JP3628455B2 - 建築用断熱材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は構造物の床、壁、屋根等の断熱に用いられる改良された建築用断熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅等において断熱性能を高めるために、床における根太あるいは屋根におけるたる木、等の支持部材の間に、矩形形状の合成樹脂発泡体からなる建築用断熱材を配置することが行われる。適宜の手段により建築用断熱材をそれら支持部材の間に嵌め込んだ後、表面材として、床板や床下地板を根太に打ち付け、あるいは、天井板や野地板をたる木に打ち付けることにより、いわゆる断熱施工が行われる。図8は床断熱施工の一例であり、大引き100と根太110とで囲まれる空所に板状の合成樹脂発泡体である断熱材200がその上面を根太110の上面と同じ面となるようにして嵌め込まれる。図示されないが、その上に、床板が根太110に釘打ちされて固定される。
【0003】
断熱材としては発泡ポリスチレン等の硬質合成樹脂発泡体材料が主として用いられるが、硬質合成樹脂発泡体は一般に耐圧縮性が高く、変形する場合には局部的な気泡の崩壊を伴う場合が多い。気泡の崩壊は取り付けを不安定としまた断熱性の低下を誘引することから、建造物への断熱施工に当たって、断熱材にできるだけ局部的な破壊を生じさせないようにすることが求められる。また、木造軸組工法等の施工において、柱−間柱間、大引き−大引き間、根太−根太間等の支持部材間に±数mm程度の誤差が生じるのは避けられないことであり、工場において同じ金型で成形した同一寸法の断熱材でもって、そのような施工誤差に対処できることが求められる。
【0004】
図9に、上記の要請に答えることのできる断熱材の断面を示すものであり、根太やたる木等の支持部材A、Aの間に嵌め込み固定される硬質発泡ポリウレタンや発泡ポリスチレン等を素材とする断熱材Bにおいて、その支持部材A、Aに当接する両方の側端面部を裏面側から表面側に向けて次第に拡開するような傾斜面Dとし、さらに必要に応じて該傾斜面Dに沿って幾分内側に割り溝や切欠きDaを設けたものである。
【0005】
図10はそのような建築用断熱材の一例であり(実公平2−8005号公報参照)、主体6xの長手両側が、全長に亘って弾性変形部7x、7xとされており、該弾性変形部7xは、その下面9xが主体6xの下面12xよりも下方に突出して主体6xよりも肉厚部とされており、かつ、該弾性変形部7xの上面13xと主体6xの上面(図示されない)とほぼ面一であり、その上面13xには、弾性変形部7xの肉厚のほぼ2/3以上の溝深さで長さ方向へ延びる割溝15xを有し、該割溝15xを境とする外側部分は、根太側面に押圧されて内方に弾性的に変形しうる可動片部19xとされるとともに、該可動片部19xの外側面20xを、その上縁21xがその下縁22xよりもやや外方に位置する傾斜面とされている。
【0006】
図11はさらに他の建築用断熱材の例であり(実公平7−52864号公報参照)、本体12yの長手両側に形成された肉厚部に長さ方向へ延びる割溝13y、13yが形成され、その割溝を境とする外側部分にはの可動片部14yとそれより横幅の大きい可動片部14aとが一体成形され、その可動片部14y、15yの上面16yは、下方に向けた傾斜面とされ、その外側面19yは、上縁19aが下縁19bよりもやや外方に位置する傾斜面とされ、かつ、自然状態で水平においた状態では、前記肉厚部及び可動片部14y、15yの底面がほぼ高さとなるようにされ、根太110の間に嵌め込むことにより所要に変形した可動片部14y、15yの上面16yは本体12yの上面と面一となり、外側面19yは根太110の内側側面に密着した状態となるようにされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来知られた建築用断熱材において、例えば根太である支持部材の間に嵌め込む場合に、前記弾性変形部が割溝の上方開放部の幅に規制されるだけの横幅調整が可能であり、同じ寸法の断熱材でもって±数mm程度の組付け誤差のある支持部材間の十分な機密性を持った状態で容易にかつ確実に嵌め込むことができる利点があり、断熱施工を効率化する。
