JP3630046B2 - 手乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、濡れた手を乾燥させるための手乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の濡れた手を乾燥させる手挿入室を有する手乾燥装置としては特開平11−4784号公報に掲載の技術が知られている。
【0003】
また、図14は上記公報に掲載の手挿入室を有する手乾燥装置の正面図であり、図13はこの図14の断面図である。これらの図において、10は手乾燥装置の本体である箱体で、20は箱体10の正面に設けられ、手が出し入れされる手挿入室、30は箱体10内に設けられ、高圧空気流を送風する送風機を具備した高圧空気流発生装置である。
【0004】
また、12は手挿入室20の一方の壁面の中央に設けられ、赤外線等の光を発する発光素子センサーであり、23a、bは手挿入室20の他方の壁面の挿入側左部位と奥側右部位のそれぞれに設けられ、発光素子センサー22からの光の有無を検出し、手の挿入有無を検出する受光素子センサである。
また、18a、bは手挿入室20の壁面上下に互いに対向して設けられ、高圧空気流を吹出すノズルであり、32は手乾燥装置の手挿入室側壁に隣接して設けられ、高圧空気流発生装置からの空気をノズル18a、bへ導く排気ダクトである。
【0005】
次に、この動作について説明する。
まず、手が手挿入室20へ入れると、挿入された手が、手挿入室20の壁面に設けられた発光素子22と複数の受光素子23a、bとの間の光を遮るため、受光レベルが下がりその受光素子の出力結果で、手が挿入されたことを検知し、送風機3が作動し、高圧空気流発生装置内で高圧の空気を作り、この高圧空気が排気ダクト16を介して上下のノズル18a、18bから手挿入室20の奥側、即ち、手の反挿入側へ噴出されるので、手に付着していた水滴等が高圧空気で吹飛ばされる。
【0006】
なお、この時、発光素子と受光素子とが単体で設けられているため、言い換えれば、点としてそれぞれ設けられているため、発光素子と受光素子とを結ぶ線上に手が挿入されないと検出できない。即ち、例えば、手が手挿入室の中央からセンサー壁面に対して、その手の平がほぼ垂直に挿入されたり、或いは、手の平がセンサー壁面に対してほぼ垂直に入れられなくても、単に、手の平が小いさいために、受光素子間に、手が挿入されたりした場合は、手が挿入されているにも関わらず、手が挿入されていないと検出して、ノズル18a、18bから高圧空気が吹出されず、手に付着していた水滴等は飛散しない。
【0007】
また、従来のその他例としては、図示はしないが、列状になった発光素子と受光素子とが上方と下方の壁面に互いに対向するように構成されたものもある。
しかし、このような構成部品としての発光素子と受光素子とが上下に2列づつ設けられているものは、手挿入室の手の挿入状態を正確に把握できるものの、部品点数も組立工数も多くなり、清掃個所である素子周りの部品も多くなり、保守メンテに時間がかかっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の手乾燥装置は手の存在有無を検出する検出領域が狭いため、手が挿入されているにも関わらず、手に付着した水滴等を的確に飛散させることができないという問題点があった。
また、部品点数や、組立工数や、清掃個所が多くなり、保守メンテ性が悪く、コストが高いという問題点があった。
【0009】
この発明は係る問題点を解決するために為されたもので、手が挿入された時、手に付着した水滴等を的確に飛散させる経済的で、使い勝手が良く、信頼性の高い手乾燥装置を得ることを目的とする。
また、水垢や手垢がつき難く、雑菌が繁殖しない手乾燥装置を得ることを目的とする。
【0010】
【問題を解決するための手段】
互いに対向した壁間の開口から手を挿抜して該手を乾燥する手挿入室を備える手乾燥装置において、上記互いに対向した壁のそれぞれのほぼ同一位置に設けられ、高速空気を噴出させる各ノズルと、上記互いに対向した壁のいずれか一方の内壁に上記手の挿抜方向と直交するように列状で設けられ、光を発する発光素子群と、上記壁の他方の内壁に上記手の挿抜方向と直交するように列状で設けられ、上記発光素子群からの光を受光する受光素子群と、を備え、上記発光素子群又は受光素子群のいずれか一方が上記開口の入口側と奥側に設けられ、他方の素子群が上記開口の入口側と奥側に設けられた素子群のほぼ中間位置と対向した位置になるように上記他方の壁面に単一で配置され、当該素子群間の光から上記手の挿抜状態を検出し、この検出結果に基づいて上記各ノズルから高速空気を噴出させることで、手首が前記手挿入室に入ってから前記高速空気が噴出され、前記手が前記手挿入室からほぼ抜き出されてから前記高速空気の噴出が停止する。
【0011】
