイアスばね150の予荷重を調節することにより、混合湯水の目標温度を変更するものであり、キャップ40を回転することにより、スライド機構250を介してばね受け部材210が進退し、これによりバイアスばね150の予荷重が増減する。予荷重の増減により、バイアスばね150のばね力と感温ばね130のばね力とが釣り合う位置まで可動弁体160が変位して、目標温度が変更される。
【0074】
次に、上記湯水混合装置10の湯水の温度調節動作について説明する。
いま、給湯機からの給湯温度、水道水温度または流量などの条件が定常状態にあり、混合湯水が目標温度で吐水しているときには、可動弁体160は、湯水混合室80内の混合湯水により感温ばね130に発生する力と、バイアスばね150のばね力との釣合により位置が決定されて静止している。この状態から、給湯機からの給湯温度、水道水温または流量などの条件が外乱により変動すると、この変動に応じて湯水混合室80内の混合湯水温度が目標温度からずれて温度偏差を生じる。感温ばね130は、この温度変化に応じてばね定数を変化させ、その結果、感温ばね130のばね力が変化する。このとき、混合湯水温度が目標温度より高い場合には、感温ばね130のばね力が増大し、バイアスばね150の予荷重を増加させながら可動弁体160を図1の右方向へ変位させるので、湯の割合が減少し、混合湯水温度が低下する。
【0075】
一方、混合湯水温度が目標温度より低い場合には、感温ばね130のばね力が減少し、バイアスばね150の作用により可動弁体160が図1の左方向へ変位するのを許容するので、湯の割合が増加すると同時に水の割合が減少し、混合湯水温度が上昇する。こうした感温ばね130の作用により混合湯水温度は、目標温度に向かうよう調節される。
【0076】
こうした構成の湯水混合装置10において、その目標温度を変更するには、予荷重調節機構200の一部を構成するキャップ40を所定方向へ回転することにより行なう。すなわち、キャップ40を所定方向へ回転すると、スライド機構250を介してばね受け部材210が図1の左方向へ移動してバイアスばね150が圧縮変位し、バイアスばね150による可動弁体160に対する予荷重が増大する。一方、キャップ40を反対方向へ回転すると、スライド機構250を介して図1の右方向へ移動してバイアスばね150が伸張変位し、バイアスばね150による可動弁体160に対する予荷重が減少する。
【0077】
このようなバイアスばね150の予荷重の増加により、可動弁体160は、湯側弁座118の流路を広げると同時に水側弁座108の流路を狭める位置で釣合うよう調節されて、湯量の増加と水の減少による湯水混合比を変更することにより、混合湯水の吐水温度が高くなり、逆に、予荷重の減少により、可動弁体160は、湯側弁座118の流路を狭めると同時に水側弁座108の流路を広げる位置で釣合うように調節されて、混合湯水の吐水温度が低くなる。
【0078】
本実施例における湯水混合装置10は、バイアスばね150により与えられる予荷重が可動弁体160に直接伝達されて該可動弁体160を可動させ、また、感温ばね130の温度に伴う変位も可動弁体160に直接伝えられて、可動弁体160を可動させている。したがって、感温ばね130の材料量を減らしてそのばね定数の小さいものを用いても、可動弁体160を可動させるための摩擦損失などが少ないから可動弁体160をスムーズに可動させることができる。
【0079】
次に湯水混合装置10の各部の構成およびその動作についてさらに詳細に説明する。
【0080】
まず、感温ばね130について説明する。感温ばね130の金属材料としては、NiTi合金からなる形状記憶合金(SMA)の範疇に属する合金を用いることができる。この種のSMAは、温度に応じて弾性係数が変化し、その結果、SMAからなる感温ばね130のばね定数が温度に応じて変化する。すなわち、湯水混合装置10に用いる際に感温ばね130の特性として、使用温度範囲内、例えば、10〜70℃の範囲内にて、目標設定温度との温度差に比例してばね荷重と歪とが比例する特性を有し、その特性に対応して高温水の流入量と低温水の流入量を制御する必要がある。
【0081】
ここで、NiTi合金は、冷却時の変態開始温度(以下、Msという)と変態終了温度(以下、Mfという)、及び加熱時の逆変態開始温度(以下、Asという)と逆変態終了温度(以下、Afという)で表わされる母相とマルテンサイト相の熱弾性型マルテンサイト変態を有する合金である。
【0082】
NiTi合金は、Ms以下の所望の温度(低温)で変形歪を与えた後、その合金をAf以上の温度域で加熱すると逆変態が起こり、変形歪を与える前の形状に回復するという形状記憶効果を発揮する。このとき、NiTi合金は、Mf以下の低温域では軟質なマルテンサイト相であり、加熱により逆変態を行なうとAf以上では硬質で機械的強度も高い母相に回復する。そして、この現象は可逆的である。
【0083】
こうした特性を有するNiTi合金は、湯水混合装置10のように10〜70℃の温度域内において設定温度で作動させることを考慮した場合に、Ms−Mf値が狭い温度範囲で急激な変態を行なうのでなく、上記温度域内の所定温度範囲、少なくとも15℃以上の温度域においてリニアな荷重−温度特性を有することが求められる。
【0084】
上記NiTi合金及びそれを用いた感温ばね130は、以下の工程により製造することができる。
NiTi合金におけるNi濃度は、55.0〜56.0重量%に調製する。すなわち、Ni濃度が55.0重量%より少なくなると、Ms値は、70℃より高い温度になり、また、Ni濃度が56.0重量%より多くなると、Mf値は、10℃より低い温度になり、いずれの場合も、吐水温度を10〜70℃の範囲内で制御しようとする湯水混合装置10の感温ばね130としては適切でないからである。
【0085】
また、NiTi合金としては、その主成分であるNiまたは/及びTiの一部が、Co,Fe,V,Cr,Mn,Alの1種または2種以上の金属で置換されてもよい。これらの金属は、いずれも、MsやMf、またはAfやAsを高温側または低温側へシフトさせる働きをする。これらの金属の置換量が少なすぎると、Ni濃度が55.0重量%近傍においては、Ms値が70℃を越えるようになり、また多すぎると、Ni濃度が56.0重量%近傍においては、Mf値が10℃を下回るようになるので、置換量は0.05〜2.0重量%の範囲内に設定される。
【0086】
上述したNiTiを主成分とし、Co等から選ばれた金属で一部を置換したNiTi合金を調製し、インゴットを製造する。その後、インゴットを所望径の線材となるように冷間で伸線した後、その線材に冷間加工を施してコイルばねに成形する。このときの減面率は30%以上に設定される。減面率が30%より小さい場合には、最終的に得られる感温ばね130がへたるようになり、また、Ms−Mf値も15℃以上にならない。
【0087】
ついで、コイルばねに形状記憶処理が施される。具体的には、このコイルばねを400〜480℃の温度域で加熱して、コイル形状を記憶させる。この処理温度域としたのは、以下の理由による。処理温度域は、感温ばね130を作動させるときの設定温度との関係で決められるが、感温ばね130が上記した組成のNiTi合金からなる場合、処理温度を400℃より低くすると、Msは70℃より高い温度になり、また、処理温度を480℃より高くすると、Mfは10℃より低い温度になるからである。
【0088】
また、冷間加工を20%以上で行なった場合には、450〜480℃の温度域で形状記憶処理を行ない、さらに、400℃程度の時効処理を行なってもよい。
【0089】
次に、感温ばね130の具体的な製造工程について説明する。
まず、真空高周波誘導炉による溶解、真空アーク炉による再溶解をこの順序で行なって、Ni:55.2重量%、残部:Tiからなる組成の第1合金A、及びNi:55.8重量%、残部:Tiからなる組成の第2合金Bを溶製した。
次に、第1及び第2合金A,Bに、熱間鍛造、熱間圧延を順次施して線径5.0mmの線材にした。これらの線材を室温下において伸線して、一旦、線径3.3mmの線材にした後、温度750℃で焼鈍し、次いで、室温下において伸線して線径2.5mmとした。この冷間伸線時における減面率は42.6%である。
【0090】
次いで、これらの線材をコイル成形して、コイル径12.5mm、有効巻数4回、自由長22.0mmのコイルばねとした後、各種の温度で形状記憶処理を行ない、Ms、Mfを測定した。その結果を図2に示す。
図中、−○−印、−●−は、第1合金Aの感温ばね130のMs、Mfをそれぞれ表わし、−◇−印、−◆−印は、第2合金Bの感温ばね130のMs、Mfをそれぞれ表わす。
図2から明らかなように、感温ばね130を構成する合金のMs値、Mf値、及びMs−Mf値は、その合金の組成と形状記憶処理時の適用温度によって変化する。
【0091】
すなわち、Ni濃度の上昇、処理温度の高温化につれて、Ms値、Mf値は低くなっていく。したがって、10〜70℃の温度域のすべてを1種類の感温ばね130で温度制御することはできず、目的とする設定温度との関係で、感温ばね130の組成と処理温度が選定されることになる。
例えば、湯水混合装置10における目標設定温度を45℃として制御する場合には、感温ばね130として、第1合金Aからなり、形状記憶処理温度が460℃であるものを使用すればよいことが図2から読み取れる。また、吐水温度を20〜40℃の温度域で制御する場合には、第2合金Bを使用すればよいことになる。
【0092】
次に、可動弁体160の構成について説明する。
図3において、可動弁体160は、筒状部162と、この筒状部162の両端部に設けられた水側着座部164および湯側着座部166と、筒状部162の内周部に形成されかつ流路部172を有する環状係止部168と、を備えている。上記環状係止部168は、その端部でバイアスばね150を支持し、また他端部で感温ばね130を受けるスペーサ190を支持している。
【0093】
可動弁体160は、感温ばね130とバイアスばね150との釣合で可動して、その水側着座部164が水側弁座108に着座したときには(図示の状態)、給湯機の高温水だけが吐水され、一方、湯側着座部166が湯側弁座118に着座したときには、水道水(低温水)だけが吐水され、両着座部164,166のいずれも着座していないときには、その水側ポート106と湯側ポート116の流路開口に応じた量の低温水または高温水が吐水されて湯水混合室80にて混合される。
【0094】
