JP2008025632A - 湯水混合弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】混合水の温度を調節する混合弁体20と、混合水の温度を感知して混合弁体20に対する付勢力を変化させる形状記憶合金製の感温ばね32と、感温ばね32による付勢方向とは逆方向に混合弁体20を付勢するバイアスばね46と、を備えて混合水を設定温度に自動調節する湯水混合弁10において、感温ばね32及びバイアスばね46のそれぞれをゼンマイ式ばねとなす。
【選択図】 図3
Description
図8はその具体例を示している。
同図において200はケーシング,202及び204はそれぞれ水流入口及び湯流入口で、206は混合弁体である。
水流入口202と湯流入口204とから流入した水と湯とは、混合室208に流入してそこで混合され、その混合水が流出口210から図中右向きに流出する。
そして混合弁体206は、図中左右の位置移動によって水流入口202と湯流入口204との開度を変化させ、以って水流入口202からの水流入量と湯流入口204からの湯流入量との比率を変化させる。
この感温ばね212は、混合室208内の混合水の温度に応じて図中左向きの付勢力を変化させる。
即ち、混合水の温度が設定温度よりも高くなると付勢力を増大させて、混合弁体206を図中左向きに微小移動させ、水流入口202の開度を広くする一方、湯流入口204の開度を狭くする。即ち水の流入量を多く、湯の流入量を少なくそれぞれ変化させる。
回転操作軸214は円筒部218を有している。円筒部218の内周面には雌ねじが形成されており、そこに駆動部材220の外周面の雄ねじが螺合されている。
詳しくは、回転操作軸214の回転によって駆動部材220を押し込む方向(図中右方向)に移動させると、第1バイアスばね222及び第2バイアスばね224が圧縮されて付勢力を高め、ここにおいて感温ばね212と第1バイアスばね222及び第2バイアスばね224による付勢力との均衡が破れて、即ち第1バイアスばね222及び第2バイアスばね224による付勢力が感温ばね212の付勢力に打ち勝って、混合弁体206を釣合い位置から図中右向きにシフトさせる。
また圧縮コイルばねからなる感温ばねの場合、必ずしも混合水の温度を正確に感知しなかったり、或いは軸方向(図中右方向)に流れる水,湯或いは混合水の流動圧の影響を受けてしまい、混合水の温度制御の精度が必ずしも十分で無いといった問題があった。
そしてこのことによって、混合水の温度制御の精度が低下してしまう。詳しくは低温域においては、流出口210から流出する混合水の温度が設定温度に対して高くなってしまう。
加えてこの圧縮コイルばねからなる感温ばね212は軸方向に長さが長いため、特に図9(B)に示しているように軸方向に伸びた状態にあるときには、混合水の流入側の端と流出側の端とで混合水の温度の感知の仕方が異なってくる。
このこともまた、混合水の温度制御の精度を低くする要因となる。
かかる本発明によれば、感温ばね及びバイアスばねの何れもが軸方向長の短いものであるため、湯水混合弁を軸方向長の短い薄型に構成でき、湯水混合弁をコンパクトとなすことができる。
このようにすれば、混合水に対する感温ばねの接触表面積を大となし得て、混合水の温度を更に正確に感知することができ、混合水の温度の変化に正確に追従して、その付勢力を変化させるようになすことができる。
また混合弁体をこのような回転式の弁体とすることで、湯水混合弁の軸方向長を更に短くすることができ、湯水混合弁をよりコンパクト化することができる。
図1〜図4において、10は本実施形態のサーモスタット式の湯水混合弁で、12はそのケーシングである。
ケーシング12は円筒形状をなしており、その周壁部に沿って図中右側に水流入口14が、左側に湯流入口16がそれぞれ周方向に位置をずられて所定周長に亘って形成されている。
このケーシング12にはまた、軸方向両端部の内周面に雌ねじ18が形成されている。
20は混合弁体で、この実施形態では混合弁体20は回転式の弁体として構成されている。
この混合弁体20は、円筒部22と中心部の軸部24とを有しており、それらが一体に回転するようになっている。
この感温ばね32には、外周端と内周端とのそれぞれに折曲形状の係止部34,36が設けてある。
この端部部材38は円筒形状をなしており、軸方向一端部(図中右端部)の外周面には雄ねじ44が形成されていて、この雄ねじ44がケーシング12の図中左端部の雌ねじ部18にねじ結合されている。
以上のようにして感温ばね32は、固定側である端部部材38と回転運動する混合弁体20とにまたがって介装され、混合弁体20に対して図中反時計方向に付勢力を及ぼす。
