JP3628658B2 - 地盤改良装置における固化材吐出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤改良装置における固化材吐出装置に関し、特に母機(ベースマシン)となるバックホウ等の建設機械に支持された掘削,撹拌用の撹拌装置に装着されて、掘削した土壌と撹拌,混合するためにセメントや石灰等の粉粒体状もしくはスラリ状(ミルク状)の固化材を地中に吐出する固化材吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の地盤改良装置における固化材吐出技術として、例えば特公平8−6313号公報および特許第2686920号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
これらの従来の技術では、固化材圧送管の先端にラッパ状もしくは漏斗状に広がる吐出口部を設け、この吐出口部からセメント等の粉粒体状の固化材を単独もしくは水や圧縮空気とともに放射状に拡散させながら吐出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の技術では、吐出口部から一方向に向けて固化材を吐出するだけであるため、土壌と固化材との撹拌混合度合いの均一化が図れないだけでなく、上記吐出口部が土壌中に大きく開口するかたちとなるため、理論上は吐出の瞬間に広範囲にわたって固化材を拡散,噴射させることができるものの、実際には上記吐出口部に土圧抵抗が加わることになるためにその吐出口部が土壌によって閉塞状態もしくは目詰まりを起こしやすく、固化材の吐出効率ひいては土壌と固化材との撹拌混合品質もしくは地盤改良品質の向上の上でなおも改善の余地を残している。
【0005】
本発明は以上のような課題に着目してなされたものであり、とりわけ撹拌装置に付設された固化材吐出装置が土壌中にあっても効率よく固化材を吐出して、土壌と均一に撹拌,混合することができるようにした構造を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、地盤の掘削,撹拌処理を行う撹拌装置に装着され、その撹拌装置による土壌の掘削,撹拌処理と並行して土壌中に粉粒体状もしくはスラリ状の固化材を吐出する固化材吐出装置であって、固化材圧送管の先端に接続されたノズルチャンバーと、このノズルチャンバーに形成されて、固化材圧送管にて圧送されてきた固化材を吐出する偏平スリット状の吐出口と、上記吐出口の上流側にあって、固化材吐出方向を指向するように圧縮空気を導入することで吐出すべき固化材の流速を高める加速領域と、上記吐出口と加速領域の間にあって、加速された固化材を吐出口の吐出幅全体に拡散させる拡散領域とを備えている。
【0007】
そして、加速および拡散効率の向上のために、上記固化材圧送管の断面積をS1、拡散領域の入口断面積をS2としたとき、S1≧S2に設定して、固化材加速流に減圧および減速をさせないようにしたことを特徴としている。
【0008】
また、上記拡散領域は、請求項2に記載のように、偏平状の拡散用チャンバー内に円錐体の一部をカットした形状の拡散部材を設け、この拡散部材に沿わせるようにして固化材を拡散,吐出するようになっていることが望ましい。
【0009】
さらに、吐出幅寸法が大きい場合には、請求項2に記載の発明を前提として、請求項3に記載のように、一つの加速領域に対して複数の拡散領域を吐出幅方向に並設することが拡散効率向上の上で望ましい。
【0010】
したがって、請求項1〜3に記載の発明では、吐出口が偏平スリット状のものであってその開口面積が小さいものの、固化材圧送管にてノズルチャンバー内に圧送されてきた固化材は上流側の加速領域にて先ず加速され、次いでその下流側の拡散領域にて吐出口の全域に均一に広がるように拡散されて、最終的にはそのまま偏平スリット状の吐出口から拡散,吐出されることになる。
【0011】
そして、上記固化材圧送管の断面積S1と拡散領域の入口断面積S2とをS1≧S2の関係となるように設定してあることから、固化材加速流の減圧および減速が緩慢となり、固化材の拡散作用と加圧,加速作用とがより良好に行われるようになる。
【0012】
さらに、請求項2に記載のように、上記拡散領域に円錐体の一部をカットした形状の拡散部材を設け、この拡散部材に沿わせるようにして固化材を拡散,吐出するようにすると、上記拡散領域での固化材の拡散作用がきわめて良好に且つ安定して行われるようになる。
【0013】
その上、請求項3に記載のように、一つの加速領域に対して複数の拡散領域を吐出幅方向に並設してあると、吐出幅寸法が大きい場合であっても固化材の拡散作用と加圧,加速作用とが一段と良好に行われて、吐出口から固化材が均一に拡散吐出される。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの記載を前提として、上記加速領域の上流側に空気タンクを設けるとともに、この空気タンクから加速領域への空気導入通路面積よりも空気タンクへの空気供給路面積を大きく設定して、空気タンクに一時的に蓄えた圧縮空気を加速領域に導入するようになっていることを特徴としている。
【0015】
したがって、この請求項4に記載の発明では、空気タンクは脈動等の防止のためのアキュームレータとして機能し、加速領域への圧縮空気の供給が安定化することで、その圧縮空気による固化材の加圧,加速作用が一段と安定化するようになる。
【0016】