また、上記開口の入口側と奥側に設けられた発光素子群又は受光素子群の入口側の素子群が、上記各ノズルの位置より上記開口側に配置されたものである。
【0012】
また、制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されていないと判断してから所定時間後に、上記各ノズルからの高速空気の噴出を停止させるものである。
【0013】
また、制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されたと判断した時、上記各ノズルから高速空気を噴出させるものである。
【0014】
また、制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されていないと判断した時、上記各ノズルからの高速空気噴出を停止させるものである。
【0015】
また、上記制御手段が、上記いずれの光も遮断されていないと判断した後、所定時間内に再び上記光の少なくともいずれか一方が遮断されたと判断した時、上記各ノズルから高速空気を噴出させるもである。
【0016】
また、照明器が、上記受光素子群の素子間に設けられ、上記互いに対向した壁間内を照明するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1について図1、2を用いて説明する。
なお、図1は手乾燥装置の概略断面図であり、図2は図1の手挿入方向Pから見た矢視図である。
これらの図において、1は手乾燥装置の外郭をなす箱体、2はこの箱体1の上面のみを開口、或いは更には側面を開口して略U字状の互いに対向した内壁面が形成され、手が挿抜できる手挿入室であり、当該手挿入室は箱体1の下部方向へ傾斜している。
また、4は手挿入室2のほぼU字状底部に設けられ、手から飛散した水を排水する排水口、5はこの排水口4に接続された排水管、11はこの排水管からのドレン水を溜めるドレンタンクである。
【0018】
また、12a,bは手挿入室2のU字状の互いに対向した内壁面のいずれか一方の上部(入口側)及び下部(奥側)壁面の夫々に手の挿抜方向と直交するように各横1列状で設けられ、赤外線や紫外線等の光をそれぞれ発するの発光素子群であり、13は手挿入室2のU字状壁面の他方の内壁面に設けられ、各列状発光素子群12a,bからの赤外線や紫外線等の光を受光して手の挿入有無を検出する横1列状の受光素子群である。なお、以後受光素子群を受光素子、発光素子群を発光素子と省略して呼ぶ。
【0019】
また、18a、bは手挿入室2のU字状の互いに対向した内壁面の上方に設けられ、高圧空気流をそれぞれ吹出す列状の各ノズルであり、32は手挿入室のU字状壁面に隣接して設けられ、高圧空気流発生装置からの空気をノズル18a、bへ導く排気ダクトであり、30はこの排気ダクト32接続され、高圧空気流を送風する送風機を具備した高圧空気流発生装置であり、42はこの高圧空気流発生装置30の吸気口30aに設けられ、吸気空気中の埃などを除去する着脱可能なフィルターである。
【0020】
次に、この動作について説明する。
まず、濡れた手が手挿入室2へ挿入されると、この挿入された濡れた手が、手挿入室2のU字状の内壁面の上部及び下部のそれぞれに設けられた横1列状の発光素子12a、bと横1列状の受光素子13との間の赤外線等の光をいずれも遮るため、受光素子13の受光レベルが下がり、その結果、手が挿入されたと判断し、制御手段(図示せず)が送風機3を作動させて高圧空気流発生装置30内で高圧の空気を作る。
【0021】
即ち、この時、制御手段は、上部壁面に設けられた列状の発光素子12aと列状受光素子13との間の赤外線等の光を手が遮っても、列状受光素子13は下部壁面に設けられた発光素子12bからの赤外線を受光しているので、受光量から手がまだ完全に挿入されていないと判断して送風機を運転しない。
しかし、手が更に挿入室部2の奥まで挿入され、上下の列状の発光素子12a、bと列状受光素子13との間の赤外線等の光をいずれも遮ると、手が完全に挿入された状態であると判断し、送風機を運転させ、吸気口30aから空気を吸込み、この吸込んだ空気中の塵等をフィルター42で除去し、きれいな高圧空気を作る。
【0022】
次に、この高圧空気は手が挿入された手挿入室2に隣接する排気ダクト32へ送られ、手挿入室2のほぼU字状の内壁面に互い対向して設けられた各列状ノズル18a、18bから、手挿入側から奥側へ圧力勾配が形成されるように、傾斜して吹出され、手に当たる。
この結果、手挿入室2に挿入した手(図示せず)を擦り合せることなく、手に付着した水滴を手の表裏から奥側のU字状壁面の底部へ吹飛ばし、排除するので、濡れた手は乾燥した状態になる一方、この吹飛ばされた水滴は排水管5からドレンタンク11へ流れ、ドレンタンクに溜るので、飛散した水によって手乾燥装置の周囲が濡れることがない。
【0023】
