JP2014036884A - 手乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水滴が手挿入部の外に飛散することを低減できるとともに、水滴が手に再付着することを低減できる手乾燥装置を得ること。
【解決手段】 手乾燥装置100は、外郭をなす箱体1と、箱体1の側面と上面または正面を開口した手挿入部2と、手挿入部2の手前側内面と奥側内面に70mm〜90mmの間隔で配置されたノズル7a,7bと、ノズル7a,7bに空気流を供給する空気流発生部3を備え、ノズル7a,7bから噴出される空気流の最大空気出力が500W以下、手挿入部2の側面と上面または正面の開口面積が55000mm2以上ある。
【選択図】図1
【解決手段】 手乾燥装置100は、外郭をなす箱体1と、箱体1の側面と上面または正面を開口した手挿入部2と、手挿入部2の手前側内面と奥側内面に70mm〜90mmの間隔で配置されたノズル7a,7bと、ノズル7a,7bに空気流を供給する空気流発生部3を備え、ノズル7a,7bから噴出される空気流の最大空気出力が500W以下、手挿入部2の側面と上面または正面の開口面積が55000mm2以上ある。
【選択図】図1
Description
本発明は、手乾燥装置に関する。
洗浄後の濡れた手を乾燥させる手乾燥装置として、鉛直断面が概U形状または概C形状の壁で囲まれた乾燥処理室に手を挿入し、手に付着した水滴を高圧空気流(高速空気流)により吹き飛ばし乾燥させる装置がある。
特許文献1には、手乾燥装置において、箱体の正面及び側面を開口して挿通自在に設けられた手挿入部が、その入口部より大きな空間の奥部を有することが記載されている。これにより、特許文献1によれば、手挿入部の上下面部に各々配設された吹出ノズルから吹き出た高速空気が手挿入部の奥部に当たってその圧力が低減され、吹出ノズルから吹出される風速が増すので、手の乾燥時間を短縮できるとされている。
手乾燥装置では、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の空気出力(ノズル静圧Paと流量m3/sの積)が大きいほど手の甲と平に付着した水滴を吹飛ばす能力が高くなるが、一方で、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の空気出力が大きくなりすぎると、水滴が手挿入部の外に飛散してしまう傾向にあり、このことは衛生上好ましくない。更に、手挿入部の上面または正面及び側面の開口面積が小さいと、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)が手挿入部外に排出され難くなり、手挿入部内で流れが乱れることにより、手から吹飛んで手挿入部内面に付着した水滴を巻き上げて手に再付着させてしまう傾向にあり、このことも衛生上好ましくない。このように、手乾燥装置では、水滴が手挿入部の外に飛散することを低減しつつ、水滴が手に再付着しにくくする必要がある。
そこで、本発明者は、このような手乾燥装置において、水滴飛散と水滴の手への再付着を防止できるノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の空気出力の上限値と、その値に対応する手挿入部の上面または正面及び側面の開口面積の最小値が存在するはずだと考えた。
特許文献1には、手に付着した水滴を吹き飛ばした後にその水滴が手に再付着することに関連した記載がない。すなわち、特許文献1には、水滴が手挿入部の外に飛散することを低減しつつ、水滴が手に再付着することを低減するにはどのようにしたらいいのかについて一切記載がない。また、特許文献1には、具体的な空気出力の上限値と手挿入部の開口面積の最小値とについての記載はない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、水滴が手挿入部の外に飛散することを低減できるとともに、水滴が手に再付着することを低減できる手乾燥装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかる手乾燥装置は、外郭をなす箱体と、前記箱体の一主面から前記箱体の両側面に渡って形成された開口と、第1の内壁面と、前記第1の内壁面に対向する第2の内壁面とを有し、前記開口から前記第1の内壁面と前記第2の内壁面との間に手が挿入される手挿入部と、前記第1の内壁面に配され、前記第2の内壁面に向かって空気流を噴出させる第1のノズルと、前記第2の内壁面に配され、前記第1の内壁面に向かって空気流を噴出させる第2のノズルと、前記第1のノズル及び前記第2のノズルのそれぞれに空気流を供給する空気流発生部とを備え、前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間隔は、70mm以上90mm以下であり、前記第1のノズルと前記第2のノズルとのそれぞれから噴出される空気流の最大出力は、500W以下であり、前記開口の面積は、55000mm2以上であることを特徴とする。