ここで、請求項5に記載のように、ノズルチャンバーよりも上流側の固化材圧送管の一部が加速領域を兼ねていてもよい。
【0017】
請求項6に記載の発明は、地盤の掘削,撹拌処理を行う撹拌装置に装着され、その撹拌装置による土壌の掘削,撹拌処理と並行して土壌中に粉粒体状もしくはスラリ状の固化材を吐出する固化材吐出装置であって、固化材圧送管の先端に、その固化材圧送管によって圧送されてきた固化材を偏平状に且つ広角に拡散噴射する噴射ノズルを設けるとともに、上記噴射ノズルよりも上流側に、噴射すべき固化材の流速を高める加速領域を設定してある。
その上で、上記噴射ノズルは、円錐状もしくは深球状の中心穴を形成したノズルボディの先端に、その中心穴に連通することになるスリット状の噴射口を中心穴の軸心と直交する方向に沿って形成したものであることを特徴とする。
【0018】
より具体的には、上記加速領域は、請求項7に記載のように固化材圧送方向を指向するように圧縮空気を導入することで噴射すべき固化材の流速を高めるようになっていることが望ましく、また、上記噴射口は、請求項8に記載のように固化材を広角に広げたい方向に沿って単一のものとして形成されていることが望ましい。
【0019】
さらに、複数の噴射ノズルが並設される場合には、請求項9に記載のように、複数の噴射ノズルがその上流側で単一の加速領域を共有していることが望ましく、その上、請求項10に記載のように噴射ノズルが着脱可能となっていることがノズル交換の容易性の上で望ましい。
【0020】
【発明の効果】
請求項1,5に記載の発明によれば、ノズルチャンバーに形成された偏平スリット状の吐出口の上流側に加速領域と拡散領域とが形成されているため、土圧抵抗を受けたとしても吐出口が目詰まりしにくく、土壌中にて固化材を効率良く、しかも安定して吐出することが可能となる。
【0021】
また、上記固化材圧送管の断面積S1と拡散領域の入口断面積S2とをS1≧S2の関係となるように設定してあるため、特に加速領域での固化材の加圧,加速作用とがより良好に行われるようになる利点がある。
【0022】
請求項2に記載の発明のよれば、上記拡散領域では円錐体の一部をカットした形状の拡散部材を設けて、この拡散部材に沿わせるようにして固化材を拡散,吐出するようにしてあるため、上記拡散領域での固化材の拡散作用がきわめて良好に且つ安定して行われる利点がある。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、一つの加速領域に対して複数の拡散領域を吐出幅方向に並設してあるため、吐出幅寸法が大きい場合であっても固化材の拡散作用と加圧,加速作用とが一段と良好に行われて、吐出口から固化材が均一に拡散,吐出される利点がある。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、空気タンクが実質的にアキュームレータとして機能して加速領域への圧縮空気の供給が安定化することから、脈動等の発生を未然に防止しつつ、その圧縮空気による固化材の加圧,加速作用が一段と安定化する利点がある。
【0025】
請求項6,7に記載の発明によれば、請求項1〜5のノズルチャンバー方式に代えて広角拡散式の噴射ノズルとしたため、土壌中にて固化材を効率良く且つ安定して拡散噴射できるほか、固化材吐出装置の構造を一段と簡素で且つコンパクトなものとすることができ、特に請求項8に記載の発明によれば、低吐出量のもとでも固化材を偏平状に且つ広角に拡散噴射できる利点がある。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、単一の加速領域を複数の噴射ノズルが共有していることによって、ノズル数が増えたとしても固化材吐出装置の構造を一段と簡素化でき、また請求項10に記載の発明によれば、ノズルが消耗した場合にその交換をきわめて容易に行える利点がある。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1の(A)〜(C)は本発明に係る固化材吐出装置の第1の実施の形態を示している。
【0028】
同図(A),(B)に示すように、固化材吐出装置1は、例えば粉粒体状の固化材の圧送を目的とした固化材圧送管2の先端に接続されたノズルチャンバー3を中心として形成されている。このノズルチャンバー3は、後述するように固化材圧送管2から供給されてくる固化材の通路面積を一旦拡大化した上で下流側に向かってその通路面積を絞るべく、上流側から下流側に向かって先細り形状となる漏斗状もしくはテーパ筒状の加速用チャンバー4と、この加速用チャンバー4の下流側に接続されて上記加速された固化材の流れを幅広に拡散させるべく略偏平矩形状をなす拡散用チャンバー5とを備えていて、拡散用チャンバー5の下端には偏平スリット状に開口した吐出口5aが形成されている。そして、上記加速用チャンバー4はその形状からして加速領域として、拡散用チャンバー5は拡散領域としての機能をそれぞれ有している。
【0029】
ここで、上記固化材圧送管2の断面積をS1、拡散用チャンバー5の入口断面積(加速用チャンバー4の出口断面積)をS2としたとき、両者の関係がS1≧S2となるように設定してある。
【0030】
上記加速用チャンバー4の上面には複数の圧縮空気導入口6が形成されていて、この圧縮空気導入口6から加速用チャンバー4の内部に向けて圧縮空気を導入もしくは噴射することにより、加速用チャンバー4における固化材の加速効果ならびに拡散用チャンバー5における固化材の拡散効果をそれぞれ助長するように設定してある。