その後、手を手挿入室2から上方へ抜き、手が下方の発光素子12bと受光素子13との間の赤外線等の光を遮らなくなっても、発光素子12aと受光素子13との間の赤外線等の光を遮っているため、前述したように、高圧空気が作られ、ノズル18a,bから吹出されているので、更に手の表面の水分等を排除するため、手は更に乾燥する。
【0024】
そして、手が手挿入室2から完全に抜かれると、列状の発光素子12a、bと列状の受光素子13との間の赤外線等の光を遮っていた手がなくなるため、受光素子13が発光素子12bからの赤外線等の光を受光し、受光レベルが上がるので、制御手段が、手が存在しなくなったと判断して送風機3を停止させ、高圧空気流発生装置30で高圧空気を作るのをやめるので、ノズル18a、bから高圧空気が吹出されなくなる。
【0025】
次に、上記動作が終了し、高圧空気の吹出が停止した後、所定時間内に、手が再挿入され、列状発光素子12a,bと列状受光素子13との間のいずれかの赤外線等の光が遮られ、受光レベルが所定値まで下がると、制御手段は、所定時間(例えば数秒)内に、手が再挿入されたと判断して送風機3を運転し、高圧空気を再びノズル18a、bから吹出し、同じ手を再乾燥したり、或いは、違う手が連続して挿入されも、乾燥するようになる。
【0026】
なお、その後の動作は前述した動作のいずれかを行う。
【0027】
また、これら一連の動作において、1つの列状受光素子群13で入口(上方)側列状発光素子12aの赤外線と奥(下方)側列状発光素子12bの赤外線の両方を受光しているが、これら入口側及び奥側発光素子12a、12bから発信している発光信号は、パルス状でタイミングを互いにずらして発光し、このずらした発光タイミングと同期させて受光素子群13は受光しているので、制御手段は入口側発光信号か奥側発光信号かを判断する。
【0028】
なお、各発光素子12a、12bから発信する発光信号のパルスタイミングをずらさない場合は、入口側発光素子に向けた受光素子と奥側発光素子に向けた受光素子とを横一列状に配置した構成でも良い。
【0029】
以上説明したように、こような構成にすると、少ない構成部品で、手の挿入状態を正確に検出し、手に付着した水滴を確実に吹き飛ばすようになるため、経済的で、使い勝手が良く、信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【0030】
また、制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されたと判断した時、上記各ノズルから高速空気を噴出させるので、濡れた手が奥まで挿入されてから高速空気を吹出すようになるため、手から剥離された水滴が使用者側へ飛ぶことなく、確実に吹き飛ばす信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【0031】
また、制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されていないと判断した時、上記各ノズルからの高速空気の噴出を停止させるので、手が挿入された時だけ高速空気を吹出すようになるため、経済的な手乾燥装置が得られる。
【0032】
また、制御手段が、上記いずれの光も遮断されていないと判断した後、所定時間内に再び上記光の少なくともいずれか一方が遮断された判断した時、上記各ノズルから高速空気を噴出させるので、手が入口側と奥側のいずれの光を遮らなくとも、即ち、奥まで手を挿入しなくても高速空気を噴出するため、手をスピディーに再乾燥したり、或いは違う手を連続してスピディーに乾燥する使い勝手の良い手乾燥装置が得られる。
【0033】
また、この構成において、照明器14を受光素子群の素子間に設けると、受光素子群が照明器14の光からの影響を余り受けないようになるため、更に信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【0034】
また、この構成において、手挿入室2の内壁表面2aにシリコン系又はフッ素系等の撥水性材料、若しくは、酸化チタン等の親水性材料をコ−ティングしておくと、水垢や手垢付着の汚れが低減されるため、清潔な手乾燥装置が得られる。。
【0035】
また、更には、コ−ティング材に抗菌剤を含浸させると、内壁表面2aでの雑菌の繁殖を抑制するため、更に清潔な手乾燥装置が得られる。
【0036】
なお、図10はこの実施の形態1における箱体1の上面のみを開口し、側面は開口しない他の例のものであり、また、図11はこの図10の手挿入方Qから見た矢視図である。
【0037】
また、以上説明した構造ものを横置きにしても前述したと同じ動作をし、ほぼ同じ効果が得られる。
また、図7は、この実施の形態1において、手挿入室の壁面に設けた発光素子群12a、bと受光素子13の壁面に対する配置を逆にしたものである。
【0038】
実施の形態2.