【0008】
しかし、図10、図11に示した断熱材において、本体部分よりも弾性変形部の肉厚を厚くするのは、本体部分の肉厚を薄くして材料低減を図り、かつ、割溝の深さを深く取り弾性変形部の嵌め込み時の変形を容易にして施工効率を上げるためと解されるが、一方において、本体部分と弾性変形部とで、均一な断熱性が得られない不都合がある。弾性変形部の厚さを本体部分の厚さに合わ、そこに、施工性をあげるために深い割溝を形成すると、搬送中や施工中に割溝部分で割れが生じ、本体部分と両側部の弾性変形部が不必要に分離することが起こる。
【0009】
また、図10に示すものは、弾性変形部7xの上面13xと主体6xの上面とがほぼ面一とされているため、「可動片部19x」に厚みを大きくすることができず(厚みを大きくすると、根太間に嵌め込んだときに、主体上面と「可動片部19x」の上面の高さが不均一となる)、根太間の組付け誤差に適切に対処できる範囲が制限される。図11に示すものは、可動片部14y、15yの上面16yは、やや下方に向いた傾斜面とされといるために、可動片部の幅を広く取っても、嵌め込み後の断熱材の表面は面一となる利点があるが、自然状態で水平においた状態では、前記肉厚部及び可動片部の底面がほぼ同じ位置となるようにされているために、幅の広い可動片部とした場合に、その厚みが先端に行くほど薄いものとなり、根太間に嵌め込んだ際に、均一な断熱性が得られない不都合が生じる。
【0010】
さらに、いずれのものも、可動片部(弾性変形部)の長手方向に沿った端面は単純な斜面であるためにも根太間が規定幅よりも広い誤差を持つ場合に、該端面の下端側が根太に密着せず、断熱性が低下する恐れがある。
本発明の目的は、従来の合成樹脂発泡体製断熱材の持つ上記のような不都合を解消した断熱材を提供することにあり、より具体的には、支持部材間に嵌め込んだ場合に、その全面において均一な断熱性を得ることのできる建築用断熱材を提供することにある。他の目的は、支持部材間の誤差の大小にかかわらず、嵌め込み後に常に面一な上面を得ることのできかつ支持部材の側面との密着性を確実なものとした建築用断熱材を提供することにある。他の目的は、他の目的は、割溝の深さを深いものとして形成して側方部分の変形を容易とした場合であっても、側方部分が本体部分から容易には分離しないようにした建築用断熱材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明による建築用断熱材は、基本的に、間隔を開けて配設された第一の構造部材と該第一の構造部材の上に載せて間隔を開けてそれらと交差する方向に配設された第二の構造部材とを有する構造部材における、前記隣合う第二の構造部材の間に嵌め込まれる合成樹脂発泡体製の断熱材であって、該断熱材は、平板状で矩形形状をなす中央部分と、該中央部分の長手方向の両側辺側から5°〜15°の範囲で斜め下方に傾斜した該中央部分と実質的に同じ厚みを持ちかつ矩形形状をなす側方部分とを有し、前記中央部分と前記各側方部分との折曲部には、上面側に開放した割溝が長手方向に形成されており、各側方部分の長手方向に沿った端面は、その上縁がその下縁よりも外方に位置する傾斜面とされており、前記双方の側方部分の長手方向に沿った端面の下縁間の距離は、前記隣合う第二の構造部材の間の距離と等しいかやや狭いものとされ、上縁間の距離は前記隣合う第二の構造部材の間の距離よりも広いものとされていることを特徴とする。
【0012】
この構成により、建築用断熱材は支持部材間の広い範囲での組付け誤差に適切に対応することが可能となり、かつ、支持部材間に嵌め込んだときに、その全面積において等しい断熱性を奏することができる。
好ましい態様において、前記上面側に開放した割溝の深さは前記折曲部の肉厚のほぼ1/2とされ、かつ、該割溝の底部には長手方向に延びる凹部が非連続的に形成される。この場合には、割溝を通る空気の流通を完全に阻止して断熱性の低下を起こさないと共に、側方部分の移動としながら、中央部分から不必要に分離するのが阻止される。
【0013】
さらに好ましい態様では、前記側方部分の長手方向に沿った端面は、前記平板状の中央部分に対する垂線に対して20°〜30°の角度をなす傾斜面とされている。それにより、支持部材間への断熱材の嵌め込みは一層容易となりかつ根太間の間隔が規定値より広い場合であっても、支持部材側面との間での機密性を十分に担保される。