【0031】
また、上記拡散用チャンバー5内には、拡散部材として図2に示すように円錐体形状の一部をカットした形状の所定曲率の拡散プレート7を配設してある。この拡散プレート7は、拡散用チャンバー5の上流側から下流側に向かってスカート状に広がりながらその拡散用チャンバー5内における通路面積を下流側に向かって漸次狭める機能を有している。
【0032】
したがって、このように構成された固化材吐出装置1によれば、固化材圧送管2を通して所定の圧力をもって圧送されてきた固化材は、ノズルチャンバー3内において加速,拡散された上で拡散用チャンバー5の下端の偏平スリット状の吐出口5aからその吐出口W全幅にわたって拡散,吐出される。
【0033】
より詳しくは、固化材圧送管2からノズルチャンバー3内に入った固化材は、加速用チャンバー4自体の形状のほか圧縮空気導入口6からの圧縮空気力の影響を受けて、その加速用チャンバー4の下流側に向かって流れが収束されるようにして加速されるのと同時に加圧される。こうして加速用チャンバー4内にて加圧,加速された固化材の流れはそのまま幅広の拡散用チャンバー5内に導入される。加速用チャンバー4内にて加圧,加速された固化材の流れが拡散用チャンバー5内に導入されると、固化材は拡散プレート7に衝突しながらその拡散プレート7に沿って流れるために吐出口5aの吐出幅W全幅にわたるように拡散され、同時に上記拡散プレート7の存在のために拡散用チャンバー5内の下流側に向かって漸次通路面積が狭められることにより一段と加速され、最終的には偏平スリット状の吐出口5aから均一に且つ勢い良く拡散,吐出されることになる。
【0034】
このように本実施の形態の固化材吐出装置1によれば、固化材がノズルチャンバー3内を通過する過程で圧縮空気等を用いてその固化材を加圧,加速してその運動エネルギーを高めておくことにより、土圧抵抗等によって固化材の吐出が遮られることがなく、確実且つ均一に固化材を拡散,吐出することができる。
【0035】
図3,4には本発明に係る固化材吐出装置の第2,第3の実施の形態をそれぞれ示す。なお、図1に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。
【0036】
図3に示す第2の実施の形態では、拡散用チャンバー15の下端に形成される偏平スリット状の吐出口16の吐出幅寸法Wが大きい場合に、その拡散用チャンバー15内に図2に示すような拡散部材としての拡散プレート7を二つ並べて設ける一方、単一の加速用チャンバー4にて加圧,加速された固化材の流れを分岐用チャンバー8にて分岐させて、その穴9をもってそれぞれ拡散プレート7の上流側に導くようにしたものである。
【0037】
また、図4に示す第3の実施の形態では、拡散用チャンバー25の下端に形成される偏平スリット状の吐出口26の吐出幅寸法Wが極端に大きい場合に、その拡散用チャンバー25内に図2に示すような拡散部材としての拡散プレート7を三つ並べて設ける一方、単一の加速用チャンバー4にて加圧,加速された固化材の流れを分岐用チャンバー18にて分岐させて、その穴19をもって各拡散プレート7の上流側に導くようにしたものである。
【0038】
これら第2,第3の実施の形態によれば、図1のものと比べて吐出幅寸法Wが大幅に大きくなった場合でも、その吐出口16または26の吐出幅Wの全域にわたり固化材を均一に拡散,吐出することができる利点がある。
【0039】
図5の(A)〜(D)には本発明に係る固化材吐出装置の第4の実施の形態を示す。なお、この第4の実施の形態においても図1に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。
【0040】
この第4の実施の形態では、加速用チャンバー4の上流側に所定容量の空気タンク10を設けてあり、圧縮空気供給口11から導入した圧縮空気を空気タンク10内に一時的に蓄えた上で、圧縮空気導入口6から加速用チャンバー4内に導入するようになっている。そして、本実施の形態では、空気タンク10への圧縮空気供給口11が一つで且つ加速用チャンバー4への圧縮空気導入口6が複数個設けられているが、この圧縮空気導入口6の総面積よりも圧縮空気供給口11の総面積の方が大きくなるように設定してある。
【0041】
したがって、本実施の形態によれば、加速用チャンバー4には空気タンク10に一時的に蓄えられた圧縮空気が導入されることになるので、その加速用チャンバー4への圧縮空気の供給が安定化し、脈動等の発生を未然に防止しつつ、その圧縮空気による固化材の加圧,加速作用と拡散作用が一段と安定化するようになる。
【0042】
図6には本発明に係る固化材吐出装置の第5の実施の形態を示す。
【0043】
この第5の実施の形態の固化材吐出装置21では、図4に示した第3の実施の形態の固化材吐出装置に図5と同様の空気タンク10を付加したものであり、図5と同様の作用効果が得られることになる。
【0044】
図7〜10は、上記第5の実施の形態の固化剤吐出装置21が適用される地盤改良装置の一例を示している。
【0045】
図7に示すように、建設機械であるバックホウ31を母機(ベースマシン)として、そのアーム32の先端に土壌の掘削,撹拌のためのチェーン駆動を基本としたトレンチャー式撹拌装置(以下、単に撹拌装置という)33を装着してある。
【0046】