以下に、本発明の実施の形態2について図8、9を用いて説明する。
この実施の形態2においては、手の挿抜方向と直交するように横1列状の発光素子群を1列のみ、手挿入室2のU字状の互いに対向する開口前後の内壁面のいずれか一方に設け、他方の内壁面の上部(入口側)と下部(奥側)のそれぞれに手の挿抜方向と直交するように横1列状の受光素子群を設けたものである。
即ち、これらの図において、12は手挿入室2の互いに対向する内壁面のいずれか一方の壁面に設けられ、赤外線等の光を発する横1列状の発光素子群であり、13a、bは手挿入室内壁面の他方の上部壁面及び下部壁面に夫々設けられ、列状発光素子群12からの赤外線等の光を受光して手の挿入有無を検出する各受光素子群である。
なお、その他構成は実施の形態1とほぼ同じである。
【0039】
次に、この動作について説明する。
まず、濡れた手が手挿入室2へ挿入されると、この挿入された濡れた手が、手挿入室2のU字状の内壁面に設けられた横1列状の発光素子12と横1列状の受光素子13a、bとの間の赤外線等の光をいずれも遮るため、その結果、手が挿入されたと判断し、制御手段(図示せず)が送風機3を作動させ、高圧空気流発生装置30内で高圧空気を作る。
【0040】
即ち、この時、制御手段は、列状の発光素子12と上部壁面に設けられた列状受光素子13aとの間の赤外線等の光を手が遮っても、下部壁面に設けられた列状受光素子13bが発光素子12からの赤外線の光を受光しているので、いずれの赤外線も遮断されいない、即ち、手がまだ完全に挿入されていないと判断して送風機を運転しない。
しかし、手が更に挿入室部2の奥まで挿入され、上下の列状の発光素子12a、bと列状受光素子13との間の赤外線等の光をいずれも遮ると、手が完全に挿入された状態であると判断し、送風機を運転させ、吸気口30aから空気を吸込み、この吸込んだ空気中の塵等をフィルター42で除去し、きれいな高圧空気を作る。
【0041】
次に、この高圧空気は手が挿入された手挿入室2に隣接する排気ダクト32へ送られ、手挿入室2のほぼU字状の内壁面に互い対向して設けられた各列状ノズル18a、18bから、手挿入側から奥側へ圧力勾配が形成されるように、傾斜して吹出され、手に当たる。
この結果、手挿入室2に挿入した手(図示せず)を擦り合せることなく、手に付着した水滴を手の表裏から奥側のU字状壁面の底部へ吹飛ばし、排除するので、濡れた手は乾燥した状態になる一方、この吹飛ばされた水滴は排水管5からドレンタンク11へ流れ、ドレンタンクに溜るので、飛散した水によって手乾燥装置の周囲が濡れることがない。
【0042】
その後、手を手挿入室2から上方へ抜き、手が発光素子12と受光素子13bとの間の赤外線等の光を遮らなくなっても、発光素子12と受光素子13aとの間の赤外線等の光を遮っているため、前述したように、高圧空気が作られ、ノズル18a,bから吹出されているので、更に手の表面の水分等を排除するため、手は更に乾燥する。
【0043】
そして、手が手挿入室2から完全に抜かれると、列状の発光素子12と列状の受光素子13a,bとの間の赤外線等の光を遮っていた手がなくなるため、受光素子13a、bが発光素子12からの赤外線を受光し、受光レベルが上がるので、制御手段が、手が存在しなくなったと判断して送風機3を停止させ、高圧空気流発生装置30で高圧空気を作るのをやめるので、ノズル18a、bから高圧空気が吹出されなくなる。
【0044】
