JP3628090B2 - 切替開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電鉄用交流き電回路における異電源切替を行う切替開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、新幹線のような電鉄用交流き電回路の異電源切替方式として、切替開閉器を用いた切替開閉装置が広く用いられている。この切替開閉装置は、異電源突合わせセクションに中セクションを設置することにより、列車がこの異電源突合わせセクションにおいてノッチオフしてスピードダウンすることなく、力行で異電源突合わせセクションを通過できるようにするために採用されている技術である。
【0003】
図7にこのような切替開閉装置の従来例の構成を示している。この従来の切替開閉装置は、交流電源1に接続されたトロリー線2と中セクション3との間に列車進入側切替開閉器4を設置し、また隣接する交流電源5に接続されたトロリー線6と中セクション3との間に列車退出側切替開閉器7を設置した回路構成をとっている。そして中セクション3に対する軌道回路8によって列車9が中セクション3に編成全体が進入したかどうか検出し、この軌道回路8の信号によって切替開閉器4、7それぞれに対する切替制御回路10、11各々が列車進入側切替開閉器4、列車退出側切替開閉器7の開閉制御を行うようにしている。
【0004】
この従来の切替開閉装置では、軌道回路8に列車9がない時には列車進入側切替開閉器4は投入、列車退出側切替開閉器7は開放状態にあり、列車9はトロリー線2を通して交流電源1から電力供給されて走行する。そして、列車9が図中左から右方向に走行し、編成全体が中セクション3に入れば、軌道回路8により列車有りを検出して、切替制御回路10、11それぞれの働きにより列車進入側切替開閉器4を開放し、約300msecの時間経過後に列車退出側切替開閉器7をやや遅れて投入する。この時点より列車9は交流電源5から電力供給を受けるようになる。これにより、走行中の列車9はノッチオフして減速することなく、中セクション3を力行通過する。
【0005】
列車9の編成全体が中セクション3を抜出してトロリー線6の区間に進入すれば、軌道回路8は列車無しを検出し、列車退出側切替開閉器7を開放し、列車進入側切替開閉器4を投入状態に戻し、次の列車の到来に備える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の切替開閉装置では次のような問題点があった。すなわち、列車9が中セクション3を走行中に軌道回路8が列車有りを検出して列車退出側切替開閉器7をやや遅れて投入した際に、車両に搭載している変圧器へ無負荷励磁投入電流が流れる。この突入電流は、負荷電流が列車1編成あたり約1000Aであるのに対し、その約2〜3倍の波高値を持っている。また突入電流は第2高調波を含んだ波形であり、これが原因でき電回路の保護リレーの不要動作、またはき電用変圧器一次側(送電線3相回路側)に設置された直列コンデンサとの分数調波共振などが発生する問題点があった。
【0007】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、電鉄用異電源切替設備としての信頼性を失うことなく、車両搭載変圧器への突入電流を負荷電流と同等程度の値に抑制することができる切替開閉装置に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、それぞれ異なった交流電源から電力供給される互いに隣接したトロリー線間に中セクションが設置され、前記交流電源の一方と前記中セクションとの間を列車進入側切替開閉器を介して接続し、前記交流電源の他方と前記中セクションとの間を列車退出側切替開閉器を介して接続し、列車の全体が列車進入側の前記トロリー線区間から前記中セクションに進入するまで前記列車進入側切替開閉器を閉じ、かつ前記列車退出側切替開閉器を開き、前記列車の全体が前記中セクションに進入した時に前記列車進入側切替開閉器を開き、かつ前記列車退出側切替開閉器を閉じる切替開閉を行う切替開閉装置において、前記列車退出側切替開閉器と前記中セクションとの間に直列に接続された、前記列車退出側切替開閉器を閉じた時に前記交流電源から列車に搭載される変圧器に流れる突入電流が最大負荷電流以下になるような抵抗値に選定された抵抗器と、前記抵抗器と並列に接続され、前記抵抗器に20〜150msecの一定時間通電した後に閉じて当該抵抗器を短絡する短絡用開閉器とを備え、かつ、前記抵抗器に流れる過電流を検出する過電流検出手段と、前記過電流検出手段が40〜170msecの所定時間継続して過電流を検出した時に前記交流電源から前記中セクションへの電力供給を停止する遮断手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
この請求項1の発明の切替開閉装置では、列車がトロリー線から中セクションに進入して列車進入側切替開閉器が開放され、反対に列車退出側切替開閉器が投入され、交流電源から中セクションを通じて列車に切換給電される際、この列車退出側切替開閉器に直列に接続した抵抗器に交流電源から電流が流れ、列車負荷への突入電流を抑制する。そして抵抗器に一定時間通電した後に短絡用開閉器を閉じて抵抗器を短絡させ、交流電源から中セクションへ列車退出側切替開閉器と短絡用開閉器を通じて電力供給する。
【0010】
これにより、列車負荷の回路は車両の型式によって搭載変圧器二次側が無負荷になるものとそうでないものとがあり、また車両の走行状態も多様であるが、抵抗器の抵抗値を5〜200Ωに選定することにより、車両の種別、走行状態にかかわらず突入電流を1000A以下に抑制することができる。