また、可動弁体160を可動させる感温ばね130は、バイアスばね150により予荷重を与えられた歪状態で伸縮され、可動弁体160を所定範囲のストロークSTで摺動させる。図4は感温ばね130の荷重と歪との関係を示し、実線が感温ばね130の各温度に対する歪特性、一点鎖線が本実施例に係るバイアスばね150による荷重特性、破線が従来のバイアスばねによる荷重特性である。図4から明かなように、従来では、ばね定数の小さいバイアスばねを用いて感温ばね130を歪の小さい範囲で可動させて、大きなストロークSTAを確保しているが、本実施例では、ばね定数の大きなバイアスばね150を用いて感温ばね130を常時歪状態にて短いストロークSTにて伸縮させる。すなわち、感温ばね130の歪rは、次式(1)で与えられるが、その範囲を0.6%から1.4%の範囲で利用して、可動弁体160の駆動を安定化させると共に、感温ばね130のヒステリシスに伴う劣化を防止する。
r=(d・ST/πnD)・100(%) ...(1)
d:感温ばね130の線径
ST:ストローク(たわみ量)
n:コイル巻数
D:感温ばね130の中心径
【0095】
すなわち、感温ばね130の歪rが0.6%以下であると、発生荷重が小さいから、水圧などの僅かな変動で可動弁体160が移動して、温度調節性能が不安定になる。よって、感温ばね130の歪は、0.6%以上であることが好ましく、特に好ましくは、0.7%以上である。
【0096】
一方、感温ばね130の歪rが1.4%以上であると、ヒステリシスに影響を与える。すなわち、図5に示すように、感温ばね130の温度と荷重との関係で表わされるように、ヒステリシス特性は、歪rが大きくなるとその面積を増大して感温ばね130の温度調節性能が低下する。つまり、歪rが大きいと時間の経過にしたがって実線から破線のヒステリシス特性へと移行していき、初期の特性を示さなくなり、経年変化する。
【0097】
次に、感温ばね130の耐久試験について説明する。
感温ばね130は、最大歪の状態で冷却されたときに劣化が進む。これは、湯水混合装置10に取り付けられた感温ばね130が最大歪rとなる高温設定状態において急冷された場合である。こうした状態は、冬期の高温設定時に止水されて、感温ばね130に晒されている混合湯水が冷却された場合を想定している。
【0098】
こうした場合を想定した耐久試験として、以下の実験を行なった。感温ばね130を最大歪rに圧縮した状態にて、10℃の低温水と80℃の高温水とを30秒毎に交互に流して、感温ばね130の減少荷重を測定した。感温ばね130として、2種類の線径φ2.2mm、2.5mmで、4種類の巻数3、4.5、6、8について行なった。その結果を図6に示す。
【0099】
図6は感温ばね130の減少荷重と熱冷サイクルとの関係を示すグラフである。ここで、横軸は、1万回の熱冷サイクルを1年の使用回数とした仮想年数を示し、縦軸の感温ばね130の減少荷重は、湯水混合装置10における目標設定温度からのズレを意味する。目標設定温度からのズレが1℃では、人はその変化をほとんど感じることがなく、2℃以上でその変化を僅かに感じる。よって、少なくとも2℃以内の温度変化に抑える必要がある。
【0100】
したがって、耐用年数が5年で2℃以下の温度の性能を得るためには、歪rが1.4%以下であり、耐用年数が10年で2℃以下の温度性能を得るためには、歪rが1.2%以下である。1℃以下の温度性能で10年以上の耐久性を得るには、歪rが0.8%以下であることが分かる。
【0101】
また、上式(1)から歪rを0.6%〜1.2%の範囲に収めるためには、ストロークST、感温ばね130の線径d、コイル巻数nおよび感温ばね130の中心径Dを考慮する必要がある。
このうち、ストロークSTは、混合湯水の吐水容量などを確保するために、可動弁体160の直径などを考慮して定められるが、0.2mm〜1.5mmに設定する。
【0102】
また、上式(1)から明かなように、コイル巻数nおよび感温ばね130の中心径Dを大きくすると、ストロークSTが大きくなるが、歪rが小さくなり、ばね定数の大きな感温ばね130とならない。この性質を有する感温ばね130は、不安定な温度制御となる。一方、感温ばね130の線径dを大きくすると、歪rが大きくなるが、形状記憶合金の材料が多くなり、コストアップになる。よって、これらの要素を考慮して、感温ばね130の仕様が定められる。
【0103】
また、感温ばね130の中心径Dは、可動弁体160の直径とほぼ等しいことが好ましい。これは、感温ばね130の荷重が可動弁体160に伝えられる際に、可動弁体160に偏心した力が加えられないから、可動弁体160が傾くことなく、水や湯の漏れがなく、目標温度への制御特性が向上する。
【0104】
なお、バイアスばね150は、感温ばね130に予荷重を与えて、感温ばね130の歪を0.6%〜1.2%に設定するのに、ばね定数で0.5kgf/mm〜1.5kgf/mmの範囲に設定する。
【0105】
また、図7に示すように、可動弁体160の流路部172の流路面積S2および感温ばね130内の流路面積S3は、水側ポート106と湯側ポート116とから流出するポート開口面積S1との関係では、以下に規定することが好ましい。
S1≦S2≦S3 ...(2)
ここで、説明を簡単にするために、水側ポート106および湯側ポート116が環状に形成されているとすると、ポート開口面積S1は次式(3)である。
S1=V1・π・ST ...(3)
V1:水側弁座108および湯側弁座118の内径
ST:ストローク
また、流路部172の流路面積S2は、次式(4)である。
S2=(D2)π/4 ...(4)
D3:流路部172の流路径
さらに、感温ばね130の流路面積S3は、次式(5)である。
S3=(D3)π/4 ...(5)
D3:感温ばね130の内径
このように、規定されるのは以下の理由による。可動弁体160の移動により水側ポート106および湯側ポート116から水と湯とが流出して、湯水混合室80で混合されて、可動弁体160の流路部172を経て、湯水混合室80の感温ばね130内を流れる。このとき、ポート開口面積S1が可動弁体160の流路部172の流路面積S2および感温ばね130内の流路面積S3より大きいと、混合湯水の圧力損失が生じて、これが感温ばね130に加わる。このような圧力損失は、感温ばね130の変位に対する外乱となる。したがって、上式(2)のように、ポート開口面積S1より、流路部172の流路面積S2および感温ばね130の流路面積S3を大きくとることが望ましい。
【0106】
また、上式(1)の関係から、感温ばね130の歪を低減する場合には、図8に示す感温ばね130の外径D4は、2乗で掛かるので好ましいが、以下に説明する可動弁体160の内径V1との関係で、次式(6)に規制される。
V1>D4 ...(6)
D4:感温ばね130の外径
【0107】
すなわち、可動弁体160が水側弁座108または湯側弁座118に着座して、湯または水だけの吐水の場合に高いシール性を有するには、水側弁座108および湯側弁座118(図7参照)に高い面精度を必要とし、また、感温ばね130と一体になってスペーサ190を摺動させる水側弁座部材70の内壁面71にも高い面精度を必要とする。こうした面精度を検査するには、図8に示すゲージGを用いる必要がある。ところが、例えば、図9のように外径D4Aを大きくすると、開口部Kでゲージの挿入を妨げられて上記ゲージGで検査することができない。したがって、感温ばね130の外径D4は、内壁面71をゲージGを用いて容易に測定できる内径V1以下に規制することが望ましい。
【0108】
次に、図10に示すように、可動弁体160の幅Wについて説明する。
図10に示すように、可動弁体160の水側着座部164および湯側着座部166の幅Wは、可動弁体160のストロークST(ST1+ST2)との関係で、1/3ST≦W≦3STの条件を満たすことが好ましい。ここで、ストロークSTは、感温ばね130の材料量および上述した歪などの条件で優先的に定まるから、幅Wは、ストロークSTに対しての設定条件が問題となる。
【0109】
このように幅Wの値が決まるのは、幅Wが1/3ST未満であると、水側着座部164と水側弁座108との間、および湯側着座部166と湯側弁座118との間が短いストロークSTで急激に減圧する絞りとして作用するから、可動弁体160の内側部位161付近の液圧が急激に減圧する。こうした急激な減圧は、キャビテーション、つまり、可動弁体160の内側部位161付近において減圧に伴う気泡を発生し、気泡の発生に伴う耳障りな高周波音を生じたり、可動弁体160の内側の腐食の原因にもなる。したがって、キャビテーションを防止するためには、幅Wは、1/3ST以上であることが望ましい。一方、幅Wが3STを越えると、受圧面積が増大して感温ばね130に加わる力が大きくなる。感温ばね130は、ばね定数が通常のばねと比べて大きくないので、受圧面積が大きくなると、所定のストロークSTを確保できなくなる。したがって、少ない形状記憶合金の材料で感温ばね130を所定のストロークSTを確保するには、幅Wは、3ST以下であることが好ましい。
【0110】
なお、可動弁体160の受圧面積が大きいと、可動弁体160は、水圧の変動の影響を受け易く、その動きが不安定になる。特に、給湯機から湯水混合装置10を介して多数の給湯点に給水する場合には、圧力の変動が大きい。この場合に、湯水混合装置10の上流側に定圧弁を設けて湯水混合装置10に供給される圧力を調節してもよいが、上記可動弁体160の幅Wを上記範囲に設定することにより、定圧弁を設けることなく、可動弁体160は、多少の外乱に対しても安定して可動させることができる。
【0111】
また、可動弁体160は、ゴム、エラストマーまたは樹脂から形成する。これは、可動弁体160が水側弁座108または湯側弁座118に着座したときに水側着座部164または湯側着座部166が僅かに変形してシールするから、可動弁体160は高いシール性を有して開閉動作を行なうことができる。なお、水側弁座部材70は、ゴム、エラストマーまたは樹脂から形成することにより、さらに高いシール性を有する。
【0112】
次に、可動弁体160と感温ばね130との間に介在しているスペーサ190について説明する。
図3および図11に示すように、スペーサ190は、感温ばね130の右支持端部134を受けるばね受け部192と、このばね受け部192から複数本平行に突設された脚部194とを備え、脚部194間が水側ポート106からの水を流通させる脚間流路196に、ばね受け部192の中央部が貫通流路198にそれぞれ形成されている。
【0113】
このようにスペーサ190が可動弁体160と感温ばね130との間に所定の距離を確保しているのは、以下の理由による。