次に、上記動作が終了し、高圧空気の吹出が停止した後、所定時間内に、手が再挿入され、列状発光素子12と列状受光素子13a,bとの間のいずれかの赤外線等の光が遮られ、受光レベルが所定値まで下がると、制御手段は、所定時間(例えば数秒)内に、手が再挿入されたと判断して送風機3を運転し、高圧空気を再びノズル18a、bから吹出す。
【0045】
なお、その後の動作は前述した動作のいずれかを行う。
【0046】
また、これら一連の動作において、1つの列状発光素子群12からの赤外線等の光を入口(上方)側列状受光素子13aと奥(下方)側列状受光素子13bの両方で受光しているが、列状発光素子群12からの光は、入口(上方)側列状受光素子13aと奥(下方)側列状受光素子13bの範囲をカバーするように発光されているため、受光素子群13は手によって入口側列状受光素子13aの光を遮ったか、奥側列状受光素子13bの光を遮ったかを検出し、この検出結果を制御手段に送信するので、制御手段はこの検出結果に基づいて判断する。
【0047】
また、この実施の形態2における発明の技術思想は実施の形態1とほぼ同じであり、発明の効果もほぼ同じであるため、詳細な効果の説明は省略する。
【0048】
実施の形態3.
この実施の形態3は、実施の形態1又は2において、図3、7又は8、9に示すように、一方の壁面の上方と下方に設けられた発光素子群12a、b(実施の形態1)又は受光素子群13a、b(実施の形態2)のほぼ中間位置に対向した位置になるように、他方の壁面に他方の素子である受光素子群13又は発光素子群12をそれぞれ設置したものである。
なお、その他の構成はそれぞれ実施の形態1、2とに対応した構成とほぼ同じ構成になっている。
【0049】
次に、この動作について説明する。
このように、上方と下方に設けられた一方の素子群のほぼ中間位置に対向して位置するように、他方の壁面に他方の素子群を配置すると、手が手挿入室2に挿入され、一方の内壁の下方に設けられた素子群と他方の壁面に設けられた素子群間の光を手が遮っした時、即ち、手の手首が手挿入室2に入ってからノズル18a、bから高速空気が吹出され、図4のように手を手挿入室2から抜いてゆく時は、ほぼ手が手挿入室2から抜かれた後、高速空気の吹出しが停止されるため、手に付着した水等を確実に吹き飛ばす。
【0050】
しかし、図5に示したように、下方に設けられた素子群の位置に対応して、他方の素子群を設けると、特に、手を手挿入室2から抜いてゆく時、手がまだ手挿入室2に有るにも関わらず、言い換えれば、手がノズル18a、bの下に位置する状態で、手が濡れた状態で有るにも関わらず、手が上方と下方の光を遮らなくなるため、ノズル18a、bからの高速空気の吹出を停止するので、停止タイミングが早くなり、手に付着した水分は残ったままとなる。
【0051】
また、図6に示したように、上方に設けられた素子群の位置に対応して、他方の素子群を設けると、手が手挿入室2に完全に挿入されていないにも関わらず、手が上方と下方の光を遮るため、ノズル18a、bから高速空気が吹出されるので、手首付近に付着した水分が手挿入室2の奥側へ行かずに、使用者の方へ飛んでしまう。
【0052】
以上説明したように、このような構成にすると、手挿抜位置に対する高速空気の吹出しタイミングと停止タイミングが良くなるため、更に手に付着した水滴等を確実に吹き飛ばす信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【0053】
実施の形態4.