【0011】
また、抵抗器を短絡用開閉器により一定時間の通電の後(約20〜150msec後)に短絡することにより、抵抗器での損失、抵抗器での電圧ドロップにより列車のパンタグラフ点電圧低下などを防止することができる。加えて、短絡用開閉器の投入電流も負荷電流の約1000A程度に抑えることができるので、切替開閉器、短絡用開閉器共に従来の切替開閉器に比べて特別の性能のものを必要とせず、この発明の実現のためのコストアップを抑制することができる。さらに加えて、列車が中セクションに進入して抵抗器に電流が流れるようになった際に、何らかの原因で抵抗器に過電流が40〜170msecの一定時間以上継続して流れ続ければ、過電流検出手段がその過電流を検出し、遮断手段によって交流電源から中セクションへの電力供給を停止することにより、抵抗器を保護することができる。
【0012】
請求項2の発明は、それぞれ異なった交流電源から電力供給される互いに隣接したトロリー線間に中セクションが設置され、前記交流電源の一方と前記中セクションとの間を列車進入側切替開閉器を介して接続し、前記交流電源の他方と前記中セクションとの間を列車退出側切替開閉器を介して接続し、列車の全体が列車進入側の前記トロリー線区間から前記中セクションに進入するまで前記列車進入側切替開閉器を閉じ、かつ前記列車退出側切替開閉器を開き、前記列車の全体が前記中セクションに進入した時に前記列車進入側切替開閉器を開き、かつ前記列車退出側切替開閉器を閉じる切替開閉を行う切替開閉装置において、前記列車退出側切替開閉器と前記中セクションとの間に直列に接続された、前記列車退出側切替開閉器を閉じた時に前記交流電源から列車に搭載される変圧器に流れる突入電流が最大負荷電流以下になるような抵抗値に選定された抵抗器と、前記列車退出側切替開閉器と前記抵抗器との直列回路に並列に接続され、前記抵抗器に20〜150msecの一定時間通電した後に閉じて前記列車退出側切替開閉器と抵抗器とを短絡する短絡用開閉器とを備え、かつ、前記抵抗器に流れる過電流を検出する過電流検出手段と、前記過電流検出手段が40〜170msecの所定時間継続して過電流を検出した時に前記交流電源から前記中セクションへの電力供給を停止する遮断手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
この請求項2の発明の切替開閉装置では、列車がトロリー線から中セクションに進入して列車進入側切替開閉器が開放され、反対に列車退出側切替開閉器が投入され、交流電源から中セクションを通じて列車に切換給電される際、この列車退出側切替開閉器に直列に接続した抵抗器に交流電源から電流が流れ、列車負荷への突入電流を抑制する。そして抵抗器に一定時間通電した後に短絡用開閉器を閉じて列車退出側切替開閉器と抵抗器とをバイパスし、交流電源から中セクションへ短絡用開閉器を通じて電力供給する。
【0014】
これにより、請求項1の発明の切替開閉装置と同じように、抵抗器の抵抗値を5〜200Ωに選定することにより、車両の種別、走行状態にかかわらず突入電流を最大負荷電流の1000A以下に抑制することができる。また、抵抗器を短絡用開閉器により一定時間の通電の後(約20〜150msec後)に短絡することにより、抵抗器での損失、抵抗器での電圧ドロップにより列車のパンタグラフ点電圧低下などを防止することができ、加えて、この発明の実現のためのコストアップを抑制することができる。さらに加えて、列車が中セクションに進入して抵抗器に電流が流れるようになった際に、何らかの原因で抵抗器に過電流が40〜170msecの一定時間以上継続して流れ続ければ、過電流検出手段がその過電流を検出し、遮断手段によって交流電源から中セクションへの電力供給を停止することにより、抵抗器を保護することができる。
【0015】
請求項3の発明は、それぞれ異なった交流電源から電力供給される互いに隣接したトロリー線間に中セクションが設置され、前記交流電源の一方と前記中セクションとの間を列車進入側切替開閉器を介して接続し、前記交流電源の他方と前記中セクションとの間を列車退出側切替開閉器を介して接続し、列車の全体が列車進入側の前記トロリー線区間から前記中セクションに進入するまで前記列車進入側切替開閉器を閉じ、かつ前記列車退出側切替開閉器を開き、前記列車の全体が前記中セクションに進入した時に前記列車進入側切替開閉器を開き、かつ前記列車退出側切替開閉器を閉じる切替開閉を行う切替開閉装置において、前記列車進入側切替開閉器と列車退出側切替開閉器との共通の接続点と前記中セクションとの間に接続された、前記列車退出側切替開閉器を閉じた時に前記交流電源から列車に搭載される変圧器に流れる突入電流が最大負荷電流以下になるような抵抗値に選定された抵抗器と、前記抵抗器と並列に接続され、前記抵抗器に20〜150msecの一定時間通電した後に閉じて当該抵抗器を短絡する短絡用開閉器とを備え、かつ、前記抵抗器に流れる過電流を検出する過電流検出手段と、前記過電流検出手段が40〜170msecの所定時間継続して過電流を検出した時に前記交流電源から前記中セクションへの電力供給を停止する遮断手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
この請求項3の発明の切替開閉装置では、列車がトロリー線から中セクションに進入して列車進入側切替開閉器が開放され、反対に列車退出側切替開閉器が投入され、交流電源から中セクションを通じて列車に切換給電される際、これらの列車進入側切替開閉器と列車退出側切替開閉器との共通の接続点と中セクションとの間に接続されている短絡用開閉器を一時的に開放することにより、この短絡用開閉器と並列に接続されている抵抗器に交流電源から電流が流れ、列車負荷への突入電流を抑制する。そして抵抗器に一定時間通電した後に短絡用開閉器を再び閉じて抵抗器を短絡させ、交流電源から中セクションへ短絡用開閉器を通じて電力供給する。