図8,9は上記撹拌装置33の詳細を示す正面説明図および側面説明図であって、その撹拌装置33の主体となるフレーム34は、略角柱状の支柱部35と、その支柱部35の上端に接合された左右一対のサイドプレート36、およびそれら左右のサイドプレート36,36同士を接続しているトッププレート37と、このトッププレート37に接合された二股状のクレビス38と、上記支柱部35の下端から斜めに延設された左右各一対の補助アーム39,40とをもって構成されていて、図7に示したように上記フレーム34のクレビス38がバックホウ31のアーム32に着脱可能に接続される。
【0047】
上記サイドプレート36,36同士の間には一対のブラケット41,42が立設されており、これらのブラケット41,42には駆動軸43と一体の駆動輪としての駆動側チェーンスプロケット44がベアリングユニット45,46にて両持ち支持されるかたちで回転可能に支持されている。一方のブラケット42の外側には回転駆動手段として油圧モータ47が取り付けられており、この油圧モータ47によって上記駆動側チェーンスプロケット44が回転駆動されるようになっている。なお、上記油圧モータ47としては正逆転駆動が可能なものが採用されている。
【0048】
また、フレーム34の下端において左右で対をなす各補助アーム39,40同士の間には、互いに平行にそれぞれに回転軸48が横架されている。各回転軸48の中央部には従動輪としてのチェーンローラ49が装着されているとともに、各回転軸48の両端部にはガイドローラ50がそれぞれに装着されている。これらのチェーンローラ49とガイドローラ50は個々に独立して回転できる構成であってもよく、それらチェーンローラ49と左右一対のガイドローラ50,50とが同軸一体のものとして構成されていてもよい。加えて、チェーンローラ49は駆動側チェーンスプロケット44と異なり後述するドライブチェーン51と噛み合う歯を有していないものであるが、駆動側チェーンスプロケット44と同様の歯を有するチェーンスプロケットタイプのものでもよい。
【0049】
そして、上記駆動側チェーンスプロケット44とチェーンローラ49との間には単一かつエンドレスなドライブチェーン51が巻き掛けられていて、このドライブチェーン51は上記油圧モータ47の起動に応じて周回駆動されるようになっているととに、上記ドライブチェーン51の外周には所定のピッチで多数(例えば6枚〜12枚程度)の撹拌翼52が装着されている。この撹拌翼52は、図10に示すように、幅寸法に比してその長さが十分に長い短冊平板状のもので、上記フレーム34の下部では各撹拌翼52の両端部がガイドローラ50に接触してこれらのガイドローラ50に案内されるようになっている。また、各撹拌翼52の前面には例えば四つの切削羽根53が突出形成されているとともに、裏面側の両端部には突起部材54が一体に形成されている。
【0050】
上記フレーム34のうち左右一対のサイドプレート36,36同士の対向間隙内には、払拭手段として各撹拌翼52と同等の長さを有するワイヤブラシもしくは櫛形状の払拭ブラシ55がドライブチェーン51側に向けて一直線状に設けられていて、ドライブチェーン51の周回運動に応じて各撹拌翼52が払拭ブラシ55を通過する際にこれに接触してその撹拌翼52に付着した泥や固化材等が払拭されるようになっている。
【0051】
また、フレーム34の一部を形成する左右一対のサイドプレート36,36の内側面には、定位置固定式の略円弧状に湾曲成形された所定幅寸法の誘導リング56がそれぞれに溶接固定されている。そして、各誘導リング56の上半部外周面の位置および曲率半径はドライブチェーン51に固定された撹拌翼52の内周面の周回移動軌跡と一致させてあり、したがって、ドライブチェーン51とともに周回移動する各撹拌翼52はガイドローラ50のみならず誘導リング56によってもまた案内されるようになっている。
【0052】
上記フレーム34のうち支柱部35の下面には一対のチェーンローラ49,49同士の間に位置するようにしてセメントや石灰等に代表される粉粒体状の地盤改良用の固化材を吐出するための固化材吐出装置として図6に示した固化材吐出装置21が設けられている。この固化材吐出装置27は、図6にも示すようにノズルチャンバー3の一部である拡散用チャンバー25の先端に形成された吐出口26が下方を指向するように設定してある。
【0053】
なお、上記フレーム34のうち支柱部35の両側面にはドライブチェーン51の張り側および緩み側にそれぞれ張力を付与するためのチェーンテンショナ58,59が互いに連動するように配設されている。
【0054】
ここで、図9のほか図11〜13に示すように、上記撹拌装置33のフレーム34の一部を形成している中空角柱状もしくは角筒状の支柱部35は完全密閉構造となっており、その支柱部35の内部は後述するように固化材吐出装置21側に供給すべき圧縮空気を一時的に蓄えるレシーバータンク60としての機能を併せ持っている。そして、図示しない空気圧力源からエア供給管61(図8参照)を通して供給された圧縮空気は支柱部35の側部に形成されたポート62を通してそのレシーバータンク60内に一旦導入された上、固化材吐出装置21側に供給されることになる。また、図示しない固化材供給源から固化材吐出装置21側へと固化材を圧送するための固化材圧送管2は、その圧送管2自体が上記支柱部35内を通過して支柱部35の底部から外部に突出して、そのまま固化材吐出装置21側に接続されることになる。
【0055】