この実施の形態4は、実施の形態3において、図3、7又は8、9に示すように、上方と下方に設けられた発光素子群12a、b(実施の形態1)又は受光素子群13a、b(実施の形態2)の上方に位置する素子群を、高速空気流を噴出するノズル18a、bより外側に、即ち、ノズル18a、bよりも手挿入室の内壁面の上方に配置したものである。
なお、その他の構成はそれぞれ実施の形態1、2とに対応した構成とほぼ同じ構成になっている。
【0054】
次に、この動作について説明する。
上方に位置する素子群を、高速空気流を噴出するノズル18a、bよりも手挿入室2の内壁面の上方に設けると、手挿入室2に挿入した手を当該手挿入室から抜いてゆく時、上記ノズル18a、bからの高速空気が手に当たっている状態から当たらなくなるまでの状態は、図3から図4への変化となり、これらの図に示すように、上方に位置する素子群の光を手が遮らなくなるまで、その入口側素子群より下位のノズル18a、bから高速空気流が吹出され、その後、光が遮られなくなると、送風機を停止させ、高速空気流の吹出しを停止させるので、手の指先まで乾燥させることができる。
【0055】
即ち、特に手がゆっくり抜かれた場合、このような構成になっていないと、言い換えれば、ノズル18a、bが素子群より常に上にある時は、ノズルと入口側素子群間にある手の部分に高速空気流がまだ当たっていない状態で、高速空気流の吹出を停止するため、途中までの乾燥となり、手の指先まで乾燥させることができない。
【0056】
なお、上方に位置する素子群を、高速空気流を噴出するノズル18a、bよりも手挿入室2の内壁面の上方に設けなくても、光が遮られなくなってから送風機を所定時間運転するように、タイマーや遅延リレーなどで遅延させて送風機の運転を制御するようにすると、手の指先がノズル以上に抜かれるまで高速空気が吹出されるので手の指先まで乾燥させることができる。
【0057】
以上説明したように、このような構成にすると、常に手が高速空気を吹出すノズル上方の入口側素子群の上方まで抜かれない限り、高速空気が吹出されているため、手の指先まで乾燥させる信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【0058】
また、制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されていないと判断してから所定時間後に、上記各ノズルからの高速空気の噴出を停止させるので、手の指先がノズル以上抜かれるまで高速空気が吹出されるようになるため、手の指先まで乾燥させる信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、互いに対向した壁間の開口から手を挿抜して該手を乾燥する手乾燥装置において、上記互いに対向した壁のそれぞれのほぼ同一位置に設けられ、高速空気を噴出させる各ノズルと、上記互いに対向した壁のいずれか一方の内壁に上記手の挿抜方向と直交するように列状で設けられ、光を発する発光素子群と、上記壁の他方の内壁に上記手の挿抜方向と直交するように列状で設けられ、上記発光素子群からの光を受光する受光素子群と、を備え、上記発光素子群又は受光素子群のいずれか一方が上記開口の入口側と奥側に設けられ、他方の素子群が単一で設けられ、当該素子群間の光から上記手の挿抜状態を検出し、この検出結果に基づいて上記各ノズルから高速空気を噴出させるので、少ない構成部品で、手の挿入状態を正確に検出し、手に付着した水滴を確実に吹き飛ばすようになるため、経済的で、使い勝手が良く、信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【0060】
また、上記他方の素子群が、上記開口の入口側と奥側に設けられた素子群のほぼ中間位置と対向した位置になるように上記他方の壁面に配置されたので、手挿抜位置に対する高速空気の吹出しタイミングと停止タイミングが良くなるため、更に手に付着した水滴等を確実に吹き飛ばす信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【0061】
また、上記開口の入口側と奥側に設けられた発光素子群又は受光素子の入口側の素子群が、上記各ノズルの位置より上記開口側に配置されたので、常に手が高速空気を吹出すノズル上方の入口側素子群の上方まで抜かれない限り、高速空気が吹出されているため、手の指先まで乾燥させる信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【0062】
また、制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されていないと判断してから所定時間後に、上記各ノズルからの高速空気の噴出を停止させるので、手の指先がノズル以上抜かれるまで高速空気が吹出されるようになるため、手の指先まで乾燥させる信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【0063】
また、制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されたと判断した時、上記各ノズルから高速空気を噴出させるので、濡れた手が奥まで挿入されてから高速空気を吹出すようになるため、手から剥離された水滴が使用者側へ飛ぶことなく、確実に吹き飛ばす信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【0064】