【0017】
これにより、請求項1の発明の切替開閉装置と同じように、抵抗器の抵抗値を5〜200Ωに選定することにより、車両の種別、走行状態にかかわらず突入電流を最大負荷電流の1000A以下に抑制することができる。また、抵抗器に一定時間の通電の後(約20〜150msec後)に短絡用開閉器を閉じて抵抗器を短絡することにより、抵抗器での損失、抵抗器での電圧ドロップにより列車のパンタグラフ点電圧低下などを防止することができ、加えて、この発明の実現のためのコストアップを抑制することができる。さらに加えて、列車が中セクションに進入して抵抗器に電流が流れるようになった際に、何らかの原因で抵抗器に過電流が一定時間以上継続して流れ続ければ、過電流検出手段がその過電流を検出し、遮断手段によって交流電源から中セクションへの電力供給を停止することにより、抵抗器を保護することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の切替開閉装置の第1の実施の形態の回路構成を示している。この第1の実施の形態の切替開閉装置は、それぞれ異なった交流電源1、5から電力供給される互いに隣接したトロリー線2、6間に中セクション3が設置されており、一方の交流電源1と中セクション3に対する列車進入側のトロリー線2との間の電力供給線1aに列車進入側切替開閉器4が設置され、他方の交流電源5と中セクション3に対する列車退出側のトロリー線6との間の電力供給線5aに列車退出側切替開閉器7が設置されている。また、中セクション3に列車9の編成全体が進入した時にその進入を検出する軌道回路8と、この軌道回路8からの信号を受けて列車進入側切替開閉器4と列車退出側切替開閉器7との切替開閉制御を行う切替制御回路10、11が設置されていて、列車9の編成全体が列車進入側のトロリー線2の区間から中セクション3に進入するまで列車進入側切替開閉器4を閉じ、かつ列車退出側切替開閉器7を開き、その後、列車9の編成全体が中セクション3に進入した時に列車進入側切替開閉器4を開き、かつ列車退出側切替開閉器7をやや遅れて(約300msec程度遅れて)閉じる切替開閉制御を行うようになっている。
【0021】
さらに、第1の実施の形態の特徴として、列車退出側切替開閉器7と直列に電力供給線5aに抵抗器12が挿入され、また抵抗器12に一定時間通電した後に閉じて抵抗器12を短絡する短絡用開閉器13が抵抗器12と並列に電力供給線5aに挿入されている。そして、この短絡用開閉器13の短絡開閉を制御するために短絡制御回路14が設置されており、切替制御回路11から列車退出側切替開閉器7に与えられる投入信号を受けてタイムカウントを開始し、一定時間経過後に短絡用開閉器13に投入指令を与えるようになっている。
【0022】
抵抗器12の抵抗値は、列車退出側切替開閉器7の投入時に交流電源5から列車8に供給される電流の突入電流が1000A以下となるように、5〜20Ωのものが選定される。また抵抗器12の通電時間は20〜150msecとなるように、短絡制御回路14がタイマ設定される。
【0023】
次に、上記構成の切替開閉装置の動作について説明する。列車9はトロリー線2に接続された交流電源1より電力供給を受けて走行している。この状態では、列車進入側切替開閉器4は投入、列車退出側切替開閉器7及び短絡用開閉器13は開放状態にある。
【0024】
ここで列車9が図中左から右方向へ走行し、編成全体が中セクション3内に進入した時、軌道回路8からの列車進入検出信号を受けて切替制御回路10は列車進入側切替開閉器4を開放し、同じ検出信号を受けて切替制御回路11は列車退出側切替開閉器7をやや遅れて投入する。この時点で、列車9は交流電源5より電力供給を受けることになるが、その電力供給線5aに列車退出側切替開閉器7と直列に抵抗器12が挿入されているので、列車9が搭載する変圧器への励磁突入電流は最大負荷電流値程度、約1000A程度以下に抑制される。
【0025】
切替制御回路11が列車退出側切替開閉器7に与える投入信号は短絡制御回路14にも入力され、短絡制御回路14はタイムカウントを開始し、20〜150msecのディレイの後に短絡用開閉器13を投入し、抵抗器12を短絡して交流電源5の電力を列車退出側切替開閉器7と短絡用開閉器13を通じて中セクション3に供給し、列車9にき電するようになる。
【0026】
ここで、列車退出側切替開閉器7の投入時に列車9に流れる突入電流は第1波を抑制すれば抵抗器12を短絡しても減衰していくので、列車退出側切替開閉器7の投入後、20〜150msec程度の間隔で短絡用開閉器13を投入して抵抗器12を短絡すれば、抵抗器12における損失、電圧降下の問題を回避することができ、列車9の走行を力行のまま継続させることができる。
【0027】
この後、列車9の編成全体が中セクション3を抜け出て、軌道回路8が列車の存在を検出しなくなれば、切替制御回路10、11によりそれぞれ列車進入側切替開閉器4が投入され、列車退出側切替開閉器7が開放され、次の列車の進入に備えることになる。
【0028】
このようにして、第1の実施の形態では、列車9の中セクション通過の際の異電源切替時に、電力供給回路に直列に抵抗器12を一時的に挿入する構成とすることにより、列車9への突入電流を抑制することができ、またこのために必要となる抵抗器短絡用の開閉器13は負荷電流値程度の電流を投入するだけなので、従来の切替開閉器4、7と同等な電気的特性を持つ開閉器を使用することができ、コストアップを抑制することができる。