したがって、このように構成された地盤改良装置によれば、図7に示すように撹拌装置33がバックホウ31のアーム32に支持されている状態で油圧モータ47を起動させて、ドライブチェーン51を駆動側チェーンスプロケット44とチェーンローラ49との間で周回駆動させる。この時、ドライブチェーン51の外周に装着されている各撹拌翼52はドライブチェーン51とともに周回移動し、特にフレーム34の下部側では撹拌翼52が複数のガイドローラ50によって、またフレーム34の上部側では撹拌翼52が左右一対の誘導リング56によってそれぞれ案内されることから、各撹拌翼52の周回運動が安定して行われる。
【0056】
この状態でバックホウ31自体の掘削能力をもって撹拌装置33を対象とする改良土壌(改良地盤)G中に挿入し、同時に撹拌装置33先端の固化材吐出装置21から例えばセメントあるいは石灰等の固化材を吐出する。これにより、改良土壌が繰り返し掘り返されながら固化材と混ざり合うように撹拌混合される。
【0057】
この撹拌混合の過程では、ドライブチェーン51の張り側および緩み側ともに相互に連動するチェーンテンショナ58,59によって所定の張力が付与されており、しかもドライブチェーン51とチェーンローラ49との噛み合い部の両側にそれぞれにガイドローラ50が位置しているため、石等の異物が噛み込みにくいばかりでなく、ドライブチェーン51自体もきわめて外れにくいものとなる。
【0058】
また、各撹拌翼52には切削羽根53とともその裏面側に突起部材54が設けられていることから、掘削土壌をほぐしつつその塊を効率よく破砕することができることはもちろんのこと、掘り起こした土壌中に適度な空間をつくって固化材と満遍なく混合することができるようになり、またドライブチェーン51の裏側に土壌が回り込んだとしてもやがては上記突起部材54によって排除されることになる。
【0059】
図14,15は本発明の第6の実施の形態を示し、この実施の形態では、2連チェーン式の撹拌装置71に図6の構造をさらに変形させた固化材吐出装置72を適用したものである。
【0060】
図14,15に示すように、撹拌装置71は、支柱部73の上下のチェーンスプロケット74,75間に互いに独立したエンドレスなドライブチェーン76,76を二本平行に巻き掛けて、これらの二本のドライブチェーン76にまたがるように複数の撹拌翼77を装着したものであって、ドライブチェーン76はチェーンテンショナ78により所定の張力を付与されながら油圧モータ79の起動により変速ボックス80内の歯車列もしくは巻き掛け手段を介して周回駆動される。
【0061】
他方、固化材吐出装置72は、図16に示すように加速用チャンバー4とともにノズルチャンバー3を形成することになる拡散用チャンバーが三つの拡散用チャンバー81,82に分割されていて、各拡散用チャンバー81,82は分岐用チャンバー18を介して単一の加速用チャンバー4を共有している。そして、三つの拡散用チャンバー81,82のうち中央部の拡散用チャンバー82は左右の拡散用チャンバー81よりもその吐出幅が大きくるように設定されていて、実質的に中央部の加速用チャンバー82における吐出口83の有効開口面積が左右のものよりも大きくなっている。
【0062】
したがって、この実施の形態によれば、ドライブチェーン76とともに周回駆動される撹拌翼77による土壌の掘削および撹拌,混合処理と並行して、図6に示したものと全く同様にして固化材吐出装置72の吐出口83から固化材が拡散,吐出されることになるのであるが、相互に独立した三つの吐出口83の開口面積を中央部のものと左右のものとで積極的に変化させることにより、仮に全体としての固化材吐出量が少なくなった場合でも各吐出口83から確実に固化材と吐出することができるようになる。
【0063】
図17,18は本発明の第7の実施の形態を示す図で、この実施の形態では撹拌装置として回転式垂直押し込み方式の撹拌シャフト90を採用するとともに、この撹拌シャフト90に図6に示した第5の実施の形態のものとほぼ同様の固化材吐出装置100を適用したものである。
【0064】
撹拌装置としての撹拌シャフト90は、その下端には例えば一対の撹拌翼91が装着されていて、撹拌シャフト90自体の回転運動とともに母機の押し込み推力を受けることにより地中深くまでその掘削,撹拌が可能となっている。そして、撹拌翼91には図6に示したものとほぼ同様の固化材吐出装置100が隣接配置されていて、撹拌翼91による掘削,撹拌処理と並行してその固化材吐出装置100から所定の固化材が拡散,吐出されるようになっている。
【0065】
上記固化材吐出装置100には撹拌シャフト90内の固化材圧送管2を通して所定の固化材が供給されるようになっているとともに、エア供給管92を通して外部から供給された圧縮空気が空気室タンク10に導入されるようになっている。
【0066】
したがって、本実施の形態においても、先の第5の実施の形態のものと比べて撹拌装置の形式が異なるだけであるから、固化材吐出装置100の機能をはじめとして基本的にはその第5の実施の形態のものと全く同様の作用効果が得られ、特に図19に示すように撹拌翼91の全長にわたる範囲に固化材を拡散,吐出できる利点がある。
【0067】
ここで、地盤改良の施工に際して、図20に示すように互いに平行な撹拌シャフト110,110を連結アーム111で連結するとともに、各撹拌シャフト110の上下に複数の撹拌翼112,113を装着したいわゆるツインヘッド型のものが用いられることがあるが、この場合においても図17,18に示した構造の固化材吐出装置100を適用可能であることは言うまでもない。