可動弁体160の摺動により湯水の混合比を変更するが、水側ポート106からスペーサ190の脚間流路196を通った水と、湯側ポート116からの湯とが混合されて、スペーサ190の貫通流路198を通って、感温ばね130側に流れる。すなわち、スペーサ190は、高温水と低温水とが混合されるまでの距離を確保して、十分に混合されてから感温ばね130に接触するように作用する。
【0114】
また、スペーサ190の脚部194は、水側ポート106からの低温水が当たると、その流速を弱めると共にその流れを周方向へ変えて、それぞれの脚間流路196から低温水を均一に湯水混合室80内へ流入させる。湯水混合室80には、湯側ポート116から流入した高温水が流れているが、その高温水は、低温水で外側から均一に取り囲むような状態を経て混合される。したがって、感温ばね130は、スペーサ190による混合湯水の混合されるまでの距離を隔てている作用と相まって、ほぼ均一に混合された混合湯水に晒されてその荷重を変える。よって、感温ばね130は、均一な伸縮を行なって可動弁体160を傾かせるような摺動力を可動弁体160に加えない。
【0115】
このようなスペーサ190の混合の促進による効果は、以下の実験により調べた。すなわち、スペーサ190として、長さ9.5mmのものを用いて、混合湯水の吐水量を10リットル、目標設定温度を40℃に設定すると共に、低温水の温度を15℃、高温水の温度を60℃に設定した。
そして、この条件にて、低温水の供給圧を2kgfで一定にし、高温水の供給圧を0.5kgfから7.5kgfの範囲で変えた場合と、高温水の供給圧を0.5kgfで一定にし、低温水の供給圧を0.5kgfから7.5kgfの範囲で変えた場合とについて、それぞれの供給圧の変動に伴う混合湯水の吐水温度について調べた。そして、吐水温度の目標設定温度からのズレにより評価した。
【0116】
その結果を図12に示す。図12は縦軸に混合湯水の吐水温度、横軸に低温水又は高温水の供給圧を示す。
実線及び破線EH,ECは本実施例を示し、そのうち破線EHは低温水の供給圧が一定で高温水の供給圧を変動させた場合、実線ECが高温水の供給圧が一定で低温水の供給圧を変動させた場合を示す。また、1点鎖線及び2点鎖線PH,PCはスペーサがない比較例を示し、そのうち2点鎖線PHは低温水の供給圧が一定で高温水の供給圧を変動させた場合、1点鎖線PCは高温水の供給圧が一定で低温水の供給圧を変動させた場合をそれぞれ示す。
【0117】
実線及び破線EH,ECに示すように、スペーサ190を用いると、1点鎖線及び2点鎖線PC,PHのスペーサがない場合と比較して、高温水または低温水の供給圧の変動に対して、目標設定温度からのズレが小さく、温度制御特性が安定していることが分かった。
なお、スペーサ190により感温ばね130と可動弁体160との間に確保される距離は、短い方では上述した混合作用が十分に確保される距離と、長い方では応答の遅れに伴うハンチングを生じない距離とを考慮して、湯水混合装置10の大きさに応じて適宜設定する。例えば、5mm〜10mmである。
【0118】
なお、上記実施例では、スペーサ190は、可動弁体160と別体に形成したが、これに限らず、一体に形成してもよい。この場合には、部品点数を減少させることができる。
次に、図3に示す感温ばね130の左支持端部132を支持するばね受け部材180について説明する。ばね受け部材180は、水側弁座部材70のフランジ部74に感温ばね130を位置決めして取り付けられている。図13に示すように、このばね受け部材180の底面部182には、感温ばね130の左支持端部132に倣った形状の螺旋段部186が形成されている。
【0119】
この螺旋段部186は、端面処理がされていない感温ばね130の左支持端部132を位置決めして感温ばね130を底面部182に対して垂直に起立保持する。このように垂直に保持された感温ばね130は、可動弁体160に対して軸方向と同じ方向へばね力を加え、可動弁体160を傾かせることなく摺動させることになる。よって、可動弁体160は、高いシール性を確保して高温水または低温水の漏れを生じない。
【0120】
また、通常のばねでは端面を平面にする研削処理をしているが、本実施例に係る感温ばね130は、左支持端部132に研削処理等の端面処理をしていないから、端面処理に伴う熱的な歪や変形を生じることがない。よって、感温ばね130は、研削に伴う残留歪等がなく、所望の記憶特性に調整するための熱処理が不要となり、コストダウンを図ることができる。
【0121】
上記実施例では、図13に示すように、ばね受け部材180として、螺旋段部186により感温ばね130の左支持端部132を支持する構成を示したが、これに限らず、左支持端部132の端面処理を施さずに、感温ばね130を起立支持できる構成であれば、図14ないし図16の構成であってもよい。
【0122】
図14において、ばね受け部材180Bは、感温ばね130の左支持端部132に倣った螺旋溝186Bを構えている。この螺旋溝186Bに感温ばね130の左支持端部132が嵌入されて、感温ばね130が起立状態で支持される。
【0123】
図15において、ばね受け部材180Cは、感温ばね130の左支持端部132を樹脂射出でインサート成形した樹脂体181Cを備えている。この構成では、ばね受け部材180Cで感温ばね130が一体的に支持されるので、感温ばね130の左支持端部132の端面処理がなくても、感温ばね130の取付作業による荷重のばらつきをなくすことができる。
【0124】
図16において、ばね受け部材180Dは、ピン188を設けた半割部材181aと、ピン188に嵌入させるピン穴189を設けた半割部材181bとにより分割形成されており、両半割部材181a,181bを組み合わせたときに、感温ばね130を嵌入支持する螺旋溝186Dが形成されており、この螺旋溝186Dに挿入されることで感温ばね130が起立状態で支持される。
【0125】
図13ないし図16の実施例では、感温ばね130の左支持端部132を切削処理しないで、感温ばね130の左支持端部132に倣った形状の螺旋段部186で感温ばね130を支持する構成であるが、これに限らず、図17に示すように、感温ばね130の左支持端部132を平面切削した場合にも、ばね受け部180a側に、感温ばね130の左支持端部132に倣った形状のばね端倣い凹所186Eを形成してもよい。感温ばね130の端面は、平面に研磨しても、始端部132aとの部分に継ぎ目ができるが、このばね端倣い凹所186Eにより、この継ぎ目部分と他の部分との間に生じる不均一な荷重をなくして、可動弁体160を傾かせるのを防止することができる。
【0126】
次に、図2および図10に示すばね受け部材180から突設した内筒部184について説明する。
この内筒部184は、感温ばね130の内側に貫挿しており、感温ばね130が湯流入室90から流出した混合湯水に接触するのを遅らせる。
感温ばね130は、混合湯水に接触すると直ちに変位する優れた応答性を有するが、この応答性が高すぎると、吐水温度・吐水流量が周期的に変化するサイクリング現象を生じやすい。こうしたサイクリング現象は、可動弁体160の形状や流量などの関係で共振現象により生じるが、感温ばね130の時定数を変更することによっても調節可能である。ここで、図18に示すように、時定数τは、感温ばね130の変位に対する立ち上がり特性である。つまり、感温ばね130の特性を維持したまま、内筒部184により混合湯水に接触したときの時定数τを調節することによりサイクリング現象を解消することができる。
【0127】
なお、ばね受け部材180を樹脂で形成した場合には、金属に比べて断熱性が高いから、内筒部184の高さを適宜設計変更することにより、時定数のより広範囲の設定が可能になる。
【0128】
次にケーシング本体50に嵌合される水側弁座部材70について説明する。
図19に示すように、水側弁座部材70の外周部には、周方向へ90゜毎に係合爪72が形成されており、一方、ケーシング本体50には、上記係合爪72に係合する爪係合切欠き56が形成されている。
こうした構成を有する水側弁座部材70をケーシング本体50に組み付けるには、まず、図3に示す水側弁座部材70のフランジ部74の内側に、ばね受け部材180を保持し、そのばね受け部材180の底面部182に感温ばね130を保持し、さらに感温ばね130の右支持端部134上にスペーサ190のばね受け部192を位置決め固定する。
こうしてユニット化した水側弁座部材70などを、ケーシング本体50の湯水混合室80に挿入すると、水側弁座部材70の外周部に形成された係合爪72は、ケーシング本体50の爪係合切欠き56に係合して固定される。
【0129】
このように、水側弁座部材70をケーシング本体50の湯水混合室90内に嵌合位置決めするのに、係合爪72が爪係合切欠き56に係合されることにより行なっている。したがって、水側弁座部材70は、ケーシング本体50に対して回転しながら取り付けられないから、感温ばね130に対して捩り力が加わらない。よって、感温ばね130は、捩りを加えた状態で伸縮しないから、その歪が小さくなって、図5に示すヒステリシスが小さく、精度の高い混合湯水の吐水温度の調節が行なえると共に、耐久性に優れている。
【0130】
なお、上記実施例では、水側弁座部材70の組付構造として、係合爪72をケーシング本体50側の爪係合切欠き56に係合させる構成を説明したが、水側弁座部材70をケーシング本体50に回転させないで貫挿でき、かつ位置決めできる構成であればよく、例えば、図20に示す構成であってもよい。
【0131】
図20において、ケーシング本体50側には、切り割58を形成し、一方、水側弁座部材70側には、切り溝(図示省略)が形成されている。切り割58および切り溝との位置関係は、ケーシング本体50の湯水混合室80内に水側弁座部材70を貫挿したときに互いに一致するように形成されている。この構成により、ケーシング本体50の湯水混合室80に水側弁座部材70を挿入し、切り割58から切り溝にわたるように止め輪76で挟持すると、水側弁座部材70がケーシング本体50に対して位置決め固定される。
【0132】
次に、予荷重調節機構200について説明する。
図21に示すように、予荷重調節機構200は、バイアスばね150の右支持端部154を支持するばね受け部材210と、ばね受け部材210を軸方向へ移動するためのスライド機構250とを備えている。
