JP3627272B2 - パチンコ島台 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、遊技者が獲得したパチンコ玉を返却する玉返却装置と、列設されるパチンコ機から回収される使用済玉や前記玉返却装置から返却される返却玉を貯留する玉貯留タンクと、該玉貯留タンク内に貯留された玉を上部に揚送する玉揚送装置と、該玉揚送装置によって揚送された玉を再度前記パチンコ機や各パチンコ機に挟持される玉貸機に補給する補給樋と、パチンコ島台内の任意の位置で玉を分離する玉分離器と、該玉分離器が設けられた島台と隣接する他島内との間に架設された移送通路と、該移送通路の始端部に設けられ且つ移送通路を介して前記分離器で分離された玉を自島側から他島側に移送駆動する移送駆動装置と、前記玉貯留タンクにおける玉の貯留量を検出する複数のセンサーと、を備えたパチンコ島台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、遊技者が獲得した景品玉をパチンコ島台の島端又は中央部等に付設される玉返却装置に返却する形式のパチンコ島台が市場に提供されつつある。このような形式のパチンコ島台には、その内部下方に多量のパチンコ玉を貯留するための玉貯留タンクが設けられており、その玉貯留タンクには、玉貯留タンク内の貯留量を検出するために、その下流側に垂直方向に所定の間隔を持って複数のセンサーが設置されていた。そして、本出願人は、先に特願平6−309515号(以下、先行技術という)でその複数のセンサーの検出出力に基づいて複数のパチンコ島台相互に掛け渡される移送通路を介して玉の貯留量の均等化を自動制御するものを提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した先行技術は、複数のセンサーのうち、貯留量の上限を検出する上限センサーからの検出出力があったときには、上限センサーよりも一段階少ない貯留量を検出する上限解除センサーが作動するまで玉を移送し続けるものであった。したがって、この先行技術では、玉貯留タンク内に貯留される玉をできるだけ多く残留させたいので、上限解除センサーが作動するまで移送する必要はないという遊技場の要望を満足させることができなかった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、上限センサーからの検出信号が導出されたときに自動的に移送される玉の量を遊技場の要望に応じて選択設定することが可能なパチンコ島台を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、
遊技者が獲得したパチンコ玉を返却する玉返却装置と、列設されるパチンコ機から回収される使用済玉や前記玉返却装置から返却される返却玉を貯留する玉貯留タンクと、該玉貯留タンク内に貯留された玉を上部に揚送する玉揚送装置と、該玉揚送装置によって揚送された玉を再度前記パチンコ機や各パチンコ機に挟持される玉貸機に補給する補給樋と、パチンコ島台内の任意の位置で玉を分離する玉分離器と、該玉分離器が設けられた島台と隣接する他島内との間に架設された移送通路と、該移送通路の始端部に設けられ且つ移送通路を介して前記分離器で分離された玉を自島側から他島側に移送駆動する移送駆動装置と、前記玉貯留タンクにおける玉の貯留量を検出する複数のセンサーと、を備えたパチンコ島台において、
前記複数のセンサーは、前記玉貯留タンク内の玉の貯留量が上限であることを検出する上限センサーと、該上限センサーよりも一段階少ない貯留量を検出する上限解除センサーと、を少なくとも含み、
前記上限センサーからの検出出力が導出されたときに自島内の移送駆動装置を駆動して隣接する他島に玉を移送制御する移送制御手段に、前記上限センサーからの検出出力が導出されたときに、自島内の移送駆動装置を予め定めた時間だけ駆動する上限タイマー方式と自島内の移送駆動装置を前記上限解除センサーが作動するまで駆動する上限センサー方式とのいずれか一方を予め選択設定することができる選択設定手段を設けると共に、前記上限タイマー方式による玉の移送量と前記上限センサー方式による玉の移送量とが相違するようにしたことを特徴とするものである。
【0005】
【作用】
移送制御手段に、上限センサーからの検出出力が導出されたときに、自島内の移送駆動装置を予め定めた時間だけ駆動する上限タイマー方式と自島内の移送駆動装置を上限解除センサーが作動するまで駆動する上限センサー方式とのいずれか一方を予め選択設定することができる選択設定手段を設けると共に、上限タイマー方式による玉の移送量と上限センサー方式による玉の移送量とが相違するようにしたので、貯留量が上限となったときに、他島に移送し得る玉量を遊技場の要望に応じて予め選択設定することができる。