【0068】
図21〜23は本発明の第8の実施の形態を示す。
【0069】
図21,22に示すように、撹拌装置131は、支柱部132の上下のチェーンスプロケット133とチェーンローラ134との間に単一のドライブチェーン135を巻き掛けて、このドライブチェーン135に複数の撹拌翼136を装着したものであって、ドライブチェーン135はチェーンテンショナ137により所定の張力を付与されながら油圧モータ138の起動により周回駆動される。
【0070】
他方、固化材吐出装置139は、図3に示したものと同様に拡散部材としての二つの拡散プレート7を有してなる一対の拡散用チャンバー140を分岐配管141をもって相互に接続してノズルチャンバー142としたもので、その分岐配管141は分岐部143にて固化材圧送管2に接続されている。そして、上記分岐部143には図23に示すように仕切板144が設けられているとともに、分岐配管141の直径は固化材圧送管2のそれよりも小さく設定されていて、なお且つ左右の分岐配管141,141の総断面積は固化材圧送管2の断面積よりも小さくなるように設定されている。
【0071】
また、上記撹拌装置131のフレームの一部を形成している中空角錐状もしくは角錐筒状の支柱部132は領域Mにおいて図11〜13に示したものと同様に完全密閉構造のものとなっており、その支柱部132の内部は固化材吐出装置139側に供給すべき圧縮空気を一時的に蓄える空気タンク145としての機能を併せ持っている。そして、図示しない空気圧力源からエア供給配管146を介して供給された圧縮空気はポート147からその空気タンク145内に一旦導入された上で、さらにポート148から補助配管149をもって取り出されて、固化材圧送管2の分岐部143よりも上流側の屈曲部150の合流部151にてこの固化材圧送管2に導入されるようになっている。
【0072】
すなわち、固化材圧送管2の屈曲部150は所定角度傾斜しているものであるが、上記補助配管149から固化材圧送管2に導入される圧縮空気はその屈曲部150の軸線方向を指向するように吹き込まれるようになっている。したがって、本実施の形態では、拡散用チャンバー140が、吐出すべき固化材を積極的に拡散させる拡散領域として機能する一方で、固化材圧送管2のうち分岐部143から合流部151までの領域が圧縮空気の導入を受けて固化材を積極的に加速させる加速領域として機能するようになっている。
【0073】
図24,25は本発明の第9の実施の実施の形態を示し、撹拌翼161が装着された二状のドライブチェーン162を油圧モータにて同時に周回駆動させるタイプの撹拌装置160において、先の第8の実施の形態と同様の思想を取り入れたもので、図21,22と共通する部分には同一符号を付してある。
【0074】
より詳しくは、拡散プレート7を有してなる大小三つの拡散用チャンバー163,164を分岐配管165,166をもって相互に接続してノズルチャンバー167とし、上流側の分岐配管166を分岐部143にて固化材圧送管2に接続する一方、さらに固化材圧送管2の分岐部143よりも上流側の合流部151にて空気タンク145からの補助配管149を接続して、この合流部151にて分岐部側143を指向するように圧縮空気を導入するようになっている。したがって、この第9の実施の形態においても、拡散用チャンバー163,164が、吐出すべき固化材を積極的に拡散させる拡散領域として機能する一方で、固化材圧送管2のうち分岐部143から合流部151までの領域が圧縮空気の導入を受けて固化材を積極的に加速させる加速領域として機能することになる。
【0075】
これら第8,第9の実施の形態においては、実質的に固化材圧送管2の一部が圧縮空気の導入による加速領域を兼ねているものであるから、先の各実施の形態における固化材吐出装置と全く同様の機能が発揮されることになる。
【0076】
図26〜28は本発明の第10の実施の形態を示し、図14〜16に示した固化材吐出装置72にさらなる改良を加えて固化材吐出装置と172としたもので、それ以外の構成は同図と共通としてある。
【0077】
図26,27のほか図28に示すように、固化材吐出装置172は加速領域としての単一の加速用チャンバー4の下流側が一次分岐配管201をもって四つの二次分岐配管202に分岐されているとともに、各二次分岐配管202の先端には小型で且つチップ状の噴射ノズル203が個別に装着されていて、実質的に合計四つの噴射ノズル203,203…が加速領域である単一の加速用チャンバー4を共有している。
【0078】
各噴射ノズル203は、図29の(A)〜(C)に示すように偏平状で且つ噴射角βとして例えば90°〜120°程度の広角の噴射パターンPが得られるように矩形状のノズルボディ204の中央部に円錐状もしくは深球状の中心穴205を形成するとともに、この中心穴205に連通するように広角に広げたい方向に沿って単一の偏平スリット状の噴射口206を形成したもので、二次分岐配管202の先端に例えば溶接にて固定される(溶接部を符号207で示す)。なお、図30は図29のものに対して相対的に中心穴205Aの直径を小さくしたものであり、このような中心穴205,205Aの直径や深さならびに噴射口206の溝幅等は、必要とする噴射パターンPや固化材噴射量に応じて適宜設定される。また、上記の各噴射ノズル203は、図31に示すように噴射口206を形成する一対の角材208を共通の天板209に溶接固定してノズルボディ204とした上で上面からドリル210等により穴明け加工を施すことにより形成される。