本発明によれば、ノズルから噴出される空気流の最大出力が500W以下であるので、手を手挿入部に挿入した際に、水滴が手挿入部の外に飛散しにくい。また、手挿入部の開口の面積が55000mm2以上であるので、手を手挿入部に挿入した際に、手に付着した水滴を吹き飛ばした後にその水滴が手に再付着しにくい。これにより、水滴が手挿入部の外に飛散することを低減できるとともに、水滴が手に再付着することを低減できる。
以下に、本発明にかかる手乾燥装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
実施の形態にかかる手乾燥装置100について図1を用いて説明する。図1は、実施の形態にかかる手乾燥装置100の側面断面図である。図1において、実線の矢印は気流の流れを示し、点線の矢印は手から排除された水滴の流れを示す。
実施の形態にかかる手乾燥装置100について図1を用いて説明する。図1は、実施の形態にかかる手乾燥装置100の側面断面図である。図1において、実線の矢印は気流の流れを示し、点線の矢印は手から排除された水滴の流れを示す。
手乾燥装置100は、本体箱体1、手挿入部2、送風機(空気流発生部)3、ノズル(第1のノズル)7b、ノズル(第2のノズル)7a、手検知センサ8、手検知センサ11、及び制御部30を備える。
本体箱体1は、手乾燥装置100の外郭を成し、手乾燥装置100の前面100a、背面100b、及び底面100c等から成る。前面100aは、手乾燥装置100における使用者が使用時に向き合う面である。背面100bは、前面100aと反対側の面である。底面100cは、前面100a及び背面100bに隣接した面であって、手乾燥装置100における使用者の手が挿入される側と反対側の面である。
手挿入部2は、本体箱体1の内側の上部に設けられている。手挿入部2は、本体箱体1の上面と両側面とに開放しており、使用者が手を自在に挿抜できるように設けられている概U形状の壁の部分により形成された空間である。
具体的には、手挿入部2は、開口2c(図2参照)、内壁面(第1の内壁面)2b、内壁面(第2の内壁面)2a、底面2n、及び側壁2kを有する。
開口2cは、本体箱体1の上面(一主面)から本体箱体1の両側面に渡って形成されている。すなわち、開口2cは、本体箱体1の上面に形成された上面開口2c1と、上面開口2c1の両側端から本体箱体1の底面100cへ向かってそれぞれ延びた2つの側面開口2c2とを含む(図2参照)。上面開口2c1は、手が挿入されるための開口であり、手挿入部2における開口の間口が最も狭くなっている位置にある。
内壁面2bは、手挿入部2における背面100bに近い側の内壁面であり、内壁面2aに対向している。内壁面2aは、手挿入部2における前面100aに近い側の内壁面であり、内壁面2bに対向している。内壁面2aと内壁面2bとは底面100cに近づくにつれてそれぞれ前面100aと背面100bとに近くなるように一度傾斜したのち、内壁面2aが前面100aに沿いながら底面100cに近づくとともに内壁面2bがなおも底面100cに近づくにつれて背面100bとに近くなるように傾斜して延びている。これにより、手挿入部内の最大幅2j(図2参照)、内壁面2bと内壁面2aとの最大距離が120mm以上となっている。その後、内壁面2aと内壁面2bとは底面100cに近づくにつれて互いに徐々に近づきながら底面2nまで延びている。底面2nは、本体箱体1の上面と反対側において内壁面2bと内壁面2aとを接続している。側壁2kは、内壁面2aと内壁面2bと底面2nとから側面開口2c2へ向かうように立ち上がった壁であり、内壁面2a、内壁面2b、又は底面2nに付着した水滴が手挿入部2の側面開口2c2から外に飛び出さないようにブロックしている。
また、手挿入部2の内側におけるノズル7aとノズル7bとを結ぶ直線、つまり、ノズル間距離2h(図2参照)は、手が手挿入部2の内壁面2aと内壁面2bとに触れ難いように70mm以上90mm以下となっている。仮に、ノズル間距離2hが70mmより小さいと、手が手挿入部2に挿入された際に内壁面2aや内壁面2bに手が触れてしまい水洗いした手が不衛生となってしまう傾向にある。あるいは、仮に、ノズル間距離2hが90mmより大きいと、手が手挿入部2に挿入された際に手の甲側と手の平側との少なくとも一方がノズルから離れすぎて手に付着した水滴を吹き飛ばすことが困難になる。