【0006】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。まず、実施例に係るパチンコ島台1の構造を図1及び図2を参照して説明する。図1は、複数のパチンコ島台1の配置状態を示す斜視図であり、図2は、1つのパチンコ島台1の内部の構造を示す一部破断正面図である。図において、パチンコ島台1は、周知のように、多数のパチンコ機2を背向列設するもので、各パチンコ機2の間には、パチンコ機2と1対1で対応するように台間玉貸機3が挟持されている。また、パチンコ島台1の中央には、玉揚送手段として後述する玉揚送装置10が立設されていが、該玉揚送装置10の左サイドには、遊技客が獲得した景品玉を返却したときに、その返却玉数を数値記録したレシートを発行する玉返却装置4が設けられている。また、玉返却装置4には、図3及び図4に示すように、後述する玉貯留タンク30b内の上限センサー38からの検出出力に基づいて駆動される返却阻止部材5が設けられている。この返却阻止部材5は、玉貯留タンク30b内に貯留される玉量が上限値に達したときに、それ以上の玉の返却を停止する旨を表示するものである。更に、玉返却装置4の隣接する位置には、両替機6も設けられている。なお、返却阻止部材5のように表示するだけでなく、玉返却装置4の返却口を完全に閉塞するものでも良い。
【0007】
なお、パチンコ島台1の外観において、上記した構成以外に、島端の上部には、後述するセンサー33〜38からの検出信号に基づいて玉貯留タンク30a,30b内に貯留される玉量をレベル表示する玉量表示器7と、各パチンコ島1間の中央部を連絡して、相互に玉のやり取りを行う移送通路8と、が設けられている。
【0008】
ところで、図2に示すように、パチンコ島台1の内部には、前述したようにそのほぼ中央に玉揚送装置10が立設されているが、本実施例における玉揚送装置10は、モータを内蔵した下部駆動プーリにより無端状の搬送ベルトを回転駆動するものであり、該搬送ベルトの摩擦力により導入樋11から導入された玉を研磨布装着扉(図示しない)に接触させながら上昇せしめ、最終的に上端の排出口から上部タンク12内に排出するようになっている。なお、玉揚送装置は、本実施例とは別に、螺旋体によって研磨ペレットと玉とを混合しながら揚送する形式のもの、又はベルトにバケットを固定した形式のものであっても良い。
【0009】
前記上部タンク12の底面両端部には、それぞれパチンコ島台1の両端部に向かって下方傾斜した左右の各補給樋13が接続されており、該補給樋13の途中部位には、各パチンコ機2及び台間玉貸機3に対応した分離器14が設けられている。これにより、玉揚送装置10により揚送研磨された研磨済の玉は、上部タンク12の底面両端部から各補給樋13に流出され、その後、分離器14によって各パチンコ機2の背面上部に設けられた周知の賞品玉タンク及び台間玉貸機3に供給されるようになっている。なお、上記分離器14には、周知のように補給された玉数を計数するための計数装置が付設されており、この計数装置から遊技場に設けられる図示しない管理コンピュータに補給玉数信号が送られるようになっている。
【0010】
また、上部タンク12の側面底面には、上記補給樋13上に玉が満杯となったときに玉が流出する落下口24が形成されており、該落下口24の下方位置には、還流通路体20が配設されている。この還流通路体20は、パチンコ機2における賞品玉の使用が少なく補給樋13への玉の補給が必要なくなり、結果的に上部タンク12内の貯留玉が落下口24より落下したとき、余剰の玉を玉揚送装置10の下部両側に設置される左右の各玉貯留タンク30a,30bに還流するものである。しかして、図示の実施例における還流通路体20には、一方の玉貯留タンク30aに連通する優先通路体21と、他方の玉貯留タンク30bに連通する非優先通路体22とが接続されており、還流通路体20に落下してきた余剰の玉を優先して優先通路体21に導いて一方の玉貯留タンク30aに貯留し、その玉貯留タンク30aが満杯となって優先通路体21も満杯となったときに、還流通路体20に落下してくる余剰の玉を非優先通路体22に導いて他方の玉貯留タンク30bに貯留する。つまり、図示の実施例では、左側の玉貯留タンク30aが優先的に玉を貯留する玉貯留タンクとして機能し、右側の玉貯留タンク30bが非優先玉貯留タンクとして機能する。なお、優先通路体21と非優先通路体22と還流通路体20に玉が満杯となったときには、その部分で約2万個程度の玉を貯留し得る体積を有している。また、優先通路体21のほぼ中央には、中間センサー25が設けられ、非優先通路体22のほぼ中央にも非常センサー26が設けられている。