【0079】
したがって、この実施の形態に形態によれば、上記と同様に土壌の掘削および撹拌,混合処理と並行して、固化材吐出装置172の各噴射ノズル203から固化材が偏平状に広範囲にわたって拡散噴射されることになる。そして、噴射ノズル203の内部には拡散プレート等が全く存在しないので目詰まりしにくく、仮に固化材吐出量が少なくなったとしても安定した拡散噴射を行えるようになる。
【0080】
図32,33は本発明の第11の実施の形態を示し、図21,22に示した固化材吐出装置139にさらなる改良を加えて固化材吐出装置239としたもので、それ以外の構成は同図と共通としてある。すなわち、図32,33の固化材吐出装置239は、図21,22の固化材吐出装置139における拡散用チャンバー140に代えて図29に示した噴射ノズル203を採用したものである(図30に図示のものでも可)。
【0081】
また、図34,35は本発明の第12の実施の形態を示し、図24,25に示した固化材吐出装置167にさらなる改良を加えて固化材吐出装置267としたもので、それ以外の構成は同図と共通としてある。すなわち、図34,35の固化材吐出装置267は、図24,25の固化材吐出装置167における拡散用チャンバー163,164に代えて図29に示した噴射ノズル203を採用したものである(図30に図示のものでも可)。
【0082】
これら第11,12の実施の形態においても第10の実施の形態における噴射ノズル203と全く同等の機能が発揮されることになる。
【0083】
図30は本発明の第13の実施の形態を示し、図29,30に示した噴射ノズル203のさらなる変形例を示している。
【0084】
すなわち、この実施の形態では六角ナット部301とおねじ部302とが形成されたチップ状のノズルボディ303に段付き状の中心穴304を形成するとともに、ノズルボディ303の先端に中心穴304に連通するように略V字状をなすスリット状の噴射口305を形成することで噴射ノズル300としたものである(なお、この種のノズルは市販されている)。そして、この噴射ノズル300はおねじ部302をもって相手側となる配管に螺合させることで着脱可能に装着される。
【0085】
この噴射ノズル300は、先に説明した第10〜第12の実施の形態における噴射ノズル203に代えて用いることが可能であり、特にノズルボディ303自体がコンパクトであるために固化材吐出装置の小型化と構造の簡素化に寄与できるほか、ねじ込み式で着脱可能であるために例えば噴射ノズル300が消耗した場合に容易に交換できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固化材吐出装置の第1の実施を示す図で、(A)はその正面説明図、(B)は側面説明図、(C)は同図(A)のA1−A1線に沿う断面図。
【図2】図1における拡散プレートの拡大斜視図。
【図3】本発明に係る固化材吐出装置の第2の実施の形態を示す正面説明図。
【図4】本発明に係る固化材吐出装置の第3の実施の形態を示す正面説明図。
【図5】本発明に係る固化材吐出装置の第4の実施の形態を示す図で、(A)はその正面説明図、(B)は側面説明図、(C)は同図(A)のA2−A2線に沿う断面図、(D)は同図(A)のB−B線に沿う断面図。
【図6】本発明に係る固化材吐出装置の第5の実施の形態を示す正面説明図。
【図7】図6の固化材吐出装置が適用される地盤改良装置の一例を示す全体構成説明図。
【図8】図7に示す撹拌装置の正面説明図。
【図9】図7に示す撹拌装置の側面説明図。
【図10】図8,9に示すドライブチェーンの詳細を示す図で、(A)は正面説明図、(B)は同図(A)の平面説明図、(C)は同図(A)の右側面説明図。
【図11】図9のA3−A3線に沿う拡大断面図。
【図12】図9のB1−B1線に沿う拡大断面図。
【図13】図9のC−C線に沿う拡大断面図。
【図14】固化材吐出装置を備えた撹拌装置の他の例を示す側面説明図。
【図15】図14に示した撹拌装置の正面説明図。
【図16】図15に示す固化材吐出装置の構成説明図。
【図17】固化材吐出装置を備えた撹拌装置のさらに他の例を示す側面説明図。
【図18】図17の側面説明図。
【図19】図17の平面説明図。
【図20】図17の撹拌装置の変形例を示す要部拡大図。
【図21】本発明の第8の実施の形態として固化材吐出装置を備えた撹拌装置の別の例を示す側面説明図。
【図22】図21に示した撹拌装置の正面説明図。
【図23】図22における分岐部の拡大説明図。
【図24】本発明の第9の実施の形態として固化材吐出装置を備えた撹拌装置のさらに別の例を示す側面説明図。
【図25】図24に示した撹拌装置の正面説明図。
【図26】本発明の第10の実施の形態として固化材吐出装置を備えた撹拌装置の他の例を示す側面説明図。
【図27】図26に示した撹拌装置の正面説明図。
【図28】図26に示す固化材吐出装置の構成説明図。
【図29】図28に示す噴射ノズルの詳細を示す図で、(A)はその平面説明図、(B)は同図(A)のa−a線に沿う断面説明図、(C)は同図(A)のb−b線に沿う断面説明図。
【図30】図29に示す噴射ノズルの変形例を示す図で、(A)はその平面説明図、(B)は同図(A)のa−a線に沿う断面説明図、(C)は同図(A)のb−b線に沿う断面説明図。
【図31】図29,30に示す噴射ノズルの製作工程の一例を示す図で、(A)は素材の正面説明図、(B)はその穴明け工程の説明図。