【0029】
次に、本発明の第2の実施の形態を図2に基づいて説明する。この第2の実施の形態の切替開閉装置は、大部分の構成が図1に示した第1の実施の形態と共通するので、同一の部分については同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。この第2の実施の形態の特徴は、交流電源5から中セクション3への電力供給線5aに列車退出側切替開閉器7と直列に抵抗器12を挿入すると共に、これらの列車退出側切替開閉器7と抵抗器12との直列回路と並列に抵抗器短絡用開閉器15を設置すると共に、この短絡用開閉器15の開閉制御を行う短絡制御回路16を設置したところにある。
【0030】
この第2の実施の形態の切替開閉装置では、列車9はトロリー線2に接続された交流電源1より電力供給を受けて走行している。この状態では、軌道回路8から列車検出信号が入らないので、切替制御回路10により列車進入側切替開閉器4は投入、また切替制御回路11により列車退出側切替開閉器7は開放、また短絡制御回路16により短絡用開閉器15も開放状態にある。
【0031】
ここで列車9が図中左から右方向へ走行し、編成全体が中セクション3内に進入した時、軌道回路8からの列車進入検出信号を受けて切替制御回路10は列車進入側切替開閉器4を開放し、同じ検出信号を受けて切替制御回路11は列車退出側切替開閉器7をやや遅れて投入する。この時点で、列車9は交流電源5より電力供給を受けることになるが、その電力供給線5aに列車退出側切替開閉器7と直列に抵抗器12が挿入されているので、列車9が搭載する変圧器への励磁突入電流は最大負荷電流値程度、約1000A程度以下に抑制される。
【0032】
切替制御回路11が列車退出側切替開閉器7に与える投入信号は短絡制御回路16にも入力され、短絡制御回路16はタイムカウントを開始し、20〜150msecのディレイの後に短絡用開閉器15を投入し、列車退出側切替開閉器7と抵抗器12との直列回路6をバイパスする形で交流電源5の電力を短絡用開閉器15を通じて中セクション3に供給し、列車9にき電するようになる。
【0033】
ここで、列車退出側切替開閉器7の投入時に列車9に流れる突入電流は第1波を抑制すれば抵抗器12を短絡しても減衰していくので、列車退出側切替開閉器7の投入後、20〜150msec程度の間隔で短絡用開閉器15を投入すれば、抵抗器12における損失、電圧降下の問題を回避することができ、列車9の走行を力行のまま継続させることができる。
【0034】
この後、列車9の編成全体が中セクション3を抜け出て、軌道回路8が列車の存在を検出しなくなれば、切替制御回路10、11によりそれぞれ列車進入側切替開閉器4が投入され、列車退出側切替開閉器7が開放され、また、切替制御回路11を通じて短絡制御回路16により短絡用開閉器15も開放されて次の列車の進入に備えることになる。
【0035】
このようにして、第2の実施の形態でも、列車9の中セクション通過の際の異電源切替時に、電力供給回路に直列に抵抗器12を一時的に挿入する構成とすることにより、列車9への突入電流を抑制することができ、またこのために必要となる抵抗器短絡用の開閉器15は負荷電流値程度の電流を投入するだけなので、従来の切替開閉器4、7と同等な電気的特性を持つ開閉器を使用することができ、コストアップを抑制することができる。
【0036】
次に、本発明の第3の実施の形態を図3に基づいて説明する。この第3の実施の形態の切替開閉装置は、大部分の構成が図1に示した第1の実施の形態と共通するので、同一の部分については同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。この第3の実施の形態の特徴は、中セクション3側に抵抗器17と短絡用開閉器18との並列回路を設置し、この並列回路の入力側に列車進入側切替開閉器4の出力側と列車退出側切替開閉器7の出力側との共通の接続点を接続しており、また短絡用開閉器18の開閉制御を行う短絡制御回路19を設置したところにある。そして短絡制御回路19には切替制御回路10から列車進入側切替開閉器4に対する開閉制御信号を同じく入力し、開閉制御するようにしている。
【0037】
この第3の実施の形態の切替開閉装置では、列車9はトロリー線2に接続された交流電源1より電力供給を受けて走行している。この状態では、軌道回路8から列車検出信号が入らないので、切替制御回路10により列車進入側切替開閉器4と短絡用開閉器18は投入、また切替制御回路11により列車退出側切替開閉器7は開放状態にある。
【0038】
ここで列車9が図中左から右方向へ走行し、編成全体が中セクション3内に進入した時、軌道回路8からの列車進入検出信号を受けて切替制御回路10は列車進入側切替開閉器4と短絡用開閉器18を開放し、同じ検出信号を受けて切替制御回路11は列車退出側切替開閉器7をやや遅れて投入する。この時点で、列車9は交流電源5より電力供給を受けることになるが、その電流は列車退出側切替開閉器7と抵抗器17を通って中セクション3に供給され、列車9に供給されるようになるので、列車9が搭載する変圧器への励磁突入電流は最大負荷電流値程度、約1000A程度以下に抑制される。
【0039】
切替制御回路11が列車退出側切替開閉器7に与える投入信号は短絡制御回路19にも入力され、短絡制御回路19はタイムカウントを開始し、20〜150msecのディレイの後に短絡用開閉器18を投入し、抵抗器17を短絡して交流電源5の電力を短絡用開閉器18を通じて中セクション3に供給し、列車9にき電するようになる。