スライド機構250は、キャップ40の取付凹所42にラッチ機構やクリック機構を介して固定された支持体252と、この支持体252にネジ256を介して固定されかつ他端外周部に雄ネジ部262を設けた回転体260と、を備えている。ばね受け部材210は、本体部212と、本体部212と一体形成されかつ上記雄ネジ部262に螺合する雌ネジ部217を有する外周支持部214とを備え、本体部212と外周支持部214との間にバイアスばね150を支持するばね受け部216を設け、さらに、外周支持部214の外周部とケーシング本体50との間でスプライン218を形成している。
こうした予荷重調節機構200の構成により、混合湯水の目標温度を変更するには、キャップ40の外周部に設けた設置温度表示に指標として、キャップ40を所定方向へ回転する。このキャップ40の回転により、支持体252、ネジ256および回転体260がキャップ40と一体になって回転する。これにより、回転体260の外周部の雄ネジ部262がばね受け部材210の雌ネジ部217と螺合しているから、ばね受け部材210には回転駆動力が伝達されるが、ばね受け部材210は、スプライン218により回転が規制されているので、軸方向へ移動する。ばね受け部材210の軸方向への移動により、そのばね受け部216がバイアスばね150を変位させる。バイアスばね150の変位により、可動弁体160を移動させ、感温ばね130との釣合位置まで感温ばね130が変位して、目標温度が変更される。
【0133】
こうした予荷重調節機構200の動作では、バイアスばね150は、その予荷重がばね受け部材210の付勢方向と同じ方向への進退力を受けて、捩り力を受けない。したがって、感温ばね130は、ばね定数が小さくても可動弁体160を傾かせるような力がバイアスばね150を介して加えられない。その結果、可動弁体160は、感温ばね130およびバイアスばね150による支持力が弱くても、安定した摺動動作が行うことができる。
【0134】
次に、予荷重調節機構200Aの他の実施例について図22を用いて説明する。
上記予荷重調節機構200Aは、図21の予荷重調節機構200に対して、バイアスばね150および第1ばね受け部材220および第2ばね受け部材230の構成が異なっている。
【0135】
すなわち、可動弁体160へ予荷重を加えるバイアスばね150は、バイアスばね150Aと、バイアスばね150Aよりばね長を短く形成したバイアスばね150Bとからなっており、これらは同心上でかつ並列に設けられている。
また、第1ばね受け部材220は、本体部222と、傘状の中央頂部226と一体形成しており、本体部222の根元部にバイアスばね150を受けるばね受け部224が形成されている。また、第1ばね受け部材220の本体部222には、湯流路229が形成され、中央頂部226には、透孔228が形成されている。
【0136】
一方、第2ばね受け部材230は、笠状支持部232と、外周支持部234とを一体形成しており、笠状支持部232と外周支持部234との間にバイアスばね150を受けるばね受け部236を有している。上記外周支持部234の内周部には、上記雌ネジ部247が形成され、その外周部には、スプライン248が形成されており、軸方向へ摺動可能になっている。また、笠状支持部232には、透孔238が形成されている。
また、第1ばね受け部材220と第2ばね受け部材230とは、透孔228と透孔238を貫通した係合ピン242を介して架設されている。この構成により、第1ばね受け部材220は、係合ピン242の端部の突起部に係合したときに、第2ばね受け部材230と一体的に移動してバイアスばね150をばね力を釈放し、それまでは第2ばね受け部材230に対して移動が規制されない構成になっている。
【0137】
こうした構成の予荷重調節機構200Aの動作について説明する。
まず、キャップ40を回転すると、スライド機構250を介してして第2ばね受け部材230が図22の右方向に移動して、係合ピン242の端部が第1ばね受け部材220に係合すると、係合ピン242を介して第1ばね受け部材220が第2ばね受け部材230と一体的に移動する。そして、さらに、第1ばね受け部材220が図22の右方向に移動すると、バイアスばね150のばね定数を小さくするよう作用する。これにより、感温ばね130は、その伸びる割合が速くなり、可動弁体160を図22の右方向に素早く移動させる。そして、可動弁体160が、湯側弁座118の湯側ポート116を閉じると共に、水側弁座108の水側ポート106を全開にすると、水が吐水されることになる。
【0138】
このように、水を直接吐水するには、予荷重調節機構200Aの操作により、可動弁体160が湯側弁座118に着座することにより行なわれるが、バイアスばね150のばね定数を実際上小さくして可動弁体160を素早く移動させているから、感温ばね130が伸びて、可動弁体160が湯側弁座118を閉じるまで、キャップ40を多数回転操作しなくてよく、操作性が向上する。
【0139】
一方、キャップ40を回転して第2ばね受け部材230を図22の左方向に移動して、所定の目標温度範囲を越えると、バイアスばね150Aに加えてバイアスばね150Bも予荷重を与える。よって、バイアスばね150の予加重の増加の割合が増大して、可動弁体160が水側弁座108の水側ポート106を素早く閉じると共に、湯側弁座118の湯側ポート116を急激に開いて、湯が吐水されることになる。
【0140】
こうしたキャップ40の回転と混合湯水の吐水温度との関係を図23に示す。図23に示すように、回転角度θ2の範囲では、回転角度θと吐水温度Tとの関係は、なだらかな傾斜であり、微調整で細かい温度設定が可能であるという特長があり、しかも、回転角度θ1の範囲では、回転角度θが少なくても水吐水を速やかに行なえ、一方、回転角度θ3の範囲では、回転角度θが少なくても湯吐水を速やかに行なえる。
【0141】
図24は他の実施例に係る湯水混合装置10Bを示す断面図である。上記実施例と異なる構成は、可動弁体160Bおよび水または湯の弁座およびポートの位置および構成が異なっている。
すなわち、可動弁体160Bは、水側着座部164Bと、湯側着座部166Bと、水側着座部164Bと湯側着座部166Bとを連結する連結部165とから構成され、水側着座部164Bが水側ポート106Bを有する水側弁座108Bに着座し、湯側着座部166Bが湯側ポート116Bを有する湯側弁座118Bに着座する。この構成において、感温ばね130およびバイアスばね150との荷重の釣合により可動弁体160Bは可動するが、感温ばね130側に湯側ポート116Bが配置されて、バイアスばね150側に水側ポート106Bが配置されており、各種の配管位置に対応することができる。
【0142】
図25は他の実施例に係るスペーサ190Bを装着した湯水混合装置10Bの要部断面図を示し、図26はスペーサ190Bを示す斜視図である。
スペーサ190Bは、感温ばね130の右支持端部134を受けるばね受け部192Bと、このばね受け部192Bから複数本(6枚〜8枚)平行に突設されたフィン194Bとを備え、フィン194B間が水側ポート106からの水を流通させるフィン間流路196Bに、ばね受け部192Bの中央部が貫通流路198Bにそれぞれ形成されている。上記フィン194Bは、図27に示すように、ばね受け部192Bの外周接線に対して所定角度θ傾斜して取り付けられている。その角度θは、後述する作用を促進するためには、40゜〜60゜であり、さらに好ましくは、45゜〜55゜である。
【0143】
上記フィン194Bは、図11のスペーサ190の脚部194による水側ポート106からの低温水の流れを周方向へ変える作用を一層高めるものである。
【0144】
すなわち、水側ポート106から流入する低温水は、フィン194Bにより周方向への流速を大きくして、湯水混合室80を流れる高温水との混合を促進する。したがって、感温ばね130が均一な温度の混合湯水に晒され、片寄った荷重を発生しない。
また、スペーサ190Bにフィン194Bを設けたように、図28に示すように、バイアスばね150のバイアスばね受け部材210Bにフィン210Baを設けてもよい。このフィン210Baにより、湯側ポート116から流入される高温水が周方向への流速を高められ、よって水側ポート106から流入する低温水との混合の際に、それらの混合が促進される。
【0145】
こうしたスペーサ190Bのフィン194Bのフィン210Baによる湯水の混合作用は、以下の実験により調べた。
図29及び図30に示すように、湯水混合室80内に温度センサS1,S2,S3,S4を周方向に90゜の間隔で4個挿入し、それらの温度センサS1〜S4によって流出方向へ所定距離(5mm)毎に移動して、図29の×で示す各位置(P1〜P6)での温度を測定した。
【0146】
図31はスペーサがない場合の各位置での温度、図32はスペーサ190Bを装着した場合の各位置での温度を示す。図31,32から明らかなように、フィン194Bを設けることにより、水側ポート106の低温水は周方向に流速が高められて、高温水との混合が促進されて、4つの位置での各温度が目標設定温度の近傍で収束していることが分かった。
【0147】
図33は他の実施例に係るスペーサ190Cを装着した湯水混合装置10Cの要部を示す断面図、図34はスペーサ190Cの斜視図である。
スペーサ190Cは、感温ばね130を受けるばね受け部192Cと、ばね受け部192Cから複数本突設されかつ上記可動弁体160の環状係止部168に位置決めされているフィン194Cと、ばね受け部192Cの内周に形成されたスペーサ円板部195Cと、スペーサ円板部195Cから突設されたスペーサ筒状部198Cとを備えている。
スペーサ筒状部198Cは、感温ばね130の内側に貫挿されており、水側弁座部材70の内壁面71との間でばね室湯水通路80aを形成している。また、上記スペーサ円板部195Cには、スペーサ流路孔195Caが周方向に所定間隔で複数個(図示では4個)形成され、湯水混合室80とばね室湯水通路80aとを連通している。
【0148】
こうした構成により、湯流入室90からの高温水は、スペーサ190Cのフィン間流路196Cを通った低温水と混合されて、スペーサ円板部195Cのスペーサ流路孔195Ca、ばね室湯水通路80aを通って、流出孔70aから流出する。そして、ばね室湯水通路80aを流れる混合湯水がその温度に応じて感温ばね130を伸縮させる。
このとき、高温水はフィン間流路196Cを通った低温水と混合され、スペーサ流路孔195Caで絞られて、ばね室湯水通路80aを流れるが、スペーサ流路孔195Caの絞り作用により、高温水が低温水と十分に混合される。したがって、十分に混合された湯水がばね室湯水通路80aを流れるから、感温ばね130は、安定した伸縮作動をする。
【0149】