【0014】
さらに好ましい態様においては、前記側方部分の長手方向に沿った端面の下縁近傍は、前記平板状の中央部分に対する垂線に対してほぼ垂直な面とされており、また、前記側方部分の長手方向に沿った端面の前記垂直面位置よりもやや内方に寄った位置には、裏面側に開放した第2の割溝が長手方向に形成されている。それにより、支持部材間が狭い場合での断熱材の嵌め込みは一層容易となる。
【0015】
本発明による建築用断熱材が嵌め込まれる支持部材としての前記第一の構造部材及び前記第二構造部材は任意であるが、例えば、床断熱施工として用いる場合には、第一の構造部材は大引きであり、第二構造部材は根太とされ、天井断熱施工として用いる場合には、第一の構造部材はもやとされ、第二構造部材はたる木とされる。
【0016】
建築用断熱材の長さは、嵌め込んだ状態で前記第一の構造部材である支持部材により裏面側の一部が支持され得る長さであることを条件に任意であり、特に制限はないが、施工の容易性を考慮すると、第一の構造部材のスパンとほぼ同じ長さであることが望ましい。
本発明の建築用断熱材の素材としての合成樹脂発泡体は、スチレン系樹脂やポリオレフィン系樹脂、硬質ウレタン樹脂、フェノール樹脂やポリイソチアネート樹脂、エポキシ樹脂等を発泡した発泡体、もしくは、これらを樹脂を適宜混合した発泡体を使用することができる。
【0017】
スチレン系樹脂としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン等のスチレン系ビニルモノマーを主構成単位とする重合体であってよく、発泡スチレン系樹脂材料としては、スチレン系モノマーを50重量%以上含有する共重合体で構成され、スチレン系モノマーと共重合体し得るモノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸もしくはこれらのエステル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、無水マレイン酸等が挙げられる。
【0018】
ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーカルボン酸エステル共重合体、エチレンーカルボン酸金属塩共重合体、結晶性プロピレンホモポリマー、結晶性プロピレンーエチレン共重合体、結晶性プロピレンーエチレンージエン3元共重合体等挙げることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明による建築用断熱材の一実施の形態を上面側から見た斜視図であり、図2は、同じものを裏面側から見た斜視図である。また、図3は、図1のIII−III 線による断面図である。
【0020】
この例において、断熱材1はポリスチレンを約30〜120倍程度に発泡した発泡性樹脂粒子を一体に成形した成型品であり、平板状で矩形形状をなす中央部分11と、該中央部分11とほぼ同じ厚みであり、かつその長手方向の両側辺側から角度α(好ましくは、α=5°〜20°)で斜め下方に傾斜した矩形形状をなす側方部分12a、12bとを有し、前記中央部分11と前記各側方部分12a、12bとの折曲部には、上面側に開放した割溝13a、13bが長手方向に形成されている。なお、この例では側方部分12aと側方部分12bとは同じ大きさであるが、前記角度α及び後記する角度βを満たすことを条件に、異なる大きさであってもよい。
【0021】
各側方部分12a、12bの長手方向に沿った端面14a、14bは、その上縁15a、15bがその下縁16a、16bよりも外方に位置する傾斜面とされており、該傾斜角度βは、前記中央部分11に対する垂線L(図3参照)に対して好ましくは20°〜30°とされる。前記端面14a、14bの下端縁近傍には下方に延出する凸条17a、17bが一体成形されており、該凸条17a、17bの外側の側面18a、18bは前記中央部分に対する垂線Lに対してほぼ垂直な面とされる。また、この凸条17a、17bの内側の側壁に沿って、その長手方向の全長にわたり、裏面側に開放した第2の割溝19a、19bが形成されており、該第2の割溝19a、19bの深さは、側方部分12a、12bの厚みの1/2〜1/3程度が好ましい。また、1/2を超えてこれより深い割溝を形成する際には、後記する前記割溝13a、13bの形状のように、非連続的に凹溝を形成することが望ましい。