【0040】
ここで、列車退出側切替開閉器7の投入時に列車9に流れる突入電流は第1波を抑制すれば抵抗器17を短絡しても減衰していくので、列車退出側切替開閉器7の投入後、20〜150msec程度の間隔で短絡用開閉器18を投入すれば、抵抗器17における損失、電圧降下の問題を回避することができ、列車9の走行を力行のまま継続させることができる。
【0041】
この後、列車9の編成全体が中セクション3を抜け出て、軌道回路8が列車の存在を検出しなくなれば、切替制御回路10、11によりそれぞれ列車進入側切替開閉器4と短絡用開閉器18が投入され、列車退出側切替開閉器7が開放され、次の列車の進入に備えることになる。
【0042】
このようにして、第3の実施の形態でも、列車9の中セクション通過の際の異電源切替時に、電力供給回路に直列に抵抗器17を一時的に挿入する構成とすることにより、列車9への突入電流を抑制することができ、またこのために必要となる抵抗器短絡用の開閉器18は負荷電流値程度の電流を投入するだけなので、従来の切替開閉器4、7と同等な電気的特性を持つ開閉器を使用することができ、コストアップを抑制することができる。
【0043】
次に、本発明の第4の実施の形態を図4に基づいて説明する。この第4の実施の形態の特徴は、図1に示した第1の実施の形態に対して、さらに抵抗器12の過電流を検出するために抵抗器12と直列に計器用変流器20を挿入し、この計器用変流器20の二次側に過電流継電器21を接続し、この過電流継電器21により一定時間以上継続して電流が流れたことを検出した時に変電所内上位系の遮断器を開放する指令を出力するようにしたところにある。なお、その他の構成は図1に示した第1の実施の形態と共通するので、同一の符号を付すことによって詳しい説明を省略する。
【0044】
次に、この第4の実施の形態の動作について説明する。第1の実施の形態と同じように、列車9の編成全体が中セクション3内に進入した時、軌道回路8からの列車進入検出信号を受けて切替制御回路10は列車進入側切替開閉器4を開放し、同じ検出信号を受けて切替制御回路11は列車退出側切替開閉器7をやや遅れて投入する。この時点で、列車9は交流電源5より電力供給を受けることになるが、その電力供給線5aに列車退出側切替開閉器7と直列に抵抗器12が挿入されているので、列車9が搭載する変圧器への励磁突入電流は最大負荷電流値程度、約1000A程度以下に抑制される。
【0045】
切替制御回路11が列車退出側切替開閉器7に与える投入信号は短絡制御回路14にも入力され、短絡制御回路14はタイムカウントを開始し、20〜150msecのディレイの後に短絡用開閉器13を投入し、抵抗器12を短絡して交流電源5の電力を列車退出側切替開閉器7と短絡用開閉器13を通じて中セクション3に供給し、列車9にき電するようになる。
【0046】
抵抗器12へ通電が開始され、20〜150msecの時間が経過しても短絡用開閉器13が投入されない時、列車9が中セクション3内を走行する間、抵抗器12には負荷電流が連続通電されることになる。この抵抗器12が短時間容量しか持っていない場合、抵抗器12が破損する恐れがあるが、この状態を検出するために計器用変流器20の二次側に接続された過電流継電器21により電流が40〜170msec以上継続したことを検出し、変電所内の上位系の遮断器を開放する指令を出力する。これにより交流電源5を停止し、短絡用開閉器13の投入不能による抵抗器12の破損を防止する。
【0047】
ここで過電流継電器21が検出する電流の継続時間は、抵抗器12の短時間耐量及び短絡用開閉器13の短絡時間によって決定すべきものであるが、抵抗器12の抵抗値が5〜20Ω、短絡用開閉器13の短絡までのディレイ時間が20〜150msecの場合、上述したように40〜170msecに設定することができる。
【0048】
短絡用開閉器13を投入して抵抗器12を短絡し、中セクション3を通じて列車9に給電し、この後、列車9の編成全体が中セクション3を抜け出て軌道回路8が列車の存在を検出しなくなれば、切替制御回路10、11によりそれぞれ列車進入側切替開閉器4が投入され、列車退出側切替開閉器7が開放され、次の列車の進入に備えることになる。
【0049】
このようにして、第4の実施の形態でも第1の実施の形態と同じように、列車9の中セクション通過の際の異電源切替時に、電力供給回路に直列に抵抗器12を一時的に挿入する構成とすることにより、列車9への突入電流を抑制することができ、またこのために必要となる抵抗器短絡用の開閉器13は負荷電流値程度の電流を投入するだけなので、従来の切替開閉器4、7と同等な電気的特性を持つ開閉器を使用することができ、コストアップを抑制することができる。
【0050】
加えて第4の実施の形態の場合、抵抗器12に所定時間以上通電されないように保護動作回路を設けたことにより、抵抗器12を保護することができ、これにより抵抗器12は短時間通電のみを考慮すればよくなり、外形を小さくし、抵抗器と短絡用開閉器の付加によるコストアップを抑制することができる。
【0051】
次に、請求項4の発明の他の実施の形態を図5に基づいて説明する。この第5の実施の形態の切替開閉装置は、図2に示した第2の実施の形態に対して、さらに抵抗器12の過電流を検出するために抵抗器12と直列に計器用変流器20を挿入し、この計器用変流器20の二次側に過電流継電器21を接続し、この過電流継電器21により一定時間以上継続して電流が流れたことを検出した時に変電所内上位系の遮断器を開放する指令を出力するようにしたところにある。なお、その他の構成は図2に示した第2の実施の形態と共通するので、同一の符号を付すことによって詳しい説明を省略する。
【0052】