図35は他のスペーサ190Dを用いた実施例である。
スペーサ190Dは、図34のスペーサ190Cのスペーサ円板部195Cに、円錐状ガイド部197Dを突設したものである。この円錐状ガイド部197Dは、ばね室湯水通路80aへの流入をスムーズにするように、下流側に向けて末広がり状の円錐状に形成されている。
スペーサ190Dのフィン194Dで混合された混合湯水は、円錐状ガイド部197Dに沿って流れ、スペーサ流路孔195Daで絞られてから、ばね室湯水通路80aを流れる。このとき、円錐状ガイド部197Dは、混合湯水がスペーサ流路孔195Daに流入するときに乱流とせず、スムーズな流れを促進するから、スペーサ190D及び可動弁体160に振動を与えず、可動弁体160による安定した摺動性を高める。
【0150】
図34のスペーサ190Cのスペーサ筒状部198C及び図35のスペーサ190Dのスペーサ筒状部198Dの外周部に、図36に示すように、螺旋状のスペーサ突条198aを形成してもよい。これにより、ばね室湯水通路80aに流入した混合湯水がさらに撹拌され、感温ばね130は、安定した伸縮動作を行なうことができる。なお、螺旋状のスペーサ突条198aは、混合湯水を撹拌するのであるから、その作用効果を奏する構成であれば他の構成でもよく、例えば、流路抵抗となる突起でもよい。また、螺旋状の突起及び流路抵抗は、スペーサ側に形成する代わりに、水側弁座部材70の内壁面71に形成してもよい。
上記可動弁体160の両端が感温ばね130とバイアスばね150により支持されているので、両ばね130,150の不均一な荷重等により可動弁体160が傾きやすいが、これを防止してシール性を高める各種手段について説明する。
【0151】
図37に示すように、感温ばね130の左支持端部132は、水側弁座部材70Fに支持されたばね受け部材180Fで支持されている。ばね受け部材180Fは、図38に示すように、流路孔180Faを同心状に4つ有する円板状部材であり、その外周部に感温ばね130の左支持端部132を支持するばね受け段部180Fbが形成され、その中央部に支持突起180Fcが形成されている。
一方、水側弁座部材70Fは、蓋体部70Faを備え、上記流路孔180Faに一致した位置に、流路孔70Fdがそれぞれ形成されている。また、蓋体部70Faの内側中央部には、上記支持突起180Fcを支持するための支持凹所70Fbが形成されている。
この構成により、感温ばね130は、ばね受け部材180Fのばね受け段部180Fbにより位置決めされ、ばね受け部材180Fは、蓋体部70Faの支持凹所70Fbに位置決めされた支持突起180Fcにより1点で支持されている。また、感温ばね130に各部で偏位するような荷重が生じたときに、ばね受け部材180Fは、支持突起180Fcを介して、感温ばね130の荷重を均一にするように傾く。よって、感温ばね130は、ばね受け部材180Fにより均一な荷重を発生するように調節されて、可動弁体160に傾かせるような力を加えない。
【0152】
また、バイアスばね150側にも、可動弁体160Fを1点で支持する構成が設けられている。すなわち、バイアスばね150の右支持端部154は、バイアスばね受け部材210Fを介してライナ220Fに支持されている。バイアスばね受け部材210Fは、円板形状であり、その外周部にばね受け段部210Faを備え、中央端面部に支持突起210Fbを備えている。支持突起210Fbは、ライナ220Fの中央部の支持凹所220Faにより位置決め支持されている。よって、バイアスばね受け部材210Fは、支持突起210Fbを中心に揺動可能な状態でバイアスばね150を支持していることになる。
この構成により、ライナ220Fの進退により、バイアスばね150への荷重を変化させると、バイアスばね受け部材210Fは、支持突起210Fbを介してバイアスばね150に均一荷重を加えるから、可動弁体160に傾く方向への摺動力が加わらない。
【0153】
図39は感温ばね130の左支持端部132を支持するための感温ばね受け樹脂部材180Lを示す斜視図である。感温ばね受け樹脂部材180Lは、硬質樹脂から形成された樹脂ばね受け蓋体部180Laと、スポンジゴム等の弾性部材で形成したばね受け部180Lbとを備えている。この感温ばね受け樹脂部材180Lは、樹脂ばね受け蓋体部180Laで確実に支持されると共に、弾性的な樹脂ばね受け部180Laで感温ばね130の傾き荷重を吸収することにより、可動弁体160に傾いた摺動力を加えない。
【0154】
図40は可動弁体160Fに傾いた摺動力を加えない構成として、感温ばね130及びバイアスばね150の付勢力を可動弁体160Fの中央部に集中的に加える構成を採った実施例である。
図40に示すように、可動弁体160Gの係止支持部160Gaには、中央基部160Gb及びこの中央基部160Gbを囲むように係止流路孔160Gcが3つ形成されている。また、バイアスばね150の左支持端部152は、バイアスばね受け部材210Gにより支持されている。バイアスばね受け部材210Gは、笠状部210Gaと、笠状部210Gaの先端に設けた先端支持突起210Gbと、円筒部210Gcと、円筒部210Gcの内周側に形成されたばね受け環状凹所210Gdとを備えている。
ライナ220Gを移動させると、バイアスばね150を介してバイアスばね受け部材210Gが進退する。これにより、可動弁体160Gは、中央基部160Gbにバイアスばね受け部材210Gの先端支持突起210Gbで押されて摺動することになる。よって、可動弁体160Gは、その中央基部160Gbから摺動力を受け、偏心した力を受けない。
【0155】
また、スペーサ190G側にも、可動弁体160Gを中心部で押圧する構成を備えている。スペーサ190Gは、感温ばね130を受けるばね受け部190Gfと、フィン194Gと、流路孔190Gcを有するスペーサ円板部190Gdと、ばね受け部190Gfの外周に設けられたガイド筒部190Geとを備えている。また、スペーサ円板部190Gdの中央部には、弁体押圧部190Ggが突設されている。したがって、スペーサ190Gは、弁体押圧部190Ggを介して可動弁体160Gの中央基部160Gbに当接し、フィン194Gの部分で当接していない。また、ガイド筒部190Geは、水側弁座部材70Gの内壁面71Gaに対して摺動自在な円筒形状となっている。
【0156】
このスペーサ190Gの作用について説明する。感温ばね130の伸縮により、スペーサ190Gが摺動する。スペーサ190Gは、ガイド筒部190Geで水側弁座部材70Gの内壁面71Gaにガイドされつつ摺動する。スペーサ190Gが摺動すると、スペーサ190Gの弁体押圧部190Ggが可動弁体160Gの中央基部160Gbを押して可動弁体160Gが摺動する。
したがって、可動弁体160Gは、その中心部だけでスペーサ190Gにより力を受けて摺動することになる。また、スペーサ190Gは、ガイド筒部190Geが水側弁座部材70Gの内壁面71Gaによりガイドされつつ移動するので、スペーサ190Gにも傾きがなく、よって、可動弁体160Gに傾き力を加えない。
また、可動弁体160Gの外周には、2本のOリング160Gdが装着されており、可動弁体160Gにガタつきが生じないので、高いシール性を備えている。
【0157】
図41は可動弁体160Hの内周部にガイドを設けた実施例である。すなわち、可動弁体160Hの内側には、流路孔160Hbが形成されており、この流路孔160Hbに、ライナ220Hから突設された摺動ガイド部220Haが摺動自在に挿入されている。したがって、可動弁体160Hは、摺動ガイド部22Haにより摺動方向へガイドされるから、ガタつきが防止される。
【0158】
図42は図40のバイアスばね受け部材210Gの変形例であるバイアスばね受け部材210Jを備えた実施例を示す。バイアスばね受け部材210Jは、笠状部210Jaのバイアスばね150側にガイド円柱部210Jeを備えている。このガイド円柱部210Jeは、ライナ220Jの先端部に突設されたガイド筒部220Jaのガイド孔220Jbに摺動自在に嵌入支持されている。この構成により、ライナ220Jを移動させると、バイアスばね150の付勢力がバイアスばね受け部材210Jに伝達されて、バイアスばね受け部材210Jは、ガイド円柱部210Jeがガイド筒部220Jaにガイドされつつ可動弁体(図40参照)の中心部を押圧することになる。
【0159】
図43は本発明の他の実施例に係る水栓300を示す断面図である。同図に示すように、水栓300は、外側ケーシング310内に、湯水混合弁400及び切換弁800を備えており、水流路及び湯流路から供給される水及び湯を湯水混合弁400にて混合し、これを切換弁800にて切り換えて複数の給湯点に供給するものである。
【0160】
まず、湯水混合弁400について説明する。図44は湯水混合弁400を拡大した断面図、図45はその要部の分解斜視図である。図43に示すように、上記湯水混合弁400は、外側ケーシング310内に嵌合された断熱部材410と、外側ケーシング310内に設けられた水導入通路420及び湯導入流路430と、外側ケーシング310の端部に設けられた温度調節ダイヤル440と、ケーシング本体450と、ケーシング本体450に螺着された水側弁座部材480と、を備えている。
【0161】
上記ケーシング本体450及び水側弁座部材480内には、後述する弁機構等を収納する室を備えており、つまり、湯水混合室510、湯流入室520及びスライド室530を備えている。また、ケーシング本体450には、上記水導入通路420に接続される水側ポート462及び湯導入流路430に接続される湯側ポート472が形成されており、両ポート462,472は、湯流入室520に連通している。さらに、湯流入室520には、可動弁体560が摺動自在に嵌合されている。この可動弁体560は、湯水混合室510内に収納された感温ばね540によるばね力を受けると共に、バイアスばね550によるばね力を受け、これらの力の釣合により、その位置が定まる。
【0162】
上記感温ばね540は、水側弁座部材480側にスリップワッシャ580を介在させてスペーサ590との間に架設されている。この感温ばね540は、温度に応じてばね定数が変化する金属によって形成されており、バイアスばね550は、温度に関してほぼ一定のばね定数を有する通常のばね材料によって形成されている。
【0163】
また、図示右側には、バイアスばね550の予荷重を調節する予荷重調節装置600が設けられている。この予荷重調節装置600は、混合湯水の目標温度を変更するものであり、温度調節ダイヤル440を回転することにより、スピンドル630を介してライナ610が進退し、これによりバイアスばね550の予荷重が増減する。予荷重の増減により、バイアスばね550のばね力と感温ばね540のばね力とが釣り合う位置まで可動弁体560が変位して、目標温度が変更される。