更に、手挿入部2の内側におけるノズル7aとノズル7bとによって定まるノズル間面2f(図2参照)と、手挿入部2の底面2nとの距離、つまり、手挿入部深さ2i(図2参照)は、手が手挿入部2の底面2nに触れ難いように200mm以上となっている。仮に、手挿入部深さ2iが200mmより小さいと、手が手挿入部2に挿入された際に底面2nに手が触れてしまい水洗いした手が不衛生となってしまう傾向にある。
手挿入部2では、主として、上面開口2c1(図2参照)から内壁面2bと内壁面2aとの間に手が挿入される。なお、手を手挿入部2に上方より近づけるときに、手の水滴が滴り直接ノズル7aとノズル7bとに当たりノズル7aとノズル7bとの内部に侵入しないように、手挿入部2の上面開口2c1(図2参照)の幅は、ノズル間距離2h(図2参照)よりも狭くなっている。
手挿入部2の底面2nには、排水口4が形成されており、この排水口4には排水管5が接続され、この排水管5は本体箱体1の下部に配設されたドレン容器10まで延びている。なお、手から排除された水滴および水のことをドレンという。手挿入部2の対向面である内壁面2a、2bには、シリコン系もしくはフッ素系等の撥水性コーティング、または酸化チタン等の親水性があるコーティングがなされ、さらにこれらコーティングには抗菌材が含浸されており、内壁面2a、2bの汚れ付着を低減させると共に菌の繁殖を低減させるようにしてある。
送風機3は、本体箱体1の内側における手挿入部2の下方に内蔵されている。送風機3は、吸気ダクト9を介して吸い込んだ空気から例えば高圧空気流(高速空気流)を発生させ、高圧空気流(高速空気流)を排気ダクト15a、15b経由でノズル7a、7bへそれぞれ供給する。吸気ダクト9は、本体箱体1のほぼ中央部に設けられた送風機3から蛇行するようにして下方に延び、ドレン容器10の背後をとおって大気中に開口している。そして、吸気口9aにはエアフィルタ20が取り付けられている。送風機3の上部には排気口14が設けられ、排気ダクト15a、15bに連通して、ノズル7a、7bから高圧空気流(高速空気流)を噴出するようになっている。
ノズル7a、7bは、それぞれ、送風機3により供給された高圧空気流(高速空気流)を噴出する。ノズル7a、7bは、それぞれ、手挿入部2の上面開口2c1(図2参照)近傍の内壁面2a、2bに設けられている。すなわち、ノズル7bは、内壁面2bに配され、内壁面2aに向かって高圧空気流(高速空気流)を噴出させる。ノズル7aは、内壁面2aに配され、内壁面2bに向かって高圧空気流(高速空気流)を噴出させる。これにより、ノズル7a、7bは、手挿入部2内に手が挿入された際に、手の平側と手の甲側との双方に風を当て、手挿入部2内に挿入した手を擦り合わせることなく、手に付着した水滴を手の表裏から排除できるようになっている。
手検知センサ8は、発光素子8a及び受光素子8bを有する。手検知センサ8は、例えば、透過式センサであり、発光素子8aが内壁面2aの側に配され受光素子8bが内壁面2bの側に配されている。発光素子8aから照射された赤外線が手挿入部2内の検知位置2dを通過し受光素子8bで受光されるように、受光素子8bが内壁面2bの側に配されるとともに、発光素子8aが内壁面2aの側に配されている。これにより、手検知センサ8は、受光素子8bによる受光量に応じて、手挿入部2内の検知位置2dへの手の挿入を検知する。
手検知センサ11は、発光素子11a及び受光素子11bを有する。手検知センサ11は、例えば、反射式センサであり、発光素子11a及び受光素子11bがいずれも内壁面2bの側に配されている。発光素子11aから照射された赤外線が手挿入部2内の検知位置2eを通過し内壁面2aで反射して受光素子11bに戻って受光されるように、発光素子11a及び受光素子11bがともに内壁面2bの側に配されている。このとき、手検知センサ11による検知位置2eは手検知センサ8による検知位置2dより手挿入部2の上面開口2c1(図2参照)に近い。これにより、手検知センサ11は、受光素子11bによる受光量に応じて、手挿入部2内における手検知センサ8による検知位置2dよりも上面開口2c1に近い検知位置2eへの手の挿入を検知する。