中間センサー25は、パチンコ島台1内の玉の貯留量、即ち、左右の玉貯留タンク30a,30b及び優先・非優先通路体21,22の玉の貯留能力のほぼ半分(例えば、全体で30万個の玉の貯留能力がある場合には、その半分の15万個)の玉が貯留されたことを検出するものであり、その表示が前記玉量表示器7に表示される。また、非常センサー26は、玉の貯留量が上限値を超えてそれ以上貯留されると異常事態となってしまうことを検出するためのものであり、この非常センサー26が貯留状態を検出することにより、前記玉揚送装置10の作動を停止すると共に、遊技場に設置される管理コンピュータに異常である旨を報知するようになっている。この非常センサー26が作動したときの復帰は、手動的なリセットスイッチの操作によってしか復帰し得ないようになっている。
【0011】
また、還流通路体20の上部には、前記落下口24の下方に臨む還流パイプ23の上端が接続されているが、この還流パイプ23には、落下口24から落下する打玉が受け入れられて前記非優先玉貯留タンク30bのやや下流よりの傾斜底面32bに導かれるようになっている。この還流パイプ23への玉の流入の優先順位は、最優先とされており、落下口24から落下した打玉が優先的に誘導されて、非優先玉貯留タンク30bの下流側に導かれる。ただし、非優先玉貯留タンク30bの下流側に玉が貯留されて還流パイプ23の流出口部分まで到達すると、それ以上の玉は、導かれずに還流パイプ23内に充満し、遂には、還流パイプ23内が完全に玉で充満したときに落下口24から還流通路体20へ落下した玉が前記優先通路体21に導かれるようになっている。しかして、一般的に、優先玉貯留タンク30a側に多くの貯留玉が残存している場合が多い一方、非優先玉貯留タンク30b側に玉が残存していない場合が多く、このような場合に導入樋11への玉の供給が左右で相違することとなって玉の揚送効率が悪くなるという欠点がある。このような欠点を解消するために、還流パイプ23を介して玉の一部を優先して非優先玉貯留タンク30b側に導くことにより、玉揚送装置10の導入樋11に左右から均等に玉を供給して玉の揚送効率の向上を図っている。
【0012】
ところで、上記左右の玉貯留タンク30a,30bは、それぞれパチンコ島台1の両端部に向かって下方傾斜した各上部樋31a,31bと、前記玉揚送装置10の導入樋11に貯留された玉を導く傾斜底面32a,32bとを有して構成されている。上部樋31a,31bは、前記優先通路体21,非優先通路体22から還流された玉、各パチンコ機2に打ち込まれてアウト玉タンク15から排出された玉、及び玉返却装置4から返却投入された景品玉を玉貯留タンク30a,30bの端部に向けて誘導するものである。このため、上部樋31a,31bは、玉貯留タンク30a,30bの上部左右の側面に固着されている。なお、上部樋31a,31bを転動する玉は、必ずしも端部まで到達してから傾斜底面32a,32bに落下するものばかりでなく、一部の玉は、端部まで到達する前に傾斜底面32に落下するが、多くは、上部樋31a,31bの端部から傾斜底面32a,32b上に落下するものである。
【0013】
上記のように構成されるパチンコ島台1においては、玉揚送装置10によって研磨揚送された玉が補給樋13を介して各パチンコ機2に供給され、一方、各パチンコ機2で使用された使用済玉及び玉返却装置4に返却投入された景品玉が玉貯留タンク30a,30bに一旦集められ、その後、玉揚送装置10に供給されて再度研磨揚送されて補給樋13に供給される。つまり、玉は、パチンコ島台1の内部で循環使用される。しかしながら、当該パチンコ島台1で使用される玉の貯留量は、常に一定とは限らない。即ち、他のパチンコ島台1で獲得した景品玉を遊技客が当該パチンコ島台1の玉返却装置4に投入する場合や当該パチンコ島台1で獲得した景品玉を遊技客が他のパチンコ島台1の玉返却装置4に投入する場合がある。このため、パチンコ島台1の内部で循環使用される玉の貯留量が増加する場合には、最悪の事態として、前記玉返却装置4から玉の逆流現象が生じたり、あるいは玉揚送装置10も故障して営業を行うことができなくなる。一方、パチンコ島台1の内部で循環使用される玉の貯留量が減少する場合には、最悪の事態として、パチンコ機2から正常な景品玉の払い出しが行われなくなる。
【0014】
しかして、上記したような不都合を回避すべく各島台間の貯留玉量の均等化を図るために、本実施例においては、パチンコ島台1に、列設された各島台間で玉を搬送する移送通路8と、前記玉貯留タンク30a,30b内における玉の貯留量を検出するセンサー33〜38と、を設け、さらには、後述する駆動制御手段に各種の指令を導出する制御装置40とで、各島台間の貯留玉量の均等化を図っている。