また、制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されていないと判断した時、上記各ノズルからの高速空気の噴出を停止させるので、手が挿入された時だけ高速空気を吹出すようになるため、経済的な手乾燥装置が得られる。
【0065】
また、制御手段が、上記いずれの光も遮断されていないと判断した後、所定時間内に再び上記光の少なくともいずれか一方が遮断されたと判断した時、上記各ノズルから高速空気を噴出させるので、手が入口側と奥側のいずれの光を遮らなくとも、即ち、奥まで手を挿入しなくても高速空気を噴出するため、手をスピディーに乾燥する使い勝手の良い手乾燥装置が得られる。
【0066】
また、照明器が、上記受光素子群の素子間に設けられ、上記互いに対向した壁間内を照明するので、受光素子群が照明器14の光からの影響を余り受けないようになるため、更に信頼性の高い手乾燥装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における手乾燥装置の概略断面図である。
【図2】図1のP方向からの矢視図である。
【図3】本発明の実施の形態3、4における手乾燥装置の概略断面図である。
【図4】本発明の実施の形態4における手乾燥装置の概略断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3を補足説明する手乾燥装置の概略断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3を補足説明する手乾燥装置の概略断面図である。
【図7】本発明実施の形態1、3、4における手乾燥装置の概略断面図である。
【図8】本発明実施の形態2、3、4における手乾燥装置の概略断面図である。
【図9】本発明実施の形態2、3、4における手乾燥装置の概略断面図である。
【図10】本発明の実施の形態1、2における別の手乾燥装置の概略断面図である。
【図11】図10のP方向からの矢視図である。
【図12】本発明の受光素子と照明器の配置図である。
【図13】従来の手乾燥装置の概略正面図である。
【図14】図13のA-A断面図である。
【符号の説明】
1 手乾燥装置、 2 手挿入室、 2a、b 手挿入室の内壁面、 4 排水口、 11ドレンタンク、 12、12a、12b 発光素子、 13、13a、13b 受光素子、 14 照明器、 18a、b ノズル、 30 高圧空気流発生装置、 30a 高圧空気流発生装置の吸込み口、 32 排気ダクト、 40 チャンバー、 42 フィルター。
Claims (7)
- 互いに対向した壁間の開口から手を挿抜して該手を乾燥する手挿入室を備える手乾燥装置において、上記互いに対向した壁のそれぞれのほぼ同一位置に設けられ、高速空気を噴出させる各ノズルと、上記互いに対向した壁のいずれか一方の内壁に上記手の挿抜方向と直交するように列状で設けられ、光を発する発光素子群と、上記壁の他方の内壁に上記手の挿抜方向と直交するように列状で設けられ、上記発光素子群からの光を受光する受光素子群と、を備え、上記発光素子群又は受光素子群のいずれか一方が上記開口の入口側と奥側に設けられ、他方の素子群が上記開口の入口側と奥側に設けられた素子群のほぼ中間位置と対向した位置になるように上記他方の壁面に単一で配置され、当該素子群間の光から上記手の挿抜状態を検出し、この検出結果に基づいて上記各ノズルから高速空気を噴出させることで、手首が前記手挿入室に入ってから前記高速空気が噴出され、前記手が前記手挿入室からほぼ抜き出されてから前記高速空気の噴出が停止することを特徴とする手乾燥装置。
- 上記開口の入口側と奥側に設けられた発光素子群又は受光素子群の入口側の素子群が、上記各ノズルの位置より上記開口側に配置されたことを特徴とする請求項1記載の手乾燥装置。
- 制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されていないと判断してから所定時間後に、上記各ノズルからの高速空気の噴出を停止させることを特徴とする請求項1記載の手乾燥装置。
- 制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されたと判断した時、上記各ノズルから高速空気を噴出させることを特徴とする請求項1記載の手乾燥装置。
- 制御手段が、上記発光素子群と受光素子群との間の入口側と奥側のいずれの光も遮断されていないと判断した時、上記各ノズルからの高速空気噴出を停止させることを特徴とする請求項1記載の手乾燥装置。
- 上記制御手段が、上記いずれの光も遮断されていないと判断した後、所定時間内に再び上記光の少なくともいずれか一方が遮断されたと判断した時、上記各ノズルから高速空気を噴出させることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の手乾燥装置。
- 照明器が、上記受光素子群の素子間に設けられ、上記互いに対向した壁間内を照明することを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の手乾燥装置。
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