次に、この第5の実施の形態の動作について説明する。第2の実施の形態と同じように、列車9の編成全体が中セクション3内に進入した時、軌道回路8からの列車進入検出信号を受けて切替制御回路10は列車進入側切替開閉器4を開放し、同じ検出信号を受けて切替制御回路11は列車退出側切替開閉器7をやや遅れて投入する。この時点で、列車9は交流電源5より電力供給を受けることになるが、その電力供給線5aに列車退出側切替開閉器7と直列に抵抗器12が挿入されているので、列車9が搭載する変圧器への励磁突入電流は最大負荷電流値程度、約1000A程度以下に抑制される。
【0053】
切替制御回路11が列車退出側切替開閉器7に与える投入信号は短絡制御回路16にも入力され、短絡制御回路16はタイムカウントを開始し、20〜150msecのディレイの後に短絡用開閉器15を投入し、列車退出側切替開閉器7と抵抗器12との直列回路をバイパスして交流電源5の電力を短絡用開閉器15を通じて中セクション3に供給し、列車9にき電するようになる。
【0054】
抵抗器12へ通電が開始され、20〜150msecの時間が経過しても短絡用開閉器15が投入されない時、図4に示した第4の実施の形態と同じように、列車9が中セクション3内を走行する間、抵抗器12には負荷電流が連続通電されることになる。この抵抗器12が短時間容量しか持っていない場合、抵抗器12が破損する恐れがあるが、この状態を検出するために計器用変流器20の二次側に接続された過電流継電器21により電流が40〜170msec以上継続したことを検出し、変電所内の上位系の遮断器を開放する指令を出力する。これにより交流電源5を停止し、短絡用開閉器15の投入不能による抵抗器12の破損を防止する。
【0055】
短絡用開閉器15を投入して列車退出用切替開閉器7と抵抗器12をバイパスし、交流電源5から短絡用開閉器15と中セクション3を通じて列車9に給電し、この後、列車9の編成全体が中セクション3を抜け出て軌道回路8が列車の存在を検出しなくなれば、切替制御回路10、11によりそれぞれ列車進入側切替開閉器4が投入され、列車退出側切替開閉器7が開放され、また短絡制御回路16により短絡用開閉器15が開放されて次の列車の進入に備えることになる。
【0056】
このようにして、第5の実施の形態でも第2の実施の形態と同じように、列車9の中セクション通過の際の異電源切替時に、電力供給回路に直列に抵抗器12を一時的に挿入する構成とすることにより、列車9への突入電流を抑制することができ、またこのために必要となる抵抗器短絡用の開閉器15は負荷電流値程度の電流を投入するだけなので、従来の切替開閉器4、7と同等な電気的特性を持つ開閉器を使用することができ、コストアップを抑制することができる。
【0057】
加えて第5の実施の形態の場合、第4の実施の形態と同じように、抵抗器12に所定時間以上通電されないように保護動作回路を設けたことにより、抵抗器12を保護することができ、これにより抵抗器12は短時間通電のみを考慮すればよくなり、外形を小さくし、抵抗器と短絡用開閉器の付加によるコストアップを抑制することができる。
【0058】
次に、請求項4の発明のさらに他の実施の形態を図6に基づいて説明する。この第6の実施の形態の切替開閉装置は、図3に示した第3の実施の形態に対して、さらに抵抗器12の過電流を検出するために抵抗器17と直列に計器用変流器20を挿入し、この計器用変流器20の二次側に過電流継電器21を接続し、この過電流継電器21により一定時間以上継続して電流が流れたことを検出した時に変電所内上位系の遮断器を開放する指令を出力するようにしたところにある。なお、その他の構成は図3に示した第3の実施の形態と共通するので、同一の符号を付すことによって詳しい説明を省略する。
【0059】
次に、この第6の実施の形態の動作について説明する。第3の実施の形態と同じように、列車9の編成全体が中セクション3内に進入した時、軌道回路8からの列車進入検出信号を受けて切替制御回路10は列車進入側切替開閉器4を開放し、同じ検出信号を受けて切替制御回路11は列車退出側切替開閉器7をやや遅れて投入する。この時点で、列車9は交流電源5より電力供給を受けることになるが、列車退出側切替開閉器7と直列に接続された抵抗器17を通じて交流電源5から電力が中セクション3に供給されるようになるので、列車9が搭載する変圧器への励磁突入電流は最大負荷電流値程度、約1000A程度以下に抑制される。
【0060】
切替制御回路11が列車退出側切替開閉器7に与える投入信号は短絡制御回路19にも入力され、短絡制御回路19はタイムカウントを開始し、20〜150msecのディレイの後に短絡用開閉器18を投入し、抵抗器17を短絡して交流電源5の電力を列車退出側切替開閉器7と短絡用開閉器18を通じて中セクション3に供給し、列車9にき電するようになる。
【0061】
抵抗器17へ通電が開始され、20〜150msecの時間が経過しても短絡用開閉器18が投入されない時、図4に示した第4の実施の形態と同じように、列車9が中セクション3内を走行する間、抵抗器17には負荷電流が連続通電されることになる。この抵抗器17が短時間容量しか持っていない場合、抵抗器17が破損する恐れがあるが、この状態を検出するために計器用変流器20の二次側に接続された過電流継電器21により電流が40〜170msec以上継続したことを検出し、変電所内の上位系の遮断器を開放する指令を出力する。これにより交流電源5を停止し、短絡用開閉器18の投入不能による抵抗器17の破損を防止する。
【0062】