【0022】
さらに、前記中央部分11の裏面側中央位置にも、前記凸条17a、17bと同じ程度に突出した突条11aが長手方向に一体成形されている。
前記割溝13a、13bは、その底部21の幅よりも上方開放部の幅が大とされた断面開U字状の溝であり、図4に一方の割溝13aのみをよく示すように、該割溝13aの深さ(すなわち、断熱材1の表面から底部21までの距離)は、中央部分11と側方部分12aとの折曲部における肉厚のほぼ1/2とされ、かつ、該底部21には長手方向に延びる凹部23・・が非連続的に多数形成されている。該凹部23の深さは任意であるが、実験によれば、その底部が折曲部における肉厚の3/4を越える位置となっていても支障はなかった。
【0023】
さらに、断熱材1の長手方向端部の一方には断熱材1の厚みのほぼ1/2程度の厚みの嵌め合い用突出部11cが形成され、他方端には前記嵌め合い用突出部11cが嵌め合うことのできる形状の切欠き11dが形成されている。
次に、図5を参照して、本発明による断熱材1の寸法について説明する。図5において、100は間隔を開けて配設された第一の構造部材(例えは、大引き、もや等の建築用構造部材)であり、110は該第一の構造部材100の上に載せて間隔を開けてそれらと交差する方向に配設された第二の構造部材(例えば、根太、垂木等の建築用構造部材)である。以下、第二の構造部材110、110が根太であり、その間に前記断熱材1を嵌め込む場合を例として説明する。
【0024】
本発明による断熱材1において、前記双方の側方部分12a、12bの長手方向に沿った端面14a、14bの下縁16a、16b間の距離aは、該隣合う第二の構造部材である根太110、110の間の距離Wと等しいかやや狭いものとされ、上縁15a、15b間の距離bは前記距離Wよりもやや広いものとされる。前記のように、根太−根太間等の支持部材間には±数mm程度の組付け上の誤差が生じるのは避けられないので、前記aの値は設計値としての前記Wよりも少なくとも数mm程度狭い値とされ、前記bの値は少なくとも数mm程度広い値とされる。また、埋込材1の厚みc(凸条17a、17b、11aをも含めた厚み)は、根太の高さHと同じとされるが、幾分高いものとされる。
【0025】
上記のようであり、断熱施工に際して、図5に示すように、根太間に本発明による断熱材1が置かれると、前記双方の側方部分12a、12bの長手方向に沿った端面14a、14bに根太110の内側稜線が衝接した状態で一時的に保持される。作業者は、その状態の埋込材1を上方から押し込む。押し込みにより、双方の側方部分12a、12bは、割溝13a、13bを閉塞する方向に変移していき、最終的には、図6に示すように、前記割溝13a、13bが閉塞され、側方部分12a、12bの長手方向に沿った端面14a、14bが根太110の内側側面に密接し、かつ上面が根太110の面と面一となった状態で、根太110の間に嵌め込まれる。
【0026】
埋込材1において、中央部分11と左右の側方部分12a、12bとは実質的に同じ厚さであり、嵌め込まれた状態での断熱性は断熱材の全面積において等しくなる。根太高さあるいは大引き等の支持部材側の都合により、根太上面よりも断熱材1の高さが高くなるような場合には、さらに押し付けることにより、前記凸条17a、17b、11aが部分的に圧壊し、面一とすることができる。その上から、床材等の所要の表面材が根太に対して打ち付けられる。
【0027】
上記の実施形態において、埋込材1は、前記左右の側方部分12a、12bの長手方向に沿った端面14a、14bの下端に沿って、下方に延出する凸条17a、17bを一体形成しており、該凸条17a、17bの外側の側面18a、18bは前記中央部分に対する垂線Lに対してほぼ垂直な面とされている。そのために、根太の組付け誤差がマイナス側に大きく、その間隔Wが側面18a、18bの下縁16a、16b間の距離aとほぼ等しい場合であっても、根太間へ埋込材1を安定して置くことができ、その後の上からの押し付け作業も容易となる。凸条17a、17bの内側に沿って第2の割溝19a、19bを形成する場合には、さらに押し付け作業が容易となる。逆に、根太の組付け誤差がプラス側に大きく、その間隔Wが側面18a、18bの上縁15a、15b間の距離bに近い場合であっても、根太間に埋込材1を置いて上からの押し付けた際に、図7に示すように、前記凸条17a、17bの下端側が根太110の内側側面側に移動して密接することから、所定の気密性は保持される。