制御部30は、図1において概念的に示されているが、例えば本体箱体1の内側に内蔵されていてもよいし、本体箱体1の外側に配されていても良い。制御部30は、手挿入部2内の検知位置2dへの手の挿入が検知されたか否かを示す信号を手検知センサ8の受光素子8bから受ける。制御部30は、手挿入部2内の検知位置2eへの手の挿入が検知されたか否かを示す信号を手検知センサ11の受光素子11bから受ける。制御部30は、手検知センサ8及び手検知センサ11に応じて送風機3の制御を行なう。
例えば、制御部30は、手検知センサ8と手検知センサ11とがともに手の挿入を検知したときに送風機3を動作させ、手検知センサ8と手検知センサ11とがともに手の挿入を検知しなくなった場合に送風機3を停止させる。これにより、手挿入部2内の検知位置2dまで手が深く挿入された場合にノズル7a、7bから高圧空気流(高速空気流)が噴出され、手挿入部2内の検知位置2eまで手が抜かれた場合にノズル7a、7bからの高圧空気流(高速空気流)を停止させる。
次に、手乾燥装置100の動作について図1を用いて説明する。
手を奥まで挿入する、すなわち手を検知位置2dまで入れると、手挿入部2に設けられた手検知センサ8(透過式センサ)の発光素子8aから照射された赤外線は手に遮られて受光素子8bで検知しにくくなる。これにより、受光素子8bの受光量が減るので、制御部30は、手が十分奥まで挿入されたと判断する。これに応じて、制御部30は、送風機3を作動させる。送風機3が作動すると、エアフィルタ20を通って吸気口9aから空気が流入し、吸気ダクト9を通って、送風機3に送られ送風機3で高圧化される。
送風機3を通過した空気は高圧空気流(高速空気流)となり、排気口14から排気ダクト15a、15bを通り、ノズル7a、7bから手挿入部2内に噴出される。ノズル7a、7bから噴出された高圧空気流(高速空気流)は、手挿入部2内に挿入された手に当たり、手の表面に付着していた水を水滴として吹飛ばし始める。
その後、手を手挿入部2から完全に抜くと、手検知センサ11(反射式センサ)がこれを検知し、送風機3が停止する。濡れた手から剥離した水滴は手挿入部2の内壁面2a、2bに当たりその内壁面2a、2bを伝わって流れ、手挿入部2の底面2nに設けられた排水口4及び排水管5を通って、ドレン容器10に回収される。
実施の形態では、水滴飛散が発生しにくい手乾燥装置を得るため、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の最高空気出力は500Wとなっている。すなわち、ノズル7a、7bのそれぞれから噴出される空気流の最大出力は、500W以下である。仮に、ノズル7a、7bのそれぞれから噴出される空気流の最大出力が500W以上であると、水滴が手挿入部2の外に飛散する傾向にある。
具体的には、ノズル7aとノズル7bとは、複数の開口で構成されるスリット状ノズルである。すなわち、それぞれスリットを有する。スリットのギャップ7ag、7bg(図3参照)は、それぞれ、空気流の最大出力を500W以下とするためには、0.3mm以上4mm以下であることが好ましい。
例えば、ノズル7aのギャップ7agは、1.5mm〜2.0mmであり、ノズル7bのギャップ7bgは1.3mm〜1.8mmであることがさらに好ましい。このとき、ノズル7aとノズル7bとの開口面積の合計を900mm2にすると、ノズル7aとノズル7bの出口静圧は、例えば略5.7kPaとなる。空気密度を1.2kg/m3とすると、ノズル7aとノズル7bとの出口風速は、ベルヌーイの定理により97.5m/sとなり、流量は0.0877m3/sとなる。以上により、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の空気出力は、ノズル出口静圧5.7kPaと流量0.0877m3/sとの積となるから略500Wとなる。
なお、ノズル7aとノズル7bとは、例えば、複数の穴で構成される丸穴ノズルであってもよい。すなわち、ノズル7aとノズル7bとのそれぞれは、複数の穴を有していても良い。各穴の直径は、空気流の最大出力を500W以下とするためには、φ1mm以上φ5mm以下であることが好ましい。
また、水滴の手への再付着が発生しにくい手乾燥装置を得るため、手挿入部2の開口面積(≒開口2cの面積)は55000mm2以上となっている。仮に、手挿入部2の開口面積(≒開口2cの面積)が55000mm2より小さいと、手に付着した水滴を吹き飛ばした後にその水滴が手に再付着する傾向にある。