【0015】
まず、移送通路8について図1及び図2を参照して説明する。図において、前記補給樋13の上流端付近に設けられ且つ補給樋13を流下する玉を分離する分離器14から取り込んだ玉を蛇腹パイプ16で移送駆動装置17に供給している。移送駆動装置17は、その一端に前記蛇腹パイプ16の下端が接続され且つその他端に供給パイプ18が接続される半円形状の半円移送管の内部に玉と所定の摩擦力を有して当接するゴム製の円盤部材(図示しない)を設け、該円盤部材を単相インダクションモータ(モータ)で回転駆動するように構成されるものであり、蛇腹パイプ16を流下してきた玉を円盤部材と玉の摩擦力とで供給パイプ18内を一列状に整列して揚送するものである。この供給パイプ18と平行状に他島からの玉が補給される補給パイプ19が設けられており、この供給パイプ18と補給パイプ19とによって前記移送通路8が構成されている。なお、補給パイプ19の先端は、前記上部樋31bの上端にむかって開放されており、供給パイプ18の先端は、他島側から見れば補給パイプ19となっている。また、パチンコ島台1は、通常、遊技場のスペースを有効に活用するため、表面側と裏面側とにパチンコ機2を列設しており、これに伴ってパチンコ島台1の表面側及び裏面側にそれぞれ専用の補給樋13を配設している。従って、このような構成のパチンコ島台1においては、前記移送駆動装置17を表面側及び裏面側の各補給樋13に個々に設けた構成としても良いし、あるいは、一本の巾広の補給樋の左右両側部に分離器14を設けて、表面側と裏面側とのパチンコ機2に玉を補給する場合もあるが、この場合にも、前記移送駆動装置17を左右両側部に設ければよい。
【0016】
センサー33〜38は、前記上部樋31a,31bのやや下方であってほぼ水平方向に所定の間隔を持って配置されている。このように配置することにより、玉の溜り部分が貯留状態の進行に応じて下流側に移動するような形態を呈する玉貯留タンク30a,30b内の玉の貯留量を正確に検出することができる。即ち、図5乃至図11に示すように、本実施例において、玉貯留タンク30a,30bの玉の貯留変化は、まず、図5に示すように、優先通路体21から上部樋31aを介して導かれた玉は、優先玉貯留タンク30aの傾斜底面31aに溜り始めるが、その後、玉の溜り部分は、上部樋31aの端部に対応する優先玉貯留タンク30aの上流部であり、その上流部に配置される下限センサー33がまずONする。更に、玉の貯留状態が進行すると、玉の溜り部分は、図6乃至図9に示すように下流側に移動し、順次センサー34〜36をONして、遂には、優先玉貯留タンク30a及び優先通路体21が満杯となって非優先通路体22に玉が誘導され非優先玉貯留タンク30aに導かれる。この非優先玉貯留タンク30bにおける玉の貯留変化も、同様にして非優先貯留タンク30bの上流側から徐々に溜り、最終的にその下流側に水平方向に配置される2つのセンサー37,38も図10及び図11に示すようにONするようになっている。センサー38は、玉貯留タンク30a,30bに貯留される玉量が上限に達したときにONするものであるため、上限センサー38と言われている。
【0017】
なお、本実施例においては、各センサー33〜38の設置間隔を、貯留される玉量がほぼ2万個ずつ単位で検出できる位置間隔を開けて設けられていると共に、後述する制御装置40に設けられる複数の玉量表示器45及び前記玉量表示器7がそれぞれセンサー33〜38に対応している。また、本実施例においては、優先玉貯留タンク30aに設けられるセンサーの数が非優先玉貯留タンク30bに設けられるセンサの数よりも多くなっているが、これは、通常の営業において、非優先玉貯留タンク30b内の貯留量が少なくなっても何ら問題ないが、大当り等が複数のパチンコ機2で発生して急激に減少したときに、玉不足状態が突然発生する場合があるので、優先玉貯留タンク30a内の貯留量は、ある程度細分化して観察する必要があるからである。もちろん、後述するように、本実施例のように移送駆動装置17で玉の移送制御を行う場合には、左右同数(例えば、下限センサー33と下限解除センサー34と上限センサー38と上限解除センサー37)のセンサーだけを配置したものでも良い。更に、本実施例では、前記玉返却装置4は、非優先玉貯留タンク30b側に設けられているが、これは、玉返却装置4を介して返却される多量の景品玉を受け入れる余地を確保できる営業時間を長くするためである。
【0018】