【0028】
上記の埋込材1において、前記上面側に開放した割溝13a、13bの深さは前記折曲部の肉厚のほぼ1/2とされ、かつ、該割溝の底部21には長手方向に延びる凹部23が非連続的に多数形成されている。図6、図7に示すように、従来のこの種の断熱材において、根太間への嵌め込みにより、割溝の開放側端部は確実に閉塞されるが、溝底部側は変形量が小さく完全に閉塞されず、そこに空気の流通路が形成され、断熱効果を低下させる原因となる場合がある。そのために、従来品では割溝の開口幅を大きくすることができなかったが(結果として、有効に対処できる根太間の組付け誤差は小さいものとなる)、この実施の形態のように、割溝の底部21に長手方向に延びる凹部23を非連続的に多数形成することにより、例え、割溝の底部が完全に閉塞しない場合でも、そこを通る空気の流れを遮断することが可能となり、断熱性か低下することはない。
【0029】
さらに、従来のように、弾性変形部の嵌め込み時の変形を容易にして施工効率を上げるため、割溝の深さを深く(例えば、厚みの2/3程度)すると、断熱材の搬送中や施工中に中央部分と側方部分とが不必要に分離することが起こりがちであったが、この実施例では、割溝13a、13bの深さは折曲部の肉厚のほぼ1/2とされており、そこに、凹部23を非連続的に形成するようにしているので、側方部分12a、12bの弾性変形容易性は確保しながら、不必要に分離する事態は完全に回避される。
【0030】
さらに、従来のこの種の断熱材は、ポリスチレン樹脂を発泡成形した硬質発泡樹脂成形品を使用するのが普通であるが、実験によれば、そのような材料で上記の形状の断熱材を作った場合に、前記中央部分11と左右の側方部分12a、12bとのなす角αが20°より大きい場合には、根太間に埋込材1を嵌め込んだ際に、側方部分の変形量が大きくなりすぎて前記折曲部の下面位置に割れが生じることを知った。また、角αが5°より小さい場合には、根太間に許容される組付け誤差が狭くなり、実用性に欠けることも経験した。従って、本発明による断熱材において、平板状で矩形形状をなす中央部分11と、該中央部分と実質的に同じ厚みを持つ側方部分12a、12bとのなす角度αは5°〜20°の範囲であることが望ましい。
【0031】
さらに、実験によれば、前記側方部分12a、12bの長手方向に沿った端面14a、14bが前記中央部分11に対する垂線Lに対してなす角βが30°を越える場合には、該端面に根太の稜線が食い込みがちとなり、側方部分12a、12bの押し込み時の変形が困難となり、また、角βが20°以下の場合には、根太間が広い方にずれた場合に、前記凸条17a、17bの下端側の根太110の内側側への移動量が不十分となり、所定の気密性が担保されないことを経験した。従って、前記角度βは中央部分に対する垂線Lに対して20°〜30°の範囲であることが望ましい。
【0032】
上記の説明は、本発明による建築用断熱材の好ましい実施の形態の説明であって、本発明はこれに限ることなく、多くの変形例が存在する。例えば、凸状17a、17b、11aは高さ調節の便のために設けるものであるが、必ずしも設ける必要はない。また、支持部材間の組付け誤差が狭い範囲に限られる場合には、側方部分の長手方向に沿った端面の下縁近傍を垂直な面として構成しなくてもよく、支持部材間に容易に嵌め込むことができる。さらに、割溝の深さはを折曲部の肉厚のほぼ1/2とし、その底部に長手方向に延びる凹部を非連続的に形成するようにしたのは、その一つの目的として、断熱材の肉厚が薄いものであっても割溝の形成により側方部分が分離しないようにするためのものであり、折曲部の肉厚が厚いものである場合には、「凹部」を形成せずに割溝自体の深さをより深いものとして形成してもよい。
【0033】
【発明の効果】