手挿入部2の開口面積とは、ノズル7aとノズル7bによって定まる手挿入部2のノズル間面2f(図2参照)の面積と、手挿入部2の側面に開放している面で手挿入部2のノズル間面2f(図2参照)により閉じられる手挿入部2の側面開口面2g(図2参照)の面積の2倍との合計を意味する。すなわち、手挿入部2の開口2cのうち、上面開口2c1の面積を近似的にノズル間面2fの面積で表すとともに、両側面の側面開口2c2の面積を両側面の側面開口面2gの面積で表す。
ノズル7aとノズル7bとで定まるノズル間面2f(図2参照)について補足すると、ノズル7aとノズル7bとが同一長さを持つ直線状のスリットノズルの場合、つまり、図1の紙面奥行き方向に真っすぐ伸びるスリット状ノズルでその長さがノズル7aとノズル7bとで略同じ場合、ノズル7aとノズル7bとで定まるノズル間面2f(図2参照)は、ノズル7aとノズル7bとを結ぶ直線、つまり、ノズル間距離2h(図2参照)と各ノズル7a、7bの長さとよって構成される略長方形状の平面となる。ノズル7aとノズル7bとの長さが異なれば、略台形状の平面となる。しかし、ノズル7a及びノズル7bを結ぶ直線と水平線との角度が図1の紙面奥行き方向に変化する場合は、ノズル7aとノズル7bとで定まるノズル間面2f(図2参照)は平面でなくなる場合もある。また、ノズルが複数の開口又は複数の穴から構成される場合、複数の開口又は複数の穴のうち手挿入部2の最も両側面側に配置された2つの開口又は2つの穴をそれぞれつなぐ仮想線をノズル7aとノズル7bと考え、それらによって定まる面を手挿入部2のノズル間面2f(図2参照)とする。
ノズル(ノズル7a又はノズル7b)から噴出される高圧空気流(高速空気流)の最高空気出力が500W以下であると水滴飛散が発生しにくい根拠と、手挿入部2の開口面積(≒開口2cの面積)が55000mm2以上であると水滴の手への再付着が発生しにくい根拠とについて、それぞれ、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の空気出力を変化させた場合の水滴飛散距離を測定した実験結果をプロットしたグラフである。なお、図4のグラフを作成するための実験では、手挿入部2の開口面積による影響を排除する為に、ノズル間距離2hは70mm〜90mmのままとして、手挿入部2の開口面積、つまり、ノズル間面2f(図2参照)の面積と両側面の側面開口面2g(図2参照)の面積との合計を十分に大きく(例えば70000mm2に)取っている。また、ここで水滴飛散とは、飛散した水滴が床面に落下した場合につくる水滴痕を含む最小円の直径が2mm以上のものとする。
図4に示す実験結果から明らかなように、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の最高空気出力が500W以下であれば、水滴飛散距離は10cm以下となり手挿入部2で十分捕集可能なため無視できるが、500Wを超えると急激に水滴飛散距離が伸びる。これは、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の空気出力が500W程度になると、ノズルの出口風速が殆ど減衰することなく手表面まで到達し、500Wを超えると、その超えた分の一部のエネルギーが手の水滴を下方だけでなく上方や横方向にも吹飛ばすためであると考えられる。つまり、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の空気出力が500W程度までは、空気出力は手の水滴を下方に吹飛ばす能力(乾燥能力)に比例するが、500Wを超えると、水滴を下方に吹飛ばす能力は増加するものの、その増加率は低下して、一方で水滴飛散が増えることになる。よって、水滴飛散が発生しにくい手乾燥装置を得るためには、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の最高空気出力が500W以下であることが最も適切である。
図5は、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の空気出力を500Wとし、手挿入部2の開口面積、つまり、ノズル間面2f(図2参照)と両側面の側面開口面2g(図2参照)の面積との合計を変化させた場合、手から吹飛んで手挿入部2の内壁面2a、2bや底面2nに付着した水滴を巻き上げて手に再付着するかの実験結果を示している。