【図32】本発明の第11の実施の形態として固化材吐出装置を備えた撹拌装置の他の例を示す側面説明図。
【図33】図32に示した撹拌装置の正面説明図。
【図34】本発明の第12の実施の形態として固化材吐出装置を備えた撹拌装置の他の例を示す側面説明図。
【図35】図34に示した撹拌装置の正面説明図。
【図36】本発明の第13の実施の形態として噴射ノズルの他の例を示し、(A)はその一部破断斜視図、(B)は同図(A)の半断面図。
【符号の説明】
1…固化材吐出装置
2…固化材圧送管
3…ノズルチャンバー
4…加速用チャンバー(加速領域)
5…拡散用チャンバー(拡散領域)
5a…吐出口
6…圧縮空気導入口
7…拡散プレート(拡散部材)
10…空気タンク
11…圧縮空気供給口
15…拡散用チャンバー
16…吐出口
21…固化材吐出装置
26…吐出口
33…トレンチャー式撹拌装置
71…撹拌装置
72…固化材吐出装置
81,82…拡散用チャンバー
83…吐出口
90…撹拌シャフト(撹拌装置)
100…固化材吐出装置
110…撹拌シャフト(撹拌装置)
131…撹拌装置
139…固化材吐出装置
140…拡散用チャンバー
142…ノズルチャンバー
145…空気タンク
146…エア供給配管
149…補助配管
160…撹拌装置
163…拡散用チャンバー
164…拡散用チャンバー
167…ノズルチャンバー
172…固化材吐出装置
203…噴射ノズル
206…噴射口
239…固化材吐出装置
267…固化材吐出装置
300…噴射ノズル
305…噴射口

Claims (10)

  1. 地盤の掘削,撹拌処理を行う撹拌装置に装着され、その撹拌装置による土壌の掘削,撹拌処理と並行して土壌中に粉粒体状もしくはスラリ状の固化材を吐出する固化材吐出装置であって、
    固化材圧送管の先端に接続されたノズルチャンバーと、
    このノズルチャンバーに形成されて、固化材圧送管にて圧送されてきた固化材を吐出する偏平スリット状の吐出口と、
    上記吐出口の上流側にあって、固化材吐出方向を指向するように圧縮空気を導入することで吐出すべき固化材の流速を高める加速領域と、
    上記吐出口と加速領域の間にあって、加速された固化材を吐出口の吐出幅全体に拡散させる拡散領域と、
    備えていて、
    上記固化材圧送管の断面積をS1、拡散領域の入口断面積をS2としたとき、S1≧S2に設定したことを特徴とする地盤改良装置における固化材吐出装置。
  2. 上記拡散領域は、偏平状の拡散用チャンバー内に円錐体の一部をカットした形状の拡散部材を設け、この拡散部材に沿わせるようにして固化材を拡散,吐出するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良装置における固化材吐出装置。
  3. 一つの加速領域に対して複数の拡散領域を吐出幅方向に並設したことを特徴とする請求項2に記載の地盤改良装置における固化材吐出装置。
  4. 上記加速領域の上流側に空気タンクを設けるとともに、この空気タンクから加速領域への空気導入通路面積よりも空気タンクへの空気供給通路面積を大きく設定して、空気タンクに一時的に蓄えた圧縮空気を加速領域に導入するようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の地盤改良装置における固化材吐出装置。
  5. 上記固化材圧送管の一部が加速領域を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良装置における固化材吐出装置。
  6. 地盤の掘削,撹拌処理を行う撹拌装置に装着され、その撹拌装置による土壌の掘削,撹拌処理と並行して土壌中に粉粒体状もしくはスラリ状の固化材を吐出する固化材吐出装置であって、
    固化材圧送管の先端に、その固化材圧送管によって圧送されてきた固化材を偏平状に且つ広角に拡散噴射する噴射ノズルを設けるとともに、
    上記噴射ノズルよりも上流側に、噴射すべき固化材の流速を高める加速領域を設定してなり、
    上記噴射ノズルは、円錐状もしくは深球状の中心穴を形成したノズルボディの先端に、その中心穴に連通することになるスリット状の噴射口を中心穴の軸心と直交する方向に沿って形成したものであることを特徴とする地盤改良装置における固化材吐出装置。
  7. 上記加速領域は、固化材圧送方向を指向するように圧縮空気を導入することで噴射すべき固化材の流速を高めるようになっていることを特徴とする請求項6に記載の地盤改良装置における固化材吐出装置。
  8. 上記噴射口は、固化材を広角に広げたい方向に沿って単一のものとして形成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の地盤改良装置における固化材吐出装置。
  9. 複数の噴射ノズルがその上流側で単一の加速領域を共有しているものであることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の地盤改良装置における固化材吐出装置。
  10. 噴射ノズルが着脱可能となっていることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の地盤改良装置における固化材吐出装置。
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