【0164】
次に、上記湯水混合弁400の湯水の温度調節動作について説明する。
いま、給湯機からの給湯温度、水道管からの水温度または流量などの条件が定常状態にあり、混合湯水が目標温度で吐水しているときには、可動弁体560は、湯水混合室510内の混合湯水により感温ばね540に発生する力と、バイアスばね550のばね力との釣合により位置が決定されて静止している。この状態から、給湯機からの給湯温度、水道水温または流量などの条件が外乱により変動すると、この変動に応じて湯水混合室510内の混合湯水温度が目標温度からずれて温度偏差を生じる。感温ばね540は、この温度変化に応じてばね定数を変化させ、その結果、感温ばね540のばね力が変化する。このとき、混合湯水温度が目標温度より高い場合には、感温ばね540のばね力が増大し、バイアスばね550の予荷重を増加させながら可動弁体560を図43の右方向へ変位させるので、湯の割合が減少し、混合湯水温度が低下する。
【0165】
一方、混合湯水温度が目標温度より低い場合には、感温ばね540のばね力が減少し、バイアスばね550の作用により可動弁体560が図43の左方向へ変位するのを許容するので、湯の割合が増加すると同時に水の割合が減少し、混合湯水温度が上昇する。こうした感温ばね540の作用により混合湯水温度は、目標温度に向かうよう調節される。
上記湯水混合弁400において、その目標温度を変更するには、予荷重調節装置600の一部を構成する温度調節ダイヤル440を所定方向へ回転することにより行なう。すなわち、温度調節ダイヤル440を所定方向へ回転すると、スピンドル630を介してライナ610が図43の左方向へ移動してバイアスばね550が圧縮変位し、バイアスばね550による可動弁体560に対する予荷重が増大する。一方、温度調節ダイヤル440を反対方向へ回転すると、スピンドル630を介して図43の右方向へ移動してバイアスばね550が伸張変位し、バイアスばね550による可動弁体560に対する予荷重が減少する。
【0166】
このようなバイアスばね550の予荷重の増加により、可動弁体560は、湯側ポート472の流路を広げると同時に水側ポート462の流路を狭める位置で釣合うように調節されて、湯量の増加と水の減少による湯水混合比を変更することにより、混合湯水の吐水温度を高くし、逆に、予荷重の減少により、可動弁体560は、湯側ポート472の流路を狭めると同時に水側ポート462の流路を広げる位置で釣合うように調節されて、混合湯水の吐水温度を低くする。
【0167】
本実施例における湯水混合弁400は、バイアスばね550により与えられる予荷重が可動弁体560に直接伝達されて該可動弁体560を可動させ、また、感温ばね540の温度に伴う変位も可動弁体560に直接伝えられて、可動弁体560を可動させている。したがって、感温ばね540として、その材料量を減らしてそのばね定数の小さいものを用いても、可動弁体560を可動させるための摩擦損失などが少ないから可動弁体560をスムーズに可動させることができる。
【0168】
次に、湯水混合弁400から流出する混合湯水を切り換えて2箇所に給湯する切換弁800について説明する。切換弁800は、外側ケーシング310内の室に、支持体810と、2つの給湯点に接続された流出ポート822,824を有するスリーブ820と、このスリーブ820に内嵌されている切換弁体830と、を備えている。上記支持体810の端部には、切換ダイヤル840が回転自在に装着されている。切換ダイヤル840は、上記切換弁体830に固定された連結部材844を介して切換弁体830に固定されている。また、上記切換弁体830には、湯水混合室510に接続される有底孔832及びこの有底孔832から上記スリーブ820の流出ポート822,824に切換接続される流路孔834,836が形成されている。
【0169】
上記切換弁800の動作について説明する。いま、図43の状態から切換ダイヤル840を回転して、流路孔834を流出ポート822に位置させると、湯水混合弁400の湯水混合室510からの混合湯水は、有底孔832から流路孔834、流出ポート822を介して第1流路850へ流れる。一方、切換ダイヤル840を回転して流路孔836を流出ポート824に合わせると、有底孔832の混合湯水は、流路孔836から流出ポート824を通じて第2通路852へ流れる。
次に湯水混合弁400の各部構成およびその動作についてさらに詳細に説明する。図46において、可動弁体560は、筒状部562と、この筒状部562の両端部に設けられた水側着座部564および湯側着座部566と、筒状部562の内周部に形成されかつ流路部572を有する環状係止部568と、湯側着座部566から内周側に湾曲状に形成されたガイド面574と、を備えている。上記環状係止部568は、その端部でバイアスばね550を支持し、また他端部で感温ばね540を受けるスペーサ590を支持している。
【0170】
上記可動弁体560は、感温ばね540とバイアスばね550との釣合で可動して、その水側着座部564が水側弁座486に着座したときには、給湯機の湯だけが吐水され、一方、湯側着座部566が湯側弁座478に着座したときには、水道水だけが吐水され、両着座部564,566のいずれも着座していないときには、その水側ポート462と湯側ポート472の流路開口に応じた量の水および湯が吐水されて湯流入室520にて混合される。
【0171】
また、可動弁体560を可動させる感温ばね540は、バイアスばね550により予荷重を与えられた歪状態で伸縮され、可動弁体560を所定範囲のストロークSTで摺動させる。
また、図46に示す上記可動弁体560のガイド面574は、湯導入流路430から湯流入室520に向かうにしたがって環状係止部568側に傾斜した湾曲状に形成されている。ガイド面574を湾曲状にしたのは、以下の理由による。湯導入流路430からの湯は、湯側ポート472を通って湯流入室520に流入するが、このとき、仮にガイド面574を平面とすると、急激な流路面積の増大により、乱流が生じ易い。この乱流状態の湯がバイアスばね550の巻線間を通ると異音の原因になる。上述した湾曲状のガイド面574は、流路面積が増大しても、層流状態を保つから、バイアスばね550の巻線間を通る際の異音の原因とならない。
【0172】
また、図47及び図48に示すように、ケーシング本体450の水側ポート462及び湯側ポート472には、水側連結部464及び湯側連結部474がそれぞれ2箇所形成されている。このうち、湯側連結部474の位置に、湯導入流路430の流出孔が配置されている。このような配置関係にすることにより、湯導入流路430からの湯は、湯側連結部474に当たると、その流れが周方向へ変わってから、湯側ポート472の全域からほぼ均一に湯流入室520内に流入する。したがって、湯側ポート472のほぼ全域から流入する湯は、水導入通路420から水側ポート462を介して流入する水と均一かつ十分に混合する。また、図44に示すように、Oリング453の位置を温度調節ダイヤル440側に設けているから、湯導入流路430の流路からOリング453側の間隙431に湯がまわって湯側ポート472から湯流入室520に流入することになり、一層均一な混合が行われる。
【0173】
次に、図49に示す湯側弁座478及びその周辺の構成・作用について説明する。湯側弁座478には、可動弁体560の湯側着座部566に当たるシート面478aが環状の面に形成されている。このシート面478aの外周には、射出成形型の型割れ面で形成されるパーティングラインPLとなっている。また、シート面478aの外周に沿って90゜の周方向の間隔でガイド突起476が4箇所形成されており、このガイド突起476の高さは、可動弁体560のガイド性能及び湯側ポート472への流入抵抗を考慮して、可動弁体560のストロークSTより僅かに大きくなっている。
【0174】
こうしたシート面478a及びガイド突起476の構成としたのは、以下の理由による。シート面478aは、その面に高い面精度を必要とし、多少の凹凸があっても、可動弁体560の湯側着座部566が当接したとき、シール性を損なって湯漏れして目標設定温度からずれることになる。そこで、シート面478aを鏡面としたいが、湯側連結部474を形成する構造から割型とすると、シート面478aにパーティングラインPLaが破線で示すように形成されてしまう。そこで、円柱形状のコアを用いて、その先端面でシート面478aを形成している。このため、この中子の外周に沿ってパーティングラインPLが形成されるが、このパーティングラインPLに可動弁体560の湯側着座部566が乗り上げないようにガイド突起476が形成されているのである。
【0175】
次に、図44に示す外側ケーシング310内に装着された断熱部材410及びその断熱部材410等により構成される冷却構造について説明する。上記断熱部材410は、樹脂から形成された筒形状である。断熱部材410と外側ケーシング310との間には、水導入通路420に連通した冷却用流路424が形成されている。この冷却用流路424は、断熱部材410を隔てて湯導入流路430をほぼ取り囲むように配置されている。このような断熱部材410及び冷却用流路424を設けたのは、以下の理由による。本実施例の湯水混合弁400の構成では、温度調節ダイヤル440側に湯導入流路430を設けている。そのため、湯導入流路430を流れる湯の熱が温度調節ダイヤル440に伝わってその温度を高くすることがある。そこで、湯導入流路430の熱を遮断するために断熱部材410を設け、さらに、水導入通路420の水を冷却用流路424で導いて断熱部材410を冷却することにより、温度調節ダイヤル440の温度上昇を防止している。
【0176】
次に、可動弁体560と感温ばね540との間に介在しているスペーサ590について説明する。図44及び図45に示すように、スペーサ590は、感温ばね540の支持端部544を受けるばね受け部592と、このばね受け部592から複数本平行に突設された脚部594とを備え、脚部594間が水側ポート462からの水を流通させる脚間流路596に、ばね受け部592の中央部が貫通流路598にそれぞれ形成されている。
【0177】