短絡用開閉器18を投入して抵抗器17を短絡し、交流電源5から列車退出側切替開閉器7と短絡用開閉器18を通じて列車9に給電し、この後、列車9の編成全体が中セクション3を抜け出て軌道回路8が列車の存在を検出しなくなれば、切替制御回路10により列車進入側切替開閉器4と短絡用開閉器18が投入され、また切替制御回路11により列車退出側切替開閉器7が開放されて次の列車の進入に備えることになる。
【0063】
このようにして、第6の実施の形態でも第3の実施の形態と同じように、列車9の中セクション通過の際の異電源切替時に、電力供給回路に直列に抵抗器17を一時的に挿入する構成とすることにより、列車9への突入電流を抑制することができ、またこのために必要となる抵抗器短絡用の開閉器18は負荷電流値程度の電流を投入するだけなので、従来の切替開閉器4、7と同等な電気的特性を持つ開閉器を使用することができ、コストアップを抑制することができる。
【0064】
加えて第6の実施の形態の場合、第4の実施の形態と同じように、抵抗器17に所定時間以上通電されないように保護動作回路を設けたことにより、抵抗器17を保護することができ、これにより抵抗器17は短時間通電のみを考慮すればよくなり、外形を小さくし、抵抗器と短絡用開閉器の付加によるコストアップを抑制することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、列車がトロリー線から中セクションに進入して列車進入側切替開閉器が開放され、反対に列車退出側切替開閉器が投入され、交流電源から中セクションを通じて列車に切換給電される際、この列車退出側切替開閉器に直列に接続した抵抗器に交流電源から電流を流すようにしているので、異電源切替時の列車への突入電流をその負荷電流値程度に抑制することができ、また抵抗器に20〜150msecの一定時間通電した後に短絡用開閉器を閉じて抵抗器を短絡させ、交流電源から中セクションへ列車退出側切替開閉器と短絡用開閉器を通じて電力供給するようにしているので、抵抗器での損失、抵抗器での電圧ドロップにより列車のパンタグラフ点電圧低下などを防止することができ、加えて、短絡用開閉器の投入電流も負荷電流値程度に抑えることができるので、切替開閉器、短絡用開閉器共に従来の切替開閉器と比べて特別な性能のものを必要とせず、この発明の実現のためのコストアップを抑制することができる。さらに加えて、列車が中セクションに進入して抵抗器に電流が流れるようになった際に、何らかの原因で抵抗器に過電流が一定時間以上継続して流れ続ければ、過電流検出手段がその過電流を検出し、遮断手段によって交流電源から中セクションへの電力供給を停止するようにしているので、短絡用開閉器の投入不能が発生しても抵抗器を保護することができ、これにより抵抗器は短時間通電のみを考慮すればよくなり、外形を小さくし、抵抗器と短絡用開閉器の付加によるコストアップを抑制することができる。
【0066】
請求項2の発明によれば、列車がトロリー線から中セクションに進入して列車進入側切替開閉器が開放され、反対に列車退出側切替開閉器が投入され、交流電源から中セクションを通じて列車に切換給電される際、この列車退出側切替開閉器に直列に接続した5〜200Ωの抵抗器に交流電源から電流を流すようにしているので、異電源切替時の列車への突入電流をその負荷電流値程度に抑制することができ、また抵抗器に20〜150msecの一定時間通電した後に短絡用開閉器を閉じて列車退出側切替開閉器と抵抗器とをバイパスし、交流電源から中セクションへ短絡用開閉器を通じて電力供給するようにしているので、抵抗器での損失、抵抗器での電圧ドロップにより列車のパンタグラフ点電圧低下などを防止することができ、加えて、短絡用開閉器の投入電流も負荷電流値程度に抑えることができるので、切替開閉器、短絡用開閉器共に従来の切替開閉器と比べて特別な性能のものを必要とせず、この発明の実現のためのコストアップを抑制することができる。さらに加えて、列車が中セクションに進入して抵抗器に電流が流れるようになった際に、何らかの原因で抵抗器に過電流が一定時間以上継続して流れ続ければ、過電流検出手段がその過電流を検出し、遮断手段によって交流電源から中セクションへの電力供給を停止するようにしているので、短絡用開閉器の投入不能が発生しても抵抗器を保護することができ、これにより抵抗器は短時間通電のみを考慮すればよくなり、外形を小さくし、抵抗器と短絡用開閉器の付加によるコストアップを抑制することができる。
【0067】
請求項3の発明によれば、列車がトロリー線から中セクションに進入して列車進入側切替開閉器が開放され、反対に列車退出側切替開閉器が投入され、交流電源から中セクションを通じて列車に切換給電される際、これらの列車進入側切替開閉器と列車退出側切替開閉器との共通の接続点と中セクションとの間に接続されている短絡用開閉器を一時的に開放することにより、この短絡用開閉器と並列に接続されている抵抗器に交流電源から電流を流すようにしているので、異電源切替時の列車への突入電流をその負荷電流値程度に抑制することができ、また抵抗器に20〜150msecの一定時間通電した後に短絡用開閉器を閉じて抵抗器を短絡させ、交流電源から中セクションへ短絡用開閉器を通じて電力供給するようにしているので、抵抗器での損失、抵抗器での電圧ドロップにより列車のパンタグラフ点電圧低下などを防止することができ、加えて、短絡用開閉器の投入電流も1000A以下の負荷電流値程度に抑えることができるので、切替開閉器、短絡用開閉器共に従来の切替開閉器と比べて特別の性能のものを必要とせず、この発明の実現のためのコストアップを抑制することができる。