また、上記したセンサー33〜38の検出信号に基づいて前記移送駆動装置17を自動制御したり、あるいは必要に応じて移送駆動装置17を手動制御することができる制御装置40は、図13に示すように構成される。即ち、図13は、制御装置40の正面から見た斜視図であり、その前面には、各パチンコ島台1毎に対応する島台対応パネル41が複数個設けられており、各島台対応パネル41には、移送駆動装置17に駆動信号を導出することができる玉量調整出力手段としての玉量調整スイッチ42と、玉の移送が正常に行われていないことを表示する移送異常表示手段としての移送異常表示器43と、玉の移送が正常に行われていることを表示する移送正常表示器44と、パチンコ島台1の玉貯留タンク30a,30bに貯留されている玉量を表示する玉量表示手段としての玉量表示器45と、が設けられている。上記した構成のうち、玉量調整スイッチ42,移送異常表示器43,移送正常表示器44は、1つのパチンコ島台1に設けられる移送駆動装置17の数に対応する数(即ち、2つ)設けられている。なお、制御装置40内に制御回路基板も設けても良いが、制御回路基板を1つのパチンコ島台1の適宜位置に取り付け、その制御回路基板と各パチンコ島台1の各移送駆動装置17や制御装置40とを接続するようにしても良い。この場合には、制御装置40は、指令操作盤としてだけの機能を有することとなる。
【0019】
次に、上記した移送駆動装置17、センサー33〜38、及び制御装置40による各島台間の貯留玉量の移送動作を、図12乃至図17の説明図及びフローチャートを参照して説明する。図12は、玉貯留タンク30a,30b内に設けられるセンサー33,34,37,38の状態と玉量との関係を示す説明図であり、図13は、前述したように制御装置40の斜視図であり、図14乃至図17は、制御回路基板によって制御される制御動作を示すフロー図である。
【0020】
まず、図14において、ステップ10で自島の上限センサー38がONしているか否か、即ち、貯留量が非優先玉貯留タンク30bに設けられる上限センサー38以上に貯留されているか否かが判別され、ONしていると判別されたときには、ステップ20で玉返却装置4(計数器と表示)の返却阻止部材5を駆動して返却できない旨を表示すると共に、ステップ30で補給フラグをONする。その後、ステップ40で上限タイマー方式が設定されているか否かが判別される。
【0021】
ここで、本実施例では、上限タイマー方式と上限センサー方式とのいずれかが予め設定できるようになっている。前記上限センサー38がONして満杯となった玉を移送駆動装置17で隣接するパチンコ島台に補給する場合において、上限タイマー方式は、予め定めた時間(例えば、10分)だけ移送駆動装置17を駆動して玉を隣接島に移送する方式であり、一方、上限センサー方式は、上限解除センサー37がONとなるまで移送駆動装置17を駆動して玉を隣接島に移送する方式である。このように、上限タイマー方式と上限センサー方式とのいずれかを予め選択して設定できるようにしたのは、上限センサー方式の場合には、確実に1個分のセンサーの配置間隔に相当する玉数(本実施例では、約2万個に相当し、これを移送駆動装置17で移送する時間は、約40分前後かかる)を移送してしまうが、遊技場においては、このような移送でも良いというところもあるが、中には、玉貯留タンク30b内に貯留される玉をできるだけ残留させるために上限解除センサー37がONとなるまで移送する必要はないと要望する遊技場もあり、このような遊技場の異なる要望を満足させるために上記2方式のいずれか一方を予め選択設定できるようにしたものである。また、上記の理由からも明らかなように、上限タイマー方式の方が上限センサー方式よりも移送駆動装置17によって移送される玉数が少なくなるように設定されている。なお、上限センサー38と上限解除センサー37との設置間隔を短くして、上限センサー方式の方が上限タイマー方式よりも移送駆動装置17によって移送される玉数が少なくなるように設定しても良い。
【0022】
しかして、上限タイマー方式が設定されていると判別されたときには、ステップ50で上限タイマー処理が実行され、上限タイマー方式が設定されていないときには、ステップ60で上限センサー処理が実行される。この上限タイマー処理及び上限センサー処理は、後に詳述する。
【0023】
上記した上限タイマー処理又は上限センサー処理が終了した後には、ステップ70で補給フラグがOFFにされ、ステップ80で玉返却装置4の返却が可能となり、ステップ90で自島内の移送駆動装置17(補給装置と表示)を停止して貯留量が上限に達したときの処理を終了する。
【0024】