このようにスペーサ590が可動弁体560と感温ばね540との間に所定の距離を確保しているのは、以下の理由による。可動弁体560の摺動により湯水の混合比を変更するが、水側ポート462からスペーサ590の脚間流路596を通った水と、湯側ポート472からの湯とが混合されて、スペーサ590の貫通流路598を通って、感温ばね540側に流れる。このスペーサ590は、湯流入室520で混合された混合湯水が感温ばね540に達するまで所定の距離を確保しており、混合湯水が湯流入室520で十分に混合されてから感温ばね540に接触するように作用する。したがって、感温ばね540は、湯水が十分に混合されてから該湯水に接触するから動作が安定して正確な吐水温度調節ができる。
また、水側ポート462からの水は、感温ばね540に直接当たらず、スペーサ590の脚間流路596の間を流れるから、流体圧に伴う感温ばね540の振動を生じることがなく、安定した作動を得ることができる。
【0178】
ここで、スペーサ590により感温ばね540と可動弁体560とにより確保される距離は、短い方では上述した混合作用が十分に確保される距離と、長い方では応答の遅れに伴うハンチングを生じない距離とを考慮して、湯水混合弁400の大きさに応じて適宜設定する。例えば、5mm〜10mmである。
【0179】
なお、上記実施例では、スペーサ590は、可動弁体560と別体に形成したが、これに限らず、一体に形成してもよい。この場合には、部品点数を減少させることができる。
【0180】
次にケーシング本体450に螺着される水側弁座部材480及びスリップワッシャ580について説明する。
図44及び図45に示すように、水側弁座部材480は、ケーシング本体450と共に湯水混合室510を形成する凹所481を有する弁座本体482と、この弁座本体482の端面に形成された水側弁座486と、上記弁座本体482に形成されかつ上記ケーシング本体450の雌ネジ部455に螺着する雄ネジ部484と、上記凹所481の底面に形成されかつスリップワッシャ580を介して感温ばね540を支持するばね受け部488と、を備えている。なお、感温ばね540は、線径2mmφで高い剛性の線材を用い、コイル状に加工した後に、支持端部546を研削等の端面処理し、その後、形状記憶特性を付加するための熱処理がされたものである。また、スリップワッシャ580は、耐熱性を有する樹脂材料、例えばポリアセタールやフッ素樹脂等から形成され、その両面が鏡面に形成されたものである。なお、スリップワッシャ580は、耐熱性を有しかつ鏡面とすることができる部材であれば、金属やセラミック等の各種の材料を用いることができる。
こうした構成を有する水側弁座部材480を、スリップワッシャ580及び感温ばね540と共に、ケーシング本体450に組み付ける作業について説明する。まず、ケーシング本体450内に、可動弁体560が組み付けられている状態から水側弁座部材480などを組付るには、水側弁座部材480のばね受け部488にスリップワッシャ580を保持する。そして、感温ばね540の支持端部544にスペーサ590を支持し、凹所481内に感温ばね540等を収納して、スペーサ590の脚部594の先端を可動弁体560の環状係止部568に当接させながら、水側弁座部材480側の雄ネジ部484をケーシング本体450側の雌ネジ部455に螺着する。これにより、水側弁座部材480がケーシング本体450に装着される。
【0181】
このとき、水側弁座部材480が螺着されるときの回転力及び押圧力は、スリップワッシャ580を介して感温ばね540に加わるが、スリップワッシャ580は鏡面であり、感温ばね540が高い剛性を有するので、スリップワッシャ580で滑り、感温ばね540に捩り力として加わらず、押え付ける力としてだけ作用する。したがって、感温ばね540は、捩り荷重が加わった状態で湯水混合室510内に組み付けられず、捩りを加えた状態で伸縮しないから、可動弁体560を傾かせてシール性を損なうこともない。また、感温ばね540は、その歪が小さくなって、ヒステリシスが小さく、精度の高い混合湯水の吐水温度の調節が行なえると共に、耐久性に優れている。
【0182】
次に、予荷重調節装置600について説明する。
図44及び図45に示すように、予荷重調節装置600は、バイアスばね550の支持端部554を支持するライナ610と、ライナ610を軸方向へ移動するためのスピンドル630と、を備えている。
上記ライナ610は、有底孔611を有する筒状本体部612と、筒状本体部612の端部に形成されかつバイアスばね550の一端を受けるばね受け部615と、筒状本体部612の外周部に形成された第1ガイド部614及び第2ガイド部616(図45)と、筒状本体部612の内周部に形成された第1雌ネジ部622及び第2雌ネジ部624と、を備えている。
【0183】
上記第1及び第2ガイド部614,616は、周方向で180゜の位置であって上記第1及び第2雌ネジ部622,624の係り端に一致する位置に形成されており、筒状本体部612の軸方向に沿ったガイド溝614a,616aをそれぞれ備えている。このガイド溝614a,616aは、ケーシング本体450の内周に形成されたガイドレール458,459に沿って摺動自在に嵌合されている。
【0184】
上記スピンドル630は、回転本体632及び突出部634を一体的に樹脂成形してなり、その突出部634が上記ケーシング本体450の貫通孔457を貫通し、突出部634の外周のスプライン及び取付部442を介して温度調節ダイヤル440に固定されている。回転本体632の外周部には、上記第1及び第2雌ネジ部622,624に螺合する第1及び第2雄ネジ部636,638が形成されている。また、第1及び第2雄ネジ部636,638の山部には、図45に示すように、突起639が形成されている。この突起639は、第1及び第2雌ネジ部622,624の谷部と僅かに接触して摺動抵抗となるように形成されている。
【0185】
こうした予荷重調節装置600の構成により、混合湯水の目標温度を変更するには、温度調節ダイヤル440の外周部に設けた設置温度表示を指標として、温度調節ダイヤル440を所定方向へ回転する。この温度調節ダイヤル440の回転により、スピンドル630が温度調節ダイヤル440と一体になって回転する。これにより、スピンドル630の外周部の第1及び第2雄ネジ部636,638がライナ610の第1及び第2雌ネジ部622,624と螺合しているから、ライナ610には回転駆動力が伝達されるが、ライナ610は、第1及び第2ガイド部614,616及びガイドレール458,459により回転が規制されているので、軸方向へ移動する。ライナ610の軸方向への移動により、バイアスばね550を変位させる。バイアスばね550の変位により、可動弁体560を移動させ、感温ばね540との釣合位置まで感温ばね540が変位して、目標温度が変更される。
【0186】
こうした予荷重調節装置600の動作では、バイアスばね550は、その予荷重がライナ610の付勢方向と同じ方向への進退力を受けて、捩り力を受けない。したがって、感温ばね540は、ばね定数が小さくても可動弁体560を傾かせるような力がバイアスばね550を介して加えられない。その結果、可動弁体560は、感温ばね540およびバイアスばね550による支持力が弱くても、安定した摺動動作が行うことができる。
また、予荷重調節装置600を組み付けるには、ライナ610にスピンドル630を螺合させて、ケーシング本体450のガイドレール458,459に、ライナ610の第1及び第2ガイド部614,616を合わせると共に、貫通孔457に突出部634を合わせて、ライナ610及びスピンドル630をケーシング本体450内に貫挿し、さらに温度調節ダイヤル440を取り付けることにより行なう。このとき、ライナ610とスピンドル630は、第1及び第2雄ネジ部636,638と第1及び第2雌ネジ部622,624がいわゆる2条ネジとなっているから、ネジの螺着の係りが容易となり、しかも、第1及び第2ガイド部614,616の位置に第1及び第2雌ネジ部622,624の係り端があるから、これを目印として容易に自動組付を行なうことも簡単である。また、ライナ610は、ケーシング本体450に対して、第1及び第2ガイド部614,616をガイドレール458,459に合わせて挿入すればよいから、他の手段、例えば、スプラインを介して取り付けるより、その位置を確実に合わせることができる。
また、ライナ610とスピンドル630は、2条ネジを介して螺着しているから、そのピッチが大きく、上述のように容易に螺着取付けできる反面、バイアスばね550のばね力により戻り易い。しかし、本実施例では、第1及び第2雄ネジ部636,638の山部に形成された突起639が第1及び第2雌ネジ部622,624の谷部との摺動抵抗となるので、スピンドル630は、バイアスばね550のばね力による戻ることがない。また、スピンドル630は、樹脂で成形されているから突起639を形成することも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る湯水混合装置を示す断面図である。
【図2】湯水混合装置に用いる感温ばねの処理温度と変態温度との関係を示すグラフである。
【図3】図1の湯水混合装置の要部を示す断面図である。
【図4】感温ばねの荷重特性の関係を示すグラフである。
【図5】感温ばねのばね定数と温度との関係を示すグラフである。
【図6】感温ばねの耐久性に係る実験から求められた感温ばねの減少荷重と仮想年数を示すグラフである。
【図7】湯水混合装置に用いた可動弁体の形状の特性を説明する説明図である。
【図8】湯水混合装置に用いた水側弁座部材の形状の特性を説明する説明図である。
【図9】湯水混合装置における可動弁体の形状の特性を説明する説明図である。
【図10】湯水混合装置における可動弁体の形状の特性を示す説明図である。
【図11】スペーサの破断した状態を示す斜視図である。
【図12】湯水混合装置の吐水温度と低温水又は高温水の供給圧との関係を示すグラフである。
【図13】ばね受け部材を示す説明図である。
【図14】他のばね受け部材を示す説明図である。
【図15】さらに他のばね受け部材を示す説明図である。
【図16】別のばね受け部材を示す説明図である。
【図17】さらに別のばね受け部材を示す説明図である。
【図18】感温ばねの時定数を示す説明図である。
【図19】ケーシング本体と水側弁座部材とを分解して示す斜視図である。
【図20】他のケーシング本体と水側弁座部材とを分解して示す斜視図である。
【図21】予荷重調節機構を備えた湯水混合装置を示す断面図である。
【図22】他の予荷重調節機構を備えた湯水混合装置を示す断面図である。
【図23】湯水混合装置の吐水温度と目標温度を変更するキャップの回転角度との関係を示すグラフである。