上記の構成であり、本発明による建築用断熱材によれば、支持部材間に嵌め込んだ場合に、その全面において均一な断熱性を得ることのでき、支持部材間の組付け誤差の大小にかかわらず、嵌め込み後に常に面一な上面を得ることのでき、また、支持部材の側面との密着性を確実なものとすることができて、高い断熱性を得ることができる。また、好ましい態様においては、側方部分の変形が容易でありながら、側方部分が中央部分から容易には分離しないようにしているので、支持部材間への嵌め込み作業が一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による建築用断熱材の一実施の形態を上面側から見た斜視図。
【図2】図1に示す建築用断熱材を裏面側から見た斜視図。
【図3】図1のIII−III 線による断面図。
【図4】割溝部分を一部破断による示す拡大斜視図。
【図5】図1に示す建築用断熱材を支持部材間へ嵌め込む状態を説明する図。
【図6】嵌め込み後の状態を説明する図。
【図7】他の嵌め込み後の状態を説明する図。
【図8】従来の根太間への断熱材の取付け態様を説明する図。
【図9】従来の根太間への断熱材の他の取付け態様を説明する図。
【図10】従来の建築用断熱材の一例を示す斜視図。
【図11】従来の他の建築用断熱材とその嵌め込み態様を示す断面図。
【符号の説明】
1…建築用断熱材、11…中央部分、12a、12b…側方部分、13a、13b…割溝、14a、14b…長手方向に沿った端面、21…割溝の底部、23…非連続的な凹部、100…第一の構造部材、110…第二の構造部材。

Claims (8)

  1. 間隔を開けて配設された第一の構造部材と該第一の構造部材の上に載せて間隔を開けてそれらと交差する方向に配設された第二の構造部材とを有する構造部材における、前記隣合う第二の構造部材の間に嵌め込まれる合成樹脂発泡体製の断熱材であって、
    該断熱材は、平板状で矩形形状をなす中央部分と、該中央部分の長手方向の両側辺側から5°〜20°の範囲で斜め下方に傾斜した該中央部分と実質的に同じ厚みを持ちかつ矩形形状をなす側方部分とを有し、
    前記中央部分と前記各側方部分との折曲部には、上面側に開放した割溝が長手方向に形成されており、
    各側方部分の長手方向に沿った端面は、その上縁がその下縁よりも外方に位置する傾斜面とされており、
    前記双方の側方部分の長手方向に沿った端面の下縁間の距離は、前記隣合う第二の構造部材の間の距離と等しいかやや狭いものとされ、上縁間の距離は前記隣合う第二の構造部材の間の距離よりも広いものとされている、ことを特徴とする建築用断熱材。
  2. 前記上面側に開放した割溝の深さは前記折曲部の肉厚のほぼ1/2とされ、かつ、該割溝の底部には長手方向に延びる凹部が非連続的に形成されていることを特徴とする請求項1記載の建築用断熱材。
  3. 前記側方部分の長手方向に沿った端面は、前記平板状の中央部分に対する垂線に対して20°〜30°の角度をなす傾斜面とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の建築用断熱材。
  4. 前記側方部分の長手方向に沿った端面の下縁近傍は、前記平板状の中央部分に対する垂線に対してほぼ垂直な面とされていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の建築用断熱材。
  5. 前記側方部分の長手方向に沿った端面の前記垂直面位置よりもやや内方に寄った位置には、裏面側に開放した第2の割溝が長手方向に形成されていることを特徴とする請求項4記載の建築用断熱材。
  6. 前記側方部分における長手方向に沿った端面の前記垂直面位置と前記第2の割溝との間の部分は、該側方部分の底面よりも下方に突出した部分とされていることを特徴とする請求項5記載の建築用断熱材。
  7. 前記第一の構造部材が大引きであり、前記第二構造部材が根太であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の建築用断熱材。
  8. 前記第一の構造部材がもやであり、前記第二構造部材がたる木であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の建築用断熱材。
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