一方、玉貯留タンク30a内の貯留量が下限に達したときの処理、即ち、前記ステップ10で上限センサー38がONしていないと判別され且つステップ100で下限センサー33がONしていると判別されたときの処理は、まず、ステップ110で受給フラグをONせしめ、その後、ステップ120で下限タイマー方式が設定されているか否かが判別される。この下限タイマー方式における選択は、前記上限タイマー方式と同様の考え方に基づいて、下限タイマー方式と下限センサー方式とのいずれかが予め設定できるようになっている。前記下限センサー33がONして玉不足が生じたときに隣接するパチンコ島台1の移送駆動装置17(これは、自島から見たときに受給装置となる)を駆動して自島に受給する場合において、下限タイマー方式は、予め定めた時間(例えば、10分)だけ隣接島の移送駆動装置17(受給装置)を駆動して玉を自島に移送する方式であり、一方、下限センサー方式は、下限解除センサー34がONとなるまで隣接島の移送駆動装置17(受給装置)を駆動して玉を自島に移送する方式である。なお、この下限タイマー方式は、上限タイマー方式ほど遊技場にとって必要ではなく下限センサー33がONとなったときに下限センサー処理だけを実行するようにしても良い。
【0025】
しかして、下限タイマー方式が設定されていると判別されたときには、ステップ130で下限タイマー処理が実行され、下限タイマー方式が設定されていないときには、ステップ140で下限センサー処理が実行される。この下限タイマー処理及び下限センサー処理は、後に詳述する。
【0026】
上記した下限タイマー処理又は下限センサー処理が終了した後には、ステップ150で受給フラグがOFFにされ、ステップ160で隣接島内の移送駆動装置17(受給装置と表示)を停止して貯留量が下限に達したときの処理を終了する。
【0027】
上記した処理のうち、ステップ50の上限タイマー処理について、図15(A)及び図17(A)を参照して説明すると、ステップ51でタイマーの初期化が実行され、次いでステップ52でタイマーが始動される。タイマー始動後は、ステップ53の補給装置制御処理が実行されるが、この補給装置制御処理は、図17(A)に示すように、隣接する左右のパチンコ島台が上限に達しているか否かを判断しながら行うものである。即ち、ステップ200で左島において補給フラグがONしているか否かが判別され、ONしていれば左島も上限に達しているということであるので、ステップ201で左島へ玉を補給する移送駆動装置17の駆動を停止し、左島の補給フラグがONしていなければステップ202で左島へ玉を補給する移送駆動装置17の駆動を開始する。同様に、ステップ203で右島において補給フラグがONしているか否かが判別され、ONしていれば右島も上限に達しているということであるので、ステップ204で右島へ玉を補給する移送駆動装置17の駆動を停止し、右島の補給フラグがONしていなければステップ205で右島へ玉を補給する移送駆動装置17の駆動を開始する。
【0028】
上記した補給装置制御処理を行いながら、ステップ54でタイマー時間の10分が経過したか否かが判別され、10分経過しなければ、補給装置制御処理が繰り返し実行され、10分経過したときには、ステップ55で上限センサー38がONしているか否か、即ち10分の玉の移送によっても未だ上限センサー38がONしているときには、ステップ51に戻って再度10分の玉移送処理を行い、上限センサー38がONでないときには、上限タイマー処理を終了する。
【0029】
次に、ステップ60の上限センサー処理について、図15(B)及び図17(A)を参照して説明すると、ステップ61で補給装置制御処理が行われるが、この補給装置制御処理は、前記ステップ53と全く同じ図17(A)に示すステップ200〜205までの処理であり、この処理は、ステップ62で上限解除センサー37がONするまで実行される。
【0030】
次に、ステップ130の上限タイマー処理について、図16(A)及び図17(B)を参照して説明すると、ステップ131でタイマーの初期化が実行され、次いでステップ132でタイマーが始動される。タイマー始動後は、ステップ133の受給装置制御処理が実行されるが、この受給装置制御処理は、図17(B)に示すように、隣接する左右のパチンコ島台が下限に達しているか否かを判断しながら行うものである。即ち、ステップ300で左島において受給フラグがONしているか否かが判別され、ONしていれば左島も下限に達しているということであるので、ステップ301で左島からの玉の受給を禁止すべく左島の移送駆動装置17(受給装置)の駆動を停止し、左島の受給フラグがONしていなければステップ302で左島からの玉の受給を受けるべく左島の移送駆動装置17(受給装置)の駆動を開始する。同様に、ステップ303で右島において受給フラグがONしているか否かが判別され、ONしていれば右島も下限に達しているということであるので、ステップ304で右島からの玉の受給を禁止すべく右島の移送駆動装置17(受給装置)の駆動を停止し、右島の受給フラグがONしていなければステップ305で右島からの玉の受給を受けるべく右島の移送駆動装置17(受給装置)の駆動を開始する。