尚、混合弁体20における円筒部22の内側及び端部部材38の内側は、図2に示しているように混合室45とされている。
具体的にはこの実施形態では、通常の金属製の平板ばね材、詳しくは帯状をなす平板ばね材を軸線周りにゼンマイ状(渦巻状)に回曲して構成してある。
そしてその外周端と内周端とのそれぞれには折曲形状の係止部47,48が設けてある。
内周端の係止部48は混合弁体20における軸部24の係止溝50に係止され、かかる係止部48が混合弁体20と一体に回転するようになっている。
一方外周端の係止部47は、図2(C)に示しているようにハンドル52の内周面の係止溝54に係止され固定されている。
この蓋56には中心部に挿通孔58が設けられており、図2にも示しているように混合弁体20における軸部24が、この挿通孔58を挿通している。
ハンドル52は有底円筒形状の回転式のハンドルであって、その内部にバイアスばね46が収容されている。
この実施形態ではハンドル52を回転させることで、混合弁体20に対するバイアスばね46の付勢力が強く又は弱く変更され、これに基づいて混合弁体20の回転位置が時計方向又は反時計方向にシフトする。
この実施形態では、ケーシング12の水流入口14,湯流入口16及び混合弁体20の水流入口28,湯流入口30を通じて水と湯とが混合弁体20の内部に流入し、そしてそれらの混合水が図2の流出口64から図中左方向に流出する。
このとき、感温ばね32はその混合水の温度を感知し、図2(B)に示しているようにその温度に基づいて混合弁体20に対する図中矢印に示す反時計方向の付勢力を変化させる。
即ち混合水の温度が設定温度よりも高くなると付勢力を増大させて混合弁体20を図中反時計方向に微小移動させ、図5の(I)から(II)及び図6の(I)から(II)への変化で表わしているように、ケーシング12における水流入口14と弁体20における水流入口28との重複面積を増大させて水の流入量を多くするとともに、ケーシング12の湯流入口16と弁体20における湯流入口30の重複面積を少なくして湯の流入量を少なくそれぞれ変化させる。
一方ハンドル52を図2(C)に示すように図中反時計方向に回転操作すると、その回転の力がバイアスばね46を介して混合弁体20に伝えられ、混合弁体20の回転位置が図中反時計方向にシフトされる。
混合弁体20は、そのシフト位置において感温ばね32による感温動作に基づいて水流入量と湯流入量との比率を調節し、混合水の温度をハンドル52の回転操作による設定温度に自動調節する。
また混合弁体20をこのような回転式の弁体とすることで、湯水混合弁10の軸方向長を更に短くすることができ、湯水混合弁10をよりコンパクト化することができる。
加えて本実施形態では混合弁体20を回転式の弁体として構成してあるため、混合弁体を軸方向に移動させる場合に比べて、混合弁体20の移動時のOリング26による摺動抵抗を小さく抑えることができる利点も有する。
このうち図7(A)のものは、内周側の小径部即ち頂部が外周部に対し図中矢印で示す混合水の流れの方向に対し下流側に位置するようになした例である。
この場合、水流入部及び湯流入部からの流れの方向に沿ってより遠い位置で混合水の温度を感知できるため、より正確な混合水の温度感知が可能である。
また(C)に示しているように水流解析の結果に基づき、混合水における高温,中温,低温の温度分布に合わせてゼンマイばねの形状を定めることもできる。
14 水流入口
16 湯流入口
20 混合弁体
32 感温ばね
45 混合室
46 バイアスばね
Claims (2)
- (イ)水流入口及び湯流入口と
(ロ)流入した水と湯とを混合する混合室と
(ハ)位置移動によって該水流入口からの水流入量と、該湯流入口からの湯流入量との比率を変化させて混合水の温度を調節する混合弁体と
(ニ)前記混合室内に配置され該混合水の温度を感知して前記混合弁体に対する付勢力を変化させ、混合水の温度が設定温度より高温側であるとき該混合弁体に対する付勢力を増大させ、混合水の温度を低下させる方向に該混合弁体を移動させる形状記憶合金製の感温ばねと
(ホ)該感温ばねによる付勢方向とは逆方向に前記混合弁体を付勢するバイアスばねと
を備えて前記混合水を設定温度に自動調節する湯水混合弁において
前記感温ばね及びバイアスばねのそれぞれをゼンマイ式ばねとなしたことを特徴とする湯水混合弁。 - 請求項1において、前記混合弁体を、軸周りに回転して前記水流入量と湯流入量との比率を変化させる回転式の弁体となしてあることを特徴とする湯水混合弁。
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