さらに加えて、列車が中セクションに進入して抵抗器に電流が流れるようになった際に、何らかの原因で抵抗器に過電流が一定時間以上継続して流れ続ければ、過電流検出手段がその過電流を検出し、遮断手段によって交流電源から中セクションへの電力供給を停止するようにしているので、短絡用開閉器の投入不能が発生しても抵抗器を保護することができ、これにより抵抗器は短時間通電のみを考慮すればよくなり、外形を小さくし、抵抗器と短絡用開閉器の付加によるコストアップを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の回路ブロック図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の回路ブロック図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の回路ブロック図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の回路ブロック図。
【図5】本発明の第5の実施の形態の回路ブロック図。
【図6】本発明の第6の実施の形態の回路ブロック図。
【図7】従来例の回路ブロック図。
【符号の説明】
1 交流電源
2 トロリー線
3 中セクション
4 列車進入側切替開閉器
5 交流電源
6 トロリー線
7 列車退出側切替開閉器
8 軌道回路
9 列車
10 切替制御回路
11 切替制御回路
12 抵抗器
13 短絡用開閉器
14 短絡制御回路
15 短絡用開閉器
16 短絡制御回路
17 抵抗器
18 短絡用開閉器
19 短絡制御回路
20 計器用変流器
21 過電流継電器
Claims (3)
- それぞれ異なった交流電源から電力供給される互いに隣接したトロリー線間に中セクションが設置され、前記交流電源の一方と前記中セクションとの間を列車進入側切替開閉器を介して接続し、前記交流電源の他方と前記中セクションとの間を列車退出側切替開閉器を介して接続し、列車の全体が列車進入側の前記トロリー線区間から前記中セクションに進入するまで前記列車進入側切替開閉器を閉じ、かつ前記列車退出側切替開閉器を開き、前記列車の全体が前記中セクションに進入した時に前記列車進入側切替開閉器を開き、かつ前記列車退出側切替開閉器を閉じる切替開閉を行う切替開閉装置において、
前記列車退出側切替開閉器と前記中セクションとの間に直列に接続された、前記列車退出側切替開閉器を閉じた時に前記交流電源から列車に搭載される変圧器に流れる突入電流が最大負荷電流以下になるような抵抗値に選定された抵抗器と、前記抵抗器と並列に接続され、前記抵抗器に20〜150msecの一定時間通電した後に閉じて当該抵抗器を短絡する短絡用開閉器とを備え、かつ、
前記抵抗器に流れる過電流を検出する過電流検出手段と、前記過電流検出手段が40〜170msecの所定時間継続して過電流を検出した時に前記交流電源から前記中セクションへの電力供給を停止する遮断手段とを備えたことを特徴とする切替開閉装置。 - それぞれ異なった交流電源から電力供給される互いに隣接したトロリー線間に中セクションが設置され、前記交流電源の一方と前記中セクションとの間を列車進入側切替開閉器を介して接続し、前記交流電源の他方と前記中セクションとの間を列車退出側切替開閉器を介して接続し、列車の全体が列車進入側の前記トロリー線区間から前記中セクションに進入するまで前記列車進入側切替開閉器を閉じ、かつ前記列車退出側切替開閉器を開き、前記列車の全体が前記中セクションに進入した時に前記列車進入側切替開閉器を開き、かつ前記列車退出側切替開閉器を閉じる切替開閉を行う切替開閉装置において、
前記列車退出側切替開閉器と前記中セクションとの間に直列に接続された、前記列車退出側切替開閉器を閉じた時に前記交流電源から列車に搭載される変圧器に流れる突入電流が最大負荷電流以下になるような抵抗値に選定された抵抗器と、前記列車退出側切替開閉器と前記抵抗器との直列回路に並列に接続され、前記抵抗器に20〜150msecの一定時間通電した後に閉じて前記列車退出側切替開閉器と抵抗器とを短絡する短絡用開閉器とを備え、かつ、
前記抵抗器に流れる過電流を検出する過電流検出手段と、前記過電流検出手段が40〜170msecの所定時間継続して過電流を検出した時に前記交流電源から前記中セクションへの電力供給を停止する遮断手段とを備えたことを特徴とする切替開閉装置。 - それぞれ異なった交流電源から電力供給される互いに隣接したトロリー線間に中セクションが設置され、前記交流電源の一方と前記中セクションとの間を列車進入側切替開閉器を介して接続し、前記交流電源の他方と前記中セクションとの間を列車退出側切替開閉器を介して接続し、列車の全体が列車進入側の前記トロリー線区間から前記中セクションに進入するまで前記列車進入側切替開閉器を閉じ、かつ前記列車退出側切替開閉器を開き、前記列車の全体が前記中セクションに進入した時に前記列車進入側切替開閉器を開き、かつ前記列車退出側切替開閉器を閉じる切替開閉を行う切替開閉装置において、
前記列車進入側切替開閉器と列車退出側切替開閉器との共通の接続点と前記中セクションとの間に接続された、前記列車退出側切替開閉器を閉じた時に前記交流電源から列車に搭載される変圧器に流れる突入電流が最大負荷電流以下になるような抵抗値に選定された抵抗器と、前記抵抗器と並列に接続され、前記抵抗器に20〜150msecの一定時間通電した後に閉じて当該抵抗器を短絡する短絡用開閉器とを備え、かつ、
前記抵抗器に流れる過電流を検出する過電流検出手段と、前記過電流検出手段が40〜170msecの所定時間継続して過電流を検出した時に前記交流電源から前記中セクションへの電力供給を停止する遮断手段とを備えたことを特徴とする切替開閉装置。
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