【0031】
上記した受給装置制御処理を行いながら、ステップ134でタイマー時間の10分が経過したか否かが判別され、10分経過しなければ、受給装置制御処理が繰り返し実行され、10分経過したときには、ステップ135で下限センサー33がONしているか否か、即ち10分の玉の移送によっても未だ下限センサー33がONしているときには、ステップ131に戻って再度10分の玉移送処理を行い、下限センサー33がONでないときには、下限タイマー処理を終了する。
【0032】
次に、ステップ140の下限センサー処理について、図16(B)及び図17(B)を参照して説明すると、ステップ141で受給装置制御処理が行われるが、この受給装置制御処理は、前記ステップ133と全く同じ図17(B)に示すステップ300〜305までの処理であり、この処理は、ステップ142で下限解除センサー34がONするまで実行される。
【0033】
上記したように、通常の営業中においては、上記した図14〜図17に示す制御動作によって複数のパチンコ島台1における貯留玉量が過不足なく自動的に制御されているが、緊急時や営業終了時においては、制御装置40の玉量調整スイッチ42を操作することにより、強制的に玉の移送動作を行うことができる。これについて簡単に説明すると、制御装置40の玉量表示器45を監視しながら、移送開始をしたい移送駆動装置17に対応する玉量調整スイッチ42をONせしめると、対応する移送駆動装置17のモータが駆動を開始する。この移送駆動装置17が駆動されたときに前記供給パイプ18に設けられた検知センサー(図示しない)がONしているときには、玉の移送が正常に行われているので、制御装置の移送正常表示器44(これらは青色ランプが使用されている)が点灯するが、検知センサーがONしていないときには、モータが駆動されているにも拘らず玉の移送動作が行われていないということであるから、制御装置40の移送異常表示器43を点滅(これらは良く目立つように赤色ランプが使用されている)し、その後、モータを自動停止せしめ、玉詰まり解除作業を行う。一方、玉の移送が正常に行われているときには、制御装置40に設けられる玉量表示器45の所望の表示器が点灯したか否かを監視し、所望の表示器が点灯したときには、玉量調整スイッチ42をOFFとして、移送駆動装置17のモータの駆動を停止する。
【0034】
このように、玉量調整スイッチ42のON・OFF操作によって所望の移送駆動装置17を所望の期間だけ強制的に駆動させることができるので、緊急時や営業終了時における各パチンコ島台1間の玉の均等化処理を容易に達成することができる。また、上記説明では、移送終了も玉量調整スイッチ42をOFFすることにより行うものを示したが、移送駆動装置17のモータの駆動速度が一定であれば、所定時間だけモータを駆動することにより所望数の玉を移送することが可能である。このため、玉量調整スイッチ42を操作してから一定時間後に移送駆動装置17のモータの駆動を自動的に停止するように制御しても良い。
【0035】
以上、実施例に係るパチンコ島台1の構成及び作用について説明してきたが、本実施例によれば、上部樋31a,31bのやや下方のほぼ水平方向に玉の貯留量を検出する複数のセンサー33〜38を所定間隔を持って配置したので、玉の溜り部分が貯留状態の進行に応じて下流側に移動するような形態を呈する玉貯留タンク30a,30b内の玉の貯留量を正確に検出することができる。また、本実施例においては、上限センサー38からの検出出力が導出されたときに、自島内の移送駆動装置17を予め定めた時間だけ駆動する上限タイマー方式と自島内の移送駆動装置17を上限解除センサー37が作動するまで駆動する上限センサー方式とのいずれか一方を予め選択設定することができる選択設定手段を設けると共に、上限タイマー方式による玉の移送量と上限センサー方式による玉の移送量とが相違するようにしたので、貯留量が上限となったときに、他島に移送し得る玉量を遊技場の要望に応じて予め選択設定することができる。
【0036】