【図24】可動弁体の形状の異なった湯水混合装置を示す断面図である。
【図25】他のスペーサを用いた湯水混合装置の要部を示す断面図である。
【図26】図25のスペーサを示す斜視図である。
【図27】図25のスペーサのフィンを説明する説明図である。
【図28】図25のバイアスばね受けを示す斜視図である。
【図29】湯水混合装置内に温度センサを配置した位置を説明する説明図である。
【図30】温度センサを配置した周方向の位置を説明する説明図である。
【図31】スペーサがない湯水混合装置における湯水混合室内の温度分布を説明するグラフである。
【図32】スペーサを装着した場合の湯水混合装置における湯水混合室内の温度分布を説明するグラフである。
【図33】他のスペーサを用いた湯水混合装置の要部を示す断面図である。
【図34】図33のスペーサを示す斜視図である。
【図35】さらに他のスペーサを用いた湯水混合装置の要部を示す断面図である。
【図36】別のスペーサを示す斜視図である。
【図37】さらに別の実施例に係るばね受け部材を用いた湯水混合装置の要部を示す断面図である。
【図38】図37の感温ばね受け部材を示す斜視図である。
【図39】別の感温ばね受け部材を示す斜視図である。
【図40】さらに別の実施例に係る湯水混合装置を示す断面図である。
【図41】他の実施例に係る可動弁体の周辺を示す断面図である。
【図42】図40のバイアスばね受け部材の変形例を示す断面図である。
【図43】さらに他の実施例に係る湯水混合弁を備えた水栓を示す断面図である。
【図44】図42の湯水混合弁の要部を示す断面図である。
【図45】湯水混合弁の要部の構成を示す分解斜視図である。
【図46】湯水混合弁の可動弁体の周辺を示す断面図である。
【図47】ケーシング本体を示す平面図である。
【図48】湯水混合弁における湯の流れる状態を説明する説明図である。
【図49】可動弁体及び湯側弁座の周辺を判断して示す斜視図である。
【符号の説明】
10...湯水混合装置
10B...湯水混合装置
10C...湯水混合装置
20...外側ケーシング
22Ha...摺動ガイド部
30...内側ケーシング
40...キャップ
42...取付凹所
50...ケーシング本体
250...スライド機構
58...切り割
70...水側弁座部材
70F...水側弁座部材
70G...水側弁座部材
70a...流出孔
70Fa...蓋体部
70Fb...支持凹所
70Fd...流路孔
71...内壁面
71Ga...内壁面
72...係合爪
74...フランジ部
76...止め輪
80...湯水混合室
80a...室湯水通路
90...湯水混合室
90...湯流入室
96...スライド室
102...水導入通路
106...水側ポート
106B...水側ポート
108...水側弁座
108B...水側弁座
114...湯流路
116...湯側ポート
116B...湯側ポート
118...湯側弁座
118B...湯側弁座
132...左支持端部
132a...始端部
134...右支持端部
152...左支持端部
154...右支持端部
160...可動弁体
160B...可動弁体
160F...可動弁体
160G...可動弁体
160H...可動弁体
160Ga...係止支持部
160Gb...中央基部
160Gc...係止流路孔
160Hb...流路孔
162...筒状部
164...水側着座部
164B...水側着座部
252...支持体
256...ネジ
262...雄ネジ部
260...回転体
165...連結部
217...雌ネジ部
166...湯側着座部
216...ばね受け部
218...スプライン
166B...湯側着座部
220...第1ばね受け部材
230...第2ばね受け部材
222...本体部
226...中央頂部
224...ばね受け部
229...湯流路
228...透孔
232...笠状支持部
234...外周支持部
236...ばね受け部
247...雌ネジ部
248...スプライン
238...透孔
242...係合ピン
168...環状係止部
172...流路部
180...ばね受け部材
180B...ばね受け部材
180C...ばね受け部材
180D...ばね受け部材
180F...ばね受け部材
180L...樹脂部材
180a...ばね受け部
180Fa...流路孔
180Fb...段部
180Fc...支持突起
180La...蓋体部
180La...樹脂ばね受け蓋体部部
180Lb...感温ばね受け樹脂部材
181a,181b...半割部材
181C...樹脂体
182...底面部
184...内筒部
186...螺旋段部
186B...螺旋溝
186D...螺旋溝
186E...凹所
188...ピン
189...ピン穴
190...スペーサ
190B...スペーサ
190C...スペーサ
190D...スペーサ
190G...スペーサ
190Gc...流路孔
190Gd...スペーサ円板部
190Ge...ガイド筒部
190Gf...ばね受け部
190Gg...弁体押圧部
192...ばね受け部部
192B...ばね受け部部
192C...ばね受け部部
194...脚部
194B...フィン
194C...フィン
194D...フィン
220F...ライナ
194G...フィン
195C...スペーサ円板部
220Fa...支持凹所
195Ca...スペーサ流路孔
195Da...スペーサ流路孔
196...脚間流路
196B...フィン間流路
196C...フィン間流路
197D...円錐状ガイド部
198...貫通流路
198B...貫通流路
198C...スペーサ筒状部
198D...スペーサ筒状部
198a...スペーサ突条
200...予荷重調節機構
200A...予荷重調節機構
210...ばね受け部材
210B...バイアスばね受け部材
210Ba...フィン
210F...バイアスばね受け部材部材
210Fa...段部
210Fb...支持突起
210G...バイアスばね受け部材部材
210Ga...笠状部
210Gb...先端支持突起
210Gc...円筒部
210Gd...環状凹所
210J...バイアスばね受け部材部材
210Ja...笠状部
210Je...ガイド円柱部
212...本体部
214...外周支持部
220G...ライナ
220H...ライナ
220Ha...摺動ガイド部
220J...ライナ
220Ja...ガイド筒部
220Jb...ガイド孔
300...水栓
310...外側ケーシング
400...湯水混合弁
410...断熱部材
420...水導入通路
424...冷却用流路
430...湯導入流路
431...間隙
440...温度調節ダイヤル
442...取付部
450...ケーシング本体
455...雌ネジ部
457...貫通孔
462...水側ポート
464...水側連結部
472...湯側ポート
474...湯側連結部
476...ガイド突起
478...湯側弁座
478a...シート面
480...水側弁座部材
481...凹所
482...弁座本体
484...雄ネジ部
486...水側弁座
488...ばね受け部
510...湯水混合室
520...湯流入室
530...スライド室
544...支持端部
546...支持端部
554...支持端部
560...可動弁体
562...筒状部
564,566...着座部
564...水側着座部
566...湯側着座部
568...環状係止部
572...流路部
574...ガイド面
580...スリップワッシャ
590...スペーサ
592...ばね受け部
594...脚部
596...脚間流路
598...貫通流路
600...予荷重調節装置
610...ライナ
611...有底孔
612...筒状本体部
614...第1ガイド部
614a,616a...ガイド溝
615...ばね受け部
616...第2ガイド部
622...第1雌ネジ部
624...第2雌ネジ部
630...スピンドル
632...回転本体
634...突出部
639...突起
800...切換弁
810...支持体
820...スリーブ
822...流出ポート
824...流出ポート
830...切換弁体
832...有底孔
834...流路孔
836...流路孔
840...切換ダイヤル
844...連結部材
850...第1流路
852...第2通路

Claims (5)

  1. 高温水と低温水とを混合して目標設定温度の混合湯水を吐水する湯水混合装置において、
    高温水を吐出する湯側ポートと低温水を吐出する水側ポートを有すると共に上記両ポートに連通する摺動孔を有するケーシング本体と、
    上記摺動孔に摺動自在に嵌合し、上記湯側ポートから吐出される高温水と水側ポートから吐出される低温水との混合比を調節する可動弁体と、
    所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化する材料からなり、混合湯水の上昇温度に伴い高温水の割合を減少させる方向へ上記可動弁体を付勢する感温ばねと、
    上記可動弁体を上記方向とは反対方向に付勢するバイアスばねと、
    上記可動弁体と感温ばねとの間に介在し高温水と低温水とを内部で混合し、該混合する位置から感温ばねを所定距離隔てるスペーサと、
    を備え、
    上記スペーサは、該スペーサの一端部に設けられ上記可動弁体に当接支持する弁押圧部と、該スペーサの他端部に形成され上記弁押圧部から所定間隙隔てて上記感温ばねの一端部を支持するばね受け部とを有し、
    上記スペーサの弁押圧部は、上記ばね受け部から突設されかつ可動弁体の内周に沿って所定間隙を隔てて設けられた複数の脚部を有し、
    上記可動弁体および上記スペーサの弁押圧部は、ほぼ円筒形状であり、上記スペーサの内部には、上記混合する位置から感温ばねに導く流路を有する、湯水混合装置。
  2. 上記脚部の一部は、上記水側ポートに対向するように配置された請求項1の記載の湯水混合装置。
  3. 上記脚部は、水側ポートから吐出する低温水の向きを周方向へ変えるフィンに形成されている請求項2に記載の湯水混合装置。
  4. 上記フィンは、円周上に配置すると共に、周方向へ等間隔に6〜8枚設けられている請求項3に記載の湯水混合装置。
  5. 上記フィンの周方向の間隔は、円周上に配置すると共に、水側ポートから離れるにつれて周方向において長い間隔で配置された請求項3に記載された湯水混合装置。
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