図5に示す実験結果から明らかなように、手挿入部2の開口面積が55000mm2以上であれば、再付着の可能性は低い。これは、手挿入部2の開口面積が55000mm2より小さいと、ノズル7aとノズル7bとから噴出した高圧空気流(高速空気流)がスムースに開口2c(すなわち、ノズル間面2f(図2参照)と両側面の側面開口面2g(図2参照))から外に排出され難くなり、手挿入部2内で局所的に風速30m/s以上の乱流が生ずるためだと考えられる。より詳細には、手挿入部2の内壁面2aと内壁面2bとの上に付着した水滴は、風速20m/s以上の壁面流により動きはじめ、風速30m/s以上になると、手挿入部2の内壁面2aと内壁面2bとから浮き上がる場合があり、手が手挿入部2に深く挿入され、手挿入部2の底面2nに近い場合、手挿入部2の内壁面2aと内壁面2bとから浮き上がった水滴が手に再付着する可能性が高まるためだと考えられる。
以上のように、実施の形態では、ノズルから噴出される高圧空気流(高速空気流)の最大空気出力が500W以下であるので、手を手挿入部2に挿入した際に、水滴が手挿入部2の外に飛散しにくい。また、手挿入部2の開口2cの面積が55000mm2以上であるので、手を手挿入部2に挿入した際に、手に付着した水滴を吹き飛ばした後にその水滴が手に再付着しにくい。これにより、水滴が手挿入部の外に飛散することを低減できるとともに、水滴が手に再付着することを低減できる。
以上のように、本発明にかかる手乾燥装置は、オフィスビル、ホテル、ファミリーレストラン、アミューズメント施設、総合スーパーマーケット、食品・医薬品・化粧品・その他一般の工場、学校、公共施設等の不特定多数の人間が使用する可能性のあるトイレ及び手洗い場に設置される手乾燥装置に有用である。
1 本体箱体、2 手挿入部、2a 内壁面、2b 内壁面、2c 開口、2d 検知位置、2e 検知位置、2f ノズル間面、2g 側面開口面、2h ノズル間距離、2i 手挿入部深さ、2j 手挿入部内最大幅、2k 側壁、3 送風機、4 排水口、5 排水管、7a ノズル、7ag ギャップ、7b ノズル、7bg ギャップ、8 手検知センサ、8a 発光素子、8b 受光素子、9 吸気ダクト、9a 吸気口、10 ドレン容器、11 手検知センサ、11a 発光素子、11b 受光素子、14 排気口、15a,15b 排気ダクト、20 エアフィルタ、30 制御部、100 手乾燥装置、100a 前面、100b 背面、100c 底面。
Claims (6)
- 外郭をなす箱体と、
前記箱体の一主面から前記箱体の両側面に渡って形成された開口と、第1の内壁面と、前記第1の内壁面に対向する第2の内壁面とを有し、前記開口から前記第1の内壁面と前記第2の内壁面との間に手が挿入される手挿入部と、
前記第1の内壁面に配され、前記第2の内壁面に向かって空気流を噴出させる第1のノズルと、
前記第2の内壁面に配され、前記第1の内壁面に向かって空気流を噴出させる第2のノズルと、
前記第1のノズル及び前記第2のノズルのそれぞれに空気流を供給する空気流発生部と、
を備え、
前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間隔は、70mm以上90mm以下であり、
前記第1のノズルと前記第2のノズルとのそれぞれから噴出される空気流の最大出力は、500W以下であり、
前記開口の面積は、55000mm2以上である
ことを特徴とする手乾燥装置。 - 前記第1のノズルと前記第2のノズルとのそれぞれは、スリットを有し、
前記スリットのギャップは、0.3mm以上4mm以下である
ことを特徴とした請求項1に記載の手乾燥装置。 - 前記第1のノズルと前記第2のノズルとのそれぞれは、複数の穴を有し、
前記複数の穴のそれぞれの直径は、1mm以上5mm以下である
ことを特徴とした請求項1に記載の手乾燥装置。 - 前記第1のノズルと前記第2のノズルとのそれぞれの出口静圧は、略5.7kPaであり、
前記ノズルから噴出される空気流の流量は、略0.0877m3/sである
ことを特徴とした請求項1に記載の手乾燥装置。 - 前記第1の内壁面と前記第2の内壁面との最大距離は、120mm以上である
ことを特徴とした請求項1に記載の手乾燥装置。 - 前記手挿入部は、前記箱体の一主面の反対側において前記第1の内壁面と前記第2の内壁面とを接続する底面をさらに有し、
前記開口における前記箱体の一主面に形成された部分と、前記底面との距離は、200mm以上である
ことを特徴とした請求項1に記載の手乾燥装置。
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2013
- 2013-10-21 JP JP2013218511A patent/JP2014036884A/ja active Pending
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