なお、上記した実施例では、移送駆動装置17として、玉を一列にして他島に移送するものを示したが、複数列にして玉を移送するものでも良い。この場合には、例えば、分離器14による玉の取込を複数列とし、各列に対応して移送駆動装置17及び移送通路8を設ければ良い。また、上記した実施例では、玉揚送装置10の左右に一対の玉貯留タンク30a,30bを有するものを示したが、玉揚送装置10の一方にだけ1つの玉貯留タンクを設けたパチンコ島台にも本発明を適用することは可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、移送制御手段に、上限センサーからの検出出力が導出されたときに、自島内の移送駆動装置を予め定めた時間だけ駆動する上限タイマー方式と自島内の移送駆動装置を上限解除センサーが作動するまで駆動する上限センサー方式とのいずれか一方を予め選択設定することができる選択設定手段を設けると共に、上限タイマー方式による玉の移送量と上限センサー方式による玉の移送量とが相違するようにしたので、貯留量が上限となったときに、他島に移送し得る玉量を遊技場の要望に応じて予め選択設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る複数のパチンコ島台の配置状態を示す斜視図である。
【図2】1つのパチンコ島台の内部の構造を示す一部破断正面図である。
【図3】パチンコ島台のほぼ中央に設けられる玉返却装置部分の斜視図である。
【図4】玉返却装置への返却が禁止されたときの状態を示す斜視図である。
【図5】玉貯留タンク内の玉の貯留の進行状態を示す一部破断正面図である。
【図6】同じく玉貯留タンク内の玉の貯留の進行状態を示す一部破断正面図である。
【図7】同じく玉貯留タンク内の玉の貯留の進行状態を示す一部破断正面図である。
【図8】同じく玉貯留タンク内の玉の貯留の進行状態を示す一部破断正面図である。
【図9】同じく玉貯留タンク内の玉の貯留の進行状態を示す一部破断正面図である。
【図10】同じく玉貯留タンク内の玉の貯留の進行状態を示す一部破断正面図である。
【図11】同じく玉貯留タンク内の玉の貯留の進行状態を示す一部破断正面図である。
【図12】玉貯留タンク内に設けられるセンサーの状態と玉量との関係を示す説明図である。
【図13】制御装置の斜視図である。
【図14】制御回路基板によって制御される制御動作を示すフロー図である。
【図15】図14内に示されるサブルーチン処理の詳細なフロー図である。
【図16】図14内に示されるサブルーチン処理の詳細なフロー図である。
【図17】図15及び図16内に示されるサブルーチン処理の詳細なフロー図である。
【符号の説明】
1 パチンコ島台
2 パチンコ機
3 台間玉貸機
4 玉返却装置
5 返却阻止部材
8 移送通路
10 玉揚送装置
13 補給樋
14 分離器
17 移送駆動装置
20 還流通路体
21 優先通路体
22 非優先通路体
23 還流パイプ
30a,30b 玉貯留タンク
31a,31b 上部樋
32a,32b 傾斜底面
33 下限センサー
34 下限解除センサー
35,36 センサー
37 上限解除センサー
38 上限センサー
40 制御装置
41 島台対応パネル
42 玉量調整スイッチ
43 移送異常表示器
44 移送正常表示器
45 玉量表示器

Claims (2)

  1. 遊技者が獲得したパチンコ玉を返却する玉返却装置と、列設されるパチンコ機から回収される使用済玉や前記玉返却装置から返却される返却玉を貯留する玉貯留タンクと、該玉貯留タンク内に貯留された玉を上部に揚送する玉揚送装置と、該玉揚送装置によって揚送された玉を再度前記パチンコ機や各パチンコ機に挟持される玉貸機に補給する補給樋と、パチンコ島台内の任意の位置で玉を分離する玉分離器と、該玉分離器が設けられた島台と隣接する他島内との間に架設された移送通路と、該移送通路の始端部に設けられ且つ移送通路を介して前記分離器で分離された玉を自島側から他島側に移送駆動する移送駆動装置と、前記玉貯留タンクにおける玉の貯留量を検出する複数のセンサーと、を備えたパチンコ島台において、
    前記複数のセンサーは、前記玉貯留タンク内の玉の貯留量が上限であることを検出する上限センサーと、該上限センサーよりも一段階少ない貯留量を検出する上限解除センサーと、を少なくとも含み、
    前記上限センサーからの検出出力が導出されたときに自島内の移送駆動装置を駆動して隣接する他島に玉を移送制御する移送制御手段に、前記上限センサーからの検出出力が導出されたときに、自島内の移送駆動装置を予め定めた時間だけ駆動する上限タイマー方式と自島内の移送駆動装置を前記上限解除センサーが作動するまで駆動する上限センサー方式とのいずれか一方を予め選択設定することができる選択設定手段を設けると共に、前記上限タイマー方式による玉の移送量と前記上限センサー方式による玉の移送量とが相違するようにしたことを特徴とするパチンコ島台。
  2. 前記上限タイマー方式による玉の移送量が前記上限センサー方式による玉の移送量よりも少なくなるようにタイマー時間を設定したことを特徴とする請求項1記載のパチンコ島台。
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